JP5390803B2 - 温度制御装置を備えた射出成形機 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルやバレルの温度制御装置を備えた射出成形機に関する。
薄肉成形品の射出成形においては、薄肉部の充填性を向上させるために樹脂の温度を上げて流動性を向上させる条件調整が行われている。ところが、樹脂の温度を上げすぎると、樹脂がバレル(「シリンダー」とも称する)内に滞留している間に樹脂の劣化(分解反応)が起こり、焼けや変色といった問題が生じてしまう。そのため、樹脂の流動性と劣化防止とのバランスをとりながら、バレルの設定温度を調整することが行われていた。
バレル前方(ノズル側)の温度調整に関しては、温度を高くすることで樹脂の流動性が向上するが、樹脂の劣化や製品取り出し時の糸引きといった問題が生じる。また、バレル後方(ホッパ側)の温度調整に関しては、温度を高くすると樹脂の劣化が起こるが、温度を低くすると樹脂が溶融しないという問題が生じる。
従来、バレルやノズルの温度を制御する技術として以下の文献に開示されるものがある。特許文献1には、型開き完了時にノズルヒータに通電し、その後一定期間ノズルヒータへの通電を継続させることで、ショット毎の射出直前のノズル温度を一定に保つ技術が開示されている。
特許文献2には、1成形サイクル中の所定の工程期間に所定時間だけノズルヒータを加熱し、成形サイクル毎に前記ヒータから前記ノズルに与える熱量を一定に制御する技術が開示されている。特許文献1や特許文献2に開示される技術は、いずれもノズル部温度やノズルに与える熱量を一定に制御するものであるが、ノズル部の温度を積極的に変化させる機能を有するものではなく、樹脂の劣化に対して効果が得られない。
特許文献3や特許文献4には、可塑化工程時にバレル温度が低下するのを補償するために、成形サイクルの特定の時間帯にヒータを強制加熱する技術が開示されている。特許文献3に開示される技術は、シーケンス制御手段による加熱作用で追加加熱し、射出溶融樹脂温度の温度分布を均一にするものであり、シーケンス制御手段によって、温度を積極的に上昇および下降させるものではない。特許文献3や特許文献4に開示される技術は、バレルの温度を一定に制御するものであるが、バレルの温度を積極的に変化させるものではないため、樹脂の劣化に対して効果が得られない。
特許文献5や特許文献6には、キャビティ内に溶融樹脂を射出する直前は樹脂が可塑化する温度となるようにノズル先端部の温度を制御し、キャビティ内に溶融樹脂を射出した後にあっては樹脂が固化する温度となるようにノズル先端部の温度を制御する技術が開示されている。
特許文献5や特許文献6に開示される技術は、ノズルまたはノズル先端部の温度を変化させるものであるが、バレルの滞留部分や可塑化部分の温度に着目し、そのバレル部分の温度を成形サイクルの中で積極的に変化させるものではなかった。そのため、ノズル部に滞留している樹脂の劣化については効果を得られるものの、バレル部に滞留している樹脂の劣化については効果が得られない。滞留樹脂の大部分はノズルではなくバレル内に滞留しているため、バレル内に滞留している樹脂の劣化を防止することが求められていた。
特開平6−328510号公報 2006−192646号公報 特開平7−186227号公報 特開平2−76714号公報 特開平10−193392号公報 特開昭62−184826号公報
一般的に、1ショットあたりで射出される樹脂が滞留している部分は、バレル前方のごく一部分(以下、「滞留部分」という)だけである。金型に充填される樹脂は、射出時には十分温度が高くないと流動性が悪くなってしまうが、射出が完了して次の射出が開始するまでの間(射出待機期間)は温度を高くする必要はない。射出待機期間とは、具体的には計量工程・型開工程・突出工程・型閉工程である。よって、射出直前に滞留部分のバレル温度を上げ、射出完了後の待機期間では温度を下げることで、樹脂の流動性を確保しながら樹脂の劣化を最小限に抑えることができる。
また、樹脂の可塑化が行われるバレル後方部分(以下、「可塑化部分」)については、計量時には十分温度が高くないと樹脂が溶融しないが、計量が完了してから次の計量が行われるまでの間(計量待機期間)は温度を高くする必要はない。計量待機期間とは、具体的には型開工程・突出工程・型閉工程・射出工程・保圧工程である。
そこで本発明は、ノズルやバレルの滞留部分や可塑化部分の温度に着目し、そのノズルやバレル部分の温度を成形サイクルの中で積極的に変化させることで、樹脂の劣化を防止し省エネ効果を発揮する温度制御装置を備えた射出成形機を提供することを目的とする。
本願の請求項1に係る発明は、スクリュと、スクリュを軸方向に駆動する手段と、スクリュ位置を検出する手段と、スクリュを回転方向に駆動する手段と、バレルと、バレル温度を検出する手段とを備え、バレルの軸方向に複数の加熱ゾーンを設け、各加熱ゾーンにヒータを設け、温度制御手段によって各加熱ゾーンのヒータを通電して各加熱ゾーンの温度を各加熱ゾーンの設定温度に制御する射出成形機において、前記温度制御手段は、各成形サイクルの遅くとも射出開始までに、前記複数の加熱ゾーンのうちバレル最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度になるように制御し、射出工程中および射出完了時点から保圧完了時点までの間の所定時点までの期間は前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度を維持するように制御した後、前記所定時点以降は前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度より低い第2の設定温度になるように制御することを特徴とする射出成形機である。
請求項2に係る発明は、前記温度制御手段は、前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度指令値を射出開始前の所定のタイミングで第2の設定温度から第1の設定温度に切り替える温度切り替え手段と、前記所定のタイミングを調節する調節手段を有することを特徴とする請求項1に記載の射出成形機である。
請求項3に係る発明は、スクリュと、スクリュを軸方向に駆動する手段と、スクリュ位置を検出する手段と、スクリュを回転方向に駆動する手段と、バレルと、バレル温度を検出する手段とを備え、バレルの軸方向に複数の加熱ゾーンを設け、各加熱ゾーンにヒータを設け、温度制御手段によって各加熱ゾーンのヒータを通電して各加熱ゾーンの温度を各加熱ゾーンの設定温度に制御する射出成形機において、前記温度制御手段は、各成形サイクルの遅くとも可塑化開始までに、前記複数の加熱ゾーンのうちバレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度になるように制御し、可塑化工程中は前記バレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度を維持するように制御したのち、可塑化完了後は前記バレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度より低い第4の設定温度になるように制御することを特徴とする射出成形機である。
請求項4に係る発明は、前記温度制御手段は、前記バレルの最後部の加熱ゾーンの温度指令値を可塑化開始前の所定のタイミングで第4の設定温度から第3の設定温度に切り替える温度指令切り替え手段と、前記所定のタイミングを調節する手段とを有することを特徴とする請求項3に記載の射出成形機である。
請求項5に係る発明は、スクリュと、スクリュを軸方向に駆動する手段と、スクリュ位置を検出する手段と、スクリュを回転方向に駆動する手段と、バレルと、バレル温度を検出する手段と、ノズルと、ノズル温度を検出する手段とを備え、バレルの軸方向に複数の加熱ゾーンを設け、ノズルの軸方向に1つ以上の加熱ゾーンを設け、各加熱ゾーンにヒータを設け、温度制御手段によって各加熱ゾーンのヒータを通電して各加熱ゾーンの温度を各加熱ゾーンの設定温度に制御する射出成形機において、スクリュの射出ストロークに基いて樹脂の充填量を算出する充填量算出手段と、前記算出した充填量に対応するノズル先端からの樹脂滞留部分を算出する滞留部分算出手段とを有し、前記温度制御手段は、各成形サイクルの遅くとも射出開始までに前記ノズルの加熱ゾーンおよび前記バレルの加熱ゾーンのうち前記算出した樹脂滞留部分の加熱ゾーンの温度がそれぞれ第1の設定温度になるように制御し、射出工程中および射出完了時点から保圧完了時点までの間の所定時点までの期間は前記樹脂滞留部分の加熱ゾーンの温度がそれぞれ第1の設定温度を維持するように制御したのち、前記所定時点で前記樹脂滞留部分の加熱ゾーンの温度がそれぞれ第1の設定温度より低い第2の設定温度になるように制御することを特徴とする射出成形機である。
請求項6に係る発明は、前記温度制御手段は、前記ノズルの加熱ゾーンおよび前記バレルの加熱ゾーンのうち前記算出した樹脂滞留部分の加熱ゾーンの温度指令値を射出開始前の所定のタイミングで第2の設定温度から第1の設定温度に切り替える温度指令切り替え手段と、前記所定のタイミングを調節する手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の射出成形機である。
請求項7に係る発明は、スクリュと、スクリュを軸方向に駆動する手段と、スクリュ位置を検出する手段と、スクリュを回転方向に駆動する手段と、バレルと、バレル温度を検出する手段とを備え、バレルの軸方向に複数の加熱ゾーンを設け、各加熱ゾーンにヒータを設け、温度制御手段によって各加熱ゾーンのヒータを通電して各加熱ゾーンの温度を各加熱ゾーンの設定温度に制御する射出成形機において、前記温度制御手段は、各成形サイクルの遅くとも射出開始までに、前記複数の加熱ゾーンのうちバレル最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度になるように制御し、射出工程中および射出完了時点から保圧完了時点までの間の所定時点までの期間は前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度を維持するように制御した後、前記所定時点以降は前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度より低い第2の設定温度になるように制御するとともに、各成形サイクルの遅くとも可塑化開始までに、前記複数の加熱ゾーンのうちバレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度になるように制御し、可塑化工程中は前記バレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度を維持するように制御した後、可塑化完了後は前記バレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度より低い第4の設定温度になるように制御することを特徴とする射出成形機である。
本発明により、射出直前に滞留部分のノズルやバレル温度を上げ、射出完了後の待機期間では温度を下げることで、樹脂の流動性を確保しながら樹脂の劣化を最小限に抑え、糸引きを抑制することができる。
また、射出や可塑化の待機時は加熱手段(ヒータ)の温度を下げておくことで、加熱手段の消費電力を低減することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明を実施する一実施形態における射出成形機の要部ブロック図である。バレル2の先端にノズル1が取り付けられ、バレル2内にはスクリュ3が挿通されている。
ノズル1にはノズルヒータ4が装着され、バレル2にはバレルヒータ5が装着されている。そして、ノズル1には温度検出手段6が取り付けられ、バレル2には温度検出手段7が取り付けられている。
スクリュ3には、バレル2内の樹脂圧力を測定するためにスクリュ3にかかる圧力を検出するロードセル等の圧力センサ34が設けられている。また、バレル2には樹脂材料を供給するホッパ9が取り付けられている。
スクリュ3は、射出用サーボモータM1によって、プーリ、ベルト、ボールネジ/ナット機構等の回転運動を直線運動に変換する機構を含む伝動手段30を介して駆動され、スクリュ3の軸方向に移動させられる。符号31は、サーボモータM1の位置、速度を検出することによって、スクリュ3の軸方向の位置、速度を検出する位置・速度検出器である。
また、スクリュ3は、スクリュ回転用サーボモータM2により、プーリやベルト等で構成された伝動手段32を介して回転させられる。符号33は、サーボモータM2の位置、速度を検出することによって、スクリュ3の回転位置(回転角度)、速度を検出する位置・速度検出器である。
本発明の温度制御装置を備えた射出成形機の制御装置10は、数値制御用のマイクロプロセッサであるCNCCPU20、プログラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサであるPMCCPU17、及び、サーボ制御用のマイクロプロセッサであるサーボCPU15を有し、バス26を介して相互の入出力を選択することにより、各マイクロプロセッサ間で情報伝達が行なえる。
サーボCPU15には、位置ループ、速度ループ、電流ループの処理を実行するサーボ制御専用の制御プログラムを格納したROM13やデータの一時記憶に用いられるRAM14が接続されている。また、サーボCPU15は、A/D(アナログ/デジタル)変換器16を介して、射出成形機本体側に設けられた射出圧力等の各種圧力を検出する圧力センサ34からの圧力信号を検出できるように接続されている。
更に、サーボCPU15には、サーボCPU15からの指令に基づいて、射出軸、スクリュ回転軸に接続された射出用、スクリュ回転用のサーボモータM1,M2を駆動するサーボアンプ11,12が接続されている。そして、各サーボモータM1,M2には位置・速度検出器31,33が取り付けられており、この位置・速度検出器31,33からの出力がサーボCPU15に帰還される。
各サーボモータM1,M2の回転位置は、位置・速度検出器31,33からの位置のフィードバック信号に基づいてサーボCPU15により算出され、各現在位置記憶レジスタに更新記憶される。
図1においては、射出用サーボモータM1,スクリュ回転用サーボモータM2、サーボモータM1,M2の回転位置、速度を検出する位置・速度検出器31,33及びサーボアンプ11,12についてのみ示している。
PMCCPU17には射出成形機のシーケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶したROM18及び演算データの一時記憶等に用いられるRAM19が接続され、CNCCPU20には、射出成形機を全体的に制御する自動運転プログラム等を記憶したROM21、及び、演算データの一時記憶等に用いられるRAM22が接続されている。
不揮発性メモリで構成される成形データ保存用RAM23は、射出成形作業に関する成形条件と各種設定値,パラメータ,マクロ変数等を記憶する成形データ保存用のメモリである。
LCD付手動入力装置(LCD/MDI)25はLCD表示回路24を介してバス26に接続され、数値データの入力用のテンキーや各種のファンクションキーが設けられ、グラフ表示画面や機能メニューの選択、及び、各種データの入力操作を行なえるようになっている。
入力回路28は、射出成形機のノズル1やバレル2に配置された温度検出手段(図2参照)からの温度検出信号などを受信するためのインタフェースである。出力回路29は、射出成形機のノズル1やバレル2に配置された加熱手段(図2参照)への電力の供給を制御する制御信号を電力供給制御手段8aに出力するためのインタフェースである。図1では、入力回路28と出力回路29は、本発明の温度制御に係る部分のみを示している。
前述したPMCCPU17は、ノズル1およびバレル2の各加熱ゾーンに装着された加熱手段(ヒータ)ごとに、設定温度および温度検出手段で検出される検出温度に基いてPID制御などを行い、各加熱ゾーンを加熱制御して設定温度に制御する。
なお、後述する図2に示される温度コントローラ8は、PMCCPU17と電力供給制御手段8aなどからなる構成が相当する。
以上の構成により、PMCCPU17が射出成形機全体の温度制御を含むシーケンス動作を制御し、CNCCPU20がROM21の運転プログラムや成形データ保存用RAM23に格納された成形条件等に基づいて各サーボモータに対して移動指令の分配を行い、サーボCPU15は各軸に対して分配された移動指令と位置・速度検出器31,33で検出された位置および速度のフィードバック信号に基づいて、従来技術と同様に位置ループ制御,速度ループ制御,更には、電流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるデジタルサーボ処理を実行し、射出用サーボモータM1,スクリュ回転用サーボモータM2を駆動制御する。
図2は、ノズルおよび複数の加熱ゾーンにヒータおよび温度検出手段を配置した射出成形機のバレル2の概略断面図である。図1について上述したように、射出成形機のバレル2の一端には樹脂を射出するノズル1が取り付けられ、バレル2内には、進退かつ軸回りに回転可能なスクリュ3が配置されている。そして、バレル2はバレルの中心軸方向に複数の加熱ゾーン2A〜2Cを有している。図2では、ノズル1が取り付けられた側からホッパ9が取り付けられた側に向かって加熱ゾーン2A〜2Cとしている。
ノズル1の外周面およびバレル2の加熱ゾーン2A〜2Cには、ノズルヒータ4,バレルヒータ5A〜5Cが装着されている。ノズルヒータおよびバレルヒータとしては例えば図3に示されるバンドヒータ100を用いることができる。
ノズルヒータ4およびバレルヒータ5A〜5Cには、ノズル1およびバレル2の各加熱ゾーンの温度を測定する温度検出手段6,7A〜7Cが取り付けられている。バンドヒータ100には貫通孔100aが設けられており、貫通孔100aを介して温度検出手段6,7A〜7Cである熱電対の先端部をノズル1およびバレル2の壁内へ埋設することができる。
温度コントローラ8は、温度検出手段からの温度検出信号に基いて、ノズルおよび各加熱ゾーンに装着された加熱手段(ヒータ)への電力供給を制御することによって、ノズルおよび各加熱ゾーンを設定温度になるように制御する制御手段である。
なお、バレル2の加熱方式として、前記ヒータにバンドヒータ100を用いて、ノズル1やバレル2の表面からヒータの熱を伝える加熱方式としてもよいし、バレル2の部材に高周波の誘導電流を流すことでバレル2の部材を直接加熱する加熱方式(図示省略)としてもよい。
図2に示される実施形態では、バレル2のホッパ9が取り付けられた材料投入ゾーン2Dの温度を測定する温度検出手段7Dも取り付けられている。ホッパ9から固体状態の樹脂が成形材料としてバレル2内に供給される。
次に、ノズル1およびバレル2の温度制御について説明する。まず、図4を用いてバレル2の温度制御について説明する。
図4に示される本発明の実施形態であるバレル2の最前部の加熱ゾーン2Aの温度制御を説明する。なおここでは、図2に示される加熱ゾーン2Aに対応するバレル2の内部に滞留しているとする。図4で縦軸は温度、横軸は時間を表す。射出成形サイクルでは、型閉工程が終了すると射出工程に移行し金型内への溶融樹脂の充填を開始する。
溶融樹脂の射出開始時点でバレル2の最前部である第1の加熱ゾーン2A(図2参照)の温度を第1の設定温度Tαになるように制御する。射出完了後はバレル2の最前部の加熱ゾーン2Aが第1の設定温度Tαより低い第2の設定温度Tβになるように制御する。ここで、第1の設定温度Tαは充填温度であり、第2の設定温度Tβは劣化防止温度である。
そして、遅くとも次の成形サイクルの射出開始までにバレル2の第1の加熱ゾーン2Aの温度が第1の設定温度Tαになるように制御する。これ以降の成形サイクルにおいても射出開始までにバレル2の加熱ゾーン2Aの温度が第1の設定温度Tαになるように制御する。
上述したように、射出開始から射出完了まではバレル2の第1の加熱ゾーン2Aの温度が第1の設定温度Tαとなるように制御し、射出完了〜次サイクルの射出開始までは第1の加熱ゾーン2Aの温度が第2の設定温度Tβとなるように制御する。このとき、第1の設定温度Tα>第2の設定温度Tβである。
図5は、本発明の実施形態であるバレル2の最前部の加熱ゾーン2Aの温度制御を射出開始より所定時間前に温度を変更する温度制御を説明する図である。この温度制御は、バレル2の最前部の加熱ゾーン2Aの温度が、射出開始時に第1の設定温度Tαになるようにする制御である。図4と対比して図5を見ると、この温度制御を理解し易い。
図5に示されるように、加熱ゾーン2Aが第1の設定温度Tαに到達する時刻を、温度が安定するまでの時間の長さ分だけ射出開始時点より早くなるように加熱手段の温度制御を行う。第1の温度設定温度の温度指令値による指令は、温度変化に要する時間の長さ分および温度が安定するまでの時間の長さ分を考慮して行なう。
射出完了すると計量工程に移行する。計量工程は樹脂を可塑化する可塑化工程であるので、図4に示される温度制御と同様に、バレル2の加熱ゾーン2Aの温度を第2の設定温度Tβとなるように加熱手段を制御する。
図6は、本発明の実施形態である金型タッチ時にバレル2の最前部の加熱ゾーン2Aの温度を変更する温度制御を説明する図である。この温度制御は、金型が金型タッチ位置に到達した時点でバレル2の加熱ゾーン2Aの温度が第1の設定温度Tαに到達するようにする。
次に、図7を用いてバレル2の最前部の加熱ゾーン2Aを除く加熱ゾーン2B,2Cの加熱ゾーンの温度制御を説明する。可塑化開始〜可塑化完了まではバレル2の加熱ゾーン2B,2Cの温度が、第3の設定温度Tγとなるように制御し、可塑化完了から次サイクルの可塑化開始まではバレル2の加熱ゾーン2B,2Cの温度が第4の設定温度Tδとなるように制御する。このとき、第3の設定温度Tγ>第4の設定温度Tδである。なお、第3の設定温度Tγは可塑化温度であり、第4の設定温度Tδは劣化防止温度である。
図4の第1の設定温度Tαと図7の第3の設定温度Tγは、それぞれ従来技術での成形温度と同程度の温度である。また、図4の第2の設定温度Tβと第4の設定温度Tδは、従来技術での成形温度より低い温度を設定する。
高温に制御する時間、すなわち第1の設定温度Tα(充填温度)および第3の設定温度Tγ(可塑化温度)に温度制御する時間の長さが短ければ、樹脂の熱による劣化をより抑制でき、かつ、加熱するために必要な電気エネルギーもより節約できる。
以上、図4〜図7を用いてバレル2の加熱ゾーン2A〜2Cの温度制御を説明したが、それぞれの温度制御における「温度指令値の切り替えタイミング」について具体的に説明する。
●温度指令値の切り替えタイミングについて(その1);図4を参照
一般に、射出成形機のバレルは熱容量が大きい。そのため、加熱手段でバレルの外部から加熱を開始してからバレル内部の温度が上昇するまでには遅れが生じる。また、バレルの熱容量が大きいほど単位時間あたりの温度上量率も小さくなる。
よって、図4に示される温度制御の実施形態では、”射出を開始する前の適切なタイミング”で温度制御の加熱ゾーン2Aへの温度指令値Tcaを変更し、射出開始時にはバレル2の加熱ゾーン2Aの温度が第1の設定温度Tαに到達するように温度制御している。
図4に示される第2の設定温度Tβから第1の設定温度Tαに到達するまでにかかる時間は、あらかじめ調整しておいたヒータ温度制御のPIDパラメータから自動的に求めることができるし、あるいは、射出成形機の入力機能付き表示装置(図1のLCD/MDI25)から設定するようにしてもよい。なお、一般に、ヒータ温度制御のPIDパラメータは、制御対象の熱容量に応じて調整されるため、適切に調整されたPIDパラメータから熱容量を逆算して求めることは可能である。
前述の”射出を開始する前の適切なタイミング”は、射出成形サイクル開始時から所定時間経過後に温度指令値Tcaを第2の設定温度Tβから第1の設定温度Tαに切り替えて、射出工程の開始時にバレル2の加熱ゾーン2Aの温度検出値が第1の設定温度Tαに上昇するように設定される。この場合の温度指令値切り替えまでの経過時間tbは、射出成形サイクル開始から射出工程開始までの時間(射出開始までの時間ta)と、第2の設定温度Tβから第1の設定温度Tαに到達するまでの時間(温度変化に要する時間tc)とに基づいて求める。
射出が完了すると、樹脂の劣化防止のために劣化防止温度である第2の設定温度Tβへの温度制御を行う。温度指令値Tcaを第1の設定温度Tαから第2の設定温度Tβに切り替えるタイミングは、射出完了と同時である。このように制御することにより、射出工程が完了するまでは、樹脂滞留部分の温度は第1の設定温度Tαに保たれる。温度指令値Tcaが第1の設定温度Tαから第2の設定温度Tβに切り替わったあと、バレル2の加熱ゾーン2Aは温度変化に要する時間が経過してから第2の設定温度Tβに到達する。
なお、上記の実施形態では、射出完了と同時に温度指令値Tcaを第1の設定温度Tαから第2の設定温度Tβに切り替える形態を説明したが、射出完了から所定時間経過後の所定時点に温度指令値Tcaを第1の温度設定値Tαから第2の設定温度Tβに切り替えるようにしてもよいし、保圧工程の完了と同時に温度指令値Tcaを第1の設定温度Tαから第2の設定温度Tβに切り替えるようにしてもよい。
通常、樹脂の金型内への充填は射出工程で行われ、保圧工程では成形品の収縮を補うのみで樹脂の充填は殆ど行われないため、射出完了時点で第1の温度設定値Tαから第2の設定温度Tβへの温度切替を行う。この場合は、所定時点は射出完了時点を意味する。
しかし、樹脂の種類や成形条件によっては射出完了時点で樹脂の充填が完了せず、射出完了時点以降も樹脂の充填が行われる場合がある。このような場合は、射出完了から所定時間経過した所定時点で、樹脂の充填がほぼ完了した後に温度切替を行うようにしてもよい。または、射出完了時点以降において、スクリュ前進が停止した時点で温度切替を行うようにしてもよい。スクリュ前進の停止は、位置・速度検出器31からの検出信号に基づいて知ることができる。または保圧完了時点で温度切替を行うようにしてもよい。
上述したように、樹脂の種類や成形条件によって射出完了から所定時間経過後に温度指令値を変化させることも本発明の実施の形態に含まれるが、保圧工程終了、つまり計量工程開始までには温度切替を行うことが望ましい。なぜなら、計量工程はスクリュ3を回転させながら後退動作をさせる可塑化工程であることから、金型内に射出する温度に樹脂を維持する必要性は少ないからである。
●温度指令値の切り替えタイミングについて(その2);図5を参照
上述した温度指令値の切り替えタイミングについて(その1);図4参照の温度制御は、第2の設定温度Tβから第1の設定温度Tαへの昇温完了を射出開始と同時になる制御形態である。しかし、昇温完了した直後はPID制御による温度が不安定になる場合がある。そのため、図5に示される温度制御では、射出開始の所定時間前に昇温が完了するようにし、その後、昇温完了から所定時間経過して温度が安定した後に射出が開始されるようにする。
温度が安定するまでの所定時間は、射出成形機のオペレータが射出成形機の入力機能付き表示装置(図1のLCD/MDI25)から設定するようにしてもよい。このとき、射出成形サイクル開始時から温度指令値を切り替えるまでの経過時間は、サイクル開始から射出工程開始までの時間と、第2の所定温度から第1の所定温度に到達するまでの時間と、温度が安定するのに必要な時間とに基づいて求める。なお、温度が安定するのに必要な所定時間は、加熱ゾーン(バレル2およびノズル1の加熱ゾーン)ごとに異なることがあるので、前記所定時間は加熱ゾーンごとに個別に設定するようにしてもよい。
●温度指令値の切り替えタイミングについて(その3)
前述した温度指令値の切り替えタイミングについて(その1)および(その2)で説明したように、樹脂の劣化を抑えてかつ樹脂の流動性を確保するためには、温度が安定するタイミングと射出開始のタイミングが一致しているほうが望ましい(図4参照)。
温度が安定するタイミングが充填開始より前のタイミングであっても樹脂に加わる熱を従来に比べて減らすことができるので、従来に比べて樹脂の劣化を抑えることができる(図5、図6参照)。温度指令値の切り替えのタイミングは、遅くとも次の成形サイクルの射出開始までにバレル2の最前部である加熱ゾーン2Aの温度が第1の設定温度Tαとなるように制御する切り替えのタイミングより早期のタイミングで温度制御の切り替えを行うようにしてもよいが、図5や図6に示されるタイミングで切り替える本発明の実施形態に比べて樹脂の劣化防止や節電の効果が減殺される。
以上、バレル2の最前部である加熱ゾーン2Aの温度制御について説明した。なお、充填する樹脂が加熱ゾーン2Bに対応するバレル2の内部に滞留している場合には、加熱ゾーン2Bの温度制御は加熱ゾーン2Aと同様に制御する。さらに、充填する樹脂が加熱ゾーン2Cに対応するバレル2の内部に滞留している場合には、加熱ゾーン2Cも加熱ゾーン2Aと同様に制御する。バレル2内に滞留する樹脂の量については図8〜図12を用いて後述する。
可塑化を開始する前の所定のタイミングで温度制御の指令値を変更し、可塑化開始時には第3の設定温度Tγに到達するようにしてもよい。所定のタイミングは、あらかじめ調整しておいたヒータ温度制御のPIDパラメータから自動的に求めるようにしてもよいし、オペレータが制御装置に備えられている入力装置から設定するようにしてもよい。これらの所定のタイミングの求め方やタイミングの設定のしかたは、加熱ゾーン2Aのタイミングの求め方や設定のしかたと同様である。
例えば、図7に示されるように、射出開始時から所定時間経過後に温度指令値を第4の設定温度Tδから第3の設定温度Tγに切り替えて、可塑化工程(計量工程)の開始時にバレル2の後方の加熱ゾーン2B,2Cの温度検出値が第3の設定温度Tγまで上昇するように制御してもよい。
この場合、射出開始時から温度指令値を切り替えるまでの経過時間は、射出開始から可塑化工程(計量工程)開始までの時間と、第4の設定温度Tδから第3の設定温度Tγに到達するまでの時間とに基いて求める。
次に、バレル2の内部に滞留する滞留樹脂量について説明する。滞留樹脂量はバレル2やノズル1のどの加熱ゾーンまで樹脂が存在するかで、各加熱ゾーンに装着されている加熱手段の温度制御をどのように行うかを決める量として重要な量である。
図8は射出ストロークと滞留ストロークの関係を示す図である。射出ストロークとは、射出工程の開始から完了までの間においてスクリュ位置が変化するストロークのことであり、通常は射出開始位置〜射出完了位置となる。射出ストロークは、図8に示されるようにノズル1を取り付けた側を射出ストロークの基準とし、ホッパ9の取り付け側に向かって射出ストロークは増大する。射出ストローク(=射出開始位置−射出完了位置)に基いて、充填樹脂量を求める。充填樹脂量とは、1ショットあたりで充填する樹脂体積のことであり、前記射出ストロークにスクリュ断面積を乗じることで求めることができる。滞留ストロークとは、充填樹脂量に対応するノズル1の先端からの樹脂滞留部分のことであり、充填樹脂量と、バレル及びノズルの内部形状に基づいて求めることができる。一般的に、ノズル及びバレル先端部分の内径はスクリュ断面積よりも小さいため、図8に示すように滞留ストロークは射出ストロークよりも長くなる傾向がある。なお、図8では図2に示される温度検出手段6,7A〜7D、および温度コントローラ8は記載を省略している。
図8に示される射出ストロークと滞留ストロークの関係をあらかじめ図9に示されるテーブル形式に記憶させておくようにしてもよい。図9は、射出ストローク、充填樹脂量、滞留ストローク、および対応するヒータを説明する表である。射出ストロークは成形条件に応じて変わるため、滞留ストロークも成形条件に応じて変わり、滞留ストローク(樹脂滞留部分)に設けられているヒータも変わることになる。このような場合には、前記記憶したテーブルと成形条件ごとの射出ストロークとに基いて、滞留ストローク(樹脂滞留部分)に設けられたヒータを特定することができる。
例えば図8、図9において、射出ストローク<X1の場合は、充填樹脂量<V1であり滞留ストローク<L1である。したがって、滞留ストローク(樹脂滞留部分)に設けられているヒータは、ノズル1に装着されているヒータ4だけである。また、X1<射出ストローク<X2の場合は、滞留ストローク(樹脂滞留部分)に設けられているヒータは、ノズル1とバレル2の加熱ゾーン2Aに装着されたヒータ4,5Aの2つである。射出ストロークX2〜X3、射出ストロークX3〜の場合も同様に対応するヒータを求めることができる。
次に、図10〜図12を用いて、滞留ストローク部分を加熱するノズル1およびバレル2に装着されたヒータの温度を、射出開始および射出完了のタイミングと同期して可変制御することを説明する。図10〜図12では、ノズル1もバレル2と同様に複数の加熱ゾーン(1A〜1C)を有し、各加熱ゾーンにヒータ4A〜4Cを装着している。なお、ノズル取り付け部材1Cをノズル1の加熱ゾーン1Cとして扱う。
図10は、滞留ストローク(樹脂滞留部分)が第1の加熱ゾーン1Aの範囲内の場合を示している。図10(a)に示される場合は、滞留ストローク部分を加熱するのはノズルヒータ4Aのみであるので、ノズル1の第1の加熱ゾーン1Aを図10(b)に示されるように、射出開始および射出完了のタイミングと同期して温度の可変制御を行う。
図11は、滞留ストローク(樹脂滞留部分)が第1の加熱ゾーン1Aおよび第2の加熱ゾーン1Bの範囲内の場合を示している。図11(a)に示される場合は、滞留ストローク部分を加熱するのはノズルヒータ4Aおよびノズルヒータ4Bであるので、ノズル1の第1および第2の加熱ゾーン1A,1Bを図11(b)に示されるように、射出開始および射出完了のタイミングと同期して温度の可変制御を行う。
図12は、滞留ストローク(樹脂滞留部分)が第1の加熱ゾーン1A〜第3の加熱ゾーン1Cであるノズル取り付け部材の範囲内の場合を示している。図12(a)に示される場合は、滞留ストローク部分を加熱するのはノズルヒータ4A,4Bおよびノズル取り付け部材ヒータ4Cであるので、ノズル1の第1の加熱ゾーン1A、第2の加熱ゾーン1B、および第3の加熱ゾーン1Cを図12(b)に示されるように、射出開始および射出完了のタイミングと同期して温度の可変制御を行う。
図10(b)、図11(b)、および図12(b)の温度変化曲線に示したように、滞留ストローク部分の温度は射出開始から射出完了までは第1の設定温度Tαに制御し、それ以外の工程では第2の設定温度Tβに制御する。この第1の設定温度Tαはノズル1およびバレル2のそれぞれの加熱ゾーンごとに設定できる。また、同様に第2の設定温度Tβも同様にノズル1およびバレル2のそれぞれの加熱ゾーンごとに設定できる。
図10(a)、図11(a)、および図12(a)では、滞留ストローク(樹脂滞留部分)にのみ樹脂が存在するように図示しているが、滞留ストローク部分より後方にも樹脂が存在している。この滞留ストローク部分より後方にある樹脂は次々回以降の射出で金型に充填されるため、上述の温度制御を実行することにより劣化防止温度に制御して樹脂の劣化を防止することができる。
なお、図10(a)、図11(a)、および図12(a)に示されるようにノズル1には、ノズルヒータ4A、ノズルヒータ4B、ノズル取り付け部材ヒータ4Cが装着されている。このようにヒータを装着することに限定されるわけではなく、ノズルヒータが1つの場合や、ノズル取り付け部材ヒータが無い場合においても本発明を適用することができる。
次に、図13を用いてヒータの個数と温度検出点数が異なる実施形態について説明する。図13はバレル2に取り付けられるヒータ5A,5B,5Cの数と温度検出手段7E,7F,7G,7Hの数とが異なる配置の射出成形機のバレル2の概略断面図である。
図2に示される実施形態は、1つの加熱ゾーンに1つの温度検出手段を備えている。図13に示されるように複数の温度検出手段で検出した温度検出値に基づいて、ある加熱ゾーンに対して温度制御を行う場合(例えば、特開平5−237892号公報、特開2002−160276号公報)についても、当該加熱ゾーンに対する温度指令値を本発明のように切り替えることで適用できる。
本発明を実施する一実施形態における射出成形機の要部ブロック図である。 ノズルおよび複数の加熱ゾーンにヒータおよび温度検出手段を配置した射出成形機のバレルの概略断面図である。 バンドヒータの外観図である。 本発明の実施形態であるバレルの最前部の加熱ゾーンの温度制御を説明する図である。 本発明の実施形態であるバレルの最前部の加熱ゾーンの温度制御を射出開始より所定時間前に温度を変更する温度制御を説明する図である。 本発明の実施形態である金型タッチ時にバレルの最全部の加熱ゾーンの温度を変更する温度制御を説明する図である。 本発明の実施形態であるバレルの最前部を除く加熱ゾーンの温度制御を説明する図である。 射出ストロークと滞留ストロークの関係を示す図である。 射出ストローク、充填樹脂量、滞留ストローク、および対応するヒータを説明する表である。 樹脂滞留部分がノズルヒータ4Aの範囲内の場合を示す図である。 樹脂滞留部分がノズルヒータ4A,4Bの範囲内の場合を示す図である。 樹脂滞留部分がノズルヒータ4A,4Bおよびノズル取り付け部材ヒータ4Cの範囲内の場合を示す図である。 ヒータの数と温度検出手段の数とが異なる配置の射出成形機のバレルの概略断面図である。
符号の説明
1 ノズル
1A ノズルの第1の加熱ゾーン
1B ノズルの第2の加熱ゾーン
1C ノズル取り付け部材
2 バレル
2A 第1の加熱ゾーン
2B 第2の加熱ゾーン
2C 第3の加熱ゾーン
2D 材料投入ゾーン
3 スクリュ
4 ノズルヒータ
4A,4B ノズルヒータ
4C ノズル取り付け部材ヒータ
5A,5B,5C バレルヒータ
6 温度検出手段
7 温度検出手段
7A,7B,7C,7D,7E,7F,7G,7H 温度検出手段
8 温度コントローラ
9 ホッパ
100 バンドヒータ
100a 貫通孔
Tca 加熱ゾーン2Aへの温度指令値
Tcb 加熱ゾーン2Bへの温度指令値
Tcc 加熱ゾーン2Cへの温度指令値
2A 第1の加熱ゾーンの温度
2B 第2の加熱ゾーンの温度
2C 第3の加熱ゾーンの温度
2A ノズルの第1の加熱ゾーンの温度
2B ノズルの第2の加熱ゾーンの温度
21 ノズル取り付け部材
Tα 第1の設定温度
Tβ 第2の設定温度
Tγ 第3の設定温度
Tδ 第4の設定温度
a 射出開始までの時間
b 温度指令値切り替えまでの時間
c 温度変化に要する時間
d 温度が安定するまでの時間
e 金型タッチまでの時間

Claims (7)

  1. スクリュと、スクリュを軸方向に駆動する手段と、スクリュ位置を検出する手段と、スクリュを回転方向に駆動する手段と、バレルと、バレル温度を検出する手段とを備え、バレルの軸方向に複数の加熱ゾーンを設け、各加熱ゾーンにヒータを設け、温度制御手段によって各加熱ゾーンのヒータを通電して各加熱ゾーンの温度を各加熱ゾーンの設定温度に制御する射出成形機において、
    前記温度制御手段は、各成形サイクルの遅くとも射出開始までに、前記複数の加熱ゾーンのうちバレル最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度になるように制御し、射出工程中および射出完了時点から保圧完了時点までの間の所定時点までの期間は前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度を維持するように制御した後、前記所定時点以降は前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度より低い第2の設定温度になるように制御することを特徴とする射出成形機。
  2. 前記温度制御手段は、前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度指令値を射出開始前の所定のタイミングで第2の設定温度から第1の設定温度に切り替える温度切り替え手段と、前記所定のタイミングを調節する調節手段を有することを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
  3. スクリュと、スクリュを軸方向に駆動する手段と、スクリュ位置を検出する手段と、スクリュを回転方向に駆動する手段と、バレルと、バレル温度を検出する手段とを備え、バレルの軸方向に複数の加熱ゾーンを設け、各加熱ゾーンにヒータを設け、温度制御手段によって各加熱ゾーンのヒータを通電して各加熱ゾーンの温度を各加熱ゾーンの設定温度に制御する射出成形機において、
    前記温度制御手段は、各成形サイクルの遅くとも可塑化開始までに、前記複数の加熱ゾーンのうちバレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度になるように制御し、可塑化工程中は前記バレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度を維持するように制御したのち、可塑化完了後は前記バレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度より低い第4の設定温度になるように制御することを特徴とする射出成形機。
  4. 前記温度制御手段は、前記バレルの最後部の加熱ゾーンの温度指令値を可塑化開始前の所定のタイミングで第4の設定温度から第3の設定温度に切り替える温度指令切り替え手段と、前記所定のタイミングを調節する手段とを有することを特徴とする請求項3に記載の射出成形機。
  5. スクリュと、スクリュを軸方向に駆動する手段と、スクリュ位置を検出する手段と、スクリュを回転方向に駆動する手段と、バレルと、バレル温度を検出する手段と、ノズルと、ノズル温度を検出する手段とを備え、バレルの軸方向に複数の加熱ゾーンを設け、ノズルの軸方向に1つ以上の加熱ゾーンを設け、各加熱ゾーンにヒータを設け、温度制御手段によって各加熱ゾーンのヒータを通電して各加熱ゾーンの温度を各加熱ゾーンの設定温度に制御する射出成形機において、
    スクリュの射出ストロークに基いて樹脂の充填量を算出する充填量算出手段と、前記算出した充填量に対応するノズル先端からの樹脂滞留部分を算出する滞留部分算出手段とを有し、
    前記温度制御手段は、各成形サイクルの遅くとも射出開始までに前記ノズルの加熱ゾーンおよび前記バレルの加熱ゾーンのうち前記算出した樹脂滞留部分の加熱ゾーンの温度がそれぞれ第1の設定温度になるように制御し、射出工程中および射出完了時点から保圧完了時点までの間の所定時点までの期間は前記樹脂滞留部分の加熱ゾーンの温度がそれぞれ第1の設定温度を維持するように制御したのち、前記所定時点で前記樹脂滞留部分の加熱ゾーンの温度がそれぞれ第1の設定温度より低い第2の設定温度になるように制御することを特徴とする射出成形機。
  6. 前記温度制御手段は、前記ノズルの加熱ゾーンおよび前記バレルの加熱ゾーンのうち前記算出した樹脂滞留部分の加熱ゾーンの温度指令値を射出開始前の所定のタイミングで第2の設定温度から第1の設定温度に切り替える温度指令切り替え手段と、前記所定のタイミングを調節する手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の射出成形機。
  7. スクリュと、スクリュを軸方向に駆動する手段と、スクリュ位置を検出する手段と、スクリュを回転方向に駆動する手段と、バレルと、バレル温度を検出する手段とを備え、バレルの軸方向に複数の加熱ゾーンを設け、各加熱ゾーンにヒータを設け、温度制御手段によって各加熱ゾーンのヒータを通電して各加熱ゾーンの温度を各加熱ゾーンの設定温度に制御する射出成形機において、
    前記温度制御手段は、各成形サイクルの遅くとも射出開始までに、前記複数の加熱ゾーンのうちバレル最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度になるように制御し、射出工程中および射出完了時点から保圧完了時点までの間の所定時点までの期間は前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度を維持するように制御した後、前記所定時点以降は前記バレルの最前部の加熱ゾーンの温度が第1の設定温度より低い第2の設定温度になるように制御するとともに、
    各成形サイクルの遅くとも可塑化開始までに、前記複数の加熱ゾーンのうちバレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度になるように制御し、可塑化工程中は前記バレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度を維持するように制御した後、可塑化完了後は前記バレル最後部の加熱ゾーンの温度が第3の設定温度より低い第4の設定温度になるように制御することを特徴とする射出成形機。
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