JP5216247B2 - シートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置 - Google Patents

シートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車両に装備され、乗員を拘束するためのシートベルトの巻取りおよび引出しをモータにより行うシートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置の技術分野に関し、特に、モータの回転を所定の減速比で減速してスプールに伝達するようになっている、モータ駆動によるシートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置の技術分野に関するものである。
従来から自動車等の車両に装備されているシートベルト装置は、衝突時等の車両に大きな減速度が作用した場合のような緊急時に、シートベルトで乗員を拘束することにより乗員のシートからの飛び出しを阻止している。このようなシートベルト装置においては、シートベルトを引出し可能に巻き取るシートベルトリトラクタが設けられている。
このようなシートベルトリトラクタにおいて、従来、シートベルトの巻取りおよび引出しをモータにより行うシートベルトリトラクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示のシートベルトリトラクタは、シートベルトを巻き取るスプールが筒状に形成されるとともに、このスプールの筒状内にモータをスプールと同心状に配置されることで、シートベルトリトラクタの幅(つまり、スプール軸方向の長さ)が抑えられて、全体として小型コンパクトに形成されている。
また、特許文献1に開示のシートベルトリトラクタは、モータの回転を減速機構により所定の減速比で減速してスプールに伝達するようになっている。その場合、減速機構は、モータのロータとスプールとの間に配設された遊星歯車減速機構で構成されている。
特開2006−264397号公報。
ところで、前述の特許文献1に開示のシートベルトリトラクタのように、スプール内にモータを配置した場合、モータの大きさが制限される。これは、モータの大きさを大きくすると、スプールも大きくせざるを得なくなり、必然的にシートベルトリトラクタも大型になってしまう。このため、スプール内にモータを配置してせっかくシートベルトリトラクタを小型コンパクトに形成しようとしても、モータを大きくすることでシートベルトリトラクタを効果的に小型コンパクトにすることは難しい。したがって、モータの大きさはあまり大きくすることはできない。そして、このようにモータの大きさが制限されると、モータの大きな回転駆動力が得られないので、減速機構の減速比を可能な限り大きくする必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載のシートベルトリトラクタの減速機構では、1つの遊星歯車減速機構で構成されているため、減速比を効果的に大きくすることが難しい。このため、特許文献1に記載の遊星歯車減速機構では、例えば前述の緊急時にシートベルトの緩みを取るような大きなトルクが得られるような大きな減速比を設定するには、ギヤの外径を大きくしなければならない。しかし、ギヤの外径を単純に大きくしたのでは、シートベルトリトラクタが大型になってしまい、モータをスプール内に配置した効果を得ることが難しくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、全体を小型コンパクトに形成しつつ、しかも電動モータの回転をスプールへ伝達する際に、より大きな減速比を得ることのできる、モータ駆動によるシートベルトリトラクタを提供することである。
本発明の他の目的は、車両衝突時等の緊急時にシートベルトによって乗員を拘束する際にシートベルトの緩みを取って乗員を効果的に拘束することのできるシートベルト装置を提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1に係る発明のシートベルトリトラクタは、シートベルトを引出し可能に巻き取る筒状のスプールと、このスプールの筒内にモータシャフトが前記スプールと同心状にして配設されて前記スプールをベルト巻取り方向およびベルト引出し方向に回転するための回転駆動力を発生するモータと、前記スプールと前記モータとの間に配設されて前記モータの回転を減速して伝達する遊星歯車動力伝達機構とを少なくとも備えているシートベルトリトラクタにおいて、前記遊星歯車動力伝達機構が、前記モータの回転を減速して出力する第1遊星歯車機構と、前記第1遊星歯車機構の出力を減速して前記スプールに出力する第2遊星歯車機構とからなることを特徴としている。
また、請求項2に係る発明のシートベルトリトラクタは、前記第1遊星歯車機構が前記第2遊星歯車機構より前記スプールから軸方向に離れた位置に配置されるとともに、前記第2遊星歯車機構は前記スプールと前記第1遊星歯車機構との間に配置されていることを特徴としている。
更に、請求項3に係る発明のシートベルトリトラクタは、前記シートベルトの引出し時に、前記スプールと前記モータとの直結を一時的に遮断するスプール・モータ遮断機構を備えていることを特徴としている。
更に、請求項4に係る発明のシートベルトリトラクタは、前記第1遊星歯車機構の構成部材が、第1サンギヤと、第1インターナルギヤと、前記第1サンギヤおよび前記第1インターナルギヤのいずれにも噛合する第1プラネタリギヤと、前記第1プラネタリギヤを回転可能に支持する第1キャリヤとからなり、前記第2遊星歯車機構の構成部材が、第2サンギヤと、少なくともベルト引出し方向に所定量回転可能に設けられた第2インターナルギヤと、前記第2サンギヤおよび前記第2インターナルギヤのいずれにも噛合する第2プラネタリギヤと、前記第2プラネタリギヤを回転可能に支持する第2キャリヤとからなり、前記スプール・モータ遮断機構は、ベルト引出し時に前記第2インターナルギヤが一時的にベルト引出し方向に所定量回転するのを許容しかつベルト引出し方向に所定量を超えて回転するのを阻止するインターナルギヤ回転許容手段からなることを特徴としている。
更に、請求項5に係る発明のシートベルトリトラクタは、前記第1遊星歯車機構の構成部材のいずれか1つが前記電動モータのモータシャフトに設けられ、また、前記第1遊星歯車機構の構成部材のいずれか他の1つと前記第2遊星歯車機構の構成部材のいずれか1つとが一体に設けられ、更に、第1遊星歯車機構の構成部材である構成部材のいずれか更に他の1つと第2遊星歯車機構の構成部材のいずれか他の1つとが一体に設けられ、更に、前記第2遊星歯車機構の構成部材のいずれか更に他の1つと前記スプールとが一体に設けられていることを特徴としている。
更に、請求項6に係る発明のシートベルトリトラクタは、前記第1遊星歯車機構の構成部材が、第1サンギヤと、第1インターナルギヤと、前記第1サンギヤおよび前記第1インターナルギヤのいずれにも噛合する第1プラネタリギヤと、前記第1プラネタリギヤを回転可能に支持する第1キャリヤとからなり、前記第2遊星歯車機構の構成部材が、第2サンギヤと、第2インターナルギヤと、前記第2サンギヤおよび前記第2インターナルギヤのいずれにも噛合する第2プラネタリギヤと、前記第2プラネタリギヤを回転可能に支持する第2キャリヤとからなり、前記電動モータのモータシャフトに設けられる前記第1遊星歯車機構の構成部材が前記第1サンギヤであり、また、互いに一体に設けられる前記第1および第2遊星歯車機構の各構成部材が、それぞれ前記第1キャリヤおよび前記第2サンギヤであり、更に、前記スプールと一体に設けられる前記第2遊星歯車機構の構成部材が前記第2キャリヤであることを特徴としている。
更に、請求項7に係る発明のシートベルトリトラクタは、緊急時に前記スプールがベルト引出し方向に回転するとき、ねじり変形により前記乗員の慣性エネルギを吸収するトーションバーが、前記モータシャフトの内孔を貫通して配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載のシートベルトリトラクタ。
更に、請求項8に係る発明のシートベルト装置は、乗員を拘束するシートベルトと、このシートベルトを引出し可能に巻き取るシートベルトリトラクタと、前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、このタングが係脱可能に係合されるバックルとを少なくとも備えているシートベルト装置において、前記シートベルトリトラクタが、請求項1ないし5のいずれか1記載のシートベルトリトラクタであることを特徴としている。
このように構成された請求項1ないし7の発明に係るシートベルトリトラクタによれば、電動モータのモータシャフトの回転を第1遊星歯車機構で1段目の減速を行い、更に第2遊星歯車機構で2段目の減速を行うようにしているので、大きな減速比を得ることができる。したがって、電動モータを大型化しなくても、例えば緊急時にシートベルトの緩みを迅速に取るような大きなトルクを得ることができる。
また、ギヤの外径を大きくしなくても済むので、シートベルトリトラクタの径方向の大型化を阻止でき、電動モータをスプール内に配置することで得られる、シートベルトリトラクタの小型コンパクト化の効果を十分に活かすことができる。
特に、第1遊星歯車機構を第2遊星歯車機構よりスプールから軸方向に離れた位置に配置するとともに、第2遊星歯車機構をスプールと第1遊星歯車機構との間に配置しているので、軸方向にコンパクトな構造で電動モータの回転を2段減速してスプールに伝達することができる。
また、第1遊星歯車機構の構成部材のいずれか1つを電動モータのモータシャフトに設け、また、第1遊星歯車機構の構成部材のいずれか他の1つと第2遊星歯車機構の構成部材のいずれか1つとを一体に設け、更に、第1遊星歯車機構の構成部材である構成部材のいずれか更に他の1つと第2遊星歯車機構の構成部材のいずれか他の1つとを一体に設け、更に、第2遊星歯車機構の構成部材のいずれか更に他の1つとスプールとを一体に設けているので、シートベルトリトラクタを軸方向に効果的にコンパクトにすることができる。
特に、電動モータのモータシャフトに設けられる第1遊星歯車機構の構成部材を第1サンギヤとし、また、互いに一体に設けられる第1および第2遊星歯車機構の各構成部材を、それぞれ第1キャリヤおよび第2サンギヤとし、更に、スプールと一体に設けられる第2遊星歯車機構の構成部材を第2キャリヤとすることで、シートベルトリトラクタ3を軸方向に更に効果的にコンパクトにすることができる。
また、電動モータの回転を第1遊星歯車機構の第1サンギヤに入力しかつ第1遊星歯車機構の第1キャリヤから出力するとともに、この第1キャリヤの出力回転を第2遊星歯車機構の第2サンギヤに入力しかつ第2遊星歯車機構の第2キャリヤから出力してスプールに伝達しているので、大きな減速比を効率よく得ることができる。
更に、シートベルトの引出し開始時に遊星歯車動力伝達機構の動力伝達を不能にし、かつシートベルトが所定量引き出されたとき、遊星歯車動力伝達機構の動力伝達を可能にしているので、シートベルトの引出し時に一時的なベルト引出しの重み(ベルト引出し抵抗)を低減することができる。その場合、スプール・モータ遮断機構を、2つの第1および第2遊星歯車機構のうち、スプールに近い側に配置された第2遊星歯車機構に設けているので、シートベルトの引出し時でのベルト引出し抵抗をより効果的に低減することができる。これにより、ベルト引出しの際の違和感を抑制することができる。
特に、シートベルトの引出し開始時に、スプールに近い方の第2遊星歯車機構の動力伝達を不能にし、かつシートベルトが所定量引き出されたとき、第2遊星歯車機構の動力伝達を可能にしているので、シートベルトの引出し時でのベルト引出しの重みをより効果的に低減することができる。
また、スプール・モータ遮断機構を、ベルト引出し時に第2インターナルギヤが一時的にベルト引出し方向に所定量回転するのを許容しかつベルト引出し方向に所定量を超えて回転するのを阻止するインターナルギヤ回転許容手段から構成しているので、インターナルギヤ回転許容手段に第2遊星歯車機構を利用することができる。これにより、シートベルトリトラクタの構成を簡単にすることができる。
更に、トーションバーを筒状のモータシャフトに貫通させて設けているので、コンパクトな構造で緊急時に乗員の慣性エネルギを吸収することができ、トーションバーによるエネルギ吸収(EA)機能を十分に発揮させることができる。
一方、請求項8の発明に係るシートベルト装置によれば、本発明のシートベルトリトラクタを用いることで、車両衝突時等の緊急時にシートベルトの緩みを迅速に取って乗員をより効果的に拘束することができるようになる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明にかかるシートベルトリトラクタを備えたシートベルト装置の実施の形態の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例のシートベルト装置1は、車体のBピラー2等に固定されかつ電動モータにより駆動されるシートベルトリトラクタ3、このシートベルトリトラクタ3から引き出されるとともに先端のベルトアンカー4が車体の床あるいは車両シート5に固定されるシートベルト6、例えばセンターピラー等の車体に設けられてシートベルトリトラクタ3から引き出されたシートベルト6を乗員Cのショルダーの方へガイドするガイドアンカー7、このガイドアンカー7からガイドされてきたシートベルト6に摺動自在に支持されたタング8、車体の床あるいは車両シートに固定されかつタング8が挿入係合されるバックル9、シートベルトリトラクタ3のモータを制御する電子制御装置(ECU)10、およびこのシートベルト装置1が搭載されている車両の衝突予知および衝突発生に関する情報、この車両の運転状態に関する情報、車両シート5に着座している乗員Cの着座位置および体格に関する情報、周辺の交通状況に関する情報、天候や時間帯に関する情報、シートベルト6の巻取り量および引出し量の情報、バックルスイッチからのタング8とバックル9との係合情報などのシートベルトリトラクタ3のモータ制御に必要な各種情報を検出してECU10に常時または所定時間毎に入力する入力手段11から構成されている。ベルトアンカー4、シートベルト6、ガイドアンカー7、タング8、およびバックル9は、いずれも従来公知のものを用いることができる。
図2は本発明にかかるシートベルトリトラクタの実施の形態の一例を模式的に示す縦断面図、図3は電動モータにおけるロータの分解斜視図、図4は図2におけるIV−IV線に沿う断面図である。なお、図2において、中心線より上側がロータを断面図で示し、中心線より下側がロータを正面図で示す。
図2に示すように、この例のシートベルトリトラクタ3は左右の一対の側壁12,13を有するベースフレーム14を有しているとともに、一対の側壁12,13には、それぞれ、互いに同心状に配置された円形状の開口15,16が設けられている。
両側壁12,13の間にシートベルト6を引出し可能に巻き取るスプール17が配設されており、このスプール17の両端には巻き取るシートベルト6をガイドするフランジ18,19がそれぞれ形成されている。このスプール17は、その側壁12側端部に中央が開口した環状の底部20が形成されかつ側壁12側端が開放された有底の円筒状に形成されている。
有底円筒状のスプール17内に、スプール17をベルト巻取り方向およびベルト引出し方向に回転するための回転駆動力を発生する電動モータ21が、開放された側壁13側端から挿入されて収容されている。この電動モータ21は「インナーロータ型のブラシレスモータと称される電動モータであり、円筒状のモータハウジング22、このモータハウジング22内に収容されて固定された巻線からなる環状のステータ23、およびこれらのモータハウジング22およびステータ23を軸方向に貫通する磁石からなるロータ(回転子)24からなっている。
モータハウジング22はその大部分がスプール17内に収容されている。そして、モータハウジング22の側壁13側のフランジ状端部22aが筒状の取付部材25により側壁13に取り付けられている。こうして、モータハウジング22が側壁13に固定されている。また、取付部材25の外周には、スプール17の側壁13側の端部が回転可能に支持されている。
ステータ23はモータハウジング22内に位置してこのモータハウジング22に固定されている。
ロータ24は全体形状が円筒状に形成されている。図に示すように、このロータ24は、外側の円筒状の回転駆動部材24aとこの回転駆動部材24aの内周を貫通して設けられた円筒状の回転軸部材24bとから構成されている。そして、ステータ23からの電磁力で回転駆動力が回転駆動部材24aに加えられることで、回転駆動部材24aと回転軸部材24bとがベルト巻取り方向およびベルト引出し方向のいずれにも一体に回転するようになっている。つまり、ロータ24がステータ23からの電磁力で回転する。
図2に示すように、回転軸部材24bの側壁13側の端部が、ベアリング26を介してフレーム14の側壁13の開口16の内周面に回転可能に支持されている。また、回転軸部材24bの回転駆動部材24aの位置より側壁12側の一部分が、ベアリング27を介してモータハウジング22に回転可能に支持されている。したがって、ロータ24の回転軸部材24bはモータ21のモータシャフト(モータ回転軸)として構成されている。こうして、電動モータ21はスプール17内に、ロータ24つまりモータシャフトがスプール17と同心状に収容されて配設されている。
フレーム14の側壁13には、例えばホール素子等からなる回転センサ28が設けられているとともに、ロータ24の回転駆動部材24aの外周には、図示しないが、回転センサ28によって検出される所定数の突起または凹部が円周方向に等間隔を置いて設けられている。これらの回転センサ28と突起または凹部とにより、入力手段11の1つとしてシートベルト6の巻取り量および引出し量の情報をECU10に入力する入力手段が構成されている。そして、回転センサ28と突起または凹部との協働により、ロータ24の回転位置が検出される。このロータ24の回転位置検出情報により、スプール17によるシートベルト6の巻取り量および引出し量が得られる。すなわち、この例ではロータ24の回転位置を検出する位置検出手段である回転センサ28と突起または凹部とが、シートベルト6の巻取り量および引出し量を検出するシートベルト巻取り・引出し量検出手段として兼用されている。
そして、回転センサ28と突起または凹部とで検出されたロータ24の回転位置検出情報、つまりシートベルト6の巻取り量情報および引出し量情報に基づいて、ECU10は電動モータ21のオン・オフの制御、電動モータ21の回転数の制御、電動モータ21の回転方向の制御、および電動モータ21の負荷の制御等を行うようになっている。その場合、ECU10は、電動モータ21のステータ23の巻線に供給される電力供給量(具体的には、巻線に供給される電流あるいは電圧の値)および電力供給方向(具体的には、巻線への通電方向)を制御することにより、前述の電動モータ21の各制御を行う。
このように、電動モータ21にブラシレスモータを用いることで、ロータ24の回転位置、回転速度および回転方向等を検出する特別なセンサ類が不要となり、構成が簡略化されて、電動モータ21の小型化、電動モータ21の出力向上、および放熱性の向上がともに効果的に図られるようになる。
図2に示すように、ロータ24の回転軸部材24bとスプール17との間に、電動モータ21とスプール17との間の動力伝達を行う、遊星歯車動力伝達機構29が設けられている。この遊星歯車動力伝達機構29は、軸方向に並設された2段の第1および第2遊星歯車機構30,31から構成されている。その場合、第1遊星歯車機構30は第2遊星歯車機構31よりスプール17から軸方向に遠く離れた位置に配置されているとともに、第2遊星歯車機構31はスプール17と第1遊星歯車機構30との間に配置されている。
図2および図4に示すように、第1および第2遊星歯車機構30,31は共通の円環状の環状部材32を備えているとともに、軸方向断面がT字状の筒状のT字状部材33を備えている。環状部材32は、フレーム14の側壁12の開口15内に嵌合固定されている。
第1遊星歯車機構30は、回転軸部材24bの外周面に形成された第1サンギヤ34、環状部材32のスプールと反対側の端部の内周面に固定されかつ内歯35aを有する環状の第1インターナルギヤ35、第1サンギヤ34と第1インターナルギヤ35とに噛合してこれらのギヤ34,35の回りに公転可能にかつ自転可能に設けられた所定数(図示例では3個)の第1プラネタリギヤ36、およびこれらの第1プラネタリギヤ36を回転可能に軸支する第1キャリヤ37から構成されている。
T字状部材33は第1プラネタリギヤ36を回転可能に軸支しつつ第1キャリヤ37にボルト等の固着具により一体回転可能に固定されている。
第2遊星歯車機構31は、T字状部材33の外周面に形成された第2サンギヤ38、環状部材32のスプール側の端部の内周面に所定量相対回動可能に設けられかつ内歯39aを有する環状の第2インターナルギヤ39、第2サンギヤ38と第2インターナルギヤ39とに噛合してこれらのギヤ38,39の回りに公転可能にかつ自転可能に設けられた所定数(図示例では3個)の第2プラネタリギヤ40、およびスプール17に一体回転可能に固定されかつこれらの第2プラネタリギヤ40を回転可能に軸支する第2キャリヤ41から構成されている。
第2サンギヤ38が、第1キャリヤ37に一体に固定されたT字状部材33に形成されることから、第1キャリヤ37は、第1および第2遊星歯車機構30,31の共通の構成部材とされている。
また、第2インターナルギヤ39が環状部材32に設けられることから、第1および第2インターナルギヤ35,39は互いに一体に設けられる。
図5および図6(a)に示すように、第2インターナルギヤ39は、径方向に突出する所定数(図示例では、3個)の円弧状の突出部39bが周方向に等間隔に設けられている。これらの突出部39bは環状部材32の開口32aにガイドされている。図6(b)および(c)に示すように、各突出部39bの周方向中央部にはそれぞれ凹嵌部39cが設けられており、各凹嵌部39cにはそれぞれボール(例えば、鋼球)49が回動自在に収容されている。これらのボール49は、それぞれ環状部材32にその開口32aに沿って設けられた円弧状の溝32bに回動自在に嵌合されている。これにより、第2インターナルギヤ39は環状部材32に対して比較的小さな力でスムーズに回転される。
一方、環状部材32の開口32a縁部には、径方向に突出し突出部39bと同数(図示例では、3個)の円弧状の突出部50が周方向に等間隔に設けられている。これらの突出部50は第2インターナルギヤ39の隣接する突出部39b間の外周面をガイドしている。突出部39bとこれに隣接する突出部50とその間には、スプリング51,52が円弧状に湾曲されて縮設されている。一方のスプリング51は第2インターナルギヤ39を比較的小さな力で図5において時計回り(ベルト巻取り方向)に常時付勢しているとともに、他方のスプリング52は第2インターナルギヤ39を比較的小さな力で図5において反時計回り(ベルト引出し方向)に常時付勢している。
そして、シートベルト6が装着されない通常時は、第2インターナルギヤ39の突出部39bは両スプリング51,52のばね力で、隣接する突出部50間の周方向中央位置に設定されている。この状態でスプール17がベルト引出し方向に回転すると、図6(a)に示すように第2インターナルギヤ39もベルト引出し方向αに回転する。このように第2インターナルギヤ39が回転することで、第2遊星歯車機構31の動力伝達が不能とされてスプール17と電動モータ21との直結が遮断され、スプール17の回転は電動モータ21に伝達されない。第2インターナルギヤ39が所定角(図示例では、30°)回転すると、突出部39bの周方向端39b1がベルト引出し方向に隣接する突出部50の周方向端50aに当接し、第2インターナルギヤ39はそれ以上ベルト引出し方向αに回転しなく、停止するようになっている。このように第2インターナルギヤ39の回転が停止することで、第2遊星歯車機構31の動力伝達が可能となり、スプール17と電動モータ21とが直結される。
また、スプール17が逆にベルト巻取り方向に回転すると、第2インターナルギヤ39もベルト巻取り方向に回転するが、第2インターナルギヤ39が所定角(例えば、引出し方向と同様の30°)回転すると、突出部39bの周方向端39b2がベルト引出し方向に隣接する突出部50の周方向端50bに当接し、第2インターナルギヤ39はそれ以上ベルト巻取り方向に回転しなく、停止するようになっている。これにより、第2遊星歯車機構31の動力伝達が可能となり、スプール17と電動モータ21とが直結される。
更に、第2プラネタリギヤ40は、いずれもスプール17にも相対回転可能に軸支されている。
そして、電動モータ21のロータ24の回転が第1遊星歯車機構30の第1サンギヤ34,および第1プラネタリギヤ36を介して第1キャリヤ37に第1の所定の減速比で1段減速されて伝達され、更に第1キャリヤ37の回転が第2遊星歯車機構31の第2サンギヤ38,第2プラネタリギヤ40、および第2キャリヤ41を介してスプール17に第2の所定の減速比で2段減速されて伝達され、スプール17は電動モータ21の回転で減速回転するようになっている。すなわち、電動モータ21の回転のスプール17への伝達経路は、コの字形状の伝達経路となっている。このようにして、遊星歯車動力伝達機構29は、第1遊星歯車機構30ではサンギヤ入力のキャリヤ出力で動力伝達が行われ、同様に第2遊星歯車機構31でもサンギヤ入力のキャリヤ出力で動力伝達が行われるという2段減速の減速機構としての遊星歯車動力伝達機構となっている。
図2および図3に示すように、トーションバー42が筒状のロータ24を貫通して設けられている。このトーションバー42は、車両衝突時等の通常時に比べて大きな減速度が車両に加えられた緊急時に、乗員の慣性エネルギをエネルギ吸収機構(以下、EA機構ともいう:荷重制限機構としても構成される)により吸収して、シートベルトに加えられる荷重を制限するようになっている。
トーションバー42は、外直径が回転軸部材24bの内孔24b1の内径(直径)より小直径に形成されてロータ24を貫通しかつねじり変形のよりエネルギを吸収するトーション部42aと、トーション回転軸部材24bから軸方向に突出するトーション部42aの両端部に設けられかつトーション部42aにねじりトルク(ねじり力)を与える第1および第2トルク伝達部42b,42cとから構成されている。第1トルク伝達部42bは内孔24b1の内径よりわずかに小さい外径の6角形状に形成されているとともに、この6角形状のそれぞれの辺はいずれも内側に凹んだ湾曲面とされている。また、第2トルク伝達部42cは内孔24b1の内径より大きい外径の6角形状に形成されているとともに、この6角形状のそれぞれの辺はいずれも内側に凹んだ湾曲面とされている。
遊星歯車動力伝達機構29側である第1トルク伝達部42bは、第1遊星歯車機構30の第1キャリヤ37に形成された6角形状の貫通孔37aに嵌合されて第1キャリヤ37に対して相対回転不能に連結されている。なお、第1キャリヤ37は、環状部材32に取り付けられたカバー43の支持突起43aにその中心が回転可能に支持されている。
フレーム14の側壁13には、第3の側壁44が軸方向に所定間隔を置いて取り付けられている。この第3の側壁44には、前述の緊急時に発生する大きな車両減速度を感知して作動する減速度感知手段45およびこの減速度感知手段45によって作動して少なくともスプール17のベルト引出し方向の回転を阻止(ロック)するロック機構46が設けられている。ロック機構46はロッキングベース47を備えている。ロッキングベース47には6角形状の凹部47aが形成されており、第2トルク伝達部42cがこの凹部47aに嵌合されてロッキングベース47に対して相対回転不能に連結されている。
このロッキングベース47にはパウル48が回動可能に設けられている。このパウル48は、減速度感知手段45が作動しない通常時には回動しなく、ロッキングベース47(つまりスプール17)のベルト巻取り方向およびベルト引出し方向のいずれの方向の回転も自由にする。また、パウル48は減速度感知手段45の作動時に回動して、その係止爪48aが第3の側壁44の内歯44aに係合することでロッキングベース47のベルト引出し方向の回転を阻止(ロック)する。これらの減速度感知手段45およびロック機構46は、例えば特開2002−120694号公報および特開2001−122077号公報等に開示されているように従来周知のものであり、これらの公報を参照すれば、それらの構成および作動は容易に理解することができるとともに、本発明に直接関係しないので、その具体的な説明は省略する。
このように構成されたこの例のシートベルトリトラクタ3の作動について説明する。
シートベルト6が装着されない状態では、シートベルト6がシートベルトリトラクタ3に完全に巻き取られている。また、ロック機構46が作動していないのでロッキングベース47が回転自由となっている。更に、電動モータ21が回転駆動されていない。更に、この状態では前述のように電動モータ21が通電されず、停止しており、突出部39bは隣接する突出部50の間の中央位置に設定されている。したがって、ベルト非装着の通常状態では、乗員Cはシートベルト6をシートベルトリトラクタ3のスプール17から自由に引き出すことが可能となっている。
乗員Cがシートベルト6を装着するために引き出すと、スプール17がベルト引出し方向に回転開始する。このスプール17のベルト引出し方向の回転で、第2インターナルギヤ39もベルト引出し方向に回転する。この第2インターナルギヤ39のベルト引出し方向の回転で、第2遊星歯車機構31の動力伝達が不能とされてスプール17と電動モータ21との直結が遮断されるので、スプール17の回転が電動モータ21に伝達されず、ベルト引出し抵抗が小さい。したがって、乗員はベルト引出しの重みを感じることなくシートベルトを容易に引き出すようになる。
突出部39bの周方向端39b1が突出部50の周方向端50aに当接し、第2インターナルギヤ39の回転が停止すると、第2遊星歯車機構31の動力伝達が可能となり、スプール17と電動モータ21とが直結される。一方、回転センサ28がスプール17のベルト引出し方向の回転開始を検出してその検出信号をECU10に送給する。すると、ECU10は電動モータ21をベルト引出し方向に回転駆動する。
これにより、電動モータ21のロータ24の回転が遊星歯車動力伝達機構29により2段減速されてスプール17に伝達され、スプール17がベルト引出し方向に回転してシートベルト6が引き出される。その場合、回転センサ28からの回転量検出信号に基づいて、ECU10が電動モータ21の回転を制御する。こうして、シートベルトリトラクタ3は乗員Cによるシートベルト6の引出しを電動モータ21の回転駆動力でアシストするので、乗員Cは比較的小さな力でシートベルト6を引き出すようになる。
このように、第2インターナルギヤ39に設けられた突出部39b、環状部材32に設けられた突出部50、スプリング51,52により、本発明のスプール・モータ遮断機構およびインターナルギヤ回転許容手段が構成される。
シートベルト6がベルト装着に必要な所定量を引き出されると、つまりスプール17がベルト引出し方向に所定量回転すると、回転センサ28からの検出信号でECU10は電動モータ21の駆動を停止する。すると、スプリング51,52のばね力で第2インターナルギヤ39はベルト巻取り方向に回転し、突出部39bは隣接する突出部50の間の中央位置に戻り、初期状態となる。
乗員がタング8をバックル9に挿入して係合すると、入力手段11の1つであるバックルスイッチ(不図示)がオンし、タング8とバックル9との係合検出信号がECU10に供給される。これにより、ECU10は電動モータ21をベルト巻取り方向に回転駆動する。すると、第2遊星歯車機構31が動力伝達不能とされていることから第2インターナルギヤ39がベルト巻取り方向に回転する。突出部39bの周方向端39b2が突出部50の周方向端50bに当接し、第2インターナルギヤ39の回転が停止すると、前述と同様に電動モータ21の回転が遊星歯車動力伝達機構29により2段減速されてスプール17に伝達される。これにより、スプール17がベルト巻取り方向に回転して、余分に引き出されたシートベルト6がスプール17に巻き取られ、シートベルト6の弛みが解消される。
このベルト巻取りでシートベルト6の弛みがなくなると、更なるベルト巻取りでシートベルト6にベルト張力が発生するとともに、電動モータ21への供給電流あるいは供給電圧が上昇する。このときのベルト張力、電動モータ21への供給電流および供給電圧の少なくとも1つが入力手段11である適宜の検出手段で検出されてECU10に入力される。ECU10は、入力されるベルト張力、供給電流および供給電圧の少なくとも1つが予め設定された所定値になると、電動モータ21の回転駆動を停止する。そして、この状態が保持されて車両が走行開始される。なお、ECU10は、このように電動モータ21の回転駆動を停止した後、電動モータ21を逆方向つまりベルト引出し方向に若干量回転させて遊星歯車動力伝達機構29を介してスプール17をベルト引出し方向に回転させることで、シートベルト6を所定量引き出してベルトテンションを0またはほぼ0に設定し、乗員Cをコンフォート状態にすることもできる。
そして、車両走行中は、ECU10は前述のように入力手段11から入力されるモータ制御に必要な各種情報に基づいて前述の電動モータ21の各制御を行うことによって、ベルト張力がこれらの各種情報に基づいた適正な値となるように制御される。
車両が停止して、乗員Cが降車のためタング8をバックル9から離脱させて係合解除すると、バックルスイッチが非作動となってタング8とバックル9との非係合情報をECU10に入力する。すると、ECU10は電動モータ21をベルト巻取り方向に回転駆動する。この電動モータ21のベルト巻取り方向の回転で、スプール17がシートベルト6を初期の巻取り状態となるまで、つまり装着のため引き出されてた全量を巻き取る。これにより、シートベルト6がシートベルトリトラクタ3に格納される。このようにシートベルト6が全量巻き取られると、ECU10は回転センサ28からのベルト全量巻取り情報に基づいて電動モータ21の回転を停止する。
ベルト装着状態での車両走行中に、例えば車両衝突等によって車両にきわめて大きな減速度が加えられた緊急時には、減速度感知手段45が作動して、前述のようにロッキングベース47のベルト引出し方向の回転が阻止される。これにより、トーションバー42の第2トルク伝達部42cの同方向の回転も阻止される
これに対して、乗員Cの慣性移動でシートベルト6が引き出されようとしてスプール17がベルト引出し方向に回転しようとするため、第2キャリヤ41、第2プラネタリギヤ40、第2サンギヤ38、および第1キャリヤ37を介してトーションバー42の第1トルク伝達部42bが同方向に回転するように付勢される。
すると、トーションバー42のトーション部42aがねじり変形を生じ、このトーション部42aのねじり変形により乗員Cの慣性エネルギが吸収されて、シートベルト6に作用する荷重が大きくなるに制限される。こうして、車両にきわめて大きな減速が発生したとき、乗員Cはシートベルト6から大きな力を受けることなく、シートベルト装置1のシートベルト6によって拘束されるようになる。
この例のシートベルトリトラクタ3の他の作動は、従来公知の電動モータ駆動によるシートベルトの巻取りおよび引出しを行うシートベルトリトラクタの作動と同じである。
この例のシートベルトリトラクタ3によれば、電動モータ21のロータ24の回転を第1遊星歯車機構30で1段目の減速を行い、更に第2遊星歯車機構31で2段目の減速を行うようにしているので、大きな減速比を得ることができる。したがって、電動モータ21を大型化しなくても、例えば緊急時にシートベルト6の緩みを迅速に取るような大きなトルクを得ることができる。
また、ギヤの外径を大きくしなくても済むので、シートベルトリトラクタ3の径方向の大型化を阻止でき、電動モータ21をスプール17内に配置することで得られる、シートベルトリトラクタの小型コンパクト化の効果を十分に活かすことができる。
特に、第1遊星歯車機構30を第2遊星歯車機構31よりスプール17から軸方向に遠く離れた位置に配置するとともに、第2遊星歯車機構31をスプール17と第1遊星歯車機構30との間に配置しているので、軸方向にコンパクトな構造で電動モータ21の回転を2段減速してスプール17に伝達することができる。
しかも、第1遊星歯車機構30の構成部材である第1サンギヤ34をロータ24の回転軸部材24bに直接設け、また、第1遊星歯車機構30の構成部材である第1インターナルギヤ35と第2遊星歯車機構31の構成部材である第2インターナルギヤ39とを一体に設け、更に、第1遊星歯車機構30の構成部材である第1キャリヤ37と第2遊星歯車機構31の構成部材である第2サンギヤ38とを一体に設け、更に、第2遊星歯車機構31の構成部材である第2キャリヤ41とスプール17とを一体に設けているので、シートベルトリトラクタ3を軸方向に更に効果的にコンパクトにすることができる。
また、電動モータ21の回転を第1遊星歯車機構30の第1サンギヤ34に入力しかつ第1遊星歯車機構30の第1キャリヤ37から出力するとともに、この第1キャリヤ37の出力回転を第2遊星歯車機構31の第2サンギヤ38に入力しかつ第2遊星歯車機構31の第2キャリヤ37から出力してスプール17に伝達しているので、大きな減速比を効率よく得ることができる。
更に、シートベルト6の引出し開始時に、第2遊星歯車機構31の動力伝達を不能にし、かつシートベルト6が所定量引き出されたとき、第2遊星歯車機構31の動力伝達を可能にしているので、シートベルト6の引出し時に、スプール17が電動モータ21に直結することによる一時的なベルト引出しの重み(ベルト引出し抵抗)を低減することができる。その場合、スプール・モータ遮断機構を、2つの第1および第2遊星歯車機構30,31のうち、スプール17に近い側に配置された第2遊星歯車機構31に設けているので、シートベルト6の引出し時でのベルト引出し抵抗をより効果的に低減することができる。これにより、ベルト引出しの際の違和感を抑制することができる。
特に、スプール・モータ遮断機構を、ベルト引出し時に第2インターナルギヤ39が一時的にベルト引出し方向に所定量回転するのを許容しかつベルト引出し方向に所定量を超えて回転するのを阻止するインターナルギヤ回転許容手段から構成しているので、インターナルギヤ回転許容手段に第2遊星歯車機構31を利用することができる。これにより、シートベルトリトラクタ3の構成を簡単にすることができる。
また、インターナルギヤ回転許容手段を単純な構成の突出部39b,50から構成しているので、シートベルトリトラクタ3の構成をより一層簡単にすることができる。
更に、トーションバー42を筒状のロータ24に貫通させて設けているので、コンパクトな構造で緊急時に乗員Cの慣性エネルギを吸収することができ、トーションバー42によるEA機能を十分に発揮させることができる。
一方、このシートベルトリトラクタ3を用いたシートベルト装置1によれば、車両衝突時等の緊急時にシートベルト6の緩みを取って乗員Cをより効果的に拘束することができるようになる。
また、シートベルト6の引出し時に電動モータ21のコギングトルクによる重みを感じることがなく、乗員はシートベルト6の装着動作を快適に行うことができるようになる。
なお、前述の例のシートベルトリトラクタ3は、第1遊星歯車機構30ではサンギヤ入力でかつキャリヤ出力とし、第2遊星歯車機構31では同じくサンギヤ入力でかつキャリヤ出力としているが、本発明はこれに限定されることはなく、第1遊星歯車機構30でのサンギヤ以外の他の構成部材入力でキャリヤ以外の他の構成部材出力とし、また第2遊星歯車機構31でのサンギヤ以外の他の構成部材入力でキャリヤ以外の他の構成部材出力とすることもできる。その場合、第1および第2遊星歯車機構30,31とにおいて、入力される構成部材および出力する構成部材が、互いに異なるようにすることもできる。これらの第1および第2遊星歯車機構30,31の入出力構造は、シートベルトリトラクタ3の使用条件、シートベルトリトラクタ3が搭載される車両の種類等に応じて、適宜選択し設定すればよい。
また、前述の例では、第2インターナルギヤ39を環状部材32にスプール・モータ遮断機構を介して設けているが、スプール・モータ遮断機構を用いずに、第2インターナルギヤ39を環状部材32に直接固定することもできる。その場合には、第1および第2インターナルギヤ35,39は必ずしも環状部材32とは別部材で形成されなくてもよく、第1および第2インターナルギヤ35,39の各内歯35a,39aを環状部材32自体に直接形成することで、これらの環状部材32、第1および第2インターナルギヤ35,39を単一部材で構成することもできる。この場合には、スプール・モータ遮断機構による前述の作用効果は得ることはできない。
本発明のシートベルトリトラクタは、自動車等の車両に装備され、乗員を拘束するためのシートベルトをモータによる巻取りおよび引出しを行うシートベルトリトラクタに好適に利用することができる。
本発明にかかるシートベルトリトラクタを備えたシートベルト装置の実施の形態の一例を模式的に示す図である。 本発明にかかるシートベルトリトラクタの実施の形態の一例を模式的に示す縦断面図である。 図2における遊星歯車動力伝達機構の分解斜視図である。 図2におけるIV−IV線に沿う断面図である。 図2におけるV−V線に沿う断面図である。 (a)は第2インターナルギヤの外周面を部分的に示す図、(b)は(a)におけるVIB−VIB線に沿う断面図、(c)は(a)におけるVIC方向から見た部分斜視図である。
符号の説明
1…シートベルト装置、3…シートベルトリトラクタ、5…車両シート、6…シートベルト、8…タング、9…バックル、10…電子制御装置(ECU)、11…入力手段、12,13…側壁、14…ベースフレーム、17…スプール、21…電動モータ、22…モータハウジング、23…ステータ、24…ロータ(回転子)、29…遊星歯車動力伝達機構、30…第1遊星歯車機構、31…第2遊星歯車機構、33…T字状部材、34…第1サンギヤ、35…第1インターナルギヤ、36…第1プラネタリギヤ、37…第1キャリヤ、38…第2サンギヤ、39…第2インターナルギヤ、39b…突出部、40…第2プラネタリギヤ、41…第2キャリヤ、42…トーションバー、50…突出部、51,52…スプリング

Claims (8)

  1. シートベルトを引出し可能に巻き取る筒状のスプールと、このスプールの筒内にモータシャフトが前記スプールと同心状にして配設されて前記スプールをベルト巻取り方向およびベルト引出し方向に回転するための回転駆動力を発生するモータと、前記スプールと前記モータとの間に配設されて前記モータの回転を減速して伝達する遊星歯車動力伝達機構とを少なくとも備えているシートベルトリトラクタにおいて、
    前記遊星歯車動力伝達機構は、前記モータの回転を減速して出力する第1遊星歯車機構と、前記第1遊星歯車機構の出力を減速して前記スプールに出力する第2遊星歯車機構とからなることを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  2. 前記第1遊星歯車機構は前記第2遊星歯車機構より前記スプールから軸方向に離れた位置に配置されるとともに、前記第2遊星歯車機構は前記スプールと前記第1遊星歯車機構との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載のシートベルトリトラクタ。
  3. 前記シートベルトの引出し時に、前記スプールと前記モータとの直結を一時的に遮断するスプール・モータ遮断機構を備えていることを特徴とする請求項または記載のシートベルトリトラクタ。
  4. 前記第1遊星歯車機構の構成部材は、第1サンギヤと、第1インターナルギヤと、前記第1サンギヤおよび前記第1インターナルギヤのいずれにも噛合する第1プラネタリギヤと、前記第1プラネタリギヤを回転可能に支持する第1キャリヤとからなり、
    前記第2遊星歯車機構の構成部材は、第2サンギヤと、少なくともベルト引出し方向に所定量回転可能に設けられた第2インターナルギヤと、前記第2サンギヤおよび前記第2インターナルギヤのいずれにも噛合する第2プラネタリギヤと、前記第2プラネタリギヤを回転可能に支持する第2キャリヤとからなり、
    前記スプール・モータ遮断機構は、ベルト引出し時に前記第2インターナルギヤが一時的にベルト引出し方向に所定量回転するのを許容しかつベルト引出し方向に所定量を超えて回転するのを阻止するインターナルギヤ回転許容手段からなることを特徴とする請求項3記載のシートベルトリトラクタ。
  5. 前記第1遊星歯車機構の構成部材のいずれか1つが前記電動モータのモータシャフトに設けられ、また、前記第1遊星歯車機構の構成部材のいずれか他の1つと前記第2遊星歯車機構の構成部材のいずれか1つとが一体に設けられ、更に、第1遊星歯車機構の構成部材である構成部材のいずれか更に他の1つと第2遊星歯車機構の構成部材のいずれか他の1つとが一体に設けられ、更に、前記第2遊星歯車機構の構成部材のいずれか更に他の1つと前記スプールとが一体に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載のシートベルトリトラクタ。
  6. 前記第1遊星歯車機構の構成部材は、第1サンギヤと、第1インターナルギヤと、前記第1サンギヤおよび前記第1インターナルギヤのいずれにも噛合する第1プラネタリギヤと、前記第1プラネタリギヤを回転可能に支持する第1キャリヤとからなり、
    前記第2遊星歯車機構の構成部材は、第2サンギヤと、第2インターナルギヤと、前記第2サンギヤおよび前記第2インターナルギヤのいずれにも噛合する第2プラネタリギヤと、前記第2プラネタリギヤを回転可能に支持する第2キャリヤとからなり、
    前記電動モータのモータシャフトに設けられる前記第1遊星歯車機構の構成部材が前記第1サンギヤであり、また、互いに一体に設けられる前記第1および第2遊星歯車機構の各構成部材が、それぞれ前記第1キャリヤおよび前記第2サンギヤであり、更に、前記スプールと一体に設けられる前記第2遊星歯車機構の構成部材が前記第2キャリヤであることを特徴とする請求項5記載のシートベルトリトラクタ。
  7. 緊急時に前記スプールがベルト引出し方向に回転するとき、ねじり変形により前記乗員の慣性エネルギを吸収するトーションバーが、前記モータシャフトの内孔を貫通して配設されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1記載のシートベルトリトラクタ。
  8. 乗員を拘束するシートベルトと、このシートベルトを引出し可能に巻き取るシートベルトリトラクタと、前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、このタングが係脱可能に係合されるバックルとを少なくとも備えているシートベルト装置において、
    前記シートベルトリトラクタは、請求項1ないし7のいずれか1記載のシートベルトリトラクタであることを特徴とするシートベルト装置。
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