JP2005014658A - モータリトラクタの制御装置及びモータリトラクタ - Google Patents

モータリトラクタの制御装置及びモータリトラクタ Download PDF

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Teruhiko Koide
輝彦 小出
Takuhiro Saito
拓宏 斉藤
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Abstract

【課題】モータに駆動される巻取軸によって、乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビングを巻き取ることができるモータリトラクタの制御装置、及びモータリトラクタを得る。
【解決手段】ウエビング28を巻取り引出し可能に巻き回したスプール20と、スプール20を巻取方向に回転可能なモータ60とを備えたモータリトラクタ10の制御装置80では、車両衝突を予測または検出すると、スプール20を巻取方向に回転駆動する方向の電流をモータ60に供給する。このときの電流の大きさは、ウエビング28のスプール20への巻取量に相当しスプール20の回転角に応じた信号として、回転角センサ88から入力する巻取量信号の大きさに応じた大きさとされる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等のシートベルト装置に適用され、乗員拘束用のウエビングを引き出し可能に巻き取るモータリトラクタの制御装置、及びモータリトラクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用車等の車両には、長尺帯状のウエビングによって座席に着座した乗員を拘束するシートベルト装置が取り付けられており、このうち所謂3点式のシートベルト装置には、ウエビングを引き出し可能に巻き取った状態で格納するリトラクタ(ウエビング巻取装置)が設けられている。
【0003】
リトラクタは、ウエビングを巻き回した巻取軸がフレームに回転自在に支持されると共に該ウエビングの巻取方向に付勢されて構成されており、ウエビングを先端側から引張ると該ウエビングが巻取軸を回転させつつ引き出され、この引張力を除去するとウエビングが巻取軸に巻き戻されるようになっている。これにより、ウエビングの不使用時には該ウエビングを巻取軸に巻き取ってリトラクタに格納しておくことができる。
【0004】
このようなリトラクタには、車両衝突時に巻取軸を強制的に巻取方向に回転してウエビングを巻取り衝突初期の慣性による乗員の前方への移動を抑制するプリテンショナ機構や、車両衝突時に巻取軸の引出方向の回転を阻止するロック機構、プリテンショナ機構やロック機構の作動後にウエビングの引出を許容しつつエネルギ吸収を行なうフォースリミッタ機構等が、適宜組み合わされて設けられている。
【0005】
さらに、このようなリトラクタにおいて、衝突等の危険を検知したときに、巻取軸をモータの駆動力で巻取方向に強制的に回転することで、ウエビングによる拘束性能を向上させたモータリトラクタ(モーター式シートベルトリトラクター)が考えられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のモータリトラクタは、衝突予知装置等の出力信号によってプリテンショナ機構の作動前にモータを作動し、衝突前にウエビングを巻き取ることでウエビングの弛みを解消し拘束性能を向上している。また、このモータリトラクタは、衝突後にモータの逆起電力に基づく回転抗力を利用して、乗員に作用するエネルギを吸収するフォースリミッタ機能を果たすようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−347923号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、モータの駆動力でウエビングを巻き取る際に該ウエビングによる乗員拘束性を高めるためには、できるだけ高荷重でウエビングを巻き取る(巻き込む)ことが有効であるが、例えば、荷重に対する人体耐性が低い小柄な乗員や子供乗員等に対しては、ウエビング巻取荷重を低めにすることが好ましい。また、乗員と該乗員の前方にある物との距離が近い場合には、該距離が遠い場合よりもウエビング巻取荷重を大きくし乗員の前方への移動を抑制することが好ましい。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1記載のモータリトラクタでは、エネルギ吸収時の乗員の体格差については考慮されているが、ウエビング巻取時の乗員の体格差による影響については何ら考慮されていなかった。また、このモータリトラクタでは、乗員前方の空間の大きさとウエビング巻取荷重との関係についても何ら考慮されていなかった。
【0009】
本発明は、上記事実を考慮して、モータに駆動される巻取軸によって、乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビングを巻き取ることができるモータリトラクタの制御装置、及びモータリトラクタを得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係るモータリトラクタの制御装置は、乗員拘束用のウエビングが巻き回された巻取軸と、該巻取軸を前記ウエビングの巻取方向に回転駆動可能なモータとを備えたモータリトラクタの制御装置であって、前記巻取軸への前記ウエビングの巻取量に応じた巻取量信号を出力する巻取量検出手段、及び前記モータにそれぞれ電気的に接続され、車両の衝突を予測または検出したときに、前記巻取量信号に応じた大きさで且つ前記巻取軸を前記巻取方向に回転駆動する方向の電流を前記モータに供給する、ことを特徴としている。
【0011】
請求項1記載のモータリトラクタの制御装置では、例えば車両の走行速度(の変化率)や急ブレーキ操作の有無等から該車両の衝突を予測または検出すると、モータに巻取軸を前記巻取方向に回転駆動する方向の電流を供給し、モータリトラクタにウエビングを巻き取らせる。このとき、モータに供給される電流の大きさは、巻取量検出手段から入力される巻取軸へのウエビングの巻取量に応じた信号に対応している。
【0012】
ここで、乗員がウエビングを装着している状態において、巻取軸へのウエビングの巻取量が小さい(少ない)ことは、有限長さのウエビングの引出量が大きいことであり、例えば、乗員の体格が大きい場合や座席がモータリトラクタに対し前方にスライドしている場合に相当する。逆に、巻取軸へのウエビングの巻取量が大きいことは、ウエビングの引出量が小さいことであり、例えば、乗員の体格が小さい場合や座席がモータリトラクタに対し前方にスライドしていない場合に相当する。このため、巻取軸へのウエビング巻取量をパラメータとして、巻取軸を回転駆動するモータへの供給電流を調整することで、乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビングを巻き取ることが可能となる。
【0013】
このように、請求項1記載のモータリトラクタの制御装置では、モータに駆動される巻取軸によって、乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビングを巻き取らせることができる。
【0014】
請求項2記載の発明に係るモータリトラクタの制御装置は、請求項1記載のモータリトラクタの制御装置において、前記巻取量検出手段から入力する信号が前記巻取軸への前記ウエビングの巻取量が多いことに対応しているほど、前記モータへ供給する電流を小さくする、ことを特徴としている。
【0015】
請求項2記載のモータリトラクタの制御装置では、巻取軸へのウエビングの巻取量が大きいほど、すなわち例えば、乗員の体格が小さいか、座席が後方に位置して乗員前方の空間が広いかするほど、モータへの供給電流を小さくする。これにより、巻取軸へのウエビングの巻取量が大きいほどウエビング巻取荷重すなわち拘束力が小さくなるが、小柄な乗員は体重が軽いため比較的小さな拘束力で衝突時の慣性による前方への移動が抑制され、また乗員前方の空間が広い場合は衝突時の慣性による前方への比較的大きな移動が許容される。したがって、巻取軸へのウエビングの巻取量が大きいほどモータへの供給する電流を小さくすることで、乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビングを巻き取ることが実現される。
【0016】
また、上記目的を達成するために請求項3記載の発明に係るモータリトラクタは、乗員拘束用のウエビングが巻き回された巻取軸と、前記巻取軸を前記ウエビングの巻取方向に回転駆動可能なモータと、前記巻取軸の回転角に応じた信号を出力する回転角検出手段と、前記回転角検出手段及び前記モータにそれぞれ電気的に接続され、車両の衝突を予測または検出したときに、前記回転角検出手段から入力される信号に応じた大きさで且つ前記巻取軸を前記巻取方向に回転駆動する方向の電流を前記モータに供給する制御手段と、を備えている。
【0017】
請求項3記載のモータリトラクタでは、例えば車両の走行速度(の変化率)や急ブレーキ操作の有無等から制御手段が車両の衝突を予測または検出すると、この制御手段は、モータに巻取軸を前記巻取方向に回転駆動する方向の電流を供給し、巻取軸にウエビングを巻き取らせる。このとき、モータに供給される電流の大きさは、回転角検出手段から入力される巻取軸の回転角(の変化)に応じた信号に対応している。
【0018】
ここで、乗員がウエビングを装着している状態において、巻取軸へのウエビングの巻取量が小さい(少ない)ことは、有限長さのウエビングの引出量が大きいことであり、例えば、乗員の体格が大きい場合や座席がモータリトラクタに対し前方にスライドしている場合に相当する。逆に、巻取軸へのウエビングの巻取量が大きいことは、ウエビングの引出量が小さいことであり、例えば、乗員の体格が小さい場合や座席がモータリトラクタに対し前方にスライドしていない場合に相当する。そして、巻取軸へのウエビングの巻取量は、該巻取軸の回転角に対応する。このため、巻取軸の回転角、すなわち巻取軸へのウエビング巻取量をパラメータとして、制御手段から巻取軸を回転駆動するモータへの供給電流を調整することで、乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビングを巻き取ることが可能となる。
【0019】
このように、請求項3記載のモータリトラクタでは、モータに駆動される巻取軸によって、乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビングを巻き取ることができる。
【0020】
請求項4記載の発明に係るモータリトラクタは、請求項3記載のモータリトラクタにおいて、前記制御手段は、前記回転角検出手段から入力する信号が前記巻取軸への前記ウエビングの巻取量が多いことに対応しているほど、前記モータへ供給する電流を小さくする、ことを特徴としている。
【0021】
請求項4記載のモータリトラクタでは、巻取軸の回転角が該巻取軸へのウエビングの巻取量が大きいことに対応しているほど、すなわち例えば、乗員の体格が小さいか、座席が後方に位置して乗員前方の空間が広いかするほど、制御手段からモータへの供給電流が小さくされる。これにより、巻取軸へのウエビングの巻取量が大きいほどウエビング巻取荷重が小さくなるが、小柄な乗員は体重が軽いため比較的小さな力で衝突時の慣性による前方への移動が抑制され、また乗員前方の空間が広い場合は衝突時の慣性による前方への比較的大きな移動が許容される。すなわち、巻取軸へのウエビングの巻取量が大きいほどモータへの供給する電流を小さくすることで、乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビングを巻き取ることが実現される。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るモータリトラクタ10、及び該モータリトラクタ10への給電制御を行なう制御手段またはモータリトラクタの制御装置としての制御装置80ついて、図1及び図2に基づいて説明する。先ず、モータリトラクタ10について説明し、次いで制御装置80について説明することとする。
【0023】
(モータリトラクタの構成)
図1には、ウエビング巻取装置であるモータリトラクタ10の概略全体構成が一部切欠いた正面図にて示されている。この図に示される如く、モータリトラクタ10は、フレーム12を備えている。フレーム12は略板状の背板14を備えており、背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで、本モータリトラクタ10が車体に取り付けられる構成となっている。
【0024】
また、フレーム12は、背板14の幅方向両端からそれぞれ延出され互いに対向する一対の脚板16、18を備えている。これらの脚板16、18間には、ダイカスト等によって製作された巻取軸としてのスプール20が軸心廻りの回転可能に配置されている。
【0025】
スプール20は、略円筒形状に形成されたスプール本体22と、スプール本体22の軸方向両端部からそれぞれ径方向外側に環状に延設された一対のフランジ部24、26とによって構成されており、全体としては鼓形状をなしている。スプール20は、その軸線方向を脚板16、18の対向方向に一致させた状態で、フランジ部24を脚板16側、フランジ部26を脚板18側にそれぞれ位置させている。
【0026】
このスプール20のスプール本体22には、長尺帯状に形成されたウエビング28が、その基端部を固定的に係止させた状態で層状に巻き回されている。これにより、スプール20をその軸心廻りの一方側へ回転すると、ウエビング28がスプール本体22の外周部に層状に巻き取られ、ウエビング28をその先端側から引張ると、該ウエビング28はスプール20を軸心廻りの他方側に回転させつつスプール本体22から引き出される構成である。なお、以下の説明では便宜上、上記ウエビング28が巻き取られるスプール20の軸心廻り一方側の回転方向を「巻取方向」と称し、巻取方向とは反対の回転方向を「引出方向」ということとする。
【0027】
また、スプール20は、フランジ部24側の端部から同軸的に突出した支軸部29を備えている。支軸部29は、脚板16に形成された円孔30を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出しており、該脚板16の外面に開口端を突き当てた状態で固定された略カップ状のケース32によって回転自在に軸支されている。
【0028】
このケース32の内部には、付勢部材としての渦巻きばね(ぜんまいばね)34が配置されている。渦巻きばね34は、その外端がケース32に係止されると共にその内端がスプール20の支軸部29に係止されている。そして、この渦巻きばね34は、スプール20をその外周部にウエビング28を巻き取る巻取方向へ付勢しており、スプール20から引き出すためにウエビング28に付与した引張力を解除すると、その付勢力によってスプール20を巻取方向へ回転させる構成である。
【0029】
さらに、スプール20はフランジ部26側の端部から同軸的に突出した図示しない支軸部を備えている。この支軸部は、脚板18に形成された内歯のラチェット孔36を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出しており、該脚板18の外面に開口端を突き当てた状態で固定されロック機構38を構成する略カップ状のケース40によって回転自在に軸支されている。
【0030】
ロック機構38は、通常はスプール20の巻取方向、引出方向の自由な回転を許容し、車両急減速時にスプール20の引出方向の回転を阻止するものである。本実施の形態では、加速度センサ56がラチェットギヤ42の引出方向の回転を阻止すると、該ラチェットギヤ42とスプール20との相対回転によってロックプレート46がロックベース44から突出して脚板18におけるラチェット孔36の内歯に噛み合い、スプール20の引出方向の回転を阻止する構成とされている。なお、ロックベース44とスプール20との間にトーションバーを連結して、上記ロック後にトーションバーを捩りつつスプール20の引出方向の回転を許容してエネルギ吸収を果たす(フォースリミッタ機能を果たす)構成としても良い。
【0031】
また、図示は省略するが、モータリトラクタ10は、車両衝突時にスプール20を強制的に巻取方向に回転してウエビング28を巻き取るプリテンショナ機構を備えている。プリテンショナ機構は、車両衝突時にガスジェネレータを作動して生じた燃焼ガスの圧力をラック&ピニオン機構によってスプール20の回転力に変換する、所謂火薬式プリテンショナ機構とされている。
【0032】
さらに、モータリトラクタ10は、モータ60を備えている。モータ60は、フレーム12の一対の脚板16、18間におけるスプール20の下方に配置されており、該フレーム12に対し固定的に保持されている(図示省略)。このモータ60の出力軸62にはギヤ64が同軸的且つ一体的に設けられている。
【0033】
ギヤ64の上方には、該ギヤ64よりも大径のギヤ66が配置されている。ギヤ66は、脚板16、18間に設けられた支持板68と脚板16とによりスプール20と平行な軸廻りに回転自在に軸支された状態で、ギヤ64に噛み合っている。また、ギヤ66の側方には、該ギヤ66よりも小径のギヤ70がギヤ66に対して同軸的且つ一体的に設けられている。
【0034】
さらに、ギヤ70の上方には、クラッチ72が設けられている。クラッチ72は、リング状に形成された外歯のギヤ74を備えている。ギヤ74は、脚板16とフランジ部24との間で、スプール20に対し同軸的で且つ相対回転可能に設けられており、その軸方向両端は図示しない円盤状部材により閉止されている。
【0035】
また、クラッチ72は、スプール側部材であるアダプタ76を備えている。アダプタ76は、スプール20におけるフランジ部24と支軸部29との間に同軸的且つ一体的に設けられると共に、ギヤ74の上記円盤状部材を摺接可能に貫通してギヤ74をギヤ70と噛み合わせつつ回転可能に軸支している。
【0036】
ギヤ74の内側には図示しない連結部材が収容されており、クラッチ72は、ギヤ74の巻取方向への回転(モータ60の正転)によって連結部材がギヤ74とアダプタ76とを回転伝達可能に結合するようになっている。一方、クラッチ72は、ギヤ74の引出方向への所定量の回転(モータ60の逆転)、またはモータ60の停止(連結部材の負荷解消)によって、上記連結部材による機械的結合が解除され、スプール20とモータ60とが切り離された状態に復帰する構成である。
【0037】
(制御装置の構成)
以上説明したモータリトラクタ10は、制御装置80によってモータ60への給電制御が為されるようになっている。制御装置80は、互いに電気的に接続されたドライバ82とECU86とから構成されている。図1に示される如く、モータリトラクタ10のモータ60は、ドライバ82を介して車両に搭載されたバッテリ84に電気的に接続されており、バッテリ84からの電流がドライバ82を介して供給されるようになっている。このドライバ82を介したモータ60への給電の有無、供給電流の方向、大きさがECU86によって制御される構成である。
【0038】
また、ECU86は、スプール20の回転角に応じた信号を出力する巻取量検出手段または回転角検出手段としての回転角センサ88とも電気的に接続されている。回転角センサ88は、スプール20のフランジ部26近傍に配置されており、該フランジ部26に固定的に取り付けられたマグネット90がスプール20の回転に追従して生じる磁気変化を電気的な信号(変化)として出力するようになっている。
【0039】
すなわち、回転角センサ88は、ウエビング28のスプール20への巻取量に対応する物理量であるスプール20の回転量に応じた信号をECU86に出力する構成である。この回転角センサ88からECU86に入力される信号を「巻取量信号」ということとする。本実施の形態では、回転角センサ88は、ウエビング28がモータリトラクタ10に全格納されたときの巻取量信号が0となるように設定されている。すなわち、全格納時のスプール20の回転位置が基準位置とされており、スプール20からのウエビング28の巻取量が小さくなる(引出量が大きくなる)にしたがって巻取量信号が大きくなる設定である。
【0040】
さらに、ECU86は、車両の前部バンパ内等に設けられ車両前方の対象物(例えば、走行中または停止中の車両、壁、ガードレール等の物の他、車両前方を歩行中の人を含む)との距離に応じた距離信号を出力する距離監視手段としての距離センサ92、車両の走行速度に応じた速度信号を出力する走行速度監視手段としての車速センサ94、及びブレーキペダルの踏力や踏込量を応じたブレーキ信号を出力するブレーキ操作監視手段としてのブレーキセンサ96とも電気的に接続されている。
【0041】
そして、ECU86は、対象物との距離に応じた距離信号、該距離信号の時間変化率、速度信号、及びブレーキ信号(急ブレーキ操作の有無)を所定の衝突判定基準と比較し、上記対象物との衝突確率または車両が設定値以上の急減速状態となる確率が所定値以上である場合に、ドライバ82にモータ60を正転させる電流を供給させる制御信号を出力するようになっている。すなわち、制御装置80は、衝突を予測した場合、上記ロック機構やプリテンショナ機構が作動する前に、モータ60を駆動してスプール20にウエビング28を巻き取らせる構成である。
【0042】
また、制御装置80(ECU86)は、上記の如く衝突を予測した場合にモータ60に供給する電流の大きさを、回転角センサ88からECU86に入力される巻取量信号(の大きさ)に応じた大きさ(電流値)とするようになっている。具体的には、図2に線図にて示される如く、モータ60に供給する電流は、スプール回転角に比例する巻取量信号が大きくなるほど、換言すれば、ウエビング28が引き出されて巻取量が小さくなるほど、大きくなるように設定されている。
【0043】
さらに、ECU80は、ウエビング28の不使用時にモータ60を正転させてスプール20に巻取力を付加するようにしても良い。この場合、渦巻ばね34の付勢力を弱めて通常時の乗員に与える圧迫感を緩和することができる。
【0044】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0045】
上記構成の制御装置80が適用されたモータリトラクタ10では、乗員が座席に着座してウエビング28を装着した状態では、該ウエビング28は渦巻ばね34の付勢力によって弱く乗員を拘束している。
【0046】
一方、ECU86が距離センサ92、車速センサ94、ブレーキセンサ96からの各入力信号に基づいて車両の衝突を予測すると、該ECU86は、ドライバ82に制御信号を出力し、モータ60を正転させる電流を供給させる。すると、モータ60は正転し、該モータ60の回転がギヤ74に伝達されてギヤ74が巻取方向に回転すると、クラッチ72が結合してスプール20が巻取方向に回転する。
【0047】
これにより、車両の衝突前に乗員が装着しているウエビング28がスプール20に巻き取られ、該ウエビング28の弛み(スラック)が解消されると共に、該ウエビング28によって乗員が予備的に拘束される。このため、衝突前の減速時におけるウエビング28による乗員拘束性が向上する。
【0048】
この状態からECU86が衝突回避を予測すると、該ECU86は、モータ60への給電を停止してクラッチ72の連結部材の負荷を解消させるか、モータ60を逆転するように給電するかして、クラッチ72の結合を解除させる。これにより、モータリトラクタ10は、ウエビング28の引出し巻取り自在の状態に復帰する。
【0049】
他方、上記衝突予測状態から実際に衝突に至ると、上記火薬式のプリテンショナ機構が作動し、スプール20が強制的に巻取方向に回転する。このとき、上記の通りウエビング28の弛みが解消されているため、ウエビング28は迅速且つ効果的に乗員を拘束する。これにより、モータリトラクタ10では、衝突初期における乗員拘束性能が高く、該衝突初期の慣性による乗員の前方への移動が効果的に抑制される。
【0050】
さらに、このとき既に加速度センサ56がラチェットギヤ42の回転を阻止して、スプール20(ロックベース44)の引出方向の回転が阻止されている。そして、フォースリミッタ機能を備える場合、スプール20の引出方向の回転に伴ってエネルギ吸収が果たされる。
【0051】
ここで、ウエビング28のスプール20への巻取量(モータリトラクタ10への格納量)が小さい状態、すなわち有限長さのウエビング28の引出量が大きい状態(図2の領域A)は、座席に大柄な乗員が着座している、または座席がモータリトラクタ10に対し前方へスライドして乗員前方の空間が小さい状態に対応している。
【0052】
そして、人体耐性が高い大柄な乗員に対しては、高荷重でのウエビング28の巻取りが可能であり、乗員前方の空間が小さい場合には、該乗員前方に位置する物との衝突を回避するために高荷重でのウエビング28の巻取りが必要となる。このため、モータリトラクタ10の制御装置80は、ウエビング28のスプール20への巻取量が小であることに対応するスプール20の回転角(すなわち巻取量信号)が大である場合、モータ60を正転させる方向に大きな電流を供給してウエビング28の巻取力(乗員拘束力)または巻取速度を増大し、衝突や急減速による乗員の前方への移動を効果的に抑制している。
【0053】
一方、ウエビング28のスプール20への巻取量が大きい状態(図2の領域B)は、座席に小柄な乗員が着座し、若しくは座席上に載置したジュニアシート(ウエビング28によって座席に固定されるチャイルドシートではなく、子供乗員がウエビング28によって拘束されるもの)上に子供乗員が着座し、または乗員前方の空間が比較的大きい状態に対応している。
【0054】
そして、人体耐性が低い小柄な乗員若しくは子供乗員に対しては低荷重でのウエビング28の巻取りが望ましく、乗員前方の空間が大きい場合には、該乗員前方に位置する物との衝突を回避するために高荷重でウエビング28を巻き取ることが不必要となる。このため、モータリトラクタ10の制御装置80は、ウエビング28のスプール20への巻取量が大であることに対応するスプール20の回転角が小である場合、モータ60を正転させる方向に小さな電流を供給してウエビング28の巻取力または巻取速度を低減し、上記予備的拘束に対する乗員保護を図っている。
【0055】
この場合でも、小柄な乗員若しくは子供乗員は、体重が軽いため比較的小さな拘束力で衝突時の慣性による前方への移動が抑制され、または乗員前方の空間が広いため上記慣性による前方への比較的大きな移動が許容されるので、低荷重の拘束で乗員が保護される。
【0056】
このように、本実施の形態に係るモータリトラクタ10、すなわち制御装置80を備えたモータリトラクタ10では、スプール20へのウエビング28の巻取量が大きいほどモータ60への供給する電流を小さくすることで、該モータ60に駆動されるスプール20によって乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビング28を巻き取ることができる。
【0057】
特に、乗員が体格に応じて座席の(モータリトラクタ10に対する)前後位置を調整する運転席、またはモータリトラクタ10に対し前後位置が固定されているタイプの後部座席等では、ウエビング28のスプール20への巻取量と乗員の体格との関係がほぼ一定となり、モータ60に駆動されるスプール20によって乗員の体格や着座位置に応じた一層適正な荷重でウエビング28を巻き取ることが可能となる。
【0058】
なお、上記の実施の形態では、モータリトラクタ10がプリテンショナ機構を有し、該プリテンショナ機構の作動前にモータ60が給電されてスプール20を巻取方向に駆動する構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、車両衝突時にモータ60に給電する構成であっても良い。この場合、モータリトラクタ10が火薬式のプリテンショナ機構を備えない構成であっても良く、ECU86が衝突を予測しなくても良い。
【0059】
また、上記の実施の形態では、ウエビング28のスプール20への巻取量とモータ60に供給する電流との関係を図2に示される如き直線的な比例(半比例)関係としたが、本発明はこれに限定されず、ウエビング28のスプール20への巻取量に応じて、モータ60に供給する電流を適宜制御すれば良い。
【0060】
さらに、上記の実施の形態では、モータリトラクタ10が巻取量検出手段としての回転角センサ88を備えた好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、巻取量検出手段は、磁気式以外の方式でスプール20の回転量を検出しても良く、ウエビング28の引出長さを検出しても良く、モータリトラクタ10とは別個に設けられても良い。
【0061】
さらにまた、上記の実施の形態では、制御装置80がモータリトラクタ10を構成する例を示したが、本発明はこれに限定されず、制御装置80を構成するECU86及びドライバ82の一方または双方は、車両の他の装置を制御する制御装置に組み込まれて構成されても良い。したがって、例えば、制御装置80は、エアバッグ装置を制御するエアバッグECUや他の座席に適用されたモータリトラクタ10の制御装置80等と統合されても良い。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るモータリトラクタの制御装置、及びモータリトラクタは、モータに駆動される巻取軸によって、乗員の体格や着座位置に応じた適正な荷重でウエビングを巻き取ることができるという優れた効果をそれぞれ有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るモータリトラクタの制御装置の概略構成を示すブロック図、及び該制御装置が適用されたモータリトラクタの概略全体構成を示す一部切欠いた正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るモータリトラクタによるウエビングの巻取量と制御装置がモータに供給する電流の大きさとの関係を示す線図である。
【符号の説明】
10 モータリトラクタ
20 スプール(巻取軸)
28 ウエビング
60 モータ
80 制御装置(制御手段)
82 ドライバ(モータリトラクタの制御装置)
86 ECU(モータリトラクタの制御装置)
88 回転角センサ(巻取量検出手段、回転角検出手段)
90 マグネット(巻取量検出手段、回転角検出手段)

Claims (4)

  1. 乗員拘束用のウエビングが巻取り引出し可能に巻き回された巻取軸と、該巻取軸を前記ウエビングの巻取方向に回転駆動可能なモータとを備えたモータリトラクタの制御装置であって、
    前記巻取軸への前記ウエビングの巻取量に応じた巻取量信号を出力する巻取量検出手段、及び前記モータにそれぞれ電気的に接続され、
    車両の衝突を予測または検出したときに、前記巻取量信号に応じた大きさで且つ前記巻取軸を前記巻取方向に回転駆動する方向の電流を前記モータに供給する、
    ことを特徴とするモータリトラクタの制御装置。
  2. 前記巻取量検出手段から入力する信号が前記巻取軸への前記ウエビングの巻取量が多いことに対応しているほど、前記モータへ供給する電流を小さくする、ことを特徴とする請求項1記載のモータリトラクタの制御装置。
  3. 乗員拘束用のウエビングが巻取り引出し可能に巻き回された巻取軸と、
    前記巻取軸を前記ウエビングの巻取方向に回転駆動可能なモータと、
    前記巻取軸の回転角に応じた信号を出力する回転角検出手段と、
    前記回転角検出手段及び前記モータにそれぞれ電気的に接続され、車両の衝突を予測または検出したときに、前記回転角検出手段から入力される信号に応じた大きさで且つ前記巻取軸を前記巻取方向に回転駆動する方向の電流を前記モータに供給する制御手段と、
    を備えたモータリトラクタ。
  4. 前記制御手段は、前記回転角検出手段から入力する信号が前記巻取軸への前記ウエビングの巻取量が多いことに対応しているほど、前記モータへ供給する電流を小さくする、ことを特徴とする請求項3記載のモータリトラクタ。
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