JP5216188B2 - 光電センサ用ic、及び光電センサ - Google Patents

光電センサ用ic、及び光電センサ Download PDF

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Description

本発明は、光電センサ用IC、及び光電センサに関する。
従来より、検出精度を安定させ、かつ装置の小型化を実現するために、受光素子やその処理回路が搭載されたIC(以下、「光電センサ用IC」という。)が備えられた光電センサが知られている。
この種の光電センサには、図9に示すように、本体ケーシング2内のプリント基板3に、LEDを具備する投光器4と、光電センサ用IC5とが搭載されている。
また、本体ケーシング2には、投光レンズ6が設けられており、投光器4からの光が投光レンズ6を介して平行光として出射されるとともに、被検出物Wにて反射した光が投光レンズ6と並んで設けられる受光レンズ7により集光されて光電センサ用IC5の受光素子8の受光面にスポット状に受光されるようになってている。そして、受光素子8に受光された光の受光量に応じて被検出物Wの有無等が検出されるようになっている。
特開2002−252368公報
ところで、受光素子8の受光面に受光される光のスポット径(受光面上における略円形の受光領域)の大きさは、被検出物Wまでの距離等に応じて異なるものである。
具体的には、被検出物Wまでの距離が長い場合には、遠方からの光を確実に取り込めるように、面積の大きな受光素子を使用する必要があり、被検出物Wまでの距離が短い場合には、面積の小さな受光素子を使用すれば足りる。
この場合、受光面に受光されるスポット径の大きさが異なるために、かかる光の大きさに応じた専用の受光素子を備えた光電センサ用ICや、当該光電センサ用ICを備えた光電センサをその都度用意しなければならないのでは、部品点数の増加や、管理コストの増加をまねく。
また、受光素子8の受光面(受光領域)を大きくして、スポット径の小さい光とスポット径の大きい光との両方の光を受光可能とする構成が考えられるが、この場合には、スポット径の小さい光を受光する場合にも、広い受光領域で受光するため、外乱光(ノイズ)等を受光するおそれが大きくなり望ましくない。すなわち、スポット径の小さい光を受光する場合には、小さい受光領域で受光することが望ましい。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、受光される光の範囲に応じた受光信号を出力させることができる受光素子で受光した光に基づいて処理を行う光電センサ用IC、及び光電センサ用ICからの出力に基づき検出を行う光電センサを提供することを目的とする。
請求項の発明は、ワンチップ上に隣接して配置される複数の受光部と、
各受光部ごとに設けられ、当該受光部ごとに受光された光に応じた受光信号を出力するための端子と、
1又は隣接する所定数の前記受光部の組合せによって、それぞれ大きさの異なる複数の受光領域を形成可能とされている第1の受光素子と、
前記受光部からの受光信号を入力可能な1つの入力部を有し、当該入力部から入力された受光信号を処理する第1処理回路と、
1又は隣接する複数の前記受光部からの受光信号を前記入力部に選択的に入力可能な第1選択手段と、を備え、
前記第1の受光素子は、
複数の受光部が、隣接する同一形状の受光領域を形成するように構成されており、
前記隣接する同一形状の受光領域を形成する複数の受光部のうちの、一の受光部から出力される受光信号と、他の受光部から出力される受光信号とが別々に入力される入力部を有し、当該入力部に入力される受光信号のレベルの差を演算処理する第2処理回路と、
前記第1処理回路及び前記第2処理回路のうち、前記受光信号が入力される処理回路を選択可能な第2選択手段と、を備える
請求項の発明は、請求項に記載のものにおいて、
前記第1の受光素子とは異なる第2の受光素子を接続可能な外部入力端子を備え、
前記外部入力端子は、前記第1の受光素子の端子と選択的又は共通に、前記第1処理回路の入力部に接続されるところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項又は請求項に記載のものにおいて、前記第1処理回路に受光信号が入力される受光部の少なくとも一部と、前記第2処理回路に受光信号が入力される受光部の少なくとも一部と、が兼用されているところに特徴を有する。
請求項の発明に係る光電センサは、投光手段と、
前記投光手段から投光された光のうち、被検出物で反射した光を集光させる集光レンズと、
請求項ないし請求項のいずれかに記載の光電センサ用ICと、を備え、
前記光電センサ用ICの第1の受光素子は、その受光領域が前記集光レンズにて集光された光がスポットを形成する位置に配されるところに特徴を有する。
請求項の発明は、投光手段と、
前記投光手段から投光された光のうち、被検出物で反射した光を集光させる集光レンズと、
ワンチップ上に隣接して配置される複数の受光部と、
各受光部ごとに設けられ、当該受光部ごとに受光された光に応じた受光信号を出力するための端子と、
1又は隣接する所定数の前記受光部の組合せによって、それぞれ大きさの異なる複数の受光領域を形成可能とされている第1の受光素子と、
前記受光部からの受光信号を入力可能な1つの入力部を有し、当該入力部から入力された受光信号を処理する第1処理回路と、
1又は隣接する複数の前記受光部からの受光信号を前記入力部に選択的に入力可能な第1選択手段と、を備える光電センサ用ICと、を備え、
前記光電センサ用ICの第1の受光素子は、その受光領域が前記集光レンズにて集光された光がスポットを形成する位置に配され、
前記投光手段と、前記第1の受光素子とが基板上に配され、
前記第1の受光素子は、複数の受光部が、隣接する同一形状の受光領域を形成するように構成されており、
前記隣接する同一形状の受光領域を形成する複数の受光部のうちの、一の受光領域を形成する受光部と他の受光領域を形成する受光部とは、前記投光手段と前記第1の受光素子とを結ぶ線方向に並んで配されており、
前記一の受光領域を形成する受光部から出力される受光信号と、前記他の受光領域を形成する受光部から出力される受光信号とが別々に入力される入力部を有し、当該入力部に入力される受光信号のレベルの差を演算処理する第2処理回路と、
前記第1処理回路及び前記第2処理回路のうち、前記受光信号が入力される処理回路を選択可能な第2選択手段と、を備え、
前記第1処理回路の出力に基づいて被検出物の検出を行うともに、前記第2処理回路の出力に基づいて前記被検出物までの距離を測定するところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載のものにおいて、前記投光手段と、前記第1の受光素子とが基板上に配され、
前記第1の受光素子は、複数の受光部が、隣接する同一形状の受光領域を形成するように構成されており、
前記隣接する同一形状の受光領域を形成する複数の受光部のうちの、一の受光領域を形成する受光部と他の受光領域を形成する受光部とは、前記投光手段と前記第1の受光素子とを結ぶ線方向に並んで配されており、
前記第1処理回路の出力に基づいて被検出物の検出を行うともに、前記第2処理回路の出力に基づいて前記被検出物までの距離を測定するところに特徴を有する。
<請求項及び請求項の発明>
本構成によれば、第2選択手段により、第1処理回路により処理を行うか、若しくは、第2処理回路による演算処理を行うかの選択を行うことができる。
また、第2処理回路を選択した場合に、例えば、投光された光のうち被検出物に反射する光を受光することで当該被検出物でまでの距離検出が可能な光電センサに用いると、当該2つの受光部から出力される受光信号に基づき距離検出を行うことが可能になる。
<請求項の発明>
本構成によれば、受光部を兼用(共通化)することで、光電センサ用ICを光電センサに用いた場合に、兼用(共通化)する分だけ受光部の数の少ない受光素子を用いることが可能になる。
<請求項の発明>
本構成によれば、受光素子に受光された光の受光量に基づき、被検出物の検出等を行うことが可能になる。
<請求項の発明>
本構成によれば、簡易な構成で、被検出物の検出及び被検出物までの距離の測定を行うことができる。
<請求項の発明>
本構成によれば、簡易な構成で、被検出物の検出及び被検出物までの距離の測定を行うことができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6を参照しつつ説明する。
本実施形態の光電センサ10は、受光量に応じて被検出物Wの有無等を検出する物体検出センサ、及び、受光位置の変化に応じて被検出物Wまでの距離を検出する距離検出センサの両方の機能を有するものである。なお、詳しくは後述するが、本実施形態の光電センサ10は、物体検出センサとして用いる場合には、被検出物Wまでの距離が異なる場合であっても、1台の光電センサ10で被検出物Wの有無等が検出可能になっている。
1.光電センサの構成
光電センサ10は、本体ケーシング11内に、プリント基板12が収容されている。プリント基板12上には、LED13を具備する投光器14(投光手段)と、光電センサ用IC20とが搭載されて成る。
本体ケーシング11のうち、投光器14の前方(図1の右下方)に位置する部分には、投光レンズ15が設けられ、LED13からの光を平行光として出射できるようになっている。一方、本体ケーシング11のうち、光電センサ用IC20の前方に位置する部分には、受光レンズ16(本発明の「集光レンズ」に相当)が設けられ、被検出物Wにて反射した光が受光レンズ16にて収束(集光)されて光電センサ用IC20に1つだけ設けられる受光素子30の受光面30Aにスポット状(受光面上における受光領域が略円形)に受光されるようになっている。
受光素子30(第1の受光素子)はワンチップ上(シリコンなどの半導体)に形成されており、図2に示すように、全体として長方形状をなし、受光面30Aの全体(全体の受光領域)が5つの受光領域に区画され、4つの受光部P1〜P4のそれぞれがフォトダイオードから構成されている(受光部P2は、2つの部分が1つの受光部として構成されている)。
各受光部P1〜P4には、それぞれ端子T1〜T4が備えられており、各受光部P1〜P4ごとに、受光した光の量に応じた受光信号が対応する端子T1〜T4から出力されるようになっている。
なお、図示はしないが、受光素子30には、電源ラインから接続され、各受光部に共通に接続される入力端子から電圧が与えられるようになっている。また、詳しくは後述するが、各受光部P1〜P4の端子から出力される受光信号に基づき、例えば、受光部P1のみの受光量を検出することが可能であるが、受光部P1を含む複数の受光部、例えば、受光部P1〜P3の端子T1〜T3から出力される受光信号を加えることで、受光部P1〜P3の受光領域が合わされた受光量の受光信号に基づき、検出を行うことができる。
4つの受光部P1〜P4のうち、受光部P1(の受光領域)は、正方形状であって受光面30Aの略右半分のうちの中央部に位置し、受光部P2(の受光領域)は、横長の長方形状であって受光部P1の上下に位置する。なお、受光部P2は、上下2箇所が合わせられて1つの受光部として構成されているため、これら2箇所(の受光領域)の全体での受光量が1つの端子T2から出力される。
受光部P3及び受光部P4(の受光領域)は、受光素子30の受光面30A全体のうちの略左半分に設けられており、受光部P3及び受光部P4(の受光領域)は、共に縦長の長方形状であって、略左半分のうちの中間を境界として同一形状(同一面積)となっている。そして、受光部P3及び受光部P4の並び(左右)方向に投光器14が位置(一の受光領域を形成する受光部と他の受光領域を形成する受光部とは、投光手段と第1の受光素子とを結ぶ線方向に並んで配される位置)するようになっている(図1参照)。
これにより、投光器14から斜め(前方よりも受光素子30側)方向に投光した光は、被検出物Wにて反射して受光部P3,P4(の受光領域)にスポット状に受光される。ここで、この受光位置は、被検出物Wまでの距離により異なる(被検出物Wが近くなれば受光部P3側にスポットが形成され、被検出物Wが遠くなれば受光部P4側にスポットが形成される)ため、受光部P3,P4の端子のそれぞれから出力される受光信号に基づき光電センサから被検出物Wまでの距離(被検出物Wの前後方向の位置)の検出が行われるようになっている。
一方、物体検出の際には、被検出物Wが比較的近い場合(被検出物Wまでの距離に応じてスポット径の小さい光が受光される場合)には、受光部P1の受光領域のみで受光し、受光部P1の端子T1から出力される受光量に応じた受光信号に基づき被検出物Wの有無等が検出されるようになっている。
一方、被検出物Wが遠いためより大きい受光領域が必要な場合(被検出物Wまでの距離に応じてスポット径の大きい光が受光される場合)には、例えば、受光部P1,P2,P3を合わせた受光領域(受光面)にスポットが受光されるようにし、受光部P1,P2,P3の端子T1〜T3から出力される受光量の合計に応じた受光信号に基づき被検出物Wの有無等が検出されるようになっている。
2.光電センサ用ICの電気的構成
図3,4に光電センサ用ICの電気的構成を示す。図5は、図3,4の等価回路である。
図3に示すように、光電センサ用IC20は、受光素子30と、受光素子30からの電流を電圧に変換するI−V変換回路21(21A,21B)と、I−V変換回路21からの電圧信号が入力される選択回路22(本発明の「第2選択手段」に相当)と、選択回路22から選択的に出力される電圧信号を加算する加算回路23(本発明の「第1処理回路」に相当)と、選択回路22から選択的に出力される電圧信号の差を演算する差動回路24(本発明の「第2処理回路」に相当)と、加算回路23や差動回路24から出力された信号に基づき被検出物Wの検出を行うCPU25(central processing unit) と、を備えて構成されている。
受光素子30の4つの受光部P1〜P4の端子T1〜T4は、それぞれ対応する外部端子A〜Dに接続されている。
具体的には、受光部P1の端子T1は、外部端子Aと電気的に接続され、受光部P2の端子T2は、外部端子Bと電気的に接続され、受光部P3の端子T3は、外部端子Cと電気的に接続され、受光部P4の端子T4は、外部端子Dと電気的に接続されている。
また、受光部P1の端子T1は、I−V変換回路21Aに電気的に接続されているとともに、受光部P4の端子T4は、I−V変換回路21Bに電気的に接続されている。
選択回路22は、I−V変換回路21Aと加算回路23及び差動回路24との接続、並びにI−V変換回路21Bと加算回路23及び差動回路24との接続を切り替えられるようになっている。具体的には、光電センサの操作手段(図示しない)により被検出物の検出又は距離検出が選択可能となっており、かかる選択結果に応じた信号が外部端子E及び入出力回路26を介してCPU25に入力され、CPU25からの信号により選択回路22の接点部22B〜22Dが切り替えられるようになっている。なお、接点部22Aについては、被検出物の検出及び距離検出時の両方で接続(オン)されるようになっている。
加算回路23は、2つの入力部23A,23Bを有し、これら両入力部に電圧信号が入力された場合には、かかる電圧信号を加算してCPU25にデジタル信号を出力する。なお、一方の入力部のみから電圧信号が入力された場合には、加算は行われず、デジタル信号がCPU25に出力されるようになっている。
差動回路24は、2つの入力部24A,24Bを有し、これら両入力部に電圧信号が入力された場合には、かかる電圧信号の差を演算し、CPU25にデジタル信号を出力する。
CPU25は、詳しくは後述するが、加算回路23及び差動回路24からの出力に応じて被検出物Wの有無や、被検出物Wまでの距離を検出するようになっている。
次に、本実施形態では、被検出物の検出方法によって回路構成が異なるため、以下に場合を分けて説明する。
(1)被検出物の検出時の電気的構成
本実施形態では、物体検出時には、光電センサから被検出物Wまでの距離(受光面上のスポット径の大きさ)に応じて回路構成が異なるようになっている。
具体的には、受光部P1のみの受光量に基づき被検出物Wの有無を検出する場合(被検出物までの距離が比較的近い場合)には、図3の回路構成を用いる。これにより図6上段に示すように受光部P1の受光領域で被検出物の検出が可能となる。
一方、受光部P1〜P3(受光部P1〜P3が組み合わせられる組み合せ受光部)の受光領域における受光量に基づき被検出物Wの有無を検出する場合(被検出物までの距離が比較的遠い場合)には、図3に示すように、短絡素子αにより外部端子A,B間を短絡させるとともに、短絡素子βにより外部端子A,C間を短絡させる。したがって、短絡素子α,βが本発明の「第1選択手段」に相当する。これにより図6中段に示すように受光部P1〜P3を合わせた受光領域で被検出物の検出が可能となる。なお、図5に示すように、外部端子Xが設けられ、外部端子X(本発明の「外部入力端子」に相当)と外部端子Aとの間に外付けの受光素子35(本発明の「第2の受光素子」に相当)を取付けてもよく、このようにすれば、外付けの受光素子35からの出力をI−V変換回路21Aに入力させることができる。
また、物体検出時には、図3に示すように選択回路22の接点部22B〜22Dのうち、1つの接点部22Aのみが接続されるように切り替えられる。具体的には、光電センサの操作手段(図示しない)により物体検出が選択されると、かかる信号が外部端子E及び入出力回路26を介してCPU25に入力され、CPU25からの信号により選択回路22の1つの接点部22Aのみがオン(接続)されるようになっている。
これにより、受光素子30における受光量に応じた電圧信号が加算回路23を介してCPU25に入力されるようになっている。なお、物体検出時には、加算回路23の一方の入力部23Aにしか入力されないため、電圧信号の加算は行われず、CPU25に出力されるようになっている。
CPU25は、入力された受光量のレベルを予めメモリ(図示しない)に記憶されている所定の閾値と比較し、受光量のレベルが所定の閾値よりも大きい場合には、被検出物Wを検出したと判断し、かかる検出結果を入出力回路26を介して外部端子Eから表示手段(図示しない)等に出力する。
(2)距離検出時の電気的構成
距離検出時には、短絡素子βにより外部端子A,C間を短絡させる。
また、図4に示すように、選択回路22の全ての接点部22A〜22Dが接続されるように切り替えられる。具体的には、光電センサの操作手段(図示しない)により距離検出が選択されると、かかる信号が外部端子E及び入出力回路26を介してCPU25に入力され、CPU25からの信号により選択回路22の全ての接点部22A〜22Dがオン(接続)されるようになっている。
これにより、加算回路23の一方の入力部23A及び差動回路24の一方の入力部24AがI−V変換回路21Aと電気的に接続されるとともに、加算回路23の他方の入力部23B及び差動回路24の他方の入力部24BがI−V変換回路21Bと電気的に接続される。このとき、図6下段に示すように受光部P3,P4の受光領域で被検出物Wの距離(前後方向の位置)検出が可能となる。
加算回路23は、両入力部23A,23Bから入力された受光量を加算し、CPU25に出力する。差動回路24は、両入力部24A,24Bから入力された受光量の差分(P3の受光量とP4の受光量の差)を演算し、CPU25に出力する。
CPU25は、加算回路23から出力された受光量を所定の閾値と比較する。加算された受光量が所定の閾値よりも小さい場合には、受光量が小さすぎて正確に被検出物Wまでの距離が測定されないため、かかる情報を入出力回路26を介して外部端子Eから出力する。
そして、CPU25は、差動回路24から出力された差分に基づき、被検出物Wまでの距離を演算する。例えば、求めれた差分により、受光部P3の受光量が受光部P4の受光量よりも大きい場合には、所定の基準位置(このとき、スポットの中心が受光部P3とP4の中間に位置する)よりも被検出物Wが近く、受光部P4の受光量が受光部P3の受光量よりも大きい場合には、基準位置よりも被検出物Wが遠い。したがって、かかる差分により求められた被検出物Wまでの距離(被検出物Wの位置)の信号を入出力回路26を介して外部端子Eから表示手段(図示しない)等に出力する。
3.本実施形態の効果
(1)受光面に受光させる光の範囲が異なる場合に、かかる光の範囲に応じて専用の受光素子30をその都度用意しなければならないのでは、部品点数が多くなってしまう。また、受光素子30の受光面を大きくして、範囲の小さい光と範囲の大きい光との両方の光を受光可能とする場合には、範囲の小さい光を受光する場合にも、広い範囲の受光面(受光領域)で受光するため、外乱光(ノイズ)等を受光するおそれが大きくなるため望ましくない。すなわち、範囲の小さい光を受光する場合には、小さい範囲の受光面(受光領域)で受光することが望ましい。
そこで、本実施形態によれば、受光部P1に受光された光に応じた受光信号を端子T1から出力するだけでなく、受光部P1〜P3が合わせられた受光領域に受光された光に応じた受光信号を端子T1〜T3から出力することができる。したがって、例えば、1つの受光部P1の受光領域に収まる光については当該1つの受光部P1で受光させ、1つの受光部P1の受光領域に収まらない範囲の光については、受光部P1〜P3が組み合わせられる受光領域に受光させる。これにより、受光される光の受光領域に応じた受光信号を端子T1〜T3から出力させることができるから、受光される光の範囲に応じた専用の受光素子を用意する必要がなく部品点数を少なくすることができる。
(2)本実施形態によれば、受光部P1の受光領域及び受光部P1〜P3が合わせられた受光領域(受光面)は、正方形状とされているから、スポット(円形)状の光を受光しやすくことができる。
ここで、スポット(円形)状の光を受光する場合には、理想的には、円形の受光領域(受光面)とした方が、スポット(円形)状の光を受光領域いっぱいに受光することができるが、かかる場合には、ウエハをカットする際に、円形にカットする工程が複雑であるだけでなく、円形にカットすると、利用できないウエハの残りかすが生じてしまう。したがって、かかる観点からも受光部の受光領域を正方形状とすることが望ましい。
(3)本実施形態によれば、略同一形状(同一面積)の受光領域を有する2つの受光部P3,P4を少なくとも含み、かつ、当該2つの受光部P3,P4が隣り合うように近接配置(隣接)されている。したがって、2つの受光部P3,P4の受光領域に光が照射された場合には、受光量の割合に応じた受光信号がそれぞれの受光部の端子T3,T4から出力される。したがって、例えば、当該受光素子30を、投光された光のうち被検出物Wに反射する光を受光することで当該被検出物までの距離(被検出物の位置)検出が可能な光電センサに用いることができる。
(4)本実施形態によれば、短絡素子α,β(第1選択手段)により1の受光部P1又は複数の受光部P1〜P3からの受光信号を加算回路23(第1処理回路)の1つの入力部23Aに選択的に入力させて受光信号を処理することができる。したがって、例えば、1つの受光部P1のの受光領域に収まる光については短絡素子α,β(第1選択手段)を接続せずに、受光部P1で受光された光の受光信号のみを加算回路23(第1処理回路)に入力させ、受光部P1のの受光領域に収まらない光については、短絡素子α,β(第1選択手段)を接続して受光部P1〜P3で受光された光の受光信号を加算回路23(第1処理回路)に入力させる。これにより、受光される光の受光領域に応じた受光信号を加算回路23(第1処理回路)に入力させることができるから、受光される光の範囲に応じた専用の受光素子30を用意する必要がなく部品点数を少なくすることができる。
(5)第1の受光素子30とは異なる第2の受光素子35を接続可能な外部入力端子Xは、第1の受光素子30の端子T1〜T3と共通に、加算回路23(第1処理回路)の入力部23Aに接続されるから、加算回路23(第1処理回路)は、第1の受光素子30だけでなく、第2の受光素子30から出力される受光信号の処理を行うことができる。
(6)2つの受光部P3,P4のうち、一方の受光部P3から出力される受光信号と、他方の受光部P4から出力される受光信号と、が別々に入力される入力部24A,24Bに入力される受光信号のレベルの差を演算処理する差動回路24(第2処理回路)と、加算回路23(第1処理回路)及び差動回路24のうち、受光信号が入力される処理回路を選択可能な選択回路22(第2選択手段)と、を備える。したがって、選択回路22により、加算回路23により処理を行うか、若しくは、差動回路24による演算処理を行うかの選択を行うことができる。
(7)2つの受光部P3,P4のうち、一方の受光部P3から出力される受光信号は、加算回路23(第1処理回路)及び差動回路24(第2処理回路)の両方の入力部23A,24Aに入力されるから、受光部P3を共通化(兼用)することで、光電センサ用IC20を光電センサに用いた場合に受光部の数を少なくしつつ、物体検出及び距離検出を行うことが可能になる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図7又は図8を参照しつつ説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態1の受光素子30は4つの受光部P1〜P4から構成されたが、実施形態2の受光素子40は2つの受光部から構成されている。
具体的には、図7に示すように、正方形状の受光部Q1と、受光部Q1の三辺に近接するように取り囲むコ字上の受光部Q2とから構成されている。
受光部Q1の端子は、外部端子AとI−V変換回路21Aとに接続されている。受光部Q2の端子は、外部端子Bに接続されている。この状態では、これにより図8上段に示すように受光部Q1の受光領域で被検出物の検出が可能となる。
次に、外部端子Aと外部端子Bとを短絡素子αにより短絡することにより、受光部Q1及び受光部Q2の両方の受光領域に受光された光の受光量に応じた電流がI−V変換回路21A,21Bに入力されるようになっている。これにより図8下段に示すように受光部Q1,Q2の全受光領域で被検出物の検出が可能となる。
そして、I−V変換回路21A,21Bからの出力が加算回路23を介してCPU25に入力されることで、被検出物Wの有無等を検出することができる。
一方、外部端子Bと外部端子Cとを短絡素子βにより短絡することにより、受光部Q1と受光部Q2との受光領域(受光面)に受光された光の受光量の差に応じた出力を差動回路24からCPU25に入力させることができる。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図9ないし図11を参照しつつ説明する。実施形態3の受光素子50は、図9に示すように、実施形態1の受光素子30の4つの受光部P1〜P4のうちの受光部P1〜P3で構成され、受光部P4は有さないものである。したがって、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図10,11に示すように、受光部P1のみの受光領域を用いて被検出物Wの検出を行う場合には、端子A〜Cをオープンにする。このとき、(CPU25からの信号に基づき)選択回路22の接点部22Aのみをオン(接続)することにより、受光部P1の受光量に基づいて、被検出物Wの検出を行うことができる。
また、受光部P1及び受光部P2の受光領域(長方形状の受光領域)を用いて、被検出物Wの検出を行う場合には、端子A,B間に短絡素子αを接続する。このとき、(CPU25からの信号に基づき)選択回路22の接点部22Aのみをオン(接続)することにより、受光部P1の受光量と、受光部P1及び受光部P2が合わせられた(合計の)受光量に基づいて(合計の受光量に応じた受光信号が加算回路23の入力部23Aに入力され)、被検出物Wの検出を行うことができる。なお、このとき、接点部22Bについてもオン(接続)すれば、更に受光部P3からの受光信号が入力部23Bに入力され、加算回路23にて受光部P1,P2の受光量と加算されるから、受光部P1〜P3の受光領域に受光される光に基づいて、被検出物Wの検出を行うこともできる。
一方、距離検出を行う場合には、受光部P1及び受光部P2の受光領域を用いて、物体検出を行う場合と同様に、短絡素子αを接続する。
選択回路22については、(CPU25からの信号に基づき)選択回路22の全ての接点部22A〜22Dをオン(接続)する。
これにより、距離検出時には、全体として長方形状となる受光部P1及び受光部P2の受光領域に受光された光の受光信号と、受光部P1及び受光部P2を合わせた受光領域と同一形状となる受光部P3の受光領域に受光された光の受光信号と、が差動回路24のそれぞれの入力部24A,24Bに入力されることになる。したがって、CPU25は、差動回路24からの出力に応じて、被検出物Wまでの距離(被検出物の位置)の検出を行うようになっている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)フォトダイオード(第1の受光素子とは異なる第2の受光素子)を外部入力端子に外付けする構成に加えて、例えば、受光部P1から接点Y(図5参照)までの間にスイッチ(図示しない)を設け、外部入力端子Xに接続される受光素子35(フォトダイオード)からの出力又は受光部P1からの出力を選択的に加算回路(第1処理回路)の入力部に入力できるように構成してもよい。
(2)実施形態1,3では、受光素子は、4つの受光部P1〜P4又は3つの受光部P1〜P3から構成され、実施形態2では、受光素子は、2つの受光部Q1,Q2から構成されたが、これら以外の数の受光部が設けられる受光素子であってもよい。
本発明の実施形態1にかかる光電センサの概略的構成を示す斜視図 受光素子を受光面側から見た図 被検出物の検出時における光電センサ用ICの電気的構成を示す図 距離検出時における光電センサ用ICの電気的構成を示す図 光電センサ用ICの等価回路を示す図 受光素子の異なる受光領域を示す図 実施形態2にかかる光電センサ用ICの電気的構成を示す図 受光素子を受光面側から見た図 実施形態3の受光素子を受光面側から見た図 光電センサ用ICの電気的構成を示す図 光電センサ用ICの等価回路を示す図 従来の光電センサの概略的構成を示す斜視図
10…光電センサ
12…プリント基板
14…投光器(投光手段)
16…受光レンズ(集光レンズ)
20…光電センサ用IC
22…選択回路(第2選択手段)
23…加算回路(第1処理回路)
24…差動回路(第2処理回路)
30A…受光面
30,40,50…受光素子(第1の受光素子)
35…外付け受光素子(第2の受光素子)
A〜E…外部端子
25…CPU
P1〜P4,Q1,Q2…受光部
T1〜T4…端子
W…被検出物
X…外部入力端子
α,β…短絡素子(第1選択手段)

Claims (6)

  1. ワンチップ上に隣接して配置される複数の受光部と、
    各受光部ごとに設けられ、当該受光部ごとに受光された光に応じた受光信号を出力するための端子と、
    1又は隣接する所定数の前記受光部の組合せによって、それぞれ大きさの異なる複数の受光領域を形成可能とされている第1の受光素子と、
    前記受光部からの受光信号を入力可能な1つの入力部を有し、当該入力部から入力された受光信号を処理する第1処理回路と、
    1又は隣接する複数の前記受光部からの受光信号を前記入力部に選択的に入力可能な第1選択手段と、を備え、
    前記第1の受光素子は、
    複数の受光部が、隣接する同一形状の受光領域を形成するように構成されており、
    前記隣接する同一形状の受光領域を形成する複数の受光部のうちの、一の受光部から出力される受光信号と、他の受光部から出力される受光信号とが別々に入力される入力部を有し、当該入力部に入力される受光信号のレベルの差を演算処理する第2処理回路と、
    前記第1処理回路及び前記第2処理回路のうち、前記受光信号が入力される処理回路を選択可能な第2選択手段と、を備えることを特徴とする光電センサ用IC。
  2. 前記第1の受光素子とは異なる第2の受光素子を接続可能な外部入力端子を備え、
    前記外部入力端子は、前記第1の受光素子の端子と選択的又は共通に、前記第1処理回路の入力部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の光電センサ用IC。
  3. 前記第1処理回路に受光信号が入力される受光部の少なくとも一部と、前記第2処理回路に受光信号が入力される受光部の少なくとも一部と、が兼用されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光電センサ用IC。
  4. 投光手段と、
    前記投光手段から投光された光のうち、被検出物で反射した光を集光させる集光レンズと、
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光電センサ用ICと、を備え、
    前記光電センサ用ICの第1の受光素子は、その受光領域が前記集光レンズにて集光された光がスポットを形成する位置に配されることを特徴とする光電センサ。
  5. 投光手段と、
    前記投光手段から投光された光のうち、被検出物で反射した光を集光させる集光レンズと、
    ワンチップ上に隣接して配置される複数の受光部と、
    各受光部ごとに設けられ、当該受光部ごとに受光された光に応じた受光信号を出力するための端子と、
    1又は隣接する所定数の前記受光部の組合せによって、それぞれ大きさの異なる複数の受光領域を形成可能とされている第1の受光素子と、
    前記受光部からの受光信号を入力可能な1つの入力部を有し、当該入力部から入力された受光信号を処理する第1処理回路と、
    1又は隣接する複数の前記受光部からの受光信号を前記入力部に選択的に入力可能な第1選択手段と、を備える光電センサ用ICと、を備え、
    前記光電センサ用ICの第1の受光素子は、その受光領域が前記集光レンズにて集光された光がスポットを形成する位置に配され、
    前記投光手段と、前記第1の受光素子とが基板上に配され、
    前記第1の受光素子は、複数の受光部が、隣接する同一形状の受光領域を形成するように構成されており、
    前記隣接する同一形状の受光領域を形成する複数の受光部のうちの、一の受光領域を形成する受光部と他の受光領域を形成する受光部とは、前記投光手段と前記第1の受光素子とを結ぶ線方向に並んで配されており、
    前記一の受光領域を形成する受光部から出力される受光信号と、前記他の受光領域を形成する受光部から出力される受光信号とが別々に入力される入力部を有し、当該入力部に入力される受光信号のレベルの差を演算処理する第2処理回路と、
    前記第1処理回路及び前記第2処理回路のうち、前記受光信号が入力される処理回路を選択可能な第2選択手段と、を備え、
    前記第1処理回路の出力に基づいて被検出物の検出を行うともに、前記第2処理回路の出力に基づいて前記被検出物までの距離を測定することを特徴とする光電センサ。
  6. 前記投光手段と、前記第1の受光素子とが基板上に配され、
    前記第1の受光素子は、複数の受光部が、隣接する同一形状の受光領域を形成するように構成されており、
    前記隣接する同一形状の受光領域を形成する複数の受光部のうちの、一の受光領域を形成する受光部と他の受光領域を形成する受光部とは、前記投光手段と前記第1の受光素子とを結ぶ線方向に並んで配されており、
    前記第1処理回路の出力に基づいて被検出物の検出を行うともに、前記第2処理回路の出力に基づいて前記被検出物までの距離を測定することを特徴とする請求項に記載の光電センサ。
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