JP3783618B2 - 光検出用icおよびそのicを用いた光検出器 - Google Patents

光検出用icおよびそのicを用いた光検出器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光電スイッチなどの光検出器およびこの光検出器に使用される光検出用ICに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光電スイッチには、検出精度を安定させ、かつ装置の小型化を実現するために、受光素子やその処理回路が搭載されたIC(以下、「光検出用IC」という。)を使用したタイプのものがある。
図11は、従来の反射形の光電スイッチの構成を示す。この光電スイッチに使用される光検出器75は、プリント基板74上にLED72を具備する投光器73や光検出用IC70などが搭載されて成る。なお、図中の76は、光電スイッチの本体を構成するケース体である。また77は投光用のレンズ、78は受光用のレンズであって、それぞれ前記LED72,光検出用IC70上のフォトダイオードダイオード71に対向する位置に設置される。
【0003】
前記LED72から出射された光は、投光用のレンズ77を介して装置前方へと照射される。この光の経路に検出対象の物体がある場合、物体の表面で反射した光は受光用レンズ78を介して光検出用IC70へと導かれる。
光検出用IC70には、前記反射光を受光するためのフォトダイオード71のほか、このフォトダイオード71による受光信号を処理して物体の有無を判別する処理回路(図示せず。)が搭載されている。処理回路は、前記受光信号のレベルを所定のしきい値と比較することによって物体の有無を判別し、その判別結果を示す信号を外部機器へと出力する。
【0004】
従来の光電スイッチには、上記の反射形のほか、投光器と受光器とを対向させた透過形のスイッチが存在する。また投光器からの光や検出物体からの反射光を光ファイバを介して運ぶタイプ(光ファイバ形)の光電スイッチも提供されている。
【0005】
さらに反射形の光電スイッチには、「距離設定形光電スイッチ」と呼ばれるタイプのものがある。この距離設定形光電スイッチでは、2分割のフォトダイオードが搭載された光検出用ICが導入されており、各フォトダイオードからの出力信号の差をとってからその差分信号のレベルをしきい値と比較するなどの処理により、所定の基準位置より前方に位置する物体を検知する一方、前記基準位置より遠方の物体は検出しないように設定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に光電スイッチにおいて、検出可能な物体までの距離(以下、これを「検出距離」という。)を長く設定したい場合には、遠方からの光を確実に取り込めるように、面積の大きなフォトダイオードを使用する必要がある。
また前記した距離設定形の光電スイッチにおいて高精度の検出を行うためには、前記2分割フォトダイオードの各素子間の受光量差を精度良く取り出せるように、各素子の面積を大きくする必要がある。
【0007】
さらに光ファイバ形の光電スイッチにおいては、特に径の太い光ファイバを使用する際に、検出物体からの反射光を受光側の光ファイバを介して受光素子に取り込む時に、光ファイバの受光素子に対向する端面から出て広がる光を確実に受光素子に取り込めるように、通常よりも面積の大きなフォトダイオードを使用するのが望ましい。
【0008】
しかしながら前記検出距離を長く設定したい場合の光電スイッチ、距離設定形の光電スイッチ、径の太い光ファイバを使用して光を有効に受光したい光電スイッチ、およびさほど検出距離を長く設定する必要のない光電スイッチについて、量産効果を図るために単一の光検出用ICを製作しようとすると、面積の大きなフォトダイオードや2分割のフォトダイオードを光検出用ICに搭載することになり、光検出用ICが大型化し、ICのコストが高騰するという問題が発生する。
またそれぞれの光電スイッチに応じて個別に光検出用ICを製作しても、それぞれその光電スイッチに応じたフォトダイオードをICに搭載する必要があるから、検出距離を長くする必要のない光電スイッチを除く他の光電スイッチでは、光検出用ICが大型化するという問題が依然として存在する。
【0009】
一方、従来の光電スイッチの使用状況を見ると、殆どが検出距離を長く設定する必要のない用途に用いられる透過形または反射形のスイッチであり、適当な面積のフォトダイオードで事足りた。したがって検出距離を長くする、径の太い光ファイバを使用するなどの使用頻度の少ない用途のために面積の大きなフォトダイオードを搭載したり、距離設定形の光電スイッチの用途のために2分割フォトダイオードを搭載した光検出用ICを作製すると、コスト面においての効率が悪く、ICの価格高騰を招く。
【0010】
この発明は上記問題点に着目してなされたもので、適当な受光面積を有する単一の受光素子が搭載された光検出用ICに一対の受光信号を出力するタイプの受光素子やサイズの大きな受光素子を接続し、この外付けの受光素子からの出力信号をIC上で処理できるように構成することにより、検出距離を長く設定する必要のない物体検出のほか、検出距離を長くしての物体検出、径の太い光ファイバを使用しての物体検出など受光面積の大きな受光素子が必要となる物体検出、ならびに距離設定形の物体検出に適用可能な光検出用ICを単一のICとして供給することにより、量産効果により光検出用ICを低価格にし、コスト面での効率を向上することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明では、単一の受光素子と、前記受光素子からの受光信号を処理するための第1の処理回路と、外部受光素子を電気接続するための外部入力用の端子と、前記外部入力用の端子から入力される前記外部受光素子からの受光信号を処理するための第2の処理回路と、前記第1,第2の処理回路のいずれかを選択してその処理結果を出力させる選択手段とを具備する光検出用ICを提供する。
【0012】
前記受光素子は、所定位置に配置された投光器からの光、または検出対象の物体からの反射光を受光するためのもので、通常は、フォトダイオードが使用される。第1の処理回路は、この受光素子からの出力信号(以下、「受光信号」という。)により、受光素子の受光状態に応じた処理結果(たとえばしきい値に対する受光量の判別結果)を出力するためのもので、受光信号を増幅するための増幅回路、増幅された受光信号を所定のしきい値と比較するためのコンパレータ、コンパレータからの出力をIC外部に出力する回路などを含むことができる。
【0013】
外部入力用端子に接続される第2の処理回路も、第1の処理回路と同様に、外部受光素子からの受光信号を用いて、外部受光素子の受光状態に応じた処理結果を出力するための構成を具備する。
【0014】
前記選択手段は、たとえば前記受光素子と第1の処理回路、または外部入力用端子と第2の処理回路のいずれか一方を接続するための切替回路として構成される。この切替回路は、たとえば前記2通りの接続を実施するためにICに形成される外部端子、およびその接続ラインにより構成される。すなわち、IC外部においていずれか一方の接続にかかる端子間を接続することによって、いずれか一方の処理回路が選択されることになる。
なお、前記切替回路は、内蔵スイッチとしてIC上に搭載することも可能であり、接続状態を、適宜、切替可能に構成することもできる。
【0015】
上記構成によれば、選択手段により第1の処理回路による処理結果が出力されるように設定すると、IC上の単一の受光素子における受光状態に応じた処理結果が出力されるから、前記した通常形の光電スイッチ(透過形、反射形のいずれでも可)など、物体検出の用途に用いることができる。また外部入力端子に2分割の受光素子やIC上の受光素子よりもサイズの大きい受光素子を接続するとともに、前記選択手段により第2の処理回路による処理結果が出力されるように設定すると、外部の受光素子における受光状態に応じた処理結果を出力することが可能となり、距離設定形の物体検出結果を出力したり、径の太い光ファイバを使用しての物体検出など受光面積の大きな受光素子が必要となる物体検出の結果を出力する用途に適用することが可能となる。
またICの製作者側では、外部入力端子に接続する受光素子を簡単に変更できるので、投光側を変更して投光波長帯域が変わっても、その帯域に適合した受光素子を外部入力端子に接続することで対応することができる。
【0016】
上記構成の光検出用ICに対し、2分割の受光素子やPSDのように、検出対象の位置によって信号レベルの関係が変動する一対の受光信号を出力する受光素子を接続できるようにするには、外部入力用の端子として一対の端子を設ける必要がある。また第2の処理回路は、各端子から入力される受光信号の差分信号を生成するための回路(差動アンプ)と、前記差分信号のレベルを所定のしきい値と比較するための回路(コンパレータ)とを含むように構成される。
【0017】
上記構成において一対の受光信号を出力するタイプの受光素子を外付けする場合、前記一対の端子のそれぞれから各受光信号を入力し、前記選択手段により第2の処理回路の処理結果が出力されるように設定する。この場合、第2の処理回路からは、各受光信号の差分信号としきい値との比較結果が出力されるようになる。したがって、投光側からの光に対する物体からの反射光を受光可能な位置に外付けの受光素子を配置してICに接続すれば、ICに、観測位置から設定距離範囲内に物体が存在するか否かを示す検知信号を出力させることができる。
またICの第2の処理回路を、前記受光信号の差分信号を複数のしきい値と比較するように構成すれば、観測対象の光が受光素子の位置からどれだけ離れた位置にあるかを示す信号を出力することができる。
【0018】
また上記構成のICに、IC上の受光素子よりもサイズの大きい受光素子を外付けする場合は、この受光素子を外部入力用の一対の端子の一方に接続するとともに、他方の端子を接地させればよい。これにより、各端子からの入力信号の差分信号は、前記外付けの受光素子からの受光出力レベルを示し、受光状態を判別することが可能となる。
なお、このように単一の受光素子を外付けする場合、各端子からの入力信号を差分処理した後の信号処理(信号レベルをしきい値と比較する処理など)を、第1の処理回路と共有するようにしてもよい。
【0019】
さらに他の好ましい態様では、前記第1,第2の各処理回路は、少なくとも処理結果の出力に関わる回路を共有するように構成される。
処理結果の出力に関わる回路は、物体の有無などを示す最終的な検知信号を出力するための回路(後記する図2の出力回路36に相当する。)である。また内蔵の受光素子による受光出力と外部入力端子からの入力信号の差分信号とのレベル合わせのための回路を設けるのであれば、これらの信号を増幅するためのアンプや判定処理のためのコンパレータを共有にすることも可能である。
なおこのように各処理回路間で一部の回路を共有する場合、前記選択手段は、各処理回路の専用部分と前記共用部分との接続を切り替える手段として構成することができる。たとえば、各処理回路がアンプにより増幅された信号をコンパレータに入力して判定処理を行い、その判定処理結果を出力するものであれば、選択手段としての切替回路をアンプの前に設けることによって、このアンプ以降の回路を共有にすることができる。また切替回路をアンプとコンパレータとの間に設ければ、コンパレータ以降の回路を共有にすることができる。
【0020】
さらにこの発明は、距離設定形の物体検知のための光検出器として、一対の外部入力用端子を具備する光検出用ICと、前記外部入力用端子に接続される2分割の受光素子とを具備する光検出器を提供する。前記光検出用ICは、単一の受光素子と、この受光素子からの受光信号を処理するための第1の処理回路と、前記外部入力用端子から入力される前記2分割の受光素子からの一対の受光信号を処理するための第2の処理回路と、第1,第2の処理回路のいずれかを選択してその選択された処理回路による処理結果を出力させる選択手段とを具備し、この選択手段により選択された第2の処理回路による処理結果を出力するように設定される。なお、光検出用IC,2分割の受光素子は、1枚のプリント基板上に搭載されるのが望ましい。
このような構成によれば、さほど検出距離を長く設定する必要のない使用頻度の高い光検出用ICに2分割の受光素子を接続することで距離設定形の物体検知のための光検出器を構成することができるので、この種の光検出器の製作コストを削減し、かつ光検出器の小型化を実現することができる。
【0021】
またこの発明は、検出距離を長く設定する必要のない汎用タイプの光検出器として、外部受光素子を電気接続するための外部入力用端子が設けられた光検出用ICを具備する光検出器を提供する。前記光検出用ICは、単一の受光素子と、この受光素子からの受光信号を処理するための第1の処理回路と、前記外部入力用端子から入力される前記外部受光素子からの受光信号を処理するための第2の処理回路と、第1,第2の処理回路のいずれかを選択してその選択された処理回路による処理結果を出力させる選択手段とを具備し、この選択手段により前記第1の処理回路による処理結果を出力するように設定される。
【0022】
上記の光検出器は、検出距離を長く設定する必要がない用途に使用されるので、前記単一の受光素子として面積の小さな受光素子を用いることができ、光検出器を小型化することができる。また距離設定形の物体検知や径の太い光ファイバを使用しての物体検知などに使用する光検出器と共通の光検出用ICを使用することができる。
【0023】
さらにこの発明は、一対の外部入力用端子と単一の受光素子とを具備する光検出用ICと、前記光検出用ICの受光素子よりも面積の大きい第2の受光素子とを具備する光検出器を提供する。光検出用ICの前記一対の外部入力用端子の一方は前記第2の受光素子に接続されるとともに、他方の端子は接地される。また光検出用ICは、前記単一の受光素子からの出力を処理するための第1の処理回路と、前記外部入力用端子からの各入力信号の差分信号を生成する回路を含む第2の処理回路と、第1,第2の処理回路のいずれかを選択してその選択された処理回路による処理結果を出力させる選択手段とを具備し、この選択手段により第2の処理回路による処理結果を出力するように設定される。
なお、第2の処理回路には、前記差分信号を生成する回路のほかに、この差分信号を所定のしきい値と比較するための回路などを含むが、この比較回路については第1の処理回路と共有することができる。
【0024】
上記の構成によれば、さほど検出距離を長く設定する必要のない使用頻度の高い光検出用ICに面積の大きな受光素子を接続することで、検出距離を長くする用途や、太い径の光ファイバを使用する用途などに適した光検出器を構成することができるので、この種の光検出器の製作コストを削減し、かつ光検出器の小型化を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる光検出器を距離設定形の光電スイッチに導入した例を示す。
この光検出器24は、プリント基板18上に、LED23を具備する投光器19,光検出用IC20,2分割フォトダイオード21などが搭載されて成る。なお、図中の25は、光電スイッチの本体部を構成するケース体であり、26は投光用のレンズを、27は受光用のレンズを、それぞれ示す。
【0026】
前記光検出用IC20は、単一のフォトダイオード22を搭載し、前記2分割フォトダイオード21の各素子を接続するための外部入力端子など、複数の端子を具備する。このほか、光検出用IC20には、前記IC20に搭載されたフォトダイオード22(以下、「内蔵フォトダイオード22」という。)または外部の2分割フォトダイオード21のいずれかを選択するための回路や、選択された素子からの受光信号を処理して物体検知を行うための回路などが搭載される。
【0027】
図2は、前記光検出器24の概略構成を示す。
図中、21N,21Fは、前記2分割フォトダイオード21の個々の素子である(以下、「素子21N,21F」という。)。各素子21N,21Fは、それぞれ同量の反射光を受光する場合の物体の位置(以下、これを「基準位置」という。)よりも前方(光検出器24寄りの方向)に物体が位置した場合に、素子21Nにおける入射量が優勢となり、物体が前記基準位置よりも遠方(光検出器から離れる方向)に位置した場合に、素子21Fにおける入射量が優勢となるように設置される。
【0028】
なお図中の28は、各素子21N,21Fのデカップリングコンデンサである。また29,30は、前記LED23を発光させるための駆動用のトランジスタおよび抵抗であり、38はIC20の外部電源である。
【0029】
図2の光検出用IC20には、各素子21N,21Fを接続するための外部入力用の端子1,2のほか、図示しない外部機器に検知信号を出力するための端子8,前記LED23の駆動用トランジスタ29に駆動パルスを与えるための端子11などが形成される。さらにこのIC20上には、前記した内蔵フォトダイオード22のほか、この内蔵フォトダイオード22からの受光出力に対する前処理用の回路(図中、「内部信号前処理回路31」と示す。),前記各端子1,2を介して入力された素子21N,21Fからの受光信号(以下、「N信号」,「F信号」という。)に対する前処理用の回路(図中、「外部信号前処理回路32」と示す。),切替回路33,メインアンプ34,制御回路35,出力回路36,投光制御回路37などが搭載される。
【0030】
内部信号前処理回路31には、内蔵フォトダイオード22からの出力電流を電圧に変換して受光信号を取り出すためのI/V変換回路や増幅回路が含まれる。外部信号前処理回路32には、素子21N,21F毎のI/V変換回路のほか、これらI/V変換回路により取り出されたN信号およびF信号を差分処理および増幅するための差動アンプなどが組み込まれる。
【0031】
メインアンプ34,制御回路35,出力回路36は、内蔵、2分割の各フォトダイオード22,21に共通する構成である。切替回路33は、内部信号前処理回路31または外部信号前処理回路32のいずれか一方を選択してメインアンプ34に接続するためのもので、選択された回路からの信号は、メインアンプ34を介して制御回路35に入力される。
制御回路35は、前記投光制御回路37にLED発光用の駆動パルスを供給することによりLED23を発光させるとともに、この駆動パルスに同期するタイミングで前記メインアンプ34からの増幅出力を所定のしきい値と比較し、物体の有無を示す検知信号を出力する。出力回路36は、前記端子8に接続されており、制御回路35からの検知信号を端子8を介して外部機器などに出力する。
【0032】
上記構成によれば、2分割フォトダイオード21を外部入力用の端子1,2に接続し、切替回路33により外部信号前処理回路32をメインアンプ34に接続することにより、光検出用IC20上において、前記2分割フォトダイオード21の各受光信号の差分増幅信号を用いた検知処理を実施することができる。また前記端子1,2に2分割フォトダイオード21を接続せずに、切換回路を前記内部信号前処理回路31に接続してメインアンプ34に内部信号前処理回路31からの信号を入力すると、内蔵フォトダイオード22からの受光信号を用いた検知処理を行うことができる。
【0033】
以下、上記光検出器24の具体的な構成と各構成における動作について、順を追って説明する。なお、各図において、前記図2と同様の構成には同じ符号を付すことで、説明を省略または簡略化する。
図3は、光検出器24の第1の構成を示す。この実施例は、前記図2の構成を具体化したものであるが、前記外部信号前処理回路32に対応する構成の一部ならびに前記切替回路33に対応する構成が、光検出用IC20の外部に設けられている。
【0034】
この実施例の光検出用IC20には、2分割フォトダイオード21,内蔵フォトダイオード22の双方に共通の構成として、メインアンプ34,コンパレータ39,信号処理回路40,出力回路36の各回路が搭載されるほか、投光制御回路37ならびに電源回路41などが搭載される。
なお、コンパレータ39および信号処理回路40は、図2の制御回路35に対応するもので、投光制御回路37に駆動パルスを供給する処理は、信号処理回路40により行われる。
【0035】
電源回路41は、IC20上の各回路に電源を供給するほか、内蔵フォトダイオード22や2分割フォトダイオード21にかけるバイアス電圧Vrefを生成する。なお、図3において、端子9は、電源回路41を接地させるためのもの、端子10は、電源回路41を電源VCCに接続するためのもの、端子13は、前記バイアス電圧Vrefを2分割フォトダイオード21に与えるためのものである。
【0036】
さらにこの光検出用IC20には、内蔵フォトダイオード22に対する前処理用の回路として、I/V変換回路42,カップリングコンデンサ43,プリアンプ44が設けられる。
一方、2分割フォトダイオード21については、IC20の外部において各素子21N,21Fのアノード側に光電流を電圧に変換するための抵抗45N,45Fが接続される。この抵抗45N,45Fを介した出力(前記したN信号,F信号)は、さらにカップリングコンデンサ46N,46Fを介して前記端子1,2に接続される。
【0037】
なお、前記I/V変換用の抵抗45N,45Fやカップリングコンデンサ46N,46Fを光検出用IC20側に組み込むことにより外部接続部品の削減をはかることも可能であるが、この実施例では、IC20の容量を考え、各抵抗45N,45Fやカップリングコンデンサ46N,46Fを2分割フォトダイオード21とともにIC20の外部に設けている。また2分割フォトダイオード21とIC20との間の配線長を可能な限り短くしている。
【0038】
光検出用IC20には、2分割フォトダイオード21に対する前処理用の回路として、差動アンプ47,バイアス回路49が組み込まれる。また後記する信号出力の制御のために、プリアンプ50,メインアンプ51,コンパレータ52から成る出力制御回路53も組み込まれる。
【0039】
差動アンプ47の+側入力は前記端子1に、−側入力は前記端子2に、それぞれ接続される。これにより差動アンプ47では、前記素子21NからのN信号から素子21FからのF信号を差し引いて増幅する処理が行われる。この差動増幅出力(以下、「N−F信号」という。)は、バイアス回路49に入力される。
【0040】
バイアス回路49は、前記信号処理回路40から投光制御回路37への駆動パルスに同期する信号により、前記N−F信号にバイアスをかけるように構成されている。なおこのバイアス設定処理は、前記N−F信号と内蔵フォトダイオード22の受光信号とのレベルを合わせることを目的とするもので、前記N−F信号がゼロレベルの場合に、このゼロレベルの信号を、前記内蔵フォトダイオード22を用いた検知処理において前記基準位置に物体が位置する場合の受光信号と同レベルの信号にするだけのバイアスが設定される。
【0041】
前記内蔵フォトダイオード22用の前処理回路の終端であるプリアンプ44は端子6に、2分割フォトダイオード21用の前処理回路の終端であるバイアス回路49は端子5に、それぞれ接続される。また前記メインアンプ34の入力側は端子7に接続される。
この光検出用IC20を内蔵フォトダイオード22からの受光信号による検知処理に用いる場合は、端子6,7を接続することにより、プリアンプ44からの出力をメインアンプ34に入力する。一方、2分割フォトダイオード21を外付けした場合は、図中の点線で示すように、端子5,7を接続することにより、前記バイアス回路49からの出力をメインアンプ34に入力する。
【0042】
なお、端子6,7を接続する際には、各端子6,7間にカップリングコンデンサ54が組み込まれるとともに、端子6には、前記プリアンプ44の出力電位レベルを調整するための可変抵抗55が接続される。また端子5,7を接続する際にも、各端子5,7間にカップリングコンデンサ56が組み込まれる。
このように、この実施例では、各前処理用の回路とメインアンプ34とをIC20の外部で接続し、ノイズカット用のカップリングコンデンサ54,56を外付けするので、IC20の容量を抑えることができる。ただし、コンデンサ54,56はIC20に内蔵してもよい。また、出力電位レベルを調整するための可変抵抗55に代えて、投光側に投光出力を調整できる機能をもたせるようにしてもよい。
【0043】
前記出力制御回路53内のプリアンプ50とメインアンプ51とは、通常は切り離されており、端子3,4を介して接続するように構成される。なおプリアンプ50は、端子2に接続される。また端子3,4間には、カップリングコンデンサ57が組み込まれるが、このコンデンサ57はIC20に内蔵してもよい。
前記端子3,4間の接続は、前記2分割フォトダイオード21が外付けされる場合に、端子5,7間の接続とともに行われる。これら端子3,4が接続状態にある場合、前記端子2からのF信号が、プリアンプ50およびメインアンプ51を介してコンパレータ52に入力される。コンパレータ52は、前記信号処理回路40に接続されており、前記アンプ50,51を介したF信号が光の受光レベルに達している場合に前記信号処理回路40にHレベルの信号を出力する。(以下、このコンパレータからの出力信号を「出力制御信号」という。)
【0044】
端子7以降の構成において、前記メインアンプ34は、入力された信号を反転増幅する。コンパレータ39は、この反転増幅された信号を入力し、この入力信号が所定の動作レベルを越えたとき(電位的には動作レベルよりレベル値が低くなったとき)作動して、信号処理回路40にHレベルの信号を出力する。
【0045】
前記信号処理回路40は、前記投光制御回路37への駆動パルスに同期するタイミングでコンパレータ39からの比較出力を取り込み、出力回路36へと出力する。ただし、この信号処理回路40には、外部信号入力用の端子12が接続されており、この端子12からの信号および前記出力制御回路53からの出力制御信号がいずれもLレベルのときに前記コンパレータ39からHレベルの比較出力を取り込むと、この出力を無効化してLレベルの信号を出力するように構成される。
【0046】
この実施例では、IC20の外部において、前記端子12を、2分割フォトダイオード21を使用する場合はLの電位に、内蔵フォトダイオード22を使用する場合はHの電位に、それぞれ接続する。したがって内蔵フォトダイオード22による検知処理を行う場合は、端子12からの入力電位はHとなり、内蔵フォトダイオード22からの受光信号を比較した結果が信号処理回路40において有効化される。
【0047】
2分割フォトダイオード21を用いて検知処理を行っている場合、前記N−F信号は、検出対象の物体が各素子21N,21Fに同じ量ずつ反射光を入射させる地点に存在するときのみならず、物体からの反射光が全く入射していない場合(物体が存在しない場合)にもゼロレベルとなる。前記出力制御回路53からの出力制御信号は、前記N−F信号がゼロレベルとなる前記2つのケースを切り分けて、物体が存在する場合のみ物体検知を示す出力が行われるように制御するためのものである。すなわち、物体が存在しない状態下での出力制御信号はLであり、また端子12からの入力電位はLであるから、物体が存在しない状態下でのコンパレータ39からの比較出力は無効化され、信号処理回路40からはLレベルの信号が出力される。また、物体の存在によって各素子21N,21Fに同じ量だけ光が入射した場合にも、N−F信号はゼロレベルとなるが、素子21Fへの入射があるため、出力制御信号はHとなり、コンパレータ39からの出力は有効となる。
【0048】
図4は、前記図3の光検出用IC20において、端子6,7が接続されている場合、すなわち内蔵フォトダイオード22の受光信号を用いた検知処理が行われるように設定されている場合の各回路(内蔵フォトダイオード22側の処理に関わる回路に限る。)の動作を示す。なお図中、a,bは、検出対象の物体が所定の基準位置より遠方に位置する場合の動作を、c,dは、物体が前記基準位置よりも前方に存在する場合の動作を、それぞれ示す。なお、図中の一点鎖線は、前記コンパレータ39の動作レベルに相当するもので、物体が基準位置にある場合に内蔵フォトダイオード22で得られる受光レベルに基づく値が設定されているものとする。
【0049】
図4のa,bにおいては、物体からの反射光は、前記基準位置で得られる反射光より小さくなるため、メインアンプ34からの出力はコンパレータ39の動作レベルに達しない。これに対し、c,dにおいては、前記基準位置で得られる反射光を上回る受光信号が得られるから、メインアンプ34からはコンパレータ39の動作レベルを越える信号が出力され、コンパレータ39からHレベルの信号が出力される。
なおこのとき前記端子12からは、常時Hレベルの信号が入力されているから、前記c,dにおけるコンパレータ39の出力は有効化され、信号処理回路40において積分回路またはシフトレジスタなどによる信号処理を行った後、出力回路36から「物体あり」を示す信号が出力される。
【0050】
図5は、前記光検出用IC20において、端子5,7間および端子3,4間が接続されている場合、すなわち2分割フォトダイオード21の受光信号を用いた検知処理を行うように設定されている場合の処理に関係する各回路の動作を示す。なお図中のAは、検出対象の物体が存在しない状態下での動作を、Bは物体が基準位置に存在する場合の動作を、Cは前記基準位置より前方に物体が存在する場合の動作を、Dは基準位置より後方に物体が存在する場合の動作を、それぞれ示す。
【0051】
前記バイアス回路49は、差動アンプ47からのN−F信号に対し、前記コンパレータ39の動作レベルに対応するレベルのバイアスをかけるように構成されている。図5のA,Bの状態下では、いずれもN−F信号はゼロとなり、バイアス回路49およびメインアンプ34を介してコンパレータ39に入力される信号は、その動作レベルに到達するようになる。この結果、図5中の一番下の出力に示すように、コンパレータ39からHレベルの信号が出力される。
ただし、Aでは、前記出力制御回路53のコンパレータ52からの出力(出力制御信号)がLレベルになり、また端子12からの信号もLレベルであるから、前記コンパレータ39の出力は無効化され、外部には、「物体なし」を示す信号が出力される。これに対し、Bでは、端子12からの信号は同様にLレベルであるが、出力制御信号がHレベルとなるので、前記コンパレータ39のH出力が有効になり、外部に、「物体あり」を示す信号が出力される。
【0052】
図5のCでは、N信号のレベルがF信号のレベルより大きくなるため、N−F信号は正レベルとなる。この結果、バイアス回路49およびメインアンプ34を介した信号は、コンパレータ39の動作レベルを上回る(電位的には動作レベルより低くなる)ものとなり、コンパレータ39の出力はHレベルとなる。
またこのとき、出力制御回路53のコンパレータ52からはHレベルの信号が出力されているから、Bの場合と同様にコンパレータ39の比較出力が有効化され、外部には、「物体あり」を示す信号が出力される。
【0053】
図5のDでは、F信号のレベルがN信号のレベルよりも大きくなるため、N−F信号は負レベルとなる。このため、メインアンプ34からの出力はコンパレータ39の動作レベルに達しなくなるので、コンパレータ39はLレベルの信号を出力する。これを受けて外部にも、「物体なし」を示す信号が出力される。
【0054】
図6は、光検出器24の第2の構成例を示す。
この実施例では、光検出用IC20において、2分割、内蔵の各フォトダイオード21,22のそれぞれに、個別のメインアンプ34とコンパレータ39とを配備する。(図中、内蔵フォトダイオード22に対応するメインアンプとコンパレータには34A,39Aの符号を付け、2分割フォトダイオード21に対応するメインアンプとコンパレータには34B,39Bの符号を付けて示す。)
【0055】
各フォトダイオード21,22に対する前処理用の回路構成や、出力制御回路53の構成は、図3と同様である。
内蔵フォトダイオード22用のメインアンプ34Aは端子7に、2分割フォトダイオード23用のメインアンプ34Bは端子14に、それぞれ接続されている。よって内蔵フォトダイオード22を使用する場合は、端子6,7を接続することにより、内蔵フォトダイオード22による受光信号をメインアンプ34Aに入力する。一方、2分割フォトダイオード21を使用する場合は、端子5,14を接続することにより、2分割フォトダイオード21の各素子21N,21Fにより得たN−F信号を、メインアンプ34Bに入力する。なお、いずれの端子間接続も、図3の実施例と同様に、カップリングコンデンサ54,56を介して行われる。また、端子5には、メインアンプ34Bへの入力電位レベルを調整するための可変抵抗58が接続される。
【0056】
この実施例の信号処理回路40は、前記投光制御回路37への駆動信号に同期するタイミングで、各コンパレータ39Aまたは39Bの比較出力を取り込む。また図3と同様に、2分割フォトダイオード21を使用する場合は端子12をLの電位に接続し、内蔵フォトダイオード22を使用する場合は端子12をHの電位に接続する。
2分割フォトダイオード21を用いる場合、図3と同様に物体が存在しない状態では端子12および出力制御回路53からの信号はいずれもLレベルとなり、コンパレータ39Bからの比較出力は無効化される。
【0057】
図7は、前記図6の構成において、端子5,14間、および端子3,4間を接続して、2分割フォトダイオード21による検知処理を行うようにした場合の各回路の動作を示す。なお、内蔵フォトダイオード22を使用する場合の動作は、図4と同様であるから、図示および説明は省略する。
【0058】
図7のA,B,C,Dは、いずれも前記図5と同様の状態を示す。
この実施例では、前記差動アンプ47を、所定レベルのバイアスをかけた信号を出力するように設定し、N信号とF信号とが等しくなるケースA,Bにおいて、メインアンプ34Bからコンパレータ39Bの動作レベルに対応するレベルの信号を出力するように調整している。以下の動作は前記図5と同様であって、Aの場合は「物体なし」を示す信号が、Bの場合は「物体あり」を示す信号が、それぞれ出力される。またC,Dについても、図5と同様の検知動作が実現する。
【0059】
図6,7に示した実施例では、信号処理回路40の手前までの構成がフォトダイオード21,22毎に個別に設定されるので、第1の実施例のように、前処理後の信号のレベルを合わせる必要がなく、各コンパレータ39A,39Bに、それぞれのフォトダイオード22,21に対応した最適な動作レベルを設定することができる。
【0060】
図8は、光検出器24の第3の構成を示す。
この実施例も、前記図6の構成と同様に、信号処理回路40の手前までの構成を、フォトダイオード21,22毎に個別に設けている。さらにこの実施例では、内蔵フォトダイオード22の受光信号を処理するための回路に、前記出力制御回路53の機能を共有させている。
【0061】
具体的には、出力制御回路53が独自に持つ回路はプリアンプ50のみとなる。このプリアンプ50を端子3,7を介して内蔵フォトダイオード22用のメインアンプ34Aに接続することにより、メインアンプ34A,コンパレータ39Aは、プリアンプ50を介したF信号を処理する回路に切り替えられる。
【0062】
上記構成において、内蔵フォトダイオード22を使用する場合は、前記図6の構成と同様に、端子6,7を接続し、プリアンプ44からの出力をメインアンプ34Aに入力する。一方、2分割フォトダイオード21を使用する場合は、前記端子5,14を接続して、N−F信号をメインアンプ34Bに入力するとともに、前記端子3,7を接続して、メインアンプ34A,コンパレータ39Aを信号制御回路53として機能させる。
【0063】
この実施例の信号処理回路40には、前段の各コンパレータ39A,39Bの比較出力のOR処理をした結果を出力する第1の回路と、各比較出力のAND処理をした結果を出力する第2の回路と、これら回路を切り替えるための切替回路とが設けられている。
またこの信号処理回路40に接続される端子12は、前記図3,6の構成と同様に、内蔵フォトダイオード22が使用される場合はHの電位に、2分割フォトダイオード21が使用される場合はLの電位に、それぞれ接続される。
【0064】
前記信号処理回路40内の切替回路は、前記端子12からの信号がHレベルのときは第1の回路を選択し、端子12からの信号がLレベルのときは第2の回路を選択するように、設定される。
よって内蔵フォトダイオード22が使用される場合は、コンパレータ39Aの比較出力が常に有効化され、前記図4と同様の検知動作が実現する。また2分割フォトダイオード21が使用される場合は、コンパレータ39BからのHレベルの比較出力は、コンパレータ39Aの比較出力による出力制御信号がHレベルになる場合のみ有効化されることになり、前記図7と同様の検知動作が実現する。
【0065】
図9は、光検出器24の第4の構成を示す。
この実施例でも、前記図6,8の構成と同様に、メインアンプ34およびコンパレータ39が2組設けられる。またこの実施例では、2分割受光素子22の各素子21N,21Fからの受光出力をI/V変換するための回路61N,61Fや、I/V変換後の信号からノイズを除去するためのカップリングコンデンサ62N,62Fが、光検出用IC20側に組み込まれている。
【0066】
さらにこの実施例では、I/V変換回路61N,61Fにより生成されたN信号,F信号を処理する回路として、差動アンプ47のほかに加算アンプ63を設け、N信号およびF信号の差分増幅処理と同時に、これら信号の加算増幅処理を行うようにしている。差動アンプ47の出力は端子3に、加算アンプ63の出力は端子5に、それぞれ接続され、またメインアンプ34Bは端子4に接続される。またメインアンプ34Aは端子7に接続される。
【0067】
この実施例の信号処理回路40には、各コンパレータ39A,39Bからの比較出力のAND処理を行う回路と、コンパレータ39Aの比較出力のみを出力する回路とが含まれる。またこの信号処理回路40には、前記2つの回路を切り替えるための切替スイッチ67が接続される。
【0068】
上記構成において、内蔵フォトダイオード22を使用する場合は、前記図6,8の構成と同様に、端子6,7を接続し、プリアンプ44からの出力をメインアンプ34Aに入力する。またこの状態下では、信号処理回路40は、前記切替スイッチ67によりコンパレータ39Aからの出力のみを有効化するように設定される。これにより前記した各実施例と同様に、メインアンプ34Aからの増幅出力のレベルに対するコンパレータ39Aの比較出力が有効化され、コンパレータ39Aの動作レベルを上回るレベルの受光信号が得られた場合に、「物体あり」を示す検知信号が出力されることになる。
【0069】
一方、2分割フォトダイオード21を使用する際には、端子3と4、および端子5と7とをそれぞれ接続することにより、差動アンプ47からの出力(N−F信号)がメインアンプ34Bに、加算アンプ63からの出力(N+F信号)がメインアンプ34Aに、それぞれ入力される。またこの状態下では、信号処理回路40は、前記切替スイッチ67により、コンパレータ39Aの比較出力とコンパレータ39Bの比較出力とのAND処理を行うように設定される。
【0070】
差動アンプ47は、N信号とF信号とが等しいとき、またはN信号がF信号より大きいときに、コンパレータ39Bの動作レベルに対応するレベルを持つ信号を出力するように設定される。よって検出対象の物体が光検出器24から見て基準位置または基準位置よりも前方位置にある場合には、差動アンプ47からメインアンプ34Bを介してコンパレータ39Bに与えられるN−F信号は、コンパレータ39Bの動作レベル以上となる。またこのとき加算アンプ63からメインアンプ34Aを介してコンパレータ39Aに与えられるN+F信号は、同様にコンパレータ39Aの動作レベルを越える信号となる。よって各コンパレータ39A,39Bからの比較出力は、いずれもHレベルとなり、信号処理回路40でのAND処理により、「物体あり」を示す検知信号が出力される。
【0071】
また検出対象の物体が光検出器24から見て基準位置よりも後方に位置する場合は、F信号がN信号よりも大きくなる。この場合、コンパレータ39Aに与えられるN+F信号は、先の事例と同様に、このコンパレータ39Aの動作レベルを十分に上回るレベルとなるが、他方のコンパレータ39Bに与えられるN−F信号は、このコンパレータ39Bの動作レベルを下回るレベルとなる。この結果、コンパレータ39Aからの比較出力がHレベルであるのに対して、コンパレータ39Bからの比較出力はLレベルとなり、信号処理回路40のAND処理により、「物体なし」を示す検知信号が出力される。
【0072】
さらに検出対象の物体が存在しない場合は、N信号,F信号はともにゼロレベルに近いレベルとなるので、N+F信号のレベルもゼロレベル付近となる。よってコンパレータ39Aの比較出力がLベルとなるため、信号処理回路40のAND処理により、「物体なし」を示す検知信号が出力される。
【0073】
このようにこの第4の実施例においても、光検出用IC20の外部端子に2分割フォトダイオード21を接続した場合には、光検出器24に距離設定形の光電スイッチの機能を具備させることができる。
【0074】
ところで上記4つの実施例の光検出用IC20の構成によれば、2分割フォトダイオード21に限らず、内蔵フォトダイオード22よりも面積の大きな単一のフォトダイオードを外付けして使用することができる。
【0075】
図10は、前記図6と同様の構成の光検出用IC20に単一のフォトダイオード60を接続した光検出器24Aを示すもので、前記端子1,2のうち、端子1にはフォトダイオード60が接続される一方、端子2は接地されている。
なお、図中、68は、フォトダイオード60からの光電流を電圧に変換するための抵抗、69は、カップリングコンデンサである。
【0076】
この実施例では、フォトダイオード60を接続した場合に、前記端子5を端子7に接続することにより、差動アンプ47からの差動増幅出力を内蔵フォトダイオード22用のメインアンプ34Aおよびコンパレータ39Aで処理するようにしている。
【0077】
上記構成によれば、端子1からはフォトダイオード60の受光量に対応するレベルの信号が入力されるのに対し、端子2側からの入力信号は、常にゼロレベルとなる。よってフォトダイオード60からの受光信号が差動アンプ47,カップリングコンデンサ56を介してメインアンプ34Aに入力されることになり、以下、内蔵フォトダイオード22に対するのと同様の条件で、フォトダイオード60からの受光信号を用いた物体検知処理が行われることになる。
なおこの実施例においては、端子12からの入力信号はHの電位に接続される。また出力制御回路53は使用されないので、端子3,4はオープンに設定される。
【0078】
上記図10の構成の光検出器24によれば、外付けの受光面積の大きいフォトダイオード60により内蔵フォトダイオード22よりも光を多く受光することができるので、検出距離が長く設定された光電スイッチに適用することができる。またこの光検出器24を光ファイバ形の光電スイッチに導入すると、光ファイバの径が大きくとも、検出物体からの反射光を受光素子に取り込む際に、光ファイバの受光素子に対向する端面から出て周囲に広がる光を、受光素子に確実に取り込むことができ、距離設定形の光電スイッチや径の太い光ファイバを使用する光電スイッチに適した光検出器を、簡単かつ低コストで提供することができる。
さらに前記図3,図8,図9の構成においても、同様にして、光検出用IC20にフォトダイオード60を外付けし、その受光信号を処理することができる。
【0079】
このように各実施例に示した光検知用IC20は、さほど検出距離を長くする必要のない光検出器に使用できるほか、2分割フォトダイオード21や面積の大きなフォトダイオード60を接続することによって、距離設定形の物体検知や径の太い光ファイバを使用しての物体検知のための光検出器を構成したり、検出距離の長い光検出器を構成することができるので、用途毎に光検知用ICを製作する必要がなくなる。しかも検出距離を長くする必要のない用途が圧倒的に多いので、内蔵フォトダイオード22の面積を小さくして、IC20を小型化することができ、コストを大幅に削減することができる。
なお、上記各実施例に示した光検知用IC20は、光電スイッチに限らず、たとえば発光体を具備する対象物からの光を受光して対象物までの距離を計測するセンサなど、光を使用する他のタイプの計測器に導入することができる。
【0080】
【発明の効果】
上記したように、この発明では、単一の受光素子が搭載された光検出用ICに、一対の受光信号を出力する受光素子や面積の大きな受光素子を外付けで接続するとともに、IC上に、内蔵の受光素子の出力を処理する回路と外付けの受光素子の出力を処理する回路とを設け、いずれかの処理回路を切り替えて処理を行うように構成した。この構成により、距離設定形の物体検知のための光検出器、ならびに径の太い光ファイバによる物体検知および検出距離を長くする必要のある物体検知に使用する光検出器を、さほど検出距離を長くする必要のない光検出器と同じ規格のICを用いて作製することができる。よって種々の用途毎に光検出用ICを製作する必要がなくなり、光検出用ICのコストを大幅に削減することができる。
【0081】
また検出距離を長くする必要のない光検出器には、面積の小さな受光素子で事足りるから、光検出用ICに搭載される受光素子の面積を小さくすることによってICを小型化することができ、もって使用頻度の高い光検出器(検出距離を長くする必要のないタイプのもの)を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる光検出器を距離設定形の光電スイッチに導入した例を示す斜視図である。
【図2】光検出器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】光検出器の第1の具体例を示すブロック図である。
【図4】図3の構成中、内蔵フォトダイオードに関わる回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】図3の構成中、2分割フォトダイオードに関わる回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】光検出器の第2の具体例を示すブロック図である。
【図7】図6の構成中、2分割フォトダイオードに関わる回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】光検出器の第3の具体例を示すブロック図である。
【図9】光検出器の第4の具体例を示すブロック図である。
【図10】図6の構成の光検出用ICに単一のフォトダイオードを接続する場合の構成を示すブロック図である。
【図11】従来の反射形の光電センサに用いられる光検出器の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2 外部入力用端子
20 光検出用IC
21 2分割フォトダイオード
31 内部信号前処理回路
32 外部信号前処理回路
33 切替回路
34 メインアンプ
35 制御回路
36 出力回路
39 コンパレータ
40 信号処理回路

Claims (9)

  1. 単一の受光素子と、
    前記受光素子からの受光信号を処理するための第1の処理回路と、
    外部受光素子を電気接続するための外部入力用の端子と、
    前記外部入力用の端子から入力される前記外部受光素子からの受光信号を処理するための第2の処理回路と、
    前記第1,第2の処理回路のいずれかを選択してその処理結果を出力させる選択手段とを具備して成る光検出用IC。
  2. 前記外部入力用の端子として一対の端子が設けられており、
    前記第2の処理回路は、各端子から入力される受光信号の差分信号を生成するための回路と、前記差分信号のレベルを所定のしきい値と比較するための回路とを含んで成る請求項1に記載された光検出用IC。
  3. 前記外部入力用の一対の端子は一対の受光信号を出力する受光素子に接続され、前記一対の受光信号は、検出対象の位置によって信号レベルの関係が変動して成る請求項2に記載された光検出用IC。
  4. 前記外部入力用の一対の端子は、2分割の受光素子に接続される請求項2または3に記載された光検出用IC。
  5. 前記外部入力用の一対の端子の一方は、前記IC上の受光素子の受光面積よりも大きな受光面積を有する受光素子に接続され、他方の端子は接地される請求項2に記載された光検出用IC。
  6. 前記第1,第2の各処理回路は、少なくとも処理結果の出力に関わる回路を共有して成る請求項1〜5のいずれかに記載された光検出用IC。
  7. 一対の外部入力用端子を具備する光検出用ICと、前記外部入力用端子に接続される2分割の受光素子とを具備する光検出器であって、
    前記光検出用ICは、単一の受光素子と、この受光素子からの受光信号を処理するための第1の処理回路と、前記外部入力用端子から入力される前記2分割の受光素子からの一対の受光信号を処理するための第2の処理回路と、第1,第2の処理回路のいずれかを選択してその選択された処理回路による処理結果を出力させる選択手段とを具備し、この選択手段により第2の処理回路による処理結果を出力するように設定されて成る光検出器。
  8. 外部受光素子を電気接続するための外部入力用端子が設けられた光検出用ICを具備する光検出器であって、
    前記光検出用ICは、単一の受光素子と、この受光素子からの受光信号を処理するための第1の処理回路と、前記外部入力用端子から入力される前記外部受光素子からの受光信号を処理するための第2の処理回路と、第1,第2の処理回路のいずれかを選択してその選択された処理回路による処理結果を出力させる選択手段とを具備し、この選択手段により前記第1の処理回路による処理結果を出力するように設定されて成る光検出器。
  9. 一対の外部入力用端子と単一の受光素子とを具備する光検出用ICと、前記光検出用ICの受光素子よりも面積の大きい第2の受光素子とを具備する光検出器であって、
    前記一対の外部入力用端子の一方は前記第2の受光素子に接続されるとともに、他方の端子は接地されており、
    前記光検出用ICは、前記単一の受光素子からの出力を処理するための第1の処理回路と、前記外部入力用端子からの各入力信号の差分信号を処理するための第2の処理回路と、第1,第2の処理回路のいずれかを選択してその選択された処理回路による処理結果を出力させる選択手段とを具備し、この選択手段により第2の処理回路による処理結果を出力するように設定されて成る光検出器。
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