JP4340371B2 - 光学走査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転するポリゴンミラーやガルバノミラーの回転制御や走査タイミング信号の生成に必要な回転ミラーの回転角度基準位置を示す信号を生成して回転角速度の計測を行う機能を有する光学走査装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光学走査装置の例を図14に示す。
図14において、投光ビーム生成部1から射出された投光ビーム9は回転ミラー2により偏向される。投光ビーム9により走査する対象物(図示省略)が置かれる、回転ミラー2の走査有効領域を円弧Eで示す(以下、走査有効領域Eという)。投光ビーム9で走査された対象物からの反射光9Aはハーフミラー49で反射されて光電検出部50で検出される。走査有効領域E外の円弧E1で示す角度領域に、前記の回転ミラー2により偏向された投光ビーム9を集光させるための光学素子41と光検出部としての光電変換素子42とを配置し、投光ビーム9を検出する。光電変換素子42の出力信号を2値化部43により2値化して回転角度基準位置信号を生成する。さらに連続する2つの回転角度基準位置信号の時間間隔を信号時間間隔計測部44により計測することにより回転角速度信号を求める。
一般に前記光学素子41の前後には、光学的境界点を明確にする目的でナイフエッジ45やスリット等が配置され、さらに、投光ビーム9が集光される焦点位置近傍には、ピンホール等の絞り46が配置されている。
これらの光学素子や光電変換素子を配置する場合において、スペースの制約により所望の位置に配置する事が困難な場合がある。このような場合には点線で示した位置に設けた反射ミラー47によって投光ビーム9を偏向させて別の位置に導き、その位置に前記光学素子41Aと光電変換素子42Aを配置することもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の従来技術では、対象物からの反射光を検出する光電検出部50に加えて、回転ミラーの回転制御信号や走査タイミング信号を生成するための原信号を得るために専用の前記光学素子41および光電変換素子42が用いられている。これら2組の光学系を構成する光学部品や受光素子の組立時には、計測器や専用治具などを使用する調整作業が必要であるために、組立工程が複雑であった。そのため組立て調整工程の簡略化が課題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学走査装置は、光学走査用の投光ビームを発生させるための投光ビーム発生部、前記投光ビーム発生部から射出される投光ビームの光路を偏向させて光学走査をするための回転ミラー、前記回転ミラーによって偏向された投光ビームを反射させて再び前記回転ミラーに入射するように配置した反射部、前記回転ミラーにより再び偏向された前記反射部からの反射光のうち前記投光ビームの光軸の近傍を通る反射光を受光するように配置した、走査有効領域での被走査物体からの反射光および前記反射部からの反射光を受けて光電変換する光電変換部、前記光電変換部から出力される電気信号の中から前記反射部によって反射された光による電気信号を抽出するための信号抽出部、前記抽出された電気信号から回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時の回転ミラーの回転角で定義される回転角度基準位置を決めるための回転角度基準位置信号を生成する回転角度基準位置信号生成部、及び前記回転角度基準位置信号に基づいて回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時間間隔を計測して前記回転ミラーの回転角速度を求める回転角速度計測部を備える事を特徴としたものである。
本発明によれば、回転角度基準位置信号の生成または回転角速度を計測のための専用の光学素子および光電変換素子を設けず、被走査物体からの反射光のうち投光ビーム光軸近傍の反射光を受光するための光学素子および光電変換素子を利用して検出する。これにより部品点数の削減とこれに付随する組立て調整工程の削減が可能となる。
【0005】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記反射部として円筒形の物体の光沢表面を用いる事を特徴としたものである。これにより、反射鏡などの高価な光学部品を使用せずに、同等の機能を実現できる。
【0006】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記反射部を複数個備えている事を特徴としたものである。これにより、回転角速度を計測するための時間を短くできる。
【0007】
本発明の他の観点の光学走査装置は、光学走査用の投光ビームを発生させるための投光ビーム発生部、前記投光ビーム発生部から射出される投光ビームの光軸と回転軸が略垂直になるように配置した回転ミラー、前記回転ミラーにより反射される反射光のうち前記投光ビームの光軸の近傍を通る反射光を受光するように配置した光電変換部、前記光電変換部より出力される電気信号の中から、前記投光ビームの光軸、前記回転ミラーの反射面とが垂直となるときの反射光による電気信号を抽出するための信号抽出部、前記抽出された電気信号から回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時の回転角度基準位置を決めるための回転角度基準位置信号を生成する回転角度基準位置信号生成部、及び前記回転角度基準位置信号に基づいて、回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時間間隔を計測して前記回転ミラーの回転角速度を求める回転角速度計測部を有することを特徴としたものである。これにより、前記の反射部を用いなくとも回転角速度の計測を行うことが可能となり、さらに部品点数を減らすことができる。
【0008】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記光電変換部として前記反射光のうち前記投光ビームの光軸に対して所定の角度をなす光軸近傍の反射光を受光するように配置した光電変換部を備え、走査有効領域での被走査物体からの反射光および前記反射部からの反射光を光電変換する機能を兼ねて備えることを特徴とする。これにより、専用の光学素子および受光素子を用いることなく被走査物体からの反射光のうち投光ビームの光軸に対して所定の角度範囲の反射光を受光するための光学素子および光電変換素子を利用することによって、所望の信号が得られる。
【0009】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記投光ビーム発生部として半導体レーザーを光源とする投光ビーム発生部を備え、前記光電変換部として前記投光ビーム発生部の中に内臓されているバックモニタを利用する事を特徴とする。投光部に内臓されている投光ビームを生成する光学素子と、半導体レーザーの光出力制御を行う場合に光出力モニタとして使用される光検出器であるバックモニタを光電変換素子として利用することによって、専用光学素子および受光素子を必要としない。
【0010】
本発明の他の観点の光学走査装置は、光電変換部と信号抽出と回転角度基準位置信号生成部との組を少なくとも2組備え、それぞれの組により生成された複数の回転角度基準位置信号から所望の回転角度基準位置信号を選択するかまたは複数の回転角度基準位置信号を合成する回路を備えることを特徴とする。これにより、より安定した回転角度基準位置信号を生成できる。
【0011】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記回転角度基準位置信号生成部は前記光電変換部または前記信号抽出部からの出力を2値化するための2値化部を備え、前記光電変換部または前記信号抽出部から出力される信号を、予め設定している電圧をしきい値として2値化する事により回転角度基準位置信号を生成する事を特徴とする。これにより、回転角度基準位置信号生成部を最も簡単な構成で実現できる。
【0012】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記光電変換部または前記信号抽出部から出力される信号の時系列データを保持するためのデータ保持部、前記データ保持部に保持された時系列データの微分演算を行うための微分演算部、及び前記微分演算部からの出力の極性変化点を検出するための極性変化検出部を備え、前記回転角度基準位置信号生成部が、前記極性変化検出部の出力により前記反射部を前記投光ビームが横切る時の前記回転ミラーの回転角度基準位置を生成する事を特徴とする。これにより、回転角度基準位置信号のタイミングに高い精度が要求される場合、時系列データ全体に対して所定の演算処理を行う事によって、より精度良く回転角度基準位置信号を生成することが可能となる。
【0013】
本発明の他の観点の光学走査装置は、さらに、前記光電変換部または前記信号抽出部から出力される時系列データを保持するためのデータ保持部、前記データ保持部に保持された時系列データを積分演算を行うための積分演算部、及び前記積分演算部で求められる積分演算結果が全波形積分値の1/2値となる位置を求めるための1/2積分値検出部を備え、前記回転角度基準位置信号生成部が前記1/2積分値検出部の出力により前記反射部を前記投光ビームが横切る時の前記回転ミラーの回転角度基準位置を生成する事を特徴とする。これにより、回転角度基準位置信号のタイミングに高い精度が要求される場合、時系列データ全体に対して所定の演算処理を行う事によって、より精度良く回転角度基準位置信号を生成することが可能である。
【0014】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記微分演算部、極性変化検出部、積分演算部、及び1/2積分値検出部を備え、前記極性変化検出部および1/2積分値検出部の出力のいずれかを選択するかまたは両者を合成することにより回転角度基準位置信号を生成する事を特徴とする。これにより、さらに安定した回転角度基準位置信号を生成できる。
【0015】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記光電変換部または前記信号抽出部から出力される異なる2つの信号の各時系列データを保持するために設けた第1および第2のデータ保持部、前記第1および第2のデータ保持部に保持している2つの時系列データの相対的遅延時間を変化させる相対的遅延時間変化部、前記第1および第2のデータ保持部により保持されている2つの時系列データに対して相互相関値を求める演算を行う相関値演算部、及び前記相関値演算部から得られる相関値が最大となる事を検出する相関最大検出部を備え、前記回転角度基準位置信号生成部が、前記相関最大検出部により相関最大値を検出した時における前記相対的遅延時間変化部の状態に基づいて、前記反射部を前記投光ビームが横切る時の前記回転ミラーの回転角度基準位置を生成する事を特徴とする。これにより、回転角度基準位置信号のタイミングに高い精度が要求され、1つの信号の処理では精度良く回転角度基準位置信号を生成できない場合、2つの時系列データの相互相関値を演算する事によって、より高い精度で回転角度基準位置信号を生成することが可能である。
【0016】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記回転角速度計測部として回転角度基準位置信号生成部において生成される回転角度基準位置信号の時間間隔を測定する手段を備え、得られる時間間隔データより前記回転ミラーの回転角速度を計測する事を特徴としたものである。これにより、回転速度を計測する手段が比較的簡単な構成で実現できる。
【0017】
本発明の他の観点の光学走査装置は、前記光電変換部または前記信号抽出部から出力される異なる2つの信号の各時系列データを保持するために設けた第1および第2のデータ保持部、前記第1および第2のデータ保持部に保持している2つの時系列データの相対的遅延時間を変化させる相対的遅延時間変化部、前記第1および第2のデータ保持部により保持されている2つの時系列データに対して相互の相関値を求める演算を行う相関値演算部、及び前記相関値演算部から得られる相関値が最大となる事を検出する相関最大検出部を備え、前記回転速度計測部が、前記相関最大検出部により相関最大値を検出した時における前記相対的遅延時間変化部の状態に基づいて、前記反射部を前記投光ビームが横切る時間間隔を計測する事を特徴とする。これにより、回転角速度に高い計測精度が要求されるにもかかわらず、精度の良い回転角度基準位置信号を生成できない場合、2つの時系列データの相互の相関値を演算する事によって、より高い精度で回転角速度を計測することが可能である。
【0018】
本発明の他の観点の光学走査装置は、1つの信号の処理では高い精度で回転角度基準位置信号を生成できない場合、2つの時系列データの相互の相関値を演算する事によって、より高い精度で回転角度基準位置信号を生成することが可能である。さらに、回転角速度に高い計測精度が要求される場合、2つの時系列データの相互の相関値を演算する事によって、より高い精度で回転角速度を計測することが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施例について、図1から図13を参照して説明する。
《実施例1》
図1は本発明の実施例1における光学走査装置の構成を示すブロック図であり、図2は本発明の実施例1における主要な信号の波形図である。
走査に用いる投光ビーム9を発生させるための投光ビーム発生部1は、例えば、半導体レーザーまたはガスレーザーなどの光源と投光ビームを形成するための光学素子から構成される。
投光ビーム9を偏向させるための回転ミラー2はポリゴンミラーやガルバノミラーが一般に用いられる。
走査対象物(図示省略)が置かれる、円弧Eで示す走査有効領域(以下、走査有効領域Eという)の外部に配置した反射部3aは、回転ミラー2により偏向された投光ビーム9を反射し、再び回転ミラー2に入射するように配置した反射部材である。この反射部3aは、光学的な平面反射ミラーであれば理想的であるが、これに限らず、円筒面鏡、球面鏡など一方向に光を反射するものであれば使用可能である。また、表面を研磨したピンや金属などの切削面、研磨面などでもよい。
【0020】
反射部3aを1つだけ用いても本実施例の効果を得ることが可能であるが、更に反射部3bまたは3cを追加してもよい。反射部3aと3bのように走査有効領域E外の一方の領域に複数配置してもよい。また、反射部3aと3cのように走査有効領域E外の両側にそれぞれ配置してもよい。反射部3a〜3cを複数個設けることにより、後で詳しく説明するように、回転角速度の計測に要する時間が短縮される。反射部3a、3b、3cの反射面の一部分に、光学的な境界点をより明確にするために既知のナイフエッジやスリットなどを配置することも有効である。
【0021】
投光ビーム9と同一の光軸上を戻ってくる反射光を偏向させるための偏向部4は、ハーフミラーや穴あきミラーなどで実現できる。
光電変換部5は、偏向部4からの反射光のうち投光ビーム9の光軸の近傍を通る反射光を受光し電気信号に変換する装置であり、受光用の光学素子、光電変換素子及び増幅回路で構成される。図2の(a)の波形は、光電変換部5の入力光の強度を示す波形であり、(ア)の部分が反射部3aによる反射光の強度を示す波形であり、(イ)の部分が走査有効領域Eに置かれた対象物である被走査物体(図示省略)からの反射光の強度を示す波形である。(ウ)の部分が反射部3cによる反射光の強度を示す波形である。図2の(b)の波形は、光電変換部5の出力波形を表わしている。本実施例では、1個の光電変換部5により、反射部3a、3cの反射光と、被走査物体の反射光の両方を検出する。
【0022】
信号抽出部6は、光電変換部5からの出力に含まれている走査有効領域E内の被走査物体からの反射光による信号と、反射部3a、3cからの反射光による信号とを分離し、後者を抽出するための回路である。信号抽出部6の最も簡単な構成としては、既知のマスク処理回路を用いて走査有効領域E内を走査中の信号をマスクキングし、走査有効領域E外を走査中の信号を取り出す方法がある。図2の(c)の波形は走査有効領域Eの信号波形をマスクキングし、反射部3a、3cによる信号のみを抽出した後の信号波形である。フィルタ処理によっても反射部3a、3b、3cからの反射光による信号を抽出することができる。反射光が複数の反射部3a、3b、3cのうちのどの反射部からの信号であるかは、検出信号のタイミングから判別することができる。
【0023】
回転角度基準位置信号生成部7は、投光ビーム9が反射部3a、3b、3cを横切る位置から一意的に決まり、かつ走査有効領域E内の走査開始位置または走査開始タイミングを決定するための基準となる信号を生成する。例えば、信号抽出部6の出力を所定の電圧をしきい値として2値化することにより図2の(d)の波形ような回転角度基準位置信号を生成する事ができる。図1では、回転角度基準位置信号は信号抽出部6の出力を回転角度基準位置生成部7にて処理して生成されるが、先に回転角度基準位置生成部7で処理した後、信号抽出部6で回転角度基準位置信号を抽出しても同じ信号が得られる。
回転ミラーの回転角速度計測部8の計測値は走査タイミング信号や回転角度基準位置信号の生成を行ったり、回転ミラー2の状態を監視するのに用いられる。例えば、カウンタと基準クロックを用いて、回転角度基準位置信号によってカウンタのクリアとカウンタ計測値のデータ保持を行う事により、図2の(e)のように回転角度基準位置信号の時間間隔を測定することができる。この時間間隔に基づいて回転角速度を計測する。
実施例1によれば、走査有効領域Eに置かれた走査対象物と、走査有効領域E外に配置された反射部3a〜3cとで反射された投光ビーム9の反射光を1個の光電変換部5で検出する。検出された信号から、反射部3a〜3cの反射光に基づく信号を信号抽出部6で分離して抽出し、抽出した信号から回転ミラー2の回転角速度を計測することができる。
【0024】
《実施例2》
次に、本発明の実施例2の光学走査装置について図3を用いて説明する。実施例1と同じ構成要素については同じ符号を用い重複する説明を省略する。
投光ビーム発生部1および回転ミラー2は、実施例1と同じ構成であるが、実施例2においては、回転ミラー2に対する投光ビーム発生部1と光電変換部5の位置関係が実施例1と異なる。
【0025】
図3に示すように、前記の位置関係と、回転ミラー2が回転して回転ミラー2の反射面が投光ビーム9の光軸に垂直になったとき、投光ビーム発生部1より射出される投光ビーム9が、回転ミラー2の反射面で反射し前記投光ビーム9の光軸に沿って戻るようにする。戻ってきた反射光は偏向部4で偏向されて光電変換素子5に入射し光電変換される。図3において、投光ビーム9の光軸と、回転ミラー2からの反射光の光軸13とは一致している。
信号抽出回路6、回転角度基準位置信号生成部7及び回転角速度計測部8の動作は実施例1と実質的に同じである。実施例2によれば、回転ミラー2の反射面が投光ビーム9の光軸に垂直になったときの光電変換素子5の検出出力から回転角度基準位置信号を生成する。回転角度基準位置信号から実施例1と同様にして、回転ミラー2の回転角速度を計測できる。回転角度基準位置信号を得るために、走査有効領域E外の領域に反射部材を設ける必要がないので、構成が簡単であり、製造コストも安価である。
【0026】
《実施例3》
本発明の実施例3の光学走査装置について図4を用いて説明する。実施例1及び2と同じ構成要素については同じ符号を用い、重複する説明を省略する。
図4は、本発明の実施例3における光学走査装置の構成を示すブロック図である。
図4において、受光用の光学素子、光電変換素子及び増幅回路を有する光電変換部11は、回転ミラー2からの反射光のうち、投光ビーム9の光軸に対して所定の角度をなす光軸の近傍を通る反射光12を受光し、電気信号に変換する。光電変換素子は、単に受光光を電気信号に変換する場合には、一般にフォトダイオードやCCDなどが用いられる。特に、光学走査装置が、被走査物体の反射点の位置を三角測量の原理を用いて測定するような用途の装置である場合には、受光用の光学素子に既知の受光位置検出素子(PSD)を用いる。このような受光位置検出素子(PSD)は複数の受光素子を有する。従って受光位置検出素子(PSD)を用いる場合には、複数の光電変換出力信号が出力されるが、それらのいずれか1つを選択してもよいし、複数の信号の和を用いても構わない。何れの光電変換素子の出力を用いても、図2の(b)に示す波形の光電変換出力が得られる。
【0027】
反射光12は反射部3aからの反射光を表わしている。信号抽出回路6、回転角度基準位置信号生成部7及び回転角速度計測部8の動作は実施例1と実質的に同じである。
実施例3によれば、光電変換部11を、投光ビーム9の光軸に対して所定の角度をなす反射光を受光する位置に配置する。これにより、図1に示す偏向部4を用いることなく、反射部3a〜3cからの反射光を光電変換部5に入射することができる。光電変換部5の検出出力から前記各実施例を同様にして回転ミラー2の回転角速度を計測することができる。
【0028】
《実施例4》
本発明の実施例4について図5を用いて説明する。前記の各実施例1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図5は、本発明の実施例4における光学走査装置の構成を示すブロック図である。
図5において、半導体レーザーを用いた投光ビーム発生部14は、光源となる半導体レーザーチップ15、半導体レーザーチップ15が出射する光から投光ビームを形成するための光学素子16、及び半導体レーザーチップ15の光出力を検出し、光出力の制御をするための受光素子である既知のバックモニタ17を内蔵している。バックモニタ17の検出帯域は、反射部3aからの反射光による信号を通過させる事ができるように十分広くなされている。また、半導体レーザーチップ15の光出力制御用の回路は、反射光を検出するバックモニタ17のフィードバックによって光出力変動の誤差が許容範囲になるように設計されている。
【0029】
本実施例の場合、バックモニタ17の出力は、半導体レーザーの光出力値に応じた光電変換値と反射部3aからの反射光の光電変換値の和で表わされる。この和を示す信号波形は、図2の(c)の信号波形に半導体レーザーの光出力値に応じた光電変換値分だけオフセット値が加算された波形となる(図示省略)。従って実施例1と同じ回転角度基準位置信号生成回路および回転角速度計測回路を用いることにより、回転ミラー2の回転角速度を計測することができる。実施例4によれば、走査有効領域Eの対象物(図示省略)及び反射部3a〜3cからの反射光が投光ビーム発生部14のバックモニタ17で検出されるので、前記反射光を検出するために前記の各実施例における光電変換部5を設ける必要はない。従って構成が簡略化され、製造コストが低減される。
【0030】
《実施例5》
本発明の実施例5について図6を用いて説明する。本実施例は、光学走査装置の信号処理回路に関するものである。前記の各実施例と同じ構成要素については同じ符号を用い重複する説明を省略する。
図6は、本発明の実施例5における信号処理部のブロック図を示している。実施例1から4の各光学走査装置では、回転ミラー2に対する配置位置がそれぞれ異なる光電変換部5、11又はバックモニタ17のいずれか1個のみが設けられている。光学走査装置を用いてプリント基板等立体の対象物を検査する場合には、対象物の様々な形状に対応できるように、1つの光学走査装置に3個の光電変換部5、11及び17を組み込んだものが必要になる場合がある。本実施例の信号処理部はそれぞれ配置位置の異なる3個の光電変換部5、11、17に対して独立に、それぞれ信号抽出部6a、6b、6cと回転角度基準位置信号部7a、7b、7c、が備えられている。生成される3つの回転角度基準位置信号から本光学走査装置の制御に必要な回転角度基準位置信号を得るために、回転角度基準位置信号部7dにおいて選択または合成処理を行う。
具体的な処理の例を以下に説明する。第1の方法では、得られた3つの回転角度基準位置信号を時系列に並べて中間時点の信号を選択して回転角度基準位置信号とする。また第2の方法では得られた3つの回転角度基準位置信号の平均値を演算して求め、その平均値に対応する角度位置での回転角度基準位置信号を生成する。回転角速度計測部は、回転角度基準位置信号部7dの出力信号の時間間隔を測定して回転ミラー2の回転速度を求めることができる。
【0031】
《実施例6》
本発明の実施例6について図7および図8を用いて説明する。本実施例は、光学走査装置の信号処理回路に関するものである。前記の各実施例と同じ構成要素については同じ符号を用い重複する説明を省略する。
図7は、本発明の実施例6における信号処理部のブロック図を示し、図8は、主要な信号の波形図を示している。
図7において、光電変換部は、実施例1から4の光電変換部5、11、またはバックモニタ17の何れか一つを示している。図8の(a)の波形は、光電変換部5,11又は17から出力され、信号抽出部6により抽出された、回転角度基準位置信号を生成するための原信号となる受光信号である。データ保持部21は、信号抽出部6により抽出された受光信号の時系列信号のデータである時系列データを保持する。保持されている時系列データに対して微分演算部22により微分演算処理を行い、図8の(b)に示す微分波形を得る。さらに、微分演算処理後の波形の極性変化点すなわちゼロクロス点を極性変化検出部23により検出する処理を行うと、図8の(c)に示すような出力が得られる。この信号をもとに、回転角度基準位置信号生成部7により、図8の(d)に示す回転角度基準位置信号を生成する。回転角度基準位置信号から、回転角速度計測部8により回転ミラー2の回転角速度を検出する。
実施例6によれば、受光信号を微分演算部22で微分することにより、受光信号のレベルが変動する場合でも、受光信号のピーク値の時点を正確に検出することができる。ピーク値の時点に基づいて回転角度基準位置信号を生成するので受光信号のレベル変動の影響を受けずに回転角速度を計測することができる。
【0032】
《実施例7》
本発明の実施例7について図9および図10を用いて説明する。本実施例は、光学走査装置の信号処理回路に関するものである。前記の各実施例と同じ構成要素には同じ符号を用い重複する説明を省略する。
図9は、実施例7における信号処理部のブロック図を示し、図10は、実施例7における主要な信号の波形図を示している。
図9において、光電変換部は、実施例1から4の光電変換部5、11、またはバックモニタ17の何れか一つを示している。図10の(a)の波形は、光電変換部5,11又は17から出力される受光信号の信号波形を表わしている。光電変換部5、11又は17により得られた出力から、信号抽出部6により、回転角度基準位置信号を生成するための原信号となる受光信号を抽出する。データ保持部21により、信号抽出部6により抽出された時系列の信号のデータである時系列データを保持する。保持されている時系列データに対して積分演算部24により微分演算処理を行い、図10の(b)に示す積分波形を得る。さらに、1/2積分値検出部25により、積分処理後の波形において、全積分値の1/2となる点を検出する処理を行うと、図10の(c)に示すような出力が得られる。この信号をもとに、回転角度基準位置信号生成部7により、図10の(d)に示す回転角度基準位置信号を生成することができる。回転角度基準位置信号から回転角速度計測部8により回転ミラー2の回転角速度を検出する。
実施例7によれば、受光信号を積分演算部24で積分することにより、受光信号に高レベルのノイズが混入した場合でも、ノイズに影響されない回転角度基準位置信号が生成される。
【0033】
《実施例8》
本発明の実施例8について図11を用いて説明する。本実施例は、光学走査装置の信号処理回路に関するものである。前記の各実施例と同じ構成要素については同じ符号を用い説明を省略する。
図11は本発明の実施例8における信号処理部のブロック図を示している。実施例8における主要な信号の波形図は、図8および図10と同様である。
図11において、回転角度基準位置信号生成部7eは、極性変化検出部23の出力から回転角度基準位置信号を生成する(図8の(a)から(d)を参照)。また回転角度基準位置信号生成部7fは、1/2積分値検出部の出力から回転角度基準位置信号を生成する(図10の(a)から(d)を参照)。以上のようにそれぞれ独立に生成された2つの回転角度基準位置信号を回転角度基準位置信号生成部7gに入力して合成処理をすることにより、光学走査装置に必要な回転角度基準位置信号を生成する。合成処理の具体的例としては、得られる2つの回転角度基準位置信号のちょうど中間値を回転角度基準位置信号とする方法がある。実施例8は、前記の実施例6と7を組み合わせた回路構成を有するので両者のそれぞれの特徴を備えたものとなる。
【0034】
《実施例9》
本発明の実施例9について図12および図13を用いて説明する。本実施例は、光学走査装置の信号処理回路に関するものである。前記各実施例と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図12は、本発明の実施例9における信号処理部のブロック図を示し、図13は、本発明の実施例9における主要な信号の波形図を示している。
図12において、光電変換部は、実施例1から4の光電変換部5、11、またはバックモニタ17の何れか一つを示している。信号抽出部6により、回転角度基準位置信号を生成するための原信号となる受光信号を抽出する。信号抽出部6から出力される反射部3aの反射光による信号のうち、例えば、現在に最も近い信号の時系列データをデータ保持部31によって保持し、その1つ前の時系列データをデータ保持部32にて保持する。データ保持部32を基準として相対的遅延時間変化部33によって、保持部31の時系列データを所定の単位時間ずつ遅延時間を変化させて、各々の場合の相関値を相関値演算部34によって演算する。相関最大検出部35によって相関値が最大となる遅延時間を検出し、回転角度基準位置信号生成部36にて回転角度基準位置信号を生成する。また、回転角速度計測部37では、相関最大検出部35によって相関値が最大となる遅延時間を検出したときの相対的遅延時間変化部33の状態により信号時間間隔を計測し、回転角速度を求めることが可能である。
【0035】
相対的遅延時間変化部33は、シフトレジスタで構成する事も可能であるが、データ保持部からの読み出し経路をセレクタで切り替えるような構成でも実現可能である。またマイクロプロセッサなどを用いて、データ保持部31,32からの読み出し方を変えることによっても実現できる。
また、相関値演算部34の簡単な例としては、減算部、絶対値演算部及び積分部で構成することが可能である。この場合積分演算結果が小さいほど相関が強く、零の場合は完全に一致したことを示す。
【0036】
図13は、相関値演算部34、回転角度基準位置信号生成部36、および回転角速度計測部36のそれぞれの動作を説明するための各データを示す波形図である。
図13の(a)の波形は、データ保持部32が保持している基準波形であり、例えば、現在に最も近いデータの1つ前の時点の時系列データを表わしている。図13の(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)は、データ保持部31に保持している例えば、現在に最も近い時系列データを示す波形であり、相対的遅延時間変化部33によってΔtずつ遅延させた遅延時間が異なるものを表わしている。それぞれの波形の遅延時間は、(b):T(n)−2×Δt、(c):T(n)−Δt、(d):T(n)、 (e):T(n)+Δt、(f):T(n)+2×Δtである。
ここでT(n)はn−1番目からn番目までの信号の時間間隔すなわち周期を表わしている。
また、図13の(g)、(h)、(i)、(j)及び(k)は、図13の(a)の基準時系列データから、図13の(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)の各時系列データを減算して絶対値をとったデータの波形である。
【0037】
各相対遅延時間毎の相関値は、図13の(g)〜(k)の波形の積分値、すなわち波形のなす面積であり、これが一番小さいデータ(i)が最大の相関値となっていることを表わしている。実際には、これらの相関値演算処理は、Δt毎の時間順序で行われる。この場合、Δt毎の各相対的遅延時間における相関値を図13の(l)の波形のように時系列信号に並べ替え、その値が最小となるタイミングで図13の(m)に示す波形の回転角度基準位置信号を生成させこともできる。
さらに、図13の(n)のように、最大の相関値を検出したときの相対的遅延時間T(n)を信号時間間隔データとして保持する。この信号時間間隔データに所定の係数をかければ回転角速度信号が得られる。
【0038】
【発明の効果】
各実施例で詳細に説明したように、本発明によれば、回転角度基準位置信号の生成または回転角速度を、専用の光学素子および光電変換素子を用いずに走査装置において走査光を検出するための光学素子および光電変換素子を利用して計測する。これにより光学走査装置の部品点数が削減され付随する組立て調整工程がなくなるので、構造の簡略化とコストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における光学走査装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施例1における光学走査装置の動作を示す主要な信号の波形図
【図3】本発明の実施例2における光学走査装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施例3における光学走査装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施例4における光学走査装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施例5における信号処理部のブロック図
【図7】本発明の実施例6における信号処理部のブロック図
【図8】本発明の実施例6における動作を示す主要な信号の波形図
【図9】本発明の実施例7における信号処理部のブロック図
【図10】本発明の実施例7における動作を示す主要な信号の波形図
【図11】本発明の実施例8における信号処理部のブロック図
【図12】本発明の実施例9における信号処理部のブロック図
【図13】本発明の実施例9における動作を示す主要な信号の波形図
【図14】従来の技術における光学走査装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 投光ビーム発生部
2 回転ミラー
3a、3b、3c 反射部
4、47 偏向部
5、11 光電変換部
6、6a、6b、6c 信号抽出部
7、7a、7b、7c 回転角度基準位置信号生成部
7d、7e、7f、7g 回転角度基準位置信号生成部
8 回転角速度計測部
9 投光ビーム光軸
10、12、13、18 反射光の光軸
14 投光ビーム発生部
15 半導体レーザーチップ
16 光学素子
17 バックモニタ
21、 21a、21b、31、32 データ保持部
22 微分演算部
23 極性変化検出部
24 積分部
25 1/2積分値検出部
33 相対的遅延時間変化部
34 相関値演算部
35 相関最大検出部
41 光学素子
42 光電変換素子
43 2値化部
44 信号時間間隔測定部
45 ナイフエッジ
46 絞り
36 回転角度基準位置信号生成
37 回転角速度計測部

Claims (3)

  1. 光学走査用の投光ビームを発生するための投光ビーム発生部、前記投光ビーム発生部から射出される投光ビームの光路を偏向させて光学走査をするための回転ミラー、
    前記回転ミラーによって偏向された投光ビームを反射させて再び前記回転ミラーに入射するように配置した反射部、
    前記回転ミラーにより再び反射された前記反射部からの反射光のうち前記投光ビームの光軸の近傍を通る反射光を受光するように配置した、走査有効領域での被走査物体からの反射光および前記反射部からの反射光を受けて光電変換する光電変換部、
    前記光電変換部から出力される電気信号から、前記反射部によって反射された光による電気信号を抽出するための信号抽出部、
    前記抽出された電気信号から、回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時の回転ミラーの回転角で定義される回転角度基準位置を決めるための回転角度基準位置信号を生成する回転角度基準位置信号生成部、及び
    前記回転角度基準位置信号に基づいて、回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時間間隔を計測して、前記回転ミラーの回転角速度を求める回転角速度計測部を備え
    前記光電変換部または前記信号抽出部から出力される異なる2つの信号の各時系列データを保持するために設けた第1および第2のデータ保持部、前記第1および第2のデータ保持部に保持されている2つの時系列データ間の相対的遅延時間を変化させる相対的遅延時間変化部、前記第1および第2のデータ保持部により保持されている2つの時系列データに対して相互の相関を求める演算を行う相関値演算部、及び前記相関値演算部から得られる相関値が最大となる時点を検出する相関最大検出部、を備えたことを特徴とする光学走査装置。
  2. 光学走査用の投光ビームを発生するための投光ビーム発生部、前記投光ビーム発生部から射出される投光ビームの光軸と回転軸が略垂直になるように配置した回転ミラー、
    前記回転ミラーによって偏向された投光ビームを反射させて再び前記回転ミラーに入射するように配置した反射部、
    前記回転ミラーにより反射される反射光のうち前記投光ビームの光軸の近傍を通る反射光を受光するように配置した光電変換部、
    前記光電変換部から出力される電気信号から、前記投光ビームの光軸と前記回転ミラーの反射面とが垂直となるときの反射光による電気信号を抽出するための信号抽出部、
    前記抽出された電気信号から、回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時の回転角度基準位置を決めるための回転角度基準位置信号を生成する回転角度基準位置信号生成部、及び
    前記回転角度基準位置信号に基づいて、回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時間間隔を計測して前記回転ミラーの回転角速度を求める回転角速度計測部を備え
    前記光電変換部または前記信号抽出部から出力される異なる2つの信号の各時系列データを保持するために設けた第1および第2のデータ保持部、前記第1および第2のデータ保持部に保持されている2つの時系列データ間の相対的遅延時間を変化させる相対的遅延時間変化部、前記第1および第2のデータ保持部により保持されている2つの時系列データに対して相互の相関を求める演算を行う相関値演算部、及び前記相関値演算部から得られる相関値が最大となる時点を検出する相関最大検出部、を備えたことを特徴とする光学走査装置。
  3. 光学走査用の投光ビームを発生するための投光ビーム発生部、前記投光ビーム発生部から射出される投光ビームの光路を偏向させて光学走査をするための回転ミラー、
    前記回転ミラーによって偏向された投光ビームを反射させて再び前記回転ミラーに入射するように配置した反射部、
    前記回転ミラーにより再び反射された前記反射部からの反射光のうち前記投光ビームの光軸の近傍を通る反射光を受光するように配置した、走査有効領域での被走査物体からの反射光および前記反射部からの反射光を受けて光電変換する光電変換部、
    前記光電変換部から出力される電気信号から、前記反射部によって反射された光による電気信号を抽出するための信号抽出部、
    前記抽出された電気信号から、回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時の回転ミラーの回転角で定義される回転角度基準位置を決めるための回転角度基準位置信号を生成する回転角度基準位置信号生成部、及び
    前記回転角度基準位置信号に基づいていて、回転ミラーの回転により偏向される投光ビームが前記反射部を横切る時間間隔を計測して、前記回転ミラーの回転角速度を求める回転角速度計測部を備え、
    光電変換部と信号抽出部と回転角度基準位置信号生成部とを有する組を少なくとも2組備え、
    前記それぞれの組により生成された複数の回転角度基準位置信号から所望の回転角度基準位置信号を選択するかまたは複数の回転角度基準位置信号を合成する回転角度基準位置信号生成部を備え、
    前記光電変換部または前記信号抽出部から出力される異なる2つの信号の各時系列データを保持するために設けた第1および第2のデータ保持部、前記第1および第2のデータ保持部に保持されている2つの時系列データ間の相対的遅延時間を変化させる相対的遅延時間変化部、前記第1および第2のデータ保持部により保持されている2つの時系列データに対して相互の相関を求める演算を行う相関値演算部、及び前記相関値演算部から得られる相関値が最大となる時点を検出する相関最大検出部、を備えたことを特徴とすることを特徴とする光学走査装置。
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