JP4677628B2 - 欠陥検出装置及び欠陥検出方法並びにパターン基板の製造方法 - Google Patents

欠陥検出装置及び欠陥検出方法並びにパターン基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は欠陥検出装置及び欠陥検出方法並びにパターン基板の製造方法に関する。
LSIの微細化に伴い、半導体ウエハやマスクブランクス、フォトマスク等の表面に存在する微小な欠陥を正確に検出することができる欠陥検出装置の開発が行われている。例えば、本件の出願人から、基板表面の欠陥の凹凸判定を行う欠陥検出装置が開示されている(特許文献1)。この欠陥検出装置を用いることにより、例えば、50nm程度の微小な欠陥の凹凸を正確に検出することができる。
この検出装置では、例えば、光路の半分を遮光する遮光板を検出器の前に配置し、この遮光板で走査方向と対応する方向の片側半分の光を遮っている。そして、欠陥の傾斜面の傾きを利用して凹凸判定を行っている。例えば、凸状欠陥の場合、検出器の出力信号には正のピークと負のピークがこの順で発生し、凹状欠陥の場合、出力信号には負のピークと正のピークがこの順で発生する。正負のピークが表れる順番により、欠陥の形状を判定することができる。
特開2003−4654号公報
しかしながら、このような欠陥検出装置には以下のような問題点があった。上述の欠陥検出装置では、出力信号のレベルが一定以上となる部分を欠陥部分として検出していた。従って、スライスレベルを低く設定するとノイズを欠陥として誤検出してしまう。よって、誤検出を防ぐため、低いスライスレベルを設定することができず、検出感度を向上することができなかった。また、欠陥のサイズは出力信号がスライスレベルを超えた時間で決定していたため、サンプリングレートで量子化された荒い分類しかできなかった。さらにノイズ等により正又は負のピークが一方しかスライスレベルを超えない場合があるため欠陥タイプの分類が困難でその精度も悪かった。
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、検出感度を向上することができる欠陥検出装置及び欠陥検出方法並びにそれを用いたパターン基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる欠陥検出装置は、光ビームを発生する光源と、前記光ビームを集光して試料に入射させる対物レンズと、前記対物レンズから前記試料に入射した光ビームのうち前記試料の表面で反射した反射光を受光し、受光した前記反射光に基づく出力信号を出力する光検出器と、前記光源から試料に向かう光ビームと前記試料から前記光検出器に向かう反射光とを分離するビームスプリッタと、前記光ビームの前記試料との相対位置を走査する走査手段と、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間の光路中に配置され、前記試料における前記光ビームの走査方向と対応する方向の片側半分の光路を遮光する遮光板と、欠陥判定を行うための基準となる欠陥箇所における前記出力信号に基づく基準信号と、前記相対位置を走査したときの前記出力信号に基づく検出信号との相関値を算出する相関値算出部と、前記相関値に基づいて欠陥か否かを判定する欠陥判定部とを備えるものである。これにより、高感度で欠陥検出を行うことができる。
本発明の第2の態様にかかる欠陥検出装置は、上述の欠陥検出装置において、前記基準信号を記憶する基準信号記憶部をさらに備え、前記基準信号記憶部に記憶された前記基準信号を構成する前記基準データに基づいて前記相関値を算出するものである。これにより、高感度で欠陥検出を行うことができる。
本発明の第3の態様にかかる欠陥検出装置は、上述の欠陥検出装置において、欠陥判定を行うための基準となる欠陥箇所における前記出力信号に基づいて前記基準信号を算出する基準信号算出部をさらに備え、前記基準信号算出部で第1の欠陥に対応する第1の基準信号と、前記第1の欠陥と異なる種類の第2の欠陥に対する第2の基準信号を算出し、前記基準信号記憶部に前記第1の基準信号及び第2の基準信号を記憶させ、前記相関値算出部が前記第1の基準信号に基づいて第1の相関値を算出するとともに、前記第2の基準信号に基づいて第2の相関値を算出し、前記欠陥判定部が第1の相関値に基づいて前記第1の欠陥と同種の欠陥が存在するか否かを判定するとともに、前記第2の相関値に基づいて前記第2の欠陥と同種の欠陥が存在するか否かを判定するものである。これにより、異なる種類の欠陥について高感度の欠陥検出を行うことができるため、欠陥の種別判定の精度を向上することができる。
本発明の第4の態様にかかる欠陥検出装置は、上述の欠陥検出装置において、前記検出信号を構成する検出データがアナログデータであることを特徴とするものである。これにより、欠陥検出速度を向上することができる。
本発明の第5の態様にかかる欠陥検出装置は、上述の欠陥検出装置において、前記相対位置を走査したときの前記出力信号を遅延素子により遅延して前記検出データを生成するものである。これにより、簡易な構成で欠陥検出を行うことができる。
本発明の第6の態様にかかる欠陥検出装置は、上述の欠陥検出装置において、前記基準となる欠陥箇所における出力信号が少なくとも2つのピークを有し、前記2つのピークの時間間隔に基づいて前記基準信号を構成する2つの基準データの時間間隔が決定され、前記相対位置を走査したときの前記出力信号を前記遅延素子で前記2つのピークの時間間隔に対応する時間遅延して2つの検出データを生成し、前記検出信号が前記2つの検出データのみで構成されているものである。これにより、簡易な構成で欠陥検出感度を向上することができる。
本発明の第7の態様にかかる欠陥検出装置は、上述の欠陥検出装置において、前記2つのピークが基準レベルに対して正のピークと負のピークとからなるものである。これにより、高感度で欠陥検出を行うことができる。
本発明の第8の態様にかかる欠陥検出方法は、光ビームを集光して、試料に入射させるステップと、前記試料に入射した光ビームのうち、前記試料で反射された反射光と前記試料に入射する光ビームとを分岐するステップと、前記光ビームから分岐された前記反射光のうち、前記試料における前記光ビームの走査方向と対応する方向の片側半分の光を遮光するステップと、前記光ビームの前記試料との相対位置を走査しながら、前記遮光するステップにおいて遮光されなかった前記反射光を検出するステップと、前記検出された反射光に基づく出力信号を出力するステップと、欠陥判定を行うための基準となる欠陥箇所における前記出力信号に基づく基準信号を算出するステップと、前記相対位置を走査したときの前記出力信号に基づく検出信号を算出するステップと、前記基準信号と前記検出信号との相関値を算出するステップと、前記相関値に基づいて欠陥か否かを判定するステップとを備えるものである。これにより、高感度で欠陥検出を行うことができる。
本発明の第9の態様にかかる欠陥検出方法は、上述の欠陥検出方法において、前記基準信号を算出するステップでは、第1の欠陥に対応する第1の基準信号と、前記第1の欠陥と異なる種類の第2の欠陥に対する第2の基準信号を算出し、前記相関値を算出するステップでは、前記第1の基準信号に基づいて第1の相関値を算出するとともに、前記第2の基準信号に基づいて第2の相関値を算出し、前記欠陥か否かを判定するステップでは、第1の相関値に基づいて前記第1の欠陥と同種の欠陥が存在するか否かを判定するとともに、前記第2の相関値に基づいて前記第2の欠陥と同種の欠陥が存在するか否かを判定するものである。これにより、異なる種類の欠陥について高感度の欠陥検出を行うことができるため、欠陥の種別判定の精度を向上することができる。
本発明の第10の態様にかかる欠陥検出方法は、上述の欠陥検出方法において、前記検出信号を構成する検出データがアナログデータにより構成されているものである。これにより、欠陥検出速度を向上することができる。
本発明の第11の態様にかかる欠陥検出方法は、上述の欠陥検出方法において、前記基準信号を算出するステップでは、前記基準となる欠陥箇所における前記出力信号の2つのピークの時間間隔に基づいて基準信号を構成する2つの基準データの時間間隔を設定し、
前記検出信号を構成する2つの検出データが前記基準データの時間間隔となるよう前記出力信号を遅延するものである。これにより、高感度で欠陥検出を行うことができる。
本発明の第12の態様にかかるパターン基板の製造方法は、上述の欠陥検出方法により前記試料である基板の欠陥を検出するステップと、前記欠陥を検出するステップにより検出された欠陥を修正するステップと、前記欠陥が修正された基板にパターンを形成するステップとを有するものである。これにより、パターン基板の生産性を向上することができる。
本発明の第13の態様にかかるパターン基板の製造方法は、上述の欠陥検出方法により前記試料であるマスクブランクスの欠陥を検出するステップと、前記欠陥を検出するステップにより検出された欠陥を修正するステップと、前記欠陥が修正されたマスクブランクスにパターンを設け、マスクを製造するステップと、前記マスクを用いて基板を露光するステップとを有するものである。これにより、パターン基板の生産性を向上することができる。
本発明によれば、検出感度が向上された欠陥検出装置及び欠陥検出方法並びにそれを用いたパターン基板の製造方法を提供することを提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能であろう。尚、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略される。
発明の実施の形態1.
本発明にかかる欠陥検出装置について図1を用いて説明する。図1は本発明にかかる欠陥検出装置の一例を模式的に示す図である。本実施の形態では共焦点光学系を用いた欠陥検出装置を示している。ここでは、試料であるマスクブランクスで検出された欠陥が凸状欠陥であるか否かを判定する例について説明する。1は光源、2はビームスプリッタ、3は対物レンズ3は試料、5はピンホール、6は検出器、7は遮光板、8はXYステージ、9は処理装置である。図1(a)は凸状欠陥の徐々に高くなる傾斜面を光スポットが走査する様子を示す図である。図1(b)は凸状欠陥の徐々に低くなる傾斜面を光スポットが走査する様子を示す図である。また、図1において、光束を示す線のうち、実線は、対物レンズ3の焦点面に位置する平坦な試料表面からの仮想した反射光を示し、破線は欠陥の傾斜面からの反射光を示す。なお、図1において説明を明確にするため、試料4及びXYステージ8を拡大して図示している。
光源1はレーザやランプなどの光を放出する光源であり、ここでは共焦点光学系を用いるため点光源であるレーザ光源を使用している。光源1からの光はビームスプリッタ2に入射する。ビームスプリッタ2に入射した光源1からの光のうち、一部はビームスプリッタ2を透過して試料4の方向に進行する。ビームスプリッタ2を透過した光は対物レンズ3に入射する。対物レンズ3は入射した光ビームを微小スポット状に集束し、対物レンズ3の焦点位置に配置した試料4上に投射する。試料4としてはパターンが形成されていない半導体ウエハやマスクブランクスが適している。もちろん、これ以外の基板であってもよい。この試料4はXYステージ8の上に載置されている。XYステージ8は図示しないXY駆動機構に接続されている。このXYステージ8を移動することによって、試料4を走査することができる。ここでは、図1に示すようXYステージ8を矢印の方向に移動して、走査する場合について考える。
試料表面で反射した反射光は対物レンズ3で屈折され、ビームスプリッタ2に入射する。ビームスプリッタ2に入射した光のうち一部は検出器6の方向に反射される。これにより、試料4に入射する光ビームと試料表面での反射光を分岐することができる。検出器6はフォトダイオードやフォトマルチプライヤなどの光検出器であり、受光した光に基づく信号を処理装置9に出力する。検出器6とビームスプリッタ2との間にはピンホール5が配設されている。このピンホール5が光軸上に配置されるよう、ピンホール5を検出器6の受光面の手前に配設している。ピンホール5と試料4並びに光源1と試料4とは互いに共役な位置関係になっており、共焦点光学系を構成している。対物レンズ3の焦点位置に配置された試料表面で反射された反射光はピンホール5にを通過することができる。一方、焦点位置からずれた試料表面からの反射光はピンホール5を通過することができず、検出器6の信号強度が低下する。このような共焦点光学系により、高い分解能で検出を行うことができる。
さらに、本発明では、ピンホール5とビームスプリッタ2との間の光路中に遮光板7が配設されている。遮光板7は反射光の光路の片側半分を遮光するように配置されている。すなわち、ビームスプリッタ2により検出器6の方向に反射された反射光のうち、片側半分が遮光板7により遮光される。一方、遮光板7が配置された片側半分と反対側の片側半分を通過した反射光のうちピンホール5を通過した光が検出器6で検出される。さらに、この遮光板7は試料4の走査方向に対応した方向の片側半分の光を遮光するように配置されている。ここでは、遮光板7が走査方向の前側半分を遮光するように配置されている。
この遮光板7を用いることにより、走査方向に対して徐々に高くなる傾斜面か低くなる傾斜面かによって、検出器6から出力される出力信号のレベルに差が現れる。例えば、徐々に高くなる傾斜面に光源からの光スポットが走査されている場合、試料表面で反射された反射光は、図1(a)に示すように平坦面で反射された反射光よりも走査方向に対して後方に変位して反射される。したがって、走査方向の前側半分に配置された遮光板7によって遮られる光量は、平坦面で反射された光が遮光板7によって遮られる光量よりも小さくなる。よって、試料4の正常な箇所に光スポットが入射したときよりも検出器6に受光される光量が増加し、出力信号のレベルが高くなる。
一方、図1(b)に示すように走査方向に対して徐々に低くなる傾斜面に光スポットが照射されている場合、試料表面で反射された反射光は平坦面で反射された反射光よりも走査方向に対して前方に変位して反射される。したがって、走査方向の前側半分に配置された遮光板7によって遮られる光量は、平坦面で反射された光が遮光板7によって遮られる光量よりも大きくなる。よって、試料4の正常な箇所に光スポットが入射したときよりも検出器6で受光される光量が減少し、出力信号のレベルが低くなる。
このように試料4の傾斜面が走査方向に対して徐々に高くなるか低くなるかによって出力信号のレベルが変化する。これにより、凹状欠陥か凸状欠陥かによって出力信号の信号波形が図2に示すように異なる信号波形となる。例えば、凸状欠陥では徐々に高くなる傾斜面の後、徐々に低くなる傾斜面が現れるため、出力信号の信号波形は信号波形10aに示すようになる。すなわち、信号波形10aには最初に上に凸のピークが表れ、その後に下に凸のピークが表れる。ここで、正常な平坦面におけるレベルを基準レベルとし、この基準レベルを0とすると、凸状欠陥では、正のピークが現れた後、負のピークが表れる。
一方、凹状欠陥では、凸状欠陥と反対の順番でピークが現れる。すなわち、凹状欠陥では、徐々に低くなる傾斜面の後、徐々に高くなる傾斜面が現れるため、出力信号の四号波形が信号波形10bに示すようになる。信号波形10bには最初に下に凸のピークが表れ、その後に上に凸のピークが表れる。ここで、基準レベルを0とすると、凹状欠陥では負のピークが表れた後、正のピークが表れる。すなわちピークが出現する順番が反対になる。このように凹状欠陥か凸状欠陥かに応じて出力信号が異なる信号波形となる。なお、図2は凸状欠陥箇所及び凹状欠陥箇所における理想的な信号波形を示している。
処理装置9では、検出器6からの出力信号に応じて凹凸判定を行っている。パーソナルコンピュータ等を有する情報処理装置であり、出力信号に基づいて欠陥判定を行う。さらに処理装置9はXYステージ8の駆動機構に接続されており、XYステージの位置から試料上における光スポットの位置を検出することができる。これにより、試料を走査している間の出力信号における時間と試料上の位置とが対応付けられる。この光スポットの位置と出力信号に基づく欠陥判定結果により、試料上における欠陥位置とその種別が特定される。
本発明にかかる欠陥検出装置に用いられている処理装置9には、正確に凹凸判定を行うため、典型的な凸状欠陥と凸状欠陥とにおける出力信号がそれぞれ基準信号として記憶されている。そして、その典型的な欠陥箇所における欠陥波形と試料での検出波形が類似するか否かによって、凹凸判定を行っている。すなわち、試料4での検出波形が凸状欠陥での典型的な欠陥波形に類似している場合は、凸状欠陥と判定する。一方、試料4での検出波形が凹状欠陥での典型的な欠陥波形に類似している場合は、凹状欠陥と判定する。この凹凸判定処理について図3及び図4を用いて説明する。図3は処理装置の構成を示すブロック図である。図4は出力信号とデータを示す図である。本実施の形態ではデジタル処理により欠陥判定を行っている一例に説明する。
まず、典型的な欠陥部分を基準となる欠陥とし、この欠陥箇所に対して光スポットを走査する。基準信号算出部11は、基準となる欠陥箇所における出力信号の信号波形から基準信号を算出する。例えば、基準となる典型的な凸状欠陥においての出力信号を複数回取り込み、平均化処理によってノイズを除去する。これにより、欠陥判定を行うときに参照される基準信号を求めることができる。このとき、出力信号を取り込む凸状欠陥は同じものについて複数回取り込んでもよく、同じ種類の複数の欠陥について複数回取り込んでも良い。この基準信号は具体的には図2の出力信号の信号波形10aに基づく波形となる。そして、この基準信号における信号レベルをA/D変換してデジタルデータに変換する。このように、典型的な欠陥における出力信号から抽出されたデジタルデータに基づいて基準信号を生成する。
基準信号記憶部12はレジスタ等の記憶装置で構成され、基準信号算出部11が算出した基準信号のデータを記憶する。なお、この処理を凸状欠陥に加えて凹状欠陥についても行い、それぞれの出力信号から2種類の基準信号を算出する。そして、基準信号記憶部12にそれぞれの欠陥に対応する基準信号のデータを記憶する。これにより、凸状欠陥についての出力信号波形に基づく基準信号と凹状欠陥についての出力信号波形に基づく基準信号とが基準信号記憶部12に記憶される。したがって、基準信号記憶部12には2種類の基準信号を構成するデータが記憶される。
典型的な欠陥箇所での出力信号の信号波形と基準信号を構成するデータの一例を図4(a)に示す。図4(a)に示す信号波形は図2で示した凸状欠陥と同様のものである。基準信号を構成するデータを図4に示すよう基準データ61とする。また、基準となる凸状欠陥での出力信号の信号波形を信号波形62とする。それぞれの基準データ61はある時間における信号波形62のレベルに対応したデータになる。ここでは、基準信号は5つの基準データから構成されるものとし、そのそれぞれを検出順に基準データ61a〜61eとする。
基準データ61aは信号波形62の基準レベルから立ち上がる立上がり近傍のレベルに対応し、基準データ61eは信号波形62の基準レベルまで立ち上がる立上がり近傍のレベルに対応している。また、基準データ61bは正のピーク近傍のレベルに対応し、基準データ61dは負のピーク近傍のレベルにしている。そして、基準データ61cは基準データ61bと基準データ61dとの中間のレベル、すなわち、平坦面における基準レベルに対応している。これらの基準データ61はサンプリングレートに基づく時間間隔で抽出されている。このため、各基準データ61とその隣りの基準データ61との時間間隔はそれぞれ等しくなる。この5つの基準データ61が基準信号を構成するデータとして、基準信号記憶部12に記憶される。ここで、基準信号は典型的な欠陥箇所における出力信号のレベルに対応したデータにより構成される。
なお、ここでは基準信号が5つの基準データから構成される例を示すが、基準信号は2以上のデータから構成されていればよい。ただし、図4(a)に示す欠陥位置の信号波形において、複数のデータが基準データとして含まれるようにする。すなわち、欠陥の信号波形が現れる時間において複数の基準データが抽出されるよう、A/D変換のサンプリングレートを速くする。例えば、欠陥の信号波形が現れる時間を100nsecとすると、サンプリングレートは100MHz以上とし、基準データ61を抽出する時間間隔を10nsec以上とする。
次に、検出対象である試料4について光スポットを走査し、試料4の全面又は必要な領域の検査を行う。検出信号記憶部13はシフトレジスタ等で構成され、試料上を走査したときの出力信号に基づいた検出信号を記憶する。すなわち、試料上を走査している間、検出器6から出力された出力信号に基づく信号を検出信号として記憶する。具体的には、基準信号での処理と同様に出力信号をA/D変換し、デジタルデータに変換する。出力信号から抽出されたデジタルデータが検出信号を構成するデータとして検出信号記憶部13に記憶される。A/D変換されたデジタルデータのうち、検出信号記憶部13に記憶させるデータ数は基準信号を構成するデータ数と同じ数とする。すなわち、基準信号のデータ数と同じ数のデータを使用して、欠陥の種別判定を行う。
試料4における出力信号の信号波形と検出信号を構成するデータの一例を図4(b)に示す。図4(b)には試料4上において検出した領域の一部に対応する出力信号の信号波形72が示されている。ここでは、その領域に凸状欠陥が存在しているものとする。すなわち、信号波形72には図2に示した凸状欠陥に対応する信号波形が含まれる。なお、試料4上での欠陥箇所における出力信号は図4(a)に示す基準信号の信号波形62と略同じ信号波形になる。所定のサンプリングレートでA/D変換されたデータを検出データ71とする。そして、検出データ71のそれぞれを検出順に検出データ71a〜71gとする。ここでは、7つの検出データ71が示されているが、検出データ71の数は試料4上で光スポットを走査した領域に対応する数となる。これらの検出データ71はサンプリングレートに基づく時間間隔で抽出されているため、隣りの検出データ71との時間間隔はそれぞれ等しくなる。ここでは、まず、検出データ71a〜検出データ71eが検出信号を構成する。検出信号は、試料上における出力信号のレベルに対応した検出データ71により構成される。ここでは、検出データ71a〜検出データ71gまでの時間は、欠陥箇所における信号波形が表れる時間に略対応している。
ここで、検出信号のデータと基準信号のデータとを同じサンプリングレートでA/D変換するように設定する。これにより、データがサンプリングされる時間間隔が検出信号と基準信号とで、等しくなる。すなわち、基準信号は基準信号から一定時間間隔で抽出されたデータにより構成される。検出信号は試料4の検出信号から一定時間間隔で抽出されたデータより構成される。そして、検出信号を構成するデータが抽出される時間間隔と基準信号を構成するデータが抽出される時間間隔とは同じ時間間隔となる。また、典型的な欠陥箇所と試料4とで、光スポットの走査速度を同じにする。これにより、検出データ71間の時間間隔に対応する試料4上での空間間隔と基準データ61間の時間間隔に対応する試料4上での空間間隔とが同じ間隔になる。
相関値算出部14はこの検出信号と基準信号とに基づいて相関値を算出する。この相関値は検出信号と基準信号とがどの程度類似しているかを示す値である。例えば、検出信号を構成する検出データ71と基準信号を構成する基準データ61とを乗算し、足し合わせた値が相関値となる。図4に示す場合、検出データ71aと基準データ61a、検出データ71bと基準データ61b、検出データ71cと基準データ61c、検出データ71dと基準データ61d、検出データ71eと基準データ61e、をそれぞれ乗算する。そして、これら5つの乗算結果を足し合わせたものを相関値とすることができる。
相関値算出部14は入力される検出信号に対して、繰り返し相関値を算出する。これにょり、検出データ71を順番にずらした時の相関値が順次算出される。例えば、上述のように検出データ71a〜検出データ71eを検出信号とし1番目の相関値を求めた後、1サンプルずらし、検出データ71b〜検出データ71fを検出信号として2番目の相関値を求める。さらにその後、もう1サンプルずらし、検出データ71c〜検出データ71gを検出信号として、3番目の相関値を算出する。これを繰り返し行い、走査した領域に対応する出力信号全体に対して、相関値を算出する。この相関値を順番に並べたものが相互相関関数となる。この相互相関関数が相互相関関数記憶部15に記憶される。相互相関関数では、時間が独立変数(すなわち、試料上における位置)となり、その時間における相関値が従属変数となる。
検出データ71が欠陥位置での検出信号の信号波形に基づくデータである場合、基準信号の信号波形と検出信号の信号波形とが類似する。このため、相関値が大きくなる。すなわち、図4に示す例では、検出信号が検出データ71b〜検出データ71fで構成されるとき、最も相関値が大きくなる。一方、検出信号が検出データ71a〜検出データ71eで構成されるときの相関値、及び検出信号が検出データ71c〜検出データ71gで構成されるときの相関値は検出データ71b〜検出データ71fの時の相関値より小さくなる。そして、検出信号が検出データ71b〜検出データ71fで構成される時からずれるにしたがって、相関値は小さくなる。
欠陥種別判定部16はこの相関値に基づいて欠陥か否かを判定する。すなわち、相関値がしきい値(スライスレベル)よりも大きいとき、欠陥と判定する。一方、相関値がしきい値よりも小さいときは欠陥がない正常箇所として判定する。そして、試料4上における光スポットの位置に基づいて、欠陥箇所を特定する。さらに欠陥種別判定部16は欠陥の種別を判定する。すなわち、凸状欠陥の基準信号と検出信号とに基づいて相関値を算出するのみでなく、凹状欠陥の基準信号と検出信号とに基づいて相関値を算出する。この凸状欠陥に対する相関値がしきい値を超えた場合、凸状欠陥であると判定し、凹状欠陥に対する相関値がしきい値を超えた場合、凹状欠陥であると判定する。これにより、凸状欠陥か凹状欠陥かと判定することができる。これらのしきい値を凸状欠陥と凹状欠陥とで同じ値でもよく、異なる値でもよい。
なお、図2に示すような欠陥箇所に対応する信号波形が現れる時間は、通常、試料4上における光のスポット径、走査速度及び欠陥の大きさ(欠陥サイズ)に依存する。しかしながら、欠陥の大きさに比べて光のスポット径が十分大きい場合、欠陥箇所に対応する信号波形が現れる時間は欠陥サイズに依存しなくなる。例えば、欠陥サイズを50nm程度とし、光のスポット径(ピーク強度に対して1/eの強度における幅)を500nm程度とした場合、欠陥箇所に対応する信号波形が現れる時間は走査速度と光のスポット径とに依存する。この場合、欠陥箇所に対応する信号波形は光の強度分布を微分した波形となる。よって、欠陥箇所に対応する信号波形は欠陥サイズによらず、同じ時間幅となる。
欠陥サイズ判定部17は相関値の大きさに基づいて欠陥サイズを判定する。すなわち、相関値の大きさは欠陥サイズとの相関が大きいため、相関値の大きさに応じて欠陥サイズを求めることができる。上述のように光のスポット径に比べて欠陥サイズが小さい場合、欠陥サイズによって信号波形の時間幅に差が生じない。しかしながら、光のスポット径に比べて欠陥サイズが小さい場合であっても、欠陥サイズによって信号波形のレベルに差が生じる。すなわち、光のスポット径に比べて欠陥サイズが小さい場合、欠陥サイズが大きいと、光スポットにうち傾斜面に入射する部分が大きくなる。この場合、平坦面で反射される反射光に比べて遮光板7で遮光される光量又は遮光板7により遮光されず検出器に入射する光量が増加する。したがって、出力信号のレベルは欠陥サイズに応じて変化する。光のスポット径に比べて欠陥サイズが小さい場合であっても、欠陥サイズに応じて欠陥箇所での信号波形のレベルと正常箇所での信号波形のレベル(基準レベル)との変位が変化する。すなわち、欠陥サイズが大きいと、欠陥箇所での信号波形のレベルと正常箇所での信号波形のレベルの変位が大きくなり、欠陥サイズが小さいと、欠陥箇所での信号波形のレベルと正常箇所での信号波形のレベルとの変位が小さくなる。
上述のように光スポットのスポット径に比べて欠陥サイズが十分小さい場合、欠陥箇所に対応する信号波形は欠陥サイズによらず同じ時間幅となるが、信号波形のレベルが変化する。このとき、欠陥箇所と正常箇所との間で、信号波形のレベルの変位が大きいと相関値が大きくなり、信号波形のレベルの変位が小さいと相関値が小さくなる。欠陥サイズ判定部17はこの相関値の大きさに基づいて欠陥サイズを出力する。すなわち、欠陥サイズ判定部17は欠陥と判定された箇所における相関値の大きさに基づいて欠陥のサイズを判定する。
上述の欠陥検出方法により、従来の検出方法に比べて、より高感度で欠陥を検出することができる。すなわち、従来はスライスレベルを超えたか否かにより欠陥か否かを判定していたため、ノイズ等の影響によって低いスライスレベルを設定することができず、検出感度を向上することが困難であった。本発明では検出信号と基準信号との相関値によって欠陥か否かを判定しているため、検出感度を向上することができる。また、従来はスライスレベルを超える順番で凸状欠陥か凹状欠陥かの種別判定を行っていたため、一方のスライスレベルしか超えない検出信号については凹状欠陥か凸状欠陥かを判定することができなかった。本発明では相関値に基づいて凹凸判定を行うことができるため、より正確に凹凸判定をすることができる。
さらに、本発明では、相関値の大きさに基づいて欠陥サイズを判定しているため、より正確な欠陥サイズを検出することができる。すなわち、従来は検出信号がスライスレベルを超えた時間の長さで欠陥サイズを判定していたため、サンプリングレートで量子化されたサイズとしか判定することができなかった。したがって、本発明では相関値の大きさに基づいて欠陥サイズを判定しているため、より高い分解能で欠陥サイズを検出することができる。
上述の処理装置9を実現するために具体的な構成の一例について図5に示す。図5は処理装置9に設けられたデジタル回路の構成を示す図である。21はA/D変換器、22はシフトレジスタ、23はレジスタ、24は乗算器、25は加算器、26は比較器、27はスライスレベルレジスタである。
検出器6からの出力信号はA/D変換器21に入力される。このとき、検出器からの出力にハイパスフィルタを設けて、直流成分を取り除くことが好ましい。A/D変換器21は出力信号の欠陥箇所での変化よりも十分高速なサンプリングレートでA/D変換を行う。すなわち、図4(a)に示すよう欠陥箇所の信号波形が表れる期間において、複数のデジタルデータが生成されるようにする。
基準となる欠陥箇所でのデジタルデータが基準データとしてレジスタ23に記憶される。基準信号はこのレジスタ23に記憶されたデジタルデータから構成される。すなわち、レジスタ23aには基準信号のうち1番目のデータが蓄積され、レジスタ23bには基準信号のうち2番目のデータが蓄積される。このレジスタ23には基準信号を構成する基準データ61がそれぞれ蓄積される。図4に示す例では基準データ61aがレジスタ23aに記憶され、基準データ61bがレジスタ23bに記憶され、基準データ61cがレジスタ23cに記憶され、基準データ61dがレジスタ23dに記憶され、基準データ61eがレジスタ23eに記憶される。
試料4における出力信号は検出信号としてシフトレジスタ22に記憶される。シフトレジスタ22は蓄積されたデータを1サンプルごとにデータをシフトする。すなわち、図4に示す例では、まず、シフトレジスタ22aには検出データ71aが記憶され、シフトレジスタ22bには検出データ71bが記憶され、シフトレジスタ22cには検出データ71cが記憶され、シフトレジスタ22dには検出データ71dが記憶され、シフトレジスタ22eには検出データ71eが記憶される。そして、検出データ71を右にシフトする。この時、シフトレジスタ22aにはA/D変換器21によりA/D変換された新たなデータが入力され、シフトレジスタ22b〜シフトレジスタ22eはそれぞれ左隣のシフトレジスタに蓄積されているデータが入力される。すなわち、シフトレジスタ22aには検出データ71bが記憶され、シフトレジスタ22bには検出データ71c記憶され、シフトレジスタ22cには検出データ71d記憶され、シフトレジスタ22dには検出データ71eが記憶され、シフトレジスタ22eには検出データ71fが記憶される。シフトレジスタ22はこの処理を繰り返し行う。
シフトレジスタ22とレジスタ23の出力は乗算器24に入力される。すなわち、シフトレジスタ22aとレジスタ23aの出力は乗算器24aに入力され、シフトレジスタ22bとレジスタ23bの出力は乗算器24bに入力され、シフトレジスタ22cとレジスタ23cの出力は乗算器24cに入力され、シフトレジスタ22dとレジスタ23dの出力は乗算器24dに入力され、シフトレジスタ22eとレジスタ23eの出力は乗算器24eに入力される。それぞれの乗算器24a〜24eは入力された2つのデータを乗算した値を加算器25に出力する。加算器25は乗算器24a〜24eから入力されたデータの総和を算出する。この乗算と加算とがシフトレジスタ22でデータがシフトされるごとに実行される。
加算器25からの出力は比較器26の一方の入力端子に入力される。また、比較器26の一方の入力端子にはスライスレベルレジスタ27からの出力が入力される。スライスレベルレジスタ27は欠陥判定を行うための所定のスライスレベル(しきい値)が記憶されている。比較器26は加算器25からの出力とスライスレベルレジスタ27の出力とを比較し、比較結果に基づく信号を出力する。すなわち、加算器25からの出力がスライスレベルレジスタ27の出力を超えた場合、欠陥が存在することを示す欠陥信号を出力する。処理装置9は欠陥信号が出力されたときの試料4上の座標をメモリに記憶し、欠陥位置を特定する。さらに、欠陥信号が出力された時の加算器25からの出力をメモリに記憶し、欠陥サイズを判定する。
図5に示す回路を2つ用意し、一方に凸状欠陥についての基準信号のデータを、他方に凹状欠陥についての基準信号のデータを記憶させる。そして、それぞれの回路で上述の処理を行うことにより、一方では凸状欠陥の判定が行われ、他方では凹状欠陥の判定が行われる。これにより、凹凸判定を容易に行うことができる。もちろん、図5に示す回路は1つでもよく、欠陥の種類に対応して3以上とすることも可能である。もちろん凸状欠陥及び凹状欠陥以外の種類の欠陥でもよい。2以上の異なる種類の欠陥に対してそれぞれ基準信号の基準データを記憶する。そして、それぞれの基準信号と検出信号に基づいて処理を行うことにより、簡易な構成で欠陥の種別判定を行うことができる。なお、図5に示す回路は本発明を実現するための一例であり、図5に示す構成に限られるものではない。
なお、上述の説明において基準信号と試料における検出信号とで試料4の走査速度及びA/D変換のサンプリングレートを同じものとしたが、これに限るものではない。試料4の走査速度及びA/D変換のサンプリングレートを異なる条件とする場合、検出データの間隔と基準データの間隔が試料上で同じ間隔となるように試料の走査速度及びA/D変換のサンプリングレートを設定することが好ましい。もちろん、異なる間隔としてもよい。
発明の実施の形態2.
実施の形態1では図5に示す回路でデジタルデータについて処理を行ったが、本実施の形態ではアナログデータについて処理を行うことにより、凹凸判定を実現している。これについて図6を用いて説明する。図6は処理装置に含まれるアナログ回路の一例を示す図である。31は遅延素子、32は増幅器、33は非反転増幅器、34は反転増幅器、35は抵抗、36はスイッチ、37は乗算器、38は増幅器、39は比較器、40は可変電圧電源である。なお、実施の形態1と同様の構成及び処理については説明を省略する。
検出器6からの出力信号は増幅器32により増幅され、遅延素子31に入力される。なお、本実施の形態では増幅器32の入力側にコンデンサを配置し、ACカップリングとしている。遅延素子31には出力信号から検出信号を構成するアナログデータを取り出すための複数のタップが等間隔に配設されている。このタップには取り出し位置に対応した遅延時間が設定されている。したがって、試料4上の検出信号に対して、一定の時間間隔でアナログデータを取り出すことができる。このアナログデータは出力信号のレベルに対応し、例えば、図4に示す検出データ71a〜71eとなる。隣り合う検出データ71の時間間隔は遅延素子31におけるタップ間の遅延時間に対応する。タップを等間隔にすることにより、アナログデータを同じ時間間隔で取り出すことができる。この遅延素子31に設けられているタップの数が取り出されるデータの数となる。
遅延素子31から取り出されたアナログデータのそれぞれは非反転増幅器33及び反転増幅器34に入力される。非反転増幅器33の数及び反転増幅器34の数は、それぞれタップの数すなわち取り出すアナログデータの数に対応している。非反転増幅器33及び反転増幅器34の出力には、複数の抵抗35が並列に接続されている。この抵抗35はスイッチ36と直列に接続されている。1つの非反転増幅器33又は1つの反転増幅器34に接続されている複数の抵抗35とその抵抗35に接続されたスイッチ36が1つの乗算器37を構成する。図6に示す例では、4つの抵抗35及び4つのスイッチ36により1つの乗算器37が構成される。すなわち、非反転増幅器33及び反転増幅器34の出力は、それぞれ、4つの抵抗35及び4つのスイッチ36から構成される乗算器37と接続されている。もちろん、1つの乗算器37を構成するスイッチ及び抵抗の数は任意の数でよい。
乗算器37のスイッチ36は予め算出された基準データの値に基づいてON/OFFされる。このスイッチ36をONすることにより乗算器37の入力と出力とが抵抗35を介して導通されるため、乗算器37全体の抵抗値が変化する。すなわち、スイッチ36を切り換えることによって、乗算器37の抵抗値を変化させることができる。乗算器37には、非反転増幅器33の出力電圧又は非反転増幅器33の出力電圧に対応した電流が流れる。そして、乗算器37を流れる電流値はスイッチ36の切換によって変化する。この乗算器37の抵抗値が基準データの値に対応したものとなるようスイッチ36を制御する。すなわち、基準データが大きい時は、乗算器37の抵抗値を下げ、基準データが小さいときは乗算器37の抵抗値を上げる。これにより、乗算器37には非反転増幅器33の出力電圧及び乗算器37の抵抗値に基づく電流、あるいは反転増幅器34の出力電圧及び乗算器の抵抗値とに基づく電流が流れる。ここで、非反転増幅器33の出力電圧及び反転増幅器34の出力電圧が検出データの値に対応している。また、乗算器37の抵抗値は基準データの値に対応している。したがって、それぞれの乗算器37により検出データと基準データとの乗算が行われ、乗算器37の出力は検出データと基準データとの乗算値に基づく電流となる。
それぞれの乗算器37の出力は接続されているため、増幅器38の入力側で各乗算器37に流れる電流が足し合わせられる。これにより検出データと基準データとの乗算結果の総和すなわち相関値が算出される。この相関値に基づく電流が増幅器38に入力される。
ここで基準データが正の場合は、反転増幅器34に接続された乗算器37のスイッチ36は全てOFFし、非反転増幅器33に接続された乗算器37のスイッチ36のみをON状態に切り替える。一方、基準データが負の場合は、非反転増幅器33に接続された乗算器37のスイッチ36は全てOFFし、反転増幅器34に接続された乗算器37のスイッチ36のみをON状態に切り替える。これにより、符号付きで乗算結果を出力することができる。
基準データが負のデータのとき、反転増幅器34の出力電圧に基づく電流が乗算器37を流れる。この場合、検出データが正のデータ、すなわち反転増幅器34に入力される電圧が正であるならば、反転増幅器34の出力電圧は負となる。したがって、乗算器37には負の電流が流れる。一方、検出データが負のデータ、すなわち反転増幅器34に入力される電圧が負である場合、反転増幅器34の出力電圧は正となる。したがって、乗算器37には正の電流が流れる。乗算器37に負の電流が流れた場合、相関値は低下し、正の電流が流れた場合、相関値は増加する。このように、検出データに基づくアナログ電圧を非反転増幅器33及び反転増幅器34の双方に入力することにより、符号付きで乗算結果を出力することができる。
相関値に基づく電流が入力された増幅器38はその電流値に基づく電圧を比較器39の一方の入力端子に出力する。すなわち、増幅器38の出力電圧は相関値に基づく値となる。比較器39のもう一方の入力端子には可変電圧電源40からの出力が入力されている。比較器39は可変電圧電源40からの出力電圧と増幅器38からの出力電圧とを比較して、比較結果に基づく信号を出力する。すなわち、増幅器38からの出力が可変電圧電源40からの出力を超えた場合、欠陥が存在することを示す欠陥信号を出力する。処理装置9は欠陥信号が出力されたときの試料4上の座標をメモリに記憶し、欠陥位置を特定する。さらに、欠陥信号が出力された時の比較器39からの出力をメモリに記憶し、欠陥サイズを判定する。また、可変電圧電源40の電圧を変化させることにより、検出条件等を変えた場合でも、欠陥判定に好適な電圧を出力することができる。
図6に示す回路を2つ用意し、一方に凸状欠陥についての基準関数を、他方に凹状欠陥についての基準信号を記憶させる。そして、それぞれの回路に検出器6からの出力信号を入力し、上述の処理を行うことにより、一方では凸状欠陥の判定が行われ、他方では凹状欠陥の判定が行われる。これにより、凹凸判定を容易に行うことができる。もちろん、判定する欠陥の種類が1つである場合には図6に示す回路は1つでもよい。さらに、判定する欠陥の種類に対応して3以上とすることも可能である。これにより、異なる種類の欠陥に対して欠陥の種別判定を行うことができる。なお、図6に示す回路は本発明を実現するための一例であり、図6に示す構成に限られるものではない。
このようにアナログ回路で相関値を算出して欠陥判定を行うことにより、より高速な検出を行うことができる。すなわち、アナログ回路で上述の処理を行うことにより処理速度を向上することができる。よって、試料上での走査速度を向上することができ、検査時間を短縮することができる。図6に示す回路で処理を行うと、検出データを抽出する時間間隔は遅延素子31による遅延時間により決定される。したがって、検出データを抽出する時間間隔をより短くすることができる。これにより、基準データの数を増加させることができ、より高感度で欠陥の検出を行なうことができる。また、基準データの数を増加した場合であっても、高速に処理することができる。
発明の実施の形態3.
本実施の形態では実施の形態2と異なる構成のアナログ回路で上述の処理を行っている。すなわち、本実施の形態では図6と異なる構成のアナログ回路を用いている。このアナログ回路について図7を用いて説明する。図7(a)は本実施の形態にかかるアナログ回路を模式的に示す図である。図7(b)は出力信号の信号波形と図7(a)で示すアナログ回路で処理される基準データの一例を示す図である。図7(a)に示す回路において、遅延素子51及び減算器52は、いわゆるくし型フィルタを構成し、遅延素子51の遅延時間に対応する周波数及びその整数倍の周波数に対応する信号を増幅することができる。このような回路により、欠陥判定を行うための処理について説明する。
図7(a)に示すアナログ回路は、2つの基準データ及び2の検出データに基づいて相関値を算出するための回路である。すなわち、本実施の形態では、基準信号を2つの基準データのみで構成し、検出信号を2つの検出データのみで構成する。例えば、2つの基準データの時間間隔が、基準信号の信号波形62における正のピークと負のピークとの間の時間間隔となるよう設定する。ここで、基準データ61aと基準データ61bとの間の時間間隔すなわち、基準となる信号波形62における正のピークと負のピークとの間の時間間隔をT/2とする。なお、本実施の形態では、基準データ61のデータ値は信号波形62のレベルを参照せずに決定される。この2つ基準データ61の時間間隔は基準となる欠陥箇所において、光ビームを走査したときに出力信号に基づいて算出することができる。あるいは、走査速度(XYステージの移動速度)とビームスポット径に基づいて、正のピークを取る時間と負のピークを取る時間の時間間隔を算出するようにしてもよい。
遅延素子51には検出器6からの出力信号が入力される。遅延素子51は入力された出力信号をT/2に対応する時間遅延して出力する。試料4上を走査している間、検出器6から出力された出力信号は直接、減算器52に入力されるとともに、遅延素子51を介して減算器52に入力される。すなわち、減算器52の一方の入力端子には検出器6からの出力信号が直接入力され、他方の入力端子には検出器6からの出力信号が遅延素子51を介して入力される。出力信号と前記出力信号がT/2だけ遅延された遅延信号が減算器52の入力端子にそれぞれ入力される。したがって、減算器52に同時に入力される信号のレベルは、ある所定の時間における出力信号のレベルと、その時間からT/2遅延された時間における出力信号のレベルとなる。減算器52に入力される2つのアナログデータが検出データとなり、検出信号を構成する。
減算器52は入力された2つの信号の差に基づく信号を比較器53に出力する。減算器52からの出力は相関値に対応する。比較器53にはさらに可変電圧電源54からの出力が入力されている。比較器53は可変電圧電源54からの出力電圧と減算器52からの出力電圧とを比較して、比較結果に基づく信号を出力する。すなわち、減算器52からの出力が可変電圧電源54からの出力を超えた場合、欠陥が存在することを示す欠陥信号を出力する。処理装置9は欠陥信号が出力されたときの試料4上の座標をメモリに記憶し、欠陥位置を特定する。さらに、欠陥信号が出力された時の比較器53からの出力をメモリに記憶し、欠陥サイズを判定する。可変電圧電源54の電圧を変化させることにより、検出条件等を変えた場合でも、欠陥判定に好適な電圧を出力することができる。すなわち、検出条件等に応じてスライスレベルを変えることができる。
減算器52に入力される2つの信号が欠陥箇所における出力信号の正のピークと負のピークに対応するとき、検出データの差が最も大きくなる。出力信号が負のピークとなる時、減算器52の入力される信号のレベルは、正のピークに対応するレベルと負のピークに対応するレベルとなる。このとき、減算器52の出力が最も大きくなり、相関値が極大となる。その時間からずれるにしたがって減算器52に出力が小さくなっていく。この減算器52に出力に基づいて欠陥判定を行うことができる。もちろん、図7に示す回路と同様の構成を持つアナログ回路を2以上設け、凸状欠陥と凹状欠陥とに対して欠陥の種別判定を行っても良い。
このように、基準信号の信号波形62のデータ値を記憶させなくても、欠陥判定を行うことができる。すなわち、基準信号波形における正のピークと負のピークとの時間間隔を求めることにより、欠陥判定を行うことができる。換言すれば、正のピークに対応する基準データの値を1とし、負のピークに対応する基準データの値を−1とし、この2つの基準データによって基準信号を構成することができる。すなわち、減算器52を用いることにより、+1と−1との2つのデータが基準信号を構成する基準データとして記憶される。また、減算器52に入力される信号は検出信号を構成する検出データに対応したものとなる。基準データ間の時間間隔は遅延素子51によって設定されている。図7に示す回路を用いることにより、回路の構成を簡易なものとすることができる。さらに、2つの基準データ及び2つの検出データのみを用いて処理を行っているため、処理速度を向上することができる。
上記の実施の形態1〜3の欠陥検出はシリコンウエハやマスクブランクなどのパターンが形成されていない基板に対して特に有効である。もちろん、マスク用の基板等の透明基板であっても、一定の反射率により光が反射されるため、本発明を適用することができる。本発明にかかる欠陥検出方法によって欠陥が検出されたマスクブランクを用いることによって、半導体デバイス等の製造歩留まりを向上させることができる。すなわち、この欠陥検出方法によりマスクブランクの欠陥を検出し、その検出結果に基づいて欠陥を修正する。そして、この欠陥が修正されたマスクブランクに所望のパターンを形成し、マスクを製造する。このマスクを露光装置にセットして露光処理を実施する。露光処理がなされた半導体ウェハは現像処理が施され、レジストパターンがウェハ上に形成される。このパターンに従って、広く知られた薄膜堆積処理、エッチング処理、酸化処理、イオン注入処理などがなされ、半導体デバイスなどのパターン基板が形成される。本発明の欠陥検出装置あるいは欠陥検出方法を用いて欠陥が検出されたマスクブランクに所望のパターンを形成し、半導体デバイスの製造における露光処理を実施することができる。
また、本発明にかかる欠陥検出装置又は欠陥検出方法によりパターンが形成されていない半導体ウエハなどの基板に対して欠陥を検出する。その検出結果に基づいて欠陥を修正する。欠陥を修正した半導体ウエハなどの基板に上述の方法によりパターンを形成することが可能である。本発明の欠陥検出方法により、半導体デバイスに限らずパターン基板の製造歩留まりを向上させることができる。よって、パターン基板の生産性を向上することができる。
本発明にかかる欠陥検出装置の構成を模式的に示す図である。 本発明にかかる欠陥検出装置で、凸状欠陥と凹状欠陥を検出したときの信号波形の一例を示す図である。 本発明にかかる欠陥検出装置の処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明にかかる欠陥検出装置の信号波形とそのデータの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる欠陥検出装置の処理装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる欠陥検出装置の処理装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる欠陥検出装置の処理装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 光源、2 ビームスプリッタ、3 対物レンズ3 試料、5 ピンホール、
6 検出器、7 遮光板、8XYステージ、9 処理装置、10 信号波形
11 基準信号算出部、12 基準信号記憶部、13 検出信号記憶部、
14 相関値算出部、15 相互相関関数記憶部、16 欠陥種別判定部、
16 欠陥サイズ判定部、21 A/D変換器、22 シフトレジスタ、
23 レジスタ、24 乗算器、25 加算器、26 コンパレータ、
27 スライスレベルレジスタ、31 遅延素子、32 増幅器、33 非反転増幅器、34 反転増幅器、35 抵抗、36 スイッチ、37 乗算器、38 増幅器、
39 比較器、40 可変電圧電源、51 遅延素子、52 減算器、53 比較器、
54 可変電圧電源、61 基準データ、61 基準信号の信号波形、
71 検出データ、72 検出信号の信号波形

Claims (13)

  1. 光ビームを発生する光源と、
    前記光ビームを集光して試料に入射させる対物レンズと、
    前記対物レンズから前記試料に入射した光ビームのうち前記試料の表面で反射した反射光を受光し、受光した前記反射光に基づく出力信号を出力する光検出器と、
    前記光源から試料に向かう光ビームと前記試料から前記光検出器に向かう反射光とを分離するビームスプリッタと、
    前記光ビームの前記試料との相対位置を走査する走査手段と、
    前記ビームスプリッタと前記光検出器との間の光路中に配置され、前記試料における前記光ビームの走査方向と対応する方向の片側半分の光路を遮光する遮光板と、
    欠陥判定を行うための基準となる欠陥箇所における前記出力信号に基づく基準信号と、前記相対位置を走査したときの前記出力信号に基づく検出信号との相関値を算出する相関値算出部と、
    前記相関値に基づいて欠陥か否かを判定する欠陥判定部とを備え
    前記基準となる欠陥箇所における出力信号が少なくとも2つのピークを有し、
    前記2つのピークの時間間隔に基づいて前記基準信号を構成する2つの基準データの時間間隔が決定され、
    前記相対位置を走査したときの前記出力信号を前記遅延素子で前記2つのピークの時間間隔に対応する時間遅延して2つの検出データを生成し、
    前記検出信号が前記2つの検出データのみで構成されている欠陥検出装置。
  2. 前記2つのピークが基準レベルに対して正のピークと負のピークとからなる請求項2に記載の欠陥検出装置。
  3. 光ビームを発生する光源と、
    前記光ビームを集光して試料に入射させる対物レンズと、
    前記対物レンズから前記試料に入射した光ビームのうち前記試料の表面で反射した反射光を受光し、受光した前記反射光に基づく出力信号を出力する光検出器と、
    前記光源から試料に向かう光ビームと前記試料から前記光検出器に向かう反射光とを分離するビームスプリッタと、
    前記光ビームの前記試料との相対位置を走査する走査手段と、
    前記ビームスプリッタと前記光検出器との間の光路中に配置され、前記試料における前記光ビームの走査方向と対応する方向の片側半分の光路を遮光する遮光板と、
    欠陥判定を行うための基準となる欠陥箇所における前記出力信号に基づいて生成された前記基準信号を記憶する基準信号記憶部と、
    前記相対位置を走査したときの前記出力信号に基づく検出信号と前記基準信号との相互相関関数を求めるため、前記基準信号に含まれる複数の基準データと前記検出信号に含まれる複数の検出データとを順番にずらしていって、相関値を算出する相関値算出部と、
    前記相互相関関数に含まれる前記相関値に基づいて欠陥か否かを判定する欠陥判定部とを備えた欠陥検出装置。
  4. 前記基準信号が少なくとも2つのピークを有し、
    2つの前記ピークの時間間隔に基づいて前記基準信号を構成する基準データの時間間隔が決定され、
    前記検出信号を構成する検出データがアナログデータにより構成され、
    前記基準データの時間間隔に応じて前記出力信号を遅延して、前記検出データを生成する請求項3に記載の欠陥検出装置。
  5. 前記2つのピークが基準レベルに対して正のピークと負のピークとからなり、
    前記欠陥判定部が、凹状欠陥、又は凸状欠陥か否かを判定する請求項4に記載の欠陥検出装置。
  6. 欠陥判定を行うための基準となる欠陥箇所における前記出力信号に基づいて前記基準信号を算出する基準信号算出部をさらに備え、
    前記基準信号算出部で第1の欠陥に対応する第1の基準信号と、前記第1の欠陥と異なる種類の第2の欠陥に対する第2の基準信号を算出し、
    前記基準信号記憶部に前記第1の基準信号及び第2の基準信号を記憶させ、
    前記相関値算出部が前記第1の基準信号に基づいて第1の相関値を算出するとともに、前記第2の基準信号に基づいて第2の相関値を算出し、
    前記欠陥判定部が第1の相関値に基づいて前記第1の欠陥と同種の欠陥が存在するか否かを判定するとともに、前記第2の相関値に基づいて前記第2の欠陥と同種の欠陥が存在するか否かを判定する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  7. 前記第1の基準信号では、正のピークの後に、負のピークが現れるよう2つのピークが存在し、
    前記第2の基準信号では、負のピークの後に、正のピークが現れるよう2つのピークが存在し、
    前記欠陥判定部が、前記第1及び第2の相関値によって、凸状欠陥と凹状欠陥とを判別する請求項6に記載の欠陥検出装置
  8. 光ビームを集光して、試料に入射させるステップと、
    前記試料に入射した光ビームのうち、前記試料で反射された反射光と前記試料に入射する光ビームとを分岐するステップと、
    前記光ビームから分岐された前記反射光のうち、前記試料における前記光ビームの走査方向と対応する方向の片側半分の光を遮光するステップと、
    前記光ビームの前記試料上との相対位置を走査しながら、前記遮光するステップにおいて遮光されなかった前記反射光を検出するステップと、
    前記検出された反射光に基づく出力信号を出力するステップと、
    欠陥判定を行うための基準となる欠陥箇所における前記出力信号に基づく基準信号を算出するステップと、
    前記相対位置を走査したときの前記出力信号に基づく検出信号を算出するステップと、
    前記基準信号と前記検出信号との相関値を算出するステップと、
    前記相関値に基づいて欠陥か否かを判定するステップとを備え、
    前記基準となる欠陥箇所における出力信号が少なくとも2つのピークを有し、
    前記2つのピークの時間間隔に基づいて前記基準信号を構成する2つの基準データの時間間隔が決定され、
    前記相対位置を走査したときの前記出力信号を前記遅延素子で前記2つのピークの時間間隔に対応する時間遅延して2つの検出データを生成し、
    前記検出信号が前記2つの検出データのみで構成されている欠陥検出方法。
  9. 光ビームを集光して、試料に入射させるステップと、
    前記試料に入射した光ビームのうち、前記試料で反射された反射光と前記試料に入射する光ビームとを分岐するステップと、
    前記光ビームから分岐された前記反射光のうち、前記試料における前記光ビームの走査方向と対応する方向の片側半分の光を遮光するステップと、
    前記光ビームの前記試料上との相対位置を走査しながら、前記遮光するステップにおいて遮光されなかった前記反射光を検出するステップと、
    前記検出された反射光に基づく出力信号を出力するステップと、
    欠陥判定を行うための基準となる欠陥箇所における前記出力信号に基づく基準信号を算出するステップと、
    前記相対位置を走査したときの前記出力信号に基づく検出信号を算出するステップと、
    前記基準信号と前記検出信号の相互相関関数を求めるため、前記基準信号に含まれる複数の基準データと前記検出信号に含まれる複数の検出データとを順番にずらしていって、相関値を算出するステップと、
    前記相互相関関数に含まれる前記相関値に基づいて欠陥か否かを判定するステップとを備える欠陥検出方法。
  10. 前記基準信号が少なくとも2つのピークを有し、
    2つの前記ピークの時間間隔に基づいて前記基準信号を構成する基準データの時間間隔が決定され、
    前記検出信号を構成する検出データがアナログデータにより構成され、
    前記基準データの時間間隔に応じて前記出力信号を遅延して、前記検出データを生成する請求項に記載の欠陥検出方法。
  11. 前記基準信号を算出するステップでは、凸状欠陥に対応する第1の基準信号と、前記第凹状欠陥に対する第2の基準信号を算出し、
    前記相関値を算出するステップでは、前記第1の基準信号に基づいて第1の相関値を算出するとともに、前記第2の基準信号に基づいて第2の相関値を算出し、
    前記欠陥か否かを判定するステップでは、第1の相関値に基づいて前記凸状欠陥が存在するか否かを判定するとともに、前記第2の相関値に基づいて前記凹状欠陥が存在するか否かを判定し、
    前記第1の基準信号と前記第2の基準信号とでは、正のピークと負のピークが異なる順番で存在している請求項8、9、又は10に記載の欠陥検出方法。
  12. 請求項8、9、10又は11に記載の欠陥検出方法により前記試料である基板の欠陥を検出するステップと、
    前記欠陥を検出するステップにより検出された欠陥を修正するステップと、
    前記欠陥が修正された基板にパターンを形成するステップとを有するパターン基板の製造方法。
  13. 請求項8、9、10又は11に記載の欠陥検出方法により前記試料であるマスクブランクスの欠陥を検出するステップと、
    前記欠陥を検出するステップにより検出された欠陥を修正するステップと、
    前記欠陥が修正されたマスクブランクスにパターンを設け、マスクを製造するステップと、
    前記マスクを用いて基板を露光するステップと、
    前記露光された基板を現像する現像ステップと、を有するパターン基板の製造方法。
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