JP5215365B2 - 発声補助器具 - Google Patents
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Description
例えば、気管切開孔から挿入される管状物で、開口部の一端は気管切開孔の体外部に、もう一端の開口部は気管内に位置し、体外部の開口部には患者吸気は通過可能で、患者呼気は遮断する一方弁を備え、該一方弁で遮断された患者呼気の一部を大気に放出する発声補助器具であって、管状物の気管内に挿入される部分の側壁に声帯側への通気孔を有し、しかも管状物の気管内に挿入される部分にカフを備えるものが知られている。(例えば特許文献1参照)
まず、本発明の第1実施形態に係る発声補助器具について図1〜図3を用いて説明する。
本実施形態の発声補助装置は、患者の声帯のやや下方近傍に開口した気管切開口から一端側を気管内に挿入される気管内チューブと、前記気管内チューブの側面に設けられるカフと、一端側を前記気管切開口から気管内に挿入されて患者の発声用気体を導く発声用導管とを備える気管挿入カニューレに連結され、患者の自発呼吸よる発声を補助する発声補助器具であって、前記気管内チューブの他端に連結されて、前記気管内チューブに吸気を導く呼吸用導管と、患者の吸気時に前記呼吸用導管を大気に連通させ、呼気時に前記呼吸用導管と大気とを遮断する一方弁と、前記呼吸用導管内の圧力が所定の圧力に達すると、前記呼吸用導管を大気に連通させるリリーフバルブと、前記発声用導管の他端側を前記呼吸用導管に連通接続させる接続部とを備え、患者の呼気を前記発声用気体とするものである。
本実施形態の気管挿入カニューレ40は、例えば公知のカフ有りカニューレ等で構成され、図3に示すように、気管内チューブ42と、カフ44と、発声用導管46と、カフ44を膨張収縮させる手動空気ポンプ48とを備える。
まず、気管内チューブ42は、図3に示すように、例えば気管切開口13よりやや小さい内径を有する合成樹脂製で略L字状のチューブで形成される。ここで、気管切開口13は、声帯11のやや下方近傍に開口するが、患者の年齢や喉の太さ等に応じて概ね8mm〜15mm程度の直径の円状孔で形成される。そして、気管内チューブ42は、図3に示すように、気管切開口13から一端側を患者の気管内15に挿入され患者の気道を確保する。
なお、気管内チューブ42は、図3に示すように、薄板状のストッパ47を備えている。気管内チューブ42を所定の長さ気管内15に挿入したところで、図3に示すように、ストッパ47が喉部分に当接して気管内チューブ42の侵入を規制する。また、気管内チューブ42は、図3に示すように、後述するカフ44のやや上方に小孔45を有するが、この小孔45については再述する。
詳しくは、発声用導管46の一端側は、図3に示すように、ストッパ47近傍から気管内チューブ42内に挿入され、上述したカフ44のやや上方位置の気管内チューブ42に設けられた小孔45に、発声用導管46の一端である開放端を連結させている。したがって、後述のように発声用導管46によって導かれる発声用気体(呼気)は、小孔45から気管内15に進入し、カフ44に堰きとめられて肺側には送気されず、声帯11に向けて送気される。
また、発声用導管46の他端には、図3に示すように、他のチューブ等と連結させるための公知の円筒状継手等からなる第1連結手段36を備える。
図1及び図2に示すように、本実施形態の発声補助器具10は、呼吸用導管12と、一方弁14と、リリーフバルブ16と、接続部20とを備える。
呼吸用導管12は、図1〜図3に示すように、気管内チューブ42と略同じ内外径を有する合成樹脂製で両端が開放した管体で形成される。そして、呼吸用導管12は、図3に示すように、呼吸用導管12の一端17が気管内チューブ42の他端19に嵌合して連結される。このように、呼吸用導管12内と気管内チューブ42内とが連通し、気管内チューブ42に吸気を導く。なお、気管内チューブ42と呼吸用導管12との連結は、公知の接続フェルーレや円筒状の継手管等の連結手段を介して連通連結してもよい。
具体的には、弁体22は、図2に示すように、例えばシリコン樹脂製の薄い弾性体からなり、リング状の円盤体24と、円盤体24の内円から中空円錐状に突設される中空円錐状部25と、その中空円錐状部25の略中心を通過して弾性体を貫通する一つ又は複数のスリット23を設けて形成される。
このように構成される一方弁14は、図1及び図2に示すように、呼吸用導管12の他端30に、例えば溶着等で連結される。
なお、一方弁は本実施形態の構成に限るものではなく、吸気時に大気圧より呼吸用導管12側の圧力が低下することで開状態となり、呼気時に呼吸用導管12側の圧力が大気より上昇することで閉状態となるものであれば、弁体がスイングするスイング逆止弁等で構成してもよい。
分岐管32は、例えば呼吸用導管12の内径の3分の1〜5分の1程度の内径で両端が開放した円筒体で形成される。そして、分岐管32は、図1及び図2に示すように、呼吸用導管12の側部に開孔した開孔34に一端側を例えば溶着等で連通接続され、呼吸用導管12の中途から分岐する。
なお、第2連結手段35は、本実施形態の椀体に限るものでなはく、例えば分岐管32の内側に差込める程度の筒状体で形成されてもよい。
また、例えば発声補助器具10を気管内チューブ42に連結した際に、呼吸用導管12の他端側を上述した開孔34に直接連結できる場合は、接続部は開孔34からなる構成であってもよい。
先ず、図3に示すように、気管挿入カニューレ40に発声補助器具10を連結する。より詳しくは、気管内チューブ42に呼吸用導管12を連結し、発声用導管46に接続管33を連結する。そして、図3に示すように、ストッパ47が喉に当接するまで気管挿入カニューレ40を気管切開口13に挿入し、カフ44を膨張させる。
すなわち図3(a)に示すように、吸気の際に肺を膨らませると呼吸用導管12内の圧力が大気よりやや下がるため一方弁14が開き、大気側から空気が呼吸用導管12及び気管内チューブ42に侵入して肺に吸い込まれる。その際、カフ44より上方の気管内15の空気も、小孔45、発声用導管46、接続管33、分岐管32を介して呼吸用導管12内に侵入するが、呼吸用導管12より細い発声用導管46、接続管33による空気の管路抵抗のため、肺に侵入する空気は一方弁14から侵入した空気が大部分となる。
このように、本実施形態の発声補助器具10は、患者の自発呼吸による発声を補助するのである。
その際、例えば発声用導管46等の内径が細いために管路抵抗が高くて、呼気が肺から抜け難くて息苦しく感じる場合は、リリーフバルブ16の開放圧力を調節して呼気の一部をリリーフバルブ16から大気側へとリリーフすればよい(図3(b)参照)。
第2実施形態と第1実施形態との相違点は、図4に示すように、逆止弁51を備える点である。すなわち、本実施形態の発声補助器具50は、図4に示すように、呼吸用導管12と、一方弁14と、リリーフバルブ16と、逆止弁51と、接続部20´とを備える。
本実施形態において、逆止弁51は、図4に示すように、弁体22´の中空円錐状部25´の先端を呼吸用導管12と反対側に向けた状態で、上述した分岐管32よりやや長い分岐管32´の中間に配置される。
そして、使用時には図5に示すように、上述と同様に発声用導管46が接続管33に連結される。このように、発声用導管46と呼吸用導管12とは逆止弁51を介して連通接続される。
したがって、図5(a)に示すように、吸気時に呼吸用導管12内の圧力が発声用導管46内より低下するのでスリット23´が閉じて逆止弁51が閉状態となり、呼吸用導管12と発声用導管46とが遮断される。そして、吸気は、上述した様に、開状態となった一方弁14を介して大気から導かれる。
一方、図5(b)に示すように、呼気時に呼吸用導管12内の圧力が発声用導管46内より上昇するのでスリット23´が開いて逆止弁51が開状態となり呼吸用導管12と発声用導管46とが連通して、呼気49が声帯11に向かう。
本実施形態の発声補助器具60は、図6に示すように、患者の声帯11のやや下方近傍に開口した気管切開口13から気管内15に挿入されて患者の自発呼吸による発声を補助する発声補助器具60であって、気管挿入部61と、発声補助部62とからなる。
本実施形態の発声用導管63は、上述した発声用導管46を例えば略2倍に延長させたフレキシブルチューブで形成される。そして、発声用導管63の一端側は、図6に示すように、ストッパ47近傍から気管内チューブ42内に挿入され、上述したカフ44のやや上方位置の気管内チューブ42に設けられた小孔45に、発声用導管63の一端である開放端を連結させている。また、発声用導管63は、図6に示すように、その他端に上述した第2連結手段35を備える。
本実施形態の呼吸用導管12は、図5に示すように、気管内チューブ42の他端から延長させる態様で気管内チューブ42と一体に形成される。気管内チューブ42と呼吸用導管12とは一体に形成されるものに限らず、例えば公知の接続フェルーレや円筒状の継手管等の連結手段によって連結形成されてもよい。
したがって、吸気時に、一方弁14から呼吸用導管12に侵入した空気が気管内チューブ42を介して肺へと侵入する。一方、呼気は、発声用導管63によって導かれて小孔45から気管内15に侵入し、カフ44に堰きとめられて肺側には送気されず、声帯11に向けて送気され、発声用気体となる(図5参照)。
また、発声用導管63の他端側は、呼吸用導管12に分岐管32´を介して着脱自在に連通接続されるため、発声用導管63の他端側を分岐管32´から外せば、前記他端側から気管内を吸引することも可能となり、例えばカフ44の上方に溜まった流動物等を吸引できる等、実用性が高い発声補助器具を提供できる。
11 声帯
12 呼吸用導管
13 気管切開口
14 一方弁
16 リリーフバルブ
20,20´ 接続部
32,32´ 分岐管
40 気管挿入カニューレ
42 気管内チューブ
44 カフ
46,63 発声用導管
51 逆止弁
61 気管挿入部
62 発声補助部
Claims (7)
- 患者の声帯のやや下方近傍に開口した気管切開口から一端側を気管内に挿入される気管内チューブと、前記気管内チューブに設けられるカフと、一端側を前記気管切開口から気管内に挿入されて患者の発声用気体を導く発声用導管とを備える気管挿入カニューレに連結され、患者の自発呼吸よる発声を補助する発声補助器具であって、
前記気管内チューブの他端に連結されて、前記気管内チューブに吸気を導く呼吸用導管と、
患者の吸気時に前記呼吸用導管を大気に連通させ、呼気時に前記呼吸用導管と大気とを遮断する一方弁と、
前記呼吸用導管内の圧力が所定の圧力に達すると、前記呼吸用導管を大気に連通させるリリーフバルブと、
前記発声用導管の他端側を前記呼吸用導管に連通接続させる接続部とを備え、患者の呼気を前記発声用気体とすることを特徴とする発声補助器具。 - 前記接続部は、前記呼吸用導管から分岐する分岐管を含むことを特徴とする請求項1に記載の発声補助器具。
- 前記発声用導管と前記呼吸用導管とは逆止弁を介して連通接続され、前記逆止弁は患者の呼気時に前記呼吸用導管と前記発声用導管とを連通させ、吸気時に前記呼吸用導管と前記発声用導管とを遮断することを特徴とする請求項1又は2に記載の発声補助器具。
- 患者の声帯のやや下方近傍に開口した気管切開口から気管内に挿入されて患者の自発呼吸による発声を補助する発声補助器具であって、
一端側を前記気管切開口から気管内に挿入される気管内チューブと、
前記気管内チューブに設けられるカフとを備える気管挿入部と、
前記気管内チューブの他端に連結されて、前記気管内チューブに吸気を導く呼吸用導管と、
患者の吸気時に前記呼吸用導管を大気に連通させ、呼気時に前記呼吸用導管と大気とを遮断する一方弁と、
前記呼吸用導管内の圧力が所定の圧力に達すると、前記呼吸用導管を大気に連通させるリリーフバルブと、
一端側を前記気管切開口から気管内に挿入されて患者の発声用気体を導く発声用導管とを備える発声補助部とからなり、
前記発声用導管の他端側が前記呼吸用導管に連通接続され、患者の呼気を前記発声用気体とすることを特徴とする発声補助器具。 - 前記発声用導管の他端側は、前記呼吸用導管に着脱自在に連通接続されることを特徴とする請求項4に記載の発声補助器具。
- 前記呼吸用導管から分岐する分岐管を含み、前記他端側は前記分岐管を介して前記呼吸用導管に連通接続されることを特徴とする請求項4又は5に記載の発声補助器具。
- 前記他端側は逆止弁を介して前記呼吸用導管に連通接続され、前記逆止弁は患者の呼気時に前記呼吸用導管と前記発声用導管とを連通させ、吸気時に前記呼吸用導管と前記発声用導管とを遮断することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の発声補助器具。
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