JP5211971B2 - 温度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車排気ガス等の温度を検知する温度センサに関する。
自動車の排気ガス等の温度を測定する温度センサとして、温度によって抵抗値が変化するサーミスタ素子を用いた温度センサがある。このような温度センサとしては、従来より、一対の電極線を設けたサーミスタ素子を覆うように先端側にカバーを配設する構成を有するものが広く用いられている。その中には、素子とカバーとの間にフィラーを充填した温度センサがある。
上記フィラーは、温度センサが振動したときに、上記素子が振れて上記カバーに衝突することを防ぎ、上記素子が損傷することを防ぐと共に、上記電極線の断線を防ぎ、耐久性を向上させるものである。また、上記フィラーとしては、金属カバーの外の熱を素早く感温素子に伝え、優れた応答性を有することができるように、熱伝導性に優れた材料が用いられる。
また、上記カバーは、一般的に、例えばSUS310S等の高クロム・高ニッケル系の耐熱ステンレス鋼よりなる(特許文献1)。
特開2004−286491号公報
しかしながら、高温環境下においては、上述の耐熱ステンレス鋼よりなるカバーはカバー内面において酸化が進行し、酸化層が形成される。そのため、カバーの肉厚が薄くなったり、破れが発生するという問題や、カバーとフィラーとの間に隙間が発生し、そこに振動が加わった場合に、フィラーが崩壊するという問題がある。
また、カバー内における酸化膜の形成に伴って、上記カバーと上記フィラーとの固着も発生する。また、高温域においては、上記耐熱ステンレス鋼よりなるカバーが熱膨張により変形する。そして、上記カバーと上記フィラーとは熱膨張係数の差が大きいため、カバーの変形に伴って固着したフィラーが引張られ、その結果、感温体の割れや、電極線の断線が発生するという問題がある。また、上記カバーと上記フィラーとが固着していない場合であっても、カバーの熱膨張によって、カバーとフィラーとの間に空洞ができ、振動でフィラーが崩壊するという問題がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、耐熱性、耐振性を向上させ、高寿命化が可能な温度センサを提供しようとするものである。
本発明は、感温体と該感温体を覆うように先端側に配設されたカバーとの間にアルミナを主成分とするフィラーを充填してなる温度センサであって、
上記カバーはAlを含有するNi合金からなり、
上記カバーの内面にはアルミナの膜が形成されていることを特徴とする温度センサにある(請求項1)。
上記温度センサにおける上記カバーは、Alを含有するNi合金という特定の組成を有する材料により構成されることより、上記耐熱性と上記耐酸化性の二つの特性を併せ持つことができる。そのため、高温環境下(950℃以上の温度域)において、温度センサの耐熱性、耐振性を向上することができ、高寿命化が可能となる。
上記カバーはNi合金よりなり、耐熱性を有するため、高温環境下におけるカバーの変形を抑制することができる。そのため、上述したような、カバーの変形に伴う、フィラーの崩壊、サーミスタ素子の崩壊、電極線の断線の発生を抑制することができる。
また、上記Ni合金はAlを含有している。このAlは、高温環境下において酸化し、カバーの内面にアルミナの膜を形成する。そして、形成されたアルミナの膜によって、カバーがそれ以上酸化することを抑制する耐酸化性を確保することができる。そのため、カバーとフィラーとの固着や、カバーとフィラーとの間に隙間が形成されることを抑制することができ、振動によるフィラーの崩壊を抑制することができ、耐振性を確保することができる。
つまり、上記耐熱性及び上記耐酸化性を併せ持つことにより、高温環境下において、上記フィラー、上記感温体(電極線、素子等)への熱応力を低減することができ、かつ耐振性を得ることができ、フィラーの崩壊、素子の崩壊、電極線の断線を低減することができる。そのため、温度センサの寿命を大幅に向上させることができる。
なお、上記Alを含有するNi合金は、高温において耐酸化性を有するだけでなく、その他の、加工性、溶接性、コスト等の特性も、従来よりカバーとして用いられている高クロム・高ニッケル系の耐熱ステンレス鋼と同等のレベルを確保することができる。
このように、本発明によれば、耐熱性、耐振性を向上させ、高寿命化が可能な温度センサを提供することができる。
本発明の温度センサは、上述したように、感温体と該感温体を覆うように先端側に配設されたカバーとの間にアルミナを主成分とするフィラーを充填してなり、かつ、上記カバーはAlを含有するNi合金からなる。
そして、上記Alを含有するNi合金は、Ni:58〜63質量%、Cr:21〜25質量%、Al:1〜2質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上述の耐熱性及び耐酸化性の効果を特に良好に発揮することができる。
また、上記Ni合金は、ニッケルと十分なクロムを含有しているため、多くの腐食性媒体と高温環境に対して優れた耐食性を示す。また、アルミニウム添加により耐酸化性を更に向上することができる。
また、上記成分の含有量が上述の範囲を外れる場合には、上記特性を得難くなるおそれがある。
また、上記感温体としては、一対の電極線を設けたサーミスタ素子のみからなるものであってもよいし、一対の電極線を設けたサーミスタ素子をガラスを用いて封止したガラス封止素子を用いてもよい。
上記ガラス封止素子は、上記サーミスタ素子を上記電極線の一部と共にガラスによって封止することにより、振動によってサーミスタ素子と電極線との接合部が断線することや、サーミスタ素子の抵抗値特性の変化を抑制できるものである。
そして、上記感温体は、先端部が曲面形状を呈するガラス封止素子であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、特に、フィラーの崩壊を抑制することができ、耐振性を向上させることができる。
上記温度センサは、一般的に、カバーにフィラーを充填した後、感温体を侵入させて作製される。
感温体として円柱型素子や、直方体型素子等、先端部が平面形状の素子を用いる場合には、端面で押して侵入させるため、気泡が上部に抜け難く気泡が残留するという問題や、面で押すことにより先端側においてフィラー密度が高くなるという問題がある。このように、フィラーが不均一となると、硬度バラツキが生じ、フィラーの崩壊に繋がり、信頼性が悪化することが考えられる。
そこで、上述したように、感温体を先端部が曲面形状を呈するガラス封止素子とすると、気泡が上部に抜け易くなり、また、先端側のフィラー密度が高くなることを抑制することができ、フィラーの均一化を図ることができる。そのため、硬度バラツキを低減することができ、フィラーの崩壊を抑制することができる。
上記感温体は、先端部が曲面形状を呈することが好ましいが、感温体の形状が、球、楕円体であることがより好ましい。
また、上記フィラーは、例えば、主成分としてのアルミナに助材や分散剤を混合したものを、水によってスラリー化し、充填した後、熱処理を施すことによって形成することができる。上記助材は、アルミナ粒子の結合を助ける働きをするものであり、例えば、CaCO3、カオリン、タルク、ホウ酸等がある。また、上記分散剤は、アルミナ粒子をスラリー中において均一分散させるものであり、例えば、セラモ(第一工業製薬社製)がある。
また、上記温度センサは、950℃以上の使用環境において使用されることが好ましい(請求項4)。
本発明の温度センサは、高温域においても、耐熱性、耐振性を有することができる。そのため、950℃以上の使用環境においても、長期に亘り好適に用いることができる。
(実施例1)
本例は、本発明の実施例にかかる温度センサについて、図1を用いて説明する。
本例における温度センサ1は、感温体2と該感温体2を覆うように先端側に配設されたカバー3との間にアルミナを主成分とするフィラー4を充填してなる。上記カバー3はAlを含有するNi合金からなる。
以下、これを詳説する。
上記温度センサ1を作製するに当たっては、まず、感温体2として、略直方体形状を有するサーミスタ素子21に一対の電極線22を配置した感温体2を用意した。また、上記電極線22として、10質量%含有するPt合金よりなり、線径がφ0.25mmのものを用意した。
また、Ni:60.5質量%、Cr:23.0質量%、Al:1.4質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなるNi合金からなるカバー3を用意した。
また、フィラー4として、アルミナを主成分とするフィラー4を用意した。
なお、上述した各部の材料は一例であって、本発明はこれに限られるものではない。
そして、上記感温体2を用いて、上記感温体2と、該感温体2の一対の電極線22にそれぞれ接続された一対の信号線51を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピン5と、上記感温体2を覆うように先端部に配設されたカバー3とを有する温度センサ1を得た。なお、上記感温体2は、カバー3にフィラー4を充填した後、カバー内に侵入させた。
上記カバー3は、シースピン5の先端部の外周に対して、全周溶接されている。
また、シースピン5、信号線51は、ステンレス鋼またはNi基耐熱合金からなる。
また、上記シースピン5は、2本の信号線51と、該信号線51の周りに配置したマグネシア等の絶縁粉末からなる絶縁部52と、該絶縁部52の外周を覆うステンレス鋼からなる外管部53とからなる。シースピン5は円柱形状を有し、外管部53は円筒形状を有する。また、信号線51は、絶縁部52及び外管部53から先端側及び後端側に露出している。そして、信号線51の先端は電極線22と溶接されている。
本発明の温度センサ1のカバー3はNi合金よりなり、耐熱性を有するため、高温環境下におけるカバー3の変形を抑制することができる。そのため、上述したような、カバー3の変形による、サーミスタ素子21の割れや電極線22の断線の発生を抑制することができる。
また、上記Ni合金はAlを含有している。このAlは、高温環境下において酸化し、カバー3の内面にアルミナの膜を形成する。そして、形成されたアルミナの膜によって、カバー3がそれ以上酸化することを抑制する耐酸化性を確保することができる。そのため、カバー3とフィラー4との固着や、カバー3とフィラー4との間に隙間が形成されることを抑制することができ、振動によるフィラーの崩壊を抑制することができ、耐振性を確保することができる。
つまり、上記耐熱性及び上記耐酸化性を併せ持つことにより、高温環境下において、上記フィラー4、上記感温体2(電極線22、素子21等)への熱応力を低減することができ、かつ耐振性を得ることができ、フィラー4の崩壊、素子21の崩壊、電極線22の断線を低減することができる。そのため、温度センサ1の寿命を大幅に向上させることができる。
このように、本例によれば、耐熱性、耐振性を向上させ、高寿命化が可能な温度センサを提供できることがわかる。
(実施例2)
本例は、図2に示すように、上記実施例1の温度センサ1の感温体2を、先端部が曲面形状を呈するガラス封止素子202に変更した温度センサ202を作製した例である。その他は、上記実施例1と同様にして行った。
上記感温体202は、上記サーミスタ素子21を上記電極線22の一部と共に第1ガラス層23及び第2ガラス層24によって封止した楕円体の感温体である。
上記感温体202を作製するに当たっては、上記第1ガラス層23を形成するための第1ガラスペースト、及び上記第2ガラス層24を形成するための第2ガラスペーストを用意した。そして、上記第1ガラスペースト及び第2ガラスペーストは、SiO2:30〜60質量%、CaO:10〜30質量%、MgO:5〜25質量%、Al23:0〜15質量%よりなるガラス粉末を含有する。
なお、上述した各部の材料は一例であって、本発明はこれに限られるものではない。
そして、電極線22をサーミスタ素子21に接合した接合体を、上記第1ガラスペースト中にディップして上記サーミスタ素子21と上記電極線22の一部を覆うようにガラスを含有する第1ガラスペーストを配置した。乾燥後、上記ガラスペーストを加熱して上記ガラスが結晶化する温度以上に保持する熱処理を行うことにより第1ガラス層23を形成した。なお、上記熱処理における保持温度は、1200℃とした。
更に、第2ガラスペーストに、第1ガラス層23によって覆われた接合体をディップして、第1ガラス層23の上に所定量の第2ガラスペーストを付着させる。これを、乾燥後1200℃にて熱処理することで焼付けを行い、第2ガラス層24を形成し、感温体202を得た。
本例の温度センサ202は、上記実施例1において作製した温度センサ1と同様の効果を得ることができる。また、上記感温体202は、先端部が曲面形状を呈するガラス封止素子である。そのため、感温体202の配設時に、フィラー4中の気泡が上部に抜け易くなり、また、先端側のフィラー密度が高くなることを抑制することができ、フィラー4の均一化を図ることができる。フィラー4の硬度バラツキを低減することにより崩壊を抑制することができ、温度センサ1の耐振性を向上させることができる。
(比較例1)
本例では、本発明の比較例として、上記実施例2のカバー3を、SUS310Sよりなるカバーに変更した温度センサを作製した。その他は実施例2と同様にして行った。
(実験例1)
本例は、上記実施例2において作製した温度センサ102と、上記比較例1において作製した温度センサについて、耐久調査、及びFEM解析による電極線への熱応力計算を行った。
<耐久調査>
耐久調査は、温度センサを加熱し、1000℃において2分間保持した後、温度センサを冷却し、室温で2分保持するという工程を1サイクルとして、この冷熱サイクルを3000サイクル行う試験を実施し、その後のカバーの変形、及びカバーの酸化を観察することにより行った。
図3に、温度センサ102の断面図を示す。図3における平行な2本の直線Mは、カバー3の変形を確認し易くするための基準線である。
図3より、温度センサ102のカバー3は、上記試験を行っても変形が起きていないことが分かる。そのため、上記フィラー4、上記電極線22、上記感温素子21、ガラス層23、24への熱応力を低減することができる。
また、図4には、温度センサ102のカバー3とフィラー4との界面部分の断面を金属顕微鏡で観察した結果(写真)を示す。図5には、温度センサ102のカバー3とフィラー4との界面部分の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した結果(写真)を示す。また、図6には、温度センサ102のカバー3とフィラー4との界面部分の断面のEDX(エネルギー分散型X線分析)を用いた成分分析の結果を示す。図6(a)はAl、図6(b)はFe、図6(c)はCr、図6(d)はNiのEDX分析結果である。
SEM、EDX分析は、日本電子株式会社製分析走査電子顕微鏡を用いて行った。
図4〜図6より、カバー3とフィラー4との間に酸化層や隙間が形成されていないことを確認できる。そのため、振動によるフィラーの崩壊を抑制することができ、耐振性を確保することができる。
図7に、比較例1において作製した温度センサ9の断面図を示す。図7における平行な2本の直線Nは、カバー91の変形を確認し易くするための基準線である。
図7より、SUS310Sよりなるカバー91は、熱膨張により変形し、カバー91の変形に伴って電極線94が断線していることが確認できる。
また、図8には、温度センサ9のカバー91とフィラー4との界面部分の断面を金属顕微鏡で観察した結果(写真)を示す。図9には、温度センサ9のカバー91とフィラー4との界面部分の断面をSEMで観察した結果(写真)を示す。また、図10には、温度センサ9のカバー91とフィラー4との界面部分の断面のEDXを用いた成分分析の結果を示す。図10(a)はAl、図10(b)はFeのEDX分析結果である。
図8〜図10より、SUS310Sよりなるカバー91は、内面において酸化が進行して酸化層92が形成され、カバー91の肉厚が薄くなっていることが確認できる。また、図9より、カバー91とフィラー4との間に隙間93が発生していることが確認できる。
<熱応力計算>
FEM解析によって、温度を25℃から1000℃に加熱した場合、温度を1000℃から25℃に冷却した場合を想定して、電極線への熱応力を計算した。図11に、FEM解析の結果を示す。図11は、横軸に温度(℃)、縦軸に主応力(MPa)をとった。図11(a)は、温度を25℃から1000℃に加熱した場合、図11(b)は、温度を1000℃から25℃に冷却した場合の結果を示す。図11において、曲線Xは温度センサ102の結果を示し、曲線Yは温度センサ9の結果を示す。
図11より、いずれの場合においても、温度センサ102は、温度センサ9と比較して電極線への熱応力が小さいことがわかる。
これらの結果より、本発明の温度センサは、高温環境下において、カバ−の変形を抑制でき、かつ酸化膜の形成を抑制することができることがわかる。そして、上記フィラー、上記電極線、上記サーミスタ素子、ガラス層への熱応力を低減でき、上記フィラーと上記カバーとの間に隙間が形成されないことにより、フィラーの崩壊、サーミスタ素子の崩壊、電極線の断線を低減できることがわかる。つまり、耐熱性、耐振性を向上させた耐久性を有し、高温の使用環境においても十分に使用可能であり、高寿命化が可能であることが分かる。
なお、本例では、実施例1において作製した温度センサ1についての耐久調査は行っていないが、上記温度センサ2と同様の結果を示す。
(実験例2)
本例では、実施例1及び実施例2においてカバーとして用いたNi合金(合金1)、比較例1においてカバーとして用いたSUS310S(合金2)、また、Ni:54.0%(質量%、以下同様)、Cr:22.0%、Mo:9.0%、Co:12.5%、Al:1.0%を含有し、残部が不可避的不純物よりなる合金(合金3)、Ni:32.5%、Cr:21.0%、Fe:46.0%、C:0.04%を含有し、残部が不可避的不純物よりなる合金(合金4)、及びNi:76.0%、Cr:15.5%、Fe:8.0%を含有し、残部が不可避的不純物よりなる合金(合金5)について、耐酸化性の評価を行った。
酸化が起きると重量は変化するため、耐酸化性の評価は、試料を加熱して1000℃において2分間保持した後、試料を冷却して室温で2分保持するという工程を1サイクルとして、この冷熱サイクルを4000サイクル行う試験を実施し、試料の重量変化を測定することにより行った。
結果を図12に示す。図12は、横軸にサイクル数、縦軸に重量変化(mg/cm2)をとった。図12において、曲線Oは合金1、曲線Pは合金2、曲線Qは合金3、曲線Rは合金4、曲線Sは合金5の結果を示す。
図12より、Alを含有するNi合金(合金1、合金3)は、ほとんど重量変化が見られない。Alを含有しない他の合金(合金2、合金4、合金5)は、サイクル数の増加に伴って重量が変化している。すなわち、Alを含有するNi合金は、Alを含有しない他の合金と比較して、耐酸化性に優れることがわかる。
(実験例3)
本例では、上記実施例1及び上記実施例2においてカバーとして用いたNi合金、及び比較例1においてカバーとして用いたSUS310Sについて、エリクセン試験値を測定し、押出し成形性の評価を行った。
図13(a)に示すように、しわ押さえ71とダイス72を用いて挟み込んだ試験片6に鋼球ポンチ73を押し込み、図13(b)に示すように、試験片6の少なくとも1ヵ所に裏面に達する割れ61が生じさせる。エリクセン試験値は、割れ61が生じた時点でのポンチ73の先端731のしわ押さえ面711からの移動距離Lである。エリクセン試験値が大きい程、張出加工に対しては有利といえる。そして、温度センサのカバーのような深絞り品は、エリクセン試験値が大きい方が好ましい。
結果を図14に示す。図14は、縦軸にエリクセン試験値(mm)をとった。
図14より、上記Ni合金と上記SUS310Sとは、同程度のエリクセン試験値であり、生産において悪影響を与えないことが分かる。
(実験例4)
上記実施例1及び上記実施例2において作製した温度センサについて、フィラーを観察、及びフィラーのビッカース硬度の測定を行った。
図15(a)は、上記実施例1において作製した温度センサ1の断面を示す図面代用写真であり、図15(b)は、上記実施例2において作製した温度センサ102の断面を示す図面代用写真である。
図15(a)より、温度センサ1のフィラー4には、感温体2の下部において気泡41が確認された。図15(b)より、温度センサ2のフィラー4には、気泡は確認されなかった。
<ビッカース硬度>
ビッカース硬度は、AKASHI製ビッカース硬度計にて荷重200gにより測定した。結果を図16に示す。図16は、縦軸にビッカース硬度(Hv)をとった。図16において、点A〜点Hは、図1及び図2におけるA点〜H点におけるビッカース硬さを示す。
図16より、温度センサ2は、温度センサ1と比較して、フィラーの硬度バラツキが小さいことが分かる。
本例より、感温体を先端部が曲面形状を呈するガラス封止素子とすることにより、気泡が上部に抜け易くなり、また、先端側のフィラー密度が高くなることを抑制することができ、フィラーの均一化を図ることができることがわかる。そして、硬度バラツキを低減し、フィラーの崩壊を抑制することができ、特に、耐振性の向上が可能であることがわかる。
実施例1における、温度センサを示す説明図。 実施例2における、温度センサを示す説明図。 実験例1における、実施例2において作製した温度センサの断面を示す図面代用写真。 実験例1における、実施例2の温度センサのカバーとフィラーの界面を金属顕微鏡で観察した結果を示す図面代用写真。 実験例1における、実施例2の温度センサのカバーとフィラーの界面をSEMで観察した結果を示す図面代用写真。 実験例1における、実施例2の温度センサのカバーとフィラーの界面をEDXを用いて成分分析した結果を示す図。 実験例1における、比較例1の温度センサの断面を示す図面代用写真。 実験例1における、比較例1の温度センサのカバーとフィラーの界面を金属顕微鏡で観察した結果を示す図面代用写真。 実験例1における、比較例1の温度センサのカバーとフィラーの界面をSEMで観察した結果を示す図面代用写真。 実験例1における、比較例1の温度センサのカバーとフィラーの界面をEDXを用いて成分分析した結果を示す図。 実験例1における、FEM解析による熱応力計算の結果を示す説明図。 実験例2における、冷熱サイクルと重量変化の関係を示す説明図。 実験例3における、エリクセン試験値の測定方法を示す説明図。 実験例3における、エリクセン試験値の測定結果を示す説明図。 実験例4における、温度センサの断面を示す図面代用写真。 実験例4における、ビッカース硬度の測定結果を示す説明図。
符号の説明
1 温度センサ
2 感温体
3 カバー
4 フィラー

Claims (4)

  1. 感温体と該感温体を覆うように先端側に配設されたカバーとの間にアルミナを主成分とするフィラーを充填してなる温度センサであって、
    上記カバーはAlを含有するNi合金からなり、
    上記カバーの内面にはアルミナの膜が形成されていることを特徴とする温度センサ。
  2. 請求項1において、上記Alを含有するNi合金は、Ni:58〜63質量%、Cr:21〜25質量%、Al:1〜2質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなることを特徴とする温度センサ。
  3. 請求項1又は2において、上記感温体は、先端部が曲面形状を呈するガラス封止素子であることを特徴とする温度センサ
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記温度センサは、950℃以上の使用環境において使用されることを特徴とする温度センサ。
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