JP6611953B2 - 歪みセンサ - Google Patents

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Description

この発明は、歪みセンサに関する。
従来から、金属ダイヤフラムに接合部材を介して半導体素子を接合した歪みセンサが知られている。さらに、特許文献1には、金属ダイヤフラム(金属板)上に接合した接合部材(ガラス層)及び半導体素子(Siチップ)の破損を抑制するため、金属ダイヤフラム及び接合部材の材料として、熱膨張係数が同等程度(具体的には、2.0×10−6/℃〜6.0×10−6/℃(20℃〜300℃の範囲))の材料を使用する技術が開示されている。また、特許文献2においても、接合部材(接合ガラス)と金属ダイヤフラム(金属ステム)との熱膨張係数差が大きいことによって接合部材や半導体素子に亀裂等の損傷が生じることを抑制するために、半導体素子の外周側に、接合部材と金属ダイヤフラムとの熱膨張係数の差に起因する熱応力を吸収する応力吸収材を設けた歪みセンサが開示されている。この応力吸収材としては、金属ダイヤフラムと半導体素子との間の熱膨張係数(具体的には、熱膨張係数が49×10−7/℃〜69×10−7/℃(20℃〜300℃の範囲))を有する材料を用いている。
特開昭61−217733号公報 特開2013−234955号公報
ところで、近年、350℃程度の高温の環境下で歪みセンサを用いることが要求されている。しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された歪センサでは、このような高温での環境下で歪みセンサを用いることを考慮されていない。特に特許文献2に記載された歪みセンサでは、ダイヤフラムの金属材料としてSUS430を使用しているが、SUS430は高温での強度が低いので、350℃程度の高温の環境下では使用できないという問題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、金属部材からなるダイヤフラムの上に、シリコンを含む歪ゲージとしての半導体素子を、ガラスを介して接合した歪みセンサが提供される。この歪みセンサは、前記金属部材が、50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数が、12.1ppm/℃以上21.2ppm/℃以下であるNi基耐熱合金であり;前記ガラスが、350℃より高いガラス転移点を有すると共に、前記温度範囲における平均線膨張係数が、前記温度範囲における前記金属部材の平均線膨張係数よりも低く、且つ前記温度範囲における前記半導体素子の平均線膨張係数以上であり;前記ガラスの平均線膨張係数と前記金属部材の平均線膨張係数との差が3.3ppm/℃以上10.2ppm/℃以下である、ことを特徴とする。
この歪みセンサによれば、金属部材としてNi基耐熱合金を用いると共に、ガラスとして350℃より高いガラス転移点を有する材料(以下、耐熱ガラス材料とも言う)を用いたので、350℃程度の高温での環境下で歪みセンサを用いることが可能となる。
また、この歪みセンサによれば、ガラスの平均線膨張係数と金属部材の平均線膨張係数との差を3.3ppm/℃以上としている。金属部材としてNi基耐熱合金を用い、ガラスとして耐熱ガラス材料を用いるにあたり、発明者が鋭意検討した結果、以下のようなことを見出した。詳細には、溶融したガラスを用いてダイヤフラム上に半導体素子を接合した後、ガラスが冷却されると、ガラスの平均線膨張係数と金属部材の平均線膨張係数との差に応じた残留圧縮応力(残留圧縮歪み)がガラスに生じる。そして、ガラスの平均線膨張係数と金属部材の平均線膨張係数との差を3.3ppm/℃以上とすることで、高温の環境下で歪みセンサを使用したときに、ダイヤフラムが伸びてその伸びに応じてガラスに引張応力が加わったとしても、残留圧縮応力により引張応力が相殺されるため、ガラスに過度の引張応力が掛からない。そして、一般的に、ガラスは引張応力よりも圧縮応力に対して高い強度を有するため、この結果、歪みセンサの耐荷重性が向上することができる。なお、ガラスの平均線膨張係数と金属部材の平均線膨張係数との差を3.3ppm/℃未満であれば、上記の効果が得られない。
さらに、この歪みセンサによれば、ガラスの平均線膨張係数と金属部材の平均線膨張係数との差を10.2ppm/℃以下としている。これにより、溶融したガラスを用いてダイヤフラム上に半導体素子を接合した後、ガラスが冷却された際(つまり、常温(25℃)時)に、残留圧縮応力(残留圧縮歪み)がガラスに過度に生じることを抑制でき、常温時にガラスが破損することを抑制できる。
(2)上記歪みセンサにおいて、前記温度範囲において前記歪みセンサの使用条件下における最大荷重を前記ダイヤフラムに掛けた状態において、前記ダイヤフラムと前記半導体素子の間にある前記ガラスに発生する歪みが、圧縮歪みとなるものとしてもよい。
この構成によれば、高温の環境下でダイヤフラムに最大荷重を掛けた状態においても、ガラスに加わる引張応力が残留圧縮応力により完全に相殺され、ガラスには圧縮歪みのみが残るので、歪センサの耐荷重性が更に向上する。
(3)上記歪みセンサにおいて、前記温度範囲における前記ガラスの平均線膨張係数は、6.3ppm/℃以上であるものとしてもよい。
この構成によれば、容易にガラスの平均線膨張係数を半導体素子の平均線膨張係数以上とすることができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、歪みセンサや、歪みセンサの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての歪みセンサの断面図。 歪みセンサに関する接合試験の結果を示す図。 歪みセンサのガラスに掛かる歪みの計算例を示す図。
図1(A)は、本発明の一実施形態としての歪みセンサ100の断面図であり、図1(B)は図1(A)のB部分の拡大図である。この歪みセンサ100は、有底の金属筒状体20を有し、金属筒状体20の底部を構成するダイヤフラム22の上に、ガラス30を介して半導体素子40を接合した構成を有する。半導体素子40は、シリコンを含む歪ゲージとして構成されている。この歪みセンサ100は、ダイヤフラム22の変形量(歪み量)を半導体素子40で検出する機能を有する。この歪みセンサ100は、溶融したガラスを用いてダイヤフラム22の上に半導体素子40を接合した後に、冷却してガラス30を固化させることによって作製される。冷却時にガラス30が固化する温度(ガラスの固着点温度)は、例えば約460℃〜510℃の範囲であり、典型的には505℃である。
歪みセンサ100の使用温度範囲は、少なくとも50℃以上350℃以下の温度範囲を含むものに設定され、特に高温での使用(具体的には、350℃付近での使用)を考慮している。そのため、後述するような金属筒状体20及びガラス30の材料を選択している。また、後述するように、金属筒状体20とガラス30と半導体素子40の材料としては、それらの線膨張係数が特定の関係を有する材料が選択されており、50℃以上350℃以下の温度範囲で歪みセンサ100を使用した場合に、歪センサ100(特にガラス30)に破損が生じ難い構成となっている。
ダイヤフラム22を形成する金属部材は、高温での使用を考慮して、350℃の使用温度に耐えうるNi基耐熱合金が選択される。また、このようなNi基耐熱合金の50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数CTEmは、12.1ppm/℃以上21.2ppm/℃以下であるものが選択される。また、この金属部材の平均線膨張係数CTEmは、12.2ppm/℃以上17.2ppm/℃以下であることが好ましい。なお、金属部材の平均線膨張係数CTEmの下限値(12.1ppm/℃)及び上限値(21.2ppm/℃)は、Ni基耐熱合金について実現可能な下限値及び上限値として採用した値である。Ni基耐熱合金としては、例えば以下のものを利用可能である。
<Ni基耐熱合金の例1>
(1)組成(重量%):
Ni:58.0〜63.0%,Cr:21.0〜25.0%,Al:1.0〜1.7%,C:≦0.10%,Si:≦0.50%,Mn:≦1.0%,S:≦0.015%、Cu:≦1.0%,Fe:残
(2)50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数CTEm:
約13.0〜約15.0ppm/℃
<Ni基耐熱合金の例2>
(1)組成(重量%):
Cr:18.00〜21.00%,B:0.003〜0.01%,Zr:0.02〜0.12%,Al:1.20〜1.60%,Ti:2.75〜3.25%,Mo:3.50〜5.00%,Co:12.00〜15.00%,Cu:≦0.50%,Fe:≦2.00%,S:≦0.030%,Si:≦0.75%,Mn:≦1.00%,C:≦0.10%,P:≦0.030%.Ni:残
(2)50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数CTEm:
約12.2〜約13.5ppm/℃
<Ni基耐熱合金の例3>
(1)組成(重量%):
Ni:24.0〜27.0%,Cr:13.5〜16.0%,Ti:1.90〜2.35%,Mo:1.0〜1.5%,V:0.10〜0.50%,C:≦0.08%,Mn:≦2.0%,Si:≦1.0%,Al:≦0.35%,S:≦0.030%,B:0.001〜0.01%,Fe:残
(2)50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数CTEm:
約16.0〜約17.2ppm/℃
<Ni基耐熱合金の例4>
(1)組成(重量%):
Ni:≧58.0%,Cr:20.0〜23.00%,C:≦0.10%,Fe:≦5.0%,Si:≦0.50%,Mn:≦0.50%,S:≦0.015%,Al:≦0.40%,Ti:≦0.40%,P:0.015%,Mo:8.0〜10.0%
(2)50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数CTEm:
約12.8〜約13.5ppm/℃
なお、代表的なNi基耐熱合金の50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数CTEmの値を考慮すれば、金属部材の平均線膨張係数CTEmを12.2ppm/℃以上17.2ppm/℃以下の範囲としても良い。
ガラス30の材質としては、50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数CTEgが、金属部材の平均線膨張係数CTEmよりも低く、且つ後述する半導体素子40の50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数CTEs以上であり、さらに、高温での使用を考慮して、350℃より高いガラス転移点を有するものが選択される。さらに、ガラス30の平均線膨張係数CTEgは、6.3ppm/℃であるものとしてもよい。これにより、容易に半導体素子の平均線膨張係数以上とすることができる。このようなガラス材料としては、種々のガラスを使用可能であり、例えば、無鉛ガラスや鉛ガラスなどの無機ガラスを使用可能である。なお、ガラス30の平均線膨張係数CTEgを調整するために、ガラス成分との間で化学反応を生じない粉末材料で形成されたフィラーを適宜混合するようにしてもよい。このようなフィラーとしては、コージェライトやシリカ等の各種の酸化物を利用可能である。
さらに、ガラス30の平均線膨張係数CTEgと金属部材の平均線膨張係数CTEmとの差を3.3ppm/℃以上としている。溶融したガラスを用いてダイヤフラム22上に半導体素子40を接合した後、ガラス30が室温(約25℃)まで冷却されると、ガラス30の平均膨張係数CTEgと金属部材の平均線膨張係数CTEmとの差(CTEg−CTEm)に応じた残留圧縮応力(残留圧縮歪み)がガラス30に生じる。そして、ガラス30の平均線膨張係数と金属部材の平均線膨張係数との差を3.3ppm/℃以上とすることで、高温の環境下で歪みセンサ100を使用したときに、歪みセンサ100の温度が上昇してダイヤフラム22が膨張し、この膨張に応じてガラス30に引張応力が加わったとしても、残留圧縮応力により引張応力が相殺されるため、ガラス30に大きな引張応力が生じることが無い。そして、一般的に、ガラス30は圧縮応力には強いが引張応力には弱い傾向がある。従って、50℃〜350℃の環境下での歪みセンサ100の耐荷重性を向上させることができる。この意味では、ダイヤフラム22を形成する金属部材とガラス30の平均線膨張係数の差(CTEm−CTEg)は大きいことが好ましく、ガラス30の平均線膨張係数と金属部材の平均線膨張係数との差を3.3ppm/℃以上とすることが好ましい。この下限値(3.3ppm/℃)は、後述する図3の試験結果を考慮して決められた値である。但し、ガラス30の平均線膨張係数と金属部材の平均線膨張係数との差(CTEm−CTEg)を10.2ppm/℃以下としている。両者の平均線膨張係数の差が過度に大きいと、溶融したガラスを用いてダイヤフラム22上に半導体素子40を接合した後、ガラスが冷却された際(常温時)に、ガラス30に過度の残留圧縮応力が生じてしまい、ガラス30が破損する可能性がある。この点を考慮すると、金属部材の平均線膨張係数とガラス30の平均線膨張係数との差(CTEm−CTEg)は、10.2ppm/℃以下とすることが好ましい。この上限値(10.2ppm/℃)は、後述する図2の試験結果を考慮して決められた値である。
半導体素子40は、シリコンを含む素子であり、また、50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数CTEsが、ガラス30の平均線膨張係数CTEg以下であるものが選択される。シリコンチップを用いて半導体素子40を形成する場合には、その平均線膨張係数CTEsはSiとほぼ同じであり、約3.0〜約3.5ppmである。半導体素子40の平均線膨張係数CTEsをガラス30の平均線膨張係数CTEg以下とする理由は、逆に、CTEg<CTEsとした場合には、高温の使用時に半導体素子40がガラス30よりも膨張するので、ガラス30の圧縮応力を小さくしてしまい、耐荷重性を低下させてしまうからである。
なお、ダイヤフラム22とガラス30と半導体素子40の材料としては、更に、50℃以上350℃以下の温度範囲においてダイヤフラム22に最大荷重を掛けた状態(歪みセンサ100にその使用圧力範囲の最高圧力を掛けた状態)において、ダイヤフラム22と半導体素子40の間にあるガラス30に発生する歪みが、圧縮歪みとなるように選択されていることが好ましい。歪みセンサ100の使用条件下におけるダイヤフラム22の最大荷重は、歪みセンサ100の用途に応じてその型番毎に設定される。なお、通常は、金属筒状体20の外部に比べて内部に高い圧力が掛かる状態で歪みセンサ100が使用される。このように各材料を選択すれば、ダイヤフラム22に最大荷重を掛けた状態においても、ガラス30に加わる引張応力が残留圧縮応力により完全に相殺され、ガラス30には圧縮歪みのみが残るので、歪センサ100の耐荷重性を更に向上させることができる。
図2は、各種の歪みセンサ100の複数のサンプルに関する接合試験の結果を示している。7つのサンプル#11〜#17のうち6つのサンプル#11〜#16は、半導体素子40とガラス30が共通しており、ダイヤフラム22の金属部材が互いに異なるサンプルである。すなわち、サンプル#11のダイヤフラム22の金属部材としては上述したNi基耐熱合金の例1(CTEm=13.0ppm/℃)を使用した。また、ダイヤフラム22の金属部材として、サンプル#12では銅(CTEm=16.5ppm/℃)、サンプル#13では真鍮(CTEm=17.5ppm/℃)、サンプル#14ではアルミニウム(CTEm=23.1ppm/℃)を使用した。さらに、ダイヤフラム22の金属部材として、サンプル#15では、上述したNi基耐熱合金の例3(CTEm=16.0ppm/℃)、サンプル#16では、上述したNi基耐熱合金の例4(CTEm=12.8ppm/℃)を使用した。また、半導体素子40の平均線膨張係数CTEsは3.5ppm/℃であった。さらに、ガラス30の平均線膨張係数CTEgは6.3ppm/℃であった。ガラス30の固着点温度T1は約505℃であったため、固着点温度と、評価温度T2である室温(約25℃)との温度差ΔTを480℃とした。
一方、サンプル#17は、半導体素子40とダイヤフラム2の金属部材がサンプル#15と共通しており、ガラス30が異なるサンプルである。すなわち、サンプル#17のダイヤフラム22の金属部材としては上述したNi基耐熱合金の例3(CTEm=16.0ppm/℃)を使用した。また、半導体素子40の平均線膨張係数CTEsは3.5ppm/℃であった。さらに、ガラス30の平均線膨張係数CTEgは10.0ppm/℃であった。ガラス30の固着点温度T1は約464℃であったため、固着点温度と、評価温度T2である室温(約25℃)との温度差ΔTを439℃とした。
ガラス30の熱収縮量εgと金属部材の熱収縮量εmは、各サンプルをガラス30の固着点温度T1から評価温度T2である室温まで冷却した場合の値を示しており、それぞれの平均線膨張係数CTEg,CTEmに温度差ΔT(=439℃、480℃)を乗じて算出した値である。なお、平均線膨張係数CTEg,CTEmは、50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数の値であり、図2で使用している温度範囲(25℃〜505℃)で平均線膨張係数は多少異なっているが、両者の差に大きなずれは生じ無いので、結論に対する影響は無視できる程度である。
ガラス残留歪みΔεは、ガラス30の熱収縮量εgと金属部材の熱収縮量εmの差である。なお、ガラス残留歪みΔεは、負の場合にはガラス30に圧縮歪みが存在することを意味し、正の場合にはガラス30に引張歪みが存在することを意味する。図2の例では、サンプル#11,#12,#13,#14の順に、ガラス残留歪みΔεの絶対値が大きくなっており、より大きな圧縮歪みが発生することを示している。
これらのサンプル#11〜#17の接合試験では、溶融したガラスを用いてダイヤフラム22の上に半導体素子40を接合し、室温まで冷却した後に、ガラス30に破損が生じているか否かを目視で確認した。サンプル#11,#12,#15,#16,#17ではガラス30に破損(ひび割れ等)が発生していなかったが、サンプル#13,#14ではガラス30に破損が発生していた(図2の右端の欄)。このテスト結果から考えると、金属部材とガラス30の平均線膨張係数の差(CTEm−CTEg)が10.2ppm/℃よりも大きい場合には、歪みセンサ100の常温時時にガラス30に過度に大きな圧縮歪みが発生して、ガラス30が破損してしまう可能性がある。従って、金属部材とガラス30の平均線膨張係数の差(CTEm−CTEg)は10.2ppm/℃以下とする。なお、サンプル#12では、平均線膨張率CTEs,CTEg,CTEmの関係は、好ましい関係の範囲内にあるが、金属部材として銅を用いているので、このサンプル#12を350℃程度の高温の環境下では繰り返して使用できない。従って、ダイヤフラム22の金属部材としては、サンプル#11,#15,#16,#17のようなNi基耐熱合金を使用する。
図3は、歪みセンサ100のガラス30に掛かる歪みの計算例を示している。6つのサンプル#21〜#26は、ガラス30と金属部材の平均線膨張係数が異なるサンプルである。サンプル#21は、図2のサンプル#11と同じものであり、ガラス30の平均線膨張係数CTEgが6.3ppm/℃、金属部材の平均線膨張係数CTEmが13.0ppm/℃である。サンプル#22は、ガラス30の平均線膨張係数CTEgを8.8ppm/℃とし、金属部材の平均線膨張係数CTEmを12.1ppm/℃としたサンプルである。なお、サンプル#22における金属部材の平均線膨張係数CTEmの値(12.1ppm/℃)は、Ni基耐熱合金について実現可能な下限値として採用した値である。サンプル#23は、サンプル#22のガラス30の平均線膨張係数CTEgを8.9ppm/℃に変えたサンプルである。サンプル#24は、図2のサンプル#15と同じものであり、ガラス30の平均線膨張係数CTEgが6.3ppm/℃、金属部材の平均線膨張係数CTEmが16.0ppm/℃である。サンプル#25は、図2のサンプル#16と同じものであり、ガラス30の平均線膨張係数CTEgが6.3ppm/℃、金属部材の平均線膨張係数CTEmが12.8ppm/℃である。サンプル#26は、図2のサンプル#17と同じものであり、ガラス30の平均線膨張係数CTEgが10.0ppm/℃、金属部材の平均線膨張係数CTEmが16.0ppm/℃である。
図3において、サンプル#21〜サンプル#25は、ガラス30の固着点温度T1は約505℃であり、サンプル#26は、ガラス30の固着点温度T1は約464であった。この固着点温度T1と複数の評価温度T2との温度差ΔTを用いて、各評価温度T2におけるガラス30の歪みを以下のように算出した。
ガラス30の熱収縮量εgと金属部材の熱収縮量εmは、それぞれの平均線膨張係数CTEg,CTEmに温度差ΔTを乗じて算出した値である。なお、図2でも説明したように、平均線膨張係数CTEg,CTEmは、50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数の値であり、図3で使用している温度範囲(25℃〜505℃)で平均線膨張係数は多少異なっているが、両者の差に大きなずれは生じ無いので、結論に対する影響は無視できる程度である。
ガラス残留歪みΔεは、ガラス30の熱収縮量εgと金属部材の熱収縮量εmの差であり、負の場合にはガラス30に圧縮歪みが存在することを意味している。図3の例では、いずれのサンプル#21〜#26においても25℃〜350℃の評価温度T2においてガラス残留歪みΔεはすべて負であり、ガラス30に圧縮歪みが生じている。また、評価温度T2が低いほど、ガラス30の圧縮歪み量|Δε|が大きい。
最大荷重時の素子位置の引張歪みεdは、ダイヤフラム22に歪みセンサ100の使用条件下における最大荷重を掛けた状態において、ダイヤフラム22に発生する引張歪みでる。ここでは、例えば、εd=500ppmと仮定した。
最大荷重時の素子位置の引張歪みεdとガラス残留歪みΔεの合計値(Δε+εd)は、最大荷重時に、ダイヤフラム22と半導体素子40の間にあるガラス30に発生する歪みを示している。この歪み(Δε+εd)が負であれば、最大荷重時においてもガラス30に圧縮歪みが残存しており引張歪みが生じないので、ガラス30が破損しにくく、歪みセンサ100の耐荷重性が向上する。図3の例では、サンプル#21,#22,#24,#25,#26では、25℃〜350℃の範囲においてガラス30の歪み(Δε+εd)は負であり、常に圧縮歪みがある。一方、サンプル#23では、350℃におけるガラス30の歪み(Δε+εd)は正であり、引張歪みが発生する。
なお、歪みセンサ100は、その使用条件の範囲(使用温度範囲及び使用圧力範囲)において十分な耐荷重性を有することが好ましい。具体的には、50℃以上350℃以下の温度範囲においてダイヤフラム22に最大荷重を掛けた状態において、ダイヤフラム22と半導体素子40の間にあるガラス30に発生する歪み(Δε+εd)が、圧縮歪みとなることが好ましい。このために、図3の結果から、金属部材とガラス30の平均線膨張係数の差ΔCTE=(CTEm−CTEg)を3.3ppm/℃以上としている。なお、例えば、サンプル#22,#23のように金属部材の平均線膨張係数CTEmとしてNi基耐熱合金として実現可能な下限値(12.1ppm/℃)を採用した場合には、ガラス30の平均線膨張係数CTEgを8.8ppm/℃以下とすることが好ましい。また、金属部材の平均線膨張係数CTEmの下限値として12.1ppm/℃以外の値を採用した場合にも、金属部材とガラス30の平均線膨張係数の差ΔCTE=(CTEm−CTEg)を3.3ppm/℃以上としている。
但し、最大荷重時の歪み(Δε+εd)が引張歪みになる場合にも、その引張歪み量|Δε+εd|が十分小さい場合にはガラス30が破損する可能性は低いので、現実には問題とならない可能性がある。この場合に、最大荷重時の許容し得る引張歪み量|Δε+εd|は、例えば、500ppm以下とすることができる。
・変形例
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
・変形例1:
上述した実施形態の歪みセンサの構成は例示であり、本発明はこれ以外の種々の構成を有する歪みセンサにも適用可能である。例えば、上記実施形態における金属筒状体20のような金属製の筒状部材を有さない歪みセンサにも本発明を適用可能である。この場合にも、その歪みセンサは、金属部材からなるダイヤフラムの上に、シリコンを含む歪ゲージとしての半導体素子を、ガラスを介して接合した構成を有することが好ましい。
20…金属筒状体
22…ダイヤフラム
30…ガラス
40…半導体素子
100…歪みセンサ

Claims (3)

  1. 金属部材からなるダイヤフラムの上に、シリコンを含む歪ゲージとしての半導体素子を、ガラスを介して接合した歪みセンサにおいて、
    前記金属部材は、50℃以上350℃以下の温度範囲における平均線膨張係数が、12.1ppm/℃以上21.2ppm/℃以下であるNi基耐熱合金であり、
    前記ガラスは、350℃より高いガラス転移点を有すると共に、前記温度範囲における平均線膨張係数が、前記温度範囲における前記金属部材の平均線膨張係数よりも低く、且つ前記温度範囲における前記半導体素子の平均線膨張係数以上であり、
    前記ガラスの平均線膨張係数と前記金属部材の平均線膨張係数との差が3.3ppm/℃以上10.2ppm/℃以下であることを特徴とする歪みセンサ。
  2. 請求項1記載の歪みセンサであって、
    前記温度範囲において前記歪みセンサの使用条件下における最大荷重を前記ダイヤフラムに掛けた状態において、前記ダイヤフラムと前記半導体素子の間にある前記ガラスに発生する歪みが、圧縮歪みとなることを特徴とする歪みセンサ。
  3. 請求項1又は請求項2記載の歪みセンサであって、
    前記温度範囲における前記ガラスの平均線膨張係数は、6.3ppm/℃以上であることを特徴とする歪みセンサ。
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