JP5210864B2 - 無線ネットワークにおける通信方法および通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、例えばコンピュータネットワークにおいて利用されているような無線通信の分野に関する。ある態様において、本発明は、改善された多重アクセス通信に関する。別の態様において、本発明は、多重アクセス通信システムのための改善された信号処理方法および装置に関する。便宜上、以下のいくつかの部分で、マルチユーザパケットに基づく無線のOFDM(直交波周波数分割多重)通信システムの使用との関連で本発明を記載している。しかし、本発明はそのような使用のみに限定されないと理解されるべきである。
本明細書を通しての考察は、本発明者の理解および/または本発明者によるいくつかの先行技術の問題の確認の結果、もたらされるものである。
本明細書を通して使用される単数形での「発明者」は、本発明の1人の発明者または複数の発明者を示す。
本発明者は、以下の従来技術を確認している。
国際出願(PCT)に係属している出願であって、WIPO公開番号WO03/094037およびWO2005/11128において(それぞれ)公開されているPCT/AU03/00502およびPCT/2004/001036では、多くの背景技術のシステムが、音声やデータといった情報が通信される、いわゆる多重アクセス技術を基礎とする無線通信システムに特に関連があるものとして確認された。WO03/094037およびWO2005/11128での開示内容は、それら全体の参照により本出願に援用される。
本発明者は、移動通信システムの性能が物理層(PHY)の処理品質に大きく依存することがあると認識した。物理層は、ビルの谷間のような厳しい伝搬条件の領域や、大きな干渉のある領域を移動するノード間の無線リンクに対して、受信可能性およびロバスト性の提供をもたらすことがある。移動すること、特に高速で地上を移動することは、周囲のビル、車両、その他による反射が一度に様々に合成されることがあり、物理層に対して一層の困難性をもたらすことがある。個人用の移動無線(PMR)ネットワークの場合、ユーザのコストへの敏感さとより低い密度が、複雑で高価な2Gおよび3Gの携帯電話ネットワークに関連してしばしば見られる。マルチホッピングの無線ネットワークは、高価でなく柔軟な広帯域通信を提供することがあるため、個人用の移動無線のために選択されるネットワークのトポロジーとして現れている。この柔軟性は、ネットワークの自己形成の性質により金銭的な余裕をもたらし、また、ネットワークノードを小さなものとする。
マルチホッピングの無線ネットワークを提供する業者の中には、彼らのシステムの中でレガシーなIEEE802.11の無線技術を推進したところもあった。802.11の無線は、静止した屋内の伝搬環境のために設計されたものと考えられ、屋外の移動通信ネットワークでの使用は技術的な観点からは不適切なことがある。IEEE802.16eおよび802.20の物理層ワーキングループにおける標準化活動は、屋外を高速で移動する間に直面する通信の課題に対応できる送信波形を規定することに集中したようである。標準規格は、通常は、信号をどのように受信するかは特定せず、むしろどのような信号が送信されるべきかにフォーカスしている。したがって業者が受信機の技術について責任を負う。マルチホッピングの無線ネットワークにおいて物理層が正しく設定されることは、ローカルアクセスおよびある程度の返りデータが無線で提供されるために、特に重要になることがある。
移動するユーザに信頼できる高速アクセスを提供することの問題は、公安のエンドユーザにより使用されるような個人用の移動無線(PMR)において例証されることがあると本発明者は考える。地上基盤無線(TETRA)や汎用パケット無線サービス(GPRS)のような個人用の移動無線ネットワークにおいて現在使用されている技術は、ユーザの要求に応じるために苦労しているようである。リモートのデータベースやリアルタイムビデオを提供するような用途の要求に応じるために、信頼できる移動広帯域アクセスに対する市場の強い引き合いを本発明者は認識した。第3世代(3G)の携帯電話システムは、1つの選択肢として考えられ、これらは増加したスループットおよび信頼性を提供する。しかし、これらのネットワークは、音声通信の交換を念頭に置いた回線とともに主に設計された。その一方で、現在の利用形態は、高速のパケットデータの転送をしばしば要求する。3Gネットワークのインフラおよび技術供与に要する多大なコストもまた、1つの選択肢としての魅力を損なうことがある。
マルチホッピングによる無線パケットデータのネットワークを個人用の移動無線の展開で使用することが近年提案されてきている。基地局のトポロジーを頼りにする3Gモデルとは対照的に、マルチホッピングソリューションのトポロジーは複数の小さな無線ノードを含むことがある。これらのノードは、データパケットが送信機から単一の受信機に渡され、または、複数の受信機に対して同時にブロードキャストされるネットワークを形成することがある。これらのネットワークは、ノードがこのシステムに入り、またはこのシステムから出ると、動的に再構成される。これにより、移動するユーザを許容する用途に対して魅力的なものになる。さらに、1つのノードに障害が発生しても、このネットワークは使用可能な状態を維持することがある。このことは、基地局において予想される突発故障とは対照的である。このマルチホッピングによるネットワークモデルを考慮して、移動中、例えば都市環境における移動中でも信頼できる広帯域アクセスを提供できる無線モデムに対する明確な要件が策定されている。本発明者は、直交周波数分割多重(OFDM)が広帯域での無線通信によく適していると考えている。しかし、この技術は、静止した屋内環境でのデータ送信に関する問題に対して歴史的に適用されてきた。都会の屋外環境は、無線信号に対する多くの障害物であって、散乱物(clutter)と呼ばれる建物や木々等を含むことがある。現在の無線技術では、受信機の感度を犠牲にして高スループットのみが提供されることがある。そのため、雑然とした都市環境では、受信可能領域が狭まることがある。さらに、送信機と受信機間の相対移動は、これら障害物の影響に経時変化を生じさせることがある。移動および散乱物による効果が合成されるとき、無線チャネルは結果として、通信システムの設計者に対して深刻な難問を提示する。
本発明者により確認された従来技術へのさらなる言及に関して、移動性と受信機の感度とを両立するためには、改善された復調のために必要なパラメータの高品質なトラッキング(tracking)が必要とされる。受信機の感度を向上させる正確な復調を実現する無線チャネルの推定のために重要と考えられるパラメータがある。OFDMシステムにおいて、受信信号の復調のために必要とされる周波数領域のチャネルモデルは、以下の6つのパラメータによって主に特徴づけられる。
1/複素チャネル振幅(サブキャリアごと)
2/OFDMシンボルごとの位相オフセット
3/雑音電力
4/OFDMタイミング誤差/オフセット
5/チャネルのコヒーレンス時間
6/チャネルのコヒーレンス周波数
複素チャネル振幅は、例えば上記1、2、4の3つの結果の合成として形成されてもよい。複素チャネル振幅の変化量は、位相およびOFDMタイミングオフセットを除いて、付随的に形成されてもよい。OFDMのサブキャリアmに対して、周波数領域の受信信号は、以下の数1のように、周波数領域の送信信号の観点で表現される。
数1と等価な回路(circuit)を示す図1を参照すると、サブキャリアmで送信された信号s(t)は、複素数の乗算として表される3つの効果により影響を受ける。それらの順番には特に意味はない。これらの効果のうち第1のθ(m)は、FFT(高速フーリエ変換)ウインドウのタイミングオフセットにより生じたOFDMシンボルにおいてサブキャリアの全域(across)でゆっくりと変化する位相シフトを示している。あるパケットのチャネルモデルを形成することに関して、サブキャリアの全域での位相シフトがOFDMシンボルにおいて時間が経過しても不変であると仮定されてもよい。第2の効果Φ(t)は、OFDMシンボルにおいてゆっくりと変化する位相シフトを示している。この位相シフトは、送信機および受信機の無線周波数(RF)ステージ(stage)間の周波数オフセットや位相雑音のように、全てのサブキャリアおよびモデルの効果において同一であると仮定される。第3の効果h(t)は、周波数選択性フェージングと、ドップラー周波数がOFDMのシンボルレートの重要な一部となる場所の移動とにより生じるような、大きな位相および振幅の変化量を収集したものである。この第3の乗算値は時間およびサブキャリアとともに変化してもよい。
上述した各パラメータは、時間および/または周波数とともに次々と変化してもよく、および/または、受信信号の正確な復調のために非常に重要である。本発明者は、これらのパラメータをトラッキングするための従来の方法が典型的には、
・静止した環境のために設計されたアルゴリズム/手法を適用し、パラメータの更新のための措置はとらない、
・この問題を無視する、もしくは、
・パイロット試験のようなデータスループットを制限する非効率な手法を使用する。これらはまた、持続されるパラメータの時間領域および/または周波数領域での変化の割合が制限される、
ことを確認した。
通常、データレートを大きくするためには、復号のレイテンシをより小さくする必要があると考えられる。さらに、この環境では、マルチアンテナの復調における高い複雑性が想定される。
パケット到着時刻の特定における複雑性は、処理が継続して実行されるために、実際のシステムでは低く維持されるべきである。したがって、複雑性を最小限にする一方でこの段階(stage)の正確性は可能な限り高いことが要求されるため、後に続く処理段階において到着時刻の誤差が捕捉されるべきである。従来のシステムは、受信信号が自身の遅延信号により増加させられ、蓄積され、正規化される遅延および相関(delay and correlate)方式を使用して、測定基準を形成することがある。パケットの到着時刻は、その後、所定の閾値を上回る正規化された測定基準におけるいずれかのピークから特定されてもよい。この入力信号の正規化は通常必要となり、屋外の無線通信において想定される受信信号では大きなばらつきが発生しやすい。
所望のパケットのプリアンブルと類似した特性を有する信号、例えば搬送波の妨害および直流オフセットの効果が従来のシステムに影響を与え、その結果、許容できないレベルの性能になることがある。誤った取得は、受信機の処理リソースの浪費を招き、結果として、スループットの低下を招くことがある。したがって、複雑性は低く維持される一方で、誤った取得もまた最小限になるべきである。
遅延および相関のアルゴリズムは、通常、時刻を特定するためのピーク検索を使用する。これらのアルゴリズムが複雑度が低い二値信号プロセッサで実装されるとき、同じ最大値を有する複数の時刻が存在することがある。このことは、時刻の不確かさを生じる要因になりうる。
コヒーレント復調を実行する受信機では、正確な時刻同期が必要とされる。典型的には、既知のプリアンブルが、受信機が相互に関連づけできるように、受信信号において既知の順序で送信される。蓄積された各サンプルが複雑な乗算ステップを要求するために相関長が長くなるとき、相互に関連づけることのコストが大きくなりうる。信号を受信するために複数のアンテナが使用されるとき、各アンテナに対する相関計算が実行されることがあり、この問題が悪化することがある。M個のアンテナが使用されるとき、M回の畳み込み(M-fold)に相当する複雑度となる。
この時刻または到着時刻は、タイミングオフセットにより識別される相関の組において相関電力のピークを特定することにより検出される。正確な時刻基準の質に基づくパケット処理を打ち切りたい場合、閾値が定義されなければならない。しかし、閾値は信号変化の影響に制約され、適切な閾値を設定することは困難になりうる。
無線の媒体を通じて送信された信号は、周波数選択性フェージングの影響を受けることがある。異なる周波数では、異なるレベルの干渉が存在することもある。
通常、OFDMの無線通信システムでは、信号のマルチパス遅延拡散による影響を軽減するため冗長なサイクリックプレフィックスが使用されることがある。そのため、通信の送信側および受信側におけるパルス整形は、マルチパス伝搬を原因とする拡散に加えて伝送信号の拡散をさらにもたらす。
多重アクセスネットワークのような分散コンピューティングおよび通信システムの一部を形成して支援するリモートのデジタルリソースは、それら自身の限りあるリソースでこれらのシステムでの要求量に応じることが困難な場合がある。例えば、組み込みシステムのために利用可能な限りある計算リソースおよびメモリリソースがある。これらのデジタルリソースは、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSPs)およびユーザがプログラミング可能なゲートアレイ(FPGAs)のような複数の装置により構成される複雑なシステムのデバッグおよび開発のためのソフトウェアまたはハードウェアのいずれかの実体を含むことがある。
無線通信システムでは、アナログデジタル変換装置によりサポートされるダイナミックレンジを桁違いの大きさで超えて、受信信号の電力が変動することがある。図25Aに関して、従来のシステムでは、受信アンテナとアナログデジタル変換回路との間の無線周波数の受信経路に可変利得増幅器(VGA)を配置することで、この問題が解決されることがあった。デジタル制御システムは、典型的に、従来のRF装置において受信信号強度検出(RSSI)データとして提供される受信信号強度を検出することにより、VGAの増幅率を制御する。
従来の自動利得制御(AGC)アルゴリズムは閾値に基づくものであり、受信信号電力が第1の所定閾値であるThを超過するときにのみVGAの増幅率が変化させられる。その後、第2の閾値であるThがVGAのためのトリガ点として設定されることがある。Thは、図示されるようにΔThだけThと異なる。弱いながらも変動している信号のように、閾値を超えない(Thを参照)場合、VGAの増幅率の設定は変化しない。以下で示すように、残念なことに、この閾値により受信感度が決定されると本発明者は認識している。したがって、受信感度は非常に重要な性能基準であり、可能な限り妥協されるべきものではない。例えば、この閾値が非常に低く設定されると、従来のシステムは不必要な状態変化を引き起こし、受信機がロックアウトされてしまう結果となる。さらに、RF装置の中には、増幅率が変化すると、長時間、受信経路が不安定になるものがある。
多くの無線通信システムでは、直接変換のRF受信機が使用されることがある。ここでは、RF信号は直流にダウンミックスされ、ベースバンドに相当する同相(I)信号および直交(Q)信号になる。このような装置において、受信ベースバンド信号は、RF受信機内の様々な処理に起因する深刻な直流オフセットに直面することがある。このような装置において、ベースバンド信号の電力が測定できるように、この直流オフセットを除去するために、広帯域のハイパスフィルタ(WHPF)が存在することがある。このフィルタの幅は受信信号の中心のかなりの部分をフィルタ除去するようにできるが、このチャネルに有効なバースト(valid burst)が存在するとき、その使用は不適切になる。
典型的に推奨されることは、信号が受信されないとき、RF受信機がこのWHPFモードで運転されることであり、信号が(典型的には、異なるRF信号の電力測定値が何らかの閾値を超えることによって)検出されたとき、このWSPFが停止され、この装置が直流結合モードに切換えられることである。このモード変更は、ベースバンドのI信号およびQ信号において、大きな直流オフセットを生じさせることがある。このようにモデムおよび受信機が運転されることにより、受信されたバーストの冒頭に深刻な歪みを生じることがある。そして信号電力が非常に小さいとき(微弱信号の場合)、全てのバーストを歪ませることがある。
従来の自動利得制御(AGC)アルゴリズムは閾値に基づくものであり、受信信号電力が所定閾値を超過するときにのみ、RF装置の増幅率の変更、そしてより重要なことは、WHPFを無力化するモードになる。その信号電力が(微弱信号の場合のように)非常に低いとき、その閾値が超過されることはなく、パケットが継続する間、WHPFモードが有効のまま維持される。このことは、結果として生じる歪みがパケットを確実に検出して復調に成功する可能性を低下させることがあり、望ましくないことがある。この場合、残念なことに、他の態様の同期化および復調処理よりも、この閾値が受信感度を決定づけることを本発明者は認識している。この閾値が非常に低く設定されると、従来のシステムは雑音を引き起こすことがあり、不必要な状態変化が受信ベースバンド信号の歪曲を招くことがある。さらに、RF装置の中には、増幅率が変化すると、長時間、受信経路が不安定になることがある。したがって、本発明者は、受信感度は非常に重要な性能基準であり、可能な限り妥協されるべきものではないと認識した。
本明細書の文章または参照することにより本出願に援用される資料に含まれる、本明細書における資料、装置、言動、または知見の考察は、本発明の内容を説明するために含まれている。構成要素のいずれかが、ここでの開示および請求項の優先日もしくはそれ以前の従来技術の一部、または、オーストラリア、アメリカ合衆国、またはその他の国における関連技術の一般知識の一部を構成すると認めるべきではない。
本発明の目的は、従来技術のシステムでの少なくとも1つの不都合点を克服し、または軽減することである。
本発明のある態様は、無線パケットに基づく通信ネットワークにおける時変チャネルをトラッキングする方法である。この方法は、自己回帰アルゴリズムにしたがって、時間領域での少なくとも1つのチャネルのパラメータをトラッキングするステップを含む。
本発明の別の態様は、無線パケットに基づく通信ネットワークにおける時変チャネルをトラッキングする方法である。この方法は、自己回帰アルゴリズムにしたがって、時間領域での少なくとも1つのチャネルのパラメータをトラッキングするステップを含む。好ましくは、この方法はまた、受信信号におけるこのパラメータの影響を除去し、それから自己回帰アルゴリズムにより少なくとも1つの第2のチャネルパラメータを推定する。
本発明の別の態様は、無線パケットに基づく通信ネットワークにおける時変チャネルをトラッキングする方法である。この方法は、パイプライン処理アルゴリズムにしたがって、CEDB更新機能とFEC復号機能とを提供するステップを含む。
本発明のさらなる態様は、無線通信ネットワークにおいて受信機に到着したパケットを同期させる方法である。この方法は、サンプリングされたパケットの入力信号を受け取るステップと、そのサンプリングされた入力信号の複素表現を特定するステップと、パケット到着時刻に対する第1の決定基準を形成する遅延および相関の計算を実行するステップであって、当該相関の計算が第1の算術演算を含むステップとを含む。
本発明のさらなる態様は、無線通信ネットワークにおいて受信機に到着したパケットを同期させる方法である。この方法は、本明細書にて開示される方法にしたがって、第1および第2の計算を実行するステップと、その第1および第2の計算の間の差異を特定して、パケット到着時刻に対する第2の決定基準を形成するステップとを含む。
本発明のさらに別の態様は、無線通信ネットワークにおいて受信機に到着したパケットを同期させる方法である。この方法は、本明細書にて開示される方法にしたがって、複数の決定基準の組を蓄積するステップであって、当該蓄積された組の各決定基準が所定の閾値を上回るように蓄積するステップと、最大値と等しい最も早いおよび最も遅い決定基準を特定するステップと、その最も早いおよび最も遅い決定基準の中間に相当するパケット到着時刻を特定するステップとを含む。
本発明のさらなる態様は、無線パケットに基づく通信ネットワークにおける受信信号を相互に関連づける方法である。この方法は、少なくとも第1および第2の信号成分を、当該信号成分が第1および第2の1ビット参照によってそれぞれ表されるように量子化するステップと、その第1および第2の1ビット参照についての相関演算を実行するステップとを含む。
本発明のさらなる態様は、無線パケットに基づく通信ネットワークにおける通信方法である。この方法は、そのネットワークに送信する1つの信号を、当該1つの信号のための少なくとも2つの送信周波数を提供するために、少なくとも2つの異なる周波数帯の中に混合させるステップを含む。
本発明のさらなる態様は、無線OFDMの多重アクセスパケットに基づく通信ネットワークにおける通信方法である。この方法は、送信されるデータパケットのための冗長なサイクリックデータフィールドを設けるステップであって、そのデータフィールドがデータパケットの周囲に分散された不連続な記号列であるステップを含む。
本発明のさらなる態様は、デジタルデータの処理リソースを管理する方法である。この方法は、組み込みシステム装置とリモートPCとの間の通信のためのインタプリタシェルを設けるステップであって、そのリモートPCが当該PCの計算リソースの一部をその組み込みシステム装置の機能に委譲できるように、その組み込みシステム装置とそのリモートPCとの間でデジタル命令を相互作用させるために、そのインタプリタシェルは、ユーザの入力データを読み込んで、プログラミング言語の文脈においてそのユーザの入力データを解釈するステップを含む。
本発明のさらなる態様は、無線パケットに基づく通信ネットワークにおいて送信された信号を受信する方法である。この方法は、受信機を第1のモードで稼働させるステップと、受信された信号の特徴を測定して、当該信号の特徴が所定の閾値条件を超過するか否かを特定するステップと、その閾値条件が超過されるとき、その受信機を第2のモードに切換えるステップとを含む。
本発明のさらなる態様は、多重アクセスパケットに基づく通信ネットワークにおいて送信される信号を受信する方法である。この方法は、無線周波数受信機を実質的に直流結合モードで稼働させるステップと、その受信される信号におけるベースバンドの直流オフセットをトラッキングするステップと、その直流オフセットの強度が所定の閾値を超過するとき、少なくとも1つの直流オフセットの除去方策を開始するステップとを含む。
本発明のさらなる態様は、本明細書で開示される装置および/または通信ネットワークに関する。
さらなる態様および好ましい態様は、本明細書にて開示され、および/または、本発明の記載の一部を構成する添付の特許請求の範囲に規定される。
本発明から抽出される物理層の技術一式は、無線マルチホッピングによる無線ネットワークのために必要とされるリンクのロバスト性および感度を提供するために利用されてもよい。本発明の実施の形態において、これらの技術は、以下を含んでもよい。
最新の前方誤り訂正の符号化、例えば、ターボコード(Turbo codes)、
複数のアンテナを使用した空間ダイバーシチの効果的な利用、
時間ダイバーシチの効果的な利用、これらはOFDMを通じて手軽に利用される、
雑然とした受信可能範囲を高速で移動するノード間の無線チャネルの正確なトラッキング。
その最後の点は、例えばIEEE802.16eに準拠する場合、使用可能なデータシンボル部分を無駄の多いパイロットシンボルに置き換えることにより、送信信号を希薄化することなしには、実現が特に困難なことがある。このことは、公安のエンドユーザのような人にとって、また利益があることがある。
本発明は、以下のような多くの利点および利益を提供する。ただしこれらに限定されない。
受信感度における10dBの利得、
200mphを超えて提供される有効なパケットのスループット。
本発明のさらなる適用の範囲は、以下の詳細な説明によって明らかになる。しかしながら、詳細な説明および具体例は、本発明の好適な実施の形態を示すものではあるが、例示として与えられるだけであり、本発明の精神および範囲内の様々な変更および改良が明らかであることは、当業者であれば、この詳細な説明から理解されるところである。
本発明のさらなる開示、改良、利点、特徴および態様は、添付の図面と併せて以下の好適な実施の形態の説明を参照することにより、関連する技術分野の当業者であればより理解されるであろう。図面は、説明図として与えられるだけであり、これらは、本発明を限定するものではない。
本発明の実施の形態の理解のため、散乱物および移動の組み合わせのいくつかに対して、無線チャネルのモデルが提供される。現実の都市環境における移動通信を示すために、大きな散乱物および高い移動性を合成するモデルが設定され、このモデルは実験的に支持される。現在の物理層の技術およびOFDMに基づく標準に対する入門が提供され、チャネルの特徴を推定するために使用される一般的な方法が考察される。これらの技術は、散乱物もしくは移動のどちらか一方が存在する場合には満足に実行できるものの、両方が存在する場合には満足に実行できないことが予期されると、本発明者は考える。これらの予想は、シミュレーションを通じて実験的に支持されている。このような予期される欠点を踏まえ、以下に記載される進歩したチャネルの推定およびトラッキングのアルゴリズムを使用することに本発明者は想到した。本発明および物理層の技術への本発明の適用と、最新の無線のチップセットとを比較するケーススタディが最初に提供される。
モバイル用の広帯域無線チャネル:
情報送信のための一般的な手法では、無線信号の信号強度(magnitude)および/または位相に関するマップが描かれる。屋外の移動通信システムの設計における重要な困難性の1つは、伝搬環境すなわちチャネルが無線信号に与える影響である。このチャネルは、送信信号の強度および/または位相を変更し、潜在的には結果として情報の欠損を発生させることにより、送信信号を歪曲することがある。見通し内通信(LOS)での送信の場合、送信機および受信機間の信号経路には物理的な障害物がないことがある。さらに、その信号経路をとりまく散乱物の近接性には制限があり、そのため、限られた量の信号反射しか存在しないことがある。一方で、見通し外通信(NLOS)のリンクでは、散乱物を通して信号が進むとき、信号は減衰し、または回折することがある。信号の反射波は周囲の散乱物からもたらされることもあり、結果として、いくつかの信号が重畳され、同時に受信機に到着する。このようなマルチパスの場合、合成信号の各成分は異なる経路遅延と、信号強度および位相への異なる影響とを抱えることがある。無線チャネルのこのような特徴は、参考文献[1]にさらに記載される。
いくつかの物理的環境と関連した無線チャネルが現在記載され、移動および散乱物の存在により発生する影響が説明されている。記載されたチャネルの影響は、送信機と受信機との間の物理的環境および/または相対運動に起因する。雑音および他の装置からの干渉により生じる影響は、この考察では無視されている。これらの影響は、システム設計者にとってさらなる難問を提示する。しかしながら、ノイズや干渉装置がない場合であっても、無線チャネル単独で無線信号を大きく歪曲する可能性があることに留意することは重要である。
屋内の静止環境:
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)のような、屋内環境での制限された範囲で、2つの静止した装置が通信する場合を考える。無線信号は壁を貫通することが求められ、したがって結果として、シャドウフェージングを被ることがある。屋内の散乱物もまた、信号反射を生じさせ、その結果、マルチパスの影響を生じさせることがある。反射された信号が非建設的な(de-constructive)方法で結合されると、その結果、マルチパスフェージングとなることがある。参考文献[2]のヨーロッパ電気通信標準化協会(ETSI)の広帯域無線アクセスネットワーク(BRAN)モデルに基づく、屋内の静止環境でのチャネルの例が図2に示される。チャネルが信号位相および信号強度に及ぼす影響が、図2aおよび2bにそれぞれ説明されている。このプロットは、周波数スペクトルを通して、および時間領域において、チャネルの影響がどのように変化するかを示している。この例では、物理的環境は固定したものと仮定されており、したがってチャネルの特性は時間がたっても変化しない。図2cで示されるチャネルに対する電力遅延プロファイル(PDP)は、受信信号に対してマルチパスの成分がどのように寄与するかを示している。このPDPは、遅延したマルチパス成分のそれぞれについての強度レベルを結びつけ、各マルチパス成分は全部の合計に対する重みづけされた寄与分を示している。チャネルはさらに、その遅延拡散により特徴付けられることがある。これは、PDPから導出される単一値である。この遅延拡散は、遅延したマルチパス成分の全てを、それらに関連づけられている重みにしたがって説明する。遅延拡散が大きいほど、チャネルが信号に対して大きな影響を及ぼしやすいことを示している。
チャネルのコヒーレンス帯域幅は、その遅延拡散の逆数として概算される。そのコヒーレンス帯域幅より大きい幅で分割されたこのスペクトルの周波数は、おおよそ独立したものと考えられる。逆に、そのコヒーレンス帯域幅より小さい幅で分割された周波数は、近似したフェージングの形状を示す。したがって、広帯域の信号は、そのスペクトルの孤立した部分のみにおいてフェージングを受ける。この例では、そのような周波数選択性フェージングがスペクトルの中心から約3MHzで観測される。結果として生じた信号強度の大幅な減衰および位相形状の歪曲が、図2bおよび2aで示される。この屋内のチャネルは短い遅延拡散を有するため、コヒーレンス帯域幅は広くなる。このように、いくつかのシャドウフェージングが組み合わされて、ただ1つの支配的な大幅な減衰が観測される。
LOSに近似する屋外の静止環境:
本節では、見通し内通信に近似する条件において静止した物理的環境の仮定の下、屋外の無線チャネルについて調べる。参考文献[3]のIEEE802.20の改良歩行者(Modified Pedestrian)−A(ケース−1)モデルがこの目的で使用されている。無線リンクを介して別の建物と接続するために指向性アンテナが使用されるとき、または、この環境に散乱物がほとんど存在しないとき、このようなチャネルが存在する。この無線チャネルに対する電力遅延プロファイルが図3cに示される。このチャネルは完全なLOS経路ではなく、いくつかのマルチパスによる寄与が反射波から提供される。しかしながら、これらは、支配的なLOS経路と比較して、小さな影響しか及ぼさない。したがって、このモデルに対する遅延拡散は比較的短い。このチャネルの位相および信号強度の特徴は、図3aおよび3bにそれぞれ示される。短い遅延拡散、したがって広いコヒーレンス帯域幅となる結果、限られた量の周波数選択性フェージングのみ発生する。さらに、このPDPにおけるマルチパスの寄与は比較的小さいため、このフェージングは浅く、この位相形状の歪曲は軽いものである。この静止した物理的環境は、時不変のチャネルをもたらす。
LOSに近似する屋外の移動環境:
LOSに近似する条件の下、移動する装置と固定された装置との間で無線チャネルが使用される場合を考える。例えば、電車により使用される路線において、電車に搭載された装置と、路線の経路に沿って所々に設置される固定の無線ルータとの間でLOS接続される可能性がある。この例では、参考文献[3]のIEEE802.20の改良歩行者−A(ケース−1)モデルが、70mphの速度において使用されている。図4に示されるように、2つの装置間の相対運動により、チャネルの特性は時間とともに変化する。上述したように静止環境でのチャネルの場合には、電力遅延プロファイルはLOSの成分により支配されていた。しかしながら、このような動的な物理的環境により、シャドウイングおよびマルチパスの寄与は経時的にランダムに変化し、したがってPDPもまた動的に変化する。一例として、図4cおよび4dでは、タイムフレームの最初のPDPと最後のPDPとがそれぞれ示されている。マルチパスの寄与の強度が制限される結果、いくつかの浅い周波数選択性フェージングをもたらしている。図4bで示されるように、フェージングが発生する周波数は、PDPが経時変化するときに変化する。
図4aで示されるように、周波数領域の全域での位相の歪曲もまた経時的に変化する。しかしながら、低強度のマルチパスの寄与は、先と同様に、穏やかな影響をもたらしているに過ぎない。時間の経過に伴う位相の外形へのさらなる影響は、ドップラーシフトによりもたらされる。これは、送信機および受信機間の相対運動から生じる。しかしながら、LOSでは、位相シフトをもたらすドップラーシフトは、時間の経過とともに発生し、スペクトルの全周波数に対して同じである。このことは、NLOSでのマルチパスの影響から生じる位相の歪曲におけるランダムな周波数選択性とは対照的である。
NLOSでの屋外の静止環境:
この事例では、見通し外通信の条件において静止した物理的環境の仮定の下、屋外のチャネルモデルに関する例が提供される。参考文献[3]のIEEE802.20の典型的都市(ケース−4)モデルがこの目的で使用されている。木々や他の建物が散在する環境を通して、別個の建物または静止した車両が接続されるとき、このようなチャネルが存在することがある。この無線チャネルの電力遅延プロファイルが図5cに示される。LOSに近似する場合とは対照的に、多くのマルチパスの寄与が反射波からもたらされることがある。雑然とした都市環境では、反射信号は強力であり、したがって、マルチパスの原因物のそれぞれはより大きな影響力を有する。このことは、上述した場合よりも長い遅延拡散を有するチャネルをもたらす。
遅延拡散とコヒーレンス帯域幅との間の逆数関係は、より長い遅延拡散を有する無線チャネルが複数の周波数選択性フェージングをよりもたらしやすいことを示す。さらに、このチャネルでは、マルチパスの強い相対的寄与が結果として大きなフェージングをもたらしやすい。したがって、図3bおよび3aで示されるように、このチャネルは、大きな周波数選択性フェージングおよび位相の歪曲を複数もたらす。物理的な環境が固定であると仮定されるため、チャネルの特性は時間とともに変化しない。
NLOSでの屋外の移動環境:
この事例でのモデルは、移動環境での無線チャネルが見通し外通信の条件において機能するときに提供される。車両は都市環境を高速で移動することがあり、電車におけるリンクの要件とは対照的に、車両はLOSで接続できる所定の経路をたどるとは仮定されない。先に記述した例とは対照的に、この例は、移動と周囲の散乱物との実効的な組み合わせを形成する。この組み合わせにより、都市環境での移動において広帯域接続を提供することは、上述した環境のいずれかで同様のことをするよりも、著しく困難となる。
この例では、参考文献[3]のIEEE802.20の典型的都市(ケース 4)モデルが、135mphの速度において使用されている。このチャネルの特徴は、図6に示されている。このチャネルモデルでは、LOSに近似する移動環境におけるチャネルの場合について記載した、動的に変化するPDPおよびドップラーシフトにより生ずる位相シフトと、NLOSでの静止環境におけるチャネルの長い遅延拡散および強いマルチパスの寄与とが結合される。この結果は、図6aおよび6bで示されるように、大きな位相の歪曲および狭い間隔で並んだ大きな周波数選択性フェージングとなり、これらはまた時間とともにそれぞれ変化する。NLOSでの移動環境におけるチャネルのこの厳しい性質および非常に動的変化する性質により、NLOS環境で使用される移動通信装置の作成における課題は、LOSでの移動環境またはNLOSでの固定環境のために同様のことをするよりも著しく複雑なものになりうる。さらに、このような他の環境での使用のために設計された装置は、実際の都市環境における高速移動時に十分に機能する可能性は低い。
計測された無線チャネル:
上記で使用されたモデルが妥当であることを確認するため、複数の実地計測が実施された。これらの計測における車両速度は約60mphであり、2.4GHzのキャリア周波数を使用し、結果、数ミリ秒のコヒーレンス時間が生じた。多くの異なる遅延拡散を有するチャネルが発見され、選抜したものがここに示される。計測されたチャネルが図7aおよび7bに示されている。図7aはIEEE802.20のケース−1モデルと近似しており、図7bは参考文献[3]におけるIEEE802.20のケース−3モデルと近似している。信号強度の経時変化は両方のケースにおいてはっきりと表れている。
必要な技術:
帯域幅を効率的に使用するための、本発明者が考える現在の最新技術であって、厳しい移動無線環境における高感度の物理層システムは、いくつかの特別な技術を具現化している。もちろん、物理層以外にも多くのものがこのシステムには存在する。ネットワークプロトコルの進歩、媒体アクセス制御(MAC)およびアプリケーション層の領域でもまたエンドユーザに便益をもたらしている。それでもなお、最新技術において重要な物理層の技術は、進化した前方誤り訂正(FEC)による符号化と、空間および時間ダイバーシチの効果的な使用とを含んでいる。周波数ダイバーシチは、ごく最近の通信システムにおいて一般的になっているようにも思われる。ここでは特に言及しない。
強力なFEC:
参考文献[4]に示されるように、強力な誤り訂正符号のための反復復号のアルゴリズムの登場により、リンク性能はその理論的な限界値に近づいた。広帯域のデジタル通信システムのためのほとんどの物理層標準において、様々な種類の(反復復号される)ターボ符号が見られる。これらのエンコーダおよびデコーダのアルゴリズムは、典型的には、より大きなレンジおよび/またはデータレートをもたらすことで、リンクマージンに対して数dBを追加する。これらの符号のための復号アルゴリズムにおける反復の性質はまた、受信処理に関して、数年前には利用できなかったいくつかの機会を提供する。
時間ダイバーシチの利用:
上記で考察したように、無線チャネルは、送信信号の時間分散を生じさせることがある。これらの遅延した信号は、干渉物になると考えられる。しかしながら、これらは情報を含んでいることがあり、したがって、効果的な方法で受信機により収集される必要がある。典型的には、(CDMAのための)レイク受信機または参考文献[1]における(OFDMのための)サイクリックプレフィックスが、減衰した(compromised)受信信号からできるだけ多くのエネルギーを再生するために使用される。
OFDMのために使用されるサイクリックプレフィックスの技術は、サイクリックプレフィックスの継続時間よりも短い遅延を有する全てのマルチパスを収集する。これは非常に簡単である。送信機において、各OFDMシンボルについて小さなセクションが送信前にそのシンボルの先頭に付加される。受信機において、このサイクリックプレフィックスは切り捨てられて、その信号の残余部分に全てのマルチパスが適切に集められる。しかしながら、サイクリックプレフィックスが受信機において切り捨てられるため、ビット毎のエネルギー損失を被ることになる(しばしば−1dBのオーダとなる)。この技術は、チャネル推定を一切行う必要がない。CDMAのために、レイク受信機はチャネル推定を必要とするかもしれないが、集められるパスの数に比例して複雑度が増すため、全てのマルチパスが集められるわけではない。さらに、移動で利用する場面では、レイク計数(RAKE coefficients)が時間の経過とともにトラッキングされなければならない。
空間ダイバーシチの利用:
ペアとなるアンテナ間の無線チャネルは、それらのアンテナの相対的位置に依存して異なる。したがって、送信機および/または受信機に複数のアンテナを備えることにより、多くの異なる無線チャネルが結果として生じることがある。空間的なダイバーシチの基本的なアイデアは、1つのチャネルが“悪い状態”のときに、他のチャネルは“良好な状態”なことがあるという現実を利用することである。単一の送信アンテナと2つの受信アンテナとの間のチャネルが計測されて図8に示されている。これらのアンテナは1メートル離れており、その波長は2.46GHzであった。短い遅延拡散について、アンテナ1では確認されないが、アンテナ2において大きな減衰が存在する。受信機は、信号間のこの違いを利用することで、増加した受信感度、(高速で移動する状況では特に重要な)フェージングに対抗するダイバーシチ、および干渉の排除のような、大きな性能改善を実現することがある。低価格の業務用機器でよく使用される簡単な手法は選択ダイバーシチである。“最も良好な状態の”信号を受信したアンテナが選択され、その信号のみがさらにデジタル信号処理に伝搬される。他のアンテナで受信された信号は廃棄される。移動で利用するとき、この手法にはいくつかの問題がある。第1に、電力の経時変化のため、そのパケットの間に最良のアンテナが変化することがある。受信機は、そのパケットの先頭ではアンテナ2が最良であると決定し、そしてそのパケット全体を復号するためにそのアンテナを使用するかもしれない。移動無線環境では、そのパケットの途中で、アンテナ2の力が衰える(fade)ことがある。第2に、1つのアンテナのみが以降の処理において使用されるとき、全てのアンテナが使用される場合と比較して、受信機の干渉排除機能が十分に機能しなくなることがある。
候補となる物理層:
無線通信システムにおける物理層の処理は、いくつかの重要なシステム性能の指標を実現する責任を有することがある。リンクのロバスト性、レンジ、および移動への対応は全て物理層システムにより達成される。上記で示される技術の基本的な一式は、後述されるシステムの全てに含まれてもよい。この例では、厳しいモバイルの広帯域チャネルに対応する物理層の機能についてフォーカスする。
OFDMは無線ブロードバンドにおいてよく知られた変調フォーマットであるが、送信機および受信機の両方において注意を要するいくつかの特徴を有する。先に簡単に考察されたサイクリックプレフィックスの技術は、マルチパスの無線チャネルからエネルギーの効率的な再生をもたらす。しかしながら、長い遅延拡散による他の重要な影響は、減少したコヒーレンス周波数と、結果として起こる、無線チャネルの深い周波数選択性フェージングである。このことは、移動することに加えて、図6および図7で示されるように、厳しい無線チャネルをもたらすことになる。
802.11a/g:
参考文献「5」および[6]のIEEE802.11aおよびg標準は、屋内の静止環境での伝搬条件に適した媒体アクセス制御および物理層を記載している。図9で示されるように、802.11のOFDMモードでは、そのサイクリックプレフィックス長は0.8μsである。これは屋内で見られる遅延拡散に対しては十分であるが、屋外で経験される遅延拡散よりもかなり短い。典型的に屋内に設置される機器の低い送信電力では、反射遅延もまた制限される。802.11の機器が屋外環境で使用され、送信電力が規定の制限まで増加させられると、その際に経験される遅延拡散は0.8μsのサイクリックプレフィックスにより提供される保護量を大きく上回る。その結果、OFDMシンボル間の干渉が増大し、パケットロスの割合も大きく増加する。この干渉は、受信機で等化技術を使用することで除去できる可能性がある。以下のようなまれなケース、すなわち見通し内の伝搬に類似した条件が有効であるときには、802.11が適応できるかもしれない。
高指向性アンテナ:これらのアンテナは、発着信の角度を制限することにより、遅延拡散を縮小している。移動利用のために高指向性アンテナを使用することは明らかに不可能である。これらの構成は、固定された無線の返信(backhaul)のためには可能であるが、システムの自己回復能力を低減する。
ノード毎の小さな受信可能領域:送信電力を低く維持することにより、長い遅延経路は雑音に紛れるため、遅延拡散が縮小する。この方法の問題は、増加するノード密度とハンドオーバー頻度である。ノード密度の増加は、コストの増加を招く。増加するハンドオーバー頻度は、ネットワークに追加的な負荷をもたらす。なぜなら、ネットワークは、移動ノード間の行き/帰りの新たな経路に対して、より迅速に対応しなければならないからである。
従来の802.11に基づくシステムのための限られた利用シナリオを考慮すると、都市での個人用のモバイルブロードバンドネットワークに配備されるものとしては、これらは不適当であるかもしれない。
屋外でのOFDM:
IEEE802.11標準は、屋内環境での使用を対象としたシステムを定めている。この例では、屋外での利用のために特別に設計された、今までのものに代わるOFDMに基づくシステムについてフォーカスする。これらの標準は、図9で示すように、増加したサイクリックプレフィックス長により特徴づけられる。このサイクリックプレフィックスは典型的には受信機において廃棄されるため、これにより、スペクトル効率を維持するためにOFDMシンボルの継続時間がより長く設定される。屋外でのOFDMの物理層標準の例は、参考文献[7]のIEEE802.16a、参考文献[8]の802.16e−2005、参考文献[9]のIEEE802.20、およびETSIのハイパー・メトロポリタン・エリア・ネットワーク(HiperMAN)である。これらの標準は、標準に準拠した送信波形の記述を主に問題にしている。受信の方法は業者任せとなっている。標準的なOFDMの物理層での処理連鎖が図10に示されており、“従来の”受信機として呼ばれることとする。フレーム形式の回復に関連づけられる構成要素および詳細な構成については省略されている。受信機での処理は基本的に送信機での処理を反対にしたものである。前部の同期化モジュールは、時間、周波数、および振幅の同期化を実行する。ダウンサンプリングおよびサイクリックプレフィックスの除去後、OFDMシンボルの周波数で処理されるブロックにおいて、信号は周波数領域に変換される。高性能を提供するため、コヒーレント復調がその後実装されており、正確な周波数領域でのチャネル推定を要求する。デインターリーブ処理、(周波数ダイバーシチを実現する)復号処理、およびデスクランブル処理を経て、物理層の処理が完了する。
いくつかの場合では選択ダイバーシチが使用されるが、2以上のアンテナを効果的に利用するためには、従来の受信機の改良が必要である。一般化された周波数領域での時間空間の(space-time)受信処理に適用可能なモデルが図11に示されている。このモデルでは、各アンテナからの信号の復調処理および復号処理が統合されている。さらに、同期化処理は典型的に、各アンテナに到着する信号の協働評価(joint assessment)を含む。この構成によれば、従来の受信機と比べて大きな性能改善ができる可能性がある。各アンテナの経路が受信機に提供するチャネルであって、FFT処理の出力時における周波数領域のチャネルについては上述した。OFDMシステムにおけるこの周波数領域のチャネルは、送信機におけるIFFT(Inverse FFT 逆高速フーリエ変換)処理への入力と、受信機におけるFFT処理の出力との間のリンクと表現されることがある。受信機において送信情報を効率的に再生するために、周波数領域での無線チャネルが推定されるべきである。周波数領域でのチャネルの変化について、受信機では特定の仮定がしばしば作成される。周波数領域および時間領域において、信号強度および位相の変化が想定される。冒頭のプリアンブルの後、OFDM標準(例えば、IEEE802.11a/g、IEEE802.16a)は、図12で示されるように、パイロットシンボルの使用を規定している。これらのパイロットシンボルは、データ搬送のためにも使用されることができるサブキャリアに存在するため、データレートがわずかに低下する。
パイロットシンボルにより支援される位相推定:
移動またはマルチパスのどちらかが存在するが、両方とも存在するわけではないとき、以下の想定ができる。
時間が経過しても電力は不変:各周波数の信号強度はそれぞれ異なるかもしれないが、時間の経過に対しては不変である。
時間が経過しても位相の変化は一定:全ての周波数について、時間の経過に伴う位相の変化はいずれも同じである。
弱いマルチパスの影響しかない、LOSに近似する環境での移動において、作用する無線チャネルの例が図4に示されている。逆に、静止環境において強いマルチパスを有するチャネルの例が図5に示されている。これらの仮定が維持されるときには、従来の周波数オフセットの推定手法で十分であろう。なぜなら、LOSに近似した条件において高速で移動することは周波数オフセットと同等だからである。ローカルの発信器周波数における差異に対抗するため、どんなに簡単な受信機であっても、周波数オフセットの推定および訂正を必要とする。わずかであってもマルチパスおよび移動が存在する環境では、これらの仮定は維持されない。このような場合、位相の経時変化は全ての周波数について同じにはならない。加えて、異なる周波数について、信号強度は異なる変化をすることがある。最初の信号強度および位相の推定の後、位相のトラッキング処理のみを採用する受信機は機能しなくなることがある。
移動および/または散乱物の組み合わせの条件下で動作させられる、屋外のOFDM受信機のいくつかのために、シミュレーション結果が提供される。それぞれのプロット図(plot)は、信号ノイズ比が変化するように、与えられた環境においてパケット誤り率がどのように変化するかを示す。散乱物およびそれにしたがって生じるマルチパスの影響のレベルは、チャネルのモデルにしたがって定義される。参考文献[3]の802.20(ケース−4)のモデルは典型的な都市環境を表すために使用される。参考文献[10]のSUI1およびシングル(Single)のモデルは、LOSの近似環境および完全なLOS環境をそれぞれ表している。移動のレベルは、メートル/秒でそれぞれプロットされている。図13は、受信機の性能を示している。この受信機は、プリアンブルに基づき、最初の信号強度および位相を推定して、パケットの残余部分のために位相トラッキングを実施する。LOS、LOSの近似、都市の場合を示す3つの曲線が示されている。LOSの場合は静止した環境である一方で、後者の2つの場合は20mphで移動するモバイルノードのモデルである。いずれの曲線も、送信機および受信機において単一のアンテナが使用される場合である。大きなマルチパスもしくは移動が存在するとき、この方法が機能しなくなることは明らかである。受信機において複数のアンテナが使用されるとき、この方法では無視される信号強度の変化により複数の受信アンテナにおける信号が誤った重みづけをされてしまうため、この方法は適切でない場合がある。この誤った信号合成は、受信性能の大きな劣化を招く。
パイロットシンボルにより支援されるチャネル推定:
このシナリオでは、パイロットシンボルにより支援されるチャネル推定を使用することで、周波数および時間を通じて変化する信号強度および位相の両方を受信機がトラッキングできると仮定する。プリアンブルはチャネル推定処理の取り掛かりを配置する(seed)ために使用され、パケットの至るところで、一定のサブキャリアにおいてパイロットがそのチャネル推定を更新するために使用される。この実験では、20サブキャリア毎に1つのパイロットが存在する。ここで留意すべきは、802.16aの仕様では、24サブキャリア毎に1つのパイロットが存在することである。パイロットシンボルにより支援されるチャネル推定の性能が図14に示されている。散乱物や移動が増加すると、チャネルのコヒーレンス周波数はパイロットシンボルの間隔よりも小さくなる。そうなると、従来の受信機は、もはやチャネルをトラッキングできなくなることがあり、パケットの不具合が著しく目立つようになる。さらに、信号が弱い有効範囲では、プリアンブルから推定されるチャネルの品質が、いかなる移動ともほとんど関係なくなることがある。
進化したチャネルの推定およびトラッキング:
このシナリオでは、受信機は信号強度および位相の両方を、それらが周波数や時間を通して変化するとき、非常に正確にトラッキングできると仮定される。図15に記載された結果は、通常はパケットのプリアンブルに含まれるいかなるパイロットシンボルも必要としない本発明者により実装された方法に基づいている。図12を参照すると、始めの2つのOFDMシンボルを過ぎたOFDMシンボルにはパイロットが存在しない。このため通常、受信機は、パケットを受信する間における無線チャネルのほんのわずかな変化であってもトラッキングできない。このシナリオでは、受信機は、信号強度および位相の両方を、それらが周波数および時間を通して変化するとき、非常に正確にトラッキングできると仮定されている。進化したチャネルの推定およびトラッキングの使用を通じてのみ、散乱物のある環境における本来の移動に対するサポートが提供される。他の全ての方法は、控えめなマルチパスまたは移動であっても十分に機能できない。他の全ての場合、802.20ケース−4のチャネルは、たとえ信号が大きな電力で受信されたときでも、パケット誤りを生じさせていた。ここで詳細に検討される進化した方法は、LOSの場合に関して、最小限の損失のみを示す性能を提供する。他のチャネルトラッキング手法に対して、この結果として生じる受信感度の利得は、数10デシベルである。
ケーススタディ:リアルタイムの制約がある受信可能範囲:
上記の節では、物理層の性能がパケット誤り率のシミュレーションを通して評価された。この例では、都会の雑踏における実地試験を通して、802.11gにより提供される受信可能範囲と、本発明者により提供されるネットワークとが比較される。特に関心がある点は、移動中の車両に対して、リアルタイムの制約があるネットワークトラヒックに対応する受信可能範囲を提供するネットワークの能力である。この伝搬環境は、大都市圏の通信事業者により典型的に実現される(encountered)このネットワークの能力を反映する。この調査における車両速度は、0から50mphの間で変動し、平均は30mphである。
トラヒックの分析結果:
ネットワークのそれぞれは、一定のビットレートのUDP/IPパケットのストリームが条件とされ、各パケットは850バイトのデータが含まれる。送信レートは、毎秒5パケットである。
伝搬環境:
無線環境には、都市として分類されるものがある。数マイクロ秒の遅延拡散が計測された。テスト地域のほとんどは、1〜3階建ての住居および2〜4階建てのオフィスビルからなる。北東地域は、見通し内通信の条件を満たす障害物のない領域からなる。
物理層のパラメータ:
物理層の設定は、以下の表1で示されるように、802.11gのシステムにとって都合よく設定された。
この802.11gのシステムは、情報ビット毎の大きな電力という増加したRF帯域幅およびより低いデータレートに起因する優位点を提供される。この802.11gの装置は、市場のトップを走る業者が提供している最新のチップセットを使用している。
受信可能範囲の結果:
本発明にしたがって進化したチャネル推定を実施し、2つの受信アンテナを有する屋外のOFDMシステム例と、802.11システムとにおけるアップリンクの受信可能範囲のプロットが、図16および17にそれぞれ示される。これらの結果は、異なる干渉状況を避けるために同時に収集されたものである。802.11gの装置は、受信信号において非常に強い見通し内通信の成分が存在するときに有効なだけである。反対に、進化したチャネルトラッキングを備える本発明にしたがった屋外のOFDMシステムは、1kmを超えた範囲まで、散乱物の中で非常に有効に動作する。このことは2つのアンテナの効果的な使用に起因し、これらのアンテナへの無線チャネルの正確な推定により実現される。追加的な実験には、その車両にビデオカメラを適合させる実験が含まれ、ライブのMPEG−4ビデオカメラのストリームがその車両から固定の基地局に対して送信された。802.11gの装置は、20分間のうち約1分間だけリンクを提供した。その一方で、本発明の実施の形態における屋外のOFDMシステムは継続的な受信可能範囲を提供した。
屋外の移動無線チャネルは、広帯域の無線受信機の設計者に対して困難な問題を提供するように思われる。移動と強い反射の組み合わせの中には、最も負荷のかかる状況を提供し、なおかつ公安のエンドユーザにとって最も重要なものがある。複数のアンテナが組み込まれたOFDMの物理層システムは特に研究されたものであり、最も困難な状況においてかつてない性能レベルを提供する手法が示された。802.16のように、新たな標準に適合した従来の受信機技術は、厳しい移動環境での無線チャネルを正確にトラッキングできないことに起因する不十分な点が見られた。このメリットは、公平の点からも正当化され、そこではMPEG−4ビデオのアップリンクがもとの基地局へ送信された。最新の802.11gシステムでは受信可能領域の10%以上に対する受信を提供できなかったのに対し、本発明により実装されたノードは100%の受信を提供した。
ある好適な実施の形態において、本発明は無線パケットに基づく通信ネットワークにおいて時変チャネルをトラッキングする方法を提供する。この方法は、自己回帰アルゴリズムにしたがって、時間領域での少なくとも1つのチャネルパラメータをトラッキングするステップを含む。
1つのパラメータもしくは2以上のパラメータの組み合わせが、自己回帰アルゴリズムにしたがってトラッキングされてもよい。
一例として、受信機のCEDB(チャネル推定値データベース)は、自己回帰を用いて時間領域の3つのパラメータをトラッキングする。これらは、
1/複素チャネル振幅(サブキャリア毎)、
2/OFDMシンボル毎の位相オフセット、
3/雑音電力、
4/OFDMタイミング誤差/オフセット、
5/コヒーレンス時間、
6/コヒーレンス周波数、
であってもよい。
好ましくは、少なくとも、複素チャネル振幅、位相オフセット、および雑音電力がトラッキングされる。
通常、パケットは、時間内に到着したOFDMシンボルのシーケンスにより構成される。
自己回帰アルゴリズムは、CEDBの状態(state)を保持する。CEDBの状態には、上述した複素チャネル振幅、位相オフセット、および雑音電力の推定値が含まれる。この状態は、現在の未加工の推定値の部分データ(fraction)を取得して、この状態の補完的な(complementary)部分にこの部分データを追加することによって、受信シンボルを復号する際に更新される。この現在の未加工の推定値は、現在受信されたOFDMシンボルおよび以前に送信された全ての(もしくは一部の)シンボルの推定値から算出される。
(周波数訂正誤差および/または位相雑音に起因する低い周波数(low frequency)の残留(residual)周波数オフセットを表す)位相オフセットは、個別にトラッキングされ、CEDBの状態を交換する(rotate)するために使用される。交換された状態は、その後、新たなチャネル推定値と合成されることがある。
図19を参照すると、好ましくは、複素チャネル振幅は、パラメータ1、2および4と命名される3つの影響の合計としてモデル化される。静止理論/アルゴリズムに基づき、本発明の利用環境における移動の制約に起因して時間の経過とともに変化する3つのパラメータをトラッキングできない従来技術の手法と異なり、3つの別個の成分としてこれが実行される。言い換えれば、従来技術のシステムは、移動環境で使用されるとき、パラメータをトラッキングできないと考えられる。複数のパラメータを全て一度に推定する従来システムと異なり、パラメータが単独でトラッキングされるときに改善点が見いだされる。典型的に、これらの送信シンボルの推定値は、FEC復号器により生成される結果から算出される。
これらの部分データは、OFDMのシーケンス番号とともに変化してもよく、各パラメータで異なってもよい。
このCEDBは、復号された受信OFDMシンボルのいずれに対してもチャネル推定値を生成する。一般的に、復号されたシンボルは、過去に受信されたOFDMシンボルのいずれかになりうる。
このCEDBは、現在の状態および要求されたシンボル番号に基づくチャネルを予測することにより、チャネル推定値を生成する。このチャネル推定値は、周波数領域において双方向の自己回帰を使用することで、周波数的に平滑化されている。この回帰係数は、CEDBから取得され、OFDMシンボル番号およびサブキャリアとともに変化してもよい。
受信アンテナが複数ある場合、CEDBの状態はアンテナ毎に独立して保持される。各チャネルは、復調時に利用されるアンテナダイバーシチとは独立して、推定される。
別の好適な実施の形態において、本発明は無線パケットに基づく通信ネットワークにおける時変チャネルをトラッキングする方法を提供する。この方法は、パイプライン処理アルゴリズムにしたがって、CEDB更新機能およびFEC復号機能を提供するステップを含む。
図18を参照すると、このパイプライン処理アルゴリズムは、シンボルi−1の第2の復号をしたものを用いてシンボルiのためのチャネル推定値を予測する間に、受信されたシンボルiの第1の復号をしたものおよび使用を提供するステップと、シンボルiの第1の復号をしたものを用いてシンボルi+1のためのチャネル推定値を予測する間に、シンボルiの第2の復号をしたものおよび使用を提供するステップとを含んでもよい。
受信機におけるこの処理速度は、CEDB更新およびFEC復号処理のパイプライン処理により高速化されてもよい。
WO2005/11128にて開示された時変チャネルをトラッキングする方法では、2つの繰り返し処理が実行され、この繰り返しのプロセスは、通常、以下のステップに従う。
1.インデックスiのシンボルのための第1のチャネル推定値を予測する。
2.シンボルiを復号する。
3.ステップ2における復号器の出力を使用して、CEDBの状態を更新する。
4.インデックスiのシンボルのための第2のチャネル推定値を予測する。
5.シンボルiを復号する。
6.ステップ5の状態から復号器の出力を使用する。
本発明は、WO2005/11128の上記技術に対する改良である。上述するように、本発明はCEDBの更新および復号機能を、以下のように2回の繰り返しで、パイプライン処理する。
1.シンボルi−1の第2の復号をしたものを用いてシンボルiのためのチャネル推定値を予測する間に、受信されたシンボルiの第1の復号をしたものを提供する、
2.シンボルiの第1の復号したものを用いてシンボルi+1のためのチャネル推定値を予測する間に、シンボルiの第2の復号をしたものを提供する。
シンボルiの復号をしたものを用いることは、シンボルiの復号処理により算出されたシンボルiのための送信シンボル推定値を使用するチャネル推定値データベースの更新処理を意味する。このチャネル推定値データベースは、第2の復号処理のステップではなく、第1の復号処理のステップにおいて、選択的に保存される。
本発明のこの態様によれば、先のシンボルが(完全に)復号される前に、次のシンボルのためのチャネル推定値の予測を開始できる。この実施の形態で使用されるアルゴリズムの具現化は、添付の付録Aに示されており、このアルゴリズムを試験するために使用されるマットラブ(Matlab)のコードリストを含む。
別の実施の形態において、本発明は、無線通信ネットワークにおいて受信機に到着したパケットを同期させる方法を提供する。この方法は、サンプリングされたパケットの入力信号を受け取るステップと、このサンプリングされた入力信号の複素表現を特定するステップと、パケットの到着時刻のための第1の決定基準(metric)を形成する遅延および相関の計算を実行するステップであって、この相関の計算が第1の算術演算を含むステップとを含む。
図20に関して、これによれば、パケットの粗い同期化は、受け取られたサンプルを複素平面上の単位円に投影することに基づく、低い複雑度の遅延および相関処理を使用して実現されてもよく、もしくは同等に、複素位相を特定して振幅情報を廃棄して実現されてもよい。従来の遅延および相関の計算における乗算段階は、この結果、実質的により簡単な加算に置き換えられてもよい。そのとき、簡単な参照テーブルが、その基準を蓄積するより前に使用されてもよい。これにより、従来技術に対して、複雑度が比較的に低減されることがある。受信されたサンプルが複素平面上の単位円に送られることによって、正規化が必然的にもたらされる。結果としてもたらされるメトリック(基準、距離)は、本質的に正規化されたものである。図21に関して、大きな信号変化に対するロバスト性がもたらされることがある。妨害信号および直流オフセットの影響に対するロバスト性は、第2の同時実行される、より短い遅延時間で実行される、遅延および相関の計算処理を介してもたらされる。この第2の遅延および相関における距離は、妨害信号および直流オフセットの影響といった類似信号の影響を受けないだけの距離が、第1の処理で得られた距離から差し引かれたものであってもよい。
図22に関して、ある閾値を超過した距離の組が与えられたとき、その時刻(timing instant)は以下のステップにより決定されてもよい。
1/最大値と等しい最も早いおよび最も遅い時刻を決定するステップと、
2/その最も早いおよび最も遅い時刻の中間点を取得するステップ。
この2つの時刻の中間点は、加算およびシフト演算により容易に計算される。時刻推定の正確性は、その後の時刻推定アルゴリズムにおける性能要件を緩和することにより改善されることがある。これらその後のアルゴリズムはしばしば複雑な性質であり、複雑度を減じることはこのように拡大するため、このことは重要である。典型例として、4倍にオーバサンプリングされた、IEEE802.11のプリアンブルを使用するケースでは、約20のサンプルにおいて、時刻の正確性が改善された。
異なる遅延に同調された第2の同時実行される遅延および相関処理の使用により、水平部の位置であっても“時刻”を特定でき、その水平部の中間点における時刻を返すことができる。その要求される閾値が超過されないときには、パケットが到着しなかったと特定されてもよい。
本発明の別の実施の形態によれば、無線パケットに基づく通信ネットワークにおける受信信号を相互に関連づける方法が提供される。この方法は、少なくとも第1および第2の信号成分を、これらの信号成分が第1および第2の1ビット参照によってそれぞれ表されるように量子化するステップと、これらの第1および第2の1ビット参照についての相関演算を実行するステップとを含む。
この実施の形態にしたがって、1ビットで量子化された(テスト用)参照および受信信号を使用して、良好な時刻の相互関連づけが実装されてもよい。このソリューションは、相関長を増加させる一方で、信号の表示は簡素化することがより効率的であるため、表現用のビット幅と交換で相関長を提供することの実現から得られるものである。
これに応じて、良好な時刻同期を特定する目的の相互関連づけ処理の前に、テスト信号および受信信号のI成分およびQ成分が1ビット(標識(sign)情報のみ)に量子化されてもよい。結果としてI成分のための3つの値(−、0、+)で評価される信号と、Q成分のための3つの値(−、0、+)で評価される信号との間で必要とされる複雑な乗算が、低レベルの論理ゲートを使用して効率的に実装されてもよい。閾値を用いた試験では必要な信号の正規化が不要になる点も、この実施の形態の追加的なメリットである。
この結果生ずる性能は、少なくとも信号強度の順序により複雑度が緩和されているにもかかわらず、最善の(optimal)完全な複雑度を持つものの性能と一致することがある。別のメリットは、この参照および受信信号を保持するために必要となる領域が大幅に低減されることである。
本発明の別の実施の形態によれば、無線パケットに基づく通信ネットワークにおける通信方法が提供される。この方法は、このネットワークに送信する1つの信号を、その1つの信号のための2つの送信周波数を提供するために、少なくとも2つの異なる周波数帯の中に混合させるステップを含む。
同一の信号を、例えば2つの周波数で送信することによりもたらされる潜在的に大きなレベルのフェージングおよび干渉ダイバーシチが存在する。2つの周波数(潜在的には2以上)の場合が、図23を参照してここに記載される。
異なる周波数帯に混合された各々によりもたらされるダイバーシチの状態で送信することにより、性能向上がもたらされる。受信機では2つの周波数逓降器が使用されてもよい。これら2つの信号を独立して周波数逓降させ、一緒に復調することにより、大きなレベルの周波数および干渉ダイバーシチが実現される。本実施の形態の文脈における“一緒に復調”とは、ベクターチャネル(vector channel)のモデルが、推定された統計データを用いて定義される方法を示すと理解される。同時にこれらは、送信されたシンボル(すなわち送信信号)における観測結果(すなわち各アンテナで受信されたシンボル)の統計的依存を示している。この復調は、好ましくは、各受信アンテナのためのチャネル推定データベースから取得されたチャネル推定値およびノイズ電力推定値を使用する。
ある実施の形態では、この2つの周波数の信号は、2つのアンテナにおいて送信され、受信機の別個のアンテナにおいて受信される。この実施の形態によれば、空間ダイバーシチの追加的なメリットがもたらされる。
好適な実施の形態では、送信されるベースバンド信号は同一であってもよく、別の実施の形態では、受信機で稼働する時間空間整合復号器(a matching space time decoder)にあわせて、この信号が時間空間符号化されてもよい。
本発明の別の実施の形態によれば、無線OFDMの多重アクセスパケットに基づく通信ネットワークにおける通信方法が提供される。この方法は、送信されるデータパケットのための冗長なサイクリックデータフィールドを設けるステップであって、このデータフィールドがデータパケットの周囲に分散された不連続な記号列であるステップを含む。
図24に関して、好ましくは、この冗長なサイクリックデータフィールドは、シンボル、例えばOFDMシンボルの先頭もしくは前方に置かれるプレフィックス部(Pre)を含む。パケット(Pkt)はこれらのシンボルを多く含んでもよい。サフィックス(Post)部はシンボルの末尾もしくは後方に置かれる。このようにすれば、受信機において時間オフセットによる補償は必要とされない。なぜなら、例えば、データのより小さな一部もしくは記号列に基づく波及効果が作用するからである。
本発明の別の実施の形態によれば、デジタルデータの処理リソースを管理する方法が提供される。この方法は、組み込みシステム装置とリモートPCとの間の通信のためのインタプリタシェルを設けるステップであって、リモートPCが当該PCの計算リソースの一部を組み込みシステム装置の機能に委譲できるように、組み込みシステム装置とリモートPCとの間でデジタル命令を相互作用させるために、このインタプリタシェルは、ユーザの入力データを読み込んで、プログラミング言語の文脈においてユーザの入力データを解釈するステップを含む。
この実施の形態によれば、機能のデバッグおよび開発は、開発機およびリモートPCの間で分割されてもよい。このPCの計算リソースは、例えば、デバッグおよび開発での使用に利用できる。
本発明の文脈では、インタプリタシェルは、ユーザがタイプもしくは入力できるテキスト行を読み込んで、所定のプログラミング言語の文脈においてそれらを解釈するソフトウェアプログラムを示す。これは、とりわけ、スクリプト記述、対話式のスクリプト記述を許容し、例えばモデムのプロトタイプ機のような組み込みシステム装置の制御を可能にする。より強力で柔軟なデバッグを可能にし、および、ターゲット装置のCPUにおけるレジスタのインタフェースを介して、ターゲット装置における低レベルのハードウェアとのTCP/IPインタフェースを設定可能にする。当業者には理解されるように、「組み込みシステム装置」の用語は、それ自体が組み込みシステムを含んでもよい多くの電子機器を示す。もしくは、組み込みシステムの構成要素を示す。組み込みシステムは、特定用途のコンピュータシステムを制限無く含み、このコンピュータシステムはこれが制御する装置により部分的にもしくは完全にカプセル化される。さらに、組み込みシステムは、汎用のパーソナルコンピュータ、すなわちPCとは異なり、特定の要件を有することがあり、あらかじめ設定されたタスクを実行することがある。
好適なインタプリタシェルは、オープンソースのプログラミング言語“パイソン”(パイソンはインタプリタ型、対話式、オブジェクト指向のプログラミング言語であり、http://www.python.org/ から自由に利用可能である。)を使用して実装される。この実装により、例えば組み込み用のC言語を記述し、コンパイルし、ダウンロードするよりも、より柔軟で迅速な開発環境において高いレベルの制御が実行できる。
図25Aに関して考察されるさらなる問題として、直接変換が実施されるRF受信装置における、受信ベースバンド信号には、RF受信装置内部の様々な処理に起因する大きな直流オフセットが現れる。このような装置には、ベースバンド信号の電力測定が実行できるように、この直流オフセットを除去可能にする広域のハイパスフィルタ(WHPF)がしばしば存在している。しかしながら、このフィルタ幅は、通常、受信信号の中心のかなりの部分をフィルタ除去するものであるため、チャネルにおいてバーストが存在するとき、その使用は適切でなくなる。
典型的に推奨されることは、信号を受信しないときにはRF受信機がWHPFモードで運転され、(典型的には、異なるRF信号の電力測定値が何らかの閾値を超えることによって)信号が検出されたとき、WHPFが停止され、その装置を直流結合モードに切換えることである。このモード変更は、I成分およびQ成分のベースバンド信号において、大きな直流オフセットを生じさせる。このようにモデムおよび受信機が運転されることにより、受信されたバーストの開始時点で大きな歪曲を生じさせうる。そして信号電力が非常に小さいとき(微弱信号の場合)、潜在的には全てのバーストを歪ませる結果となりうる。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、無線パケットに基づく通信ネットワークにおいて送信された信号を受信する方法が提供される。この方法は、受信機を第1のモードで稼働させるステップと、受信された信号の特徴を測定して、その信号の特徴が所定の閾値条件を超過するか否かを特定するステップと、その所定の閾値条件が超過されるとき、この受信機を第2の(好ましくは改善措置の)モードに切換えるステップとを含む。
参考資料が、ブロック図において図式的に説明する図25Bにより提供される。同図は、直接変換が実施されるRF受信機において上述の問題を克服するための2つのモードにおける受信機システムの選択操作を示している。
ある好適な実施の形態において、この第1のモードは実質的に直流結合の稼働モードであり、第2のモードは直流オフセットの除去モードである。変形例としては、この第1のモードは狭帯域モードであり、第2のモードは広帯域モードである。
特定の実施の形態では、この受信機は、パケットが受信されたことが特定されたとき、規定のモード、好ましくはその第1のモードに固定される。
実施例において、本発明はこの実施の形態にしたがって、RF受信装置を直流結合モードで稼働させるようにする。このRF受信装置は、ベースバンドの直流オフセットおよび信号電力を継続的にトラッキングし、ベースバンドの直流オフセットが非常に大きくなるとき、もしくは無線経路の利得調整が必要であるときにのみ、広域のハイパスモードに切換える。
本実施の形態によれば、無線パケットに基づく通信ネットワークにおいて送信された信号を受信する方法もまた提供される。この方法は以下のステップを含む。
RF受信装置を直流(もしくは、ほぼ直流)結合モードで稼働させるステップ。
ベースバンドの直流オフセットをトラッキングするステップと、直流オフセットの強度がなんらかの閾値を超過するとき、(RF装置における)直流オフセットの除去方策を開始するステップ。
(直流オフセットの影響が除去されている)このベースバンドの信号電力をトラッキングするステップと、この信号電力が上側および下側の極限電力(limit power)の範囲を外れるとき、RF信号経路の利得変更を開始するステップ。
RF受信装置が提供するベースバンドのI信号/Q信号における直流オフセットおよび信号電力を同時に推定するステップ。
好ましくは、この方法はさらに、復調器が有効なパケットの受信を示すとき、RF装置の状態における上述した変更を抑制するステップを含む。
ある実施の形態において本発明は、ベースバンドのI信号/Q信号に存在する直流オフセットの推定値を継続的に作成し、そして同時に、ベースバンドの信号電力の推定値を継続的に作成する。直流オフセットに起因してベースバンドの信号電力における大きな誤差が生じうるため、信号電力の計測は直流オフセットの影響を除去するように調整されるべきである。
直流オフセットの強度が何らかの閾値を超過するとき、RF受信機は直流オフセットの除去モードに設定されるべきであり、その後、直流結合モードに復帰させられるべきである。
ベースバンドの信号電力が下側の電力閾値よりも小さいとき、もしくは、上側の電力閾値よりも大きいとき、上側および下側の電力閾値の範囲で指定される設定点にベースバンドの信号電力を復帰させるように、RF信号経路の利得が調整されるべきである。上側電力および下側電力の制限幅の範囲内のベースバンド電力をもたらす信号がRF受信機における圧縮を生じさせないように、RF利得が最終的に設定されるように、RF利得の調整処理は保証するべきである。
このプロセスへの自動利得制御を抑止する(agc-inhibit)入力がなされると、上述したRF利得および直流結合のモード変更は抑制される。復調器が有効なバーストを検波し、有効なバーストを受信しているときに受信信号の歪みを回避するために、この入力がアサートされる。しかしながら、いくつかの状況において、(潜在的には、受信されたバーストの有効な受信を妨害する干渉信号に起因して)信号長が大幅に増加するとき、現在のバーストの受信をキャンセルし、自動利得制御の処理を再び有効とすることは有用なことがある。
シンボルブロックにおける直流オフセットおよび信号電力の同時推定は、A)直流オフセットの推定値を取得するためにI信号およびQ信号を平均化する、B)I信号およびQ信号の2乗の信号強度を平均化して、未加工の電力推定値を算出する、C)未加工の電力推定値から直流オフセットの影響を差し引いて、真の信号電力推定値を算出する、ことにより実行できる。
その後、ベースバンドのI信号およびQ信号から直流オフセットを除去してトラッキングすることは、さらなるモデム処理の段階におけるその使用の前に必要とされる。これは、直流の周囲の非常に狭い阻止帯域を持つ簡単なハイパスデジタルフィルタを使用することにより実現される。直流オフセットにおける段階的変化が発生するとき(WHPFモードが不可能であるとき)にはすぐに、このフィルタは再度シードされ(re-seeded)、開始されるべきである。
記載した特定の用途のための使用に本発明が制限されないこと、また、本明細書で記載もしくは図面に図示した特定の要素および/または機能に関して、本発明が好適な実施の形態に制限されないことは当業者には理解されるところである。本発明の本質から離れることなく様々な変形例が作成可能であることも理解されるところである。したがって、本発明は、その範囲にこれらの変形例を全て含むと理解されるべきである。
本発明を具体的な実施の形態に基づいて説明したが、さらなる変形例が可能であることは理解されるところである。本出願は、一般に本発明の原理にしたがい、本発明の属する技術分野における既知のまたは慣習的な実践法の中に入るようなしかも上述の基本的特徴に適用されうるような本開示からの逸脱を含む、本発明のあらゆる変形形態、用途または適合を網羅するように意図されている。
本発明は、本発明の本質的特徴の精神から逸脱することなくいくつかの態様において具現化することが可能であるので、上述の実施の形態は、他の特段の断りがなければ、本発明を限定するものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に記載された発明の精神と範囲に内包されるものであると広く解釈されるべきであることは理解されるところである。いろいろな変形例および等価なアレンジメントが、本発明および添付の特許請求の範囲の精神および範囲に含まれることは意図されている。それゆえ、特定の実施の形態は、本発明の原理が実行されうる多くの手段の具体例であることは理解されるところである。特許請求の範囲で、ミーンズプラスファンクション条項は、規定された機能を実現する構造物と、構造的均等物だけでなく、均等な構造物をもカバーすることを意図している。例えば、釘とねじについて、釘は木製部材をともに固定するために円柱面を有し、一方でねじは木製部材をともに固定するために螺旋状の面を有しているという点において、構造的均等物ではないかもしれないが、木製部材を固定するという環境においては、釘とねじは均等な構造物である。
本明細書において、特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を特定するために、「〜を含む」を用いたが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素もしくはその他のグループの存在もしくは追加を排除するものではない。このように、明細書や請求項を通して、前後の文脈が明らかにそうである必要がない限り、「〜を含む」「〜を含み」という言葉および同類の言葉は、排他的な意味でなく包含的な意味で解釈されるべきである。すなわち、「含むがこれに限定されるものではない」という意味に解釈されるべきである。
参考文献:
[1]アンドリア・ゴールドスミス(Andrea Goldsmith)著、「ワイヤレス・コミュニケーションズ(Wireless Communications)」、ケンブリッジ・ユニバーシティ・プレス(Cambridge University Press)、2005年
[2]ヨーロッパ電気通信標準化協会(ETSI)著、「ブロードバンド・ラジオ・アクセス・ネットワークス・(BRAN);ハイパーラン・タイプ2・テクニカル・スペシフィケーション;フィジカル・レイヤ(Broadband radio access networks (BRAN); HiPERLAN type 2 technical specification; Physical (PHY) layer)」、1999年8月
[3]米国電気電子学会(IEEE)ワーキンググループ802.20(IEEE Working Group 802.20)著、「チャネル・モデルズ・フォー・アイ・トリプル・イー・802.20・モバイルブロードバンドワイヤレスアクセス・システム・シミュレーションズ(Channel models for IEEE 802.20 MBWA system simulations)」、第3版、2003年11月
[4]「スペシャル・イシュー・オン・コーズ・オン・グラフズ・アンド・イテレイティブ・アルゴリズムズ(Special issue on codes on graphs and iterative algorithms)」、米国電気電子学会(IEEE)・トランス・インフォーム・セオリー(IEEE Trans, inform. Theory)、第47巻、第2号、2001年2月
[5]米国電気電子学会(IEEE)802.11ワーキンググループ(IEEE 802.11 WG)著、「ワイヤレス・ラン・メディウム・アクセス・コントロール・(MAC)・アンド・フィジカル・レイヤ・(PHY)・スペシフィケーションズ・ハイスピード・フィジカル・レイヤ・イン・ザ・5ギガヘルツ・バンド(Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications High-speed Physical Layer in the 5 GHz Band)」、IEEE標準802.11a−1999(R2003)(IEEE Std 802.11a-1999(R2003))、パート11
[6]「ワイヤレス・ラン・メディウム・アクセス・コントロール・(MAC)・アンド・フィジカル・レイヤ・(PHY)・スペシフィケーションズ・アメンドメント4:ファーザー・ハイヤー・データ・レート・エクステンション・イン・ザ・2.4ギガヘルツ・バンド(Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications, Amendment 4: Further Higher Data Rate Extension in the 2,4 GHz Band)」、IEEE標準802.11g−2003(IEEE Std 802.11 g-2003)、パート11
[7]米国電気電子学会(IEEE)802.16ワーキンググループ(IEEE 802.16 WG)著、「エアー・インタフェース・フォー・フィクスド・ブロードバンド・ワイヤレス・アクセス・システムズ(AIr Interface for Fixed Broadband Wireless Access Systems)」、IEEE標準802.16−2004(IEEE Std 802.16-2004)、パート16
[8]「アイ・トリプル・イー・802.16・タスク・グループ・イー・(モバイル・ワイヤレスマン)(IEEE 802.16 Task Group e (Mobile WirelessMAN))」、[online]、インターネット<URL:http://grouper.ieee.org/groups/802/16/tge/index.html>
[9]米国電気電子学会(IEEE)802.20ワーキンググループ(IEEE 802.20 WG)、「アイ・トリプル・イー・802.20・モバイル・ブロードバンド・ワイヤレス・アクセス・(MBWA)(IEEE 802.20 Mobile Broadband Wireless Access (MBWA))」、[online]、インターネット<URL:http://grouper.ieee.org/groups/802/20/>
[10]米国電気電子学会(IEEE)802.16ワーキンググループ(IEEE 802.16 WG)、「チャネル・モデルズ・フォー・フィクスド・ワイヤレス・アプリケーションズ(Channel Models for Fixed Wireless Applications)」、[online]、インターネット<URL:http://grouper.ieee.org/groups/802/16/tg3/contrib/802163c-01_29r4.pdf>
周波数領域における受信されたOFDM信号を示す図である。 屋内の無線チャネルのモデルを示す図である。 見通し内通信に近似する条件における屋外の静止環境での無線チャネルのモデルを示す図である。 見通し内通信に近似する条件における70mphでの屋外の移動環境での無線チャネルのモデルを示す図である。 見通し内通信に近似する条件における屋外の静止環境での無線チャネルのモデルを示す図である。 見通し内通信に近似する条件における135mphでの屋外の移動環境での無線チャネルのモデルを示す図である。 60mphの移動環境でのチャネルにおいて、正確に補足されたチャネルの測定結果を示す図である。 単一の送信と、1メートルの間隔がある2本のアンテナを備える受信機に対するチャネルの測定値を示す図である。 IEEE802.11標準にしたがったOFDMシンボルの寸法を示す図である。 従来のOFDM物理層のシステムモデルを示す図である。 本発明の好適な実施の形態にしたがって複数のアンテナを使用した、一般的なOFDM物理層のシステムモデルを示す図である。 IEEE812.16aのOFDMダウンリンクのパイロットおよびプリアンブルの構成を示す図である。 パイロットにより支援される従来のチャネルトラッキングにおけるパケット誤り率を示すチャート図である。 パイロットにより支援される従来のチャネルトラッキングにおけるパケット誤り率を示すさらなるチャート図である。 本発明の実施の形態における結果のパケット誤り率を示す図である。 本発明の好適な実施の形態による10Mbpsの無線移動通信システムにおける典型的な受信可能範囲を示す図である。 本発明の好適な実施の形態による6Mbpsの無線移動通信システムにおける典型的な受信可能範囲を示す図である。 他の好適な実施の形態における本発明の方法を示すフローチャートである。 好適な実施の形態による本発明の方法を示すフローチャートである。 さらに別の好適な実施の形態による本発明の方法を示すフローチャートである。 他の好適な実施の形態による本発明の方法を示すフローチャートである。 他の好適な実施の形態による本発明の方法を示すフローチャートである。 本発明の他の好適な実施の形態の概略図である。 従来技術のパケットと、本発明の他の好適な実施の形態にしたがったパケットとを示す概略図である。 変動する受信信号と、信号を受信する従来技術の方法とを示す図である。 本発明の他の好適な実施の形態にしたがって、選択的に2つのモードで稼働する受信システムの略ブロック図である。

Claims (12)

  1. 無線パケットに基づく通信ネットワークにおける時変チャネルをトラッキングする方法であって、
    パイプライン処理アルゴリズムにしたがって、チャネル推定値データベース(CEDB)更新機能と前方誤り訂正(FEC)復号機能とを提供するステップを含み、
    前記FEC復号機能の出力値が、CEDB更新機能への入力値として提供され
    前記パイプライン処理アルゴリズムは、
    シンボルi−1の2回目の復号の結果を用いてシンボルiのためのチャネル推定値を予測する間に、受信されたシンボルiの1回目の復号を実行するステップと、
    シンボルiの前記1回目の復号の結果を用いてシンボルi+1のためのチャネル推定値を予測する間に、シンボルiの2回目の復号を実行するステップと、
    を含み、
    シンボルの復号の結果を用いることは、当該シンボルを復号することにより特定される当該シンボルのための送信シンボル推定値を用いたチャネル推定値データベースの更新を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記チャネル推定値データベースは、前記1回目の復号を実行するステップにおいて更新されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  3. 位相オフセットは、時間領域でのチャネルの他のパラメータとは独立してトラッキングされることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. トラッキングされた位相オフセットにより、それまでCEDBに保持された位相オフセットの推定値を更新し、更新された推定値は、新たなチャネル推定値と合成されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  5. 無線通信ネットワークにおける通信に適合する装置であって、
    所定の命令セットにしたがって動作するように構成された処理手段を備え、
    前記命令セットは、
    無線パケットに基づく通信ネットワークにおける時変チャネルをトラッキングする方法であって、
    パイプライン処理アルゴリズムにしたがって、チャネル推定値データベース(CEDB)更新機能と前方誤り訂正(FEC)復号機能とを提供するステップを含み、
    前記FEC復号機能の出力値が、CEDB更新機能への入力値として提供され、
    前記パイプライン処理アルゴリズムは、
    シンボルi−1の2回目の復号の結果を用いてシンボルiのためのチャネル推定値を予測する間に、受信されたシンボルiの1回目の復号を実行するステップと、
    シンボルiの前記1回目の復号の結果を用いてシンボルi+1のためのチャネル推定値を予測する間に、シンボルiの2回目の復号を実行するステップと、
    を含み、
    シンボルの復号の結果を用いることは、当該シンボルを復号することにより特定される当該シンボルのための送信シンボル推定値を用いたチャネル推定値データベースの更新を含む方法を前記処理手段に実行させるものであることを特徴とする装置。
  6. 請求項において権利請求した装置を含む通信ネットワーク。
  7. ンピュータが読み取り可能なプログラムコードおよびコンピュータが読み取り可能なシステムコードが記録された記録媒体であって、
    前記記録媒体に記録されたコンピュータが読み取り可能なコードは、
    無線パケットに基づく通信ネットワークにおける時変チャネルをトラッキングする方法であって、
    パイプライン処理アルゴリズムにしたがって、チャネル推定値データベース(CEDB)更新機能と前方誤り訂正(FEC)復号機能とを提供するステップを含み、
    前記FEC復号機能の出力値が、CEDB更新機能への入力値として提供され
    前記パイプライン処理アルゴリズムは、
    シンボルi−1の2回目の復号の結果を用いてシンボルiのためのチャネル推定値を予測する間に、受信されたシンボルiの1回目の復号を実行するステップと、
    シンボルiの前記1回目の復号の結果を用いてシンボルi+1のためのチャネル推定値を予測する間に、シンボルiの2回目の復号を実行するステップと、
    を含み、
    シンボルの復号の結果を用いることは、当該シンボルを復号することにより特定される当該シンボルのための送信シンボル推定値を用いたチャネル推定値データベースの更新を含む方法を前記コンピュータに実行させるためのものである記録媒体。
  8. 自己回帰アルゴリズムにしたがって、時間領域での少なくとも1つのチャネルのパラメータをトラッキングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の方法。
  9. いずれか1つのパラメータもしくは2以上のパラメータの組み合わせは、自己回帰アルゴリズムにしたがって、個々にトラッキングされることを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 前記パラメータは、CEDBにおいてトラッキングされ、次のパラメータ、
    複素チャネル振幅(サブキャリアごと)、
    OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing 直交波周波数分割多重)シンボルごとの位相オフセット、
    雑音電力、
    OFDMタイミング誤差/オフセット、
    コヒーレンス時間、
    コヒーレンス周波数、
    のうち少なくとも3つがトラッキングされることを特徴とする請求項またはに記載の方法。
  11. 各パラメータをトラッキングするステップは、他の3つのパラメータの合計としてパラメータを形成するステップを含むことを特徴とする請求項から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記自己回帰アルゴリズムは、受信信号が復号されるときにCEDBの状態を更新するステップであって、現在受信されたシンボルおよび過去送信されたシンボルの少なくとも一部から算出される未加工の推定値の一部が、前記CEDBの状態の補完的な部分に付加されるようにするステップを含むことを特徴とする請求項から11のいずれかに記載の方法。
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