JP5210819B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車室内に吹き出す空調風の風量をオート制御する車両用空気調和装置に関する。
この種の従来の車両用空気調和装置としては、特許文献1に開示されたものがある。この車両用空気調和装置は、送風路に配置された送風機と、送風機によって吸引された送風を冷却する蒸発器と、蒸発器を通過した送風を暖房するヒータコアと、送風機等を自動制御する制御部とを備えている。
制御部は、車室内温度を乗員の設定した設定室内温度に近づけ、且つ、それを維持するべく、環境負荷と設定室内温度に応じて吹き出し風の必要熱量(換言すれば、目標吹き出し温度)を算出し、この吹き出し風の必要熱量(目標吹き出し温度)に応じて送風機の風量を自動制御する。具体的には、冷房運転時にあっては、環境負荷が高負荷(外気温度が高い、車室内温度が高い、日射量が多い等)であればあるほど目標吹き出し温度を低く設定し、これに応じて送風機の風量を大きく制御する(特許文献1参照)。つまり、環境負荷の大きさに応じて、吹き出し風による必要熱量(目標吹き出し温度)を調整する。
この制御によれば、実際の吹き出し温度が目標吹き出し温度、若しくはこれに近い温度とすることができれば、車室内の全体を迅速に設定室内温度とすることができる。
特開昭58−26618号公報
しかしながら、冷房運転を多用する時期において、運転初期時にあっては、通常では車両の環境負荷が高負荷となる場合が多い。車両の環境負荷が高負荷であると、送風機の風量が最大に制御されることになるため、蒸発器には大きな冷房能力が要求され、圧縮機の動力が最大値になりやすい。圧縮機の動力が最大値になると、車両運転の性能に悪影響が出る等の不具合が発生する可能がある。
又、環境負荷が高負荷で、送風機の風量が大きい状況下では、蒸発器の冷房能力が実際には不足するため、吹き出し温度が目標吹き出し温度まで下がり難い。従って、冷気を感じず、しかも、大風量の吹き出し風が長い時間に亘って車室内に吹き出すことになり、空調風が直接当たる乗員は長い時間に亘って不快を感じる恐れがある。
そこで、本発明は、冷房運転初期時にあっても吹き出し風を直接受ける乗員の快適性を極力損なうことなく、しかも、圧縮機の動力が最大値になることに起因する不具合を防止できる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、送風機と、前記送風機で発生させた送風を冷媒との熱交換によって冷却する蒸発器と、車両の環境負荷と室内設定温度に基づく前記送風機の風量を算出して前記送風機を自動制御する制御部とを備え、前記制御部で自動調整された前記送風機による送風が前記蒸発器を経て空調風として車室内に吹き出される車両用空気調和装置であって、前記制御部は、乗員が前席のみと判断した際における冷房運転初期時には、車両の環境負荷と室内設定温度に基づく算出風量がしきい値を超えている場合にのみ、車両の環境負荷及び室内設定温度に基づく算出風量より小さい風量で前記送風機(11)を制御したことを特徴とする車両用空気調和装置(A)。
請求項の発明は、請求項1記載の車両用空気調和装置であって、前記蒸発器を通過した空気温度が規定値を下回った場合には、前記送風機の風量を段階的に増加させる制御を行うことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項記載の車両用空気調和装置であって、前記送風機の風量を増加させた場合には、乗員に直接当たらない吹出口からも送風を吹き出すようにしたことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項又は請求項記載の車両用空気調和装置であって、冷房運転初期時は、段階的に増加させた前記送風機の風量が、車両の環境負荷と室内設定温度に基づく算出風量に達するまでとすることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項〜請求項のいずれかに記載の車両用空気調和装置であって、乗員が前席のみであるか否かの判断は、座席の熱検知手段の検知情報と後席ドアの開閉履歴情報の少なくとも1つより行うことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、冷房運転を多用する時期において、運転初期時は通常では環境負荷が高負荷であるが、送風機の風量が環境負荷に基づく算出風量より小さく抑えられるため、蒸発器に要求される冷房能力が低くなり、圧縮機の動力が最大値にならない。又、送風機の風量が小さく抑えられる分、吹き出し温度が早く低くなるため、吹き出し風を直接受ける乗員の不快を感じる時間が短くなる。以上より、冷房運転初期時にあって吹き出し風を直接受ける乗員の快適性を極力損なうことなく、しかも、圧縮機の動力が最大値になることに起因する不具合を防止できる。
請求項の発明によれば冷房運転初期時にあって環境負荷が高くない場合には、送風機の風量が環境負荷及び室内設定温度に基づく算出風量とされる。つまり、環境負荷が高くない場合には、圧縮機の動力も最大値になることがなく、吹き出し風も冷たい風になりやすいため、乗員の快適性を維持できる。又、元々風量が少ない領域で送風機の風量を更に低く抑えると、乗員の快適性を維持できなくなるため、このような不具合を防止できる。
請求項の発明によれば吹き出し風を直接受けない乗員(例えば後席の乗員)の快適性を極力損なわないようにできる。
請求項の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、吹き出し風が快適なものとなってから風量を増加させるため、乗員に温度の高い大量の空調風が当たるのを防止できる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、乗員に大量の空調風が直接当たるのを防止しつつ、車室内の迅速な冷房を図ることができる。又、例えばガラスに沿うように吹き出す吹出口から増加分の空調風を吹き出すようにすれば、外部からの輻射熱の抑制にも寄与する。
請求項の発明によれば、請求項又は請求項の発明の効果に加え、複雑な制御を追加することなく、冷房運転初期時の制御からそれ以降の通常の制御にスムーズに移行させることができる。
請求項の発明によれば、請求項〜請求項の発明の効果に加え、乗員が前席のみであるか否かを確実に検知できる。そして、座席の熱検知手段や後席ドアの開閉履歴手段は、送風機の風量制御以外にも使用されるものであり、これら手段を搭載する車両であれば、特別なコストアップなしで乗員が前席のみであるか否かの検知ができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は本発明の第1実施形態を示し、図1は車両用空気調和装置Aの概略構成図、図2は目標吹き出し温度に応じた送風機11の算出風量の特性線図、図3は送風機11の風量制御フローチャートである。
図1に示すように、車両用空気調和装置Aは、冷凍サイクル1を有する。この冷凍サイクル1は、冷媒を圧縮する圧縮機2と、この圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒を放熱する放熱器3と、この放熱器3を通過した冷媒を減圧する減圧手段4と、この減圧手段4で減圧された冷媒を蒸発させて車室内に導く送風を冷却する蒸発器5とを備え、これらが各配管7a〜7eで接続されている。
圧縮機2は、車両エンジン8から駆動力を受け、エクスターナルコントロールバルブ(ECV)9によって冷媒吐出量を可変できるよう構成されている。エクスターナルコントロールバルブ9は制御部20からの外部制御信号によって圧縮機2の冷媒吐出量を可変する。
蒸発器5は、車室内に導く送風の送風路10内に配置されている。この送風路10の蒸発器5より上流には、送風機11が配置されている。この送風機11の風量は、制御部20からの制御電圧(4V〜12V)によって可変される。又、送風路10の最上流には、外気導入口(図示せず)と内気導入口(図示せず)が開口されている。送風機11の吸引力によって外気や内気が送風路10に吸引される。
送風路10内の蒸発器5より下流には、ヒータコア12が設けられている。ヒータコア12は、その内部にエンジン冷却水が循環され、エンジン冷却水によって送風を加熱する。ヒータコア12の直ぐ上流には、ミックスドア13が設けられている。ミックスドア13は、蒸発器5を通過した冷風の内で、ヒータコア12を通過する風量とヒータコア12を通過しない風量の割合を調整する。ヒータコア12を通過する送風(通常では温風)とヒータコア12を通過しない送風(通常では冷風)はヒータコア12の下流でミックスされることによって所望温度の空調風とされる。冷房運転時には目標吹き出し温度の冷風となるよう制御される。
送風路10のヒータコア12より下流には複数の吹出口(デフロスタ吹出口、ベント吹出口、フット吹出口)が設けられ、これら吹出口より空調風が車室内に吹き出される。これら吹出口は、前席より車両前方に配置され、ベント吹出口は前席の乗員の上半身に、フット吹出口は前席の乗員の下半身に直接当たるように吹き出させることができる。
又、送風路10の蒸発器5の直ぐ下流には、蒸発器後空気温度検知センサS1が配置されている。蒸発器後空気温度検知センサS1は、蒸発器5を通過した空気温度(以下、蒸発器後空気温度Tintという。)を検知する。この検知出力は、制御部20に出力される。
制御部20は、ECV調整機能部20aと風量調整機能部20bと必要能力判断機能部20cとを有する。ECV調整機能部20aは、必要能力判断機能部20cからの指令によってエクスターナルコントロールバルブ9を制御する。具体的には、ECV調整機能部20aは、エクスターナルコントロールバルブ9を出力デュティ比によって制御する。エクスターナルコントロールバルブ9は、出力デュティ比に比例させて圧縮機2の冷媒吐出量を制御する。つまり、出力デュティ比が大きければ大きいほど冷媒吐出量を多くし、出力デュティ比が小さければ小さいほど冷媒吐出量を少なくするよう圧縮機2を制御する。
風量調整機能部20bは、必要能力判断機能部20cからの指令によって送風機11を制御する。具体的には、送風機11に出力する電圧(4V〜12V)によって制御する。送風機11の風量は、LO〜HIに可変される(図2参照)。必要能力判断機能部20cには、蒸発器後空気温度検知センサS1の他に外気温度検知センサS2、車室内温度検知センサS3、日射センサS4等のセンサデータが入力されると共に、乗員による室内設定温度Tset及び送風機11の風量データ等の各種データが入力されている。そして、送風機11の風量等は、乗員の操作によって行われる場合と、環境負荷と室内設定温度に応じて自動的に行われる場合がある。環境負荷と室内設定温度に応じて自動的に行われる場合、つまり、オート制御では、必要能力判断機能部20cは、図3のフローチャートに基づき送風機11の風量を風量調整機能部20aを介して制御する。
ここで、オート制御による風量の決定方法について説明する。風量は、環境負荷(この実施形態では、外気温度、車室内温度、日射量)と室内設定温度に応じて目標吹き出し温度TOを算出し、この算出した温度TOに応じた値を基本として決定される。具体的には、環境負荷である外気温度をTamb、車室内温度をTinc、日射量をQsun、乗員が入力する室内設定温度をTset、蒸発器後空気温度をTintとすると、先ず、下記式より目標吹き出し温度TOを算出する。
TO=Kset×Tset−Kamb×Tamb−Kinc×Tinc−Ksun×Qsun+C
ここで、Kset、Kinc、Ksunは制御定数であり、Cは補正定数である。
次に、算出された目標吹き出し温度TOから図2の特性線に基づいて算出風量FOを求める。図2の特性線は、すり鉢状の特性であり、冷房運転にあっては、外気温度、車室内温度、日射量の各要素が大きくなればなるほど目標吹き出し温度TOが低い方に推移し、送風機11の風量が増やされ(最大でHI)、上記各要素が小さくなればなるほど目標吹き出し温度TOが高い方に推移し、送風機11の風量が減らされる(最小でLO)。暖房運転にあっては、外気温度、車室内温度、日射量の各要素が小さくなればなるほど目標吹き出し温度TOが高い方に推移し、送風機11の風量を増やされ(最大でHI)、上記各要素が大きくなればなるほど目標吹き出し温度TOが低い方に推移し、送風機11の風量が減らされる(最小でLO)。このようにして得られた算出風量FOを基準として最終的な風量が決定される。最終的な風量の決定手順については、下記の風量制御のフローで詳述する。
以下、送風機11の風量制御について説明する。図3において、下記に示すルーチンは、演算単位時間(例えば100ms)ごとに実施される。
図3に示すように、先ず、環境負荷と室内設定温度より目標吹き出し温度TOを算出する(ステップS1)。目標吹き出し温度TOの算出については、上記したので省略する。
次に、目標吹き出し温度TOより算出風量FOを求める(ステップS2)。算出風量FOの求め方についても、上記したので省略する。
次に、圧縮機2が稼働中か否かをチェックする(ステップS3)。稼働中でなければ、算出風量FOを吹き出し風量として風量調整機能部20bに出力する(ステップS10)。
圧縮機2が稼動中であれば、圧縮機2が停止(前回ルーチンの状態)から稼動に変化したか否かをチェックする(ステップS4)。停止(前回ルーチンの状態)から稼動に変化していれば、冷房運転初期動作を開始する(ステップS5)。そうでなく稼動中であれば、冷房運転初期動作中か否かをチェックする(ステップS6)。冷房運転初期動作中であれば、算出風量FOがしきい値風量βを超えた値か否かを判定する(ステップS7)。
算出風量FOがしきい値風量β以下であれば、算出風量FOを吹き出し風量として風量調整機能部20bに出力する(ステップS10)。これにより、環境負荷に見合った風量、つまり、算出風量FOで送風機11の風量が制御される。そして、冷房初期動作は終了と判断される(ステップS11)。
算出風量FOがしきい値風量βを超えた値であれば、算出風量FOよりaだけ減算した値がしきい値風量βより大きいか否かを比較する(ステップS8)。ここで、a値は、算出風量FOを最大値とした場合に決定される数値であり、(FO−a)値は、算出風量FOが最大値の場合に、乗員に直接当たっても不快でなく冷房感を得やすい風量となるよう設定される。この値は予め実験等で求められる。例えば、送風機11の最大風量が7m/minであり、冷房感を得やすい風量が5m/minである場合に、a値は2m/min程度に設定する。
(FO−a)値がβ(但し、β>a)より大きい値であれば、(FO−a)値を吹き出し風量として風量調整機能部20bに出力する(ステップS9)。これにより、乗員に直接当たっても不快でなく冷房感を得やすい風量が吹き出される。(FO−a)値がβ以下であれば、β値を吹き出し風量として風量調整機能部20bに出力する(ステップS12)。これにより、環境負荷が大きいにも係わらず、少ない風量しか吹き出されないような事態を防止できる。
以上説明したように、車両用空気調和装置Aは、制御部20は、冷房運転初期時には、車両の環境負荷及び室内設定温度に基づく算出風量FOより小さい風量で送風機11を制御した。従って、冷房運転を多用する時期において、運転初期時は通常では環境負荷が高負荷であるが、送風機11の風量が環境負荷に基づく算出風量より小さく抑えられるため、蒸発器5に要求される冷房能力が低くなり、圧縮機2の動力が最大値にならない。又、送風機11の風量が小さく抑えられる分、吹き出し温度が低くなりやすいため、吹き出し風を直接受ける前席の乗員は不快を感じる時間が短くなる。以上より、冷房運転初期時にあっても吹き出し風を直接受ける前席の乗員の快適性を極力損なうことなく、しかも、圧縮機2の動力が最大値になることに起因する不具合を防止できる。
この第1実施形態では、車両の環境負荷と室内設定温度に基づく算出風量FOがしきい値βを超えている場合にのみ、算出風量FOより小さい風量((FO−a)値又はβ値)で送風機11を制御した。従って、冷房運転初期時にあって環境負荷が高くない場合には、送風機11の風量が環境負荷及び室内設定温度に基づく算出風量FOとされる。つまり、環境負荷が高くない場合には、圧縮機11の動力も最大値になることがなく、吹き出し風も冷たい風であるため、乗員の快適性を維持できる。又、元々風量が低い領域で送風機11の風量を更に低く抑えると、却って乗員の快適性を維持できなくなり、このような不具合を防止できる。
(第2実施形態)
図4は本発明の第2実施形態に係る送風機の風量制御フローチャートである。
この第2実施形態は、前記第1実施形態と比較するに、乗員が前席のみであるか否かを判定する手段を有することと、これに伴って風量制御フローチャートの一部が異なる。つまり、上記判定手段は、座席の熱検知手段の検知情報と後席ドアの開閉履歴情報の少なくとも1つより乗員が前席のみであるか否かを判定する。
尚、車両用空気調和装置Aの概略構成図は第1実施形態とほぼ同じであるため、図1を利用する。
図4に示すように、この第2実施形態の制御フローには、圧縮機2が稼動中と判断されれば、その後に、乗員は前席のみであるか否かをチェックするステップ(ステップS20)が付加されている。そして、乗員が前席のみであれば、圧縮機2の停止が稼動に変化したか否かのステップ(ステップS3)に移行し、乗員が前席のみでなければ、算出風量FOを吹き出し風量として風量調整機能部20bに出力するステップ(ステップS10)に移行する。
他のフローチャートは前記第1実施形態と同様であるため、省略する。
この第2実施形態では、乗員が前席のみであれば、冷房運転初期時にあって吹き出し風を直接受ける乗員、つまり、前席の乗員の快適性を極力損なわないように算出風量FOより弱い吹き出し風を吹き出す。又、乗員が後席にもいる場合には、算出風量FOによって吹き出す。これにより、吹き出し風を直接受けない後席の乗員の快適性を極力損なわないようにできる。
この第2実施形態では、乗員が前席のみであるか否かの判断は、座席の熱検知手段の検知情報と後席ドアの開閉履歴情報の少なくとも1つより行う構成した。従って、乗員が前席のみであるか否かを確実に検知できる。そして、座席の熱検知手段や後席ドアの開閉履歴手段は、送風機11の風量制御以外にも使用されるものであり、これら手段を搭載する車両であれば、特別なコストアップなしで乗員が前席のみであるか否かの検知ができる。
(第3実施形態)
図5〜図10は本発明の第3実施形態を示し、図5は吹出口を中心として送風路10の構成図、図6はベント吹出口31と補助吹出口40の吹き出し方向を示す概略図、図7は送風機11の風量制御フローチャート、図8(a)は第3実施形態と従来例における冷房運転初期時の吹き出し風量、吹き出し温度、車室内温度の推移を示す特性線図、図8(b)は冷房運転初期時の吹き出し風量の推移の詳細を示す特性線図、図9は補助吹出用ドア41の開閉制御の特性線図、図10は第3実施形態と従来例における圧縮機2の動力推移の特性線図である。
図5に示すように、この第3実施形態では、前記第1実施形態と同様に、送風路10のヒータコア12より下流に、デフロスタ吹出口30、ベント吹出口31及びフット吹出口32が設けられている。これら各吹出口30,31,32はデフロスタ用ドア33、ベント用ドア34及びフット用ドア35によってそれぞれ開閉される。デフロスタ用ドア33、ベント用ドア34及びフット用ドア35をそれぞれ駆動する各アクチュエータ36,37,38は、制御部20によって制御される。
第3実施形態では、前記第1実施形態と異なり、送風路10のヒータコア12より下流に補助吹出口40が設けられている。この補助吹出口40は、補助吹出用ドア41によって開閉される。補助吹出用ドア41を駆動するアクチュエータ42は、制御部20によって制御される。
図6に示すように、ベント吹出口31は、前席の乗員の上半身に直接当たる方向に吹き出すよう設定されているが、補助吹出口40は、前席の乗員に直接当たらない方向で、しかも、両側の補助吹出口40はサイドガラスに沿うように吹き出すよう設定されている。
尚、車両用空気調和装置Aのそれ以外の概略構成図は第1実施形態とほぼ同じであるため、図1を利用する。
以下、送風機11の風量制御について説明する。図7において、下記に示すルーチンは、演算単位時間(例えば100ms)ごとに実施される。
図7に示すように、先ず、環境負荷及び室内設定温度より目標吹き出し温度TOを算出する(ステップS1)。目標吹き出し温度TOの算出については、上記したので省略する。
次に、目標吹き出し温度TOが冷房運転側であるか否かをチェックする(ステップS30)。目標吹き出し温度TOに応じた風量の特性線は、図2に示すように、すり鉢状の特性であるため、そのすり鉢状の特性のちょうど中心が安定期と考えられるため、その中心(図2の破線位置)を境界として冷房運転側か暖房運転側か否かを判定する。冷房運転側でなければ、暖房運転による制御に移行する(ステップS31)。暖房運転では、環境負荷に見合った風量、つまり、算出風量FOで送風機11の風量が制御される。
冷房運転側であれば、目標吹き出し温度TOより算出風量FOを求める(ステップS2)。算出風量FOの求め方については、上記したので省略する。
次に、圧縮機2が稼働中か否かをチェックする(ステップS3)。稼働中でなければ、算出風量FOを吹き出し風量として風量調整機能部20bに出力する。
圧縮機2が稼動中であれば、圧縮機2が停止(前回ルーチンの状態)から稼動に変化したか否かをチェックする(ステップS4)。停止(前回ルーチンの状態)から稼動に変化していれば、冷房初期運転動作を開始する(ステップS5)。そうでなく稼動中であれば、冷房運転初期動作中か否かをチェックする(ステップS6)。
冷房運転初期動作中であれば、蒸発器後空気温度Tintが規定値である10℃を超えた値か否かをチェックする(ステップS40)。蒸発器後空気温度Tintが10℃を超えた値であれば、(FO−a)値を吹き出し風量として風量調整機能部20bに出力する(ステップS41)。
蒸発器後空気温度Tintが10℃以下であれば、算出風量FOが前回の風量Fbakに差分Δを加算した値より大きな値であるか否かを判定する(ステップS43)。算出風量FOより(Fbak+Δ)が小さい値であれば、(Fbak+Δ)値を吹き出し風量として風量調整機能部20bに出力し(ステップS44)、送風機11の風量が(Fbak+Δ)値で制御される。算出風量FOより(Fbak+Δ)が小さい値であれば、風量が段階的にΔ値だけ増加される。そして、(Fbak+Δ)値が算出風量FO以上になれば、つまり、(Fbak+Δ)値が算出風量FOに達すれば、算出風量FOを風量調整機能部20bに出力し(ステップS10)、送風機11の送風が算出風量FOで制御される。そして、冷房初期動作は終了とされる(ステップS11)。このようにして決定された吹き出し風量は、Fbakとして保存される(ステップS42)。
次に、このような制御内容における冷房運転初期時の吹き出し風量、吹き出し温度、車室内温度の推移を従来例と比較しつつ図8(a)を参照して説明する。
冷房運転開始時点では、環境負荷が大きく、蒸発器後空気温度は10℃を超えた値を示すものとする。冷房運転開始時点では、算出風量FOが最大値となり、従来例では最大値の算出風量FOで送風機11を制御することになるが、第3実施形態では、吹き出し風量が(FO−a)値となる。これにより、吹き出し温度は、従来例に比べて第3実施形態の方が低い温度となり、吹き出し風が直接当たる前席の乗員は不快を感じる時間が少なくて済む。
又、車室内温度の低下に応じて蒸発器後空気温度Tintも徐々に低下し、蒸発器後空気温度Tintが10℃以下になると(T1タイミング)、吹き出し風量は、従来例では算出風量FOのままであるが、第3実施形態では(Fbak+Δ)値となり、徐々に増加される。そして、吹き出し風量が算出風量FOに達すると(T2タイミング)、冷房運転初期時が終了とされ、その以降は通常の冷房制御に基づいて吹き出し風量が制御される。つまり、算出風量FOによって送風機11の風量が制御される。
又、蒸発器後空気温度tintが10℃以下となった時点から冷房運転初期時の終了までの間の吹き出し風量は、図8(b)に示すように、(FO−a)値と増加風量分を加算したものとなる。
更に、上記動作過程にあって、吹き出し風量が増加されると、補助吹出用ドア41は図9に示すように開度θが制御される。これにより、(FO−a)の風量は、ベント吹出口より31より吹き出され、ほぼ増加分の風量は、補助吹出口40より吹き出される。つまり、増加分の風量は、乗員に直接当たらないように吹き出される。
上記動作過程にあって、冷房運転初期時の圧縮機2の動力を従来例と比較するに、図10に示すように、第3実施形態の方が圧縮機2の動力の最大値が低く抑えられることになる。
以上、第3実施形態では、蒸発器5を通過した空気温度が規定値(第3実施形態では10℃)を下回った場合には、送風機11の風量を段階的に増加させる制御を行う。従って、吹き出し風が快適なものとなってから風量を増加させるため、乗員に温度の高い大量の空調風が当たるのを防止できる。
送風機11の風量を増加させた場合には、乗員に直接当たらない補助吹出口40からも送風を吹き出すようにした。従って、乗員に大量の空調風が直接当たるのを防止しつつ、車室内の迅速な冷房を図ることができる。又、ガラスに沿うように吹き出す補助吹出口40から増加分の空調風を吹き出すようにしたため、外部からの輻射熱の抑制にも寄与する。
又、この第3実施形態では、図9に示すように、増加風量に応じて補助吹出用ドア41の開度を可変するので、増加風量分の風量を補助吹出口40から吹き出し、ベント吹出口31からの吹き出し量をほぼ一定、具体的には、乗員に直接当たっても不快でなく冷房感を得やすい風量に抑えることができる。
冷房運転初期時は、段階的に増加させた送風機11の風量が、車両の環境負荷と室内設定温度に基づく算出風量FOに達するまでとした。従って、複雑な制御を追加することなく、冷房運転初期時の制御からそれ以降の通常の制御にスムーズに移行させることができる。
(その他)
各実施形態では、環境負荷は、外気温度、車室内温度及び日射量を要素としたが、環境負荷は室内温度を室内設定温度とする際に妨げとなる負荷であり、環境負荷を決定する要素はこれらに限定されるものではない。
本発明の第1実施形態を示し、車両用空気調和装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態を示し、目標吹き出し温度に応じた送風機の算出風量の特性線図である。 本発明の第1実施形態を示し、送風機の風量制御フローチャートである。 本発明の第2実施形態を示し、送風機の風量制御フローチャートである。 本発明の第3実施形態を示し、吹出口を中心として送風路の構成図である。 本発明の第3実施形態を示し、ベント吹出口と補助吹出口の吹き出し方向を示す概略図である。 本発明の第3実施形態を示し、送風機の風量制御フローチャートである。 (a)は第3実施形態と従来例における冷房運転初期時の吹き出し風量、吹き出し温度、車室内温度の推移を示す特性線図、(b)は冷房運転初期時の吹き出し風量の推移の詳細を示す特性線図である。 本発明の第3実施形態を示し、補助吹出用ドアの開閉制御の特性線図である。 第3実施形態と従来例における圧縮機の動力推移の特性線図である。
符号の説明
A 車両用空気調和装置
5 蒸発器
11 送風機
20 制御部

Claims (5)

  1. 送風機(11)と、前記送風機(11)で発生させた送風を冷媒との熱交換によって冷却する蒸発器(5)と、車両の環境負荷と室内設定温度に基づく前記送風機(11)の風量を算出して前記送風機(11)を自動制御する制御部(20)とを備え、前記制御部(20)で自動調整された前記送風機(11)による送風が前記蒸発器(5)を経て空調風として車室内に吹き出される車両用空気調和装置(A)であって、
    前記制御部(20)は、乗員が前席のみと判断した際における冷房運転初期時には、車両の環境負荷と室内設定温度に基づく算出風量がしきい値を超えている場合にのみ、車両の環境負荷及び室内設定温度に基づく算出風量より小さい風量で前記送風機(11)を制御したことを特徴とする車両用空気調和装置(A)。
  2. 請求項1記載の車両用空気調和装置(A)であって、
    前記蒸発器(5)を通過した空気温度が規定値を下回った場合には、前記送風機(11
    )の風量を段階的に増加させる制御を行うことを特徴とする車両用空気調和装置(A)。
  3. 請求項2記載の車両用空気調和装置(A)であって、
    前記送風機(11)の風量を増加させた場合には、乗員に直接当たらない吹出口からも送風を吹き出すようにしたことを特徴とする車両用空気調和装置(A)。
  4. 請求項2又は請求項3記載の車両用空気調和装置(A)であって、
    冷房運転初期時は、段階的に増加させた前記送風機(11)の風量が、車両の環境負荷と室内設定温度に基づく算出風量に達するまでとすることを特徴とする車両用空気調和装置(A)。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両用空気調和装置(A)であって、
    乗員が前席のみであるか否かの判断は、座席の熱検知手段の検知情報と後席ドアの開閉履歴情報の少なくとも1つより行うことを特徴とする車両用空気調和装置(A)。
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