〔第1実施形態〕
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<本実施形態のファクシミリ(FAX)処理システム>
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るファクシミリ(FAX)処理システムのシステム構成例及び各装置内の機能ブロックを示す図である。
まず、図1及び図2を用いて、ファクシミリ(FAX)処理システムのシステム構成の一例の説明をする。
本発明の第1の実施形態であるファクシミリ(FAX)処理システムは、複合機107が外部のFAX端末000と電話回線で接続されており、外部のFAX端末000とFAXの送受信が可能である。
また、複合機107は、ネットワーク140(例えばLAN)を介してファクシミリ(FAX)データ処理サーバ100と接続されている。複合機107は、受信したFAXデータを変換したイメージデータ、複合機107でスキャンしたイメージデータ、複合機107で印刷するための印刷データ、或いは、複合機107でFAX送信するためのFAXデータを、FAXデータ処理サーバ100と送受信可能である。
本発明では、複合機107とFAXデータ処理サーバ100とをネットワークを介して接続して処理を行うように構成したが、FAXデータ処理サーバ100の処理を複合機107で行うように構成してもよい。
<本実施形態のファクシミリ(FAX)処理システムの機能ブロック図構成例>
次に、図1及び図2を用いて、ファクシミリ(FAX)処理システムの各装置の機能ブロックの説明を行う。
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るFAX受信時のデータの流れについて説明する。
このファクシミリ(FAX)処理システムでは、代理店のFAX端末000からFAX送信されたFAXデータ106を、複合機107のFAX受信部108が電子データに変換する。そして、FAX受信部108は、送信元FAX番号を記述したテキストファイル(受信属性ファイル(図6))を生成する(生成方法については後述する)。さらに、FAX受信部108は、前記変換した電子データ(イメージデータ)と共に前記生成したテキストファイル(受信属性ファイル(図6))をFAX受信データ転送部109に出力する。
FAX受信データ転送部109では、前記電子データ(イメージデータ)と前記テキストファイル(受信属性ファイル)をLAN140を介してFAXデータ処理サーバ100に転送する。
FAXデータ処理サーバ100では、複合機107から転送された電子データ(イメージデータ)と前記テキストファイル(受信属性ファイル)をFAX受信データ格納部130で受信し、FAX受信データ保存フォルダ102に格納する。
次に、印刷データ生成部101は、FAX受信データ保存フォルダ102にFAX受信データが格納(記憶)されたことを監視する(OSからのイベント通知を使用して監視する)。そして、印刷データ生成部101は、FAX受信データが格納(記憶)されたことを検知した時点で、送信元FAX番号を、前記FAX受信データと共に格納された受信属性ファイル(図6)から読込み、代理店マスタ103(図7)に登録されているFAX番号か否かをチェックする。
FAX番号が代理店マスタ103に登録されていなかった場合には、印刷データ生成部101は、前記受信したFAX受信データを印刷するための印刷データを印刷データ送信部(プリンタドライバ)105を用いて生成して複合機107で印刷させる。即ち、通常のFAXとして処理する。
複合機107では、出力部131が、印刷データ送信部(プリンタドライバ)105から受信した印刷データをプリントエンジン39に対して出力して、印刷出力する。
一方、FAX番号が代理店マスタ103に登録されていた場合には、印刷データ生成部101は、代理店マスタ103から前記受信したFAX番号に該当する代理店名を取得し、表面にFAX受信データ(例えば、後述する図8の1303)を、裏面に送信元FAX番号、代理店名、及び不備通知書雛形104内の裏面テンプレート(例えば、後述する図8の1300)を印刷するための印刷データを、印刷データ送信部(プリンタドライバ)105を用いて生成して複合機107で印刷させる。
複合機107では、出力部131が、印刷データ送信部(プリンタドライバ)105から受信した印刷データをプリントエンジン39に対して出力して、印刷する。即ち、上述したFAX受信データを表面に、送信元FAX番号、代理店名、及び不備通知書雛形104を裏面に印刷した紙文書が出力される。
そして、このように両面印刷された紙文書を、人手によって処理する。詳細には、紙文書の内容に不備がない場合には、受領通知のために、担当者は、該紙文書の表面に印刷された送信状に押印を行し、送信元に返信することになる。一方、紙文書の内容に不備がある場合には、不備を通知するために、担当者は、該紙文書の裏面に印刷された不備通知書に不備情報を記述し、送信元に返信することになる。
以下、図2を用いて、本発明の実施形態に係るFAX送信時のデータの流れについて説明する。
このファクシミリ(FAX)処理システムでは、人手によって上述の表面に押印又は裏面に不備情報を記述した紙文書116(表面が図8の1303,裏面が図8の1304)が複合機107の原稿台にセットされ、両面読取り操作が行う。この操作に応じて、複合機107がスキャンエンジン37(図4)を介して原稿台にセットされた紙文書116の両面から読取部117でイメージデータを読み取る。そして、入力処理部118が、上記読取部117で読み取ったイメージデータをLANを介して、FAXデータ処理サーバ100へ送信する。
FAXデータ処理サーバ100では、イメージデータ格納部132が、複合機107から送信されたFAX送信データ(イメージデータ)を受信して送信予約フォルダ110に格納する。
また、FAXデータ処理サーバ100の文字認識(帳票認識)部111は、送信予約フォルダ110を定期的に監視し、FAX送信データ(イメージデータ)が格納(記憶)されたことを検知した時点で、該FAX送信データ(イメージデータ)に対してOCR処理を施す。そして、文字認識(帳票認識)部111は、ページ分割された出力イメージファイルと、ページごとのOCR結果ファイル(図11)をOCR出力フォルダ120に出力する。
結果判別部119は、定期的にOCR出力フォルダ120を監視し、OCR結果ファイルが出力されたことを検知した時点で、OCR結果ファイルを読み込み、裏面に相当するページのチェックボックスのチェックの有無を判定して送信対象ページを確定させる。詳細には、裏面に相当するページのチェックボックスにチェックが有る場合には、裏面に相当するページを送信対象ページに確定し、一方、裏面に相当するページのチェックボックスにチェックが無い場合には、表面に相当するページを送信対象ページに確定する。
さらに、結果判別部119は、代理店マスタ103にOCR処理にて読取ったFAX番号が登録されているか否か判定する。
そして、代理店マスタ103にOCR処理にて読取ったFAX番号が登録されている場合には、結果判別部119は、上記確定した送信対象ページを送信フォルダ114に移動させ、さらに、送信データファイル名及び送信先FAX番号を記述したテキストファイル(送信属性ファイル(図12))を送信フォルダ114に作成する。
一方、代理店マスタ103にFAX番号が登録されていない場合及び送信対象ページが確定できなかった場合には、結果判別部119は、エラーフォルダ113に送信データを移動する。
FAX送信データ取得部112は、送信フォルダ114を定期的に監視する。そして、送信フォルダ114に送信属性ファイルが格納(記憶)された事を検知した時点で、FAX送信データ取得部112は、送信属性ファイルに記述されている送信データを送信属性ファイルに記述されている送信先に送信するようにFAXデータ送信部(FAXドライバ)115を介して複合機107へ送信する。
複合機107のFAX送信部133では、FAXデータ送信部115から送信されたFAXデータを外部のFAX端末000にFAX送信する。
<本実施形態のファクシミリ(FAX)処理システムのハードウェア構成例>
図3は、図1及び図2に示したFAXデータ処理サーバ100のハードウェア構成を示す簡略化されたブロック図である。
図3に示すように、FAXデータ処理サーバ100は、CPU201と、RAM202と、ROM203と、LANアダプタ204と、ビデオアダプタ205と、キーボード206と、マウス207等のポインティングデバイスと、ハードディスク208と、記録媒体ドライブ209とを備え、これらがシステムバス200を介して互いに接続されている。
ハードディスク208には、オペレーティングシステム(OS)や各種アプリケーションの保存の他にFAX受信データ及びFAX送信データ、FAXデータを管理する管理情報、OCR処理に必要な情報が記憶されている。
なお、FAXデータ処理サーバ100のCPU201は、ハードディスク208に格納されたプログラムをRAM202にロードして実行することにより、図1,図2に示したFAXデータ処理サーバ100の各種機能部(FAX受信データ格納部130,印刷データ生成部101,印刷データ送信部105,イメージデータ格納部132,文字認識(帳票認識)部111,結果判別部119,FAX送信データ取得部112,データ送信部115等)を実現する。また、ハードディスク208は、図1,図2に示した各種データやフォルダ(FAX受信データ保存フォルダ102,代理店マスタ103,不備通知書雛形104,送信予約フォルダ110,OCR出力フォルダ120,エラーフォルダ113,送信フォルダ114等)を記憶する。
なお、本実施形態では、後述するフローチャート処理が実施されるように構成されているが、複合機107で処理できるように構成してもよい。
図4は、図1,図2に示した複合機107のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、複合機107は、FAXデータ処理サーバ100と同様に、システムバス30、CPU31と、RAM32と、ROM33と、LANアダプタ34と、ハードディスク38を有している。また、複合機107は、液晶パネル&I/F35、通信回線I/F36、スキャンエンジン37、プリントエンジン39を有している。
液晶パネル&I/F35は、タッチパネルを含み、表示機能及びデータ入力機能を有している。通信回線I/F36は電話回線とのインターフェイスを司る。
スキャンエンジン37は、原稿画像を光学的に読み取りデジタル画像データに変換して入力する。プリントエンジン39は、スキャンエンジン37から入力されたデータ及び受信したFAXデータ等を紙に印刷する。
複合機107のハードディスク38には、システムプログラム等の他に、FAXデータ処理サーバ100へFAXデータを転送する転送プログラムが記憶されている。また、ハードディスク38には、FAXデータを転送するための管理情報も記憶されている。
なお、複合機107のCPU31は、ROM33に格納されたプログラムを実行することにより、図1,図2に示した複合機107の各種機能部(FAX受信部108,FAX受信データ転送部109,出力部131,読取部117,入力処理部118,FAX送信部133等)を実現する。
<裏面印刷処理フロー>
図5は、本発明におけるFAX受信文書の裏面印刷処理の一例を示すフローチャートである。なお、本フローチャートを適用可能な業務において、FAX受信するデータの内容は、送信状(申込書番号の一覧が書かれている)と必要事項が記入された申込書が複数枚ある。この業務では、この受信した申込書に不備が無ければ、送信状に受領印を押して送信状を代理店に返信する。一方、申込書に不備があった場合には、新たに不備通知書を作成して不備項目を記入し、代理店に返信する。以下、フローチャートの各ステップを説明する。
なお、FAX受信部108がS501〜S503の処理を、FAX受信データ転送部109がS504の処理を、FAX受信データ格納部130がS505〜S506の処理を、印刷データ生成部101がS507〜S517の処理を、印刷データ送信部(プリンタドライバ)105がS518〜S519の処理を、出力部131がS520の処理を行う。
ステップS501において、複合機107のFAX受信部108でFAXデータを受信すると、ステップS502に処理を進める。
ステップS502では、FAX受信部108は、受信データを画像ファイル化し(受信画像ファイルを生成し)、ステップS503において、送信元情報及び受信画像ファイル名を記述した受信属性ファイル(図6)を生成する。ここで受信属性ファイル(図6)について説明する。
図6は、本実施形態の受信属性ファイルの一例を示す図である。
図6に示すように、受信属性ファイルは、複合機107のFAX受信部108で受信FAXを電子データに変換した際に生成されるものであり、前記受信FAXの送信元(受信先)のFAX番号と、変換された電子データ(イメージファイル)が格納されているファイル名(受信対象ファイル)を記述したテキストファイルである。なお、送信元のFAX番号は、ナンバーディスプレイ等の情報から取得してもよいし、FAXのヘッダ等に記載されたFAX番号を文字認識して取得してもよい。
以下、図5のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS504において、FAX受信データ転送部109は、複合機107内に予め登録されているFAXデータ処理サーバ100へ、上記ステップS502で生成した受信画像ファイルと受信属性ファイル(図6)を転送する。
FAXデータ処理サーバ100では、ステップS505において、FAX受信データ格納部130が複合機107から転送された受信画像ファイル及び受信属性ファイル(図6)を受信すると、ステップS506に処理を進める。
ステップS506では、FAX受信データ格納部130は、上記ステップS505で受信した受信画像ファイル及び受信属性ファイル(図6)をFAX受信データ保存フォルダ102に格納(記憶)する。
次に、ステップS507において、印刷データ生成部101は、上記受信画像ファイル及び受信属性ファイルがFAX受信データ保存フォルダ102に格納(記憶)されたことを検知した時点で、受信属性ファイル(図6)を読み込み、送信元のFAX番号を取得する。なお、印刷データ生成部101は、OSからのイベント通知を使用して、FAX受信データ保存フォルダ102に受信画像ファイル及び受信属性ファイルが格納されたことを検知する。
次に、ステップS508において、印刷データ生成部101は、上記ステップS507で取得したFAX番号と、代理店マスタ103(図7)に登録されているFAX番号を比較して、一致するか否かを判断する。ここで代理店マスタ103について説明する。
図7は、ハードディスク208に記憶される代理店マスタの一例を示す図である。
図7に示すように、代理店マスタ103は、代理店名、及び、FAX番号に対応する項目で構成されている。
以下、図5のフローチャートの説明に戻る。
そして、上記ステップS507において、取得したFAX番号と一致するFAX番号が代理店マスタ103に存在すると判断した場合には(S508でYes)、印刷データ生成部101は、ステップS509に処理を進める。
ステップS509では、印刷データ生成部101は、ステップS506でFAX受信データ保存フォルダ102に格納された受信画像データの全ページ分のデータを取得し、それぞれ表面画像データとして、RAM202又はハードディスクに保持しておく。
次に、ステップS510において、印刷データ生成部101は、予めハードディスク208内の不備通知書雛形104に記憶されている裏面テンプレートの画像データ1300(図8)を取得し、裏面画像データとして、RAM202に保持しておく。
さらに、ステップS511において、印刷データ生成部101は、上記ステップS507で取得したFAX番号に該当する代理店名を代理店マスタ103(図7)から取得し、ステップS512において、裏面画像データを生成して、RAM202又はハードディスクに保持しておく。
具体的には、図8に示す裏面テンプレート1300の1301に代理店名(S511で取得)を、1302にFAX番号(S507で取得)をオーバレイ(合成)することにより、送信用裏面画像データを生成する。以下、図8、図9を参照して、生成される印刷データについて説明する。
図8は、印刷データ生成部101で印刷データを生成する際に用いられる裏面テンプレート(フォームともいう)データ及び、読取部117で読み取る紙文書の模式図の一例を示す図である。
図8において、1303は印刷される紙文書の表面を示し、FAX受信部108で受信したFAXデータそのものが印刷される。なお、この例では、FAXの送信状がFAX受信され、既に日時やFAX番号が入力されたものとなっている。
1300は、1303の裏面に印刷するための裏面テンプレートである。この裏面テンプレート1300は、例えば、代理店名を印刷する欄1301と、FAX番号を印刷する欄1302と、チェックを入れる欄1304と、不備通知を記入する欄1305を規定したテンプレートである。
なお、1301に代理店名がオーバレイ印刷され、1302にFAX番号がオーバレイ印刷され、出力部131で紙出力されたのち、業務を遂行するオペレータによって必要事項が入力された裏面の例が1306である。
なお、受信したFAXに不備があった場合には、1306に示すように、1304にチェックを記入し、1305の例えば契約書番号や不備内容や備考にオペレータが記入することとなる。
図9は、FAX受信部108が受信しFAX受信データ格納部130に格納されたFAX受信データから印刷データ生成部101が生成した印刷データ(紙出力データ)の一例を示す模式図である。
図9に示すように、受信したFAX受信データ(1701,1702,1703)から、FAX受信データが紙文書として出力したときに表面になるように奇数ページ(1711,1713,1715)に配置し、FAX受信データの裏面に不備通知書が印刷されるようにするために、図8の裏面テンプレート1300を用いて合成されたデータを偶数ページ(1712,1714,1716)に配置したデータを生成する。
図9に示す例では、FAX受信データの1ページ目(送信状)1701、FAX受信データの2ページ目(申込書)1702、FAX受信データの3ページ目(申込書)1703を取得し、紙出力データの1ページ目の表面データ1711、紙出力データの2ページ目の表面データ1713、紙出力データの3ページ目の表面データ1715とし、不備通知書を各紙出力データの裏面(1712,1714,1716)とするように印刷データを生成する。
以下、図5の説明に戻る。
なお、上記S507で取得したFAX番号(図7のFAX番号)の他に返信先FAX番号が代理店マスタ103に登録されていた場合、この代理店マスタ103の返信先FAX番号を取得して、裏面画像データを生成するようにする。これにより、送信されたFAX端末000と返信するFAX端末が異なる場合、誤送信が防ぐことが可能となる。
次に、ステップS513において、印刷データ生成部101は、予め出力用に作成されFAXデータ処理サーバ100のハードディスク208内に格納されているプリンタの印刷方法の設定を「両面印刷」に変更する。具体的には、Windows(登録商標)の場合、プリンタの各種設定を保持するDEVMODE構造体の設定を変更する。
次に、ステップS514において、印刷データ生成部101は、上記S509で取得した表面画像データと上記S510で取得した裏面画像データを出力する。具体的には表と裏の画像データをOS経由で印刷データ送信部(プリンタドライバ)105に対して出力することを意味する。そして、上記ステップS514の処理を終了すると、ステップS518に処理を進める。
一方、上記ステップS508において、S507で取得した送信元FAX番号と代理店マスタ(図7)103内のFAX番号とが一致しなかったと判断した場合には(S508No)、印刷データ生成部101は、ステップS515に処理を進める。
ステップS515では、印刷データ生成部101は、ステップS506でFAX受信データ保存フォルダ102に格納された受信画像データの全ページ分のデータを取得し、それぞれ表面画像データとして、印刷データを生成する。
次に、ステップS516において、印刷データ生成部101は、予め出力用に作成されFAXデータ処理サーバ100のハードディスク208内に格納されているプリンタの印刷方法の設定を「片面印刷」に変更する。具体的には、Windows(登録商標)の場合、プリンタの各種設定を保持するDEVMODE構造体の設定を変更する。
次に、ステップS517において、印刷データ生成部101は、上記S509で取得した表面画像データを出力する。具体的には表面画像データをOS経由で印刷データ送信部(プリンタドライバ)105に対して出力することを意味する。そして、ステップS514の処理を終了すると、ステップS518に処理を進める。
ステップS518では、印刷データ送信部(プリンタドライバ)105は、S514(又はS517)で出力された画像データとS513(又はS516)で設定された印刷設定とに基づいて、両面設定(又は片面設定)のPDLデータを生成する。
そして、ステップS519において、印刷データ送信部(プリンタドライバ)105は、S518で生成されたPDLデータを複合機107に出力する。
複合機107では、ステップS520において、出力部131が、印刷データ送信部(プリンタドライバ)105から出力されたPDLデータを受信し、紙文書としてプリントエンジン39により印刷出力する。
なお、上記S518〜S520の処理は、アプリケーションが行うのではなく、プリンタドライバ及びOS、複合機が処理を行う。
このようにして出力された紙文書は、その後、人手によりFAX受信した申込書の入力を行った後、出力された紙文書から送信状だけを取り出す。図9に示す例では、表面が1711で裏面が1712に対応する紙文書を取り出す。なお、この送信状には、図8に示す例では、表面1303,裏面1306のようなデータが印刷されている。
そして、申込書に不備が無かった場合は、表面1303FAX受信面の送信状(図8)に受領印の押印やコメントを記入し、裏面1306のチェックボックス1304(図8)にはチェックを入れないでおく。
一方、不備があった場合は、裏面1306のチェックボックス1304(図8)にチェックを入れ、裏面1306の不備通知書記載箇所1305(図8)に不備内容及びコメント等を記入する。
その後、不備がなかった場合でも不備があった場合でも、この紙文書を複合機107の原稿台にセットし、後述する図10に示すFAX送信処理にかける。
<FAX送信処理フロー>
図10は、受領印押下及び不備通知書記入後のFAX送信処理の一例を示すフローチャートである。以下フローチャートの各ステップを説明する。なお、読取部117がS601〜S602の処理を、入力処理部118がS603の処理を、イメージデータ格納部132がS604〜S605の処理を、文字認識(帳票認識)部111がS606〜S608,S616の処理を、結果判別部119がS609の処理を、FAX送信データ取得部112がS610〜S612の処理を、FAXデータ送信部(FAXドライバ)115がS613〜S614の処理を、FAX送信部133がS615の処理を行う。
FAX送信処理の開始指示が液晶パネル&I/F35から入力されると、まず、ステップS601において、複合機107の読取部117は、原稿台にセットされた紙文書116(例えば、図8の表面1303,裏面1306)を両面スキャンし、ステップS602において、スキャンデータを画像ファイル化する。紙文書が複数枚セットされている場合には、全ての紙文書を両面スキャンする。
次に、ステップS603において、入力処理部118は、S602でスキャンされた表面の画像データ(第1のイメージデータ)と裏面の画像データ(第2のイメージデータ)の画像ファイルを、複合機107内のハードディスク38に予め登録されているFAXデータ処理サーバ100へ転送する。
FAXデータ処理サーバ100では、ステップS604において、イメージデータ格納部132が、複合機107から転送された受信画像ファイルを受信し、ステップS605において、S604で受信した送信画像ファイルを送信予約フォルダ110に格納(記憶)する。
文字認識(帳票認識)部111は、ステップS606以降の処理において定期的に送信予約フォルダ110をチェックし、送信予約フォルダ110に送信対象の画像ファイルが存在するか確認する。そして、送信対象の画像ファイルが存在しないと判断した場合には(S606でNo)、文字認識(帳票認識)部111は、ステップS616へ処理を進める。
一方、送信予約フォルダ110に送信対象の画像ファイルが存在すると判断した場合には(S606でYes)、文字認識(帳票認識)部111は、ステップS607に処理を進める。
ステップS607では、文字認識(帳票認識)部111は、送信予約フォルダ110から送信対象の画像ファイル(画像データ)を取得する(イメージデータ取得)。
次に、ステップS608において、文字認識(帳票認識)部111は、S607で取得した画像ファイル(画像データ)の表面の画像データ(第1のイメージデータ)と裏面の画像データ(第2のイメージデータ)それぞれに対して、帳票認識(特定)を行う。具体的には、S607で取得したマルチページTIFFファイルを1ページずつのシングルページTIFFファイルに分割する。さらに、分割した各ページをOCR処理し、予めハードディスク208に登録されている帳票のレイアウトイメージ(タイトルや枠や表などの座標情報等)と似ているか判断する(帳票認識)。なお、帳票を認識(特定)する方法として、不備通知書側に帳票を特定するための識別番号が記入されており、それをOCR処理にて取得し、OCR結果から帳票を特定する方法でも可能である。
なお、文字認識(帳票認識)部111は、S607の帳票認識で、対象帳票だった場合は、予め指定した領域をOCR処理し、OCR結果ファイル(図11)とOCR処理したページの画像ファイルをOCR出力フォルダ120に出力する。
ここで、OCR結果ファイル(図11)の内容について以下に説明する。
図11は、ハードディスク208或いはRAM202に記憶されるOCR結果ファイルの一例を示す模式図である。
図11に示すように、1401には認識したOCRパターン(特定された帳票名)が出力される。1402には入力イメージファイル名(スキャンされた画像ファイル)が出力される。1403には入力イメージファイルのページ番号が出力される。1404には出力イメージファイル名(1ページごとに分割されたイメージ)が出力される。裏面(不備通知)に対応する画像データがOCRされた場合には、1405にはFAX番号のOCR結果が出力される。裏面(不備通知)に対応する画像データがOCRされた場合には、1406にはチェックボックスのOCR結果(チェック有:1、チェック無:0)が出力される。なお、OCR処理した結果得られなかった項目については空の値或いはエラーと記憶される。
OCR結果ファイル(図11)が出力された後、OCRアプリケーションによって1402に記述されている入力イメージファイルを削除する。
なお、OCR結果ファイル(図11)は1ページごとに出力される。つまり、2枚の紙文書をスキャンさせると両面のイメージデータ(第1のイメージデータ、第2のイメージデータ)に対してOCRを行うため、4ページ分のOCR結果ファイルが生成される。このOCR結果ファイルは、1ページが終了する毎にOCR出力フォルダ120に出力される。
以下、図10のフローチャートの説明に戻る。
その後、結果判別部119がOCR出力フォルダ120を定期的に監視し、OCR結果ファイルが出力されたことを検知した時点で、結果判別部119は、ステップS609において、送信対象ページ確定処理(図13)を行う。なお、この処理は、文字認識(帳票認識)部111による帳票認識処理(S608)が完了したかどうか考慮せず、定期的に実行される。
この送信対象ページ確定処理(図13)により、送信対象が確定され、該確定した送信対象ページのイメージファイルが送信フォルダ114に格納され、されに、図12に示す送信属性ファイルが生成され送信フォルダ114に格納される。
図12は、ハードディスク208或いはRAM202に記憶される送信属性ファイルの一例を示す図であり、送信対象ページ確定した場合に生成されるファイルである。
図12に示すように、送信属性ファイルは、FAX番号1101、送信対象ファイル1102、送信対象プリンタ1103等の情報を含む。
なお、送信対象ページ確定処理(図13)で、システムエラーが発生した場合は、入力/出力イメージファイル(1402,0404)及びOCR結果ファイル(図11)をエラーフォルダ113に移動する。
次に、ステップS610において、FAX送信データ取得部112は、送信フォルダ114に上記S609の送信対象ページ確定処理で作成された送信属性ファイル(図12)が存在するか否か判定し、存在しない場合は(S610でNo)、S616へ処理を進める。
一方、上記ステップS610において、送信フォルダ114に送信属性ファイル(図12)が存在すると判断した場合には(S610でYes)、FAX送信データ取得部112は、S611に処理を進める。
ステップS611では、FAX送信データ取得部112は、送信属性ファイル(図12)に記述されている送信対象の画像ファイル(送信対象ファイル1102)の画像(出力イメージファイル)を送信フォルダ114から取得する。
その後、ステップS612において、FAX送信データ取得部112は、送信属性ファイル(図12)に記述されている送信対象プリンタ1103(FAXデータ送信部(FAXドライバ)115)の送信先を送信属性ファイル(図12)に記述されている送信対象FAX番号1101を指定し(具体的にはFAXドライバの各種送信先設定を保持するDEVMODEと中間ファイルの設定を変更し)、送信画像データ(上記S611で取得した出力イメージファイル)を出力する。具体的には送信画像データをOS経由でFAXドライバに対して出力することを意味する。
その後、ステップS613において、送信対象プリンタ1103に対応するFAXデータ送信部(FAXドライバ)がFAXPDLを生成し、ステップS614において、複合機107に出力し、ステップS616に処理を進める。
複合機107のFAX送信部133では、ステップS615において、FAXデータ送信部115から送信されたFAXデータを外部のFAX端末000にFAX送信する。
なお、S613〜S615の処理はアプリケーションが行うのではなく、FAXドライバ及びOS、複合機が処理を行う。
また、FAXデータ処理サーバ100では、CPU31は、ステップS616において、プログラムの終了命令があったか否か判断し、プログラムの終了命令がなかったと判断した場合には(S616でNo)、ステップS606に処理を戻す。
一方、FAXデータ処理サーバ100では、CPU31は、ステップS616において、プログラムの終了命令があったと判断した場合には(S616でYes)、本フローチャートのプログラムを終了する。
なお、本実施形態では、全ての受信文書の裏面にFAX番号、代理店名、不備通知書等を印刷するように構成しているが、送信時に使用するのは送信状のみである。送信状は、代理店ごとに異なるが、申込書は種類が決まっている。
そこで、申込書をOCRアプリケーションに登録しておき、FAX受信時にOCR処理を行い、申込書を特定し、申込書以外の裏面にのみ、FAX番号、代理店名、不備通知書等を印字するようにしても良い。これにより、印刷コストが低減される。
<送信対象確定処理フロー>
図13は、図10のステップS609に示した送信対象ページ確定処理の一例を示すフローチャートであり、結果判別部119により実行される。
所定の監視タイミング(一定時間毎に発生する)になると、結果判別部119は、本フローチャートの処理を開始する。
まず、ステップS701において、結果判別部119は、OCR出力フォルダ120に格納(記憶)されているOCR結果ファイル(図11)(認識結果)全てについて内容を取得し(一定間隔でOCR出力フォルダ120を監視してOCR結果ファイルを取得し)、ステップS702において、OCR結果ファイルリスト(図14)を作成する。ここで、図14を用いて、OCR結果ファイルリストについて説明する。
図14は、ハードディスク208或いはRAM202に記憶されるOCR結果ファイルリストの一例を示す図であり、紙文書を両面読取した場合の各ページをOCR処理した結果がリストで記憶される。図14の例は、2枚の紙文書を両面読み取った場合で、4ページ分の結果が得られている。
図14において、901は入力イメージファイル名であり、読み取ることによって生成されるイメージ画像のファイル名が記憶され、一度に複数枚の紙文書を読み取ると、同じイメージファイル名が付与される。
902は入力イメージファイルページ番号であり、読み取った順番に付与されるページ番号である。903は、OCRパターン名で、帳票認識やOCR時に使用したOCRパターンファイルの名称を記憶している。なお、該当するOCRパターンがなかった場合はOCRパターンエラーと記憶される。これにより帳票認識の成否の判断を行う。
904は、OCRして得られたFAX番号が記憶される。本実施形態の場合、図8の1302に印刷されたFAX番号である。このため、表面(1303の面)から読み取られたイメージデータの場合、FAX番号が取得できないため、図14の2行目,4行目のように、空となっている。
905はチェックボックスのチェックの有無を示し、COR処理した結果、図8の1300にチェックがあるか否かを記憶する。チェックがあった場合には「1」のフラグを、チェックがなかった場合には「0」のフラグを記憶する。なお、表面(1303の面)から読み取られたイメージデータの場合、図14の2行目,4行目のように、空となっている。
906は出力イメージファイル名であり、紙文書を読み取り、OCR処理した場合の各ページごとに生成される出力イメージファイルの名称である。通常OCR処理は1ページごとに処理され、OCR結果が得られるため、複数ページ分の紙文書を読み取った場合も1ページごとにイメージファイルとそのページのOCR結果のファイルが出力される。
907はOCR結果ファイル名で、各ページ毎にOCR処理がされた際の結果が記憶されているファイルの名称で、出力イメージファイルとともに生成、出力される。なお、OCRパターン名903やFAX番号904やチェックボックス905の結果などは、OCR結果ファイル名907に対応するOCR結果ファイル(図11)内に記憶されている。
つまり、図14のOCR結果ファイルリストは各ページごとに生成、出力されたOCR結果ファイルから生成されたOCR結果の一覧情報である。
具体的には、OCR結果ファイル(図11)のOCRパターン名1401をOCR結果ファイルリスト(図14)のOCRパターン名903に、入力イメージファイル名1402を入力イメージファイル名901に、入力イメージファイルページ番号1403を入力イメージファイルページ番号902に、出力イメージファイル名1404を出力イメージファイル名906に、FAX番号1405をFAX番号904に、チェックボックス1406をチェックボックス905に1ページにつき1レコード格納する。
また、その時読み込んだOCR結果ファイル名1407をOCR結果ファイル名907に格納する。
なお、OCR結果ファイルリストの別の例を図15に示す。
以下、図13のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS703において、結果判別部119は、先頭から順に所定ページ数分ずつ(本実施形態では、2ページ分ずつ)情報を取得し、グルーピンリスト(図16)を作成する。ここで、グルーピンリストについて説明する。
図16は、ハードディスク208或いはRAM202に記憶されるグルーピングリストの一例を示す図である。
グルーピングリストは、図14のOCR結果ファイルリストと、図17の送信対象確定パターンファイルに従って生成されるリストである。
図16において、1500は、図14のOCR結果ファイルリストを2ページ分ずつグループ化した際の結果を示す。また、1506は、図15のOCR結果ファイルリストを2ページ分ずつグループ化した際の結果を示したものである。
具体的には、OCR結果ファイルリスト(図14)の入力イメージファイル名901と入力イメージファイルページ番号902の情報から同一ファイル名で、1から順にページ番号の若い順にリストを取得し、1ページと2ページ、3ページと4ページというようにページの表裏を一組としてグルーピングリストを作成する。そして、後述する図17の1002に示すように、それぞれのページのOCRパターンによってヘッダ帳票だった場合は「1」、OCRエラーだった場合は「0」、後述する図17の1003に示すように、チェックボックスにチェックがある場合は「1」、チェックが無い場合は「0」とする。
また、OCR結果ファイルが、ヘッダ帳票だった場合は、そのときのFAX番号904をグルーピングリスト(図16)の1501に格納(記憶)する。さらに、表面及び裏面のOCR結果ファイル名も1503及び1504に格納(記憶)する。
なお、1506では、図15のOCR結果ファイルリストに示したように、3ページ分しかOCR結果が取得できなかったため、4ページ目のOCR結果ファイルに対応する値は空欄として処理されている(図16の1508の2行目に示す「2ページ目のOCRパターン」、「2ページ目のOCR結果ファイル名」)。
以下、図13のフローチャートの説明に戻る。
その後、ステップS705において、結果判別部119は、ハードディスク208から送信対象確定パターンファイル1001(図17)を取得する。
図17は、ハードディスク208或いはRAM202に記憶される送信対象確定パターンファイルの一例を示す図であり、図14のOCR結果ファイルリストから2ページ分ずつグルーピングした場合の結果と比較する際に用いられるファイル群である。
以下、図13のフローチャートの説明に戻る。
次に、結果判別部119は、上記S704で作成したグルーピングリストの全リスト(全ての行)に対して、ステップS706、S707の処理を行う。
ステップS706では、結果判別部119は、グルーピングリストの全リスト(全ての行)と、上記S705で取得した送信対象確定パターンファイル1001との比較を行う。詳細には、図16のグループリスト1500内の各リストの1ページ目のOCRパターン、2ページ目のOCRパターン、及びチェックボックの値のパターンと、図17の送信対象確定パターンファイル1001の1ページ目のOCRパターン、2ページ目のOCRパターン、及びチェックボックスの値のパターンとをそれぞれ比較する。
そして、結果判別部119は、ステップS707において、グルーピングリストの全リスト(全ての行)に対して、それぞれ上記パターンが一致した送信対象1000を比較結果として取得する。送信対象1000としては、「1ページ目」、「2ページ目」、又は「OCRエラー」が取得される。なお、結果判別部119は、送信対象1000として「1ページ目」又は「2ページ目」が取得されたリストについては、該取得した送信対象1000を該リストの送信対象1502(図16)に記憶する。
グルーピングリストが図16の1500に示す[正常]の場合を用いて説明すると、グルーピングリストの1行目のパターンは「1,0,1」で、送信対象確定パターンファイル1001の1004とパターンが合致するので、「1ページ目」が送信対象として確定され、送信対象1502に記憶される。
また、図16の1500の2行目のパターンは「1,0,0」で、送信対象確定パターンファイル1001の1005とパターンが合致するので、「2ページ目」が送信対象として確定され、送信対象1502に記憶される。
一方、ヘッダが印刷されていない帳票(表がFAX受信面で裏が白紙など)を誤ってスキャンした場合は、パターンは「0,0,−」となり、送信対象確定パターンファイル1001の1006に示されるように「OCRエラー」となり、整合性の取れていないと判断され、送信対象1502は空欄のままとなる。
また、送信対象確定パターンファイル1001の1007に示すパターンは、両面ともヘッダ帳票の場合なので通常あり得ないパターン「1,1,−」であり、「OCRエラー」となり、整合性の取れていないと判断され、送信対象1502は空欄のままとなる。
また、図16の1506に示す[エラー]の2行目のパターンは「1,−,1」で、送信対象確定パターンファイル1001とパターンが合致しないため、整合性の取れていないと判断され、「エラー」として確定され、送信対象1502は空欄のままとなる。
次に、ステップS708において、結果判別部119は、グルーピングリストからいずれか1つのリストを取得し(以下、「現在のリスト」という)、現在のリストについて上記S707で送信対象ページが確定したか、エラーとなった(整合性の取れていない)か判断する(成否の判断)。なお、現在のリストの送信対象1502(図16)に「1ページ目」又は「2ページ目」が記憶されている場合には、結果判別部119は、エラーでない(送信対処を特定した)と判断し、ステップS712に処理を進める。
一方、上記S708において、現在のリストの送信対象1502(図16)に送信対象が記憶されていない場合には、結果判別部119は、エラーであると判断し、ステップS709に処理を進める。
ステップS709では、結果判別部119は、現在のリストが初回エラーかどうか判断する。
なお、初回エラーかどうかを判断する理由は、結果判別部119は送信対象ページ確定処理(図13)が、文字認識(帳票認識)部111による帳票認識処理(S608)が完了したかどうか考慮せず、定期的に実行されるため、タイミングによっては、まだ文書認識(帳票認識)部111による帳票認識処理(図10のS608)が完了しておらず、全てのOCR結果が取得できない場合があるからである。即ち、文書認識(帳票認識)部111は帳票認識処理(図10のS608)により順次OCR結果ファイルを出力し、結果判別部119は送信対象ページ確定処理(図13)により定期的にOCR出力フォルダ120を見に行くため、同期が取れていない。
例えば、1回目の監視タイミングで、図18で示したように、1605〜1607の3ページ分しかOCR結果ファイルが出力されていなかった場合、図15のようなOCR結果リストが作成され、図16の[エラー]の状態のグルーピングリスト1506が作成され、グルーピングリスト1506の1行目は、送信対象ページが確定され、正常にFAX送信されることとなる。そして、正常にFAX送信されたグルーピングリスト1506(図16の[エラー])の1行目に記述されている1ページ及び2ページ目(表裏面)のOCR結果ファイル(図18の1605,1606)は、OCR出力フォルダ120から削除される。
一方、グルーピングリスト1506(図16の[エラー])の2行目については2ページ目(裏面)のデータが出力されていないため、パターンファイル(図17)と比較され、「エラー」と判定される。つまり、送信対象のページは確定されず、図13のS708でエラーと判断される。
しかし、この場合、OCR結果ファイルを取得したタイミングでは、未だ、文書認識(帳票認識)部111による帳票認識処理(図10のS608)が完了していなかっただけであり、スキャンされた紙文書が不整合な訳ではない。よって、初回のエラーに関しては致命的なエラーとして扱わず、結果判別部119の次回の監視タイミングで、再度、OCR結果ファイルを取得を試みて処理するようにする。
このような処理を実現するため、FAXデータ処理サーバ100は、メモリ(RAM202)内に1度エラーとなったリストを記憶するエラーファイルリストを保持している。
グルーピングリスト1506(図16の[エラー])の2行目については、初回エラーとしてエラーファイルリストに該当するOCR結果ファイル名1505が追加される。このとき、OCR結果ファイル1607は、OCR出力フォルダ120に残ったままになる。
例えば、エラーとなって1607を破棄してしまうと、次回の監視タイミングで1608のOCR結果ファイルが取得された場合に、1608のOCR結果ファイルだけ取得されるため、1608もエラーとなってFAX送信ができないといったことが発生してしまう。
従って、S708でエラーと判定された場合は、エラーファイルリストにエラーファイル名を記憶しておき、次回の監視タイミングで取得したOCR結果ファイルを確認した上で送信を確定させる。これによって、確実にFAX送信を行うことが可能となる。
なお、1回目の監視タイミングで1605〜1607が取得できた場合は、OCR出力フォルダ120に、1607のOCR結果ファイルとイメージデータを保留(格納)状態として保持しておき、次回のタイミングで1607と1608のOCR結果ファイルを取得できるように構成する。
次の監視タイミングで、残りのページ分1602の1回目で未処理だったOCR結果ファイルも出力されていた場合は、1603のように正しくグルーピングされ、送信対象ページが特定されてFAX送信される。
もし、次の監視タイミングでも、1604のように正しくグルーピングされなかった場合は、致命的なエラーと判断されて、OCR結果ファイル名1505に対応するOCR結果ファイルとその中に記述されている出力イメージファイル名1404に対応する出力イメージファイルがエラーフォルダ113に移動される。
上述した図13のステップS709では、結果判別部119は、上記S708でエラーと判断されたリストのOCR結果ファイル名がメモリ(RAM202)上のエラーファイルリストに記憶されているかどうかで初回エラーかどうか判断する。
上記S709において、現在のリストが初回エラーである、即ち、エラーファイルリストに現在のリストのOCR結果ファイル名(図16の1505)が記憶されていない判断した場合には、ステップS710において、結果判別部119は、現在のリストのOCR結果ファイル名(図16の1505)を、メモリ上のエラーファイルリストに追記し、ステップS717に処理を進める。
一方、上記S709において、現在のリストが初回エラーでない(2回目のエラー)、即ち、エラーファイルリストに現在のリストのOCR結果ファイル名(図16の1505)が記憶されている判断した場合には、結果判別部119は、ステップS711において、現在のリストのOCR結果ファイル名をエラーフォルダ113に記憶する。
なお、初回エラーの場合のエラーファイルリストは、OCR結果ファイル名のみをメモリ上の配列に格納(記憶)し、初回エラーとなったOCR結果ファイルの数によって要素数が変化する。
2回目以上のエラーだったリストのOCR結果ファイルは、そのファイルの出力イメージファイル(1404)と共に予め決められたエラーフォルダ113に移動される。そしてエラーファイルリストから、エラー処理したリストのOCR結果ファイル名が削除される。
つまり、初回エラーだった場合には、エラーファイルリストに記憶したOCR結果ファイル名に対応するOCR結果ファイルと、出力イメージファイルについては、OCR出力フォルダ120に格納されたままとなり、送信対象としても設定されないため、次回の監視タイミング時に送信対象とするかが判定される。
そして、上記S710又はS711の処理を終了すると、結果判別部119は、ステップS717に処理を進める。
また、上記S708でエラーでない場合、ステップS712では、結果判別部119は、現在のリストに対して、代理店マスタ103を参照し、現在のリスト(図16)のFAX番号1501と同じ番号が存在するか比較する。
そして、ステップS713において、現在のリストのFAX番号(図16の1501)と同じFAX番号が代理店マスタ103に存在しないと判断した場合には、エラーと判断し、ステップS716に処理を進める。
ステップS716では、結果判別部119は、現在のリストを、該グルーピングリストの1ページ目と2ページ目のOCR結果ファイル(図16の1503と1504)の内容(図11)から取得できる出力イメージファイル1404と共に予め決められたエラーフォルダ113に移動する。なお、S716の処理の際、ここで処理したファイル名が、エラーファイルリストに存在する場合は、該エラーファイルリストから処理したOCR結果ファイル名を削除する。そして、ステップS717に処理を進める。
一方、上記S713において、現在のリストのFAX番号(図16の1501)と同じFAX番号が代理店マスタ103に存在すると判断した場合には、結果判別部119は、エラーでないと判断し、ステップS714に処理を進める。
ステップS714では、結果判別部119は、現在のリスト(図16)から送信対象以外のOCR結果ファイルを特定し、その中に記述されている出力イメージファイル名1404に対応する出力イメージファイルをOCR出力フォルダ120から削除し、送信対象のOCR結果ファイルに記述されている出力イメージファイル名1404に対応する出力イメージファイルをOCR出力フォルダ120から送信フォルダ114に移動する。
次に、ステップS715において、送信対象ページが特定されたグルーピングリスト(図16)から送信属性ファイル(図12)を送信フォルダ114に作成し、更に、現在のグリスト(図16)に記述されているOCR結果ファイル(1ページ目と2ページ目共に)をOCR出力フォルダ120から削除する。
ここで、送信属性ファイル(図12)の作成について説明する。図16の1500を例にすると、1500−1の場合、図17の送信対象確定パターンファイル1001を参照すると、送信対象ページは1ページ目(グルーピング後のページ数)になるため、この1ページ目に対応するFAX番号1501が、送信属性ファイル(図12)にFAX番号1101に格納される。また、1ページ目に対応するイメージファイル(例えば、出力イメージファイル名906の「Scan200804231605-1.tif」)が格納されている先のファイルパスが送信属性ファイル(図12)に送信対象ファイル1102に格納される。
なお、S715の処理の際、ここで処理したファイル名が、エラーファイルリストに存在する場合は、該エラーファイルリストから処理したOCR結果ファイル名を削除する。なお、送信属性ファイル(図12)には、送信対象プリンタ(FAX)1103を記述する必要があるが、この情報は、OCR結果から取得するのではなく、予めハードディスク208に記憶される設定ファイル等で指定されている送信対象プリンタ(FAX)を記述する。
この送信対象プリンタ(FAX)は特に1台しか指定できないわけではなく、複数台指定して、送信空き状況をプログラムで確認しながら、空いている送信対象プリンタ(FAX)をその都度指定するようにしても良い。
ステップS715の処理が終了すると、結果判別部119は、ステップS717に処理を進める。
ステップS717では、結果判別部119は、グルーピングリスト(図16)の全リストについて、S708〜S715の処理が終わったか判定し、未だ全リストについてS708〜S715の処理が終わっていないと判断した場合には、ステップS708に処理を戻し、グルーピングリストから次のリストを取得する(現在のリストを次のリストに移す)。
一方、上記S717において、グルーピングリスト(図16)の全リストについてS708〜S715の処理が終わったと判定した場合には、結果判別部119は、グルーピングリスト(図16)、OCR結果ファイルリスト(図14)をリセットし、本フローチャートの処理を終了する。
このとき、1回目にエラーとなったOCR結果ファイルはOCR出力フォルダ120に残ったままになり、次回の監視タイミングで、送信対象ページ確定処理(図13)が実行された際に、グルーピング対象のOCR結果ファイルが出力されていれば、その時点で問題なくFAX送信される(図18の1603)。
一方、次回の監視タイミングで、送信対象ページ確定処理(図13)が実行された際にも、グルーピング対象のOCR結果ファイルが出力されていなければ、その時点でエラー処理される(図18の1604)。
以上示したように、本実施形態では、帳票デザインに関わらず、良好な状態のデータ(FAX回線を通っていないテンプレートから生成されたデータ)でOCR処理が可能になる。
また、予め送信先FAX番号が印刷された不備通知書も同時に作成可能になる。これにより、従来のように印刷した受信FAXを用いた返信業務を行っても、ファクシミリ(FAX)の誤送信を防止することができるとともに、不備通知書作成時のユーザの手間の軽減が可能になる。
なお、本願発明のファクシミリ処理システムとして、複合機107とFAXデータ処理サーバ100とで構成されるシステムを例に用いて説明したが、FAXデータ処理サーバ100での処理を複合機107側で全て処理するように構成することも可能である。
また、本実施形態では、受信したFAXデータを表面に印刷し、予め不備通知書雛形104に記憶されているテンプレート(イメージデータ)と前記受信したFAXデータに対応する送信元FAX番号を合成したイメージデータを裏面に印刷するように両面印刷を行う構成について説明した。
しかし、受信したFAXデータを用紙の左側にレイアウトして印刷し、予め不備通知書雛形104に記憶されているテンプレート(イメージデータ)と前記受信したFAXデータに対応する送信元FAX番号を合成したイメージデータを用紙の右側にレイアウトして印刷するように、2in1レイアウト印刷を行うように構成してもよい。
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
以下、図19に示すメモリマップを参照して本発明に係るファクシミリ処理システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータ読取り可能なプログラムの構成について説明する。
図19は、本発明に係るファクシミリ処理システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータ読取り可能なプログラムを記録した記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
本実施形態における図5,図10,図13に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。