本発明の一実施形態の結束テープガイド機構および大束結束機を図面を参照して以下に説明する。図1に示す大束結束機1は、図2に示すようにバラ紙幣を所定枚数単位(100枚単位)で集積し短手方向に結束テープtを巻き回すことで結束した同一金種の小束R1を、所定束数単位(10束単位)で集積した小束群R2に長手方向および短手方向に結束テープTを全自動で巻き回して大束R3とするものである。ここで、結束対象は、日本国紙幣の一万円札、五千円札、二千円札および千円札であり、全金種ともに短手方向の長さは同じで長手方向の長さのみが相違している。なお、以下の説明における長手方向は便宜上紙幣一枚の長手方向を示し、短手方向は紙幣一枚の短手方向を示す。
図1は、大束結束機1の外観を示す斜視図である。大束結束機1は、その機体が略直方体形状をなしており、上面11は、機体前面側(作業者側、以下同)の前上面部12が水平をなし、その後側(作業者とは反対側、以下同)の後上面部13が、前上面部12よりも一段高い位置で水平をなしている。そして、前上面部12の左右方向の中間やや左側(作業者から見て左側)に横長の矩形状の開口部14が形成されている。この開口部14の前後縁部側の前上面部12にはゴム製のクッション材15が貼付されており、開口部14の両側縁部側の前上面部12にもゴム製のクッション材16が貼付されている。ここで、開口部14の両側縁部側のクッション材16は開口部14側が低いテーパ状をなしている。
前上面部12の開口部14の右側(作業者から見て右側、以下同)には、後側に、合成樹脂製の平板状の載置台部(載置部)18が設置されている。この載置台部18は、結束前の小束群R2や結束後の大束R3を載置可能となっている。また、この載置台部18の前側には、操作者に向けて表示を行う表示部19と、操作者により操作が入力されるスタートボタン20およびリセットボタン21を含む操作部22とが設けられている。また、前上面部12の開口部14の左側(作業者から見て左側、以下同)の側方にも、結束後の大束R3を載置可能な載置面部(載置部)24が設けられている。機体の側面には警報を発生する警報装置23が設けられている。
機体の上面11を構成する蓋体27は、後端部が機体本体28に左右方向に沿う軸回りに回動可能に支持されており、その下面側には、開口部14を開閉可能な図3に示すシャッタ30が設けられている。このシャッタ30は、開口部14を閉塞可能な板状のシャッタ部材31と、このシャッタ部材31を水平前後方向に移動させる図4に示すシャッタ駆動機構32とを有している。シャッタ駆動機構32は、シャッタ部材31を開口部14を閉塞する閉位置と開口部14を開放する開位置との間で移動させるシャッタ駆動モータ33と、シャッタ部材31が閉位置にあることを検出するシャッタ閉位置センサ34と、シャッタ部材31が開位置にあることを検出するシャッタ開位置センサ35とを有している。なお、蓋体27には、これを閉状態で機体本体28に対してロックするインタロックスイッチ36が設けられている。
図5は、本実施形態の大束結束機1の蓋体27を外した状態を示す平面図である。大束結束機1は、図3に示す開口部14の周縁部と水平方向の位置を合わせて平面視矩形状の周囲壁部38が鉛直に立設されており、この周囲壁部38の内側に昇降可能なエレベータ39が周囲壁部38を閉塞するように水平に配置されている。これら開口部14、周囲壁部38およびエレベータ39によって、機体上面11に矩形状の開口部14を有して下方に凹むとともに底部が昇降可能なエレベータ39で構成された小束群受入凹部40が構成されている。
この小束群受入凹部40には、小束群R2が長手方向を左右方向(水平方向)に短手方向を上下方向に集積方向を前後方向(水平方向)にして、開口部14を介して挿入されることになる。小束群受入凹部40の左右方向の幅は、最も長手方向長さの長い小束R1よりも若干長くされており、小束群受入凹部40の前後方向の幅は、所定束数の小束群R2を挿入可能であって、しかも小束群R2の挿入および取り出しが容易となるように指を挿入可能なスペースを確保可能な幅とされている。そして、小束群受入凹部40には、小束群R2の後側に寄せての挿入を案内するように位置決め板41が左側から突出するように設けられている。
小束群受入凹部40の後側には、円筒状の芯部43の回りに帯状の結束テープTを巻き回して構成された結束テープロールTRが鉛直に軸線を配置した状態で装填されるロール装填部44が設けられている。このロール装填部44は、結束テープロールTRを載置させる鉛直軸回りに回転可能な載置円板45と、結束テープロールTRの芯部43の内側に配置されることで、結束テープロールTRを載置円板45上に保持する中央保持部46とを有している。このロール装填部44は、結束テープロールTRを鉛直に軸線を配置して保持することから、結束テープTはその幅方向を鉛直方向に沿わせることになる。
ロール装填部44は、その周囲が囲壁部47で囲まれている。ロール装填部44には、装填された結束テープロールTRが終わり近くなったことを検出するニアエンドセンサ48が設けられている。
小束群受入凹部40およびロール装填部44の同一側方である右側には、ロール装填部44に装填された結束テープロールTRから結束テープTを送り出すテープ供給部50が設けられている。ここで、ロール装填部44およびテープ供給部50が、下流側に結束テープTを供給する結束テープ供給機構51を構成している。
テープ供給部50は、ロール装填部44の右側に囲壁部47の一部を構成するように結束テープ引込機構53を有している。
この結束テープ引込機構53は、ロール装填部44に対向するように配置され、ロール装填部44の結束テープロールTRから引き出された結束テープTが幅方向を鉛直方向に沿わせた姿勢のまま挿入される鉛直軸回りに回転可能な一対の入口ローラ54と、一対の入口ローラ54の間に挿入された結束テープTをその姿勢のまま後方に向くように案内する一対のガイド板55と、これらガイド板55で案内される結束テープTを送り出す鉛直軸回りに回転可能な一対の送出ローラ56と、これら送出ローラ56を駆動する図4に示す送出駆動モータ57とを有している。さらに、結束テープ引込機構53は、一方の送出ローラ56に、その回転位置を検出する送出回転パルスセンサ58を有しており、他方の送出ローラ56に手動でこれを回転させるためのハンドル59を有している。送出回転パルスセンサ58は、図示は略すが周方向に等間隔でスリットが形成され送出ローラ56に固定されたスリット板のスリットを計数することで送出ローラ56の回転位置を検出するものである。さらに、結束テープ引込機構53は、結束テープTが挿入された状態にあること、および結束テープTがなくなったことを検出する上流側テープ検出センサ60を有している。
テープ供給部50は、結束テープ引込機構53から機体後方に、幅方向を鉛直方向に沿わせた姿勢のまま送り出された結束テープTをその姿勢のまま案内するとともに結束テープTの弛んだ状態での滞留を許容する滞留空間63を有している。
この滞留空間63は、囲壁部47のうちロール装填部44との間に配置された後から順に壁部47A,47B,47Cと、壁部47Aの後端からロール装填部44とは反対側つまり右方に延出する壁部64Aと、この壁部64Aの先端から前方に延出するように鉛直に立設された壁部64Bと、この壁部64Bの前側から左方に延出するように鉛直に立設された壁部64Cと、この壁部64Cの左端部から後方に延出するように鉛直に立設された壁部64Dと、壁部64Dの後端から右方に延出する後述する結束テープ繰出引戻機構67の壁面67Aおよび壁面67Aの右端から後方に延出する壁面67Bと、この壁面67Bと連続して後方に延出する結束テープ引込機構53の壁部53Aと、壁面53Aの後端から左方に延出して壁部47Cの前端に繋がる壁面53Bとで囲まれて形成されている。
ここで、滞留空間63の底面65は、載置円板45の上面と同高さで水平に延在する段差のない平坦面であり、結束テープ引込機構53から機体後方に送り出された結束テープTを幅方向を鉛直方向に沿わせた姿勢のままその下縁部を案内する。
テープ供給部50は、結束テープ引込機構53の前側に、結束テープ引込機構53から滞留空間63を介して送られる結束テープTを小束群受入凹部40側に繰り出す一方、繰り出した結束テープTを滞留空間63側に引き戻し可能な結束テープ繰出引戻機構67が設けられている。
この結束テープ繰出引戻機構67は、壁面67A,67B間の滞留空間63側の角部に鉛直軸回りに回転可能に設けられるガイドローラ68と、ガイドローラ68の小束群受入凹部40側にあって前方に開口し滞留空間63を通った結束テープTが幅方向を鉛直方向に沿わせた姿勢のまま挿入され、挿入された結束テープTをその姿勢のまま小束群受入凹部40側に案内する一対のガイド板69とを有している。
結束テープ繰出引戻機構67は、さらに、一対のガイド板69で案内された結束テープTを両側から挟む一対の繰出引戻ローラ70と、これら繰出引戻ローラ70を駆動するステッピングモータからなる図4に示す繰出引戻駆動モータ71とを有している。また、結束テープ繰出引戻機構67は、一方の繰出引戻ローラ70に、その回転位置を検出する繰出引戻回転パルスセンサ72を有しており、他方の繰出引戻ローラ70に手動でこれを回転させるためのハンドル73を有している。この繰出引戻回転パルスセンサ72も、周方向に等間隔でスリットが形成され繰出引戻ローラ70に固定されたスリット板のスリットを計数することで繰出引戻ローラ70の回転位置を検出するものである。さらに、結束テープ繰出引戻機構67は、一対の繰出引戻ローラ70間に結束テープTが挿入された状態にあることを検出する下流側テープ検出センサ74を有している。
以上により、テープ供給部50は、ロール装填部44側に、結束テープTを送り出す送出ローラ56を有する結束テープ引込機構53が設けられ、小束群受入凹部40側に、結束テープTを送り出したり引き戻したりする繰出引戻ローラ70を有する結束テープ繰出引戻機構67が設けられていて、さらに、これら結束テープ引込機構53および結束テープ繰出引戻機構67のロール装填部44および小束群受入凹部40とは反対に、結束テープTを弛んだ状態で滞留可能な滞留空間63を備えている。
この滞留空間63は、結束テープ引込機構53の壁面53Aおよび結束テープ繰出引戻機構67の壁面67Bと、壁部64Bとで画成されて前後方向に直線状をなす中間空間部75と、結束テープ引込機構53の壁面53Bおよび壁部47Cと、壁部64Bとで画成され、中間空間部75から結束テープ引込機構53の結束テープ繰出引戻機構67とは反対側に延出する一側空間部76と、壁部47B,47A,64A,64Bで画成され、一側空間部76の中間空間部75よりも反対側にさらに延出する先端空間部77と、結束テープ繰出引戻機構67の壁面67Aと壁部64B,64C,64Dとで画成され、中間空間部75から、結束テープ繰出引戻機構67の、結束テープ引込機構53とは反対側に延出する逆側空間部78とからなっている。
一側空間部76は、中間空間部75よりも幅広で中間空間部75よりもロール装填部44側に突出する形状をなしており、結束テープ引込機構53はこの一側空間部76に向けて結束テープTを送り出す。先端空間部77は、一側空間部76よりも幅広で一側空間部76よりもロール装填部44側にさらに突出する形状をなしている。逆側空間部78も、中間空間部75よりも幅広で、中間空間部75よりもロール装填部44側に突出する形状をなしており、この逆側空間部78から結束テープ繰出引戻機構67に結束テープTが送り込まれる。
そして、滞留空間63の一側空間部76の先端空間部77側の端部に、壁部47Cと壁部64Bとの間を横切る光路を有する光学式の弛み用テープ検知センサ79が設けられている。この弛み用テープ検知センサ79は、光路が遮断されることで結束テープTがあることを検出する。
ここで、テープ供給部50には、結束テープTの供給経路途中である結束テープ繰出引戻機構67で案内中(つまり巻回前)の結束テープTに印字および捺印で記載を行う印字捺印機構(記載機構)81が設けられている。
この印字捺印機構81は、図6に示す構造をなしている。印字捺印機構81は、結束テープTの送り方向と直交する鉛直方向に直線移動する移動部材82と、移動部材82の鉛直方向の移動を案内する図示略のスライド機構と、移動部材82を昇降させるステッピングモータからなる図4に示す印字捺印モータ83と、印字捺印モータ83の回転位置を検出する印字捺印回転パルスセンサ84と、移動部材82の下限の原点位置を検出する移動部材原点位置センサ85と、移動部材82に一体的に保持されたドット印字タイプの印字ヘッド86およびインクリボンカセット87と、捺印部88とを有している。印字捺印回転パルスセンサ84も、周方向に等間隔でスリットが形成され印字捺印モータ83の駆動軸に固定されたスリット板のスリットを計数することで印字捺印モータ83の回転位置を検出するものである。ここで、移動部材82の上側に印字ヘッド86が下側に捺印部88が設けられており、よって、これらは移動部材82の移動方向に隣り合っている。しかも、移動部材82の一の直線移動である上昇時に、上側の印字ヘッド86で印字を行い、その後に下側の捺印部88で捺印するようになっている。
印字ヘッド86は印字ヘッド駆動機構90によって結束テープTに近接および離間するようになっている。同様に、捺印部88は捺印部駆動機構92によって結束テープTに近接および離間するようになっており、捺印部駆動機構92は、捺印部88を前進および後退させるプッシュプル式の捺印ソレノイド93と、捺印部88が後退限界位置に位置することを検出する図4に示す捺印原点位置センサ94とを有している。
図5に示すように、小束群受入凹部40の周囲には、結束テープ供給機構51で供給された結束テープTを、小束群受入凹部40内でエレベータ39に載置された小束群R2に水平方向で巻回可能な結束テープ巻回機構98が設けられている。
この結束テープ巻回機構98は、結束テープ繰出引戻機構67から幅方向を鉛直方向に沿わせた姿勢で繰り出された長尺状の結束テープTを受け入れて、小束群受入凹部40を水平方向で囲むような規定の平面視四角形状の搬送経路を形成して案内する結束テープガイド機構100を有している。
この結束テープガイド機構100は、図7および図8に示す構造をなしている。結束テープガイド機構100は、四角形状の小束群受入凹部40よりも一回り大きく位相を合わせた四角枠状をなし小束群受入凹部40を水平方向で囲む位置固定の固定ガイド板101と、同様の四角枠状をなして小束群受入凹部40を水平方向で囲み、固定ガイド板101とで全体として高さ略一定で下方に向く図8(a)に示す支持凹部102を形成するレール状の上縁支持アーチ部(ガイド部)103と、同様の四角枠状をなし上縁支持アーチ部103と水平方向の同位置で小束群受入凹部40を水平方向で囲み、固定ガイド板101とで全体として高さ略一定で上方に向く図8(a)に示す支持凹部104を形成するレール状の下縁支持アーチ部(ガイド部)105とで構成されるテープガイド112と、一対の上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105をそれぞれの水平状態を維持したまま上下方向に同速度で相互に近接および離間させる図4に示すガイド開閉機構106とを有している。
なお、近接状態にあるテープガイド112には、図8(a)に示すように、下側の支持凹部104内に結束テープTの幅方向の一側の縁部である下縁部が挿入され、上側の支持凹部102内に結束テープTの幅方向の他側の縁部である上縁部が挿入されることになり、よって、テープガイド112は、これら支持凹部102,104で結束テープTの幅方向の両縁部をガイドする。言い換えれば、テープガイド112は、固定ガイド板101が小束群受入凹部40側のガイド面101aで小束群受入凹部40側とは反対側への結束テープTの移動を規制し、また、上縁支持アーチ部103が小束群受入凹部40側の係止縁部110のガイド面101a側の規制面110aで小束群受入凹部40側への結束テープTの移動を規制するとともに天井板部210の下向きの規制面210aで上方への結束テープTの移動を規制し、また、下縁支持アーチ部105が小束群受入凹部40側の係止縁部111のガイド面101a側の規制面111aで小束群受入凹部40側への結束テープTの移動を規制するとともに底板部211の上向きの規制面211aで下方への結束テープTの移動を規制する。
結束テープガイド機構100のテープガイド112は、上記のように四角枠状をなしており、よって、図7に示すように、全部で四カ所の、搬送方向が90度変わる湾曲形状の角部215が形成されている。そして、下縁支持アーチ部105における全角部215のそれぞれの直上流側位置(直前位置)に、下側矯正部材220が取り付けられている。この下側矯正部材220は、図9に示すように、板状の支持部221と、この支持部221の一端から直交方向に突出する板状の矯正部222とを有するL字屈曲形状をなしており、矯正部222の支持部221とは反対側の外縁部には、支持部221から突出量が徐々に変化するように傾斜する傾斜面222aが形成されている。そして、下側矯正部材220は、図8(c)に示すように、支持部221において係止縁部111のガイド面101aとは反対側に固定されることになり、この状態で支持部221が係止縁部111から上方に延出し、この支持部221の上端からガイド面101a側(角部215の湾曲の外側方向)に規制面111aよりも突出するように矯正部222を配置することになる。そして、矯正部222の外側つまりガイド面101a側の外縁部の傾斜面222aは、図10にも示すように、結束テープTの搬送方向下流側ほど外側に位置しガイド面101aとの距離を縮めるように傾斜する。
また、上縁支持アーチ部103にも、下側矯正部材220のそれぞれと位置を合わせて、図8(c)に示すように下側矯正部材220とは鏡面対称形状をなす上側矯正部材230が取り付けられている。つまり、上側矯正部材230も、上縁支持アーチ部103における全角部215のそれぞれの直上流側位置(直前位置)に取り付けられている。上側矯正部材230は、係止縁部110のガイド面101aとは反対側に固定されて係止縁部110から下方に延出する支持部231と、この支持部231の下端からガイド面101a側(角部215の湾曲の外側方向)に規制面110aよりも突出する矯正部232とを有する形状をなしている。そして、矯正部232の外側つまりガイド面101a側の外縁部にも、結束テープTの搬送方向下流側ほど外側に位置しガイド面101aとの距離を縮めるように傾斜する形状の傾斜面232aが形成されている。つまり、各角部215の直上流側位置には、結束テープTの搬送方向の位置を合わせて上下二カ所の矯正部222,232が設けられており、これら矯正部222,232は、テープガイド112で案内される結束テープTの幅方向の中間位置にこの幅方向に所定の間隔をあけて配置されている。
テープガイド112の各角部215の直上流側位置にそれぞれ設けられた上下二カ所の矯正部222,232は、上下の規制面110a,111aよりもガイド面101a側に突出していることから、テープガイド112の上下の支持凹部102,104で幅方向の両縁部がガイドされて搬送される結束テープTの幅方向の中間部をガイド面101aの方向(角部215の湾曲の外側方向)に向けて押すことになる。
ここで、結束テープTは、ガイド面101aとは反対側(角部215の湾曲の内側方向)の内面のみが、熱溶着性の接着層が形成された糊面とされていることから、温度、湿度等の影響による内面側および外面側の膨張率の差から幅方向に湾曲することがある。つまり、糊面側が幅方向において凹の湾曲状をなす正カールとなったり、糊面側が幅方向において凸の湾曲状をなす逆カールとなったりする。そして、結束テープTが、図8(a)に示すように、逆カールとなり、幅方向の両縁部が中間部に対してガイド面101a側に位置するように外側に凹状をなして湾曲している場合には、結束テープTの内側に突出する中間部を、上下の矯正部222,232が傾斜面222a,232aのガイド面101aから離間した上流側端部から受け入れ、徐々に外側に位置する傾斜面222a,232aで外側つまりガイド面101a側に押すことになり、結束テープTの幅方向全体を、直線状、あるいは両縁部が中間部に対してガイド面101aとは反対側に位置するように外側に凸状をなして湾曲する正カールの状態に矯正することになる。よって、結束テープTは、その後角部215に案内されて湾曲する際に突っ張ることがなくなる。
つまり、結束テープTは、逆カールの状態になっていると、角部215で曲がる方向とカール方向とが逆となり、角部215による曲げで、内部に突っ張りが生じ、特に先端部が、部分的な折れ曲がり等を生じて角部215に滞留してしまう可能性がある。これに対して、カールのない状態、およびカールがあっても正カールであって角部215で曲がる方向とカール方向が一致している場合には、結束テープTが、突っ張ることなく角部215に沿って円滑に曲がることになる。上下の矯正部222,232が、このような状態に結束テープTを矯正するのである。
ガイド開閉機構106は、上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105を等速度で近接および離間させるアーチ開閉モータ107と、上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105の互いに所定距離に近接した閉位置を検出するアーチ閉位置センサ108と、上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105の互いに所定距離に離間した開位置を検出するアーチ開位置センサ109とを有している。ここで、図8(a),(c)に示す閉位置にあるとき上縁支持アーチ部103による支持凹部102の規制面210aと下縁支持アーチ部105による支持凹部104の規制面211aとの距離が結束テープTの幅より若干広く、且つ上縁支持アーチ部103の小束群受入凹部40側の係止縁部110と下縁支持アーチ部105の小束群受入凹部40側の係止縁部111との間隔が結束テープTの幅よりも狭くなる。また、このとき、下縁支持アーチ部105の支持凹部104の規制面211aの高さは、滞留空間63の底面65の高さと等しくされている。これにより、テープガイド112が全長にわたって結束テープTをガイド可能となる。一方、図8(b),(d)に示す開位置にあるとき、上縁支持アーチ部103の係止縁部110と下縁支持アーチ部105の係止縁部111との間隔が結束テープTの幅より広くなり且つ上側矯正部材230と下側矯正部材220との隙間も結束テープTの幅より広くなって、その結果、テープガイド112は全長にわたって結束テープTに対し、支持を解除するとともに小束群受入凹部40側への移動を許容する状態となる。なお、図示は略すが、下縁支持アーチ部105が下方に向けて離間したとき、結束テープTが下縁支持アーチ部105とともに下方に移動しないように、結束テープTの下縁を部分的に支持する複数の支持部材が設けられている。
結束テープ巻回機構98は、結束テープガイド機構100で案内された結束テープTの先端側を押さえつつ先端側と重なる結束テープTの中間位置を切断して先端側に接着する結束機構114を有している。この結束機構114は、小束群受入凹部40のロール装填部44側であって、結束テープ繰出引戻機構67の一対のガイド板69の出口69aとテープガイド112の入口112aとの間に配置されるものである。
結束機構114は、小束群受入凹部40の周囲壁部38のロール装填部44側の一部を構成する昇降可能な押さえ板115と、押さえ板115のロール装填部44側に配置されるとともに、いずれも小束群受入凹部40に対して近接および離間する前後方向に水平移動可能なテープ先端押さえ部材116、カッタ117、ヒータ118およびテープロック119と、ヒータ118およびテープロック119の押さえ板115側に押さえ板115と平行に配置された昇降可能なガイド板120とを有している。テープ先端押さえ部材116、カッタ117、ヒータ118およびテープロック119は、結束テープ繰出引戻機構67側からこの順に並んでいる。押さえ板115の小束群受入凹部40側の内面は、周囲壁部38のロール装填部44側の内面と面一となっている。
また、結束機構114は、押さえ板115、テープ先端押さえ部材116、カッタ117、ヒータ118、テープロック119およびガイド板120を連動して駆動する図4に示す結束連動駆動機構122を有している。この結束連動駆動機構122は、カム駆動モータ123と、カム駆動モータ123の駆動軸に同軸で固定された、図示略の個別のカムとにより駆動を行うものである。結束連動駆動機構122は、すべてのカムが原点位置にあることを検出するカム原点位置センサ124と、カム駆動モータ123の回転を検出することにより各カムの回転位置を検出するカム回転パルスセンサ125と、押さえ板115が上昇側の原点位置にあることを検出する押さえ板原点位置センサ126と、ガイド板が上昇側の原点位置にあることを検出するガイド板原点位置センサ127と、カッタ117が後退側の原点位置にあることを検出するカッタ原点位置センサ128と、ヒータ118が後退側の原点位置にあることを検出するヒータ原点位置センサ129とを有している。ここで、カム回転パルスセンサ125も、周方向に等間隔でスリットが形成されカム駆動モータ123の駆動軸に固定されたスリット板のスリットを計数することですべてのカムの回転位置を検出するものである。
ここで、テープ先端押さえ部材116には、先端側の中間部に結束テープTを挿通可能な挿通穴131が形成されており、小束群受入凹部40から離間した状態で、この挿通穴131が、一対のガイド板69の出口69aとテープガイド112の入口112aとに対し前後方向の位置を合わせる。また、テープ先端押さえ部材116は小束群受入凹部40に近接した状態で押さえ板115とで結束テープTを挟持する先端押さえ部132を有している。
なお、テープ先端押さえ部材116が後退した原点位置にあるとき、これと押さえ板115との隙間が、テープガイド112の出口112bに対し前後方向の位置を合わせる。また、カッタ117、ヒータ118およびテープロック119が、小束群受入凹部40から離間した原点位置にあるとき、カッタ117、ヒータ118およびテープロック119と上昇位置にあるガイド板120との間に隙間が形成され、この隙間が、結束テープ繰出引戻機構67の一対のガイド板69の出口69aとテープガイド112の入口112aとに対し前後方向の位置を合わせる。さらに、上昇位置にある押さえ板115とガイド板120との隙間は、テープガイド112の出口112bに対し前後方向の位置を合わせている。
また、原点位置からの各カムの同期した回転時に、テープ先端押さえ部材116が前進して押さえ板115に当接した後、ガイド板120が下降し、その後、テープロック119が押さえ板115に当接し、次にカッタ117が、テープ先端押さえ部材116の挿通穴131を通り越し、最後にヒータ118が押さえ板115に当接するタイミングでこれらが前進するように各カムが設定されている。その後、テープ先端押さえ部材116、カッタ117、ヒータ118およびテープロック119が押さえ板115から離間すると、押さえ板115が下降する。最後にカムが原点位置に戻ると、テープ先端押さえ部材116、カッタ117、ヒータ118、テープロック119、押さえ板115およびガイド板120が原点位置に戻るように各カムが設定されている。なお、ガイド板120の結束テープ繰出引戻機構67とは反対側には押さえ板115との間にある結束テープTを検出するテープ先端検出センサ133が設けられている。なお、結束テープ巻回機構98と結束テープ繰出引戻機構67とがテープ供給部50で送り出された結束テープTを小束群R2に巻回する結束部134を構成する。結束テープ繰出引戻機構67は、テープ供給部50と結束部134の両方を構成する。
小束群受入凹部40の周囲壁部38は、上記した結束テープガイド機構100および結束機構114と対応する高さ位置を開閉可能となるよう、図11および図12に示すように上下に分割された、固定の上側壁部138と、昇降可能な下側の開閉壁部139とを有している。
そして、開閉壁部139を昇降させる図4に示す壁部駆動機構140が設けられている。この壁部駆動機構140は、開閉壁部139を上側壁部138に当接させる閉位置と上側壁部138から所定距離離間させる開位置との間で移動させる壁部駆動モータ141と、開閉壁部139が閉位置にあることを検出する壁部閉位置センサ142と、開閉壁部139が開位置にあることを検出する壁部開位置センサ143とを有している。なお、上側壁部138には、小束群R2の小束群受入凹部40への装填等を検出する装填検出センサ144が設けられている。
図11および図12に示すように、小束群受入凹部40の左右両側には、テープガイド112の下側で水平延在する一対の押圧部材147が配置されており、開閉壁部139が図12に示す開状態にあるときに、左右両側の押圧部材147を同期して同速度で小束群受入凹部40に対し上側壁部138と開閉壁部139との隙間を介して進退させる図4に示す押圧部材駆動機構148が設けられている。これら押圧部材147および押圧部材駆動機構148は、小束群受入凹部40内でエレベータ39に長手方向および集積方向を水平方向に沿わせて載置された小束群R2の長手方向の位置を水平両側から押圧部材147で押圧して取り揃える等する位置調整機構(長手位置整列機構)150を構成している。なお、押圧部材147は、テープガイド112と開状態の開閉壁部139との間を通過する位置に設けられている。
押圧部材駆動機構148は、押圧部材147を小束群受入凹部40に対し進退させる図4に示す整列モータ151と、整列モータ151の回転位置を検出する整列回転パルスセンサ152とを有している。整列回転パルスセンサ152も、周方向に等間隔でスリットが形成され整列モータ151の駆動軸に固定されたスリット板のスリットを計数することで整列モータ151の回転位置を検出するものである。押圧部材駆動機構148は、左右の押圧部材147が近接側の限界位置にあることを検出する整列近接検出センサ153と、左右の押圧部材147が離間側の限界位置にあることを検出する整列離間検出センサ154とを有している。
小束群受入凹部40の前側には、上下に離間して水平延在する一対の圧縮板部156を有する圧縮部材157が配置されており、開閉壁部139が図12に示す開状態にあるときに、一対の圧縮板部156を小束群受入凹部40に対し上側壁部138と開閉壁部139との隙間を介してテープガイド112の上下で進退させる図4に示す圧縮部材駆動機構158が設けられている。これら圧縮部材157および圧縮部材駆動機構158は、小束群受入凹部40内でエレベータ39に集積方向を前後方向に沿わせて載置された小束群R2を水平一側である前側から圧縮部材157で集積方向に押圧し押さえ板115とで圧縮する圧縮機構159を構成している。
圧縮部材駆動機構158は、圧縮部材157を小束群受入凹部40に対し進退させる図4に示す電磁ブレーキ160付きの圧縮モータ161と、圧縮モータ161の回転位置を検出する圧縮回転パルスセンサ162とを有している。圧縮回転パルスセンサ162も、周方向に等間隔でスリットが形成され圧縮モータ161の駆動軸に固定されたスリット板のスリットを計数することで圧縮モータ161の回転位置を検出するものである。圧縮部材駆動機構158は、圧縮部材157が押さえ板115側の所定位置にあることを検出する圧縮近接検出センサ(位置センサ)163と、圧縮部材157が押さえ板115とは反対側の限界位置にあることを検出する圧縮離間検出センサ164とを有している。圧縮機構159は、圧縮モータ161の駆動で移動する圧縮部材157で小束群R2を集積方向に圧縮するとともに、圧縮回転パルスセンサ162で圧縮時に小束群R2の集積方向厚さを検出する。なお、上記した結束テープ巻回機構98は、この圧縮機構159で圧縮した状態の小束群R2に結束テープTを巻回する。
上記したエレベータ39は、図4に示す昇降駆動機構167によって、水平状態を維持したまま周囲壁部38内で昇降させられる。昇降駆動機構167は、電磁ブレーキ168付きの昇降モータ169と、昇降モータ169の駆動でエレベータ39を昇降させる図13に示すパンタグラフ式の伸縮機構170と、昇降モータ169の回転位置を検出する昇降回転パルスセンサ171とを有している。昇降回転パルスセンサ171も、周方向に等間隔でスリットが形成され昇降モータ169の駆動軸に固定されたスリット板のスリットを計数することで昇降モータ169の回転位置を検出するものである。昇降駆動機構167は、エレベータ39が上限の限界位置にあることを検出する上限位置検出センサ172と、エレベータ39が下限の限界位置にあることを検出する下限位置検出センサ173と、エレベータ39が中間の所定の長手結束位置に位置することを検出する長手結束位置センサ174とを有している。ここで、小束群R2は短手方向の長さが全金種共通であるこことから、長手結束位置センサ174で、エレベータ39が所定位置に位置することを検出すれば、金種に拘わらず小束群R2の高さ位置が一定位置にあることを検出できる。この一定位置は、エレベータ39上に長手方向および集積方向を水平方向に沿わせて載置された小束群R2の短手方向の中央位置が結束テープガイド機構100に保持された結束テープTの上下方向の中央位置と合う位置である。
エレベータ39には、図13および図14に示すように、長手方向を水平方向に沿わせてエレベータ39に載置された小束群R2を長手方向が鉛直方向に沿う姿勢に変換する姿勢変換機構177が設けられている。この姿勢変換機構177は、エレベータ39の下降に連動してエレベータ39上の小束群R2の長手方向一側を上方に押圧することで小束群R2を鉛直方向に沿う姿勢に変換するものである。
つまり、エレベータ39には、一の側方である左側に、前後方向に長い長穴178が上下方向に貫通して形成されており、また、その下面の逆の側方である右側に前後方向に沿う回動軸179が設けられ、この回動軸179に姿勢変更部材180が回動可能に支持されている。この姿勢変更部材180は、図13に示すように、回動軸179から、下側ほど長穴178側に位置するように傾斜して延出する前後一対(一方のみ図示)の直線状の基端アーム部181と、各基端アーム部181の先端と長穴178とを結ぶように回動軸179を中心とした円弧状をなす前後一対(一方のみ図示)の先端アーム部182と、これら先端アーム部182の先端部同士を前後方向に繋ぐ棒状の姿勢変更押圧部183とを有している。この姿勢変更部材180は、通常、図13に示す状態にあり、姿勢変更押圧部183がエレベータ39の長穴178内にあってエレベータ39の上面と面一となっている。
姿勢変換機構177は、エレベータ39とともに昇降する上記姿勢変更部材180に当接してこの姿勢変更部材180を揺動させる変更制御部材185を有している。この変更制御部材185は、エレベータ39の下側に位置固定で立設された支柱部186と、支柱部186の上端側に回転可能に支持されたローラ187とを有しており、エレベータ39が下降すると姿勢変更部材180の基端アーム部181にローラ187で当接して基端アーム部181をエレベータ39に対し押し上げて図14に示すように姿勢変更押圧部183および先端アーム部182をエレベータ39から上方に突出させる。
なお、一対の入口ローラ54等の各ローラの対は互いに近接離間可能とされており、図4に示すローラ開閉ソレノイド190で近接および離間が切り替えられる。つまり、結束テープロールTRの装填時に結束テープTを各ローラ間に挿入する際に、挿入が容易となるように開閉可能となっている。
そして、大束結束機1は、上記構成を制御する制御装置200(制御手段、エラー検出手段)を有している。以下に、この制御装置200の制御内容とともに大束結束機1の作動を各処理別に説明する。
「結束テープ自動装填処理」
例えば、結束テープロールTRが装填されていない状態では、まず結束テープロールTRの装填を行う。つまり、操作者は、操作部22を操作し、インタロックスイッチ36を解除して蓋体27を開放する。蓋体27が開放され、操作部22で結束テープロールTRを装填する処理の選択入力がなされると、制御装置200は、ローラ開閉ソレノイド190で結束テープTの搬送路を構成する各ローラ対を離間させるとともに、警報装置23で警報音を発生させる。操作者が、結束テープロールTRをロール装填部44の載置円板45に載せて、結束テープTを、結束テープロールTRの外周側から引き出し、結束テープ引込機構53の一対の入口ローラ54の間から一対のガイド板55間に挿入し、送出ローラ56をハンドル59を介して手動で回転させることで、結束テープ引込機構53から滞留空間63側に突出させる。この状態で、結束テープ引込機構53内の上流側テープ検出センサ60で結束テープTが検出される。続いて、操作者は、結束テープ引込機構53から突出した結束テープTを引き出し、滞留空間63を通して結束テープ繰出引戻機構67の一対のガイド板69間に挿入する。
そして、繰出引戻ローラ70をハンドル73を介して手動で回転させ、結束テープTの先端が結束テープ繰出引戻機構67内の下流側テープ検出センサ74で検出されると、制御装置200は、警報装置23の警報音を停止させる。これにより、操作者は、結束テープ自動装填処理が実行可能な位置まで結束テープTが送られたことを認識する。
操作者が蓋体27を閉じることでインタロックスイッチ36がオンされると、制御装置200は、図15に示す結束テープ自動装填処理の実行を許容する状態となる。
この状態で、スタートボタン20が押圧されると、制御装置200は、まず、結束テープ引込機構53の上流側テープ検出センサ60で結束テープTが検出され、且つ結束テープ繰出引戻機構67の下流側テープ検出センサ74で結束テープTが検出され、且つインタロックスイッチ36がオンされている場合に限り(ステップSa1)、ローラ開閉ソレノイド190で結束テープTの搬送路を構成する各ローラ対を近接させた後(ステップSa2)、送出駆動モータ57を送り方向に駆動し(ステップSa3)、且つ繰出引戻駆動モータ71を送り方向に駆動して(ステップSa4)、送出ローラ56および繰出引戻ローラ70の協働で結束テープTを結束テープ巻回機構98側に送り出す。すると、結束テープ繰出引戻機構67の一対のガイド板69で案内された結束テープTが、図7に示すように、待機状態で上限位置にある押さえ板115に対し同じく待機状態で離間した状態にあるテープ先端押さえ部材116の挿通穴131を通り、待機状態で上限位置にあるガイド板120に対し、同じく待機状態でいずれも離間した状態にあるカッタ117、ヒータ118およびテープロック119の間を通って、結束テープガイド機構100の待機状態で近接する上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105を有するテープガイド112に入口112a側から進入し、両支持凹部102,104で案内されて、周囲壁部38の外側で水平方向に周回する。このとき、テープガイド112の各角部215の手前の直線部分の端末位置では、上下の矯正部222,232が、結束テープTの幅方向の中間部を角部215の湾曲の外側つまりガイド面101a側に押すことになり、結束テープTが、例え逆カールとなっていたとしても、幅方向において直線状あるいは外側凸の正カールに矯正されて角部215を通過する際に突っ張ることなく湾曲する。そして、結束テープTは、テープガイド112の出口112bから出ると、これに対向するテープ先端押さえ部材116の先端と押さえ板115との間を通ってガイド板120と押さえ板115との間に入り込む。
そして、制御装置200は、ガイド板120に設けられたテープ先端検出センサ133で結束テープTの先端が検出されると(ステップSa5)、繰出引戻駆動モータ71を停止させる一方(ステップSa6)、結束テープ引込機構53の上流側テープ検出センサ60で結束テープTが検出されていることを条件に(ステップSa7)、送出駆動モータ57の駆動を維持する。すると、結束テープTが滞留空間63に弛んだ状態で滞留することになり、結束テープTの弛み部分が図5に示す弛み用テープ検知センサ79で検出されると(ステップSa8)、それに基づき、この時点から、送出回転パルスセンサ58でパルス数の計数を開始し(Sa9)、送出回転パルスセンサ58で所定のパルス数が計数されると(ステップSa10)、送出駆動モータ57を停止させる(ステップSa11)。この弛みは、送出駆動モータ57を作動させなくても、結束テープ繰出引戻機構67の繰出引戻駆動モータ71の駆動のみで、次の一の小束群R2の結束を行うのに足りる長さとなっている。他方、繰出引戻駆動モータ71の停止後(ステップSa6)、上記と並行してカム駆動モータ123を回転させ(ステップSa12)、カム回転パルスセンサ125でパルス数の計数を開始し(Sa13)、所定パルス数が計数されると(ステップSa14)、カム駆動モータ123を停止させる(ステップSa15)。これにより、テープ先端押さえ部材116のみを移動させて、結束テープTの先端部を先端押さえ部132と押さえ板115とで挟持することになるとともに、ガイド板120がカッタ117、ヒータ118およびテープロック119の対向位置から下降する。
この状態で、ロール装填部44からテープ供給部50を経た結束部134までの全範囲で結束テープTは幅方向を鉛直方向に沿わせており、しかも、この全範囲で結束テープTの下縁部に接触する部分の高さ位置はすべて一定となっている。なお、結束テープ自動装填処理中に結束テープ引込機構53の上流側テープ検出センサ60が結束テープTを検出しなくなった場合、制御装置200は、送出駆動モータ57および繰出引戻駆動モータ71を直ちに停止し、テープセット待ち状態とする。
「小束群受入処理」
図16に示すように、上記のように結束テープロールTRがセットされた状態で、操作部22に設けられたスタートボタン20が押圧操作されると(ステップSA1)、制御装置200は、シャッタ駆動モータ33を開方向に駆動し(ステップSA2)、閉状態で待機していたシャッタ部材31を開方向に移動させる。そして、シャッタ開位置センサ35でシャッタ部材31が開位置にあることが検出されると(ステップSA3)、開口部14が開放されたと判断してシャッタ駆動モータ33を停止させる(ステップSA4)。すると、図17(b)に示すように、シャッタ30が開き、上限位置で待機するエレベータ39、周囲壁部38および開口部14で構成される小束群受入凹部40が機外に現れる。
このようにしてシャッタ30が開かれると、操作者が例えば載置台部18に予め載置されていたバラの所定束数の小束群R2を長手方向を左右方向にし、集積方向を前後方向にして小束群受入凹部40に装填する。このとき、図1に示す位置決め板41を目印としてこれよりも後側に装填する。このとき、エレベータ39は、小束群受入凹部40を小束群R2の装填が容易な深さとする高さ位置にある。
小束群受入凹部40内に小束群R2が装填されたことを装填検出センサ144が検出すると(ステップSA5)、制御装置200は、タイマで計時を開始し(ステップSA6)、所定の待ち時間(例えば数秒)が経過し、またはスタートボタン20が再度押圧されたか、否かを判断し(ステップSA7)、所定の待ち時間が経過し、またはスタートボタン20が再度押圧されるまで待機する。所定の待ち時間が経過し、またはスタートボタン20が再度押圧されると、制御装置200は、昇降駆動機構167の昇降モータ169を下降方向に駆動し(ステップSA8)、エレベータ39の下降を開始させる。その後は、以下の二つの処理を並行して行う。
つまり、制御装置200は、一方で、長手結束位置センサ174でエレベータ39が検出されるまで待ち(ステップSA9)、長手結束位置センサ174でエレベータ39が検出されると、昇降モータ169を電磁ブレーキ168をかけて停止させる(ステップSA10)。これにより、図11に示すように、エレベータ39は小束群R2の長手方向を結束する長手方向結束位置で停止する。
他方で、制御装置200は、上記した昇降モータ169の駆動とともに(ステップSA8)、昇降回転パルスセンサ171でパルス数の計数を開始し(ステップSA11)、昇降回転パルスセンサ171で計数したパルス数が、エレベータ39が載置させた小束群R2の上端部をシャッタ部材31よりも下側とする所定位置に下降したと判断できる所定値に達するまで待ち(ステップSA12)、パルス数が所定値に達すると、シャッタ駆動モータ33を閉方向に駆動して(ステップSA13)、シャッタ部材31を閉方向に移動させる。そして、シャッタ閉位置センサ34でシャッタ部材31が閉位置にあることが検出されると(ステップSA14)、開口部14が閉塞されたと判断してシャッタ駆動モータ33を停止させる(ステップSA15)。
「長手方向結束前整列圧縮処理」
図18に示すように、上記した小束群受入処理において、ステップSA9,SA10でエレベータ39が長手方向結束位置で停止し、且つステップSA14,SA15でシャッタ30が閉じられる(ステップSB0)と、引き続き、制御装置200は、壁部駆動機構140の壁部駆動モータ141を開方向に駆動して(ステップSB1)、上側壁部138に当接する閉状態で待機していた開閉壁部139を下降させる。そして、開閉壁部139が壁部開位置センサ143で検出されるまで待ち(ステップSB2)、開閉壁部139が壁部開位置センサ143で検出されると、壁部駆動モータ141を停止させる(ステップSB3)。これにより、図12に示すように、周囲壁部38が開状態となる。
次に、制御装置200は、圧縮モータ161を圧縮方向に駆動することで(ステップSB4)、上昇位置で待機している押さえ板115に対し最も離間する位置で待機していた圧縮部材157を押さえ板115に向けて移動させるとともに、圧縮部材157の位置を検出するため圧縮回転パルスセンサ162によるパルス数の計数を開始する(ステップSB5)。そして、圧縮部材157が圧縮近接検出センサ163で検出されるまで待ち(ステップSB6)、圧縮部材157が圧縮近接検出センサ163で検出されると、圧縮部材157が所定の一次圧縮位置まで前進したと判断し、一次圧縮処理を終了すべく、圧縮モータ161を停止させる(ステップSB7)。以上の一次圧縮処理で、圧縮部材157は小束群R2に接触するか否か程度の所定の一次圧縮位置まで前進し、小束群R2が斜めであった場合にこれを鉛直に立設させる程度に押す。つまり、制御装置200は、後述する位置調整機構150による小束群R2の長手方向の位置の取り揃え前に、圧縮機構159で圧縮部材157を小束群R2の押圧方向に移動させる。なお、フローチャートには示していないが、圧縮機構159による押圧開始後、つまり圧縮モータ161の圧縮方向の駆動開始後に所定時間経過しても圧縮近接検出センサ163が圧縮部材157を検出しない場合、つまり圧縮部材157の所定の一次圧縮位置までの前進を検出しない場合に、制御装置200は、警報装置23に音声によるエラー報知を行わせ、表示部19にもエラー表示を表示させる。これは、例えば小束群R2を構成する小束が倒れる等した場合に生じるエラーである。
一方、制御装置200は、上記した圧縮モータ161の圧縮方向への駆動開始時にステップSB5で計数が開始されていた圧縮回転パルスセンサ162によるパルス数の計数値が、所定値に達すると(ステップSB8)、圧縮部材157の作動に影響なく一対の押圧部材147で小束群R2を整列させることができる整列モータ151の回転開始タイミングとなったと判断して、整列モータ151を整列方向に駆動して(ステップSB9)、それまで互いに離間した待機状態にあった位置調整機構150の一対の押圧部材147を同時に同速度で近接させるとともに、押圧部材147の位置を検出するため整列回転パルスセンサ152によるパルス数の計数を開始する(ステップSB10)。これにより、上記一次圧縮直後の小束群R2を長手方向両側から押圧部材147で押圧して全小束R1の長手方向位置を揃えることになり、しかも全小束R1の長手方向の中央位置が押さえ板115の同じ方向の中央位置と位置が合う。制御装置200は、整列回転パルスセンサ152で検出するパルス数が、その変化がなくなったと判定できる範囲に収束すると(ステップSB11)、小束群R2が長手方向に整列し中央に位置決めされたと判断し、長手整列処理を終了すべく整列モータ151を停止させるとともに(ステップSB12)、整列モータ151の整列方向の回転開始からそれまでに整列回転パルスセンサ152で計数されたパルス数から小束群R2の長手方向長さを検出し、金種を判別して記憶する(ステップSB13)。ここで、全小束R1の長手方向位置の揃えが不良となり、整列回転パルスセンサ152で計数されたパルス数が、予め設定された金種毎の基準パルス数の中間の値を示すなどの金種判別エラーは無かったことが確認されると(ステップSB14)、押圧部材147の作動に影響なく圧縮部材157で小束群R2を二次圧縮させることができる圧縮モータ161の回転開始タイミングとなったと判断して、圧縮モータ161を圧縮方向に駆動して(ステップSB15)、圧縮部材157を押さえ板115に向けてさらに移動させる。そして、圧縮回転パルスセンサ162で検出するパルス数が、その変化がなくなったと判定できる範囲に収束すると(ステップSB16)、小束群R2が集積方向に圧縮されたと判断し、二次圧縮処理を終了すべく圧縮モータ161を停止させるとともに(ステップSB17)、圧縮モータ161の圧縮方向への回転開始からそれまでに圧縮回転パルスセンサ162で計数されたパルス数から小束群R2の集積方向厚さを検出し、記憶する(ステップSB18)。つまり、圧縮機構159は、結束テープ巻回機構98で長手方向に結束テープTを巻回する際の一の小束群R2の圧縮時に集積方向厚さを検出する。これにより、制御装置200は、結束テープ巻回機構98による結束テープTの巻回前に、図12に示すように、位置調整機構150で小束群R2の長手方向の位置を取り揃え、圧縮機構159で小束群R2を集積方向に圧縮する。
「長手方向結束処理」
上記した長手方向結束前整列圧縮処理で圧縮機構159の二次圧縮が終了すると、引き続き、制御装置200は、図19に示すように、結束テープガイド機構100のアーチ開閉モータ107を開方向に駆動して(ステップSC1)、それまで図8(a),(c)に示すように近接状態で待機していた上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105を図8(b),(d)に示すように離間させる。そして、アーチ開位置センサ109で上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105が離間したことを検出すると(ステップSC2)、アーチ開閉モータ107を停止させる(ステップSC3)。これにより、図12に示すように、上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105で支持されていた結束テープTの小束群受入凹部40を周回する部分が自由な状態となる。ただし、テープ先端押さえ部材116の挿通穴131での支持と、テープ先端押さえ部材116と押さえ板115との挟持と、図示略の複数の支持部材と、自身の剛性とで、結束テープTは、小束群R2の周囲を水平方向に周回する状態が維持される。続いて、制御装置200は、繰出引戻駆動モータ71を締付方向に駆動する(ステップSC4)。すると、繰出引戻ローラ70で結束テープTが引き戻され、小束群R2の長手方向の周囲にあった結束テープTが、上側矯正部材230と下側矯正部材220との隙間からテープガイド112の内側に配置された小束群R2の側に移動して、圧縮状態にある小束群R2の長手方向に巻回されることになる。そして、繰出引戻回転パルスセンサ72のパルス数が、その変化がなくなったと判定できる範囲に収束すると(ステップSC5)、結束テープTが小束群R2の長手方向に巻回されたと判断して、繰出引戻駆動モータ71を停止させる(ステップSC6)。ここで、この長手方向結束処理における結束テープTの締め付け時には、送出ローラ56は駆動せず、繰出引戻ローラ70のみを駆動して結束テープTを引き戻すことになり、引き戻された結束テープTの余裕分は滞留空間63に弛んだ状態で滞留されることになる。なお、日本国内で現在主に流通している紙幣は短手方向の長さが一定であるため、一定の長手方向結束位置でエレベータ39を停止させても、結束テープTは、小束群R2の金種にかかわらず短手方向の中央位置に巻回される。
上記のように繰出引戻駆動モータ71を停止させた後、制御装置200は、カム駆動モータ123を駆動し(ステップSC7)、カム原点位置センサ124でカム駆動モータ123の回転位置が原点位置に戻ったことを検出すると(ステップSC8)、カム駆動モータ123を停止させる(ステップSC9)。このようなカム駆動モータ123の回転により、まず、テープロック119が結束テープTの中間部を先端部および押さえ板115に押し付け、その後、カッタ117が結束テープTのテープ先端押さえ部材116の挿通穴131から突出する中間部を切断し、直後にヒータ118が、切断により形成される結束テープTの後端部を先端側に押し付けて熱接着させて図20(b)に示す状態となる。なお、結束テープTは結束時の周回内面が接着面とされており、後端部の内面の接着剤が先端側の接着剤のない外面に接着される。その後、押さえ板115がエレベータ39より下側まで下降して、小束群R2と結束テープTとの間から抜ける。また、ヒータ118の熱接着後、ヒータ118、テープロック119、カッタ117、テープ先端押さえ部材116が小束群受入凹部40から離れる方向に移動して原点位置に戻り、ガイド板120が上昇して原点位置に戻る。さらに、押さえ板115がエレベータ39より下側まで下降した後、上昇して原点位置に戻る。以上により、結束テープ巻回機構98による長手方向の結束処理が終了する。
以上の長手方向結束処理が終了すると、引き続き、制御装置200は、図21に示す姿勢変換処理と、図22,図23に示す短手用結束テープ供給処理とを並行して行う。
「姿勢変換処理」
制御装置200は、圧縮モータ161を圧縮解除方向に駆動することで(ステップSD1)、圧縮部材157を小束群R2から離間させる。そして、圧縮部材157が圧縮離間検出センサ164で検出されるまで待ち(ステップSD2)、圧縮部材157が圧縮離間検出センサ164で検出されると、圧縮部材157が小束群R2から最も離間する位置に位置したと判断して圧縮モータ161を停止させる(ステップSD3)。また、制御装置200は、これと並行して、整列モータ151を整列解除方向に駆動して(ステップSD4)、一対の押圧部材147を同時に同速度で離間させる。そして、押圧部材147が整列離間検出センサ154で検出されるまで待ち(ステップSD5)、押圧部材147が整列離間検出センサ154で検出されると、押圧部材147が小束群R2から最も離間する位置に位置したと判断して整列モータ151を停止させる(ステップSD6)。
次に、圧縮部材157が圧縮離間検出センサ164で検出され、且つ押圧部材147が整列離間検出センサ154で検出されたことを条件に(ステップSD7)、制御装置200は、壁部駆動モータ141を閉方向に駆動して(ステップSD8)、開閉壁部139を上昇させる。そして、開閉壁部139が壁部閉位置センサ142で検出されるまで待ち(ステップSD9)、開閉壁部139が壁部閉位置センサ142で検出されると、壁部駆動モータ141を停止させる(ステップSD10)。これにより、図11に示すように、上側壁部138に開閉壁部139が当接し周囲壁部38が閉状態となる。
次に、制御装置200は、昇降モータ169を下降方向に駆動し(ステップSD11)、エレベータ39の長手方向結束位置からの下降を開始させる。そして、下限位置検出センサ173でエレベータ39が検出されるまで待つ(ステップSD12)。このようなエレベータ39の長手方向結束位置からの下降途中で、図13に示すようにエレベータ39の下側に取り付けられた姿勢変換機構177の姿勢変更部材180がその基端アーム部181において、変更制御部材185のローラ187に当接することでローラ187で押されて、下降するエレベータ39に対して回動して、図14に示すように、左右方向片側の長穴178から前後方向に長い姿勢変更押圧部183を上側に移動させる。すると、長手方向を左右方向とし、且つ集積方向を前後方向にしてエレベータ39の左右方向の略中央に載置されていた長手方向のみ結束テープTが巻回された小束群R2が、長手方向一側である左側が下側から姿勢変更押圧部183で押し上げられる。他方、長手方向逆側は、周囲壁部38の右側内面で移動が規制されるため、エレベータ39上の小束群R2は、姿勢変換機構177で長手方向が鉛直方向に沿う立位姿勢に変換されることになる。このように、姿勢変換機構177は、エレベータ39の下降に連動してエレベータ39上の小束群R2の長手方向一側を上方に押圧することで小束群R2を鉛直方向に沿う姿勢に変換する。
そして、姿勢変換機構177による姿勢変換が完了しエレベータ39が下限位置検出センサ173で検出されると(ステップSD12)、制御装置200は、昇降モータ169を電磁ブレーキ168をかけて停止させ(ステップSD13)、その後、昇降モータ169を逆に上昇方向に駆動し(ステップSD14)、エレベータ39を下限位置から上昇させるとともに、昇降回転パルスセンサ171のパルス数の計数を開始する(ステップSD15)。そして、制御装置200は、上記した長手方向結束前整列圧縮処理の長手整列処理で検出した当該小束群R2の金種に対応する短手方向結束位置までエレベータ39が上昇したと判定するための所定値を読み出し、昇降回転パルスセンサ171のパルス数の計数値が、この所定値に達したか否かを判定する(ステップSD16)。パルス数の計数値が所定値に達すると、図24に示すように短手方向結束位置までエレベータ39が上昇したと判断し、昇降モータ169を電磁ブレーキ168をかけて停止させる(ステップSD17)。つまり、日本国内で現在主に流通している紙幣は長手方向の長さが金種により異なる場合があるため、長手整列処理のステップSB13で判別した金種に対応する高さまでエレベータ39を上昇させるのである。この短手方向結束位置に位置したエレベータ39に立設状態の小束群R2は、その長手方向の中央位置が、結束テープ巻回機構98に保持される結束テープTの幅方向の中央位置と位置が合うことになる。
「短手用結束テープ供給処理」
以上の姿勢変換処理と並行して、制御装置200は、図22,図23に示すように、結束テープガイド機構100のアーチ開閉モータ107を閉方向に駆動して(ステップSE1)、それまで図8(b),(d)に示すように離間状態にあった上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105を近接させる。そして、上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105が所定位置まで近接し図8(a),(c)に示す状態になったことをアーチ閉位置センサ108で検出すると(ステップSE2)、アーチ開閉モータ107を停止させる(ステップSE3)。
そして、制御装置200は、印字捺印機構81によって、現在結束中の小束群R2に対して後述する短手方向結束処理で使用されるであろう結束テープTの短手方向の巻回対応部分に、巻回前に記載を行わせる。その際に、制御装置200は、長手方向結束前整列圧縮処理の二次圧縮処理時にステップSB18で検出した小束群R2の集積方向厚さに基づいて、印字捺印機構81による結束テープTへの記載位置を算出する。つまり、テープ先端検出センサ133で検出された状態において結束テープTの先端位置は決まることになることから、この状態で先端側が押さえられて小束群R2に巻回される結束テープTの切断後端側の記載位置は、小束群R2の厚さおよび短手方向の長さから割り出される。そして、このように割り出された、結束テープTの先端位置から記載位置までの距離から、カッタ117により切断された結束テープTの先端位置と印字捺印機構81の印字ヘッド86および捺印部88との間の規定の距離を減算する。その結果が、結束テープTにおいて、次に記載が行われる記載位置と、現在印字ヘッド86および捺印部88の位置にある部分との距離となる。よって、この距離分だけ結束テープTを進めると印字ヘッド86および捺印部88の位置に記載位置が位置することになる。よって、制御装置200は、アーチ開閉モータ107の停止後(ステップSE3)、繰出引戻駆動モータ71を送り方向に駆動するとともに(ステップSE4)、繰出引戻回転パルスセンサ72でパルス数の計数を開始し(ステップSE5)、結束テープTの記載位置が印字ヘッド86および捺印部88の位置に位置するまで繰出引戻ローラ70が回転したと判断できる所定値にパルスの計数値が達すると(ステップSE6)、繰出引戻駆動モータ71を停止させる(ステップSE7)。これにより、印字ヘッド86および捺印部88の位置に結束テープTの記載位置が位置する。また、この送りで結束テープTの先端部は、テープ先端押さえ部材116の挿通穴131から出て、例えば、ガイド板120と、カッタ117、ヒータ118およびテープロック119との間を通って、結束テープガイド機構100の近接状態にある上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105の両支持凹部102,104に入口112a側から進入する。
次に、制御装置200は、印字捺印機構81の印字捺印モータ83を印字捺印方向に駆動し(ステップSE8)、それまで下限位置で待機していた移動部材82を上昇させるとともに、印字捺印回転パルスセンサ84でパルス数の計数を開始させる(ステップSE9)。そして、印字捺印回転パルスセンサ84で計数されるパルス数が、印字ヘッド86が結束テープTの記載位置まで上昇したと判断できる所定値に達すると(ステップSE10)、印字捺印モータ83を停止させる(ステップSE11)。続いて、制御装置200は、印字ヘッド駆動機構90を駆動して印字ヘッド86を結束テープTの位置まで前進させ、印字ヘッド86により結束テープTの接着剤のない面に印字を行わせる(ステップSE12)。印字ヘッド86は、図2に示す印字Iとして例えば日付を印字する。
次に、制御装置200は、印字が完了すると(ステップSE13)、印字ヘッド駆動機構90の駆動を停止する(ステップSE14)。そして、印字捺印モータ83を印字捺印方向に再び駆動し(ステップSE15)、移動部材82を上昇させるとともに、印字捺印回転パルスセンサ84でパルス数の計数を開始させる(ステップSE16)。そして、印字捺印回転パルスセンサ84で計数されるパルス数が、捺印部88が結束テープTの記載位置まで上昇したと判断できる所定値に達すると(ステップSE17)、印字捺印モータ83を停止させる(ステップSE18)。続いて、制御装置200は、捺印ソレノイド93を所定時間駆動して捺印部88を結束テープTの位置まで前進させ(ステップSE19)、捺印部88により捺印を結束テープTの接着剤のない面に行わせる。捺印部88は、捺印Nとして、例えば印字ヘッド86で印字した日付を所定位置に配置する所定の枠状のマークを捺印し、そのマークには、例えば金融機関名を含んでいる。
その後、制御装置200は、印字捺印モータ83を印字捺印方向とは逆に駆動し(ステップSE20)、移動部材82を下降させ、移動部材82が下限位置に位置したことが移動部材原点センサ85で検出されると(ステップSE21)、印字捺印モータ83を停止させる(ステップSE22)。以上により、制御装置200は、圧縮機構159で検出した小束群R2の集積方向厚さに応じて印字捺印機構81による結束テープTへの印字および捺印の記載位置を、結束時の所定位置となるように制御することになり、具体的に、長手方向の結束に関連して圧縮機構159で検出した一の小束群R2の集積方向厚さに応じて、この一の小束群R2の短手方向に巻回される結束テープTに対する印字捺印機構81の記載位置を制御する。
また、捺印部88により捺印を行わせた後(ステップSE19)、制御装置200は、上記した移動部材82の下限位置への下降と並行して、繰出引戻駆動モータ71を送り方向に駆動する(ステップSE23)。すると、結束テープTは、結束テープガイド機構100の近接状態にある上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105の両支持凹部102,104で案内され、これら上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105を有するテープガイド112を全長にわたって周回し、テープガイド112の出口112bから出た先端部が、これに対向するテープ先端押さえ部材116の先端と押さえ板115との間を通ってガイド板120と押さえ板115との間に入り込む。このときも、テープガイド112の各角部215の手前の直線部分の端末位置では、上下の矯正部222,232が、結束テープTの幅方向の中間部を角部215の湾曲の外側つまりガイド面101a側に押すことになり、結束テープTが、例え逆カールとなっていたとしても、幅方向において直線状あるいは外側凸の正カールに矯正されて角部215を通過する際に突っ張ることなく湾曲する。
そして、制御装置200は、図7に示すように、ガイド板120に設けられたテープ先端検出センサ133で結束テープTの先端が検出されると(ステップSE24)、繰出引戻駆動モータ71を停止させる(ステップSE25)。そして、カム駆動モータ123を駆動するとともに(ステップSE26)、カム回転パルスセンサ125でパルス数の計数を開始して(ステップSE27)、パルス数が所定値に達すると(ステップSE28)、カム駆動モータ123を停止させる(ステップSE29)。これにより、図20(a)に示すように、テープ先端押さえ部材116を移動させて、結束テープTの先端部を先端押さえ部132と押さえ板115との間で挟持するとともに、ガイド板120がカッタ117、ヒータ118およびテープロック119の対向位置から下降する。なお、この間、テープ供給部50から結束部134に送られる結束テープTは、滞留空間63に弛んだ状態で保持された部分であり、よって、テープ供給部50は、繰出引戻駆動モータ71のみを駆動し、結束テープ引込機構53の送出駆動モータ57は駆動しない。
「短手方向結束前整列圧縮処理」
制御装置200は、上記した姿勢変換処理が終了すると、引き続き、図25に示す短手方向結束前整列圧縮処理を行う。つまり、壁部駆動機構140の壁部駆動モータ141を開方向に駆動して(ステップSF1)、上側壁部138に当接する閉状態で待機していた開閉壁部139を下降させる。そして、開閉壁部139が壁部開位置センサ143で検出されるまで待ち(ステップSF2)、開閉壁部139が壁部開位置センサ143で検出されると、壁部駆動モータ141を停止させる(ステップSF3)。これにより、図26に示すように、周囲壁部38が開状態となる。
次に、制御装置200は、圧縮モータ161を圧縮方向に駆動するとともに(ステップSF4)、圧縮回転パルスセンサ162によるパルス数の計数を開始する(ステップSF5)。これにより、上昇位置で待機している押さえ板115に対し最も離間する位置で待機していた圧縮部材157を押さえ板115に向けて移動させる。そして、圧縮部材157が圧縮近接検出センサ163で検出されるまで待ち(ステップSF6)、圧縮部材157が圧縮近接検出センサ163で検出されると、一次圧縮処理を終了すべく、圧縮モータ161を停止させる(ステップSF7)。以上の一次圧縮処理で、圧縮部材157は小束群R2に接触するか否か程度の位置まで前進する。なお、短手方向結束前整列圧縮処理においては、このときの一次圧縮処理は行わなくても良い。
また、制御装置200は、ステップSF5で計数を開始した圧縮回転パルスセンサ162によるパルス数の計数値が、圧縮部材157の作動に影響なく一対の押圧部材147で小束群R2を整列させることができる整列モータ151の回転開始タイミングとなったと判断できる所定値に達すると(ステップSF8)、整列モータ151を整列方向に駆動するとともに(ステップSF9)、整列回転パルスセンサ152によるパルス数の計数を開始する(ステップSF10)。これにより、それまで互いに最も離間した待機状態にあった位置調整機構150の一対の押圧部材147を同時に同速度で近接させる。その結果、上記一次圧縮直後の小束群R2を短手方向両側から押圧部材147で押圧して、その短手方向の中央を押さえ板115の同じ方向の中央と位置合わせすることになる。制御装置200は、整列回転パルスセンサ152で検出するパルス数が、その変化がなくなったと判定できる範囲に収束すると(ステップSF11)、小束群R2が短手方向に位置決めされたと判断し、短手整列処理を終了すべく整列モータ151を停止させる(ステップSF12)。このとき、長手方向結束前整列圧縮処理では行っていた、整列回転パルスセンサ152のパルス数に基づく、小束群R2の長さを検出する処理は、必要ないので行わない。
また、制御装置200は、ステップSF10で計数を開始した整列回転パルスセンサ152によるパルス数の計数値が、押圧部材147の作動に影響なく圧縮部材157で小束群R2を圧縮することができる圧縮モータ161の回転開始タイミングとなったと判断できる所定値に達すると(ステップSF13)、圧縮モータ161を圧縮方向に再び駆動して(ステップSF14)、圧縮部材157を押さえ板115に向けてさらに移動させる。そして、圧縮回転パルスセンサ162で検出するパルス数が、その変化がなくなったと判定できる範囲に収束すると(ステップSF15)、小束群R2が集積方向に圧縮されたと判断し、二次圧縮処理を終了すべく圧縮モータ161を停止させる(ステップSF16)。このとき、長手方向結束前整列圧縮処理では行っていた、圧縮回転パルスセンサ162のパルス数に基づく、小束群R2の集積方向厚さの検出は、必要ないので行わない。
「短手方向結束処理」
上記した短手用結束テープ供給処理が終了し、且つ短手方向結束前整列圧縮処理が終了すると、引き続き、制御装置200は、図27に示すように、結束テープガイド機構100のアーチ開閉モータ107を開方向に駆動して(ステップSG1)、それまで近接状態で待機していた上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105を図26に示すように離間させる。そして、アーチ開位置センサ109で上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105が離間したことを検出すると(ステップSG2)、アーチ開閉モータ107を停止させる(ステップSG3)。これにより、上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105で支持されていた結束テープTの小束群受入凹部40を周回する部分が自由な状態となる。ただし、テープ先端押さえ部材116の挿通穴131での支持と、テープ先端押さえ部材116と押さえ板115との挟持と、図示略の複数の支持部材と、自身の剛性とで、結束テープTは、小束群R2の周囲を水平方向に周回する状態が維持される。続いて、制御装置200は、繰出引戻駆動モータ71を締付方向に駆動する(ステップSG4)。すると、繰出引戻ローラ70で結束テープTが引き戻され、小束群R2の短手方向の周囲にあった結束テープTが、上側矯正部材230と下側矯正部材220との隙間からテープガイド112の内側に配置された小束群R2の側に移動して、小束群R2の短手方向に巻回されることになる。そして、繰出引戻回転パルスセンサ72でパルス数が、その変化がなくなったと判定できる範囲に収束すると(ステップSG5)、結束テープTが小束群R2の短手方向に巻回されたと判断して、繰出引戻駆動モータ71を停止させる(ステップSG6)。ここで、上述のようにエレベータ39は金種に応じた高さに位置しているため、結束テープTは、長手方向の中央位置に巻回される。また、この短手方向結束処理における結束テープTの締め付け時には、送出ローラ56は駆動せず、繰出引戻ローラ70のみを駆動して結束テープTを引き戻すことになるが、引き戻された結束テープTの余裕分は滞留空間63に弛んだ状態で滞留されることになる。
上記のように繰出引戻駆動モータ71を停止させた後、制御装置200は、カム駆動モータ123を駆動し(ステップSG7)、カム原点位置センサ124でカム駆動モータ123の回転位置が原点位置に戻ったことを検出すると(ステップSG8)、カム駆動モータ123を停止させる(ステップSG9)。このようなカム駆動モータ123の回転により、まず、テープロック119が結束テープTの中間部を先端部および押さえ板115に押し付け、その後、カッタ117が結束テープTのテープ先端押さえ部材116の挿通穴131から突出する中間部を切断し、直後にヒータ118が結束テープTの中間部を先端側に押し付けて熱接着させて、図20(b)の状態になる。その後、押さえ板115がエレベータ39より下側まで下降して、小束群R2と結束テープTとの間から抜ける。また、ヒータ118の熱接着後、ヒータ118、テープロック119、カッタ117、テープ先端押さえ部材116が小束群受入凹部40から離れる方向に移動して原点位置に戻り、ガイド板120が上昇して原点位置に戻る。さらに、押さえ板115がエレベータ39より下側まで下降した後、上昇して原点位置に戻る。以上により、結束テープ巻回機構98による短手方向の結束処理が終了する。なお、印字および捺印に上述した制御を行うことにより、外側にある短手方向の結束テープTに施された印字Iおよび捺印Nは、図2に示すように、結束後に短手方向の中央位置に位置することになる。このようにして大束R3が作成される。
以上の短手方向結束処理が終了すると、引き続き、制御装置200は、図28に示す整列圧縮解除処理と、図29に示す長手用結束テープ供給処理とを並行して行う。
「整列圧縮解除処理」
制御装置200は、圧縮モータ161を圧縮解除方向に駆動することで(ステップSH1)、圧縮部材157を大束R3から離間させる。そして、圧縮部材157が圧縮離間検出センサ164で検出されるまで待ち(ステップSH2)、圧縮部材157が圧縮離間検出センサ164で検出されると、圧縮部材157が大束R3から最も離間した位置に位置したと判断して、圧縮モータ161を停止させる(ステップSH3)。また、制御装置200は、これと並行して、整列モータ151を整列解除方向に駆動して(ステップSH4)、一対の押圧部材147を同時に同速度で離間させる。そして、押圧部材147が整列離間検出センサ154で検出されるまで待ち(ステップSH5)、押圧部材147が整列離間検出センサ154で検出されると、押圧部材147が大束R3から最も離間した位置に位置したと判断して、整列モータ151を停止させる(ステップSH6)。
「長手用結束テープ供給処理」
以上の整列圧縮解除処理と並行して、制御装置200は、図29に示すように、結束テープガイド機構100のアーチ開閉モータ107を閉方向に駆動して(ステップSJ1)、それまで離間状態にあった上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105を近接させる。そして、アーチ閉位置センサ108で上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105が所定位置まで近接したことを検出すると(ステップSJ2)、アーチ開閉モータ107を停止させる(ステップSJ3)。
次に、制御装置200は、印字捺印機構81を作動させることなく、繰出引戻駆動モータ71を送り方向に駆動する(ステップSJ4)。すると、結束テープTが、図7に示すように、テープ先端押さえ部材116の挿通穴131から出て、ガイド板120と、カッタ117、ヒータ118およびテープロック119との間を通って、結束テープガイド機構100のテープガイド112に入口112a側から進入し、両支持凹部102,104で案内されて、テープガイド112を全長にわたって周回し、テープガイド112の出口112bから出ると、これに対向するテープ先端押さえ部材116の先端と押さえ板115との間を通ってガイド板120と押さえ板115との間に入り込む。このときも、テープガイド112の各角部215の手前の直線部分の端末位置では、上下の矯正部222,232が、結束テープTの幅方向の中間部を角部215の湾曲の外側つまりガイド面101a側に押すことになり、結束テープTが、例え逆カールとなっていたとしても、幅方向において直線状あるいは外側凸の正カールに矯正されて角部215を通過する際に突っ張ることなく湾曲する。
そして、制御装置200は、ガイド板120に設けられたテープ先端検出センサ133で結束テープTの先端が検出されると(ステップSJ5)、繰出引戻駆動モータ71を停止させる(ステップSJ6)とともに、カム駆動モータ123を駆動するとともに(ステップSJ7)、カム回転パルスセンサ125でパルス数の計数を開始し(ステップSJ8)、カム回転パルスセンサ125のパルス数が所定値に達すると(ステップSJ9)、カム駆動モータ123を停止させる(ステップSJ10)。これにより、テープ先端押さえ部材116を移動させて、結束テープTの先端部を先端押さえ部132と押さえ板115との間で挟持するとともに、ガイド板120がカッタ117、ヒータ118およびテープロック119の対向位置から下降する。
次に、制御装置200は、繰出引戻駆動モータ71を停止状態のまま、結束テープ引込機構53の送出駆動モータ57を送り方向に駆動する(ステップSJ11)。そして、結束テープTが滞留空間63で弛み、弛み用テープ検知センサ79で検出されると(ステップSJ12)、送出回転パルスセンサ58でパルス数の計数を開始し(ステップSJ13)、パルス数の計数値が所定値に達すると(ステップSJ14)、送出駆動モータ57を停止させる(ステップSJ15)。これにより、小束群R2の長手方向および短手方向の一回の巻回に十分な量の結束テープTの弛みが滞留空間63内に生じる。つまり、結束テープ引込機構53を含むテープ供給部50は、一の小束群R2の結束後、次の小束群R2の結束前に、送出ローラ56のみを駆動して結束テープTを送り出すことで、結束テープTを滞留空間63に弛んだ状態で滞留させる。その際に、滞留空間63に設けられた弛み用テープ検知センサ79の光路が遮断されるタイミングに基づいて結束テープTを図5に示すように弛ませる。
「束払出処理」
上記した整列圧縮解除処理が終了すると、引き続き、制御装置200は、図30に示すように、壁部駆動モータ141を閉方向に駆動して(ステップSK1)、開閉壁部139を上昇させる。そして、開閉壁部139が壁部閉位置センサ142で検出されるまで待ち(ステップSK2)、開閉壁部139が壁部閉位置センサ142で検出されると、壁部駆動モータ141を停止させる(ステップSK3)。これにより、図31に示すように、上側壁部138に開閉壁部139が当接し周囲壁部38が閉状態となる。
次に、制御装置200は、昇降モータ169を上昇方向に駆動し(ステップSK4)、エレベータ39の上昇を開始させる。そして、制御装置200は、昇降回転パルスセンサ171によるパルス数の計数を開始し(ステップSK5)、パルス数が、エレベータ39に載置された大束R3を、開口部14から取り出し容易となる長さ突出させることができる取出位置まで上昇したと判断できる停止判断用所定値となると(ステップSK6)、昇降モータ169を停止し電磁ブレーキをかける(ステップSK7)。また、制御装置200は、昇降回転パルスセンサ171のパルス数が、結束後の大束R3が開作動も含んでシャッタ部材31に干渉する手前までエレベータ39が上昇したと判断できる干渉回避所定値に達すると(ステップSK8)、シャッタ駆動モータ33を開方向に駆動し(ステップSK9)、閉状態にあったシャッタ部材31を開方向に移動させる。そして、シャッタ開位置センサ35でシャッタ部材31が開位置にあることが検出される(ステップSK10)と、開口部14が開放されたと判断してシャッタ駆動モータ33を停止させる(ステップSK11)。このようにして、図31(b)に示すようにシャッタ30が開かれ、その開口部14から大束R3が取り出し容易に突出する。
「待機処理」
上記した束払出処理が終了し、図32に示すように、大束R3が機外に取り出されたことを装填検出センサ144で検出すると(ステップSL1)、引き続き、制御装置200は、シャッタ駆動モータ33を閉方向に駆動して(ステップSL2)、シャッタ部材31を閉方向に移動させる。そして、シャッタ閉位置センサ34でシャッタ部材31が閉位置にあることが検出される(ステップSL3)と、開口部14が閉塞されたと判断してシャッタ駆動モータ33を停止させる(ステップSL4)。次に、タイマで計時を開始し(ステップSL5)、待機のための所定時間(例えば数秒)が経過すると(ステップSL6)、制御装置200は、昇降駆動機構167の昇降モータ169を上昇方向に駆動し(ステップSL7)、エレベータ39の上昇させる。そして、上限位置検出センサ172でエレベータ39が検出されると(ステップSL8)、昇降モータ169を電磁ブレーキをかけて停止させる(ステップSL9)。これにより、エレベータ39は図17に示す上限位置で停止し待機状態となる。
ここで、各フローチャートでは略したが、制御装置200は、シャッタ閉位置センサ34、シャッタ開位置センサ35、インタロックスイッチ36、ニアエンドセンサ48、送出回転パルスセンサ58、テープ検出センサ60,74,79、繰出引戻回転パルスセンサ72、印字捺印回転パルスセンサ84、移動部材原点センサ85、捺印原点位置センサ94、アーチ閉位置センサ108、アーチ開位置センサ109、カム原点位置センサ124、カム回転パルスセンサ125、押さえ板原点位置センサ126、ガイド板原点位置センサ127、カッタ原点位置センサ128、ヒータ原点位置センサ129、テープ先端検出センサ133、壁部閉位置センサ142、壁部開位置センサ143、装填検出センサ144、整列回転パルスセンサ152、整列近接検出センサ153、整列離間検出センサ154、圧縮近接検出センサ163、圧縮離間検出センサ164、昇降回転パルスセンサ171、上限位置検出センサ172、下限位置検出センサ173および長手結束位置センサ174のそれぞれの検出結果からエラー発生を検出している。そして、エラー発生を検出した場合、警報装置23で音声を出力し、表示部19にエラー内容およびエラー発生箇所等を表示するようになっている。
そして、一の小束群R2に対して、短手用結束テープ供給処理の結束テープTへの印字ヘッド86による印字および捺印部88による捺印、つまり記載が施された後の時点で、エラー発生を検出した場合(例えば、長手方向の結束不良により姿勢変換処理中に小束群R2がばらけてしまい、通常小束群R2が束状態を維持していれば検出されるはずのない整列近接検出センサ153で押圧部材147を検出してしまった場合等)、制御装置200は、警報装置23および表示部19で報知を行うことになり、その際に、結束テープTへの記載後のエラーであることを記憶する。その後、操作者が処理を施してエラーを解消した後、操作部22のリセットボタン21を押圧操作すると、大束結束機1は結束が可能な状態となる。制御装置200は、次に装填される小束群R2に対しては、最初の処理、つまり小束群受入処理から行うことになる。つまり、そのままでは印字および捺印が施された結束テープTが、次に装填された小束群R2の長手方向の結束に用いられてしまう。
このため、制御装置200は、図16のステップSA1の後、以下の処理を、ステップSA2との間に行うようにしても良い。つまり、ステップSA1でスタートボタン20が押されると、エラー解消後はじめて結束を行う場合であるか否かを確認することになり、エラー解消後はじめて結束を行う場合でなければ、ステップSA2に進んで、通常通りの上述した結束を行う。一方、エラー解消後はじめて結束を行う場合は、この解消されたエラーのエラー発生時に、結束テープTへの記載後のエラーであることが記憶されているか否かを確認する。そして、結束テープTへの記載後のエラーであることが記憶されていなければ、ステップSA2に進んで、上述した結束を行うことになる。一方、結束テープTへの記載後のエラーであることが記憶されている場合、制御装置200は、上記した小束群受入処理、長手方向結束前整列圧縮処理および長手方向結束処理を行った後、姿勢変換処理、短手用結束テープ供給処理、短手方向結束前整列圧縮処理および短手方向結束処理は行わずに、整列圧縮解除処理、長手用結束テープ供給処理、束払出処理および待機処理を行って終了する。つまり、印字捺印機構81による結束テープTへの印字および捺印後の時点で制御装置200がエラーを検出した場合に、その直後の小束群R2については、結束テープ巻回機構98により、図33に示すように、結束テープTを長手方向にのみ巻回して短手方向には結束テープTを巻回せずに払い出す。
以上に述べた本実施形態の結束テープガイド機構100によれば、長尺状の結束テープTの幅方向の両縁部をガイドして搬送する際に、矯正部222,232が、搬送方向を変える角部215の直上流側にて、結束テープTの幅方向の中間部を角部215の湾曲の外側方向に向けて押すことになる。これにより、結束テープTが幅方向において外側に凹状をなして湾曲する逆カールの状態であっても、中間部を押し戻してこの湾曲をガイド面101aと平行な直線状または外側に凸状の正カールの状態に矯正することができ、角部215を曲がる際に結束テープTが突っ張ってしまうことがなくなる。したがって、結束テープTの幅方向の両縁部をガイドして搬送する際に、搬送方向を変える角部215での結束テープTの滞留によるジャムの発生を防止することができる。
また、結束テープTが外側に凹状をなして湾曲する逆カールの状態になっていても、矯正部222,232は外縁部の傾斜面222a,232aの上流側が内側に位置することからガイド面101aとの間隔が広く、中間部が膨らんでガイド面101aから離れる逆カールの状態の結束テープTを、ガイド面101aとの間に良好に受け入れることができる。また、矯正部222,232は、下流側ほど外側に位置するように傾斜する外縁部の傾斜面222a,232aで押す量を徐々に増やして結束テープTの幅方向の中間部を角部215の湾曲の外側方向に向けて押すことができる。これにより、矯正部222,232が結束テープTを確実に受け入れて徐々に矯正することができるため、結束テープTを円滑に矯正することができる。
また、矯正部222,232が、結束テープTの幅方向に間隔をあけて二カ所設けられているため、結束テープTの幅方向の中間部を角部215の湾曲の外側方向に向けて強い矯正力で効果的に押すことができる。
また、結束テープTの案内を解除するべく一対の上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105を離間させると、これら上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105のそれぞれに取り付けられた、上側矯正部材230の矯正部232および下側矯正部材220の矯正部222同士も離間することになり、結束テープTから離れて結束テープTの移動を許容することになる。これにより、一対の上縁支持アーチ部103および下縁支持アーチ部105を離間させる駆動源と、矯正部232および矯正部222を離間させる駆動源とを一つのアーチ開閉モータ107で共用化できる。
また、角部215が四カ所形成された四角枠状をなし、四カ所の角部215のそれぞれの直上流側に、上側矯正部材230の矯正部232および下側矯正部材220の矯正部222が設けられているため、内側に配置された結束対象物である四角形状の小束群R2に対して結束テープTを巻き回す際に、結束テープTを良好に四角形状に搬送でき、余分なスペースを必要とせずに済む。
また、本実施形態の大束結束機1によれば、結束テープTを四角枠状の結束テープガイド機構100によって四角形状に搬送する際に、四カ所の角部215のそれぞれの直上流側に設けられた矯正部232および矯正部222によって各角部215でのジャムの発生を防止することができる。したがって、結束テープガイド機構100の内側に配置された小束群R2を結束テープTによって良好に結束して大束とすることができる。