JP5210457B1 - 外科用骨穿孔ドリルストッパー - Google Patents

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Abstract

【課題】 前もっての管状骨の外径測定を要せず、そのドリル操作途中段階でドリル穿孔距離を片手操作で制御でき、ドリル刃が勢い余って骨の裏側奥深くまで突き抜けるという危険性を回避できる外科用骨穿孔ドリルストッパーを提供する。
【解決手段】 ドリルストッパー1は、ドリル軸100を把持着脱し回転駆動を伝えるコレットチャック機構52,56と前記コレットチャック機能を収納する非回転の端部キャップ55を有する管状骨穿孔用の外科用ドリル1に被嵌して設けられる。外科用ドリル50の端部キャップ55を被覆し、前記外科用ドリル1に保持されたドリル軸100を挿通する挿通孔5を有するドリルストッパー本体2と、前記ドリルストッパー本体2の挿通孔5と連通して固定され、前記ドリル軸100を挿通可能な非回転性の筒状部3と、前記ドリルストッパー本体2を端部キャップ55に連結させるドリル連結部4と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、四肢骨折などの原因により管状骨をスクリュー固定する処置が必要な整形外科手術などにおいて、管状骨に穿孔するための汎用の軸状のドリル刃を挿入して使用され、ドリル開始時より片手でドリル駆動操作とともにドリルの穿孔深度を制御しつつ骨穿孔する目的で使用する、ドリルストッパー付きドリル駆動ハンドピースに関する。
一般に、管状骨は、上腕、前腕、大腿、下腿などの四肢骨格を構成し、管の中央部の軟質の骨髄腔と周囲をとりまく硬質で管状の皮質骨からなる骨構造で、長管骨とも呼ばれている。そして管状骨の手術には、その骨構造により、脊椎骨や頭蓋骨などとは異なる手術手技あるいは手術器具が用いられている。例えば、骨折によって破綻した管状骨を整復して数本のスクリューで固定することが行われるが、このためにはスクリュー挿入固定のための管状骨貫通孔を多数個ドリル穿孔する必要がある。すなわち、皮膚切開された術野から管状骨の直視可能部分である硬質の手前側骨皮質にドリル穿孔を開始し、中央の軟質の骨髄腔を経て、さらに硬質の対側骨皮質までをドリル貫通させ、この2段の硬質皮質骨孔をスクリュー固定することが最良とされている。そして、そのドリル穿孔のためのドリル駆動は手まわし回転操作のみでは力及ばず、気道式または電動式ドリル回転駆動本体を術者の手で把持しつつ方向や深度コントロールしながらドリル穿孔を行うことが必要となる。
そうした動力式ドリルを術者が操作するなかで、当該管状骨をドリルが貫通したとき、ドリル刃が勢い余って骨の裏側奥深くまで突き抜けすぎるドリルの過侵入によって骨の裏側に存在する重要な神経、血管、筋腱を損傷させるという危険性が生じている。
この危険性を回避するために、前もってレントゲン写真などにより管状骨の直径などを算出し、ドリル開始前にその算出値にドリル穿孔距離を合わせることも試みられている。しかしながら、一般的に10〜50mm程度の直径の管状骨では、骨折線の方向などによってスクリュー固定方向を変化させなければならないため、管状骨軸に対するドリルの穿孔角度は直角に限らず斜め方向にもなることが頻繁である。このため、その穿孔貫通距離は、2次元的に表されるレントゲン写真などから前もって読み取れる単なる管状骨の直径だけを指標とすると誤差範囲が10mm以上と大きくなることもあり、前述の危険性を回避し難い。
前述の誤差範囲をより小さく数mm以下として危険性を最小限に回避するためには、管状骨をドリル貫通穿孔する最終的な硬質の壁である対側骨皮質に当接した時点で、一般的に10mm未満で手術部位によって数mm単位での差異は容易に予測しうる対側骨皮質の厚みを指標にして、ドリル穿孔距離を制御する方が望ましい。すなわち、骨穿孔ドリル操作途中段階の対側骨皮質に当接した時点からの、ドリル穿孔距離を制御する必要性が生じる。
ここで、手術者はドリル駆動本体を一方の手で操作するが、他側の手は、筋鈎や骨折整復鉗子把持のための操作で使われることが多く、前段落での骨穿孔ドリル操作途中段階でのドリル穿孔距離制御に関わる手は、ドリル駆動本体操作と同じ手で行うことが好ましい。
従来、骨穿孔動力駆動ハンドピースを操作するのと同側の手で、その操作途中段階で骨穿孔用のドリルまたはワイヤーの軸長を調節可能な器具は、特許文献1〜3などに開示されている。これらの器具は、いわゆるコレットチャックによるドリル軸把持または解放を動力駆動ハンドピースに付属するレバーまたは引き金で操作可能に構成されたものである。
また特許文献4には、管状骨の2段階の皮質骨の穿孔を、加速度センサー若しくはトルクセンサーで感知して、ドリル軸回転モータとドリル軸方向駆動モータの2個のモータで制御するドリルガイド付き片手操作装置が開示されている。
特開平10−113884号公報 特開昭56−47616号公報 特開昭62−236686号公報 特表2011−525844号公報
しかしながら上記文献に開示の器具については、それぞれ以下のような問題があった。特許文献1〜3に開示されている器具によっては、その先端部の構造からは、いずれも手術野内のドリル操作中において、先端部から突出するドリル軸の露出長を数mm単位で見通し調節することは困難である。また、ハンドピースの先端部は骨表面に当接させる構造やサイズにはなっておらず、ドリルストッパーとしての記載はなく、ストッパーとして機能し得ない。
特許文献4に開示されている装置は、ノズルの先端に細長いガイドを付し、当該ガイドからドリル刃を装着し、当該ガイドがドリルビットを受容することでドリルビットに対して方向付けの案内をしているように構成されているが、このガイドは、ドリルの方向付けのために使用されるものであって、ドリル軸方向に移動するように構成されている。すなわち、ノズル先端の細長いガイドはドリルの穿孔の方向付けの役割を有するものであって、ドリルストッパーとしては機能するものではない。また、2個のモーター、センサー、デイスプレイ、フィードバック機能などを要する機構であり、チャック手動開閉によるドリル軸の挿通距離の調節制御による安全操作方式ではない。
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、管状骨への気動式または電動式ドリル駆動本体を用いたドリル穿孔操作において、前もっての管状骨の外径測定を要せず、そのドリル操作途中段階でドリル穿孔距離をコレットチャックの手動開閉方式によって片手操作で制御でき、ドリル刃が勢い余って骨の裏側奥深くまで突き抜けるという危険性を回避できる管状骨穿孔用の外科用骨穿孔ドリルストッパー及び外科用骨穿孔ドリルを提供することである。
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の外科用骨穿孔ドリルストッパーを提供する。
本発明の第1態様によれば、ドリル軸を把持着脱し回転駆動を伝えるコレットチャック機構と前記コレットチャック機能を収納する非回転性の端部キャップを有する管状骨穿孔用の外科用ドリルに被嵌して設けられるドリルストッパーであって、
前記外科用ドリルの端部キャップを被覆し、前記外科用ドリルに保持されたドリル軸を挿通する挿通孔を有するドリルストッパー本体と、
前記ドリルストッパー本体の挿通孔と連通して固定され、前記ドリル軸を挿通可能な非回転性の筒状部と、
前記ドリルストッパー本体を端部キャップに連結させるドリル連結部と、を備えることを特徴とする外科用骨穿孔ドリルストッパーを提供する。
本発明の第2態様によれば、前記筒状部は、先端側が部分周壁となるように構成されていることを特徴とする、第1態様の外科用骨穿孔ドリルストッパーを提供する。
本発明の第3態様によれば、前記筒状部は、前記部分周壁の縦断面に、前記ドリル軸の所定位置が示すことにより前記ドリル軸の前記筒状部先端からの突出長さを判別するための、目盛を設けたことを特徴とする、第2態様の外科用骨穿孔ドリルストッパーを提供する。
本発明の第4態様によれば、中央に骨髄腔を有する管状骨の手前側骨皮質及び対側骨皮質に貫通孔を穿孔する施術に用いられる外科用骨穿孔ドリルであって、
ドリル軸を把持着脱し回転駆動を伝えるコレットチャック機構と、
前記コレットチャック機構を収納する非回転性の端部キャップと、
前記端部キャップの先端に設けられ、前記ドリル軸を挿通可能な非回転性の筒状部と、
を備えることを特徴とする、外科用骨穿孔ドリルを提供する。
本発明の第5態様によれば、前記筒状部は、先端側が部分周壁となるように構成されていることを特徴とする、第4態様の外科用骨穿孔ドリルを提供する。
ドリル軸の脱着が容易なコレットチャック機構を有する外科用ドリルは、例えば、外科用ドリルのコレットチャック機構のレバーを手動引き締めまたは解放操作するだけでドリル軸の固定及び解放が可能である。このため、穿孔動作中にドリル軸の突出量の変更が容易である。よって、本発明によれば、穿孔作業中の状況に応じて臨機応変にその穿孔深さの制御を行うことができ、例えば、管状骨の穿孔が進み、対側骨皮質の内壁面にドリル刃が到達した段階で、コレットチャック機構を操作して先端部の非回転性筒状部から突出するドリル軸長を調整し、その状態で穿孔を進めることで、対側骨皮質を貫通したとき、ドリル刃の先端が対側骨皮質外面をわずかに突出すると同時に、非回転性筒状部が手前骨皮質表面に当接することでドリルを停止させることができる。また、ドリル軸は、細長く形成され他筒状部の先端から突出しているので、手術野内において、ドリル軸の露出長を10mm未満のミリメートル単位で見通し調節することが容易である。したがって、前もって測定した管状骨の10〜50mmにも及ぶ外径全体の寸法を目安に一度に穿孔させるための装置に較べて、より高精度に10mm未満の露出長を制御可能である。
また、筒状部の先端側を部分周壁となるように構成することで、筒状部の先端角部でドリル軸を隠蔽する領域が少なくなり、穿孔操作中での筒状部先端とドリル軸突出部分との境界線の視認性を向上させることができる。その場合、先端に残存させた部分周壁によって手前骨皮質に当接すべき筒状部の長さや壁支持性は維持される。
さらに、筒状部の先端側に目盛りを付すことにより、手術野内でドリルの露出長を見通し把握することができ、ドリルの過侵入をより効果的に防止することができる。
本発明の第1実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパーが適用された外科用ドリルの構成を示す組立分解図である。 本発明の第1実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパーの構成を示す斜視図である。 図1のドリルストッパーを取り付けたドリル刃で手前側骨皮質を穿孔開始する状態を示す模式図である。 図1のドリルストッパーを取り付けたドリル刃が対側骨皮質内壁面に達した状態を示す模式図である。 図1のドリルストッパーの外筒部の位置調整を示す模式図である。 図1のドリルストッパーを取り付けたドリル刃が対側骨皮質を貫通した状態を示す模式図である。 ドリル方向の違いによるドリル穿孔経路の違いを示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパーの構成を示す斜視図である。 本発明の変形例にかかる外科用ドリルの構成を示す組立分解図である。
以下、本発明の各実施形態に係る外科用骨穿孔ドリルストッパーについて、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパーが適用された外科用ドリルの構成を示す組立分解図である。外科用ドリル50は、人体の組織、好ましくは管状骨を穿孔するための器具であり、図示しない駆動モータを収容する本体部51を有する、駆動モータは図示しない回転軸に駆動力を供給し、この回転軸に連結されるコレット軸52を回転させる。なお、駆動モータは電力の供給により駆動するものであるが、例えば、高圧ガスにより駆動する空圧モータなどを使用することもできる。
本体部51は、ピストル型のグリップ53を有しており、当該グリップ53に設けられている動作スイッチ54を操作することにより、駆動モータが回転する。駆動モータは動作スイッチ54の押し込み量に比例して回転速度が変化するように構成されていてもよいし、動作スイッチの押し込み量に拘わらず一定速度で回転するよう構成されていてもよい。
駆動モータが回転すると、図示しない回転軸を介してコレット軸52が回転する。コレット軸52は、軸方向に伸びるスリットにより分割されており、先端がテーパー状に構成されている。コレット軸52には、ドリル軸100が挿入され、当該テーパー部分が端部キャップ55に押しつけられることでコレット軸52のスリット部分が閉じてドリル軸100が把持される。
端部キャップ55は、先端にドリル軸100を挿通させるための穴が設けられており、コレット軸52を収容下状態に本体部51に固定される。端部キャップ55は、ドリル軸100駆動時においても、すでに公知のベアリング機構などによってドリル軸またはコレット軸の回転運動からは分離され、非回転性に構成されている。
レバー56は、コレット軸52のドリル軸100の把持及び解放を切り替えるためのものである。レバー56とコレット軸52は、レバー56をグリップ53側に操作することで、コレット軸52が軸方向に移動するように連結されており、コレット軸52が軸方向先端側に移動することで、端部キャップ55によってコレット軸52のテーパー部分が締め付けられ、ドリル軸100が把持される。なお、コレット軸52は上記の通り駆動モータにより回転駆動するように構成されているため、コレット軸52とレバー56との連結は、すでに公知のベアリング機構などにより、コレット軸52またはドリル軸の回転を確保できるように構成されている。
上記構成のコレットチャック機構を有する外科用ドリル50によれば、ドリル軸100の把持及び解放は、レバー56を操作することで容易に行なわれる。レバー56は、図1に示すように、グリップ53を握った状態で把持可能に構成されている。レバー56は、例えばグリップを握った手の中指及び薬指で操作し、グリップ53側に引き寄せることでコレット軸52が先端側に移動し、コレット軸52を閉じてドリル軸100を把持可能になる。この状態で、グリップ53を握った手の人差し指で動作スイッチ54を操作することにより、ドリル軸100の回転動作を行うことができる。なお、レバー56は、ラチェット機構など公知の機構などでドリル軸100を把持した状態で固定または解放が随時にできるように構成されていてもよい。
なお、ドリル軸100の長さ寸法や径寸法は、施術部位などによって適宜選択可能であり、ドリルのサイズに応じた外科用ドリル50を用いることができる。また、ドリル軸100は、先端から尾端まで均一な径寸法に構成されており、先端から尾端まで自由にコレット軸52を駆動モーターを含む本体部51を介して挿通移動可能に構成されている。
図2は本発明の第1実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパーの構成を示す斜視図である。本実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパー1は、図2に示すように、ドリルストッパー本体2と筒状部3とドリル連結部4とを備えている。
ドリルストッパー本体2は、外科用ドリル50の端部キャップ55を被覆するキャップ状の部材であり、先端側に設けられた挿通孔5から外科用ドリル50のコレット軸52に保持されたドリル軸100が挿通される。なお、実施形態の説明において、先端側とはドリル軸の尖端側を意味し、後端側とは外科用ドリル側を意味するものとする。
ドリルストッパー本体2の後部側には、端部キャップ55にドリルストッパー本体2を固定するためのスリット6が設けられており、スリット6の後部側に固定片7が形成される。固定片7は、ドリル連結部4と一体に構成されており、ドリル連結部4のネジ8を締め付けることによって固定片7が締まり端部キャップ55に固定される。なお、ドリル連結部4の構成は、本実施形態に示すものに限定されるものではなく、例えば、ドリルストッパー本体2に設けられた挟持ネジなどを用いて固定することも可能である。
筒状部3は、ドリルストッパー本体2の先端側に設けられ、挿通孔5と連通してドリル軸100を挿通可能に構成された筒状の部材である。筒状部3の長さ寸法Lは、例えば、2から5cmとすることができ、ドリルストッパー本体2の大きさ、用いるドリル軸100の長さなどに応じて適宜設計することができる。
筒状部3の先端側は、周壁が一部分のみ形成された部分周壁部9として構成されている。部分周壁部9の寸法は、特に限定されるものではなく、例えば、筒状部のほぼ全長にわたって部分周壁に構成することもできる。筒状部3の先端に部分周壁部9を設けることにより、後述するように、術野におけるドリル軸100突出部分と筒状部先端との境界線の視認性が向上し、ドリル操作を容易にすることができる。
なお、本実施形態においては、部分周壁部9は、ドリル連結部4が設けられている側の周壁を残すように構成されている。ドリル連結部4が設けられていない側の周壁をなくすことにより、ドリル連結部4によってドリル軸100が視認しにくくされることを防止することができ、より操作性が向上する。また、ドリルストッパー本体2はドリルストッパー連結部4によって、ドリル軸に対して随意の回転角度をもって固定でき、ドリル操作するのが右手か左手か術野方向によって、部分周壁の方向による視認性を配慮しての連結固定が可能である。
次に本実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパーの使用手順について説明する。本実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパーは、図3に示すように、ドリル軸100を筒状部3に挿入させ、筒状部3先端から十分な突出量となるようにドリル軸100の露出長を調整した後、外科用ドリル50のレバー56を把持して、ドリル軸100を固定する。穿孔開始時には、ドリル軸100の先端側の視認性を確保するために、ドリル軸100の先端側の露出長を長くしておくことが好ましい。
次に、図4に示すように、穿孔対象である管状骨110の穿孔を開始する。管状骨110は、管状の皮質骨111と中央部の骨髄腔112から構成されている。骨皮質111のうち、穿孔開始時に皮膚切開された直視可能な手術野で外側からドリルが当てられる側の骨皮質を手前側骨皮質113、それを貫き中央部の骨髄腔112を経て内腔内側からドリルが当てられる側の骨皮質を対側骨皮質114と便宜上区別する。筒状部3は、穿孔時には回転することなく固定されているため、穿孔作業において他の周辺組織を巻き込むなど特に支障となることはない。
穿孔においては、ドリル軸100の先端を手前側骨皮質113の表面にあて、ドリル装置を操作して穿孔の方向を制御しつつ硬質の手前側骨皮質113を穿孔する。なお、ドリルの穿孔方向を決定するために、穿孔ガイドなど他の器具を用いることもできる。この手前側骨皮質113の穿孔においては、通過すべき骨髄腔112への侵入であるため、勢いをもって穿孔しても安全である。
なお、このときの穿孔において、別途穿孔ガイドなどを用いることもできる。上記のように、本実施形態にかかるドリルストッパーは、外科用ドリルを把持する片手のみで操作可能であるため、筋鈎や骨折整復鉗子把持のために他方の手を用いることが可能である。
図5は、手前側骨皮質113を貫通し、さらに骨髄腔112を通過した後、硬質の抵抗をもって対側骨皮質114の内壁面にドリル軸100の先端100aが当接している状態を示している。ドリルによる穿孔において、ドリル刃先端100aが硬質の抵抗をもって手前側骨皮質113を貫き骨髄腔112に到達するとドリル抵抗は弱まり、再び硬質の対側皮質骨114に達するとドリル抵抗が強くなるのが術者のドリル駆動本体を把持する手に容易に感知される。その時点でドリルの回転を一時的に停止させ、図6に示すように、ドリル軸100の先端100aを対側皮質骨114の内壁面に当接保持させた状態で、レバー56をゆるめ、外科用ドリル50を矢印90に示すように管状骨側へ送り込み、筒状部3の先端と手前側骨皮質113の表面までとの距離Hが概ね対側骨皮質114の厚み寸法程度となるように調整する。
なお、既に手前側骨皮質113を貫通させていることから術者は対側骨皮質の厚み寸法を、後述する基本的な解剖学的根拠に基づき予想しやすく、筒状部3の先端と手前側骨皮質113の表面までとの距離Hを設定する場合の目安とすることができる。
筒状部3からのドリル軸の突出量を調整した後、対側骨皮質114について穿孔を行う。このとき、筒状部3の先端に部分周壁部9が設けられているため、手術野内にて筒状部3の先端角部でドリル突出境界線が隠されることなく明瞭に見通して視認できドリル突出量がmm単位で調節でき、施術を正確にスムーズに行うことができる。図6に示すように、対側骨皮質114を貫通した後は、筒状部3の先端が手前側骨皮質113の表面に当接するため、ドリルは調整した隙間H以上は進行せず、過剰ドリリングが抑止される。よって、管状骨の対側骨皮質114を貫いた直後にドリル先端100aが進行することを停止させることができ、管状骨の裏側に位置する重要な神経、血管、筋腱組織などの損傷を防止することができる。
本実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパー1によれば、以下に述べる基本的な解剖学的根拠に基づいて、前もっての管状骨の外径測定を不要とすることができる。すなわち、ヒトの四肢管状骨の外径は、体格によって様々であって50mm以上になることもあるが、その管状構造を形作る管状骨皮質の厚みが、上腕、前腕、大腿、下腿でも概ね数mm以下で、その範囲での変動差は、患者の術前の体格や四肢部位で容易に推測され、ドリル方向が45度程度傾いたとしてもその誤差は数mm以下となる。この変動差は、管状骨の外径全体を目安にドリル穿孔する場合に比べれば明らかに少ない。すなわち管状骨ドリル穿孔においては、前もっての管状骨の外径測定は必要とせず、手前側骨皮質から中央の骨髄腔への穿孔を経て、対側骨皮質の内壁に硬質の抵抗をもってドリル刃先端が当接した状態で、残り管状骨皮質の厚みを上記の解剖学的根拠にて予測し、ドリル穿孔距離を制御すれば、過剰ドリル侵入を上記のように数mm以下の誤差で抑えられることが可能となる。
具体的には、図7に示すように、ドリル方向が(1)管状骨の中心軸を通る場合と(2)中心軸からそれる場合のドリル穿孔経路並びに、(3)管状骨の軸方向に対して垂直の場合と(4)傾いたときのドリル穿孔経路について、管状骨の外径Dを目安とするよりも、対側骨皮質の厚みdを目安とすることで、誤差を少なくすることができることが明らかである。
さらに、本実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパー1によれば、ドリル軸の把持及び解放がレバー56の操作で容易に行なうことができ、ストッパーを保持する必要がないため、片手で施術可能である。よって、鉗子などの他の器具を自由な方の手で操作して施術することができ、施術の自由度が向上する。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパーの構成を示す斜視図である。図8では、理解のためにドリル軸100が挿入された状態を示している。本実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパー11は、第1実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパー1と共通する構成を有するため、以下、相違点を中心として説明する。
図8に示すように、本実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパー11は、筒状部13の構成において、第1実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパー1と異なる。すなわち、図8に示すように、本実施形態にかかる外科用骨穿孔ドリルストッパー11は、部分周壁部19が長く構成されており、部分周壁部19の縦断面にミリ単位での目盛20が設けられている。
目盛20は、ドリル軸100の所定位置に設けられた基準マーク105と対応させることにより、筒状部13の先端からのドリル軸100の突出量を判別するためのものである。すなわち、基準マーク105は、ドリル軸100の先端から所定位置に設けられており、当該基準マーク105と一致する目盛20の数値がドリル軸100の突出量となるように目盛20が構成されている。
本実施形態によれば、安全で適度の貫通距離をもってドリル穿孔を終えて次の手術段階として穿孔部に骨固定用の金属螺子を挿入して手術操作を進めるときに、金属螺子長は前段落の目盛20に一致するものであり、従来からのデプスゲージなどによる穿孔距離計測は省略できることとなる。また、ドリル軸100の突出量を予め決められた長さにしたい場合に、目盛20を用いることで、ドリルの穿孔深さの調整を容易にすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。例えば、各実施形態では、外科用ドリルの端部キャップに被嵌させることによりドリルストッパーを取り付けているが、図9に示すように、外科用ドリルの端部キャップ55自体に非回転の筒状部57を設けることができる。
1,11 外科用骨穿孔ドリルストッパー
2,12 ドリルストッパー本体
3,13,56 筒状部
4,14 ドリル連結部
5,15 挿通孔
6,16 スリット
7,17 固定片
8,18 ネジ
9,19 部分周壁部
50 外科用ドリル
51 本体部
52 コレット軸
53 グリップ
54 動作スイッチ
55 端部キャップ
56 レバー
90 外科用ドリルを押し込む方向
100 ドリル刃
100a ドリル刃先端
100b ドリル刃の中間部分
105 基準マーク
110 管状骨
111 骨皮質
112 骨髄腔
113 手前側骨皮質
114 対側骨皮質

Claims (5)

  1. ドリル軸を把持着脱し回転駆動を伝えるコレットチャック機構と前記コレットチャック機構を収納する非回転性の端部キャップを有する管状骨穿孔用の外科用ドリルに被嵌して設けられるドリルストッパーであって、
    前記外科用ドリルの端部キャップを被覆し、前記外科用ドリルに保持されたドリル軸を挿通する挿通孔を有するドリルストッパー本体と、
    前記ドリルストッパー本体の挿通孔と連通して固定され、前記ドリル軸を挿通可能な非回転性の筒状部と、
    前記ドリルストッパー本体を端部キャップに連結させるドリル連結部と、を備えることを特徴とする外科用骨穿孔ドリルストッパー。
  2. 前記筒状部は、先端側が部分周壁となるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の外科用骨穿孔ドリルストッパー。
  3. 前記筒状部は、前記部分周壁の縦断面に、前記ドリル軸の所定位置が示すことにより前記ドリル軸の前記筒状部先端からの突出長さを判別するための、目盛を設けたことを特徴とする、請求項2に記載の外科用骨穿孔ドリルストッパー。
  4. 中央に骨髄腔を有する管状骨の手前側骨皮質及び対側骨皮質に貫通孔を穿孔する施術に用いられる外科用骨穿孔ドリルであって、
    ドリル軸を把持着脱し回転駆動を伝えるコレットチャック機構と、
    前記コレットチャック機能を収納する非回転性の端部キャップと、
    前記端部キャップの先端に設けられ、前記ドリル軸を挿通可能な非回転性の筒状部と、
    を備えることを特徴とする、外科用骨穿孔ドリル。
  5. 前記筒状部は、先端側が部分周壁となるように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の外科用骨穿孔ドリル。


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