JP5210311B2 - 多段減速装置 - Google Patents

Description

本発明は、特許請求の範囲の請求項１の上位概念に従う、多段減速装置に関する。

ＤＥ２４２０２３２Ａ１より、２段減速装置が知られている。それは、第１減速段が遊星歯車式変速機として構成され、第２減速段が３つのピニオンを有している。当該３つのピニオンは、大歯車の外周のそれぞれ異なった位置で当該大歯車と係合しており、第１ピニオンは遊星歯車式変速機の遊星キャリヤに回転しないように接続されており、他の２つのピニオンは、平歯車段を介して遊星歯車式変速機の内歯歯車に駆動可能に接続されている。相対的に小型な構造の場合、そのような変速機で、非常に高いトルクが高伝達率で伝導され得る。

本発明は、更に高い総減速比に適した多段減速装置を実現することを課題とする。

本課題は、特許請求の範囲の請求項１に記載された特徴によって解決される。本発明による更なる実施の形態及び利点は、従属請求項より明らかにされる。

それによると、第1減速段が、遊星歯車式変速機として構成され、駆動可能な第１太陽歯車と、回転可能に支持される第1遊星キャリヤに回転可能に支持される複数の第１遊星歯車と、を有しており、当該第１遊星歯車は、第１太陽歯車と、回転可能に支持された第１内歯歯車と、に同時に係合しており、第２減速段が、複数のピニオンを含んでおり、当該両ピニオンは、外周の異なった位置で、大歯車と係合しており、第１ピニオンは、第１遊星キャリヤに回転しないように接続されており、第２ピニオンは、回転方向を反転させる歯車段を介して、第１内歯歯車に駆動可能に接続されている、という多段減速装置が提案される。

本発明によれば、第１減速段には、遊星段として構成される他の減速段が前置されており、そこでは、第２遊星キャリヤが、第１太陽歯車に回転しないように接続されており、第２遊星歯車が、第２遊星キャリヤに回転可能に支持され、回転駆動可能な第２太陽歯車に常に係合しており、第１内歯歯車に回転しないように接続された第２内歯歯車とも常に係合している。

この態様では、非常に高い減速比が可能となり、前置された変速装置の実施形態は、非常に小型で好適に製造可能である。第1内歯歯車と第２内歯歯車とが１つの内歯歯車部材として構成される場合は、第１遊星歯車と第２遊星歯車とは、当該内歯歯車部材の異なった軸方向領域で係合しているし、内歯歯車部材が貫通する歯（durchgehende Verzahnung）を有している場合は、製造コストを低減できる。

変速装置が、自動変速装置（Robotergetriebe）として利用されるなら、正確さ（精度）や遊びがないことが重要であるから、ピニオンと大歯車とは円錐形に構成され得る。この場合、各ピニオンの大歯車に対しての軸方向位置の調整のための調整板があることにより、歯車の遊びが調節可能で、最小化可能である。当該大歯車は、供給ラインないし制御ラインの実現に利用可能である中央通路（Zentraldurchlass）を有することができる。

特に高いトルクが伝導されなければならない場合、２、３、あるいは、それより多くの本発明による多段減速装置が、共通の大歯車を有するという態様で結合され得る。

大歯車とピニオンとは、特別な取り付けギヤ比の計算（Einbauverhaeltnissen Rechnung）を実現するために、かさ歯車として非平行な回転軸で構成され得る。

両ピニオンが同じ歯数を有し、回転方向を反転させる歯車段がギヤ比（ｕ／（ｕ＋１））でゆっくりと減速される時、とりわけ好適なギヤ比が生じる。ここで、ｕは、前置された遊星歯車式変速機の太陽歯車の歯数に対する内歯歯車の歯数の比に対応する。

本発明による変速機の一実施の形態の縦断面図を示している。 本発明による変速機の一実施の形態の概略平面図を示している。 本発明による変速機の一実施の形態の概略三次元図（概略斜視図）を示している。 本発明による変速機の別の一実施の形態の平面図を示している。

本発明は、添付の図面に基づいて、例示的に、より詳細に以下に説明される。

図１は、本発明による多段減速装置１を示している。第１減速段は、遊星歯車式変速機８から構成され、一方、第２減速段は、２つのピニオン４、６を含んでいる。２つのピニオン４、６は、大歯車２の外周の異なった位置で当該大歯車２と係合している。第１ピニオン４は、遊星歯車式変速機８の遊星キャリヤ１０に回転しないように接続されており、第２ピニオンは、平歯車１２、１４によって構成された１つの平歯車段を介して、遊星歯車式変速機８の内歯歯車１６と、駆動可能に接続されている。図１の中心線の上半分と下半分には、異なった切断面が示されている。図２及び図３からは、互いに係合している平歯車１２、１４の位置が明白である。

つまり、遊星歯車式変速機８は、差動変速機として作用し、遊星キャリヤ１０と内歯歯車１６とは、平歯車段１２、１４、ピニオン４及び大歯車２を介して、互いに駆動可能に結合されている。

遊星キャリヤ１０では、遊星歯車軸棒１８上に遊星歯車２０が回転可能に支持されており、当該遊星歯車２０は、内歯歯車１６と１つの太陽歯車２２とに同時に係合している。

太陽歯車２２、遊星歯車２０及び内歯歯車１６から構成される遊星歯車式変速機８には、遊星段として構成された別の減速段が前置されている。これは、遊星キャリヤ２４上に支持された遊星歯車２６を含んでいる。当該遊星歯車２６は、図示されていない電動モータによって駆動可能な太陽歯車２８と内歯歯車１６とに同時に係合している。

ここで、両遊星段の内歯歯車は、互いに回転しないように接続されているということが重要である。図示された実施の形態では、これら内歯歯車は１つの内歯歯車部材１６に統合されていて、貫通する歯（durchgehende Verzahnung）さえ有している。遊星歯車２０と遊星歯車２６とは、同じ内歯歯車１６の異なった軸方向領域で当該内歯歯車１６に係合している。

内歯歯車が作動中には停止しないという事実は、前置された遊星段の変速装置に有利に作用する。

ピニオン４、６も大歯車も円錐形に構成される。調整板３０が、係止リング３２とピニオン軸受３４の軸受内側リングとの間に配置されており、調整媒体として、各ピニオンの大歯車に対しての軸方向位置の調整のために機能する。その結果、変速機の全体の遊びに最も強く影響するピニオンと大歯車との間の歯車の遊びが、調整され得る、ないしは、取り除かれ得る。ピニオン４、６のために、それぞれに更に、第２軸受３６が歯車平面の他の側に配置されており、ピニオンと平歯車１２、１４の歯車平面との間で軸方向に配置されている。

大歯車は、中央通路（Zentraldurchlass）４０を有しており、当該中央通路４０は、制御実行及び供給ラインのために利用され得る。

大歯車２と、ピニオンが支持される大歯車に対して回転可能な構成ユニット４２との間には、軸方向に並ぶ２つの軸受４４、４６が、Ｏ字状の配置で存在している。この軸受の方式は精密であり、高い軸方向力及び高い断面方向力を支えることを可能にする。

更なる図においては、同じ参照番号が同じ位置（部分）に付けられている。

図４は、本発明の一実施の形態の平面図を示している。ここでは、２つの同種の変速機が同じ大歯車を共有しており、２つのみならず４つのピニオンが大歯車に係合している。この態様では、伝達可能なトルク及び伝達可能な出力の倍増が達成される。

Claims (7)

1. 第１減速段が、遊星歯車式変速機として構成され、
   駆動可能な第１太陽歯車（２２）と、回転可能に支持される第１遊星キャリヤ（１０）に回転可能に支持される複数の第1遊星歯車（２０）と、を有しており、
   当該歯車（２０）は、第１太陽歯車（２２）と、回転可能に支持された第１内歯歯車（１６）と、に同時に係合しており、
   第２減速段が、少なくとも２つのピニオン（４、６）を含んでおり、当該ピニオンは、外周の異なった位置で、大歯車（２）と係合しており、
   第１ピニオン（４）は、第１遊星キャリヤ（１０）に回転しないように接続され、
   少なくとも１つの第２ピニオン（６）は、回転方向を反転させる歯車段（１２、１４）を介して、第１内歯歯車（１６）に駆動可能に接続されており、
   第１減速段には、遊星段として構成される他の減速段が前置されており、
   ここでは、第２遊星キャリヤ（２４）が、第１太陽歯車（２２）に回転しないように接続されており、
   第２遊星歯車（２６）が、第２遊星キャリヤ（２４）に回転可能に支持され、回転駆動可能な第２太陽歯車（２８）に常に係合しており、また、第１内歯歯車（１６）に回転しないように接続された第２内歯歯車（１６）とも常に係合しており、
   出力段の前記少なくとも２つのピニオン（４、６）は、同じ歯数を有しており、
   逆回転する平歯車段乃至かさ歯車段（１２、１４）は、ギヤ比（ｕ／（ｕ＋１））でゆっくりと減速し、ｕは、遊星歯車式変速機（８）が前置された場合の、太陽歯車の歯数に対する内歯歯車の歯数の比に対応している
   ことを特徴とする多段減速装置（１）。
2. 第１内歯歯車と第２内歯歯車とは、１つの内歯歯車部材（１６）として構成され、第１遊星歯車（２０）と第２遊星歯車（２６）とが、内歯歯車部材（１６）の異なった軸方向領域で歯車と係合している
   ことを特徴とする請求項1に記載の多段減速装置。
3. 内歯歯車部材（１６）は、貫通する歯（durchgehende Verzahnung）を有している
   ことを特徴とする請求項２に記載の多段減速装置。
4. ピニオン（４、６）と大歯車（２）とは、円錐形に構成され、調整板（３０）は、各ピニオンの大歯車に対しての軸方向位置の調整のために機能する
   ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の多段減速装置。
5. 大歯車（２）は、中央通路（Zentraldurchlass）（４０）を有している
   ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の多段減速装置。
6. 少なくとも１つの更なる同種の多段減速装置があり、少なくとも２つの多段減速装置が大歯車（２）を共有している
   ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の多段減速装置。
7. 大歯車（２）とピニオンとは、かさ歯車として非平行な回転軸で構成される
   ことを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載の多段減速装置。

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