JP5209545B2 - 生体検査装置、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、むずむず脚症候群を客観的に検査することができる生体検査装置、プログラム、及び記録媒体に関するものである。
1945年に、スウェーデンの神経科医Ekbomによって命名されたレストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome;RLS)は、運動異常症に分類される神経学的疾患であるが、21世紀になってから現代病として国内外で非常に話題になってきた。
RLSは、日本名でむずむず脚症候群(または下肢静止不能症候群)とも呼ばれるように、脚を中心とした不快な感覚が起こり、不快で耐えがたい下肢の異常感覚/錯感覚(むずむず /ざわざわ/痛み)を伴って脚を動かしたいという衝動(欲求)が夜間に強まるため、不眠をもたらすことが特徴であり、睡眠障害の一つに含まれる。
この下肢の不快な感覚は、マッサージ中あるいは脚を動かすことにより緩和するが、逆に放置してじっとしていると、夕方から夜間に悪化するという特徴がある。
わが国のRLS患者は、人口の2〜5%で470万人いると推定されている。RLSは加齢とともに有病率が上昇し、そのピークは60〜70歳代、男女比は1:1.5であり、今後の高齢化社会でさらに増加するといわれている。
RLSの約80%に、夜間睡眠中の周期性四肢運動(periodic limb movements during sleep;PLMS)がみられるが、残りの約20%はPLMSを伴わないRLSである。そのため、現時点でのRLS診断は、不快感を中心とした愁訴に依存するところが大きく、例えば睡眠時呼吸障害を検知する技術(特許文献1参照)の様な、RLSの客観的及び定量的な診断法はないのが現状である。
また、上述の様に、RLSの約80%に夜間睡眠中のPLMSが認められるので、RLSの診断には、終夜睡眠ポリグラフ検査(polysomnography;PSG)が必須とされている。このPSG検査時とは、足に装着した筋電図に表れる筋肉の周期的な緊張(periodic limb movements;PLM)によって、RLSを検知するものである。
特表2007−517553号公報
しかしながら、RLSは、主に睡眠中に生じる症状であり、症状がある程度進行して睡眠前にむずむず感を感じるレベルにならないと、本人からの訴え(愁訴)は得られない。
また、自覚症状が無いと、これが睡眠障害(眠気)の原因だとは気づかないため、PSG検査を受けることも無いため早期発見が難しい状況にある。
更に、PSG検査には入院相当の一晩の監視モニタが必要であり、しかも、PLMSのないRLS患者では、PSGを施行しても確定できる所見がなく、せっかくの検査が無駄になることすらある。
つまり、RLSの約20%はPLMSを伴わないRLSのため、むずむず感の症状はあっても、実際に足が周期的に動かない人はPSG検査を受診しても検知できない。そのため、現状では薬等による治療の効果の確認は本人の主観に頼っている。
また、RLSの有病者は、人口の2〜5%と非常に多いため、全員にPSGを実施することは到底困難である。
そのため、PLMS以外の判定項目において、下肢の異常感覚/錯感覚を検出でき、医師としても治療効果を客観的に評価できる検査装置や、PLMSをスクリーニングに利用できる新しい在宅簡易モニタなどの開発が望まれている。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易な手法で容易にRLSの検査を行うことができる生体検査装置、プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
RLSの有無やその程度は、自律神経(交感神経)活動量と関係があり、本発明者等の研究によって、自律神経活動と相関の高い心拍の変動成分(心拍変動HRV)を調べることにより、RLSの有無やその程度を検知できることが見いだされ、この知見に基づいて本発明がなされたものである。以下、各請求項毎に説明する。
(1)請求項1の発明(生体検査装置)では、睡眠時又は安静時における心拍変動を示す信号から心拍間隔を求める間隔算出手段と、前記間隔算出手段により算出した心拍間隔の変動状態(心拍変動:心拍間隔の揺らぎHRV)を示す交感神経に関する指標を算出する変動状態算出手段と、前記変動状態算出手段により算出した前記指標を所定の基準値と比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づいて、RLSの状態を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明者等の研究により、RLSの有無やその程度(重症や軽症)は、心拍変動と大きな相関があることが確認されている。従って、心拍変動を示す指標(心拍変動に応じて値が変化する指標)を基準値(例えば健常者からのデータや研究等によって得られた基準値)と比較することにより、PSG検査をしない場合であても、更には、PLMSのない被験者に対しても、RLSの有無やその程度を、容易に且つ精度良く検知することができる。
なお、心拍変動を示す信号とは、心電信号、脈波信号、血圧信号など、心拍変動に応じて変化する信号が挙げられる。従って、心拍変動を示す信号を検出するセンサとしては、脈波センサ(脈波計)、心電センサ(心電計)、心拍計、脈拍計、血流計、連続血圧計などが挙げられる。
(2)請求項2の発明は、前記変動状態算出手段は、前記心拍間隔の周波数解析を行うことによって、交感神経活動を示す所定の帯域の低周波数成分(LF)を求め、該低周波成分又は該低周波成分に基づいて得られる値を指標とすることを特徴とする。
本発明者等の研究により、心拍間隔を周波数解析することによって得られる周波数成分のうち、所定の帯域の低周波成分がRLSの状態と大きな相関関係があることが分かっている。
従って、その低周波成分又はその低周波成分に基づいて得られた指標を用いることにより、精度良くRLSの状態を検知することができる。
なお、低周波成分としては、例えば0.04〜0.15Hzの帯域の周波数成分(詳しくは前記低周波数帯域のパワーの大きさ:その領域の積分値等)を採用できる。
また、前記指標としては、例えば低周波成分の平均値を利用できるが、例えば低周波成分の分散を利用した方が変化が大きくなるので、RLSの検知には有利である。
更に、心拍間隔の変動を解析する周波数解析としては、周知のFFT(高速フーリェ変換)、CDM(Complex Demodulation)等が利用できるが、CDMの方が短時間での処理が可能であるので好適である。
(3)請求項3の発明は、前記変動状態算出手段は、前記心拍間隔の周波数解析を行うことによって、所定の帯域の低周波成分(LF)と全周波数成分(ALL)とを求め、前記指標として、前記低周波成分(LF)と前記全周波数成分(ALL)との比(LF/ALL)を求めることを特徴とする。
本発明により、RLSと相関の高い低周波成分の状態を抽出できるので、他の外乱(例えば下記請求項7に示す様な年齢)等の影響を排除することができる。
なお、睡眠時無呼吸症(SAS)があると、0.03Hz未満の極低周波数帯域(VLF)の成分(ゆらぎ成分)が大きくなるので、全周波数成分を利用する場合には、この極低周波数帯の成分を例えばフィルタ等で除いて用いないことが好ましい。
(4)請求項4の発明は、前記変動状態算出手段は、前記心拍間隔の周波数解析を行うことによって、所定の帯域の低周波成分(LF)と該低周波成分より高い所定の帯域の高周波数成分(HF)とを求め、前記指標として、前記低周波成分(LF)と前記高周波成分(HF)との比(LF/HF)を求めることを特徴とする。
本発明により、RLSと相関の高い低周波成分の状態を抽出できるので、他の外乱(例えば年齢)等の影響を軽減することができる。
なお、高周波成分としては、例えば0.15〜0.4Hzの帯域の周波数成分を採用できる。
(5)請求項5の発明は、前記低周波成分の帯域は、0.03〜0.09Hzであることを特徴とする。
本発明者等の研究によれば、RLSの症状は、0.03〜0.09Hzの低周波帯域と非常に大きな相関があるので、この低周波数成分により、RLSを精度良く検知することができる。
(6)請求項6は、前記低周波成分(LF)と前記高周波成分(HF)との比(LF/HF)又は0.03〜0.09Hzの特定の低周波成分(RLSF)と前記高周波成分(HF)との比(RLSF/HF)により、健常者<0.5、0.5<RLS愁訴のみ(PLM無し)<1.0、1.0<PLM(アローザル(覚醒)無し)<2.0、2.0<PLM(アローザル有り睡眠障害)の様に区分することを特徴とする。
本発明は、LF/HFやRLSF/HFにより、RLSの状態を判定する手法を例示したものである
(7)請求項7の発明は、前記変動状態算出手段により算出した心拍間隔の変動状態を示す指標として、心拍間隔の変動量の絶対値を用いることを特徴とする。
RLSの有無やその程度(重症や軽症)は、心拍間隔の変動量の絶対値と相関がある。従って、心拍間隔の変動量の絶対値(例えば変動量の平均値や標準偏差等)を基準値と比較することにより、RLSの有無やその程度を、容易に且つ精度良く検知することができる。
(8)請求項8の発明は、前記変動状態算出手段により算出した心拍間隔の変動状態を示す指標を、年齢に応じて補正することを特徴とする。
一般に、若者と高齢者とを比較した場合、例えば心拍間隔の変動量(振幅)は、若者の方が大きいことが知られている。従って、単に例えば心拍間隔の変動量のみを基準値と比較すると、RLSの検知を精度良く行えないことがある。
従って、本発明では、心拍間隔の変動状態を示す指標(例えば前記低周波成分)を、年齢に応じて補正している。これにより、年齢に起因する心拍間隔の変動よる影響を除くことができるので、RLSを一層精度良く検知することができる。
なお、補正方法としては、例えば被験者のデータ(例えば低周波数成分LF1)を同年代の健常者のデータ(例えば低周波成分LF2)により正規化する方法(例えばLF1/LF2)が考えられる。また、前記請求項3、4の発明によっても、年齢による影響を低減することができる。
(9)請求項9の発明は、前記変動状態算出手段により算出した心拍間隔の変動状態を示す指標を、心拍間隔の測定時刻に応じて補正することを特徴とする。
RLSの症状は、睡眠中において夕刻から強く表れ明け方には弱くなる。従って、測定時刻を考慮せずに、単に例えば心拍間隔の変動量のみを基準値と比較すると、RLSの検知を精度良く行えないことがある。
従って、本発明では、心拍間隔の変動状態を示す指標(例えば前記低周波成分)を、測定時刻(例えば夕方か明け方かなど)に応じて補正している。これにより、測定時刻に起因する心拍間隔の変動よる影響を除くことができるので、RLSを一層精度良く検知することができる。
なお、補正方法としては、例えば同じ被験者における夕刻に測定したデータ(例えば前記低周波成分や他の指標)と明け方のデータとを比較し(例えば両データの比をとり)、夕刻のデータが所定値より大きな場合は、RLSと判定する方法などを採用できる。
(10)請求項10の発明は、前記RLSの判定を行う場合には、呼吸センサからの信号に基づいた情報を加味して判定を行うことを特徴とする。
呼吸によって、心拍間隔の変動状態が変化する。従って、呼吸センサからの信号を考慮して、RLSの判定を行うことが望ましい。
通常、呼吸は0.25Hz程度なので、それほどRLSの検知に影響は無いが、呼吸がゆっくりになったり、睡眠時無呼吸の症状がある場合には、RLSの検知に有効な低周波成分と帯域が重なって、RLS検知に影響が出ることがある。
従って、その場合には、例えば呼吸センサによって検出した(呼吸に起因する)周波数成分をフィルタ等を用いて除いて判定することが望ましい。
(11)請求項11の発明は、前記RLSの判定を行う場合には、体動センサからの信号に基づいた情報を加味して判定を行うことを特徴とする。
体動があると、心拍間隔の変動状態が変化する。従って、体動センサからの信号を考慮して、RLSの判定を行うことが望ましい。
例えば、体動を検知した期間のデータを採用しないことにより、RLS検知の精度を上げることができる。
また、体動センサが、例えば脚につけた加速度センサの様に、PLMSを検出できるセンサの場合には、そのセンサ出力によって、より確実にRLSを検知することができる。
(12)請求項12の発明は、更に、前記心拍変動を示す信号を検出するセンサを備えたことを特徴とする。
本発明は、センサとその信号を処理する装置とを備えたシステムを示している。
(13)請求項13の発明は、コンピュータを、請求項1〜12のいずれかに記載の生体検査装置として機能させるためのプログラムである。
(14)請求項14の発明は、請求項13に記載のプログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
つまり、上述した様なプログラムをコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAM等をコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAM等をコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。
実施例1のRLS検査装置の主要な構成を示すブロック図である。 脈波センサの装着状態を示す説明図である。 心電信号を示すグラフである。 (a)PLMの無い患者の信号を示すグラフ、(b)健常者の信号を示すグラフである。 RLS患者と健常者のLF成分の比較を示すグラフである。 (a)RLS(PLM有り)の患者の信号を示すグラフ、(b)健常者の信号を示すグラフである。 RLS患者と健常者のLF成分の比較を示すグラフである。 RLS患者と健常者のLF/HFの比較を示すグラフである。 実際のRLSの検査に先立って行われる初期手順を示すフローチャートである。 実際のRLS検知のための計測手順を示すフローチャートである。 実施例2のPLM重症患者の心拍変動の周波数解析の結果を示すグラフである。 LF/HFとRLSF/HFの比較結果を示すグラフである。 %RLSFの比較結果を示すグラフである。 実施例2のRLS判定処理を示すフローチャートである。 体動センサを兼ねる脈波センサの装着状態を示すグラフである。
次に、本発明の生体検査装置、プログラム、及び記録媒体の実施例について、図面に基づいて説明する。
a)まず、本実施例のRLS症を検出する生体検査装置(以下RLS検査装置と記する)の基本構成について、図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示す様に、本実施例のRLS検査装置は、人体に取り付けて使用されて脈波を検出する脈波センサ1(図2参照)と、この脈波センサ1の計測データに基づいて各種の演算を行う本体部3とから構成されている。なお、脈波センサ1内に本体部3の構成を組み込んで一体としてもよい。
このうち、前記脈波センサ1は、図示しないが、発光素子(例えば発光ダイオード:LED)及び受光素子(フォトダイオード:PD)を有する周知の光学式反射型センサ、即ち、血流量の変化を脈波の変化として検出するセンサである。
この脈波センサ1では、発光素子から人体に向かって光が照射し、その(ヘモグロビンに吸収される光に応じて変化する)反射光を受光素子で受光し、その受光量の変化を脈波信号(例えば電圧信号)として捉えることができる。
なお、ここでは、心拍変動を検知するセンサとして、心拍に対応する脈波信号を出力する脈波センサ1を用いたが、心拍変動を検知できるセンサ、即ち心拍に対応した信号が得られるセンサであれば、例えば心拍を検出する心電センサや血圧を検出する血圧センサ等、特に限定はない。
一方、前記本体部3には、脈波センサ1から(無線又は有線により)送信された脈波信号を示すデータを受信するデータ受信部5と、データ受信部5にて受信したデータを解析する(マイクロコンピュータを主要部とする)データ解析部7と、マニュアルにて各種の操作を行うマニュアル操作部9と、データ等を記憶する記憶部11と、データ解析部7にて解析した解析結果等を表示する表示部13と、音や音声等を出力する音出力部(例えばスピーカ)15と、外部装置とのデータの入出力を行う入出力部17とを備えている。
本実施例では、後述するように、脈波信号から心拍変動(詳しくは図3に示す心拍間隔RRI)に対応する脈拍間隔を求め、この脈拍間隔の変動に基づいてRLSを検知するための指標を求め、この指標に基づいてRLSを検知するものである。
なお、脈波センサ1から本体部3側には、脈波信号のデータを送信できるが、脈波センサ1にマイクロコンピュータを組み込み、データ解析部7の処理の一部を行ってもよい。例えば脈波センサ1側にて、脈波信号から脈拍間隔のデータを求め、この脈拍間隔のデータを本体部3側に送信してRLS検知の処理を行ってもよい。
また、脈波センサ1から本体部3にデータを送信する手法としては、通信ラインを接続する方法や、無線によりデータを送信する手法等を採用できる。更に、脈波センサ1のデータを、一旦USBやメモリカード等のメモリに記憶させ、このメモリを本体部3に装着する手法も採用できる。
b)次に、本実施例におけるRLS検知の原理について説明する。
RLSの発生機序はまだ良く分かっていないが、自律神経系の異常であると考えられている。本発明者等によって、RLSと自律神経活動を示す指標とに大きな相関があることが確認されている。従って、本実施例では、自律神経活動を示す指標を用いて、RLSの有無やその程度の検知を行う。
図4に、実際に、同年代(60歳前後)のRLS患者と健常者に対して、心拍間隔(RRI)をCDMにより周波数解析して得られた低周波成分(LF:0.04〜0.15Hzのパワーの積分値)と、高周波数成分(HF:0.15〜0.4Hzのパワーの積分値)とを調べたグラフを示す。なお、例えば0.15Hzの様なLFとHF等の境界値については、高周波数成分側に含めるものとする(以下同様)。
このグラフから、健常者に比べてRLS患者の方が、心拍間隔と低周波成分と高周波数成分の変動が大きいことが分かるが、特に低周波成分の変動が大きいことが分かる。従って、これらの変動状態から(特に低周波成分の変動状態に基づいて)、RLSの状態を検知することができることが分かる。以下、より具体的に説明する。
・図5に示す様に、11名の同年代の中高年(44〜67才)の被験者を対象として、(1)RLS愁訴のある患者(PLMSの無い患者)と、(2)PLMSのある患者と、(3)健常者とにおける指標として、VLF平均(0.003〜0.04Hzの超低周波成分の平均)、LF平均(0.04〜0.15Hzの低周波成分の平均)、HF平均(0.15〜0.4Hzの高周波成分の平均)、LF分散(低周波成分LFの分散)、LF/HF平均(低周波成分と高周波成分の比の平均)を調べた。尚、平均とは、10分間のそれぞれの周波数成分の平均値である。
その結果、(1)RLS愁訴のある患者(PLMSの無い患者)と、(2)PLMSのある患者と、(3)健常者(コントロール)とにおいて、各指標(例えばLF)に差が見られた。従って、その指標に基づいてRLSの判定を行うことができる。
つまり、心拍間隔(RRI)を、例えば周知のCDMにより周波数解析し、それによって得られた例えば低周波成分は、RLS患者とそうでない健常者においては、大きく異なるので、その低周波成分(又はその低周波成分に基づいた指標)を用いて、RLSの検知を行うことができる。
・しかし、上述したLF等の各指標は、年齢によって変動するので、以下では、年齢による補正について説明する。
図6に、実際に、中高年(50代)のRLS患者と若者(20代)の健常者に対して、心拍間隔と低周波成分と高周波数成分とを調べたグラフを示す。
このグラフから、若者では、健常者であっても、低周波成分と高周波数成分の変動が大きいことが分かる。従って、年齢を考慮せずに、単に低周波成分等を調べるだけでは、精度の良い判定ができないことがある。つまり、RLSを精度良く検知するためには、年齢による補正(例えば中高年か若者かの区別)を加える必要があることが分かる。
図7に示す様に、11名の同年代の中高年(44〜67才)と若者(20代の健常者)の被験者を対象として、(1)RLS愁訴のある患者(PLMSの無い患者)と、(2)PLMSのある患者と、(3)健常者とにおける、VLF平均、LF平均、HF平均、LF分散、LF/HF平均を調べた。
その結果、(1)RLS愁訴のある患者(PLMSの無い患者)と(2)PLMSのある患者のLFは、(3)中高齢の健常者のLFより大きく、RLS患者と中高齢の健常者との間にLFの差が見られた。しかし、若年のLFはRLS患者のLFと同様に大きいので、単にLFだけでは、RLSの検知の精度が低い恐れがある。
従って、この年齢差のよる影響を排除するために、例えば図8に示す様に、RLS検知の指標として例えばLF/HFを用いることができる。なお、図8は、前記図7のデータのうち、LF/HF平均を拡大して示したものである。
この図8から明らかな様に、LF/HF平均を用いることにより、中高齢でも若年であっても、RLS患者と健常者とを区別することができるので、RLS検知を精度良く行うことができる。
つまり、LF/HF平均を用いることにより、(1)RLS愁訴のある患者(PLMSの無い患者)と、(2)PLMSのある患者と、(3)健常者とを明瞭に区別できる。また、(2)PLMSのある患者において、更に、覚醒を伴う重症者と覚醒を伴わない中症者とを区別することができる。ここでは、LF/HFが0.65以下ならば(3)健常者、0.65〜1.1なら(1)RLS愁訴のある患者(PLMSの無い患者)、1.1〜2.0なら(2)PLM有りの中症者、2.0以上ならばPLM有りの重症者と判定することができる。
なお、このデータにおいて、覚醒の有無は、脳波をモニタすることにより調べたものであり、PLMの有無は、脚に付けた筋電計により調べたものである。
c)次に、上述したRLS検知の原理に基づいて、データ解析部7にて行われるRLS検知の処理ついて説明する。
本処理は、脈波センサ1を用いて、心拍間隔に対応する脈拍間隔の変動状態からRLSを検知するものである。
(1)まず、初期手順について説明する。
本処理は、実際のRLSの検査に先立って行われる処理である。
図9のフローチャートに示す様に、ステップ(S)100では、年齢、性別、体重等の個人情報を入力する。
続くステップ110では、脈波センサ1によって、安静時に測定した脈波信号を取得する。
続くステップ120では、脈波信号から(心拍間隔に対応する)脈拍間隔を求め、CDMによって脈拍間隔の周波数解析を行う。
続くステップ130では、周波数解析の結果から、例えば0.04〜0.15Hzの低周波数成分を抽出する。即ち、その帯域のパワーの積分値を求める。
続くステップ140では、低周波成分の年齢補正を行う。例えば前記低周波成分/全周波成分(LF/ALL)の指標や低周波成分/高周波成分(LF/HF)の指標を求めたり、被験者の低周波成分/同年代の健常者の低周波成分(LF1/LF2)を算出して年齢補正された指標を求める。
続くステップ150では、年齢補正した指標が、RLSを示す所定の判定値以上か否かを判定する。ここで、肯定判断されるとステップ160に進み、一方否定判断されるとステップ180に進む。
ステップ160では、自律神経(交換神経)の活動を示す信号が正確に算出できているかを判定する。つまり、例えば脈波センサ1の装着ミス等の影響で異常な値となっていないかどうかを判定する。ここで、肯定判断されるとステップ180に進み、一方否定判断されるとステップ170に進む。
ステップ170では、得られた信号が異状であると判断されたので、脈波センサ1の装着のやり直しと、安静を保持した再計測を指示し、前記ステップ110に戻る。
一方、ステップ180では、測定にミスはないと判断されたので、個人情報、計測信号、解析結果を、記憶部11に記憶する。
続くステップ190では、表示部13に、「検査準備完了」と表示し、一旦本処理を終了する。
(2)次に、実際のRLS検知のための計測手順について説明する。
図10のフローチャートに示す様に、ステップ200では、脈波センサ1によって、一晩又は24時間にわたり測定した脈波信号を取得する。
続くステップ210では、脈波信号から脈拍間隔を求め、CDMによって脈拍間隔の周波数解析を行う。
続くステップ220では、周波数解析の結果から、0.04〜0.15Hzの低周波成分と、0.15〜0.4Hzの高周波成分とを抽出する。
続くステップ230では、年齢補正を行う。ここでは、年齢補正した指標として、例えば低周波成分/高周波成分(LF/HF)を求める。
続くステップ240では、年齢補正した指標(LF/HF)が、RLSを示す所定の判定値以上か否かを判定する。例えばLF/HFが、0.65以上か(RLSの疑いがある数値か)否かを判定する。ここで、肯定判断されるとステップ250に進み、一方否定判断されるとステップ270に進む。
ステップ250では、自律神経の活動を示す信号が正確に算出できているかを判定する。ここで、肯定判断されるとステップ260に進み、一方否定判断されると前記ステップ200に戻る。
ステップ260では、LF/HFを用いて、RLSの状態の判定を行う。
例えば前記図8に示す様に、RLSの状態は、LF/HFに対応しているので、上述した様に、LF/HFが、0.65〜1.1なら(1)RLS愁訴のある患者(PLMSの無い患者)、1.1〜2.0なら(2)PLM有りの中症者、2.0以上ならばPLM有りの重症者と判定する。ただし、上記判定の数値は、ぐっすり眠っているときの計測データのみを処理したもので、中途覚醒や一時的な体動が含まれる全一晩のデータ等を使った場合には、10〜30%程度上げた値で判定する必要がある。
ステップ270では、RLSの判定結果を表示する。
続くステップ280では、個人情報、計測信号、解析結果等を、時系列に記録し、一旦本処理を終了する。
なお、前記ステップ240のRLSの有無の判定とステップ260のRLSの程度の判定を一度に行って、その後、信号が正確に算出できているか判定し、正確に算出できている場合に、RLS判定の結果等の表示を行うようにしてもよい。
d)次に本実施例の効果を説明する。
本実施例では、脈波センサ1から得られた脈波間隔の周波数解析を行い、そのLF/HFを指標として、RLSの有無やその程度の判定を行っている。従って、従来に比べて、簡易な手法で容易にRLSの検査を行うことができる。
また、本実施例では、PSG検査をしない場合であても、更には、PLMSのない被験者に対しても、精度良くRLSの判定を行うことができるという顕著な効果を奏する。
更に、本実施例では、例えばLF/HF等の指標を採用することにより、年齢による影響を排除できるので、この点からも、精度良くRLS判定を行うことができる。
なお、更に判定の精度を高める場合には、下記の方法を採用することが望ましい。
・不整脈がある場合には、その区間を除外する。つまり、不整脈があると、RLSに起因する脈拍間隔の変動を正確に把握できないので、不整脈のある期間のデータは周波数解析等に用いない。
・何等かの原因で、脈拍間隔が基準値を超えるものがあるが、その間のデータが無いと、解析を精度良く行えない可能性がある。従って、その場合は、例えば直前のデータなどを用いて、データを補間する。
・脈拍間隔が連続して基準値を超える場合があるが、その場合は補間では対応できないので、その区間のデータは、解析に用いないようにする。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
a)本発明者等の研究によれば、低周波成分のうち、特に特定の低周波成分(0.03〜0.09Hz:RLSF)とRLSとに大きな関連があることが分かっている。
図11に、8名の被験者に対して、心電センサから得られた心拍間隔の周波数解析を行った結果を示す。
この図11から明かな様に、PLM重症の患者(PLMが多発する患者)は、その低周波成分RLSFの帯域において、大きなピークを有することが分かる。
従って、RLSの判定に、特定の低周波成分RLSFを用いることが有効であることが分かる。
図12は、11名の被験者に対して、LF/HFとRLSF/HFとを求め、その値を比較したものである。
この図12から明かな様に、RLSの有無やその程度に応じて、LF/HFやRLSF/HFが異なることが分かる。
つまり、図12から、LF/HFやRLSF/HFにより、健常者<0.5、0.5<RLS愁訴のみ(PLM無し)<1.0、1.0<PLM(アローザル(覚醒)無し)<2.0、2.0<PLM(アローザル有り睡眠障害)の様に区分できることが分かる。
特に、LF/HFよりもRLSF/HFの方が、やや値が顕著であり、RLS愁訴のみとPLM有りとの分離がし易いという利点がある。
図13は、%RLSF(RLSFの成分比率=RLSF/(HLF+RLSF)を示したものである。なお、HLFは0.09〜0.4Hzを示している。
この図13から、%RLSFにより、健常者<0.3、0.3<RLS愁訴のみ(PLM無し)<0.4、0.4<PLM(アローザル無し)<0.5、0.5<PLM(アローザル有り)の様に区分できることが分かる。
b)従って、以下では、このRLSFを用いた処理について説明する。
なお、以下では、心電センサに代えて脈波センサを用いた例について説明するが、心電センサによって、直接に心拍間隔を求めるようにしてもよい。
図14のフローチャートに示す様に、ステップ300では、脈拍信号から脈拍間隔を算出する。
続くステップ310では、脈拍間隔の連続データをスプライン補完して連続値にした後、1秒毎の脈波間隔値を求め(リサンプリングする)、その脈波間隔値をCDMにより周波数解析する。
続くステップ320では、0.03〜0.09Hzの周波数成分RLSF(パワー値)と0.09〜0.4Hzの周波数成分(パワー値)を求め、0.03〜0.09Hzの周波数成分RLSFの含有率(%RLSF)を算出する。
つまり、0.03〜0.09Hzの周波数成分/(0.03〜0.09の周波数成分+0.09〜0.4Hzの周波数成分)を求める。
なお、0.03Hz未満の周波数成分は、解析精度が低下することと、睡眠時無呼吸症SASの症状があると大きく影響されるので、ここでは除外している。また、0.4Hzより大きな高周波成分は、自律神経の活動周波数成分として殆ど無くなるので、ここでは除外した。
続くステップ330では、%RLSFの値を用いてRLSの判定を行い、一旦本処理を終了する。
詳しくは、睡眠中の%RLSFを用いて、例えば下記の様にしてRLSの判定を行うことができる。
0.3以下 :RLS無し
0.3〜0.4:RLSの愁訴あり(むずむず感有り)
0.4〜0.5:PLMS有り(覚醒無し):RLS中度
0.5以上 :PLMS有り(覚醒反応有り):RLS重症
本実施例によって、前記実施例1より高い精度で、RLSの判定を行うことができる。
なお、上記判定以外に、例えば%RLSFに代えて、RLSF/(RLSF+0.09〜0.4の周波数成分)のように単に比を用いてもよい。
この指標を用いる場合は、下記の判定条件を採用できる。
0.6以下:RLS無し
0.6〜1:RLSの愁訴あり(むずむず感有り)
1〜2 :PLMS有り(覚醒無し):RLS中度
2以上 :PLMS有り(覚醒有り):RLS重症
次に、実施例3について説明するが、前記実施例2と同様な内容の説明は省略する。
本実施例は、前記実施例2の構成に、更に、時刻による補正と年齢による補正を行うものである。
a)時刻による補正
RLSの症状は、夕刻から強まり明け方に回復する傾向がある。そのため、睡眠直後から明け方にかけて、%RLSFが漸近的に変化することを利用する(時刻と時間的変化を利用する)。
具体的には、測定開始から%RLSFを算出し、睡眠直後から明け方にかけて%RLSFが半分以下に減少しているときは、RLSの疑いありと判定する。
なお、睡眠直後は、例えば体動の減少により判断し、明け方は、体動の回復あるいは時計により判断する。
b)年齢による補正
RLSFの周波数成分のパワー値は、若いときに高く年齢とともに減少する。従って、パワーの絶対値をその人の年齢と比較してRLSの程度をおおざっぱに判定することができる。
例えばRLSFの周波数成分の一晩の平均値が、例えば20才で30以上、30才で25以上、40才で20以上、50才で10以上であれば、RLSの疑いがあると判定する。
なお、上述した時刻や年齢による指標の変化の傾向は、RLSFの指標に限らず、LF、LF/HF等の他の指標でも同様なことが言えるので、本実施例の時刻や年齢による補正方法を、実施例1等の他の実施例に適用することができる。例えばLFやLF/HF等の指標も、若いときに高く年齢とともに減少するので、上述の様に(実験等によって求められた)年齢によって区分された判定値以上であれば、RLSの疑いがあると判定してもよい。
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
前記実施例1〜3では、脈波センサを用いた例について説明したが、本実施例では、更に他のセンサを用いる場合について説明する。
a)体動センサ
・例えば図15に示す様に、加速度を測定できる加速度センサの機能を有する脈波センサ21を、体動センサとして脚部に取り付けて、脈波及び加速度(脚部の体動)を測定するようにしてもよい。
この場合、体動センサによって脚部の周期的な動きを検出した場合には、RLSによるPLMSである可能性が高い。従って、脈波から得られたRLSの判定と、脚部の動きから得られたPLMSの判定とを総合し、両判定によってRLSである可能性が判定された場合には、その判定を信頼性が高いものとみなすことができる。
・また、体動センサによって、脚部の周期的な動き以外の体動を検出した場合には、その期間は、脈波に体動によるノイズが乗る可能性が高いので、その期間のデータを除いてRLS判定を行うことが好ましい。
・更に、体動センサによって得られた周期的な信号とRLSFの周波数成分の変動周期とを比較し、その相関関係を調べ、RLSFの周波数成分の変動周期が体動による可能性が高い場合には、その点を考慮して判定する。
具体的には、脈波センサから得られた信号を周波数解析して求めた中心周波数と足に付けた加速度信号の周波数成分を比較して周波数の一致度を見る、あるいは脈波センサから得られた信号と加速度信号の両者の波形相関を求めて変化(体動)発生の時刻一致度を見ることによって判定する。
b)呼吸センサ
呼吸によって、心拍間隔の変動状態が変化するので、本実施例では、呼吸センサからの信号を考慮して、RLSの判定を行う。
つまり、呼吸がゆっくりになったり、睡眠時無呼吸の症状がある場合には、RLSの検知に有効な低周波成分と帯域が重なって、RLS検知に影響が出ることがある。従って、本実施例では、呼吸センサによって検出した(呼吸に起因する)周波数成分(例えば0.02〜0.03Hz)を除いてRLS判定を行う。
次に、実施例5について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例は、脈波間隔の周波数解析を行うのではなく、脈拍間隔の変動量の絶対値からRLSを検知するものである。
前記図4に示した様に、RLS患者は健常者に比べて、脈拍間隔の変動量が大きい、従って、例えば脈拍間隔の変動量の絶対値の平均や分散が基準値より大きい場合に、RLSの疑いがあると判定することができる。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、前記実施例1では、脈波センサにより検出した脈波信号を用いて、心拍間隔に対応する脈拍間隔を求め、この脈拍間隔を変動状態からRLSの検知を行ったが、心電センサによって心拍間隔を求め、この心拍間隔の変動状態からRLSの検知を行ってもよい。その他、心拍間隔に対応する値として、例えば連続血圧センサによる血圧の変動状態を利用してよい。
(2)また、各実施例の構成(例えば補正方法など)を組み合わせることにより、一層精度良くRLSを検知することができる。
(3)更に、前記実施例では、RLS検査装置について述べたが、本発明は、それらに限らず、上述したアルゴリズムに基づく処理を実行させるプログラムやそのプログラムを記憶している記録媒体にも適用できる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。つまり、上述したRLS検査装置の処理を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
1…脈波センサ
3…本体部
7…データ解析部
9…マニュアル操作部

Claims (14)

  1. 睡眠時又は安静時における心拍変動を示す信号から心拍間隔を求める間隔算出手段と、
    前記間隔算出手段により算出した心拍間隔の変動状態を示す交感神経に関する指標を算出する変動状態算出手段と、
    前記変動状態算出手段により算出した前記指標を所定の基準値と比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、RLSの状態を判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする生体検査装置。
  2. 前記変動状態算出手段は、前記心拍間隔の周波数解析を行うことによって、交感神経活動を示す所定の帯域の低周波数成分(LF)を求め、該低周波成分又は該低周波成分に基づいて得られる値を指標とすることを特徴とする請求項1に記載の生体検査装置。
  3. 前記変動状態算出手段は、前記心拍間隔の周波数解析を行うことによって、所定の帯域の低周波成分(LF)と全周波数成分(ALL)とを求め、前記指標として、前記低周波成分(LF)と前記全周波数成分(ALL)との比(LF/ALL)を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体検査装置。
  4. 前記変動状態算出手段は、前記心拍間隔の周波数解析を行うことによって、所定の帯域の低周波成分(LF)と該低周波成分より高い所定の帯域の高周波数成分(HF)とを求め、前記指標として、前記低周波成分(LF)と前記高周波成分(HF)との比(LF/HF)を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体検査装置。
  5. 前記低周波成分の帯域は、0.03〜0.09Hzであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の生体検査装置。
  6. 前記低周波成分(LF)と前記高周波成分(HF)との比(LF/HF)又は0.03〜0.09Hzの特定の低周波成分(RLSF)と前記高周波成分(HF)との比(RLSF/HF)により、健常者<0.5、0.5<RLS愁訴のみ(PLM無し)<1.0、1.0<PLM(アローザル(覚醒)無し)<2.0、2.0<PLM(アローザル有り睡眠障害)の様に区分することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の生体検査装置。
  7. 前記変動状態算出手段により算出した心拍間隔の変動状態を示す指標として、心拍間隔の変動量の絶対値を用いることを特徴とする請求項1に記載の生体検査装置。
  8. 前記変動状態算出手段により算出した心拍間隔の変動状態を示す指標を、年齢に応じて補正することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生体検査装置。
  9. 前記変動状態算出手段により算出した心拍間隔の変動状態を示す指標を、心拍間隔の測定時刻に応じて補正することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生体検査装置。
  10. 前記RLSの判定を行う場合には、呼吸センサからの信号に基づいた情報を加味して判定を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の生体検査装置。
  11. 前記RLSの判定を行う場合には、体動センサからの信号に基づいた情報を加味して判定を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の生体検査装置。
  12. 更に、前記心拍変動を示す信号を検出するセンサを備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の生体検査装置。
  13. コンピュータを、前記請求項1〜12のいずれかに生体検査装置として機能させるためのプログラム。
  14. 前記請求項13に記載のプログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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