JP2012090913A - 睡眠計測装置 - Google Patents

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加奈子 仲山
Takuji Suzuki
琢治 鈴木
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Abstract

【課題】脳波計測のように大掛かりな装置を用いずに、日中等に摂取する比較的短時間の睡眠を正確に計測する。
【解決手段】実施の形態の睡眠計測装置では、第1の検出部が、被験者の脈拍または心拍の間隔を検出する。生成部は、前記間隔の時系列データを生成する。分類部は、前記時系列データに含まれる前記間隔のそれぞれが検出された時点の被験者の状態を、前記間隔の相対的な長短関係に基づいて睡眠状態と覚醒状態とに分類する。第2の検出部は、前記時系列データの中で前記間隔が第1の所定時間内に短縮した後、第2の所定時間内に増長している部分を覚醒反応として検出する。補正部は、前記時系列データの中で前記覚醒反応として検出された部分に含まれる時点の分類結果が睡眠状態となっている場合に、その分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施の形態は、睡眠計測装置に関するものである。
特に高齢者において、不眠を訴える人が多くなってきている。不眠を訴える人の中には、夜などの通常の睡眠時間は少なくても、日中などに起こる転寝などの短時間の睡眠で、全体の睡眠時間を補給している場合がある。そこで、日中などに起こる短時間の睡眠を計測することで、不眠を訴える人の睡眠指導などに役立てることができる。
従来、終夜の睡眠を計測する技術として、脈拍や心拍、呼吸など、睡眠状態により変化する生理指標を計測し、睡眠計測を行う方法が提案されている。また、運転中の居眠りが原因となる事故を防止することを目的とし、日中に起こる眠気や居眠りを評価する方法も提案されている。
特開2006−192152号公報 特開2009−18091号公報 特開2010−155058号公報
日中などに起こる転寝などの短時間の睡眠は、通常の睡眠に比べ浅い睡眠で、寝たり起きたりを繰り返し、眠っているときに急に起きる「覚醒反応」と、起きているときに瞬間的に眠ってしまう「瞬眠」が起こることが特徴である。しかしながら、従来技術においては、日中等に起こる短時間の睡眠の特徴である「覚醒反応」や「瞬眠」を含めた睡眠計測をすることができないという問題があった。
実施の形態の睡眠計測装置は、第1の検出部と、生成部と、分類部と、第2の検出部と、補正部と、を備える。第1の検出部は、被験者の脈拍または心拍の間隔を検出する。生成部は、前記間隔の時系列データを生成する。分類部は、前記時系列データに含まれる前記間隔のそれぞれが検出された時点の被験者の状態を、前記間隔が前記時系列データの中で相対的に長い睡眠状態と、前記間隔が前記時系列データの中で相対的に短い覚醒状態とに分類する。第2の検出部は、前記時系列データの中で前記間隔が第1の所定時間内に短縮した後、第2の所定時間内に増長している部分を覚醒反応として検出する。補正部は、前記時系列データの中で前記覚醒反応として検出された部分に含まれる時点の被験者の状態が睡眠状態と分類されている場合に、該時点の分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正する。
第1の実施形態にかかる睡眠計測装置の全体構成を示すブロック図。 生成部により生成される時系列データの波形の特徴を表した模式図。 日中に行われた実験により得られた被験者の脈拍間隔の時系列データの一例を示す図。 脈拍間隔の日内変動を示す模式図。 被験者が「覚醒反応」を起こしたときに記録された脈拍間隔の時系列データの一例を示す図。 「覚醒反応」と脈拍間隔の変動との関係を検証するための実験の結果を示す図。 脈拍の呼吸性変動成分を除去した時系列データの一例を示す図。 脈拍の呼吸性変動成分を除去した時系列データから「覚醒反応」を検出する方法の具体例を示す図。 第1の実施形態にかかる睡眠計測装置の処理の流れを示すフローチャート。 第2の実施形態にかかる睡眠計測装置の全体構成を示すブロック図。 被験者が「瞬眠」を起こしたときに記録された脈拍間隔の時系列データの一例を示す図。 脈拍の呼吸性変動成分を除去した時系列データの一例を示す図。 脈拍の呼吸性変動成分を除去した時系列データから「瞬眠」を検出する方法の具体例を示す図。 第2の実施形態にかかる睡眠計測装置の処理の流れを示すフローチャート。 第3の実施形態にかかる睡眠計測装置の全体構成を示すブロック図。 体動が生じたときに観測された脈拍間隔の一例を示す図。 第3の実施形態にかかる睡眠計測装置の処理の流れを示すフローチャート。 第3の実施形態にかかる睡眠計測装置を用いて睡眠計測を行った結果の一例を示す図。 睡眠計測装置の外観の一例を示す図。
(第1の実施形態)
本実施形態にかかる睡眠計測装置は、被験者の脈拍間隔の時系列データを用いて、日中等に摂取する比較的短時間の睡眠を計測するものである。そのような短時間の睡眠は、睡眠が浅く、睡眠中であっても急に覚醒する「覚醒反応」が頻繁に見られる。本実施形態では、このような短時間の睡眠に特徴的に表れる「覚醒反応」も的確に検出して、計測結果に反映できるようにしたものである。
図1は、第1の実施形態にかかる睡眠計測装置の全体構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる睡眠計測装置は、第1の検出部1と、生成部2と、第1の除去部3と、第2の除去部4と、分類部5と、第2の検出部6と、補正部7とを備えている。
第1の検出部1は、被験者の脈拍間隔を検出する。第1の検出部1は、例えば、内部に被験者の脈波を取得する脈波センサを備え、この脈波センサから得られた脈波データを処理して、脈波の一周期の時間間隔である脈拍間隔を検出する。第1の検出部1が被験者の脈拍間隔を検出する具体的方法としては、例えば特許文献1に記載されている方法を用いることができる。なお、特許文献1に記載されている方法以外であっても、脈波の一周期の時間間隔である脈拍間隔を検出できる方法であれば、どのような方法を採用してもよい。
生成部2は、第1の検出部1により検出された脈拍間隔の時系列データを生成する。ここで、第1の検出部1が特許文献1に記載されている方法を用いて脈拍間隔を検出した場合、第1の検出部1の出力は、不等間隔データである。第1の検出部1が検出した脈拍間隔をバッファなどにためることにより、生成部2は時系列データを生成する。
第1の除去部3は、生成部2により生成された時系列データから、脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去する。また、第2の除去部4は、第1の除去部3によって呼吸性変動成分が除去された時系列データから、脈拍間隔の血圧性変動成分を除去する。
図2は、生成部2により生成される時系列データの波形の特徴を表した模式図である。図2(A)は、脈拍間隔の各点と時系列データに特徴的な周波数成分との関係を示しており、図2(B)は、時系列データを補間、再サンプリングし、等間隔にしたものを、周波数解析した結果を示している。これらの図に示すように、生成部2により生成される時系列データは、2つの特徴的な周波数成分を持つ。このうち、0.2Hzから0.35Hz付近にある周波数成分は、脈拍間隔の呼吸性の変動成分である。呼吸に伴い、脈拍間隔は、図2(A)の点線のように変動する。また、図2(B)の0.04Hzから0.15Hz付近にある周波数成分は、脈拍間隔の血圧性の変動成分である。血圧の変化に伴い、脈拍間隔は、図2(A)の実線のように変動する。
第1の除去部3は、例えば、生成部2により生成された時系列データから、脈拍間隔の呼吸性変動が表れる0.2Hzから0.35Hz付近の周波数成分を除去するフィルタ処理を行うことで、脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去することができる。また、第1の除去部3は、生成部2により生成された時系列データの振幅の極小値または極大値を出力する処理を行うことで、時系列データから脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去するようにしてもよい。
また、第2の除去部4は、例えば、第1の除去部3によって脈拍間隔の呼吸性変動成分が除去された時系列データから、脈拍間隔の血圧性変動が表れる0.04Hzから0.15Hz付近の周波数成分を除去するフィルタ処理を行うことで、脈拍間隔の血圧性変動成分を除去することができる。
分類部5は、時系列データに含まれる脈拍間隔のそれぞれが検出された時点(観測点)の被験者の状態を、睡眠状態と覚醒状態とに分類する。分類部5は、時系列データに含まれる脈拍間隔のうち、注目する脈拍間隔が時系列データの中で相対的に長い場合、その脈拍間隔が検出された時点の被験者の状態を睡眠状態と分類し、注目する脈拍間隔が時系列データの中で相対的に短い場合、その脈拍間隔が検出された時点の被験者の状態を覚醒状態と分類する。人が睡眠状態にある場合、脈拍間隔は、覚醒状態にあるときと比べて長くなる傾向がある。分類部5は、この脈拍間隔の相対的な長短関係に基づいて、脈拍間隔が相対的に長い場合を睡眠状態、脈拍間隔が相対的に短い場合を覚醒状態と分類する。相対的な長短関係は、例えば、クラスタリングにより決定する。具体的には、分類部5は、時系列データに含まれる脈拍間隔の各点をK−平均アルゴリズムを用いて2つのクラスタに分類し、各クラスタの重心を算出し、重心の値が大きい方のクラスタに属する点を睡眠状態、重心の値が小さい方のクラスタに属する点を覚醒状態と分類する。なお、クラスタリングの方法は、FM法、エントリピー法などを用いてもよい。
また、分類部5は、クラスタリング以外の方法で、時系列データに含まれる脈拍間隔の相対的な長短関係を決定してもよい。例えば、予め複数人の脈拍間隔の時系列データから、統計的に、脈拍間隔の平均値と閾値との関係を求めたデータベースを作成しておき、このデータベースに基づいて閾値を求めて、閾値との関係より長短関係を決定してもよい。また、数日間の個人の脈拍間隔の時系列データより、同様のデータベースを作成しておき、このデータベースに基づいて閾値を求めて、閾値との関係より長短関係を決定してもよい。
本実施形態では、分類部5は、第1の除去部3によって脈拍間隔の呼吸性変動成分が除去され、さらに第2の除去部4によって脈拍間隔の血圧性変動成分が除去された時系列データを処理対象とし、この時系列データに含まれる脈拍間隔の各観測点における被験者の状態を睡眠状態と覚醒状態に分類することで、精度のよい分類を行えるようにしている。
図3は、日中に行われた実験により得られた被験者の脈拍間隔の時系列データの一例を示している。図3(A)は、生成部2により生成された時系列データであり、図3(B)は、生成部2により生成された時系列データから、第1の除去部3により脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去し、さらに、第2の除去部4により脈拍間隔の血圧性変動成分を除去した後の時系列データである。
分類部5が、図3(A)のような時系列データに含まれる脈拍間隔の各観測点における被験者の状態を睡眠状態と覚醒状態とに分類した場合、時系列データに含まれる脈拍間隔が呼吸や血圧の影響を受けて変動しているため、特に分類の境界付近では、睡眠状態、覚醒状態の分類を誤ることが多かった。これに対して、分類部5が、図3(B)に示すような時系列データ、つまり、脈拍間隔の呼吸性変動成分と血圧性変動成分とを除去した後の時系列データに含まれる脈拍間隔の各観測点における被験者の状態を睡眠状態と覚醒状態とに分類するようにすることで、境界付近での変動が少なくなるため、睡眠状態、覚醒状態の分類誤りを大幅に低減することができる。
なお、分類部5が処理対象とする時系列データは、上記のように脈拍間隔の呼吸性変動成分や血圧性変動成分を除去した時系列データに限定されるものではなく、分類の境界付近での脈拍間隔の変動を低減できる何らかの処理を施した時系列データを用いるようにしてもよい。この場合も、脈拍間隔の呼吸性変動成分や血圧性変動成分を除去した時系列データを用いた場合と同様に、精度のよい分類を行うことができる。また、分類に対する誤差がある程度許容される場合には、生成部2により生成された時系列データそのものを処理対象として、分類部5による睡眠状態と覚醒状態の分類を行うようにしてもよい。
人の生理現象は、おおよそ24時間のリズムをもって変動しており(概日リズム)、脈拍もおおよそ24時間の周期成分をもっている。図4は、夜に長い睡眠を摂取する人の脈拍間隔の日内変動を示す模式図である。脈拍間隔は、深夜に長くなり、日中に短い傾向があるが、日中内でも変動がある。このような脈拍間隔の日内変動が分類部5の分類結果に影響を及ぼすことを防止するため、分類部5は、脈拍間隔の日内変動が所定値未満となる時間(例えば90分から120分)を上限とした時間間隔ごとに、時系列データに含まれる脈拍間隔の相対的な長短関係に基づいた分類を行うことが望ましい。時系列データ全体の時間が、分類部5による処理の時間間隔の上限として定めた時間(例えば90分から120分)を越える場合は、上限とした時間の解析区間窓を作り、解析区間窓を移動させながら、逐次的に処理を行うようにすればよい。解析区間窓を移動させる際、前回処理を行った解析区間窓と、次に処理を行う解析区間窓は重複する区間があっても差し支えない。
このように、分類部5が処理する時系列データの時間間隔に上限を設けることにより、脈拍間隔の日内変動の影響を軽減して、より精度のよい分類を行うことができる。
第2の検出部6は、脈拍間隔の時系列データの中で、脈拍間隔が第1の所定時間内に短縮した後、第2の所定時間内に増長(回復)している部分を「覚醒反応」として検出する。具体的には、第2の検出部6は、時系列データに含まれる脈拍間隔の時間変化を分析し、例えば、脈拍間隔が2秒以内に所定の閾値(例えば50ミリ秒)以上短縮し、短縮後3秒以内に回復している部分を「覚醒反応」として検出する。なお、第2の検出部6は、このような閾値を用いた検出に限らず、「覚醒反応」が生じた場合の典型的な脈拍間隔の変動のパターンを予め定めておき、この予め定めたパターンを用いて時系列データに対するパターンマッチングなどを行い、予め定めたパターンとの相関の高かった部分を「覚醒反応」として検出するようにしてもよい。
本実施形態にかかる睡眠計測装置は、上述したように、「覚醒反応」が頻繁に見られる比較的短時間の睡眠の計測を目的としている。図5は、被験者が「覚醒反応」を起こしたときに記録された脈拍間隔の時系列データの一例である。図5に示すように、「覚醒反応」時に、時系列データに含まれる脈拍間隔は、短時間のうちに短縮し、回復する。「覚醒反応」時に起こる脈拍間隔の短縮と回復は、短縮に概ね1秒から2秒程度、回復に概ね1秒から3秒を要する。
図6は、「覚醒反応」と脈拍間隔の変動との関係を検証するための実験の結果を示す図である。実験時、被験者の脈拍間隔と同時に脳波を取得し、アルファ波の出現量により「覚醒反応」を検出した。アルファ波は、眠気や睡眠により減衰することが一般に知られている。図6(A)は、実験時に得られた被験者のアルファ波の出現量を示しており、図6(B)は、被験者の脈拍間隔の時系列データを示しており、図6(C)は、被験者の体動量を示している。実験は、普段夜に長時間の睡眠を摂取する被験者に対し、日中に行われ、被験者の脳波、脈波と加速度を取得した。アルファ波の出現量は、得られた脳波を10秒ごとに周波数解析することにより求め、体動量は、加速度の一分間の積分値とした。
脳波のアルファ波は、睡眠、覚醒と相関があることが一般に知られており、AATテスト(Alpha Attenuation Test)などが眠気の指標として用いられている。図6においても、アルファ波の出現量と脈拍間隔の間には相関がみられることが分かる。図6(A)の10分から25分の間、アルファ波は減衰し、被験者は睡眠状態であると考えられるが、その間、何度かアルファ波の出現量が短時間増加し、「覚醒反応」があることが分かる。このとき図6(B)においても、脈拍間隔の短時間の短縮と回復がみられる。また、図6(C)において、図6(A)および図6(B)で「覚醒反応」が検出されても、体動が出現していない場合があり、体動を伴わない「覚醒反応」があることが確認できる。
本実施形態にかかる睡眠計測装置は、第2の検出部6が、時系列データにおける脈拍間隔の短時間の短縮と回復を捉えて「覚醒反応」を検出することにより、体動を伴わないような「覚醒反応」も的確に検出することができる。
また、本実施形態では、第2の検出部6は、第1の除去部3によって脈拍間隔の呼吸性変動成分が除去された時系列データを処理対象とし、この時系列データから「覚醒反応」を検出することで、検出に要する処理負荷を低減しながら、「覚醒反応」を的確に検出できるようにしている。
図7は、脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去した時系列データの一例であり、図5に示した時系列データから、振幅の極小値を抽出する方法で脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去したものである。図7に示すように、呼吸性変動成分を除去しても、「覚醒反応」の特徴が残っていることが確認できる。
脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去した時系列データから「覚醒反応」を検出する場合、第2の検出部6は、例えば図8に示すように、呼吸性変動成分除去後の時系列データの一次微分を算出し、予め定めた負の閾値(例えば40ミリ秒)以下の極小値と、この極小値から予め定めた時間範囲内(例えば3秒以内)にある極大値との振幅が、予め定めた閾値(例えば50ミリ秒)以上となる部分を「覚醒反応」として検出すればよい。なお、「覚醒反応」の検出方法はこれに限定されるものではなく、上述したように、パターンマッチングなどの方法を用いて「覚醒反応」を検出するようにしてもよい。
本実施形態のように、第1の除去部3によって脈拍間隔の呼吸性変動成分が除去された時系列データを用いて第2の検出部6が「覚醒反応」を検出する構成とすることで、「覚醒反応」の特徴を残しつつ、計算に用いるデータ量を減らし、睡眠計測装置の処理にかかる負担を軽減することができる。なお、睡眠計測装置の演算能力に十分な余裕がある場合には、第2の検出部6は、生成部2により生成された時系列データを用いて「覚醒反応」を検出することも可能である。
補正部7は、分類部5の分類結果を、第2の検出部6の出力をもとに補正する。具体的には、補正部7は、時系列データの中で第2の検出部6により「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点における被験者の状態が、分類部5によって睡眠状態と分類されている場合に、その時点の分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正する。この補正部7による補正後の分類結果が、本実施形態にかかる睡眠計測装置による計測結果として出力される。これにより、日中等に摂取する比較的短時間の睡眠に特徴的な「覚醒反応」も含めた正確な睡眠の判定が可能となる。
被験者に「覚醒反応」があった場合、上述したように、被験者の脈拍間隔には短時間のうちに短縮して回復するという特徴が表れるが、短縮の程度によっては分類部5による分類結果が睡眠状態となる場合がある。特に、分類精度の向上のために、分類部5が、脈拍間隔の呼吸性変動成分と血圧性変動成分とを除去した後の時系列データを用いて睡眠状態と覚醒状態の分類を行う場合、「覚醒反応」の特徴が時系列データに表れず、「覚醒反応」があった時点の分類結果が睡眠状態となることが多い。そこで、この「覚醒反応」を第2の検出部6により検出し、第2の検出部6により「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点における被験者の状態が分類部5によって睡眠状態と分類されている場合は、補正部7が、その時点の分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正するようにしている。
図9は、本実施形態にかかる睡眠計測装置の処理の流れを示すフローチャートである。処理が開始されると、まず、第1の検出部1が、被験者の脈拍間隔を検出する(ステップS101)。そして、生成部2が、第1の検出部1により検出された脈拍間隔の時系列データを生成する(ステップS102)。この時系列データは、第1の除去部3により呼吸性変動成分が除去され、さらに第2の除去部4により血圧性変動成分が除去されて、分類部5に入力される。また、呼吸性変動成分が除去された時系列データは、第2の検出部6に入力される。
次に、分類部5が、入力した時系列データから分類の対象となる脈拍間隔を抽出する(ステップS103)。そして、抽出した脈拍間隔が時系列データに含まれる全ての脈拍間隔の中で相対的に短いか否かを判定する(ステップS104)。ここで、脈拍間隔が相対的に短いと判定した場合(ステップS104:Yes)、分類部5は、この脈拍間隔が検出された時点の被験者の状態を覚醒状態と分類する(ステップS105)。一方、脈拍間隔が相対的に長いと判定した場合(ステップS104:No)、分類部5は、この脈拍間隔が検出された時点の被験者の状態を睡眠状態と分類する(ステップS106)。
その後、分類部5は、入力した時系列データに含まれる全ての脈拍間隔についての分類が終了したか否かを判定し(ステップS107)、分類を行っていない脈拍間隔があれば(ステップS107:No)、ステップS103に戻って処理を繰り返す。そして、入力した時系列データに含まれる全ての脈拍間隔についての分類が終了したら(ステップS107:Yes)、分類結果を補正部7に出力する。
次に、第2の検出部6が、入力した時系列データに含まれる脈拍間隔の時間変化を分析し、時系列データに、脈拍間隔が第1の所定時間(例えば2秒)内に短縮した後、第2の所定時間(例えば3秒)内に増長(回復)している部分があれば、その部分を「覚醒反応」として検出する(ステップS108)。そして、第2の検出部6は、検出結果を補正部7に出力する。
次に、補正部7が、分類部5から入力した分類結果と第2の検出部6から入力した検出結果とを照合し、第2の検出部6によって「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果が睡眠状態となっているものがあるか否かを判定する(ステップS109)。そして、補正部7は、第2の検出部6によって「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果が睡眠状態となっているものがあれば(ステップS109:Yes)、その分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正して(ステップS110)、補正後の分類結果を計測結果として出力する。一方、第2の検出部6によって「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果が睡眠状態となっているものがなければ(ステップS109:No)、分類部5の分類結果をそのまま計測結果として出力する。
以上のように、本実施形態にかかる睡眠計測装置によれば、日中等に摂取する比較的短時間の睡眠に特徴的な「覚醒反応」を的確に検出し、この「覚醒反応」を反映させた計測結果を出力することができる。したがって、この睡眠計測装置の計測結果を用いることで、比較的短時間の睡眠に特徴的な「覚醒反応」も含めた正確な睡眠の判定が可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。人は、日中等に眠気を生じ、覚醒時であっても、瞬間的に眠ってしまうことがしばしばある。この瞬間的な眠りを「瞬眠」と呼ぶ。本実施形態にかかる睡眠計測装置は、「覚醒反応」に加えて「瞬眠」も的確に検出して、計測結果に反映できるようにしたものである。
図10は、第2の実施形態にかかる睡眠計測装置の全体構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる睡眠計測装置は、第1の実施形態にかかる睡眠計測装置の構成に加えて、第3の検出部8を備えた構成となっている。なお、以下では、第1の実施形態と共通または対応する構成については同一または類似の符号を付して、重複した説明は省略する。
第3の検出部8は、脈拍間隔の時系列データの中で、脈拍間隔が第3の所定時間内に増長した後、第4の所定時間内に短縮(回復)している部分を「瞬眠」として検出する。具体的には、第3の検出部8は、時系列データに含まれる脈拍間隔の時間変化を分析し、例えば、脈拍間隔が2秒以内に所定の閾値(例えば40ミリ秒)以上増長し、増長後15秒以内に回復している部分を「瞬眠」として検出する。なお、第3の検出部8は、このような閾値を用いた検出に限らず、「瞬眠」が生じた場合の典型的な脈拍間隔の変動のパターンを予め定めておき、この予め定めたパターンを用いて時系列データに対するパターンマッチングなどを行い、予め定めたパターンとの相関の高かった部分を「瞬眠」として検出するようにしてもよい。
図11は、被験者が「瞬眠」を起こしたときに記録された脈拍間隔の時系列データの一例である。図11に示すように、「瞬眠」時に、時系列データに含まれる脈拍間隔は、短時間のうちに増長し、回復する。「瞬眠」時に起こる脈拍間隔の増長には概ね1秒から2秒を要し、増長が3秒から15秒続いた後に回復する。
図6(B)に示した脈拍間隔の時系列データから分かるように、「瞬眠」による脈拍間隔の増長は比較的小さいため、「瞬眠」が起きたときの分類部5による分類結果が睡眠状態とならない場合がある。特に、分類精度の向上のために、分類部5が、脈拍間隔の呼吸性変動成分と血圧性変動成分とを除去した後の時系列データを用いて睡眠状態と覚醒状態の分類を行う場合、「瞬眠」の特徴が時系列データに表れず、「瞬眠」があった時点の分類結果が覚醒状態となることが多い。そこで、本実施形態にかかる睡眠計測装置は、第3の検出部8が、時系列データにおける脈拍間隔の短時間の増長と回復を捉えて「瞬眠」を検出することで、分類部5で睡眠状態と分類されない「瞬眠」も的確に検出できるようにしている。
また、本実施形態では、第3の検出部8は、検出に要する処理負荷の低減を図るため、第1の実施形態で説明した第2の検出部6と同様に、第1の除去部3によって脈拍間隔の呼吸性変動成分が除去された時系列データを処理対象とし、この時系列データから「瞬眠」を検出するようにしている。
図12は、脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去した時系列データの一例であり、図11に示した時系列データから、振幅の極小値を抽出する方法で脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去したものである。図12に示すように、呼吸性変動成分を除去しても、「瞬眠」の特徴が残っていることが確認できる。
脈拍間隔の呼吸性変動成分を除去した時系列データから「瞬眠」を検出する場合、第3の検出部8は、例えば図13(A)に示すように、呼吸性変動成分除去後の時系列データの一次微分を算出し、一次微分後の値が、予め定めた正の閾値(例えば40ミリ秒)以上となる点を検出する。さらに、図13(B)に示すように、一次微分後の値が閾値以上となる点を構成する一次微分前の脈拍間隔のうち、観測された時間の早いほうの脈拍間隔の値に、予め定めた正の値(例えば5ミリ秒)を加えた値を閾値として設定し、この閾値以下の脈拍間隔が、閾値の基準として用いた脈拍間隔が観測されてから予め定めた時間範囲内(例えばその観測点から3秒から15秒以内)に存在する場合に、その部分を「瞬眠」として検出する。
すなわち、呼吸性変動成分を除去した時系列データのn番目の脈拍間隔をα(n)とした場合(図13(B)参照)、一次微分後の点は、α(n)−α(n−1)となる(図13(A)参照)。ここで、α(n)−α(n−1)が予め定めた正の閾値(例えば40ミリ秒)以上となった場合で、かつ、呼吸性変動成分を除去した時系列データに含まれる脈拍間隔において、α(n)から予め定めた時間範囲内(例えばその観測点から3秒から15秒以内)に、α(n−1)に予め定めた正の値(例えば5ミリ秒)を加えた値以下の脈拍間隔が存在する場合、α(n)からその脈拍間隔までの部分を「瞬眠」として検出する。なお、予め定めた時間範囲内に、α(n−1)に予め定められた正の値を加えた値以下となる点が複数存在する場合は、α(n)が観測された時刻に最も近い点までを「瞬眠」として検出する。なお、「瞬眠」の検出方法はこれに限定されるものではなく、上述したように、パターンマッチングなどの方法を用いて「瞬眠」を検出するようにしてもよい。
このように、第1の除去部3によって脈拍間隔の呼吸性変動成分が除去された時系列データを用いて第3の検出部8が「瞬眠」を検出する構成とすることで、「瞬眠」の特徴を残しつつ、計算に用いるデータ量を減らし、睡眠計測装置の処理にかかる負担を軽減することができる。なお、睡眠計測装置の演算能力に十分な余裕がある場合には、第3の検出部8は、生成部2により生成された時系列データを用いて「瞬眠」を検出することも可能である。
本実施形態における補正部7’は、分類部5の分類結果を、第2の検出部6の出力および第3の検出部8の出力をもとに補正する。具体的には、補正部7’は、時系列データの中で第2の検出部6により「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点における被験者の状態が、分類部5によって睡眠状態と分類されている場合に、その時点の分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正する。また、補正部7’は、時系列データの中で第3の検出部8により「瞬眠」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点における被験者の状態が、分類部5によって覚醒状態と分類されている場合に、その時点の分類結果を覚醒状態から睡眠状態に補正する。この補正部7’による補正後の分類結果が、本実施形態にかかる睡眠計測装置による計測結果として出力される。これにより、日中等に摂取する比較的短時間の睡眠に特徴的な「覚醒反応」および「瞬眠」も含めた正確な睡眠の判定が可能となる。
図14は、本実施形態にかかる睡眠計測装置の処理の流れを示すフローチャートである。図14のフローチャートにおいて、ステップS201からステップS207までの処理は、第1の実施形態で説明した図9のフローチャートのステップS101からステップS107までの処理と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態にかかる睡眠計測装置では、第1の除去部3によって呼吸性変動成分が除去された時系列データが、第2の検出部6と第3の検出部8とに入力される。そして、第2の検出部6が、入力した時系列データから「覚醒反応」を検出する(ステップS208)のに加えて、第3の検出部8が、入力した時系列データから「瞬眠」を検出する(ステップS209)。
第3の検出部8は、入力した時系列データに含まれる脈拍間隔の時間変化を分析し、時系列データに、脈拍間隔が第3の所定時間(例えば2秒)内に増長した後、第4の所定時間(例えば15秒)内に短縮(回復)している部分があれば、その部分を「瞬眠」として検出する。そして、第3の検出部8は、検出結果を補正部7’に出力する。
次に、補正部7’が、分類部5から入力した分類結果と第2の検出部6から入力した検出結果とを照合し、第2の検出部6によって「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果が睡眠状態となっているものがあるか否かを判定する(ステップS210)。そして、補正部7’は、第2の検出部6によって「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果が睡眠状態となっているものがあれば(ステップS210:Yes)、その分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正して(ステップS211)、ステップS212に処理を移行する。一方、第2の検出部6によって「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果が睡眠状態となっているものがなければ(ステップS210:No)、そのままステップS212に処理を移行する。
次に、補正部7’は、分類部5から入力した分類結果と第3の検出部8から入力した検出結果とを照合し、第3の検出部8によって「瞬眠」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果が覚醒状態となっているものがあるか否かを判定する(ステップS212)。そして、補正部7’は、第3の検出部8によって「瞬眠」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果が覚醒状態となっているものがあれば(ステップS212:Yes)、その分類結果を覚醒状態から睡眠状態に補正して(ステップS213)、補正後の分類結果を計測結果として出力する。一方、第3の検出部8によって「瞬眠」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果が覚醒状態となっているものがなければ(ステップS212:No)、「覚醒反応」の部分の補正があった場合はその補正後の分類結果を計測結果として出力し、なければ分類部5の分類結果をそのまま計測結果として出力する。
以上のように、本実施形態にかかる睡眠計測装置によれば、日中等に摂取する比較的短時間の睡眠に特徴的な「覚醒反応」に加えて「瞬眠」についても的確に検出し、これら「覚醒反応」や「瞬眠」を反映させた計測結果を出力することができる。したがって、この睡眠計測装置の計測結果を用いることで、比較的短時間の睡眠に特徴的な「覚醒反応」や「瞬眠」も含めた正確な睡眠の判定が可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態にかかる睡眠計測装置は、被験者の体動を検出して、計測結果に反映させるようにしたものである。
図15は、第3の実施形態にかかる睡眠計測装置の全体構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる睡眠計測装置は、第2の実施形態にかかる睡眠計測装置の構成に加えて、第4の検出部9を備えた構成となっている。なお、以下では、第2の実施形態と共通または対応する構成については同一または類似の符号を付して、重複した説明は省略する。
第4の検出部9は、内部に被験者の動きを捉えることのできるセンサを備え、センサの出力値が予め定めた閾値以上となったとき、体動として検出する。被験者の動きを捉えることのできるセンサとは、具体的には、加速度センサや、ジャイロセンサなど、振動や位置の変化を捉えるセンサである。
本実施形態における補正部7’’は、分類部5の分類結果を、第2の検出部6の出力と、第3の検出部8の出力と、第4の検出部9の出力とに基づいて補正する。具体的には、補正部7’’は、時系列データの中で第2の検出部6により「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点における被験者の状態が、分類部5によって睡眠状態と分類されている場合に、その時点の分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正する。また、補正部7’’は、時系列データの中で第3の検出部8により「瞬眠」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点における被験者の状態が、分類部5によって覚醒状態と分類されている場合に、その時点の分類結果を覚醒状態から睡眠状態に補正する。さらに、補正部7’’は、時系列データの中で第4の検出部9により体動が検出された時刻と一致する部分に含まれる脈拍間隔の観測点における被験者の状態が、分類部5によって睡眠状態と分類されている場合、または、前記補正の過程で、第3の検出部8により「瞬眠」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点における被験者の状態が、分類部5によって覚醒状態と分類されたために、その時点の分類結果を覚醒状態から睡眠状態と補正した場合において、この睡眠状態に補正した脈拍間隔の観測点が第4の検出部9により体動が検出された時刻と一致する場合に、その時点の分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正する。この補正部7’’による補正後の分類結果が、本実施形態にかかる睡眠計測装置による計測結果として出力される。
図16は、体動が生じたときに観測された脈拍間隔の一例であり、図16(A)は、脈拍間隔の時系列データ、図16(B)は体動量をそれぞれ示している。体動が生じた場合、脈拍間隔は乱れ、分類部5では、睡眠状態と覚醒状態の分類が正しく行えない可能性がある。また、体動が生じたときの時系列データの波形は「覚醒反応」や「瞬眠」が起きた場合とも似た波形になることがあるため、体動が生じた場合には、体動をもって覚醒状態であると補正することで、体動による脈拍間隔の乱れの影響を軽減することができる。
図17は、本実施形態にかかる睡眠計測装置の処理の流れを示すフローチャートである。図17のフローチャートにおいて、ステップS302からステップS313までの処理は、第2の実施形態で説明した図14のフローチャートのステップS202からステップS213までの処理と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態にかかる睡眠計測装置では、処理が開始されると、まず、第1の検出部1が被験者の脈拍間隔を検出するとともに、第4の検出部9が、被験者の体動を検出する(ステップS301)。その後、ステップS302からステップS313まで、第2の実施形態と同様の処理を行い、第2の検出部6によって「覚醒反応」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点が睡眠状態と分類されていれば、補正部7’’がその分類結果を覚醒状態に補正し、第3の検出部8によって「瞬眠」として検出された部分に含まれる脈拍間隔の観測点が覚醒状態と分類されていれば、補正部7’’がその分類結果を睡眠状態に補正する。
そして、本実施形態ではさらに、補正部7’’が、分類部5から入力した分類結果と第4の検出部9による被験者の体動の検出結果とを照合し、時系列データの中で、第4の検出部9によって被験者の体動が検出された時刻と一致する部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類部5による分類結果と、前述の補正部7’’の補正結果とにおいて睡眠状態となっているものがあるか否かを判定する(ステップS314)。そして、補正部7’’は、時系列データの中で、第4の検出部9によって被験者の体動が検出された時刻と一致する部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類結果が睡眠状態となっているものがあれば(ステップS314:Yes)、その分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正して(ステップS315)、補正後の分類結果を計測結果として出力する。一方、時系列データの中で、第4の検出部9によって被験者の体動が検出された時刻と一致する部分に含まれる脈拍間隔の観測点のうち、分類結果が睡眠状態となっているものがなければ(ステップS314:No)、分類結果をそのまま計測結果として出力する。
以上のように、本実施形態にかかる睡眠計測装置によれば、日中等に摂取する比較的短時間の睡眠に特徴的な「覚醒反応」に加えて「瞬眠」についても的確に検出し、さらに体動による脈拍間隔の乱れの影響を軽減して、より正確な計測結果を出力することができる。したがって、この睡眠計測装置の計測結果を用いることで、比較的短時間の睡眠に特徴的な「覚醒反応」や「瞬眠」も含めた睡眠の判定をより正確に行うことが可能となる。
図18は、本実施形態にかかる睡眠計測装置を用いて睡眠計測を行った結果の一例を示す図である。図18(A)は、被験者の脈拍間隔の時系列データの一例を示し、図18(B)は、図18(A)の時系列データに対して分類部5による分類を行った結果を示し、図18(C)は、補正部7’’による補正後の計測結果を示している。また、図18(D)は、被験者の睡眠と覚醒を脳波から判定した結果を比較対象として示している。先に説明したように、脳波のアルファ波の出現量と被験者の睡眠覚醒状態とは相関関係があるため、図18(D)の睡眠覚醒判定は、脳波より10秒ごとにアルファ波成分を算出し、アルファ波の出現量が多い場合を覚醒、アルファ波の出現量が少ない場合を睡眠とした。
図18(C)と図18(D)との比較により明らかなように、本実施形態にかかる睡眠計測装置を用いることによって、脈拍間隔を用いた簡単な計測であっても、脳波を用いた手法と高く相関し、正確な睡眠計測が可能であることが分かる。
図19は、上述した第1乃至第3の実施形態にかかる睡眠計測装置の外観の一例を示す図である。第1の検出部1の内部にある脈波センサは、例えば、光電式脈波センサや圧脈波センサを用い、人の皮膚に接触するように設置される。図19では腕時計型に構成された睡眠計測装置の例であるが、装着する部位は、脈波が取得できる部位ならどこでもよく、形状も腕時計型に限ったものではない。
また、図19に例示した睡眠計測装置の筐体内部に通信装置を内蔵し、PCなどと通信する構成としてもよい。その場合は、脈波センサで取得した脈波データや、第4の検出部9内部のセンサで取得した体動データをPCなどに送信し、受信したデータをPC上で処理することにより、睡眠計測を行うことができる。
ところで、人の脈拍は、心臓が血液を送り出し、動脈に血液が流れこむことで生じるものであり、脈拍間隔と心拍間隔との間には相関がある。そのため、上述した第1乃至第3の実施形態にかかる睡眠計測装置は、脈拍間隔の代わりに心拍間隔を用いて睡眠計測を行うことができる。また、脈拍間隔、心拍間隔の逆数より求められる瞬時脈拍数、瞬時心拍数を用いて睡眠計測を行うこともできる。心拍間隔、瞬時心拍数を用いる場合は、第1の検出部1は、内部に脈波センサの代わりに心電計を備え、心電計より心拍間隔、瞬時心拍数を検出する。
第1検出部1が、瞬時脈拍数または瞬時心拍数を出力する場合、瞬時脈拍数、瞬時心拍数は、脈拍間隔、心拍間隔の逆数となっていることから、分類部5での睡眠状態と覚醒状態の分類に用いる長短関係が逆になる。また、第2の検出部6が検出する「覚醒反応」の特徴波形や、第3の検出部8が検出する「瞬眠」の特徴波形も逆転する。そのため、瞬時脈拍数または瞬時心拍数を用いて睡眠計測を行う場合には、第2の検出部6や第3の検出部8で用いる閾値やパターンの極性などを変更して対応する。これにより、脈拍間隔や心拍間隔を用いる場合と同様に、睡眠計測を行うことが可能となる。
脈拍や心拍、体動の計測は、脳波計測のように大掛かりな装置は必要としない。したがって、第1乃至第3の実施形態にかかる睡眠計測装置を用いることで、被験者の負担を軽減し、日常生活下での簡単な睡眠計測が可能となる。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、第1乃至第3の実施形態にかかる睡眠計測装置によれば、被験者が長時間眠ることを意識しない日中等の睡眠計測を適切に行うことができ、不眠を訴える被験者が短時間の睡眠を多く摂取している場合は睡眠指導に役立てることができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述した各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 第1の検出部
2 生成部
3 第1の除去部
4 第2の除去部
5 分類部
6 第2の検出部
7 補正部
7’ 補正部
7’’ 補正部
8 第3の検出部
9 第4の検出部

Claims (9)

  1. 被験者の脈拍または心拍の間隔を検出する第1の検出部と、
    前記間隔の時系列データを生成する生成部と、
    前記時系列データに含まれる前記間隔のそれぞれが検出された時点の被験者の状態を、前記間隔が前記時系列データの中で相対的に長い睡眠状態と、前記間隔が前記時系列データの中で相対的に短い覚醒状態とに分類する分類部と、
    前記時系列データの中で前記間隔が第1の所定時間内に短縮した後、第2の所定時間内に増長している部分を覚醒反応として検出する第2の検出部と、
    前記時系列データの中で前記覚醒反応として検出された部分に含まれる時点の被験者の状態が睡眠状態と分類されている場合に、該時点の分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正する補正部と、を備えることを特徴とする睡眠計測装置。
  2. 前記時系列データの中で前記間隔が第3の所定時間内に増長した後、第4の所定時間内に短縮している部分を瞬眠として検出する第3の検出部を備え、
    前記補正部は、前記時系列データの中で前記瞬眠として検出された部分に含まれる時点の被験者の状態が覚醒状態と分類されている場合に、該時点の分類結果を覚醒状態から睡眠状態に補正することを特徴とする請求項1に記載の睡眠計測装置。
  3. 被験者の体動を検出する第4の検出部を備え、
    前記補正部は、前記時系列データの中で前記第4の検出部により体動が検出された時刻と一致する部分に含まれる時点の被験者の状態が睡眠状態と分類されている場合に、該時点の分類結果を睡眠状態から覚醒状態に補正することを特徴とする請求項1または2に記載の睡眠計測装置。
  4. 前記時系列データから前記間隔の呼吸性変動成分を除去する第1の除去部を備え、
    前記第2の検出部は、前記呼吸性変動成分が除去された前記時系列データから前記覚醒反応を検出することを特徴とする請求項1に記載の睡眠計測装置。
  5. 前記時系列データから前記間隔の呼吸性変動成分を除去する第1の除去部を備え、
    前記第3の検出部は、前記呼吸性変動成分が除去された前記時系列データから前記瞬眠を検出することを特徴とする請求項2に記載の睡眠計測装置。
  6. 前記時系列データから前記間隔の呼吸性変動成分を除去する第1の除去部と、
    前記呼吸性変動成分が除去された前記時系列データから前記間隔の血圧性変動成分を除去する第2の除去部と、を備え、
    前記分類部は、前記呼吸性変動成分および前記血圧性変動成分が除去された前記時系列データに含まれる前記間隔のそれぞれが検出された時点の被験者の状態を覚醒状態と睡眠状態とに分類することを特徴とする請求項1に記載の睡眠計測装置。
  7. 前記第1の除去部は、前記時系列データから前記間隔の呼吸性変動が表れる周波数成分を除去するフィルタ処理、または、前記時系列データの振幅の極小値または極大値を出力する処理を行うことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の睡眠計測装置。
  8. 前記第2の除去部は、前記呼吸性変動成分が除去された前記時系列データから前記間隔の血圧性変動が表れる周波数成分を除去するフィルタ処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の睡眠計測装置。
  9. 前記分類部は、前記間隔の日内変動が所定値未満となる時間を上限とした時間間隔ごとに、前記時系列データに含まれる前記間隔のそれぞれが検出された時点の被験者の状態を覚醒状態と睡眠状態とに分類することを特徴とする請求項1に記載の睡眠計測装置。
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