JP5209225B2 - ポリウレタン発泡体 - Google Patents
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〔1〕 分子量400未満の〔ポリオール(A−1)〕及び分子量400以上の〔ポリオール(A−2)〕を含有するポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタンの発泡体であって、平均気泡径が1.0μm以下の微細気泡を有するコア部とスキン層からなるポリウレタン発泡体、
〔2〕 〔ポリオール(A−1)〕及び〔ポリオール(A−2)〕を含有するポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)との反応生成樹脂内に、加圧状態で気体を溶解させた後、該加圧を開放して前記樹脂中に気泡を発生させる、前記〔1〕記載のポリウレタン発泡体の製造方法、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載のポリウレタン発泡体からなる光反射体
に関する。
ポリウレタンとしては、特に制限されず、分子中にウレタン結合(−NH−COO−)、尿素結合、ビュレット結合、アロファネート結合等を有する従来公知のポリウレタン樹脂が挙げられるが、中でも、押し出しや加工の容易性の観点から、熱可塑性樹脂として使用するポリウレタン樹脂として、熱可塑性ポリウレタン樹脂(thermoplastic polyurethane:TPU)が好ましい。
分子量=56100÷x (A)
により算出することができる。
<測定条件>
測定周波数 10Hz
昇温速度 2℃/min
最小張力 200mN
目標振幅 10μm
張力圧縮力ゲイン 1.5
本発明のポリウレタン発泡体の製造方法は、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を反応させて得られる熱可塑性樹脂含有組成物に、加圧状態で気体を溶解させた後、該加圧を開放して前記組成物中に気泡を発生させる工程を含む方法であり、その他の工程や条件等は何ら制限されない。前記方法により、本発明の発泡体は、発泡体1cm3あたりに1×1010個以上の微細気泡を有するコア部と、発泡体の表面及び表面近傍に形成される無発泡部分、あるいは切断面の単位面積(100μm2)あたりのセル数が最も多いコア部の箇所と比較して1/100以下のセル数しか発泡しない部分からなるスキン層とによって構成される。
かくして得られる本発明のポリウレタン発泡体における微細気泡の平均気泡径は、特に制限されないが、強度、制振性、衝撃吸収性及び断熱性等の効果が期待できることから、1.0μm以下、好ましくは0.01〜0.8μmであり、より好ましくは0.01〜0.5μmである。また、気泡径分布の標準偏差は、0.4μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0.20μm以下であることがさらに好ましい。前記平均気泡径は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。なお、本発明の発泡体において「気泡」とは、当該技術分野において「セル」ともいう。発泡体は、通常、空洞になった気泡とそれらを仕切る隔膜から構成されるが、本発明における気泡は、断熱、防音の観点から、個々の気泡が完全に膜に仕切られた独立気泡であることが好ましく、コア部における独立気泡の比率が40個数%以上であることが好ましく、50個数%以上であることがより好ましい。
1L容のセパラフラスコに、表1に示す〔ポリオール(A−2)〕、ポリイソシアネート成分(B)、及びジラウリル酸ジブチルスズ(触媒、東京化成工業社製)0.25gを仕込み、窒素雰囲気下で3分間攪拌(150r/min)後、攪拌速度を300r/minに設定し、フラスコ内温度が60℃になるように温調を設定した。その後、10〜15分で反応の発熱が終了し、そのままさらに1時間保持し、保持後のNCO重量%を測定した。なお、NCO重量%は、一定量の過剰アミンとイソシアネート基を反応させ、未反応アミンを塩酸で滴定することによって求めることができる。
〔イソシアネートインデックス〕
=〔実際に使用したイソシアネート量)
÷(化学量論的にポリオールと当量とされるイソシアネート量)×100
に基づいて求めた。
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、粘弾性測定装置「DMS6100」を用いて、下記条件に従って、40mm×10mm×2mmの短冊形サンプルの引っ張り試験を行い、25℃における貯蔵弾性率を求めた。
<測定条件>
測定周波数 10Hz
昇温速度 2℃/min
最小張力 200mN
目標振幅 10μm
張力圧縮力ゲイン 1.5
また、各セグメントのガラス転移点は、上記試験において同時に観測されるE''(損失弾性率)のピークを示す温度で定義され、最も低いピーク温度がソフトセグメントのガラス転移点、最も高いピーク温度がハードセグメントのガラス転移点とした。
Perkin Elmer社製、Diamond DSCを使用して熱重量分析を行った。サンプル約5mgをアルミパンに取り、プレスして密閉した後、下記測定フローに従って測定を行い、サンプルの結晶化/融解挙動を観測し、結晶性を評価した。
<測定条件>
step1 250℃、2min保持
step2 -120℃まで500℃/minで冷却
step3 -120℃、3min保持
step4 250℃まで10℃/minで昇温
なお、各セグメントの結晶化の発熱ピーク及び結晶融解の吸熱ピークが観測されない場合、あるいはいずれかのピークが観測されたとしても結晶化の発熱量又は融解熱量が1J/g以下のものである場合を非晶性と判断し、それ以外を結晶性を有すると判断した。
次に、発泡用サンプルシートに発泡処理を施す。即ち、表3に示す発泡用サンプルシートを200meshのSUS金網に包んで内容積500cm3のオートクレーブ中に投入し、これに、表3に示す温度(圧力は一律で20MPa)の条件下で、超臨界状態の二酸化炭素を4時間含浸させた。その後、圧力開放速度1MPa/秒で前記オートクレーブ内の圧力を開放させることによって大気圧まで減圧して、発泡処理を行い、実施例1〜4の発泡体を得た。
熱可塑性樹脂含有組成物Aに代えて熱可塑性樹脂含有組成物Eを使用し、二酸化炭素の含浸温度を45℃から85℃に、時間を4時間から3時間に代えた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の発泡体を得た。
熱可塑性樹脂含有組成物Aに代えて、市販の熱可塑性樹脂含有組成物F(硬度90のMDI-エステル系熱可塑性ポリウレタンエラストマー)を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の発泡体を得た。なお、熱可塑性樹脂含有組成物Fの発泡用サンプルシートは、熱可塑性樹脂含有組成物Aのシートと同様にして作成したものを使用した。なお、組成物Fの貯蔵弾性率及びガラス転移点を上記試験例1の方法と同様にして測定したところ、貯蔵弾性率は5.7×107Paであり、ガラス転移点は70℃と-27℃であった。
古川電工社製の「MC-PET」(登録商標、ポリエチレンテレフタレート発泡体)を比較例3とした。なお、「MC-PET」は、古川電工社製の「C-PET」(登録商標、ポリエチレンテレフタレート)を発泡させたものである。
実施例1で用いた熱可塑性ポリウレタンの未発泡体を参考例1とした。
サンプルに鋏で小さな切り口を入れ、液体窒素につけて凍結した後、ペンチで挟んで割断した。割断した切断面が測定面となるように試料台の上に貼り付け、Pdコーティングを行った後、S-4000型FE-SEM(日立製作所製)で気泡を撮影した。撮影した写真を画像処理し、無作為に150個の気泡を有する写真画像の視野を選択し、その中の100個以上の全ての気泡について、各気泡の長径と短径を測定し、それらの結果から拡大倍率に基づく換算により、気泡を球と仮定して、長径と短径の算術平均を気泡径とし、測定した気泡の気泡径の算術平均及びその分布より平均気泡径及び気泡径の標準偏差を算出し、平均気泡径(μm)として求めた。なお、長径とは、拡大写真を選択した各気泡において最も長い軸方向長さを意味し、短径とは、前記気泡において最も短い軸方向の長さを意味する。
上記試験例1と同様にして測定した。
試験例3で使用したサンプルの切断面をキーエンスデジタルマイクロスコープ(倍率:1000)で観察することにより、表層におけるスキン層の形成を確認した。スキン層が形成されている場合を○、スキン層が形成されていない場合を×として評価した。
同一の配合組成である発泡処理前のシートと、発泡処理後の発泡体について、各サンプルの重量を測定した後、各サンプルを水中に浸漬することにより増加する体積を測定した。これらの結果を下記式(I)及び(II)に代入して、各サンプルの密度(g/cm3)及び気泡の体積含有率を求めた。
密度(g/cm3)=重量(g)/増加した体積(cm3) (I)
気泡の体積含有率(%)=[1−(ρf/ρp)]×100 (II)
ρf:発泡処理後の発泡体の密度
ρp:発泡処理前のシートの密度
なお、比較例3の測定では、発泡処理前のシートとして、古川電工社製の「C-PET」(登録商標、ポリエチレンテレフタレート)を使用した。
発泡体1cm3あたりに気泡が何個含まれているかを表す指標である。これは、発泡処理前のシートの密度と、発泡処理後の発泡体の密度及び平均気泡径とから算出される。この算出方法は、例えば、NanoLetts 1,503(2001)に開示されているが、本実施例における発泡体の気泡はほぼ球状であったことから、下記式(III)に上記で得られた気泡の体積含有率と平均気泡径を代入することにより、気泡数密度を算出した。
気泡数密度(個/cm3)=(X/100)/{(4/3)π×[(d/2)×10-4]3} (III)
X:気泡の体積含有率(%)
d:平均気泡径(μm)
なお、比較例3の測定では、発泡処理前のシートとして、古川電工社製の「C-PET」(登録商標、ポリエチレンテレフタレート)を使用した。
JIS Z 7822(分光立体角反射率)に従って測定した。但し、発泡前の厚みは2mmであった。
Claims (7)
- 分子量150以下の〔ポリオール(A−1)〕及び分子量400以上の〔ポリオール(A−2)〕を含有するポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタンの発泡体であって、平均気泡径が0.5μm以下の微細気泡を有するコア部とスキン層からなり、〔ポリオール(A−2)〕と、〔ポリオール(A−1)〕にポリイソシアネート成分(B)を加えたものとの重量比{〔ポリオール(A−2)〕/[〔ポリオール(A−1)〕+ポリイソシアネート成分(B)]}が50/50〜10/90であるポリウレタン発泡体。
- ポリイソシアネート成分(B)が、脂肪族系のイソシアネート基を有する化合物であり、分岐鎖もしくは芳香族環以外の環構造を有する化合物である、請求項1記載のポリウレタン発泡体。
- 〔ポリオール(A−1)〕及び〔ポリオール(A−2)〕を含有するポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)との反応生成樹脂内に、加圧状態で気体を溶解させた後、該加圧を開放して前記樹脂中に気泡を発生させる、請求項1又は2記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
- 気体が超臨界もしくは亜臨界状態である、請求項3記載の製造方法。
- 気体を溶解させる温度又は気泡を発生させる温度が、〔ポリオール(A−1)〕とポリイソシアネート成分(B)を主成分とするセグメントのガラス転移点以下である、請求項3又は4記載の製造方法。
- 分子量400未満の〔ポリオール(A−1)〕及び分子量400以上の〔ポリオール(A−2)〕を含有するポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタンの発泡体であって、平均気泡径が1.0μm以下の微細気泡を有するコア部とスキン層からなるポリウレタン発泡体からなる光反射体。
- 400〜700nmの全波長領域に渡って入射光に対する反射率が90%以上である請求項6記載の光反射体。
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