JP5207815B2 - セルロース含有樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

セルロース含有樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、セルロース含有組成物に関する。特に、熱膨張率が低く、耐熱性に優れたセルロース含有樹脂組成物及びその成形体に関する。
セルロース又はセルロース誘導体は、熱膨張率、機械的特性、耐熱性等に優れた特性を有することから、アクリル系樹脂等との複合化が期待されている。セルロース又はセルロース誘導体とアクリル系樹脂等との複合化は、例えば特許文献1〜3に提案されている。
特許文献1では、熱可塑性樹脂とセルロース繊維を水中で混合し、湿式造粒でペレットを作製し、このペレットを射出成形することによりセルロース複合体を作製する方法が提案されている。しかしながら、特許文献1で提案されている方法では、セルロースの分解温度である200℃を超える成形温度とすることができないため、使用できる樹脂は、成形温度が200℃以下の樹脂組成物を与えるものに限られる。
特許文献2では、リグノセルロース繊維を液体樹脂に入れ、圧縮成形によりセルロース複合体を作製する方法が提案されている。しかしながら、特許文献2で提案されている方法では、使用できる樹脂が室温で液状となる特殊な液体樹脂に限られる。
特許文献3では、バクテリアセルロースを圧縮してビニル単量体を置換して重合することによりセルロース複合体を作製する方法が提案されている。しかしながら、特許文献3で提案されている方法では、バクテリアセルロース以外のセルロース又はセルロース誘導体を用いることが困難である。
特開平6−345944号公報 特開2005−281340号公報 特開2006−036926号公報
本発明の目的は、熱膨張率が低く、耐熱性に優れたセルロース含有樹脂組成物、及びセルロース含有樹脂組成物からなる成形体を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、セルロース又はセルロース誘導体とビニル単量体とを混合して重合することで、熱膨張率及び耐熱性に優れたセルロース含有樹脂組成物が得られることを見出した。
即ち、本発明のセルロース含有樹脂組成物は、セルロース類をビニル単量体に分散させ、これを重合して得られる。
また、第一のビニル単量体を重合して得られる有機粒子の水分散液とセルロース類の水分散液との混合液を乾燥して複合粉体を作製し、該複合粉体を第二のビニル単量体に分散させ、これを重合して得られる。
また、本発明の成形体は、上記のセルロース含有樹脂組成物からなる。
本発明のセルロース含有樹脂組成物によれば、熱膨張率が低く、耐熱性に優れた成形体を与えることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、セルロース類をビニル単量体に分散させ、これを重合して得られるセルロース含有樹脂組成物である。
本発明で用いるセルロース類は、セルロース成分を含有するものであればよく、例えば、以下のようなセルロース(a1)とセルロース誘導体(a2)とに分けることができる。
セルロース(a1)としては、例えば、針葉樹漂白パルプ、広葉樹漂白パルプ、リンターセルロース、微結晶セルロース、非晶セルロース、ビスコースレーヨン、ベンベルグレーヨン、リグノセルロース、バクテリアセルロース、木材、綿が挙げられる。
セルロース(a1)の形状としては、例えば、繊維、粉体、ペレット、シート、不織布、水分散液、ハイドロゲルが挙げられる。これらの中では、得られる樹脂組成物の透明性を維持できることから、繊維径100nm以下の解繊された繊維が好ましい。更には、得られる樹脂組成物の機械的特性を向上できることから、これらの繊維がネットワーク構造を形成していることが好ましい。
セルロース誘導体(a2)としては、例えば、アミロース、メチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、硝酸セルロース、硫酸セルロース、燐酸セルロース、酸化セルロース、グラフトセルロース、各種の変性セルロースが挙げられる。
セルロース誘導体(a2)の形状としては、例えば、繊維、粉体、ペレット、シート、不織布、分散液、ハイドロゲルが挙げられる。
本発明で用いるビニル単量体は、ビニル基を有し、重合可能な単量体のことであり、用途や性能等に応じて適宜選択することができる。得られる樹脂組成物の透明性を維持するためには、(メタ)アクリル系単量体が好ましい。
(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の脂肪族アルコールの(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式アルコールの(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタレート、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート等のカルボキシル基含有単量体;スルホン酸基含有(メタ)アクリレート;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート等の燐酸基含有(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボニル基含有(メタ)アクリレート;ベンジルメタクリレート等の芳香族アルコールの(メタ)アクリレート;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
セルロース類をビニル単量体に分散させる方法は、セルロース類がビニル単量体中に沈降せず、目視でセルロース類の凝集物が確認できない程度に分散状態を保つことができれば、いずれの方法であってもよい。具体的には、マグネチックスターラー、ニーダー等を用いる方法が挙げられる。
セルロース類がビニル単量体中で沈降する場合には、増粘剤や分散安定剤等を適宜添加すればよい。高粘度で攪拌が困難である場合には、ニーダー等の剪断力の強い攪拌装置を用いることが好ましい。
ビニル単量体中のセルロース類の分散状態を保つには、ビニル単量体に増粘剤(有機重合体等)を溶解させておくことが好ましい。
セルロース類を分散させたビニル単量体の重合方法は、特に限定されるものではないが、鋳型中で重合するキャスト重合法が好ましい。
重合に用いる重合開始剤としては、特に制限されるものではなく、ビニル単量体の重合に用いられる公知の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、例えば、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等の有機過酸化物;過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の中では、ビニル単量体への混合が容易である点から、有機過酸化物が好ましい。
重合温度は、セルロース類が分解しない温度である200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて各種の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、離形剤、増粘剤、分散安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、各種着色顔料が挙げられる。
また、もう一つの本発明は、第一のビニル単量体を重合して得られる有機粒子の水分散液とセルロース類の水分散液との混合液を乾燥して複合粉体を作製し、該複合粉体を第二のビニル単量体に分散させ、これを重合して得られるセルロース含有樹脂組成物である。
セルロース類やビニル単量体としては、上述のものを用いることができる。なお、有機粒子に用いられるビニル単量体を「第一のビニル単量体」とし、複合粉体を添加するビニル単量体を「第二のビニル単量体」とした。
有機粒子の製造に用いる第一のビニル単量体は、上述のビニル単量体を用いることができる。
第一のビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第一のビニル単量体は、得られる樹脂組成物の透明性を維持するために、(メタ)アクリル系単量体であることが好ましい。
本発明で用いる有機粒子は、公知の製造方法によって得られる。本発明では、有機粒子を水分散液の状態で用いることから、有機粒子を製造と同時に水分散液の状態で得られる製造方法を用いることが好ましい。
有機粒子を水分散液の状態で得るための製造方法としては、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、シード乳化重合、懸濁重合が挙げられる。これらの製造方法の中では、小粒子径の粒子を作製しやすく、重合操作が簡便である乳化重合が好ましい。
乳化重合の際に用いる乳化剤としては、公知の乳化剤が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアニオン系乳化剤が挙げられる。
乳化重合の剤に用いる重合開始剤としては、上述のものを用いることができる。
乳化重合の際の重合温度は、開始剤の種類によるが、通常40〜90℃である。
セルロース類の水分散液は、前記セルロース類を水に分散させたものである。
セルロース(a1)の水分散液は、セルロース(a1)を水に分散させたものでよい。
セルロース誘導体(a2)の水分散液は、セルロース誘導体(a2)を水に分散させたものでよく、水分散状態にあるセルロース(a1)に対して変性等を行なったものでもよい。
変性等を行なって得た水分散状態にあるセルロース誘導体(a2)は、単独で乾燥させると、ビニル単量体への再分散が困難となるため、水分散状態のままで、後の工程に供することが好ましい。
セルロース類を水に分散させる方法としては、セルロース類が水中に沈降せず、目視でセルロース類の凝集物が確認できない程度に分散状態を保つことができれば、いずれの方法であってもよい。具体的には、マグネチックスターラー、ニーダー等を用いる方法が挙げられる。
セルロース(a1)を変性させる方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、水分散状態にあるセルロース(a1)に対して、2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカルを作用させる方法が挙げられる。
セルロース類の水分散液は、例えば、水100質量部にセルロース類1質量部を加え、ホモジナイザー等を用いて攪拌することにより調製できる。
有機粒子の水分散液とセルロース類の水分散液は、有機粒子の質量とセルロース類の質量が70/30〜98/2となる比率で用いることが好ましい。
有機粒子の水分散液とセルロース類の水分散液との混合液の乾燥方法は、凝固法や噴霧乾燥法等、水分散液を乾燥させるための公知の方法を用いることができる。この混合液を乾燥させることにより、有機粒子とセルロース類とを含む複合粉体を得ることができる。
凝固法は、有機粒子とセルロース類の水分散液を、酸又は塩類を溶解した水溶液に添加することにより、有機粒子及びセルロース類を共凝固させ、凝固物を濾過及び洗浄し、乾燥する方法である。
噴霧乾燥法は、有機粒子とセルロース類の水分散液を、回転円盤等により霧状にして、熱風中に噴出することにより、有機粒子及びセルロース類を共に乾燥させる方法である。
複合粉体を第二のビニル単量体に分散させる方法は、特に制限されるものではなく、公知の装置を用いることができ、例えば、マグネチックスターラー、ニーダー等を用いる方法が挙げられる。
複合粉体中の有機粒子が第二のビニル単量体に溶解する場合、複合粉体からセルロース類が現れてくる。従って、複合粉体の分散は、複合粉体又はセルロース類が第二のビニル単量体中に沈降せず、目視で複合粉体又はセルロース類の凝集物が確認できない程度に分散状態を保つことができれば、いずれの方法であってもよい。
複合粉体を第二のビニル単量体に分散させる場合、有機粒子が第二のビニル単量体に溶解するまで混合し、セルロース類の分散状態を保つことが好ましい。
複合粉体に含まれる第一のビニル単量体が第二のビニル単量体に溶けやすいように、第一のビニル単量体と第二のビニル単量体はお互いに溶解しやすい組合せであることが好ましく、樹脂組成物の透明性を維持できることから、第一のビニル単量体と第二のビニル単量体は、同じものを用いることがより好ましい。
本発明に係るセルロース含有樹脂組成物中におけるセルロース類の含有率は0.5〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
本発明に係るセルロース含有樹脂組成物中におけるビニル単量体の含有率は50〜99.5質量%が好ましく、70〜99質量%がより好ましい。
複合粉体を用いる場合、複合粉体の含有率は、セルロース含有樹脂組成物中(100質量%)中の、セルロース類の含有率が0.5〜50質量%となることが好ましく、1〜30質量%となる含有率であることがより好ましい。
複合粉体を分散させたビニル単量体の重合も、上述の方法と同じ方法を用いることができる。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
(製造例1) 有機粒子(1)の水分散液の製造
温度計、窒素導入管、攪拌装置を備えたフラスコに、脱イオン水300部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム2.4部を投入し、窒素雰囲気下で攪拌し、内温を80℃に昇温させた。
次いで、硫酸鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0003部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を脱イオン水5部に溶かした水溶液を添加した。
次いで、メチルメタクリレート(以下、「MMA」という。)100部、メチルアクリレート1.25部、n−オクチルメルカプタン0.2部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.2部の混合溶液を5時間かけて滴下した。さらに、1時間加熱を続け、有機粒子(1)の水分散液を得た。
参考例1) セルロース含有樹脂製板(1)の製造
製造例1で得られた有機粒子(1)の水分散液を、95℃の酢酸カルシウム水溶液に滴下し、有機粒子(1)を凝固し乾燥させて、有機粒子(1)の粉体を得た。
なお、酢酸カルシウム水溶液は水95部に酢酸カルシウムを5部添加して、調製した。
次いで、得られた有機粒子(1)の粉体23.75部をMMA71.25部に溶解してシラップを作製し、そのシラップに濾紙粉末(商品名;「セルロースパウダー 100〜200メッシュ」、東洋濾紙(株)製)を5部添加し攪拌し、セルロース分散シラップを得た。
セルロース分散シラップに、重合開始剤としてパーヘキシルPV(商品名、日油(株)製、t−ヘキシルパーオキシピバレート)0.01部、パーオクタO(商品名、日油(株)製、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート)0.08部、パーヘキシルI(商品名、日油(株)製、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート)0.01部を添加してステンレス製の型に流し込み、60℃で4時間反応させた。その後80℃で2時間、120℃で1時間反応させ、セルロース含有樹脂製板(1)を得た。
なお、ステンレス製の型の寸法は、180mm×180mm×2mmである。
参考例2) セルロース含有樹脂製板(2)の製造
有機粒子(1)の粉体23.75部、MMA71.25部、濾紙粉末5部に代えて、有機粒子(1)の粉体22.5部、MMA67.5部、濾紙粉末10部を用いたこと以外は、参考例1と同様にして、セルロース含有樹脂製板(2)を得た。
(実施例3) セルロース含有樹脂製板(3)の製造
容器に、濾紙粉末(商品名;「セルロースパウダー 100〜200メッシュ」、東洋濾紙(株)製)100部を投入し、次いで、2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル1.6部、臭化ナトリウム10.3部、5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液446.4部、脱イオン水10000部を添加した。
反応系内のpHを10に保つよう、適宜、水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHの変化がなくなった時点で、反応を終了した。
次いで、反応物を濾過して水洗し、含水状態のセルロース誘導体を得た。この含水状態のセルロース誘導体が、セルロース誘導体の固形分換算で0.1%となるように脱イオン水を添加し、ウルトラタラックスT−25(IKA社製)を用いて5分間、約10,000rpmで攪拌し、0.1%のセルロース誘導体の水分散液を得た。
次いで、製造例1で得られた有機粒子(1)の水分散液とセルロース誘導体の水分散液とを、有機粒子(1)の質量とセルロース誘導体の質量が80対20になるように混合し、マグネチックスターラーを用いて、約5分間攪拌した。
その後、95℃の酢酸カルシウム水溶液(濃度5%)に滴下し、有機粒子とセルロース誘導体とを凝固させ、複合粉体を得た。
得られた複合粉体25部をMMA75部に溶かし、重合開始剤としてパーヘキシルPV(商品名、日油(株)製、t−ヘキシルパーオキシピバレート)0.01部、パーオクタO(商品名、日油(株)製、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート)0.08部、パーヘキシルI(商品名、日油(株)製、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート)0.01部を添加してステンレス製の型に流し込み、60℃で4時間反応させた。その後、80℃で2時間、120℃で1時間反応させ、セルロース含有樹脂製板(3)を得た。
なお、ステンレス製の型の寸法は、180mm×180mm×2mmである。
(実施例4) セルロース含有樹脂製板(4)の製造
有機粒子(1)の質量とセルロース誘導体の質量を96対4としたこと以外は、実施例3と同様にして、セルロース含有樹脂製板(4)を得た。
(比較例1) 樹脂製板(1)の製造
参考例1と同様に有機粒子(1)の粉体を製造し、有機粒子(1)の粉体25部をMMA75部に溶解してシラップを作製し、参考例1と同様に重合して、セルロースを含有しない樹脂製板(1)を得た。
(比較例2) 樹脂製板(2)
市販のPMMA板(商品名;「アクリライトL」、三菱レイヨン(株)製)を用いた。
得られた樹脂製板について、以下の評価を実施した。結果を表1に示す。
(1)熱膨張率
得られた2mm厚の樹脂製板を7mm×7mmに切出し、熱機械分析装置(商品名;「SS6100」、セイコーインスツル(株)製、)を用いて、昇温速度2℃/分で、圧縮モードにて測定した。
30〜90℃における膨張を測定し、平均値を算出した。
(2)荷重たわみ温度
耐熱性の指標として、荷重たわみ温度を測定した。
得られた2mm厚の樹脂製板を12mm×126mmに切出し、ヒートデストーションテスター((株)安田製作所製)を用いて、ISO75−2に準拠し、荷重1.82MPaで測定した。
Figure 0005207815
表1から明らかなように、本発明により得られるセルロース含有樹脂製板〜4は、熱膨張率が低く、耐熱性に優れる結果であった。
また、得られた樹脂製板中の、セルロース類の分散状態は良好であった。
本発明のセルロース含有樹脂製板ではない比較例1及び2では、熱膨張率及び耐熱性に劣る結果であった。
本発明で得られるセルロース含有樹脂製板は、樹脂の熱膨張率の抑制、耐熱性の向上が可能であり、各種樹脂の改良に好適である。さらに、射出成形とは異なりセルロースの分解温度である200℃を超える温度をかけることなく、また、セルロース種を限定することなく樹脂と複合化可能であるため、多くの組合せで樹脂とセルロースの複合化が可能となり、幅広い樹脂材料における分野での展開が可能となる。

Claims (3)

  1. 第一の(メタ)アクリル系単量体を重合して得られる有機粒子の水分散液とセルロース類の水分散液との混合液を乾燥して複合粉体を作製し、該複合粉体を第二の(メタ)アクリル系単量体に分散させ、これを重合し、
    前記有機粒子の水分散液と前記セルロース類の水分散液は、前記有機粒子の質量と前記セルロース類の質量が70/30〜98/2となる比率で用いることを特徴とするセルロース含有樹脂組成物の製造方法
  2. 前記セルロース類の組成物中の含有率が0.5〜50質量%である請求項1に記載のセルロース含有樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記第一の(メタ)アクリル系単量体と前記第二の(メタ)アクリル系単量体として同じ材料を用いる請求項1又は2に記載のセルロース含有樹脂組成物の製造方法。
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