JP5207313B2 - 乳酸菌配合物及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、免疫増強効果などを示す乳酸菌配合物及びその製造方法に関する。
近年、環境の大きな変化が引き金となり、免疫力の低下やアレルギー体質に転換するという問題が発生している。その一つが、衛生環境の向上にある。先進国の都市部生活者にはアレルギー性疾患患者が多く、発展途上国の地方では少ないことが知られている。この現象は、グラム陰性細菌の細胞膜成分であるリポ多糖(LPS)の被爆量の低下と相関することが明らかにされている(衛生仮説)。なお、LPSはマクロファージなどの受容体に結合し、Th1型へ誘導する情報を産生することがわかっている。つまり、先進国の都市部においては、衛生環境の向上に伴い、環境中に存在するグラム陰性菌が少なくなり、LPSの摂取量が低下することで、免疫バランスがTh1型にシフトしていると考えられる。このためアトピー性皮膚炎や花粉症、食餌性アレルギー疾患に罹患する患者は年々増加傾向にある。また高齢化が進む現代社会において、医療費の高騰や高齢者のQOL(Quality of Life)の低下が問題となっており、免疫力向上による疾病予防が重要な課題として取り上げられている。
獲得免疫は大きく細胞性免疫と液性免疫に分けることが出来る。細胞性免疫を制御するタンパク質(サイトカイン:interleukin-12 (IL-12), IL-2, interferon-γ (IFN-γ)など)や免疫細胞をTh1型と呼び、液性免疫の場合をTh2型(IL-4, IL-6, IL-13など)と呼ぶ。Th1型のサイトカインはTh2型を抑制し、Th2型はTh1型を抑制するというように、相互に制御しあっていることから、サイトカインバランスという概念がある。Th1型が優位になるとキラーT細胞、NK細胞等が活性化し、Th2優位になると、抗体産生が促進する。
食経験が長く、安全性が高いパントエア菌由来のリポ多糖をバイオ技術で大量生産した小麦発酵抽出物(小麦粉を小麦粉常在菌のパントエア・アグロメランスによって発酵することでパントエア・アグロメランス由来のリポ多糖の含有量を増強しただけでなく小麦由来の成分を含んだ免疫賦活物質素材)には、マクロファージを活性化し腫瘍壊死因子(TNF)を誘導することが、また、アトピー性皮膚炎の患者に小麦発酵抽出物を含むクリームを塗布することで炎症症状が緩和されること、小麦発酵抽出物を含むアメを摂取することでのどの痛みが緩和すること、ニワトリやブリ、コイ、マウスに経口投与することで感染防除効果を得ていることが特許文献1に記載されている。本小麦発酵抽出物は有効成分量として5-20μg/kg体重(体重1kgあたり5-20μgの摂取量の意)の投与がなされている。本素材はパントエア菌を小麦で発酵させた後に、抽出過程を経ている。有効成分が1%含有する小麦発酵抽出物は1kgあたり食品用で30万円であり、有効成分1kgあたり3000万円になるため、体重60kgの人が一日量として、原料価格が45−180円となり、価格が高いことが広く市場に浸透させる上で問題になっている。
また、特許文献2には食経験の長い乳酸菌菌体のTh1型の免疫賦活効果と抗アレルギー作用が報告されている。本乳酸菌の殺菌菌体を有効量配合した商品は最低でも1ヶ分が約4,000円であり、やはり価格が高いことが広く市場に浸透させる上で問題になっている。
また、シイタケ由来のβ1,3-グルカンを超微粒子化した素材を含む市販製品のミセラピストを、マウスに46日間連続で、経口投与(1mg/kg/day)することでアレルギー発症抑制作用あることが報告されている。本品はシイタケから抽出し、超微粒子化処理を行っているため、コストが高い。本素材を主成分とする製品が既に市販されているが、1ヶ月分で3−4万円の価格で売買されており、極めて高価格となっている。
そこで、日々、摂取するためには無理なく摂取できる価格(市販価格として)で、免疫賦活作用に基づく、感染防除作用や、アレルギー改善作用、抗炎症作用、鎮痛作用を有する食品、飼料、医薬品の発明が期待されるが、機能を低下させずに、免疫賦活物質の投与量を低下させることは困難である。
特許第4026722号公報 特開2004−041099号公報
本発明の目的は、マクロファージの活性化を向上させ、抗炎症作用、鎮痛作用、また、アレルギーの指標であるTh1/Th2バランスを改善する効果を有し、従来よりも大幅に微量で効果を誘導できる小麦発酵抽出物と乳酸菌菌体の配合剤を含む免疫賦活・アレルギー改善材を提供することである。これにより、使用量を1/3以下に低減することが出来る。本発明の目的は、小麦発酵抽出物と乳酸菌菌体の併用による免疫賦活・アレルギー改善作用を有する食品組成物および飼料原料、医薬組成物を安価に提供することである。
併用することの科学的根拠。
小麦発酵抽出物も乳酸菌殺菌菌体も、これらの作用発現は、自然免疫の中枢を担う細胞である貪食細胞(主にマクロファージ)によりまず認識されることで始まる。この認識にはマクロファージの細胞膜上にある受容体群、とりわけトル様受容体(TLR)の関与がよく知られている。受容体と選択的に結合するものをリガンドと呼ぶ。マクロファージ群はTLRのリガンドであるリポ多糖や乳酸菌のペプチドグリカンをTLRによって認識するが、認識するTLRがそれぞれ異なる。リポ多糖はTLR4経由であり、乳酸菌はTLR2経由であることが知られている。ところが、TLRの細胞質内のシグナル伝達分子はTLR4もTLR2も共通しており、MyD88経由であることが知られている。すなわち、リポ多糖からのシグナル伝達も、乳酸菌からのシグナル伝達も同じ情報を伝えると考えられる。実際、乳酸菌もリポ多糖も類似の生物反応を誘導することが知られている。従って、従来の知見に従えば、常識的にはリポ多糖と乳酸菌を加えても相加的な効果しか期待できないと考えられていた。そのため、併用は単に、価格の相加平均になると考えられた。
ところが、我々は、小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体の併用によるマクロファージ活性化の至適条件を鋭意検討したところ、単独よりもより効果的にマクロファージが活性化されることを見出した。本発明者等は、従来よりも極めて少量でマクロファージの活性指標を向上させ、アレルギーの指標であるTh1/Th2バランスを改善する効果を有する組成物が調製可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、本発明では乳酸菌菌体として、Enterococcus faecalis(エンテロコッカス・フェカリス)を用いる。
本発明によれば、従来用いていた乳酸菌素材量を1/3に、小麦発酵抽出物量を1/3に低減できるため、より安全性が高く、安価に多方面の用途に対応することが可能になる。さらにこれらを配合した医薬品、動物用医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、機能性食品、飼料及び浴用剤などを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
I:小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体混合物
本件において、我々は、乳酸菌殺菌菌体と小麦発酵抽出物の混合品が単独よりも明らかに少量で効果発現できることを見出し、ヒト、畜産・水産養殖の分野で環境に優しく、安全で感染予防に有効な医薬部外品、化粧品、食品、機能性食品、飼料を提供できる。
II:発明の重要な点のまとめ
(1)免疫賦活作用を持つ物質としての小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体の組み合わせが新規である。
(2)免疫賦活作用を持つ物質としての小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体の組み合わせた製剤を製造することが新しい。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
III:小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体混合物の具体的製造方法
(1) 小麦発酵抽出物は定法に従い製造する(特許文献1)。例えば、小麦粉0.5gと塩類(リン酸水素二ナトリウム七水和物1.28g、リン酸二水素カリウム0.3g、塩化ナトリウム50mg、塩化アンモニウム100mg、1M硫酸マグネシウム水溶液0.2ml、1M塩化カルシウム水溶液0.01ml)と水を加え全量を100mlとし、これをオートクレーブで滅菌し、パントエア・アグロメランス(Pantoea agglomerans)の一つのコロニーを加え、37℃にて1日間振とうした。これにより小麦粉を発酵させ、パントエア・アグロメランスを培養した。この培養液から遠心分離機で固形分を回収し、この固形分に等量の蒸留水を加え、ヒーターを用い、90℃にて30分間加熱し、室温まで冷えた後、遠心機にて上清を分離した後、必要に応じて濃縮、乾燥することにより調製出来る。
(2) 乳酸菌殺菌菌体は前述乳酸菌を常法に従って培養して得られた培養物から、例えば、濾過、遠心分離等の方法により菌体を回収し、水洗後、水等に懸濁して120℃以下、30分以内加熱処理した後、必要に応じて濃縮、乾燥することにより調製できる。
(3) 小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体混合物は定法に従って混合することができる。例えば、上記小麦発酵抽出物または、乳酸菌殺菌菌体は一般的な賦形剤(例えば、乳糖、デンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、糖アルコール類、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム等)と混合してから、それぞれを混ぜることで均一に混ぜることができる。
小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体混合物のマクロファージ活性化実施例
小麦発酵抽出物と乳酸菌混合物の一酸化窒素(NO)産生能
小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体の併用によるマクロファージ系細胞(RAW264.7細胞)に対するNO産生能を測定した。小麦発酵抽出物 (IP-PA1(登録商標:III.(1)により製造したパントエア菌由来のリポ多糖)を1%含量)、乳酸菌殺菌菌体(Enterococcus faecalis)を使用した。乳酸菌殺菌菌体は、重量濃度で取り扱った。小麦発酵抽出物はIP-PA1含量を基準に試験した。
方法
マウスマクロファージ系の培養細胞であるRAW264.7細胞(1.6×105個/100μl/ウエル)を96穴平底プレートに播種し、6時間、37℃の5%CO2インキュベータ内で培養した。その後に各被検体の希釈液を各用量、穴当たり100μlずつ加えた。各被検体溶液は、細胞培養液中で終濃度が小麦発酵抽出物はIP-PA1量として0.1ng/mlから10ng/mlになるように、乳酸菌殺菌菌体は1μg/mlから100μg /mlになるように被検体を培養液(10%牛胎児血清、60μg/ml アンピシリンナトリウム、50μg/ml硫酸カナマイシンを含むRPMI 1640培地)にて系列希釈して調製した。試験の陰性対照にはこの培養液を用いた。各検体を添加し、20時間培養した後、培養上清を一部(50μl)回収し、グリエス氏の方法により、NOの代謝物である亜硝酸濃度を測定した。
結果
結果を表1に示した。例えば、乳酸菌殺菌菌体の1μg/mlと、IP-PA1の1ng/mlを併用すると亜硝酸濃度は12.2μMになる。この亜硝酸濃度を得るために、乳酸菌殺菌菌体単独では4.0μg/ml、IP-PA1単独では5.0ng/mlが必要なことが推測される。この推測値は対数グラフでの検量線から得た。これは、乳酸菌殺菌菌体では4分の1、IP-PA1では5分の1の用量であっても、これらを併用することにより、それぞれの単独の用量と同等のNOを誘導できることを示している。なお、試験をしたすべての範囲において併用効果が得られており、その組合せの(表1の肩文字aで示したデータ)量比としては乳酸菌殺菌菌体1部に対してIP-PA1量として0.01-0.000001になる(乳酸菌殺菌菌体1μg/ml、IP-PA1 0.01μg /mlの場合の量比が0.01、乳酸菌殺菌菌体100μg/ml、IP-PA1 0.0001μg /mlの場合の量比が0.000001)。
Figure 0005207313
小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体混合物のTNF産生能
小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体の混合物のマクロファージ系細胞(RAW264.7細胞)に対するTNFα産生能を測定した。小麦発酵抽出物(IP-PA1を1%含量)、乳酸菌殺菌菌体を使用した。乳酸菌殺菌菌体は、重量濃度で取り扱った。小麦発酵抽出物はIP-PA1含量を基準に試験した。
方法
マウスマクロファージ系の培養細胞であるRAW264.7細胞(1.6×105個/100μl/穴)を96穴平底プレートに播種し、6時間、37℃の5%CO2インキュベータ内で培養した。その後に各被検体の希釈液を穴当たり100μlずつ加えた。各被検体溶液は、細胞培養液中で終濃度が小麦発酵抽出物はIP-PA1量として0.1ng/mlから10ng/mlになるように、乳酸菌殺菌菌体は1μg/mlから100μg /mlになるように被検体を培養液(10%ウシ胎児血清、60μg/ml アンピシリンナトリウム、50μg/ml硫酸カナマイシンを含むRPMI 1640培地)にて系列希釈して調製した。試験の陰性対照には培養液を用いた。各検体を添加し、4時間培養の検体を用い、エンドジェン社、マウス TNFα ELISAキットを用いてTNFα濃度を測定した。
結果
TNFαの測定
結果を表2に示した。例えば、乳酸菌殺菌菌体の10μg/mlと、IP-PA1の1ng/mlを併用するとTNFα濃度は3040pg/mlになる。このTNFα濃度を得るために、乳酸菌殺菌菌体単独では25μg/ml、IP-PA1単独では5ng/mlが必要なことが推測される。この推測値は対数グラフでの検量線から得た。これは、乳酸菌殺菌菌体では2.5分の1、IP-PA1では5分の1の用量であっても、これらを併用することにより、それぞれの単独の用量と同等のTNFαを誘導できることを示している。なお、試験をしたすべての範囲において併用効果が得られており、その組合せの(表2の肩文字aで示したデータ)量比としては乳酸菌殺菌菌体1部に対してIP-PA1量として0.01-0.00001になる(乳酸菌殺菌菌体1μg/ml、IP-PA1 0.01μg /mlの場合の量比が0.01、乳酸菌殺菌菌体100μg/ml、IP-PA1 0.001μg /mlの場合の量比が0.00001)。
Figure 0005207313
小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体のIL-12産生能
小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体の混合物のマクロファージ系細胞(J774.1細胞)に対するIL-12産生能を測定した。小麦発酵抽出物(IP-PA1を1%含量)、乳酸菌殺菌菌体を使用した。乳酸菌殺菌菌体は、重量濃度で取り扱った。小麦発酵抽出物はIP-PA1含量を基準に試験した。
方法
マウスマクロファージ系の培養細胞であるJ774.1細胞(5×105個/100μl/穴)を96穴平底プレートに播種し、4時間、37℃の5%CO2インキュベータ内で培養した。その後に各被検体の希釈液を穴当たり100μlずつ加えた。各被検体溶液は、細胞培養液中で終濃度が小麦発酵抽出物はIP-PA1として10ng/mlになるように、乳酸菌殺菌菌体は10μg/mlになるように被検体を培養液(10%ウシ胎児血清、60μg/ml アンピシリンナトリウム、50μg/ml硫酸カナマイシンを含むRPMI 1640培地)にて系列希釈して調製した。試験の陰性対照には培養液を用いた。各検体を添加し、20時間培養の検体を用い、バイオソース社、マウス IL-12 ELISAキットを用いてIL-12濃度を測定した。
結果
IL-12の測定
結果を表3に示した。乳酸菌殺菌菌体の単独用量が10μg/mlの場合のIL-12濃度は892.75±236.60pg/ml、小麦発酵抽出物の単独用量が10ng/mlでは306.04±84.51pg/mlとなる。これらを併用すると2790.39±599.21pg/mlになる。これは、併用によって得られると通常想定される範囲を著しく超える効果を示している。併用効果が得られる量比としては乳酸菌殺菌菌体1部に対してIP-PA1量として0.001になる。
Figure 0005207313
小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体入り保湿クリーム
使用成分を表4に示した。A組を70℃で加熱溶解し、これに1/4量の精製水で溶き70℃で加熱溶解したB組と、1/4量の精製水で溶き70℃で加熱溶解したC組を加え、ホモジナイザーで充分混合した後40℃まで冷却し、D組を加えてpHを6.8まで調整した後、精製水と小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体を適量加え、充分混合して乳液を得る。なお、小麦発酵エキスは、0.5mg/mlになるように、乳酸菌殺菌菌体は、50mg/mlになるように予め精製水に溶解しておき、乳液100gに対しては、それぞれ0.1mlを添加する。
Figure 0005207313
本クリームを女性10人に使用してもらいアンケート調査を行った。その結果、保湿効果について効果ありと答えた者が7名、やや効果ありと答えた者が2名、効果なしと答えたものが1名であった(一標本符号検定:P<0.02)。乾燥肌の改善の防止効果について、確かに効果ありと答えた者が3名、やや効果ありと答えた者が7名で、効果なしと答えたものは1名であった。(一標本符号検定:P<0.07)。
小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体入りドリンク
香料0.6%、ブドウ糖液糖果糖適量、クエン酸適量と水を基材として、これに、小麦発酵抽出物0.021%、乳酸菌殺菌菌体0.208%を混ぜた。ドリンクAには小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体を加えた。ドリンクBには小麦発酵抽出物のみを加えた。ドリンクCには乳酸菌殺菌菌体のみを加えた。ドリンクDには基材のみを加えた。
本ドリンクを肩こり、関節痛、腰痛など痛みのある男女10名(4組の合計40名)に一日一回、100mlを2日間飲んでもらい、さらに、2日後にドリンク100mlを飲んでもらい、アンケート調査を行った。その結果、ドリンクAは、痛みに対して、症状が緩和し、効果ありと答えた者が7名、効果なしと答えた者が2名、悪化したと答えたものが1名であった。ドリンクBは、痛みに対して、症状が緩和し、効果ありと答えた者が2名、効果なしと答えた者が5名、悪化したと答えたものが3名であった。ドリンクCは、痛みに対して、症状が緩和し、効果ありと答えた者が3名、効果なしと答えた者が4名、悪化したと答えたものが3名であった。ドリンクDは、痛みに対して、症状が緩和し、効果ありと答えた者が1名、効果なしと答えた者が4名、悪化したと答えたものが5名であった。ドリンクAはドリンクB(P<0.02)、ドリンクC(P<0.03)、ドリンクD(P<0.01)に対してより優れた痛みの緩和効果が認められた(二標本符号検定)。
ドリンクAについて、男女10名に一週間毎日飲んでもらい、体調の変化をアンケート調査した。睡眠が深くなったもの、眠りやすくなったと答えた者が6名、睡眠が浅くなった者は0名、無回答が4名であった(一標本符号検定:P<0.03)。
小麦発酵抽出物と各種乳酸菌殺菌菌体混合物のIL-12産生能
小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体の混合物のマクロファージ系細胞(J774.1細胞)に対するIL-12産生能を測定した。小麦発酵抽出物(IP-PA1を1%含量)、Enterococcus faecalis以外の各種乳酸菌殺菌菌体(Enterococcus faecium、Lactococcus lactis、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium adolescentis、Streptococcus thermophilus)を使用した。乳酸菌殺菌菌体は、重量濃度で取り扱った。小麦発酵抽出物はIP-PA1含量を基準に試験した。結果を表5にまとめた。いずれも、小麦発酵抽出物と乳酸菌殺菌菌体の併用により単独使用の場合の単純加算値より著しく高いIL-12産生能を示した。
Figure 0005207313
小麦発酵抽出物と各種乳酸菌殺菌菌体混合物のナチュラルキラー細胞活性化能
小麦発酵抽出物と実施例6で使用した各種乳酸菌殺菌菌体混合物を添加した飼料(CE-2、日本クレア)をBALB/cA Jcl雄マウス(日本クレア)に2週間与えた。飼育はSPF環境で行った。2週間後にマウスの脾臓を摘出し、脾臓細胞をセルストレイナーで回収した。脾臓細胞は赤血球溶解液(塩化アンモニウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液)で処理し、赤血球を除去後に、カルセインで標識下ヤックワン(Yac-1)細胞と共培養した。カルセイン標識は1×106cells/mlのYac-1細胞、3mlを用いて、2mg/mlのカルセインAM DMSO溶液を15μl加え、良く混ぜ、37℃の5%CO2 インキュベータ中で30分間培養して調製した。
カルセイン標識Yac-1 75μlと脾細胞を混ぜて(1:100の細胞数比)4時間培養し、遠心分離を行い、培養上清の蛍光強度を蛍光プレートリーダー(励起波長488nm、測定波長515nm)で測定した。NK活性値(% Lysis)は、以下の式を用いて算出した。
% Lysis=(experiment-Spontaneous)/(Maximum-Spontaneous)
ただし、
Experiment:試験群の脾細胞とカルセイン標識Yac-1の共培養によって放出された蛍光強度
Spontaneous:カルセイン標識Yac-1を単独培養したときに放出された蛍光強度
Maximum:2% Triton X-100でカルセイン標識Yac-1を完全に溶解したときに得られた蛍光強度
結果を表6にまとめた。小麦発酵抽出物と各種乳酸菌殺菌菌体の併用により単独使用の場合では得られなかった有意なNK活性増強作用が得られた。
Figure 0005207313

Claims (4)

  1. 小麦発酵抽出物及びエンテロコッカス・フェカリス殺菌菌体が混合されていることを特徴とする免疫賦活用の乳酸菌配合物。
  2. 前記乳酸菌配合物が動物用医薬品又は医薬部外品であることを特徴とする請求項1記載の乳酸菌配合物。
  3. 抗炎症性腸疾患用、抗アレルギー疾患用、制がん用又は抗炎症用であることを特徴とする請求項2記載の乳酸菌配合物。
  4. 小麦発酵抽出物及びエンテロコッカス・フェカリス殺菌菌体を混合することを特徴とする免疫賦活用の乳酸菌配合物の製造方法。
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