JP5207124B2 - 陽極酸化処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物に対する陽極酸化処理方法に関する。
従来、アルミニウムやアルミニウム合金からなる部材、例えば、内燃機関のピストンやシリンダ、油空圧ピストンおよびシリンダを始め、各種外装部品や構造部品などには、それらの耐食性や耐摩耗性の向上、あるいは着色を目的として、陽極酸化処理を施して部材表面に陽極酸化被膜(アルマイト)を形成することが行われている。
この陽極酸化処理は、被処理物を電解処理液に浸漬した状態で、該被処理物(陽極)と陰電極との間に直流電圧を印加して電解処理を行なう直流陽極酸化処理が主流であった。直流陽極酸化処理では、焼けを生じないために被処理物の表面積1dmに対して電流3A程度までで処理を行うのが一般的であった。
しかし、このような処理は、単位時間に形成される膜厚すなわち被膜成長速度が、展伸材やAC材で1.0μm/min以下、Si含有7.5%以上のADC材で0.5μm/min以下と概して遅く、被処理物の数にもよるが、一回の処理に20〜40分程度の時間を要していた。また、含有する合金成分の影響により、被膜に欠損を生じ易く、その欠損部分に腐食が発生する問題もある。
特許文献1では、電流制御に加えて、特殊治具によるマスキングで電解処理液を被処理部位に集中させて強制対流、強制冷却することにより、被膜の焼けや溶解を抑制しつつ、AC材において13μm/minの被膜成長速度を実現しているが、大型部品や複雑な形状の部品には適用困難である。
このような直流陽極酸化に対して、被処理物と陰電極との間に交流電圧や、交直重畳電圧を印加して陽極酸化処理を行う試みもなされてきた(特許文献2〜5参照)。しかし、これらは何れも商用周波数レベルでの実施例しか記載されておらず、このような低周波域の電解処理では電流密度が低く、処理速度および処理品質に大きな改善は見られない。
本発明者らは、特許文献6に示されるように、極短時間の正電圧印加と電荷除去を交互に反復する処理によって、合金成分に影響されず高速かつ高品質な陽極酸化被膜を形成する処理方法を見出した。この方法では、電荷除去により昇温が抑制されるため、AC材に対し7.5μm/min、Si含有7.5%以上のADC材加工面に対し4μm/min以上、鋳肌面に対し2μm/min以上の被膜成長速度を実現しかつ被膜欠損の低減を達成している。
特開平04−198497号公報 特開平06−167243号公報 特開昭57−169099号公報 特公昭49−023978号公報 特開昭62−253797号公報 特開2006−83467号公報
このように、陽極酸化処理において、高周波パルス電圧による極短時間の正電圧印加と電荷除去を交互に反復する処理方法は多くの利点を有している。しかしながら、実際の処理工程において、多数の部品を同時に処理する場合や、大型部品を処理する場合などに、被膜成長速度を確保するためには、処理表面積の増加に比例した高い電圧を高周波で印加しなければならず、電源装置への負荷が大きくなる。
したがって、電源装置に許容される電圧および周波数の範囲内において、処理速度や処理品質を維持しつつ処理表面積に応じた最適かつ必要最小限の電圧および周波数を決定することが重要になる。徒に電圧および周波数を高めても電源装置への負担が大きくなるばかりか、かえって処理品質を悪化させたりることも懸念される。しかし、暫定的な処理条件を限定的な処理環境で実験的に求めることはできたとしても、最適な処理条件を被処理物品の形状や処理数に依らず定性的に決定し得る評価基準や方法は存在しなかった。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、極短時間の正電圧印加と電荷除去を交互に反復する陽極酸化処理において、被処理物に最適な正電圧印加時間およびパルス周波数を、被処理物品の形状や処理数に依らず定性的に設定でき、処理速度および処理品質を向上することが可能な陽極酸化処理方法および装置を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、被処理物に、極短時間の正電圧印加と電荷除去を交互に反復する陽極酸化処理において、正電圧印加直後には陽極酸化被膜に流れる電流が急激に増大するものの、短時間のうちに減少に転じて、ある時間を経過した後には、ごく少量の電流しか流れなくなることを実験により見出した。このような電気的特性を利用することにより、最適な処理条件を被処理物品の形状や処理数に依らず定性的に決定できるという知見を得て本発明に想到した。
すなわち本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物を電解処理液に浸漬し、前記被処理物と前記電解処理液中に配置された陰電極との間に、商用電源レベル未満の周期で、正電圧印加と、負電圧印加による電荷除去を交互に反復する処理を行なう陽極酸化処理方法であって、
暫定的周期にて正電圧印加と電荷除去を交互に反復する処理を行ない、その正電圧印加期間における電流波形のピーク到達時間を計測し、前記ピーク到達時間に基づいて正規の正電圧印加時間を決定するステップと、
前記正規の正電圧印加時間に対応した周期で正電圧印加と電荷除去を交互に反復する処理を行ない、前記被処理物の表面に陽極酸化被膜を形成するステップと、を含むことを特徴とする。
被処理物と陰電極との間に極短時間の正電圧印加と電荷除去を交互に反復する陽極酸化処理において、陽極酸化被膜の形成がなされるのは正電圧印加期間のみであるが、電荷除去期間における負電圧印加または短絡によって被膜に蓄積された電荷を一度除去することで、更なる正電圧印加期間における陽極酸化被膜の形成が可能になり、直流陽極酸化の場合よりも単位時間当たりに大量の電荷を陽極酸化に寄与させることができることは既知である。
しかし、正電圧印加期間においても、陽極酸化被膜に有意な電流が流れるのは正電圧印加直後の一定期間のみであり、短時間のうちにピークを迎えた後に減少に転じ、ある時間を経過した後には、ごく少量の電流しか流れなくなる。正電圧印加の後に電流がピークを迎えることは、ピーク以前は被膜の抵抗が低く、ピーク以後は被膜の抵抗が急激に上昇することを示している。
これは、正電圧印加によって陽極酸化被膜のバリア層に電解処理液の陰イオンが浸透して電流が流れ、アルミニウム素地の酸化が進む過程と、陰イオンがバリア層の中に蓄積され新たな陰イオンがバリア層の中に入るのを阻害して抵抗が高くなり、電流が流れ難くなる過程があるためと考えられる。逆に、電荷除去の際には、バリア層内に浸透している陰イオンが電解処理液へ放出されることで電流が流れ、放出が終わると電流が流れ難くなるものと考えられる。
したがって、正電圧印加期間を陽極酸化被膜に有意な電流が流れる期間に局限すれば、すなわち、陽極酸化被膜に有意な電流が流れる期間内で正電圧の印加を打ち切り、速やかに電荷除去期間に移行させれば、より短時間での処理が可能となる。
さらに、上記のように極短時間の正電圧印加と電荷除去を交互に反復する陽極酸化処理において、正電圧印加の後に電流がピークに到達する時間は、主に被処理物の表面積に依存し、印加する電圧や正電圧印加と電荷除去を反復する周期が変化しても一定であることが実験で確認された。これは、上述した電流に関する考察と一致しているが、さらに好ましいことは、被処理物に最適な正電圧印加時間とそれに応じた周期を、被処理物品の形状や処理数に依らず定性的に設定できる点にある。
陽極酸化処理に際し、暫定的な周期にて正電圧印加と電荷除去を交互に反復する前処理を行ない、その際に陽極の電流波形を監視し、正電圧印加期間における電流波形のピーク到達時間を次のように計測する。
図2は、暫定的な1周期における陽極の電流波形Aを示しており、図において、破線で示される正電圧パルスの印加直後に、実線で示される電流波形Aは急激に上昇してピークPを迎え、その後、上昇時に比べてややなだらかに降下し、殆どゼロ付近で平衡状態となる。次いで、正電圧印加が終了し、図示しないインターバルを経て負電圧が印加されることによって、陽極酸化被膜に蓄積された電荷が放出される。
このような電流波形Aから、陽極酸化に寄与する有効な振幅を有する区間を検出する方法としては、電流が減少して平衡状態に達する電流値より大きい閾値を設定し、その閾値に到達するまでの時間を計測する。例えば、閾値はピーク値を基準にして該ピーク値に対する比率で設定することが考えられる。あるいは、閾値を越えている時間自体を計測することもできる。
しかし、さらなる実験によって、電流波形Aがまだ充分な振幅を有している期間、すなわち、電解電流が未だ充分に流れている期間に、正電圧の印加を停止し、僅かなインターバルを経て電荷除去に移行した場合にも、処理速度および処理品質の向上が確認された。したがって、このような各場合に対応でき、かつ容易に検出可能な電流波形ピーク到達時間tcに基づいて正電圧印加時間を最適化することが実用的である。
本発明において前記正規の正電圧印加時間を決定するステップにおいて、前記ピーク到達時間(tc)の0.6〜3倍の間で正規の正電圧印加時間(T)を決定することが好適である。また、処理速度を優先した処理を行なう場合には、前記ピーク到達時間(tc)の1〜3倍の間で正規の正電圧印加時間(T)を決定することが好適である。
また、処理品質を優先した処理を行なう場合には、前記正規の正電圧印加時間を決定するステップにおいて、前記ピーク到達時間の0.6〜1.5倍の間で正規の正電圧印加時間を決定するとともに、決定された正規の正電圧印加時間における平均電流値が、最大平均電流値を越えない範囲で、投入電圧を上昇させることが好適である。
ここで、最大平均電流値は、正電圧印加時間が前記ピーク到達時間以上である場合、つまり正電圧印加時間内に電流波形のピークを含んでいる場合には、電流がピークを迎えた後に減少する特性によって、平均電流が最大となる正電圧印加時間が存在し、最大平均電流到達以前の早期に正電圧印加時間を終了させる場合には、相当の電荷を正電圧印加時間内に上積みして供給可能であるという知見による。
このような最大平均電流値は、実測値から求めることもできるが、電流波形に基づく演算によって求めることもできる。また、最大平均電流値となる場合の電流波形がほぼ正弦波形となることが実験から判明しているので、ピーク到達時間の0.6〜1.5倍の間で正規の正電圧印加時間を決定する場合に、ピーク到達時間の2倍の正電圧印加時間における平均電流値を越えない範囲で投入電圧を上昇させることもできる。
さらに、本発明において、設定正電圧による本処理の前に、前記設定正電圧よりも低い処理開始時の正電圧から前記設定正電圧まで正電圧を連続的または段階的に上昇させるスローアップ処理を行い、そのスローアップ処理中に、前記正規の正電圧印加時間を決定するステップを行なうようにしても良い。その際、前記スローアップ処理中に計測されたピーク到達時間と、その計測時における正電圧値から、前記設定正電圧まで昇圧した状態でのピーク到達時間を予測する処理を含むことが好適である。
また、本発明において、前記正規の正電圧印加時間を決定するステップにおいて、前記電流波形のピーク到達時間の代わりに、電流波形のピーク到達以前または以後に、電流値が所定の閾値に到達した時間を計測し、それに基づいて正規の正電圧印加時間を決定することもできる。
また、本発明は、上記陽極酸化処理方法を実施するために、
電解処理液(10)を貯留する処理槽(1)と、前記処理槽内に配設された陰電極(2)と、直流電源をスイッチングして高周波パルス電圧を出力しかつその正電圧印加周期および電荷除去周期を変更可能なインバータ電源装置(4、43)とを備え、前記電解処理液に浸漬されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物(11)と前記陰電極との間に、商用電源レベル未満の周期で、正電圧印加と、負電圧印加による電荷除去を交互に反復する処理を行なう陽極酸化処理装置において、
前記インバータ電源装置から前記被処理物に至る送電線の電流を監視する電流監視手段(44、54)と、前記インバータ電源装置のスイッチングに同期して、前記電流監視手段によって得られる電流波形の正電圧印加期間におけるピーク到達時間を計測する計測手段(53a、54)と前記ピーク到達時間に対する倍数として正電圧印加時間を設定可能な制御部(51)と、を備えた
本発明は、上記のような陽極酸化処理方法を採用したので、被処理物に最適な正電圧印加時間およびパルス周波数を、被処理物品の形状や処理数に依らず定性的に設定でき、処理速度および処理品質を向上することが可能となる。また、電源装置に許容される電圧および周波数の範囲内において、処理速度や処理品質を維持しつつ処理表面積に応じた最適かつ必要最小限の電圧および周波数を決定することができ、電源装置への負担を軽減することができる。
本発明において、ピーク到達時間の0.6〜1.5倍の間で正規の正電圧印加時間を決定するとともに、決定された正規の正電圧印加時間における平均電流値が、前記ピーク到達時間の2倍の正電圧印加時間における平均電流値を越えない範囲で、投入電圧を上昇させるようにすれば、処理品質を維持しつつ処理速度を向上させ、厚い被膜を得るうえで有利である。
本発明において、設定正電圧による本処理の前にスローアップ処理を行い、そのスローアップ処理中に、正規の正電圧印加時間を決定するステップを行なうようにすれば、スローアップ期間の経過後に直ちに正規の正電圧印加時間による本処理に移行でき、全体としての処理時間を短縮できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明実施形態に係わる陽極酸化処理装置を示す構成図である。図において、陽極酸化処理装置は、電解処理液10を貯留する処理槽1、該処理槽1内に配設された陰電極板2、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物11を電解処理液10に浸漬される位置に支持する支持手段、被処理物11と陰電極板2との間に極短周期の双極性パルス電圧を印加し極短時間の正電圧印加と電荷除去を交互に反復する処理を行うための電源装置4および制御装置5から主に構成されている。
電源装置4は、商用周波数の一次交流電源40に接続されたプラス側直流電源41およびマイナス側直流電源42、これらの直流電源41、42から供給される直流電圧・電流をスイッチングするインバータ装置43などから構成されている。インバータ装置43は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのスイッチング素子や、クランプ回路、保護回路などを含み、制御装置5のスイッチング制御部53によって制御される。
制御装置5は、陽極酸化処理の各パラメータの設定および制御を行う主制御部51、プラス側およびマイナス側の直流電源41、42の電圧制御部52、インバータ装置43のスイッチング制御部53、処理電流の監視部54などから構成される。監視部54は、陽極側に設置された電流検出器44に検出される電流の経時的変化を監視し、スイッチング制御部53から送られるトリガー信号53aに同期して、正電圧印加開始から電流波形の後述する制御ポイントに到達するまでの所要時間(制御ポイント到達時間)を計測可能であり、これらの手順を含むプログラムを実行可能なコンピュータで構成されても良い。
処理液10は、希硫酸、シュウ酸、リン酸、クロム酸等が挙げられるが、これらに限定されないジプロトン酸浴、ジプロトン酸浴+有機酸の混酸浴、アルカリ浴等、通常の陽極酸化処理に使用される処理液を用いることができる。アルカリ浴は、アルカリ土類金属の金属化合物を含んでも良い。アルカリ浴には、任意選択的にホウ化物、または、フッ化物を含めることもできる。また、陰電極板2の材質は、特に限定されるものではなく、炭素板、チタン板、ステンレス板、鉛板、白金板など、従来、陽極酸化処理に用いられる電極材料を使用可能である。
陽極酸化処理に際しては、予め、投入電圧、被膜電荷除去電圧、処理時間、スローアップ時間、処理モードを主制御部51に入力する。スローアップ時間とは、陽極酸化初期のまだ陽極酸化被膜が生成されていない状態で過大な電流が流れるのを防止するために、電圧を設定した投入電圧までゆっくり上昇させる時間である。
処理モードは、必要とされる被膜性状に応じて、処理速度を優先した高速処理モード、処理速度よりも被膜表面の平滑度を優先した高品質処理モード、それらの中間的な処理モードなどであり、例えば、パーセンテージの数値入力や選択スイッチなどで入力する。これらの処理モードに応じて、電流波形の制御ポイント到達時間に対する正規の正電圧印加時間および負電圧印加時間(被膜電荷除去時間)の設定基準が変更される。
各処理モードに対応した最適な正電圧印加時間は、被処理物11の大きさ、形状、同時処理の個数などによって異なる。そこで、本処理に先立つ陽極酸化試験を行い、電流波形の制御ポイント到達時間を監視部54で計測し、制御装置5にて演算処理を行い、制御ポイント到達時間をもとに各処理モードに対応した正規の正電圧印加時間を以下のように決定する。
すなわち、陽極酸化試験において、経験的に設定される暫定的な周期にて正電圧印加と電荷除去を交互に反復する陽極酸化処理を行ない、その正電圧印加期間の電流波形に普遍的に現れる制御ポイントである電流波形のピークPに到達する到達時間tcを計測し、このピーク到達時間tcに基づいて正規の正電圧印加時間Tを決定する。このような条件設定プロセスをスローアップ期間中に行うこともでき、その条件設定プロセスの実行時における投入電圧値および最終的な投入電圧値に基づいて、最終的なピーク到達時間tcを予測しても良い。これについては後述する。
図2は、暫定的な周期にて正電圧印加と電荷除去を交互に反復する陽極酸化処理において、電圧検出部45に検出される印加電圧Vおよび電流検出部44に検出される電流波形Aを示している。正電圧の印加開始直後は、印加電圧Vによって電流が流れ、電流波形Aが急激に立ち上がるが、直ぐにピークPを迎えて減少に転じ、以後、低いレベルの電流しか流れなくなることは既に述べた。従来の直流陽極酸化ではこの低い電流値で処理がなされている。しかし、正電圧印加を終了し、負電圧を印加することにより、帯電した電荷が除去され、再び正電圧印加により高いレベルの電流が流れるようになる。
正電圧印加期間において電流波形Aに振幅がある区間が、陽極酸化が活性な期間と言えるが、電流波形Aの下降曲線には多少ばらつきがあるため、この期間自体を抽出することは必ずしも容易ではない。一方、同じ被処理物11であれば、正電圧印加時間を変更しても電流波形Aに現れるピーク到達時間tcは一定である。そこで、ピーク到達時間tcから適正な正電圧印加時間Tを決定するために、正電圧印加時間Tをピーク到達時間tcの0.5〜5倍の範囲で変化させて陽極酸化処理を行ない、各場合における膜厚と被膜性状を比較する実験を行なった。
実験では、アルミ材(ADC12)の被処理物11に対して、処理液として10vol%の硫酸を用い、投入電圧(正電圧)40V、電荷除去電圧−2Vの双極性パルス電圧を50〜500μsの周期(ピーク到達時間tcの0.5〜5倍)で、各20μsの休止期間を設けて印加して5分間の陽極酸化処理を行った。その結果を図3に示す。
図3のグラフの横軸には、正電圧印加時間をピーク到達時間で除した値(T/tc)を取り、縦軸(左、実線)は膜厚(μm)を、縦軸(右、破線)には被膜性状の指標としてうねりWa(μm)を示している。うねりWaは、断面曲線の算術平均高さ、すなわち基準長さにおける断面曲線の中心線に対する絶対値を積分した値である。
図3において、最も厚い被膜が得られた横軸が2.0の地点は、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tcの2倍の場合であり、ピーク到達時間tcの2倍で正電圧印加を終了することで、陽極酸化が活性な周期が効率良く抽出されていることが分かる。この試料の膜厚は、僅か5分の処理でありながら17μmに達しており、同じ処理時間で行なった直流陽極酸化の場合の膜厚2.5μmの6倍以上の厚膜化を達成している。
正電圧印加時間Tがピーク到達時間tcの2倍以上の場合でも充分に厚い被膜が得られていると言えるが、多少なりとも膜厚が減少する傾向にあることに注意すべきである。このような相対的に長時間の正電圧印加はそれ以上の厚膜化には寄与しないが、電源装置4への負荷を低減できる利点が有り、しかも、良好なうねりWaは維持され、同条件で行なった直流陽極酸化の場合のうねり(1.5μm)の1/2程度である。しかし、ピーク到達時間tcの3倍を越えるような相対的に長時間の正電圧印加では、周波数が少なくなるため成膜速度が低下することになる。
一方、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tcの2倍以下の場合には、正電圧印加時間にほぼ比例して膜厚が減少するうえ、短周期になる分、電源装置4への負荷も大きくなると言える。しかし、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tc以下、すなわち、電流波形のピークに到達する以前に正電圧印加を終了するような場合でも、依然として直流陽極酸化と同等かそれ以上の厚膜が得られていることに加えて、正電圧印加時間Tが短くなる程うねりWaが減少する傾向が見られ、処理速度よりも処理品質を優先する場合には有効であることが分かる。
以上のことから、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tcの1〜3倍の範囲(z1)で選定されれば、高品質の厚膜が短時間の陽極酸化処理で得られると言える。その選定範囲において、処理速度や電源装置4への負荷を考慮する場合には、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tcの1.5〜2.5倍の範囲(z2)が特に好適であり、処理品質を優先する場合には、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tcの1.0〜1.5倍の範囲(z3)が好適である。
ところで、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tc以下の比較的早期に正電圧印加を終了するような場合には、1周期の正電圧印加で陽極酸化層(アルミニウム−陽極酸化被膜界面)に供給可能な電荷が全て供給されていないことになる。換言すれば、陽極酸化層の電荷が未だ飽和していないので、その分の電荷を、短時間の正電圧印加期間中に上積みして印加できることが示唆されている。
図4は、図3のグラフに、平均電流値のグラフを重ねたものであり、膜厚と平均電流は同様の傾向を示すと言え、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tcの2倍より僅かに大きい場合に、1周期の正電圧印加期間における平均電流が最大になっている。すなわち、この最大平均電流値と正電圧印加時間の積が、1周期の正電圧印加期間において陽極酸化層に供給可能な電荷の総容量と見ることができる。したがって、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tcの0.6〜1.5倍の範囲(図3のz4)で選定されている場合には、その間の平均電流値が上記最大平均電流値を越えない範囲で投入電圧(正電圧)を上昇させても電荷が飽和することがないと言える。追加の実験から、このような投入電圧の補正を行なうことで、良好な被膜性状を維持しながら厚膜化を図れることが確認された。
次に、平均電流と被処理表面積との関係を調べるために、被処理物(自動車のエンジンのピストンおよびカバー)の同時処理個数を変化させて、上記同様の陽極酸化処理を行い、その際における正電圧印加時間と平均電流の関係を求めた。その結果を図5に示す。図5のグラフは、被処理表面積が大きくなる程、正電圧印加時間が長い区間に平均電流のピークがあり、陽極酸化層に電荷を充填するのにより多くの時間を要することを示している。
一方、図6は、同じ実験結果について、横軸に正電圧印加時間Tを電流波形のピーク到達時間tcで除した値(T/tc)を取ったグラフであり、被処理表面積に拘わらず、正電圧印加時間Tがピーク到達時間tcの2倍付近で、1周期の正電圧印加期間における平均電流が最大になることを示している。
以上の結果から、被処理物品の個数や被処理表面積に拘わらず、ピーク到達時間tcに基づいて処理速度や処理品質を考慮した適正な正電圧印加時間Tを選定可能であることが確認された。
図7〜図10は、上記実験で各正電圧印加時間Tにおいて電流検出部44、電圧検出部45に実際に検出された電流波形A、電圧波形Vを示している。このうち、図7は、周期が1000μs、正電圧印加時間Tが480μsの場合における電流波形Aと電圧波形Vを示し、図2に示した、暫定的な周期にて正電圧印加と電荷除去を交互に反復する陽極酸化処理に相当する。電流波形のピーク到達時間tc=31μsに対して、正電圧印加時間Tは約16倍の長さであるため、電流が殆ど流れない期間が多く含まれている。それでも5分間の陽極酸化処理で得られた膜厚は6.0μmであった。
図8は、周期が200μs、正電圧印加時間Tをピーク到達時間(31μs)の2.7倍の80μsに設定して陽極酸化処理を行なった場合における電流波形Aと電圧波形Vを示している。すなわち、T/tc=2.7に相当する80μsで正電圧印加を終了し、20μsのインターバルを経て電圧除去に移行しており、電流波形には、図7に見られたような電流が殆ど流れない区間は存在しない。5分間の陽極酸化処理で得られた膜厚は15.0μmに増加した。
図9は、周期が143μs、正電圧印加時間Tをピーク到達時間の1.7倍の51μsに設定して陽極酸化処理を行なった場合における電流波形Aと電圧波形Vを示している。すなわち、電流波形のピークを経過したが未だ充分に電流があるT/tc=1.7のタイミングで正電圧印加を打ち切り、20μsのインターバルを経て電圧除去に移行しており、正弦曲線に近い電流波形となっている。5分間の陽極酸化処理で得られた膜厚は17.0μmの最高値に達した。
図10は、周期が100μs、正電圧印加時間Tをピーク到達時間とほぼ等しい30μsに設定して陽極酸化処理を行なった場合における電流波形Aと電圧波形Vを示している。すなわち、T/tc=1.0の電流波形のピーク付近で正電圧印加が打ち切られているが、5分間の陽極酸化処理で膜厚9.0μmを得ている。非常に短い周期でスイッチングしているため、他の例に比べて電圧波形にノイズが見られるが、電流波形には大きな乱れはなく、被膜性状が良好な実験結果と一致している。
図11は、図7〜図10の各場合における電流波形の時間軸を一致させて重ねたものであり、T/tc≒1.7が処理速度と処理品質のバランスがとれた設定、T/tc≒1.0が処理品質を優先した設定、T/tc≒2.7は処理速度を優先した設定に対応しており、ピーク到達時間tcに基づく正電圧印加時間Tの各処理モードに対応した典型的な設定が端的に示されている。
本発明の陽極酸化処理により達成される成膜速度は、展伸材やAC材で13μm/min以上、Si含有7.5%以上のADC材加工面に対し6.0μm/min以上、その鋳肌面に対しても3.4μm/min以上に達しており、従来の直流陽極酸化における成膜速度が展伸材やAC材で1.0μm/min以下、Si含有7.5%以上のADC材で0.5μm/min以下であったことを考慮すると、格段に高速化されたと言える。
次に、以上述べたようなピーク到達時間tcに基づく正電圧印加時間Tの設定プロセスをスローアップ期間中に行う場合の実効性を検証するために、被処理表面積が異なる6組の試料n1〜n6について印加電圧Vと電流ピーク到達時間tcとの関係を調べる実験を行った。各試料n1〜n6は、その番号昇順に被処理表面積(部品1個の表面積×個数)が増大している。
図12は、実験結果を示すグラフであり、この結果から、印加電圧Vが上昇するに従ってピーク到達時間tcが減少し、かつ印加電圧Vの上昇側でピーク到達時間tcの減少傾向が小さくなることが確認された。これらの曲線は実質的にピーク到達時間tcが印加電圧Vに反比例することを示しており、スローアップ期間中の過渡的な投入電圧値におけるピーク到達時間(tc)から、最終的な投入電圧値におけるピーク到達時間tcを予測可能であることを示している。
しかも、総じて印加電圧Vの上昇に対してピーク到達時間tcの減少率は小さく、被処理表面積が比較的小さい試料n1、n2では、印加電圧30〜50Vではピーク到達時間tcが殆ど変化していない。したがって、被処理表面積が比較的小さい場合には、スローアップ期間の終盤、例えば、過渡的な投入電圧値が最終的な投入電圧値の80%程度に達した時点でピーク到達時間tcを求めれば、その値に基づいて処理速度や処理品質を考慮した適正な正電圧印加時間Tを決定できる。
また、ピーク到達時間の曲線は殆ど直線に近いので、スローアップ期間中にピーク到達時間(tc)を少なくとも2回測定すれば、各測定時の投入電圧値(V,V)およびピーク到達時間(tc,tc)から最終的な投入電圧値(V)におけるピーク到達時間(tc)を直線近似により求めることができる。スローアップ期間中にピーク到達時間を測定する回数を増やせば、近似の精度はさらに高まる。
スローアップ期間中に最終的な投入電圧値におけるピーク到達時間を確定し、それに基づいて処理速度や処理品質を考慮した最終的な正電圧印加時間Tを決定できれば、この正電圧印加時間Tに対応した周期にスローアップ期間中に移行することができる。その場合、暫定的な電圧印加周期から漸次または段階的に正規の電圧印加周期に移行することによって、電源装置への負担を軽減することができる。
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらに各種の変形および変更が可能である。
上記実施形態では、電流波形の制御ポイントをピーク到達時間tcとし、該ピーク到達時間tcに基づいて各処理モードに対応した正電圧印加時間Tを設定する場合を示したが、ピーク到達時間tcを計測する代わりに、電流に適宜閾値を設定し、その閾値に到達する時間を計測するか、または、電流が閾値を越えている時間自体を計測して、それに基づいて正電圧印加時間Tを設定することもできる。その場合、例えば、閾値は電流のピーク値に対する比率で設定することができる。
また、上記実施形態では、電源装置4の負荷を考慮して、基本的に、正電圧印加時間と負電圧印加による被膜電荷除去時間が等しく設定される場合を示したが、1周期中の正電圧印加時間と電荷除去時間が異なっていても良い。さらに、被膜電荷除去時間における負電圧がゼロの場合、すなわち積極的な電荷除去を行わない場合も想定されるが、電荷除去効果は低下するので、被膜電荷除去時間には負電圧が印加されることが好ましい。
本発明実施形態に係わる陽極酸化処理装置を示す構成図である。 暫定的な周期における陽極の電流波形および投入電圧を示すグラフである。 電圧印加時間/電流ピーク到達時間と膜厚および被膜うねりとの関係を示すグラフである。 電圧印加時間/電流ピーク到達時間と膜厚および平均電流との関係を示すグラフである。 被処理表面積と平均電流との関係を示すグラフである。 被処理表面積が異なる各場合における電圧印加時間/電流ピーク到達時間と平均電流との関係を示すグラフである。 暫定的な周期における電流波形と電圧波形を示すグラフである。 処理速度を優先した設定での電流波形と電圧波形を示すグラフである。 処理速度と処理品質を両立した設定での電流波形と電圧波形を示すグラフである。 処理品質を優先した設定での電流波形と電圧波形を示すグラフである。 図7〜図10の各場合における電流波形の時間軸を一致させて重ねたグラフである。 被処理表面積が異なる各場合における印加電圧と電流ピーク到達時間との関係を示すグラフである。
1 処理槽
2 陰電極板
4 電源装置
5 制御装置
10 処理液
11 被処理物
40 一次交流電源
41 プラス側直流電源
42 マイナス側直流電源
43 インバータ装置
44 電流検出器
45 電圧検出部
51 主制御部
52 電圧制御部
53 スイッチング制御部
54 監視部
P ピーク
tc ピーク到達時間
T 正電圧印加時間

Claims (8)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物を電解処理液に浸漬し、前記被処理物と前記電解処理液中に配置された陰電極との間に、商用電源レベル未満の周期で、正電圧印加と、負電圧印加による電荷除去を交互に反復する処理を行なう陽極酸化処理方法であって、
    暫定的周期にて正電圧印加と電荷除去を交互に反復する処理を行ない、その正電圧印加期間における電流波形のピーク到達時間を計測し、前記ピーク到達時間に基づいて正規の正電圧印加時間を決定するステップと、
    前記正規の正電圧印加時間に対応した周期で正電圧印加と電荷除去を交互に反復する処理を行ない、前記被処理物の表面に陽極酸化被膜を形成するステップと、を含むことを特徴とする陽極酸化処理方法。
  2. 前記正規の正電圧印加時間を決定するステップにおいて、前記ピーク到達時間の0.6〜3倍の間で正規の正電圧印加時間を決定することを特徴とする請求項に記載の陽極酸化処理方法。
  3. 前記正規の正電圧印加時間を決定するステップにおいて、前記ピーク到達時間の1〜3倍の間で正規の正電圧印加時間を決定することを特徴とする請求項に記載の陽極酸化処理方法。
  4. 前記正規の正電圧印加時間を決定するステップにおいて、前記ピーク到達時間の0.6〜1.5倍の間で正規の正電圧印加時間を決定するとともに、決定された正規の正電圧印加時間における平均電流値が、前記ピーク到達時間の2倍の正電圧印加時間における平均電流値を越えない範囲で、投入電圧を上昇させることを特徴とする請求項に記載の陽極酸化処理方法。
  5. 設定正電圧による本処理の前に、前記設定正電圧よりも低い処理開始時の正電圧から前記設定正電圧まで正電圧を連続的または段階的に上昇させるスローアップ処理を行い、そのスローアップ処理中に、前記正規の正電圧印加時間を決定するステップを行なうことを特徴とする請求項の何れか1項に記載の陽極酸化処理方法。
  6. 前記スローアップ処理中に計測されたピーク到達時間と、その計測時における正電圧値から、前記設定正電圧まで昇圧した状態でのピーク到達時間を予測する処理を含むことを特徴とする請求項に記載の陽極酸化処理方法。
  7. 前記正規の正電圧印加時間を決定するステップにおいて、前記電流波形のピーク到達時間の代わりに、電流波形のピーク到達以前または以後に、電流値が所定の閾値に到達した時間を計測し、それに基づいて正規の正電圧印加時間を決定することを特徴とする請求項1に記載の陽極酸化処理方法。
  8. 電解処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽内に配設された陰電極と、直流電源をスイッチングして高周波パルス電圧を出力しかつその正電圧印加周期および電荷除去周期を変更可能なインバータ電源装置とを備え、前記電解処理液に浸漬されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被処理物と前記陰電極との間に、商用電源レベル未満の周期で、正電圧印加と、負電圧印加による電荷除去を交互に反復する処理を行なう陽極酸化処理装置において、
    前記インバータ電源装置から前記被処理物に至る送電線の電流を監視する電流監視手段と、前記インバータ電源装置のスイッチングに同期して、前記電流監視手段によって得られる電流波形の正電圧印加期間におけるピーク到達時間を計測する計測手段と前記ピーク到達時間に対する倍数として正電圧印加時間を設定可能な制御部と、を備えたことを特徴とする陽極酸化処理装置。
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