JP5205688B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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特許文献1及び2で開示されるように、上述した樹脂中空母材の外周に、シリコンゴム層を、その表層にウレタン系樹脂を塗布した転写ローラ、または発泡タイプのゴムスポンジ導電性転写ローラは2次転写部での紙端突入に起因する変動要因に一定の効果を認めることができる。
特許文献3では、紙突入時、あるいは抜け出し時に発生するショック変動を、2次転写ローラの揺動機構によって逃がす方式を開示している。用紙の持つ突入エネルギーを、ニップ部におけるローラ移動で緩衝するという考え方には、その効果を認める。
従来技術によれば、厚紙を使用してプリントするとき、用紙先端あるいは後端が2次転写ローラ対に突入あるいは抜け出る瞬間に、駆動軸まわりでの回転トルク変動が発生する。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、厚紙突入/抜け出し時に2次転写ローラに作用する変動力の軽減を行ない、駆動ローラの回転負荷トルクの不均一性に相当する部分で発生する、画像の乱れを解決する2次転写ローラを提供することにある。
また、請求項2に記載の発明は、前記弾性ゴムの厚みは、0.5mm以下である請求項1に記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記弾性ゴムは低硬度の加硫ゴム又はシリコン系ゴムである請求項1又は2に記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記二次転写ローラの外周径が、使用する最大紙厚の、略75倍以上に設定される請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項5の発明は、前記二次転写ローラの回転支持軸と前記対向ローラの回転支持軸の軸間距離を変化する軸間距離可変機構を備え、該軸間距離可変機構は駆動制御回路によって使用紙厚指定または紙厚の自己検出に応じて段階的に前記軸間距離を変化可能である請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項6の発明は、前記二次転写ローラは、長手方向の中心近傍を凸形状とした鼓形状である画像形成装置を特徴とする。
また、請求項7の発明は、前記中間転写体の走行方向に沿って前記感光体を複数備える請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像形成装置を特徴とする。
図1において、画像形成装置Aの対向ローラ1、中間転写ベルト3及び2次転写ローラ2を含む2次転写部で発生する負荷変動は中間転写ベルト3を伝播してベルト駆動ローラ4に伝わる。ベルト駆動ローラ4の軸4aは、回転ジョイント機構や減速機構を経由した後、駆動モータ(DCモータやパルスモータ)5に連結されている。
中間転写ベルト3はベルト駆動ローラ4に巻き付き、その摩擦駆動力により微少な移動量も制御している。前記した2次転写部での負荷変動が、同じく前記した駆動ローラ4で制御できないと、若干の移動位置誤差が、その上流にある感光体ドラム6に対向した1次転写部に伝播して転写の位置誤差を発生することになる。
中間転写ベルト3の移動を制御すべきベルト駆動ローラ4及び伝達系には、幾つかの変動要因がある。それらは、負荷の変動による中間転写ベルト3の微少スリップ、あるいは伸び、ジョイント機構や減速機構である歯車部での回転伝達時の撓み、あるいは駆動モータ5の保持力が負荷変動に負けるなどである。
本発明の目的は、2次転写ローラ2(対向ローラ1との間のニップ部)に厚紙先端が突入したり、逆に厚紙の後端が抜け出るときに発生する急激な負荷の変動要因を減少させるようにして、1次転写部における微少な位置変動(ショックジター)を解決することにある。
ここで、2次転写ローラの、画像転写プロセスから見た電気的条件、材料特性については、例として、特開平8−63009号公報「画像転写装置におけるローラ転写装置」及び特許第2652180号「画像形成装置」に述べられている。
本発明による2次転写ローラ2では、導電性ゴムローラ部2bはゴム硬度40°(ゴム硬度Aスケール)以下の加硫ゴムまたはシリコン系ゴムを下層に構成し、その表層には粘性を無効とするウレタンコーティング層2dを薄層として設け、その回転慣性を小さくし、導電性ゴムローラ部2bによりニップ領域を拡げかつ適切な転写必要圧力を確保する構造としている。
一般に発泡ゴム構造以外の方法で40°以下の低硬度を実現しようとすると、加硫ゴムの場合は可塑剤の添加により粘性が増加する。また、シリコンゴムの場合も高粘性になる。
その結果、転写ベルト接触部での粘着、或いは用紙接触部との粘着による両移動体の移動不良が生じる。これを回避するために、上述した表層に塗布されるウレタンコーティング2dが有効である。
中間転写ベルト3の移動に対し、従動的に回転する2次転写ローラ2は、低慣性である方が用紙の突入に対して、大きなトルク変動を発生しにくい。2次転写ローラ2は、通常、無垢の金属シャフトに発泡ゴムなどを巻き付けて形成するが、これでは回転慣性の影響が無視できない。
パイプ形状に形成するメリットは、ローラ径を大きくしても、或いは1mm以下の薄肉化円筒でも、強度を保持しながら変形を抑えられ、加圧接触させたときの「鞍そり」もなく均一な長手方向の接触性とニップの確保ができることである。すなわち、ローラ径が大きくなっても必要な一定のゴム厚を確保の後、低慣性なローラ芯を獲得できるということである。
高強度にして、低質量の中空円筒材料としては、アルミまたはアルミ合金、ポリカーボネイトあるいはそれにガラス繊維等のフィラーを混合させた材料を選択するのが良い。中空円筒材料に対してゴムを焼き付けるにしても十分な耐熱性を有する。ゴムの材質としては、シリコン等の低硬度で形成可能な材料を用いる。ウレタンコーティング2dは適宜な方法でシリコン等の低硬度で形成可能な材料の表層に塗布される。
これは、低硬度の2次転写ローラ2と対向ローラ1とのローラ対に形成されるニップ部に厚さを有する用紙端部が突入するとき、ニップ部を押し分けて除々に進入して行くので、それに応じて負荷も急激に変動せず、ニップ部の変形とともに除々に変化するためである。逆に紙の後端が抜け出るときも同じ理屈による。
硬度を数種変えながら、φ20の2次転写ローラ(図示せず)を用いて試験を行った。出力サンプルの感応試験の結果と照合すると、硬度40度以下のもので、良の判定を得た。
低硬度ゴムを形成する場合の問題として、一般のクロロプレンゴムに加硫材を入れて軟化させる場合や、シリコンゴムを用いる場合にその外周に粘性が生じてしまう。
これは中間転写ベルトとの粘着や用紙との粘着に繋がり、回転駆動が不能となるためである。2次転写ローラと中間転写ベルトとの間の移動が正しく行なわれないので、結果として印写の位置ズレ、移動負荷の増大、或いは回転駆動不能に至る。
この問題解決のため、本発明では、2次転写ローラ外周のゴム層2bには、粘性の影響を受けないようにウレタン等による薄層を2d形成する。その厚さは〜0.2mm程度であり、ディッピングあるいは二重成形法により形成する。
これにより、シリコンゴム等の低硬度ゴム材料ローラ部である下層は低粘度/低硬度でも、その表層に粘性を無効にする材料でコーティングを行なって低硬度ゴム材料ローラ部の粘性の影響を受けないようにしている。
これによれば、低硬度にして変形容易な転写ローラが形成でき、紙端突入時の対向ローラに作用する瞬間的な力を減少させることが可能であり、さらに2次転写ローラとしての機械的当接条件も確保できる。
本発明による2次転写ローラは多層ゴム構造であり、中間転写ベルトまたは用紙との摩擦係数を計測するとき、少なくとも下層材料との摩擦係数より、表層材料との摩擦係数の方が小さく構成される。
一般にはゴム厚さの弾性力により獲得可能であるが、装置サイズ(A3横の幅420mm以上の通紙)が長尺の場合は、内部を密封構造としてエアを注入して封止し、エア圧力を設定して機能させる。あるいは極めて軽量かつクッション性のある合成綿を密度調整しながら詰めても良い。
図6の変形可能なゴムローラ7は、回転支持軸7a、シリコンゴム等の低硬度ゴム材料ローラ部7b、低慣性薄肉パイプ7c、低硬度ゴム材料ローラ部2bの表層に塗布されるウレタンコーティング2dから構成される。低硬度ゴム材料ローラ部7bには、さらに、その内面に低慣性薄肉パイプ7cに向かって延びる多数の変形抑制リブ7dが設けられる。
変形可能なゴムローラ7は、また、上述したように、内部を密封構造としてエアを注入して空気室7fとして封止し、エア圧力を設定して機能させる。あるいは極めて軽量かつクッション性のある合成綿を密度調整しながら詰めても良い。その回転慣性を小さくし、導電性ゴムローラによりニップ領域を拡げかつ適切な転写必要圧力を確保する構造としている。
変形可能なゴムローラ7は、同様に、低硬度にして変形容易な転写ローラが形成でき、紙端突入時の対向ローラに作用する瞬間的な力を減少させることが可能である。さらに転写ローラとしての機械的当接条件も確保できる。
これは、2次転写ローラと対向ローラのローラ対に形成されるニップ部に厚さを有する用紙端部が突入するときの負荷抵抗がその曲率により小さくなるためである。印写サンプルによる感応評価では、紙厚0.2mmに対して約75倍の直径で良と判断された。
したがって、2次転写ローラの外周径を使用する最大紙厚の、略75倍以上に設定することによって、2次転写ローラ径を大きして曲率を小さくでき、紙端突入時の対向ローラに作用する瞬間的な力を減少させることが可能となる。
低硬度のローラでニップ部を拡大させた所に用紙端を突入させることは、突入衝撃を減少させる上では大きな効果を有するが、このニップ部が大き過ぎると、厚紙突入の後、用紙を搬送する過程での駆動軸回転トルクが高くなり、駆動トルクの全体アップになってしまい、その結果、伝達剛性やモータトルク以上となって問題である。
その理由は、2次転写ローラ2のゴム外周変形によりゴムの屈曲変形抵抗が増加するためである。そこで、本発明では、厚紙が給紙設定されたときには2軸間の距離を微少に拡大してニップ幅を減少させて、弾性ゴム部の屈曲抵抗を減少させるようにしている。
図中、ガイド8に沿って加圧ばね9により加圧される2次転写ローラ2の回転支持軸2aには、軸間調整レバー10が当接し、図示してない画像形成装置本体の適所に固定された当接位置を検出する位置センサ11が、軸間調整レバー10の一部を検出するようになっている。通常の薄紙が使われる2軸(対向ローラ1の回転支持軸1a及び2次転写ローラの回転支持軸2a間距離がデフォルト位置である。
軸間調整レバー10は支点中心に回動すると同時に、他端には軸間距離可変機構の1部分を構成するそのウォーム10aにウォーム歯車12が噛み合う。このウォーム歯車12はパルスモータ13により入力ステップに同期した回転を行い、所定のステップ印加により2軸間距離Bを微少に変化することができる。これによって厚紙に適した2軸間距離を設定する。
図8において、操作者が操作パネル14からコントローラ16を介してドライバ17を駆動して厚紙を指定するだけでなく、用紙Pの搬送経路に紙厚検出センサ15を設け、自動的に適正なギャップ設定ができることを説明している。
ニップ変形部を大きく確保することにより、軸間制御範囲が拡大して位置制御し易くなる。したがって、これを正確に制御する制御機構を付加して負荷変動を最少化することにより、使用可能な紙厚の許容域を大幅に拡大することが可能となる。
Claims (7)
- 感光体と、該感光体上の画像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体を介して対向ローラと対向して前記中間転写体との間にニップ部を形成する二次転写ローラと、を備え、前記ニップ部で前記中間転写体上の画像が用紙に二次転写される画像形成装置において、
前記二次転写ローラは、当該二次転写ローラの回転支持軸から外径方向に向かって順に設けた、中空パイプと、弾性ゴムからなるゴムローラ部と、該ゴムローラ部の外周に形成されたウレタンコーティング層と、を備え、前記中空パイプと前記ゴムローラ部との間に空気を封止した空気室が設けられ、且つ、前記ゴムローラ部の内面に前記中間パイプへ向かって延びる複数のリブが設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記弾性ゴムの厚みは、0.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記弾性ゴムは低硬度の加硫ゴム又はシリコン系ゴムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記二次転写ローラの外周径が、使用する最大紙厚の、略75倍以上に設定されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記二次転写ローラの回転支持軸と、前記対向ローラの回転支持軸の軸間距離を変化する軸間距離可変機構を備え、該軸間距離可変機構は駆動制御回路によって使用紙厚指定または紙厚の自己検出に応じて段階的に前記軸間距離を変化可能であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記二次転写ローラは、長手方向の中心近傍を凸形状とした鼓形状であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体の走行方向に沿って前記感光体を複数備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像形成装置。
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