JP5203998B2 - ワーク把持装置およびワーク把持方法 - Google Patents

ワーク把持装置およびワーク把持方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワーク把持装置およびワーク把持方法に関する。詳しくは、基準孔が形成されたワークを把持するワーク把持装置およびワーク把持方法に関する。
従来より、自動二輪車の前輪部分のアッセンブリは、右フォークおよび左フォークからなる一対のフロントフォーク、ステム、ホイール、ブレーキパネル、アクスルなどの部品で構成される。これらの部品のうち、フロントフォーク、ホイール、およびブレーキパネルには、貫通孔が形成されている。
これらフロントフォーク、ホイール、およびブレーキパネルは、例えば、把持装置を用いて、以下の手順で組み立てられる(特許文献1参照)。
すなわち、把持装置は、棒状であり、先端側に設けられたコレットを拡張あるいは収縮可能となっている。
まず、右フォークの供給位置に把持装置を移動し、右フォークの挿通孔にコレットを挿入する。そして、コレットを拡張させて、把持装置で右フォークを把持する。
次に、カラーの供給位置に把持装置を移動し、カラーの上に右フォークを積層する。そして、把持装置を下降させて、コレットをカラーに挿入する。そして、コレットを拡張させて、把持装置でカラーを把持する。これにより、把持装置で、右フォークおよびカラーを支持した状態となる。
次に、ホイールの供給位置に把持装置を移動し、ホイールの上に右フォークおよびカラーを積層する。そして、把持装置を下降させて、コレットをホイールに挿入する。そして、コレットを拡張させて、把持装置でホイールを把持する。これにより、把持装置で、右フォーク、カラー、およびホイールを支持した状態となる。
次に、ブレーキパネルの供給位置に把持装置を移動し、ブレーキパネルの上に右フォーク、カラー、およびホイールを積層する。そして、把持装置を下降させて、コレットをブレーキパネルに挿入する。そして、コレットを拡張させて、把持装置でブレーキパネルを把持する。これにより、把持装置で、右フォーク、カラー、ホイール、およびブレーキパネルを支持した状態となる。
次に、左フォークの供給位置に把持装置を移動し、左フォークの上に右フォーク、カラー、ホイール、およびブレーキパネルを積層する。そして、把持装置を下降させて、コレットを左フォークに挿入する。そして、コレットを拡張させて、把持装置で左フォークを把持する。これにより、把持装置で、右フォーク、カラー、ホイール、ブレーキパネル、および左フォークを支持した状態となる。
その後、アクスル昇降機構により、これらの部品の挿通孔にアクスルを挿通して、締め付ける。
特開2009−000769号公報
ところで、上述のアッセンブリでは、実際には、部品同士の位相を調整する必要がある。
具体的には、右フォークおよび左フォークにステムを取り付けるため、右フォークおよび左フォークを、略平行、つまり、回転方向に同位相とする必要がある。
また、左フォークがブレーキパネルの下面に嵌合する構造であるため、ブレーキパネルを左フォークに対して回転方向に所定の位相とする必要がある。
さらに、ブレーキパネルは所定の位置でホイールに嵌合する構造であるため、ホイールをブレーキパネルに対して回転方向に所定の位相とする必要がある。
しかしながら、特許文献1に示された把持装置では、部品の回転方向の位相を保持できないため、部品同士の位相がずれてしまい、アッセンブリの組立効率が低下する、という問題があった。
本発明は、基準孔が形成されたワークについて、当該ワークの基準孔を回転中心とする回転方向の位相を保持できるワーク把持装置およびワーク把持方法を提供することを目的とする。
本発明のワーク把持装置(例えば、後述の把持装置30)は、基準孔(例えば、後述の挿通孔111)が形成されたワーク(例えば、後述の右フォーク11A)を把持するワーク把持装置であって、基部(例えば、後述の基部31)と、当該基部から延びる棒状の把持手段(例えば、後述の把持部40)と、前記基部に設けられた複数の棒状の位相固定手段(例えば、後述の係止部材524)と、を備え、前記把持手段は、前記基準孔に挿入されて当該基準孔を把持し、前記複数の位相固定手段は、前記把持手段から所定間隔離れて略平行に整列して設けられ、かつ、延出方向に移動可能であることを特徴とする。
本発明のワーク把持方法は、基準孔(例えば、後述の挿通孔111)が形成されたワーク(例えば、後述の右フォーク11A)をワーク把持装置で把持するワーク把持方法であって、前記ワーク把持装置を、基部と、当該基部から延びる棒状の把持手段と、前記基部に設けられた複数の棒状の位相固定手段と、を含んで構成し、前記複数の位相固定手段を、前記把持手段から所定間隔離れて略平行に整列して設け、かつ、延出方向に移動可能とし、前記把持手段に対する前記基準孔を回転中心とする前記ワークの回転方向の位相を検出する工程と、前記ワークおよび前記把持手段のうちの少なくとも一方を回転させて、前記把持手段に対する前記ワークの回転方向の位相を決定する工程と、前記把持手段を前記ワークの基準孔に挿入して把持するとともに、前記複数の位相固定手段の一部を前記ワークに当接させて後退させることで、当該複数の位相固定手段の先端部分に段差を生じさせ、当該段差を前記ワークに係止させて前記把持手段に対する前記ワークの回転方向の位相を固定する工程と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、複数の位相固定手段を、把持手段から所定間隔離れて略平行に整列して設け、かつ、延出方向に移動可能とした。
そして、把持手段をワークの基準孔に挿入して把持することで、複数の位相固定手段の一部の先端をワークに当接させて、このワークによりこの一部の位相固定手段を後退させるとともに、残りの位相固定手段の側面をワークに当接させて、把持手段に対するワークの回転方向の位相を保持した。
よって、基準孔が形成されたワークについて、このワークの基準孔を回転中心とする回転方向の位相を保持できる。その結果、部品同士の位相がずれるのを防止して、作業効率が低下するのを抑制できる。
本発明のワーク把持方法は、基準孔(例えば、後述の挿通孔111、131)が形成された第1ワーク(例えば、後述のフォーク右11A)および第2ワーク(例えば、後述のホイール13)をワーク把持装置で積層して把持するワーク把持方法であって、前記ワーク把持装置を、基部と、当該基部から延びる棒状の把持手段と、前記基部に設けられた複数の棒状の位相固定手段と、を含んで構成し、前記複数の位相固定手段を、前記把持手段から所定間隔離れて略平行に整列して設け、かつ、延出方向に移動可能とし、前記把持手段に対する前記基準孔を回転中心とする前記第1ワークの回転方向の位相を検出する工程と、前記第1ワークおよび前記把持手段のうちの少なくとも一方を回転させて、前記把持手段に対する前記第1ワークの回転方向の位相を決定する工程と、前記把持手段を前記第1ワークの基準孔に挿入して把持するとともに、前記複数の位相固定手段の一部を前記第1ワークに当接させて後退させることで、当該複数の位相固定手段の先端部分に段差を生じさせ、当該段差を前記第1ワークに係止させて前記把持手段に対する前記ワークの回転方向の位相を固定する工程と、前記第2ワークおよび前記把持手段のうちの少なくとも一方を回転させて、前記把持手段に対する前記第2ワークの回転方向の位相を決定する工程と、前記把持手段を移動して前記第1ワークを前記第2ワークに積層し、前記把持手段による前記第1ワークの把持を解除する工程と、前記把持手段を、前記第1ワークの基準孔に加えて、前記第2ワークの基準孔に挿入して、前記第2ワークを把持するとともに、前記位相固定手段のうち前記第1ワークにより後退していないものを第2位相固定手段(例えば、後述の係止部材524A)として、当該複数の第2位相固定手段の一部を前記第2ワークに当接させて後退させることで、当該複数の第2位相固定手段の先端部分に段差を生じさせ、当該段差を前記第2ワークに係止させて前記把持手段に対する前記ワークの回転方向の位相を固定する工程と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、複数の位相固定手段の一部の先端を第1ワークに当接させて、この第1ワークによりこの一部の位相固定手段を後退させるとともに、残りの位相固定手段の側面を第1ワークに当接させて、把持手段に対する第1ワークの回転方向の位相を固定した。
さらに、位相固定手段のうち前記第1ワークにより後退していないものを第2位相固定手段として、複数の第2位相固定手段の一部の先端を第2ワークに当接させて、この第2ワークによりこの一部の第2位相固定手段を後退させるとともに、残りの第2位相固定手段の側面を第2ワークに当接させて、把持手段に対する第2ワークの回転方向の位相を保持した。
よって、基準孔が形成された複数のワークについて、これらワークの基準孔を回転中心とする回転方向の位相を保持できる。その結果、部品同士の位相がずれるのを防止して、作業効率が低下するのを抑制できる。
本発明によれば、複数の位相固定手段を、把持手段から所定間隔離れて略平行に整列して設け、かつ、延出方向に移動可能とした。そして、把持手段をワークの基準孔に挿入して把持することで、複数の位相固定手段の一部の先端をワークに当接させて、このワークによりこの一部の位相固定手段を後退させるとともに、残りの位相固定手段の側面をワークに当接させて、把持手段に対するワークの回転方向の位相を保持した。よって、基準孔が形成されたワークについて、このワークの基準孔を回転中心とする回転方向の位相を保持できる。その結果、部品同士の位相がずれるのを防止して、作業効率が低下するのを抑制できる。
本発明一実施形態に係るワーク把持装置により組み立てられるフロントフォークアッセンブリの分解斜視図である。 前記実施形態に係るワーク把持装置の概略構成を示す斜視図である。 前記実施形態に係るワーク把持装置の把持部の断面図である。 前記実施形態に係る把持部のコレット近傍の分解斜視図である。 前記実施形態に係るコレットに加圧した状態を示す断面図である。 前記実施形態に係るコレットが拡張した状態を示す断面図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成する右フォークを把持する手順を説明するための側面図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成する右フォークを把持した状態を示す斜視図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するカラーを把持する手順を説明するための側面図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するホイールを把持する手順を説明するための側面図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するホイールを把持した状態を示す斜視図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するブレーキパネルを把持する手順を説明するための側面図(その1)である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するブレーキパネルを把持する手順を説明するための側面図(その2)である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するブレーキパネルを把持する手順を説明するための側面図(その3)である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するブレーキパネルを把持する手順を説明するための側面図(その4)である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するブレーキパネルを把持する手順を説明するための側面図(その5)である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成する左フォークを把持する手順を説明するための側面図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成する左フォークを把持した状態を示す側面図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するアッセンブリにアクスルを挿通した状態を示す側面図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを構成するアッセンブリにステムを取り付けた状態を示す側面図である。 前記実施形態に係るフロントフォークアッセンブリを完成させた状態を示す側面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明一実施形態に係るワーク把持装置により組み立てられるフロントフォークアッセンブリ10の分解斜視図である。
フロントフォークアッセンブリ10は、自動二輪車の前輪部分であり、一対のフォーク11A、11B、ステム12、第2ワークとしてのホイール13、ブレーキパネル14、アクスル15を含んで構成される。
一対のフォーク11A、11Bは、右側に配置される第1ワークとしての右フォーク11Aと、左側に配置される左フォーク11Bとで構成され、それぞれ、長尺状の部材であり、先端側には、基準孔としての挿通孔111が形成されている。
ステム12は、フォーク11A、11Bが挿通される一対の挿通孔121が形成されており、これら挿通孔121のそれぞれにフォーク11A、11Bを挿通してボルト122で締め付けることにより、一対のフォーク11A、11Bを略平行に保持する。
ホイール13は、略円盤状であり、ホイール13の中心には基準孔としての挿通孔131が形成されている。
ブレーキパネル14は、略円盤状であり、ホイール13に取り付けられる。このブレーキパネル14の中心には、挿通孔141が形成されている。
ホイール13は、ブレーキパネル14が取り付けられた状態で、一対のフォーク11A、11Bの間に配置される。
アクスル15は、一対のフォーク11A、11B、ホイール13、およびブレーキパネル14のそれぞれの挿通孔111、131、141と、円筒状のカラー151とに挿通され、ナット152で締め付けられることにより、ホイール13をフォーク11A、11Bに回転自在に保持する。つまり、アクスル15を挿通することにより、一対のフォーク11A、11B、ホイール13、およびブレーキパネル14のそれぞれの挿通孔111、131、141と、円筒状のカラー151とは、同軸上に位置することになる。
ところで、以上のフロントフォークアッセンブリ10では、右フォーク11Aおよび左フォーク11Bにステム12を取り付けるため、右フォーク11Aと左フォーク11Bとを略平行にする、つまり、挿通孔111を回転中心とする回転方向に同位相とする必要がある。
また、左フォーク11Bがブレーキパネル14の下面に嵌合する構造であるため、ブレーキパネル14の左フォーク11Bに対する挿通孔111、141を回転中心とする回転方向の位相を、所定の位相とする必要がある。
さらに、ブレーキパネル14は所定の位置でホイール13に嵌合する構造であるため、ホイール13のブレーキパネル14に対する挿通孔131、141を回転中心とする回転方向の位相を、所定の位相とする必要がある。
以上より、フロントフォークアッセンブリ10を組み立てるためには、右フォーク11A、ホイール13、ブレーキパネル14、および左フォーク11B同士の回転方向の位相を調整する必要があることが判る。
図2は、ワーク把持装置としての把持装置30の概略構成を示す斜視図であり、図3は、把持装置30の把持部40の断面図である。
把持装置30は、ロボットのハンドであり、この把持装置30の姿勢および3次元空間上の位置を変化させるロボットアーム32の先端に設けられている。
把持装置30は、ロボットアーム32に支持される平板状の基部31と、この基部31から略垂直に延びる棒状の把持手段としての把持部40と、基部31から略垂直に延びる進退可能な係止部50と、を備える。この把持部40の中心軸とロボットアーム32のフランジ面の中心軸とは、同軸となっている。
係止部50は、基部31に略垂直に設けられた係止部本体51と、この係止部本体51にスライド自在に設けられたスライド部52と、を備える。
係止部本体51には、延出方向に沿って延びるスライドレール511が設けられている。また、スライドレール511の下端には、突起部512が設けられている。
スライド部52は、スライド部本体521と、このスライド部本体521に設けられてスライドレール511に沿って移動可能なスライドガイド527と、このスライドガイド527の下端に設けられたストッパ522と、スライド部本体521の下端から略水平方向に延びる当接部523と、スライド部本体521に対して上下に移動可能に設けられた複数の棒状の位相固定手段としての係止部材524と、を備える。
ストッパ522は、係止部本体51の突起部512に係止することにより、スライド部52の下方への移動を規制する。
当接部523の先端は、略水平面となっており、把持部40の近傍まで延びている。
スライド部本体521には、上下に延びる複数の貫通孔525が並んで形成されており、複数の係止部材524は、それぞれ、貫通孔525に挿通されている。これにより、複数の係止部材524は、把持部40から所定間隔離れて略平行に整列して設けられ、かつ、上下方向に移動可能となっている。
また、各係止部材524の上端側には、鍔部526が形成されており、係止部材524の下方への移動を規制する。
以上のスライド部52は、外力が加えられていない状態では、自重により下方に移動して、ストッパ522が突起部512に係止した状態となっている。
また、各係止部材524も、自重により下方に移動して、鍔部526が貫通孔525の上端に係止した状態となっている。
把持部40は、基部31に設けられたアクチュエータ41と、このアクチュエータ41に固定された円筒状のガイド部42と、このガイド部42の同軸上に設けられた円筒状のコレット43と、ガイド部42およびコレット43に挿通される棒状のシャフト部44と、を備える。
アクチュエータ41は、シャフト部44をガイド部42内で進退させることで、ガイド部42とシャフト部44とを相対移動させる。
ガイド部42の先端には、第1の駒421が形成されている。
シャフト部44の先端には、第2の駒441が形成されている。
コレット43は、ガイド部42の第1の駒421とシャフト部44の第2の駒441と間に配置されている。
図4は、把持装置30のコレット43近傍の分解斜視図である。
コレット43には、一端縁付近から他端縁に至るスリット431と、他端縁付近から一端縁に至るスリット432と、が交互に形成されている。
第1の駒421の外径は、コレット43側つまり先端側では、コレット43の内径よりも小さく、コレット43の反対側つまり基端側では、コレット43の内径よりも大きくなっている。
第2の駒441の外径は、コレット43側つまり基端側では、コレット43の内径よりも小さく、コレット43の反対側つまり先端側では、コレット43の内径よりも大きくなっている。
よって、第1の駒421の先端側および第2の駒441の基端側は、コレット43の内径よりも小さいので、コレット43内部に入り込んだ状態となっている。
次に、把持装置30の動作について説明する。
まず、アクチュエータ41を動作させない場合、第1の駒421の先端側および第2の駒441の基端側がコレット43の内部に入り込んでいるが、コレット43は、拡張していない状態である。
次に、アクチュエータ41により、シャフト部44をガイド部42に対して矢印A方向に後退させて、第2の駒441が第1の駒421に接近させる。すると、図5に示すように、これらの駒421、441の外周面により、コレット43の内壁面が矢印B方向に押圧される。その結果、コレット43が弾性変形し、図6に示すように、コレット43の外径は矢印C方向に拡張される。
その後、アクチュエータ41により、シャフト部44をガイド部42に対して前進させて、第2の駒441を第1の駒421から離間させる。すると、コレット43の弾性変形の復元力により、コレット43の外径は、収縮して原形に復帰する。
次に、上述のフロントフォークアッセンブリ10の組立手順を、図7〜図17を参照しながら説明する。
把持装置30は、右フォーク11Aが供給される図示しない右フォーク供給エリア、カラー151が供給される図示しないカラー供給エリア、ホイール13が供給される図示しないホイール供給エリア、ブレーキパネル14が供給される図示しないブレーキパネル供給エリア、および左フォーク11Bが供給される図示しない左フォーク供給エリアを順次移動しながら、フロントフォークアッセンブリ10を組み立てる。
まず、図示しないカメラにより、右フォーク供給エリア、カラー供給エリア、ホイール供給エリア、ブレーキパネル供給エリア、および左フォーク供給エリアを上方から撮影し、今回の組み立て対象となる右フォーク11Aの供給位置および回転方向の位相、カラー151の供給位置、ホイール13の供給位置、ブレーキパネル14の供給位置および回転方向の位相、左フォーク11Bの供給位置および回転方向の位相を検出しておく。
次に、把持装置30により右フォーク11Aを把持する。以下、この具体的な手順を、図7、図8を参照しながら説明する。
まず、上述のように、右フォーク11Aの挿通孔111を回転中心とする回転方向の位相は、既に検出されている。そこで、図7に示すように、右フォーク供給エリアに把持装置30を移動し、把持装置30の把持部40を、右フォーク11Aの上方に位置させる。
次に、把持装置30を回動させて、把持部40に対する右フォーク11Aの回転方向の位相を決定する。これにより、右フォーク11Aの基端側は、把持部40の係止部材524の下方に位置する。
続いて、把持装置30を下方に移動し、把持装置30の当接部523を右フォーク11Aに当接させながら、右フォーク11Aの挿通孔111に把持装置30を挿通する。
すると、図8に示すように、把持装置30の当接部523に設けられた複数の係止部材524のうちの一部が右フォーク11Aの上面に当接して上昇し、複数の係止部材524の先端部分に段差が生じて、この段差が右フォーク11Aに係止する。これにより、把持部40に対する右フォーク11Aの回転方向の位相が固定されて、右フォーク11Aは把持装置30に対して従回動可能となる。
そして、コレット43を拡張させて右フォーク11Aを把持する。
次に、把持装置30により、右フォーク11Aに加えて、カラー151を把持する。具体的には、図9に示すように、カラー供給エリアに把持装置30を移動し、把持装置30の把持部40を、カラー151の上方に位置させる。
次に、把持装置30を下方に移動し、右フォーク11Aをカラー151に積層し、右フォーク11Aの下面をカラー151の上面に当接させる。次に、コレット43を原形に復帰させて右フォーク11Aの把持を解除する。続いて、把持装置30を下方に移動し、右フォーク11Aに加えてカラー151にも把持装置30の把持部40を挿通する。これにより、右フォーク11Aが把持装置30の把持部40に対して上方に相対移動するので、係止部50のスライド部52も係止部本体51に対して上方に相対移動する。
その後、コレット43を拡張させて、カラー151を把持する。この状態では、右フォーク11Aの挿通孔111およびカラー151は、同軸上に位置している。
次に、把持装置30により、右フォーク11Aおよびカラー151に加えて、ホイール13を把持する。具体的には、図10に示すように、ホイール供給エリアに把持装置30を移動し、把持装置30の把持部40を、ホイール13の上方に位置させる。
次に、把持装置30を下方に移動し、右フォーク11Aおよびカラー151をホイール13に積層し、カラー151の下面をホイール13の上面に当接させる。次に、コレット43を原形に復帰させてカラー151の把持を解除する。
続いて、図11に示すように、把持装置30を下方に移動し、右フォーク11Aおよびカラー151に加えて、ホイール13にも把持装置30の把持部40を挿通する。これにより、右フォーク11Aおよびカラー151が把持装置30の把持部40に対してさらに上方に相対移動するので、係止部50のスライド部52も係止部本体51に対してさらに上方に相対移動する。
ここで、複数の係止部材524のうち右フォーク11Aにより上昇していないものを第2位相固定手段としての係止部材524Aとすると、これら係止部材524Aのうちの一部はホイール13の上面に当接して上昇する。このとき、ホイール13の端部側の高さは中央側の高さよりも低いため、複数の係止部材524Aの先端部分に段差が生じて、この段差がホイール13に係止する。これにより、把持部40に対するホイール13の回転方向の位相が固定されて、ホイール13は把持装置30に対して従回動可能となる。
その後、コレット43を拡張させて、ホイール13を把持する。この状態では、右フォーク11Aの挿通孔111、カラー151、およびホイール13の挿通孔131は、同軸上に位置している。
次に、把持装置30により、右フォーク11A、カラー151、およびホイール13に加えて、ブレーキパネル14を把持する。
以下、このブレーキパネル14を把持する具体的な手順を、図12〜図16を参照しながら説明する。
まず、ブレーキパネル供給エリアにおいて、ブレーキパネル14は、トレイ142に収納されている(図12参照)。
トレイ142には凹部が形成されており、この凹部は、全体が上方に露出した状態でブレーキパネル14が収納されるブレーキパネル収納部143となっている。また、ブレーキパネル収納部143の周囲には、ブレーキパネル収納部143よりも高い位置に、ホイール13が載置されるホイール載置面144が形成されている。
また、トレイ142の側方には、カメラ145が設けられている。
この状態で、まず、把持装置30をカメラ145の上方に位置させ、このとき、カメラ145によりホイール13を下方から撮影し、撮影したホイール13の嵌合部の形状に基づいて、ホイール13の回転方向の位相を検出する。
次に、図12に示すように、把持装置30をトレイ142に接近させる。ここで、この把持装置30は、上から右フォーク11A、カラー151、およびホイール13の順に積層した状態で、ホイール13を把持している。
次に、把持装置30を回動させて、挿通孔131を中心としてホイール13を回動させて、トレイ142に収納されたブレーキパネル14の嵌合部の形状に合致するようにホイール13の位相を調整する。
次に、図13に示すように、さらに把持装置30を移動して、最下段のホイール13をトレイ142のホイール載置面144に着座させる。
次に、把持装置30のコレット43を原形に復帰させてホイール13の把持を解除する。
次に、把持装置30を上昇させて、把持装置30のコレット43をカラー151の内部に位置させて、コレット43を拡張し、カラー151を把持する。
次に、図14に示すように、把持装置30をさらに上昇させて、把持装置30の係止部材524のホイール13に対する係止を解除し、これにより、ホイール13の把持装置30に対する従回動が解除される。
次に、把持装置30を回動させることにより、挿通孔111を中心として右フォーク11Aを回動させて、ブレーキパネル14に対する右フォーク11Aの位相を調整する。このとき、把持装置30による右フォーク11Aの把持を解除しているが、把持装置30の係止部材524は右フォーク11Aに係止しているため、把持装置30を回動すると、右フォーク11Aも回動することになる。
続いて、図15に示すように、把持装置30を下降させて、右フォーク11A、カラー151、およびホイール13に加えて、ブレーキパネル14にも把持装置30の把持部40を挿通する。これにより、複数の係止部材524が再びホイール13に係止し、ホイール13は、再び、把持装置30に対して従回動可能となる。
その後、コレット43を拡張させてブレーキパネル14を把持する。
次に、図16に示すように、把持装置30を上昇させて、ブレーキパネル14をホイール13に下方から嵌合させる。
この状態では、上から右フォーク11A、カラー151、ホイール13、およびブレーキパネル14の順に積層されており、右フォーク11Aの挿通孔111、カラー151、ホイール13の挿通孔131、およびブレーキパネル14の挿通孔141は、同軸上に位置している。
次に、把持装置30により、右フォーク11A、カラー151、ホイール13、およびブレーキパネル14に加えて、左フォーク11Bを把持し、アッセンブリ16とする。
具体的には、図17に示すように、左フォーク供給エリアに把持装置30を移動し、把持装置30の把持部40を、左フォーク11Bの上方に位置させる。
次に、把持装置30を回動して、右フォーク11Aの左フォーク11Bに対する回転方向の位相を調整するとともに、把持装置30を下方に移動し、右フォーク11A、カラー151、ホイール13、およびブレーキパネル14を左フォーク11Bに積層して、ブレーキパネル14の下面を左フォーク11Bの上面に当接させる。
次に、コレット43を原形に復帰させてブレーキパネル14の把持を解除する。続いて、把持装置30を下降させ、図18に示すように、右フォーク11A、カラー151、ホイール13、およびブレーキパネル14に加えて、左フォーク11Bにも把持装置30の把持部40を挿通する。これにより、右フォーク11A、カラー151、ホイール13、およびブレーキパネル14が把持装置30の把持部40に対してさらに上方に相対移動するので、係止部50のスライド部52も係止部本体51に対してさらに上方に相対移動する。
その後、コレット43を拡張させて左フォーク11Bを把持する。
この状態では、右フォーク11Aの挿通孔111、カラー151、ホイール13の挿通孔131、ブレーキパネル14の挿通孔141、および左フォーク11Bの挿通孔111は、同軸上に位置している。
次に、把持装置30を移動して、このアッセンブリ16を図示しない反転テーブル上に載置して、把持装置30をアッセンブリ16から離間させつつ、図19に示すように、アクスル15をこのアッセンブリ16に挿通する。
次に、反転テーブルを反転させて、アクスル15が挿通されたアッセンブリ16を取り出す。その後、このアッセンブリ16を図示しない反転テーブル上に搬送して、図20に示すように、アクスル15の先端にナット152を締め付け、さらにステム12を取り付ける。
次に、図21に示すように、図示しないボルト締付装置により、ステム12にボルト122を締め付けて、フロントフォークアッセンブリ10を完成させる。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)複数の係止部材524を、把持部40から所定間隔離れた位置に並んで設け、かつ、この把持部40に略平行に移動可能とした。
そして、複数の係止部材524の一部の先端を右フォーク11Aに当接させて、この右フォーク11Aによりこの一部の係止部材524を後退させるとともに、残りの係止部材524の側面を右フォーク11Aに当接させて、把持部40に対する右フォーク11Aの回転方向の位相を保持した。
さらに、複数の係止部材524のうち右フォーク11Aにより後退していないものを係止部材524Aとして、複数の係止部材524Aの一部の先端をホイール13に当接させて、このホイール13によりこの一部の係止部材524Aを後退させるとともに、残りの係止部材524Aの側面をホイール13に当接させて、把持部40に対するホイール13の回転方向の位相を保持した。
よって、挿通孔111が形成された右フォーク11Aおよび挿通孔131が形成されたホイール13について、挿通孔111、131を回転中心とする回転方向の位相を保持できる。その結果、部品同士の位相がずれるのを防止して、作業効率が低下するのを抑制できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
11A 右フォーク(第1ワーク)
13 ホイール(第2ワーク)
30 把持装置(ワーク把持装置)
31 基部
40 把持部(把持手段)
111、131 挿通孔(基準孔)
524 係止部材(位相固定手段)
524A 係止部材(第2位相固定手段)

Claims (3)

  1. 基準孔が形成されたワークを把持するワーク把持装置であって、
    基部と、
    当該基部から延びる棒状の把持手段と、
    前記基部に設けられた複数の棒状の位相固定手段と、を備え、
    前記把持手段は、前記基準孔に挿入されて当該基準孔を把持し、
    前記複数の位相固定手段は、前記把持手段から所定間隔離れて略平行に整列して設けられ、かつ、延出方向に移動可能であることを特徴とするワーク把持装置。
  2. 基準孔が形成されたワークをワーク把持装置で把持するワーク把持方法であって、
    前記ワーク把持装置を、基部と、当該基部から延びる棒状の把持手段と、前記基部に設けられた複数の棒状の位相固定手段と、を含んで構成し、
    前記複数の位相固定手段を、前記把持手段から所定間隔離れて略平行に整列して設け、かつ、延出方向に移動可能とし、
    前記把持手段に対する前記基準孔を回転中心とする前記ワークの回転方向の位相を検出する工程と、
    前記ワークおよび前記把持手段のうちの少なくとも一方を回転させて、前記把持手段に対する前記ワークの回転方向の位相を決定する工程と、
    前記把持手段を前記ワークの基準孔に挿入して把持するとともに、前記複数の位相固定手段の一部の先端を前記ワークに当接させることで、当該複数の位相固定手段の先端部分に段差を生じさせ、当該段差を前記ワークに係止させて前記把持手段に対する前記ワークの回転方向の位相を固定する工程と、を有することを特徴とするワーク把持方法。
  3. 基準孔が形成された第1ワークおよび第2ワークをワーク把持装置で積層して把持するワーク把持方法であって、
    前記ワーク把持装置を、基部と、当該基部から延びる棒状の把持手段と、前記基部に設けられた複数の棒状の位相固定手段と、を含んで構成し、
    前記複数の位相固定手段を、前記把持手段から所定間隔離れて略平行に整列して設け、かつ、延出方向に移動可能とし、
    前記把持手段に対する前記基準孔を回転中心とする前記第1ワークの回転方向の位相を検出する工程と、
    前記第1ワークおよび前記把持手段のうちの少なくとも一方を回転させて、前記把持手段に対する前記第1ワークの回転方向の位相を決定する工程と、
    前記把持手段を前記第1ワークの基準孔に挿入して把持するとともに、前記複数の位相固定手段の一部を前記第1ワークに当接させて後退させることで、当該複数の位相固定手段の先端部分に段差を生じさせ、当該段差を前記第1ワークに係止させて前記把持手段に対する前記ワークの回転方向の位相を固定する工程と、
    前記第2ワークおよび前記把持手段のうちの少なくとも一方を回転させて、前記把持手段に対する前記第2ワークの回転方向の位相を決定する工程と、
    前記把持手段を移動して前記第1ワークを前記第2ワークに積層し、前記把持手段による前記第1ワークの把持を解除する工程と、
    前記把持手段を、前記第1ワークの基準孔に加えて、前記第2ワークの基準孔に挿入して、前記第2ワークを把持するとともに、前記位相固定手段のうち前記第1ワークにより後退していないものを第2位相固定手段として、当該複数の第2位相固定手段の一部を前記第2ワークに当接させて後退させることで、当該複数の第2位相固定手段の先端部分に段差を生じさせ、当該段差を前記第2ワークに係止させて前記把持手段に対する前記ワークの回転方向の位相を固定する工程と、を有することを特徴とするワーク把持方法。
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