JP5203615B2 - ポリエステル樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低融点にも関わらず結晶性に優れ、操業性や生産性に優れるポリエステル樹脂及びその製造方法に関するものである。
近年、ポリエステル系樹脂において低融点化したものの要求が高く、バインダー繊維や接着剤等に用いられている。このような用途には、一般に共重合ポリエステルが用いられており、例えば、特許文献1には好適なポリマーとして、ポリマー組成がいくつか提案されている。
しかしながら、これらの共重合ポリエステルは、明確な結晶融点を示さないものが多く、通常90〜200℃で軟化する。明確な結晶融点を示さないポリマーを用いて繊維(バインダー繊維)を製造した場合、延伸・熱処理工程において熱処理温度を100℃以上とすると、繊維の融解・膠着が生じ、実施が困難となる。このため、延伸・熱処理工程を低温で行うこととなり、得られるバインダー繊維は熱収縮率が高く、熱接着時の収縮が大きいものとなる。そして、このようなバインダー繊維を使用した製品は、寸法安定性が悪くなるという問題があった。
そこで、上記の問題を解決するには、共重合ポリエステルは明確な結晶融点を示すことが望ましい。特許文献2には、明確な結晶融点を示す共重合ポリエステルからなる耐熱バインダー繊維も提案されている。
しかしながら、アジピン酸を共重合成分としているため、ポリエステルの結晶性は良好であるが、ポリエステルのガラス転移温度が低くなり、重合したポリエステルをストランド状に払い出してチップ化する際、ポリマーをガラス転移点以下に冷却することが困難となり、ポリマーの冷却固化が不足する。このため、カッターブレードへのポリエステルの固着やストランド間の融着等が発生するなど、操業性に問題が生じていた。
また、酸成分が芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ラクトンからなり、ジオール成分が脂肪族ジオール成分からなり、結晶性が良好なポリエステルも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この共重合ポリエステルは融点が150〜200℃の範囲のものであり、まだ低融点領域であるとはいえず、熱接着させる際には加工温度を高くする必要があり、コスト的にも不利であった。
特開平7-34327号公報 特開平10-298271号公報 特開平9-12693号公報
本発明は、低融点にも関わらず結晶性に優れ、操業性よく生産することができ、バインダー繊維をはじめ、各種の接着用途に好適に使用することができるポリエステル樹脂及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明者は、上記の課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の(A)を要旨とするものである。
(A)ポリブチレンテレフタレートを1,6−ヘキサンジオールで解重合させた後に重縮合反応を行う製造方法において、極限粘度が0.5以上のポリブチレンテレフタレートを用い、ポリブチレンテレフタレート100モル%に対し50〜200モル%の1,6−ヘキサンジオールを添加し、反応温度200〜250℃、反応時間0.5〜2時間の条件で解重合反応を行い、テレフタル酸が60モル%以上であるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを主成分とし、1,6−ヘキサンジオールが50モル%以上であるジオール成分とからなるポリエステルであって、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式(1)を満足するポリエステル樹脂を得ることを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
b/a≧0.05 (mW/mg・℃) ・・・ (1)
なお、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
本発明のポリエステル樹脂は、低融点にも関わらず結晶性に優れているため、操業性よく生産することができ、バインダー繊維をはじめ、各種の接着用途に好適に使用することができる。特に繊維を製造する際には、延伸・熱処理工程において繊維の融解・膠着が生じることなく高温で熱処理することができるので、熱収縮率の低い繊維を得ることができる。このように、本発明のポリエステル樹脂を使用することにより寸法安定性に優れた製品を得ることが可能となる。そして、本発明の製造方法によれば、上記したようなポリエステル樹脂を操業性、生産性よく得ることが可能となるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分がテレフタル酸を主成分とするものであり、ジオール成分が1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを主成分とし、1,6−ヘキサンジオールが50モル%以上のものである。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸(以下、TPAとする)が60モル%以上、中でも80モル%以上であることが好ましい。TPAが60モル%未満であると、融点が本発明にて規定する範囲から外れたり、ポリマーの結晶性が低下しやすくなるため好ましくない。
なお、TPA以外の共重合成分としては、その効果を損なわない範囲であれば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸等を用いることができる。
ジオール成分は、1,4−ブタンジオール(以下、BDとする)と1,6−ヘキサンジオール(以下、HDとする)を主成分とし、HDが50モル%以上であることが必要である。
ジオール成分において、HDは50モル%以上であり、中でも60〜95モル%であることが好ましい。HDが50モル%未満の場合、ポリマーの融点が150℃を超えるものとなり、また(1)式を満足しないものとなる。
また、ジオール成分において、BDは5〜40モル%とすることが好ましい。BDが5モル%未満であると、ポリマーの融点が本発明で規定する範囲外のものとなったり、重合性が低下するため好ましくない。一方、BDが40モル%を超えると、ポリマーの融点が本発明で規定する範囲外のものとなったり、結晶性が低下するため好ましくない。
ジオール成分には、HDやBD以外にもその特性を損なわない範囲で、他の共重合成分を含有させることができる。他の共重合成分の具体例としては、エチレングリコール(以下、EGとする)、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタメチレンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ダイマージオール、ビスフェノールA又はビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等が挙げられる。
そして、本発明のポリエステル樹脂の融点は、100〜150℃であり、中でも105〜140℃、さらには110〜130℃であることが好ましい。ポリエステルの融点が100℃未満であると、熱安定性が悪くなるため、操業性や生産性も低下する。一方、融点が150℃を超えると、接着用途に用いる際に、高温での熱処理が必要となりコスト的にも不利となり、接着用途に適さないものとなる。
そして、本発明のポリエステル樹脂は、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線において、b/aが0.05(mW/mg・℃)以上であることが必要であり、0.06以上であることが好ましい。一方、b/aが大きいほど結晶性に優れるものとなるが、本発明で目的とする効果を奏するには、b/aを0.5以下とすることが好ましい。
上記b/aは、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線より求められる。図1に示すように、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
b/aは、降温時の結晶性を表す指標であり、b/aの値が高いと結晶化速度が速く、逆に0に近いほど、結晶化速度が遅いことを示している。b/aが0.05(mW/mg・℃)未満の場合、結晶化速度が遅いため、ポリエステルのチップ化や貯蔵・運搬、および乾燥工程においてブロッキングが生じやすくなる。また、繊維化する際には延伸・熱処理工程における熱処理温度を高くすると、繊維の融解・膠着が生じ、高温での熱処理を行うことができないため熱収縮率の低い繊維を得ることができず、このような繊維を用いて得られる製品は寸法安定性の悪いものとなるといった問題が生じる。
上記b/aは、ポリエステルの共重合組成や後述する製造方法を採用することにより、本発明で規定する範囲に設定することができる。
なお、本発明における融点とDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線は、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計(Diamond DSC)を用いて、窒素気流中、温度範囲−20℃〜250℃、昇温(降温)速度20℃/分で測定するものである。
本発明のポリエステル樹脂は、極限粘度が0.5以上であることが好ましい。極限粘度が0.5未満のものでは、各種の物理的、機械的、化学的特性が劣るとともに、繊維とする際には紡糸性が損なわれるため好ましくない。一方、極限粘度が高すぎても溶融粘度が高くなるため、押出が困難になったり、また繊維とする際には、溶融粘度を下げるべく紡糸温度を上げると、ポリエステルの熱分解が顕著になり紡糸が困難になることから、実用上1.5以下であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂中には、目的を損なわない範囲内で、リン酸エステル化合物やヒンダードフェノール化合物のような安定剤、コバルト化合物、蛍光増白剤、染料のような色調改良剤、二酸化チタンのような艶消し剤、可塑剤、顔料、制電剤、難燃剤、易染化剤などの各種添加剤を1種類または2種類以上添加してもよい。
また、本発明のポリエステル樹脂は、結晶性を向上させるために、結晶核剤を含有することが好ましい。結晶核剤としては、特に限定はしないが、中でもタルクなどの珪素酸化物を主成分とした無機系粒子が好ましい。
次に、本発明のポリエステル樹脂の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、ポリブチレンテレフタレートを1,6−ヘキサンジオールで解重合させた後に重縮合反応を行う製造方法において、極限粘度が0.5以上のポリブチレンテレフタレートを用い、ポリブチレンテレフタレート100モル%に対し50〜200モル%の1,6−ヘキサンジオールを添加し、反応温度200〜250℃、反応時間0.5〜2時間の条件で解重合反応を行うものである。
このような製造方法を採用することにより、結晶性に優れたポリエステル樹脂とすることができ、上記の(1)式を満足するポリエステル樹脂を得ることができるものである。
つまり、ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略す)をHDにより解重合反応を行った後、重縮合反応を行う方法が有効であり、解重合反応条件として、反応温度を200〜250℃、反応時間を0.5〜2時間とする。これにより、グリコール成分のHDとBDのランダム共重合化を抑制し、ブロック共重合体の割合が多い状態でポリマーとなるため、結晶性の高いポリマーが得られるものと考えられる。
反応温度が200℃未満であったり、反応時間が0.5時間未満であると、未反応のHDが多くなり、重縮合反応において未反応のHDが溜出するためHDの残存率が悪くなる。
一方、反応時間が250℃を超えたり、反応時間が2時間を超えると、解重合反応が十分に進行してしまい、ランダム共重合体が多い状態となり、結晶性が低いポリマーとなる。
そして、PBT100モル%に対し、50〜200モル%のHDを添加するものである。HDの添加量がこれより少ない場合、得られるポリエステル中のHDの割合が50モル%未満となる。一方、HDの添加量が多すぎる場合、ポリエステル中に必要とされず、溜出液として放出されるHDが多量となり、コスト的に不利になるとともに、操業性も悪化する。
さらに、PBTは、極限粘度が0.5以上のものとし、中でも0.7〜1.3とすることが好ましい。極限粘度が0.5未満では、重合度が低く、上記したようなブロック共重合体が十分形成できず、結晶性の高いポリマーを得ることができない。一方、極限粘度が1.3を超えると、重合度が高すぎて、解重合反応が進行しにくくなるため好ましくない。
また、本発明の製造方法においては、解重合反応時に上記したような結晶核剤を添加することにより、さらに結晶性を向上させることが可能となる。
次に、本発明のポリエステル樹脂の製造方法について、一例を用いて説明する。
PBTとHDとをエステル化反応缶に供給し、常圧下200〜250℃の温度域で0.5〜2時間解重合反応を行った後、0.01〜10hPa程度の減圧下、220〜280℃の温度域で、所定の極限粘度のものが得られるまで重縮合反応を行ってポリエステル樹脂組成物を製造する。また、この重縮合反応は、触媒存在下で行われ、触媒としてはアンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マンガンおよびコバルト等の金属化合物のほか、スルホサリチル酸、o-スルホ安息香酸無水物等の有機スルホン酸化合物を単独もしくは併用する形で用いることができる。結晶核剤や各種添加剤(本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる)は、粉体またはジオールスラリー等の形態で、ポリエステルを製造する際の任意の段階で添加すればよい。例えば、エステル化またはエステル交換反応時に添加してもよいし、重縮合反応の段階で添加してもよい。
そして、重縮合反応においてポリエステルが所定の極限粘度に到達したら、ストランド状に払い出して、冷却カットすることによりチップ化する。
次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
実施例中の各種の特性値等の測定、評価方法は次の通りである。
(a)極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
(b)融点、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線
前記の方法により測定した。
(c)ポリマー組成
ポリエステルを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比 1/20 の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて 1H-NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から求めた。
(d)操業性
〔チップ化〕
ポリエステル樹脂をAUTOMATIK社製USG-600型カッターでチップ化する際、フィードローラーまたはカッターブレードへのポリエステルの巻き付きやストランド間の融着により2つ以上のチップが融着したものの発生等により、カッターの運転を中断した場合を×、融着等の問題が生じ、時折中断するもののチップ化できた場合を△、融着等の問題は生じながらも、カッターの運転を中断することなくチップ化できた場合を○、融着による問題が生じることなくチップ化できた場合を◎とした。
〔チップのブロッキング〕
チップの貯蔵・運搬および乾燥工程で、崩れないブロック状の塊や壁面への融着物が生じた場合を×、ブロック状の塊や壁面への付着物があり、ハンマー等で直接衝撃を加えるなどある程度の力により解消される場合を△、ブロック状の塊や壁面への付着物があるものの、手で触れたり、ハンマー等により壁面へ衝撃を加えることによりそれらが解消される程度である場合を○、ブロック状の塊や壁面への融着が全く発生しなかった場合を◎とした。
実施例1
エステル化反応缶に、PBTチップ(三菱化学社製、極限粘度1.1)36kg、HD31kgを供給し(PBT100モル%に対してHDを150モル%添加し)、温度230℃、圧力0.2MPaの条件で1時間撹拌し(反応温度230℃、反応時間1時間とし)、解重合反応を行った。
次に、重縮合反応缶に移送し、艶消し剤として酸化チタンを34質量%含有するEGスラリーを0.5kg、重縮合触媒としてテトラブチルチタネートを4質量%含有するEG液を1.0kgとを重縮合反応缶に投入した後、反応器内の圧力を徐々に減じ、70分後に1.2hPa以下にした。この条件下で撹拌しながら重縮合反応を約3時間行い、常法によりストランド状に払出し、チップ化した。
実施例2
解重合反応の反応時間を2時間としたこと以外は実施例1と同様にして実施した。
実施例3〜4、比較例3〜4
解重合反応の反応時間、反応温度を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施した。
比較例1
HDの供給量を5kg(PBT100モル%に対してHDを24モル%添加)に変更し、解重合反応の反応時間を4時間としたこと以外は、実施例1と同様にして実施した。
比較例2
エステル化反応缶に、PBTチップ19.8kg、HD31.0kg、IPA13.1kgを供給(酸成分100モル%に対してHDを150モル%添加)し、解重合反応の反応時間を4時間としたこと以外は、実施例1と同様にして実施した。
実施例1〜4、比較例1〜4で得られた樹脂の特性値及びチップ化時の操業性の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜4のポリエステル樹脂は、(1)式を満足するものであり、結晶性に優れていたので、チップ化工程での操業性も良好であった。
一方、比較例1のポリエステル樹脂は、HDが少ないため融点が195℃と高く、(1)式も満足せず、結晶性が低いため、チップ化の操業性が悪く、チップ同士のブロッキングも生じた。比較例2のポリエステル樹脂は、TPAが少なく融点がDSCでは確認できないものであり、熱安定性が悪く、結晶性も有しておらず、チップ化できなかった。比較例3、4のポリエステル樹脂は、解重合反応が進行しずぎたためランダム共重合体が多い状態となり、(1)式を満足せず結晶性の低いものとなり、チップ化の操業性が悪く、チップ同士のブロッキングも生じた。
本発明におけるDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線の一例である。

Claims (1)

  1. ポリブチレンテレフタレートを1,6−ヘキサンジオールで解重合させた後に重縮合反応を行う製造方法において、極限粘度が0.5以上のポリブチレンテレフタレートを用い、ポリブチレンテレフタレート100モル%に対し50〜200モル%の1,6−ヘキサンジオールを添加し、反応温度200〜250℃、反応時間0.5〜2時間の条件で解重合反応を行い、テレフタル酸が60モル%以上であるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを主成分とし、1,6−ヘキサンジオールが50モル%以上であるジオール成分とからなるポリエステルであって、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式(1)を満足するポリエステル樹脂を得ることを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法
    b/a≧0.05 (mW/mg・℃) ・・・ (1)
    なお、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
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