JP5203280B2 - 解析モデル初期形状生成方法及びプログラム - Google Patents

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本発明は、解析モデル初期形状生成方法及びプログラムに関する。特に、ひも状製品の解析モデルの初期形状を生成する解析モデル初期形状生成方法及びプログラムに関する。
一般的に、工業製品は、寸法、形状にばらつきを持っていることはよく知られている。しかし、寸法、形状のような比較的低コストで測定可能な数値から、必要な製品特性(熱、振動、寿命等の製品の性能)を導き出すことは困難であった。例えば、製品の寿命を予測する場合、実製品の寿命を直接測定する方法もあるが、製品に対する加速試験等の測定手段を講じた場合であっても、一般にコストがかかってしまい、必要十分な数の製品に対して、寿命測定を実施することは困難であった。
また、複数の部品(部材)によって構成される製品では、強度ですら正確に算出ことが不可能な場合があった。実際、ほとんどの製品の特性に対して、製品を構成する複数の部品(部材)のそれぞれの形状や配置のずれが、どの程度の影響を及ぼすかは自明ではなかった。そこで、製品特性を予想するために、様々な方法が提案されている。
従来からの方法として、厳密な計算値で形状データ等が入力されたモデルを利用して、コンピュータシミュレーションを実施し、製品特性を実行する方法がある。例えば、特許文献1では、複雑な形状の解析被対象物についても、数値解析に要する座標や解析格子データを容易に生成することができる解析格子データ生成装置が提案されている。
また、少しずつ形状が異なる実製品のX線CT画像等を多数用意して、この画像を再構成して複数のずれを含んだ解析モデルを生成する方法もある。
特開2003−141187号公報
しかしながら、X線CT画像等を多数用意して、この画像を再構成して複数のずれを含んだ計算モデルを生成する場合、解析モデルとして使用できるデータを得ようとすると測定のために多大な時間と手間を要し、解析のメリットである時間短縮の効果がそがれるという問題点があった。
また、厳密な計算値で形状データ等が入力されたモデルを利用した場合、正確に製品が製造されたと仮定した場合の製品特性の予測結果しか得ることができない。
また、複雑な形状を有する製品を少しずつランダムに変形させた、即ち、ばらつきを持たせたモデルを自動的に構築することは、コンピュータにとっては非常に困難なことでもあった。
例えば、製品のばらつきを調査しようとして、人為的に製品の寸法を変更したモデルで再計算して、所望の特性情報を得ようとする場合、素線、撚り線、被覆線、電線等の線要素部材が複数本束ねられたケーブル、ロープ等のひも状製品のような、複数の構成要素がランダムに少しずつ位置や寸法のずれを有する製品では、人為的にずれを与えようにも、入力作業に時間がかかりすぎてしまう場合や、統計処理が可能な多くのバリエーションのずれを与えることが不可能な場合もあった。
また、コンピュータで自動的に製品の寸法を変更したモデルで生成して、所望の特性情報を得ようとする場合、寸法の変位をどのように与えるかを決めることは非常に難しく、例えば、ひも状製品の形状モデルを生成する際に、変位の与え方によって極端に曲がりくねった形状になってしまい、実製品に比べて明らかに不自然な形状モデルを生成してしまうという問題もあった。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、1本の線要素部材、または、複数の線要素部材を束ねた構成のひも状製品の特性を解析するために使用し、統計処理を実行可能なばらつきを含んだひも状製品に準ずる特性を持った解析モデルの初期形状を高精度に生成するとともに短時間に容易に生成することが可能な解析モデル初期形状生成方法及びその方法を実現させる処理を実行するプログラムを提供することを目的とする。
上述した従来の問題点を解決すべく下記の発明を提供する。
本発明の第1の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法は、コンピュータにより、1本の線要素部材、または、複数の前記線要素部材を束ねた構成のひも状製品の解析モデルの初期形状を生成する解析モデル初期形状生成方法であって、
前記コンピュータが、
(a)前記ひも状製品を包含する解析空間を、長手方向に対して略垂直に、複数の区間に分割し、前記解析空間の一端である第1端部平面と他端である第2端部平面とを含む、前記区間の境界面である複数の座標平面を決定する工程と、
(b)前記解析空間の全ての前記座標平面における全ての前記線要素部材の線要素モデルの離散化した通過位置を、前記解析空間の前記第1端部平面から順番に決定するとともに、前記線要素モデル毎に全ての前記座標平面の前記通過位置を接続して前記初期形状のデータを生成する工程と、
を備え、
前記工程(b)は、
前記線要素モデルの通過位置を求める対象となる対象座標平面には、当該対象座標平面内の各座標点に対して、当該線要素モデルが通過する確率を示す確率分布が与えられており、
前記確率分布は、前記対象座標平面において、当該対象座標平面に隣接する前記座標平面における既に決定した前記線要素モデルの通過位置を、当該対象座標平面に投影した位置からの偏差で表された各座標点に対する当該線要素モデルの通過確率を示した分布であり、前記線要素モデルに対応する前記線要素部材の実測値から予め求めた分布、または、前記線要素モデルに対応する前記線要素部材の形態、材質を含む各種データから導き出された理論値から予め求めた分布であり、
前記対象座標平面における前記確率分布が割り当てられた各座標点の中から、当該線要素モデルが通過する座標点を、乱数または数列を利用して前記確率分布に応じて無作為に選択して、該選択した座標点を当該対象座標平面における当該線要素モデルの前記離散化した通過位置とすることを特徴とする。
本発明によれば、X線CT画像等を多数用意して、この画像を再構成して複数のずれを含んだ計算モデルを生成する場合のように、測定作業に多大な時間や手間をかけることなく、また、設計データ等の厳密な形状データの入力作業をすることなく、統計処理を実行可能なばらつきを含んだひも状製品に準ずる特性を持った解析モデルの初期形状を高精度に生成するとともに短時間に容易に生成することができる。
また、生成した解析モデルの初期形状を使用して、ひも状製品の特性を解析することにより、実際にひも状製品を製造することなく、ひも状製品の特性を高精度に短時間で容易に解析することができる。従って、製品の製造期間を短縮するとともに製造コストを削減することができる。
ここで、ひも状製品とは、素線、撚り線、被覆線、電線等の線要素部材が1本で構成されるひも状の製品や、ロープ、ケーブル等のように複数の線要素部材を束ねた構成のひも状の製品のことである。また、生成されたひも状製品の解析モデルの初期形状において、線要素部材に対応する形状を線要素モデルと呼ぶ。また、長手方向とは、解析対象となるひも状製品の断面を含むような最小円の中心、重心等を通る線分の長さ方向のことである。
また、数列とは、増加や減少を単純に繰り返すような数列ではなく、一見不規則に見えるような数列のことである。また、確率分布は、線要素モデル毎に、対応する線要素部材の実測値、理論値等により設定される分布である。




本発明の第2の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法は、上記の本発明の第1の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法において、前記工程(b)が、(b1)前記解析空間の全ての前記座標平面の中の1つの対象座標平面において、前記対象座標平面上の全ての前記線要素モデルの前記通過位置を決定する工程を有し、前記解析空間の全ての前記座標平面を前記第1端部平面から順番に前記対象座標平面として、前記工程(b1)を実行し、全ての前記座標平面の全ての前記線要素モデルの前記通過位置を決定することを特徴とする。
本発明により、統計処理を実行可能なばらつきを含んだひも状製品に準ずる特性を持った解析モデルの初期形状を、計算負荷をかけずに、即ち、短時間で生成することができる。
本発明の第3の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法は、上記の本発明の第1の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法において、前記工程(b)が、(b2)全ての前記線要素モデルの中の1つの対象線要素モデルにおいて、前記解析空間の全ての前記座標平面を前記第1端部平面から順番に対象座標平面として、前記対象座標平面上の当該対象線要素モデルの前記通過位置を決定する工程を有し、全ての前記線要素モデルを順番に前記対象線要素モデルとして、前記工程(b2)を実行し、全ての前記座標平面の全ての前記線要素モデルの前記通過位置を決定することを特徴とする。
本発明により、統計処理を実行可能なばらつきを含んだひも状製品に準ずる特性を持った解析モデルの初期形状を、高精度に生成することができる。
本発明の第4の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法は、上記の本発明の第2または第3の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法において、前記ひも状製品が複数の前記線要素部材を束ねた構成である場合に、全ての前記座標平面において、近接する所定の範囲内の障害物の有無を検知し、再計算により、決定対象となる前記対象線要素モデルの前記通過位置を、当該対象線要素モデル以外の前記線要素モデルとの干渉がない位置に補正することを特徴とする。
本発明により、統計処理を実行可能なばらつきを含んだひも状製品に準ずる特性を持った解析モデルの初期形状を生成することができる。
本発明の第5の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法は、上記の本発明の第1乃至第4のいずれか1つの態様にかかる解析モデル初期形状生成方法において、前記ひも状製品が複数の前記線要素部材を束ねた構成である場合に、前記座標平面の座標点を決定する格子要素の形状に対応付けられる複数の異なる移動方向の各方向に対する重みが前記確率分布に付けられていることを特徴とする。
例えば、複数の電線(線要素部材)から構成されるケーブル(ひも状製品)において、本発明の移動方向に対して重みを持たせることにより、電線にテープが巻かれ広がりが抑えられている部分の断面の状態、電線がばらばらに広がっている部分の断面の状態等を確率分布に反映させることができる。
本発明の第6の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法は、上記の本発明の第5の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法において、(c)前記確率分布に付けられる前記方向毎の前記重みを、前記座標平面毎に調整する工程を、更に備えていることを特徴とする。
本発明により、統計処理を実行可能なばらつきを含んだひも状製品に準ずる特性を持った解析モデルの初期形状を、更に精度良く生成することができる。
本発明の第7の態様にかかる解析モデル初期形状生成方法は、上記の本発明の第1乃至第6のいずれか1つの態様にかかる解析モデル初期形状生成方法において、前記ひも状製品が複数の前記線要素部材を束ねた構成である場合に、前記座標平面は、三角形または六角形の格子要素によって分割された格子点を座標点とすることを特徴とする。
本発明により、移動方向の自由度が増え、各線要素部材に対する布線の自由度を増やすことができる。従って、複雑な輪郭に対応できるとともに、統計物理の法則にそった計算結果を得ることができる。
本発明の第1の態様にかかるプログラムは、1本の線要素部材、または、複数の前記線要素部材を束ねた構成のひも状製品の解析モデルの初期形状を生成する処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、上記の本発明の第1乃至第7のいずれか1つの態様にかかる解析モデル初期形状生成方法の各工程を実現させる処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムによって、コンピュータが処理を実行すると、上記の本発明の第1乃至第5のいずれか1つの態様にかかる解析モデル初期形状生成方法と同等の効果が得られる。
本発明によれば、X線CT画像等を多数用意して、この画像を再構成して複数のずれを含んだ計算モデルを生成する場合のように、測定作業に多大な時間や手間をかけることなく、また、設計データ等の厳密な形状データの入力作業をすることなく、統計処理を実行可能なばらつきを含んだひも状製品に準ずる特性を持った解析モデルの初期形状を高精度に生成するとともに短時間に容易に生成することができる。
また、生成した解析モデルの初期形状を使用して、ひも状製品の特性を解析することにより、実際にひも状製品を製造することなく、ひも状製品の特性を高精度に短時間で容易に解析することができる。従って、製品の製造期間を短縮するとともに製造コストを削減することができる。
ケーブルの模式図である。 本発明の一実施形態にかかる解析モデル初期形状生成方法をコンピュータに実行させるための生成処理手順を示すフローチャート図の一例である。 区間を説明するための図である。 (a)及び(b) 線要素モデルの通過位置を説明するための図である。 格子形状を説明するための図である。 確率分布を説明するための図である。 (a)乃至(e) 確率分布に付けられる方向に対する重みを説明するための図である。 第1の処理方法による、初期形状の生成処理(ステップS103)の処理手順を示すフローチャート図の一例である。 初期形状を生成する、第1の処理方法を説明するための図である。 第2の処理方法による、初期形状の生成処理(ステップS103)の処理手順を示すフローチャート図の一例である。 初期形状を生成する、第2の処理方法を説明するための図である。 実施例1において生成したひも状製品の解析モデルの初期形状である。 確率論的に決定した実施例1のひも状製品の解析モデルの初期形状の一端部の断面配置を示す図である。 実施例1のひも状製品の解析モデルの初期形状の任意に取り出した中間部の断面配置例を示す図である。 実施例1のひも状製品の曲率の分布を統計的に分析した結果である。 確率論的に決定した実施例2のひも状製品の解析モデルの初期形状の一端部の断面配置を示す図である。 実施例2のひも状製品の解析モデルの初期形状の任意に取り出した中間部の断面配置例を示す図である。 実施例2のひも状製品の曲率の分布を統計的に分析した結果である。
本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なもので置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
本発明の一実施形態にかかる解析モデル初期形状生成方法は、ひも状製品の製品特性をコンピュータ上で解析するときに使用される、ひも状製品の解析モデルの初期形状を生成するための方法である。
ひも状製品とは、例えば、図1に示すような、線要素部材である電線51が複数本(L本)束ねられた構成の1本のケーブル52のことである。また、線要素部材とは、解析モデルにおいて、一本の線要素とみなして解析できる最小単位の部材のことである。以下、図1に示すケーブル52をひも状製品の例に挙げ、電線51を線要素部材の例に挙げて、本発明の一実施形態にかかる解析モデル初期形状生成方法を説明する。また、本発明の一実施形態にかかる解析モデル初期形状生成方法によって生成された解析モデルの初期形状において、電線51に対応する形状を線要素モデルと呼ぶ。
図2は、本発明の一実施形態にかかる解析モデル初期形状生成方法をコンピュータに実行させるための生成処理手順を示すフローチャート図の一例である。図3は、区間20を説明するための図である。また、図4(a)は、座標平面10を説明するための図であり、図4(b)は、座標平面10の線要素モデル1の通過位置Pk,jを説明するための図である。ここでは、図3、図4(a)及び図4(b)を参照しながら、図2に示す処理手順を説明する。
図2に示すように、ケーブル52の解析モデルの初期形状を生成する処理は、まず、ケーブル52を包含する解析空間2を、解析空間2の長手方向に対して略垂直に、複数(n−1)個の区間20(i=1〜n−1)に分割し(n>1)、解析空間2の端部21における座標平面10(j=1)と、解析空間2の端部22における座標平面10(j=n)と、区間20(i=1〜n−1)の境界となる座標平面10(j=2〜n−1)とを決定する(S101)。図3に示すように、解析空間2の全体を、解析空間2の長手方向に対して略垂直な座標平面10(j=2〜n−1)で分割し、(n−1)個の区間20(i=1〜n−1)の集合体とする。ここで、図3は、長手方向(Z軸方向)に平行な平面上に、ケーブル52を包含する解析空間2を投影した図である。また、解析対象となるケーブル52の断面を含むような最小円の中心、ケーブル52の重心等を通る線分の長さ方向を長手方向と呼ぶ。
次に、解析空間2の端部21における座標平面10(j=1)において、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の離散化した通過位置Pk,j(k=1〜L,j=1)を、符号kの順番に決定する(S102)。
次に、全ての座標平面10(j=2〜n)における全ての線要素モデル1(k=1〜L)の離散化した通過位置Pk,j(k=1〜L,j=2〜n)を、符号jの順番に決定するとともに、線要素モデル1毎に、全ての通過位置Pk,j(k=1〜L,j=1〜n)を、符号jの順番に接続し、解析モデルの初期形状を生成する(S103)。
また、図4(a)には、ステップS102及びステップS103によって決定される長手方向の線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを示し、図4(b)に、座標平面10の線要素モデル1の通過位置Pk,jを示している。
図4(a)及び(b)に示すように、全ての座標平面10(j=1〜n)における、各線要素モデル1の通過位置Pk,jを決定することで、解析空間2における各線要素モデル1の配置がわかる。
ステップS102及びステップS103において、座標平面10の通過位置Pk,jは、線要素モデル1に基づいた所定の確率分布15が与えられた座標平面10において、乱数または数列を利用して決める。このとき、座標平面10において、位置を決定する対象となる対象線要素モデル1(k=c)の通過位置Pk,jを、近接する所定の範囲内の障害物の有無を検知し、再計算により、対象線要素モデル1(k=c)以外の線要素モデル1(k≠c)との干渉(または重なり)がない位置に補正し、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jが、互いに、干渉(または重なり)がない位置となるようにする。
ここで、確率分布15は、座標平面10の各座標点における、隣接する座標平面10j−1の通過位置Pk,j−1からの偏差(ずれ量)の確率を示している。また、確率分布15は、線要素モデル1に対応する電線51の実測値、理論値等により設定される分布である。また、離散化した通過位置とは、座標平面を最も基本となる格子要素で分割したときの格子点を座標点とし、通過位置を座標点で表すことである。格子要素の形状(格子形状)としては、三角形、四角形および六角形がある。尚、座標平面10についての説明は、後述の図5乃至図7において説明する。
また、数列とは、単純な増加や減少を表すような数列ではなく、一見不規則に見えるような数列のことである。
また、通過位置Pk,jの接続は、ケーブル52の特性解析を実行するのに必要最低限な滑らかさで接続する。例えば、隣り合う通過位置Pk,j−1と通過位置Pk,jを直線でつなぐ処理を実行する場合は、解析誤差の許容範囲まで、座標平面10(j=1〜n)の個数nを増やして、細分化する。カーブフィッティングを実行するような場合は、あらかじめ決定した全ての仮の通過位置P´k,jを使用してカーブフィッティングを行い、その後、新たに離散化することにより、解析モデルの初期形状を生成するための正規の通過位置Pk,jを決定し、カーブでつなぐようにしても良い。
尚、解析空間2の端部21における座標平面10(j=1)における通過位置Pk,jは、上記の方法のほかに、人為的に決定する場合もある。
次に、図5乃至図7を参照して、解析モデルの初期形状の生成処理における、座標平面10について説明する。図5は、格子形状を説明するための図である。また、図6は、確率分布を説明するための図である。図7は、確率分布に付けられる方向に対する重みを説明するための図である。
まず、格子形状について説明する。図5に示すように、座標平面10の座標点を決める格子要素の形状(格子形状)としては、三角形(図5(a)参照)、四角形(図5(b)参照)および六角形(図5(c)参照)がある。格子形状の違いによる特徴は、移動方向の違いである。座標平面10における移動方向は、格子形状が四角形とした場合、X軸とY軸の互いに直行する2方向であり、格子形状が三角形または六角形の場合は、角度が60度(120度)ずつ異なる3軸(α軸、β軸、γ軸)の3方向である。
従って、格子形状を四角形とした場合、移動方向が少なく、アルゴリズムを単純化することができ、処理時間を短くすることができる。また、格子形状を三角形と六角形とした場合、移動方向の自由度が増えるため、複雑な輪郭を持った製品に対して精度の高い処理を実行することができる。即ち、線要素モデル1に対する布線の自由度を増やすことができ、統計処理を実行可能なばらつきを含んだケーブル52に準ずる特性を持った解析モデルの初期形状を生成することができる。
次に、確率分布について説明する。図2で説明したように、座標平面10には、線要素モデル1に基づいた所定の確率分布15が与えられている。確率分布15は、座標平面10の各座標点における、隣接する座標平面10j−1の通過位置Pk,j−1からの偏差(ずれ量)の確率を示している。図6は、確率分布15を説明するための図で、座標平面10における、1軸方向であるY座標値を指定したときの線要素モデル1のX軸方向の確率分布15と線要素モデル1k+1のX軸方向の確率分布15k+1の一例を示した図である。
例えば、確率分布を正規分布とした場合、図6に示すように、線要素モデル1の確率分布15は、座標点Pk,j−1を中心位置とした確率分布であり、線要素モデル1k+1の確率分布15k+1は、座標点Pk+1,j−1を中心位置とした確率分布である。従って、座標平面10の同一の座標点Qにおいて、線要素モデル1の通過確率Aと線要素モデル1k+1の通過確率Bとは異なる。尚、確率分布15の分布形状は、線要素モデル1の材質、形態等によって異なる。例えば、全ての電線51(k=1〜L)が同一の電線であれば、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の確率分布15(k=1〜L)は同一の分布形状である。
また、格子要素によって決められる移動方向に対して重みが上記の確率分布15に付けられている。図7は、確率分布15に付けられる方向に対する重みを説明するための図である。ここでは、格子要素によって決められる方向をX軸とY軸の2方向として説明する。尚、図の点線は、線要素モデル1の広がり範囲を示す。
図7(a)は、基準状態の確率分布15によって決められた座標平面10における線要素モデル1の通過位置Pk,jを示した図である。図7(b)は、基準状態の確率分布15に対してX軸方向及びY軸方向の重みを基準状態よりも大きくした確率分布によって決められた座標平面10における線要素モデル1の通過位置Pk,jを示した図である。図7(c)は、基準状態の確率分布15に対してX軸方向及びY軸方向の重みを基準状態よりも小さくした確率分布によって決められた座標平面10における線要素モデル1の通過位置Pk,jを示した図である。図7(d)は、基準状態の確率分布15に対してX軸方向の重みを基準状態よりも大きくした確率分布によって決められた座標平面10における線要素モデル1の通過位置Pk,jを示した図である。図7(e)は、基準状態の確率分布15に対してY軸方向の重みを基準状態よりも大きくした確率分布によって決められた座標平面10における線要素モデル1の通過位置Pk,jを示した図である。
図7(a)乃至(e)に示すように、方向に対する重みを変えることにより、線要素モデル1の広がり状態を確率分布15に反映させることができる。
また、解析結果、実製品の測定結果等から、確率分布15に付けられる方向に対する重みを、座標平面10毎に調整する処理を更に備えても良い。重みを調整することにより、より実製品に近い、解析結果を得ることができる。
次に、図2の生成処理における初期形状を生成する処理(ステップS103)の詳細な手順について説明する。初期形状を生成する処理方法として2つの方法がある。
(第1の処理方法)
第1の処理方法は、座標平面10(j=1)以外の座標平面10(j=2〜n)毎に、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,j(k=1〜L,j=1〜n)を決定して、その後に、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,j(k=1〜L,j=2〜n)を接続する方法である。
図8は、第1の処理方法による、初期形状の生成処理(ステップS103)の処理手順を示すフローチャート図の一例である。ここでは、隣り合う通過位置Pk,j−1と通過位置Pk,jを直線でつなぐように、解析誤差の許容範囲まで、座標平面10(j=1〜n)の個数n、即ち、区間20(i=1〜n−1)の個数(n−1)を増やして、細分化した場合を例に挙げる。また、図9は、第1の処理方法を説明するための図である。
図8に示すように、まず、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)の中から各線要素モデル1の通過位置Pk,jを決定する対象となる対象座標平面10(j=b)を指定する(S201,S202)。ここでは、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)を、符号jの順番に対象座標平面10(j=b)に指定する。
次に、対象座標平面10(j=b)における全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,j(k=1〜L,j=b)を決定する(S203)。線要素モデル1の通過位置Pk,j(k=1〜L,j=b)の決定は、図2のステップS103において説明したように、線要素モデル1に基づいた所定の確率分布15が与えられ対象座標平面10(j=b)において、乱数または数列を利用して決める。また、座標平面10において、対象線要素モデル1(k=c)の通過位置Pk,jを、近接する所定の範囲内の障害物の有無を検知し、再計算により、対象線要素モデル1(k=c)以外の線要素モデル1(k≠c)との干渉(または重なり)がない位置に補正し、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jが、互いに、干渉(または重なり)がない位置となるようにする。
上述のステップS201乃至ステップS203の処理を、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)を対象座標平面10(j=b)として、符号jの順番に実行し(S204)、最後に、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)における、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを接続し(S205)、初期形状の生成処理を終了する。
図9において、(状態A)は、ステップS201乃至ステップS203の処理により、座標平面10の全ての線要素モデル1の通過位置Pk,jを決定した状態を示し、(状態B)は、ステップS201乃ステップS203の処理により、座標平面10j+1の全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,j+1を決定した状態を示す。(状態C)は、ステップS205の処理により、全ての座標平面10(j=1〜n)における、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを接続した状態を示す。
上記の図8及び図9に示した例では、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)において、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを決定した後に、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを接続する処理にしているが、1つの座標平面10において、全ての線要素モデル1の通過位置Pk,jを決定した後に、隣接する線要素モデル1の通過位置Pk,j−1と決定した通過位置Pk,jとを接続し、その後、次の座標平面10j+1において、全ての線要素モデル1の通過位置Pk,j+1を決定するように、線要素モデル1の通過位置Pk,jの決定処理と、通過位置Pk,j−1と通過位置Pk,jとの接続処理とを繰り返し行うようにして、初期形状を生成しても良い。
上述した第1の処理方法は、計算負荷が比較的軽く、処理時間を短くすることができる。特に、線要素部材(電線51)の本数Lが多いときの処理に適している。
(第2の処理方法)
第2の処理方法は、線要素モデル1毎に、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)の通過位置Pk,jを決定して、接続する方法である。
図10は、第2の処理方法による、初期形状の生成処理(ステップS103)の処理手順を示すフローチャート図の一例である。ここでは、隣り合う通過位置Pk,j−1と通過位置Pk,jを直線でつなぐように、解析誤差の許容範囲まで、座標平面10(j=1〜n)の個数n、即ち、区間20(i=1〜n−1)の個数(n−1)を増やして、細分化した場合を例に挙げる。また、図11は、第2の処理方法を説明するための図である。
図10に示すように、まず、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の中から処理対象となる対象線要素モデル1(k=c)を指定する(S301,S302)。ここでは、全ての線要素モデル1(k=1〜L)を、符号kの順番に対象線要素モデル1(k=c)に指定する。
次に、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)の中から対象線要素モデル1(k=c)の通過位置Pk,jを決定する対象となる対象座標平面10(j=b)を指定する(S303,S304)。ここでは、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)を、符号jの順番に対象座標平面10(j=b)に指定する。
次に、対象座標平面10(j=b)における対象線要素モデル1(k=c)の通過位置Pk,j(k=c,j=b)を決定する(S305)。対象線要素モデル1(k=c)の通過位置Pk,j(k=c,j=b)の決定は、図2のステップS103において説明したように、対象線要素モデル1(k=c)に基づいた所定の確率分布15(k=c)が与えられ座標平面10(j=b)において、乱数または数列を利用して決める。また、座標平面10において、対象線要素モデル1(k=c)の通過位置Pk,jを、近接する所定の範囲内の障害物の有無を検知し、再計算により、対象線要素モデル1(k=c)以外の線要素モデル1(k≠c)との干渉(または重なり)がない位置に補正し、全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jが、互いに、干渉(または重なり)がない位置となるようにする。
上述のステップS303乃至ステップS305の処理を、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)を対象座標平面10(j=b)として、符号jの順番に実行し(S306)、次のステップS307へ移行する。ステップS307においては、対象線要素モデル1(k=c)の通過位置Pk,j(k=c,j=1〜n)を接続する(S307)。
上述のステップS301乃至ステップS307の処理を、全ての線要素モデル1(k=1〜L)を対象線要素モデル1(k=c)として、符号kの順番に実行し(S308)、初期形状の生成処理を終了する。
図11において、(状態A)は、ステップS303乃至ステップS305の処理により、座標平面10の線要素モデル1(k=1)の通過位置P1,jを決定した状態を示し、(状態B)はステップS303乃至ステップS305の処理により、座標平面10j+1の線要素モデル1(k=1)の通過位置P1,j+1を決定した状態を示す。(状態C)は、ステップS307の処理により、全ての座標平面10(j=1〜n)における線要素モデル1(k=1)の通過位置P1,jを接続した状態を示す。
(状態D)、(状態E)及び(状態F)は、(状態A)、(状態B)及び(状態C)のときの、線要素モデル1(k=1)が、線要素モデル1(k=2)のときのそれぞれの状態を示す。(状態G)は、ステップS301乃至ステップS308の処理により、全ての座標平面10(j=1〜n)における全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを接続した状態を示す。
上記の図10及び図11に示した例では、対象線要素モデル1(k=c)に対して、座標平面10(j=1)以外の全ての座標平面10(j=2〜n)において、全ての通過位置Pk,jを決定した後に、全ての通過位置Pk,jを接続する処理にしているが、1つの座標平面10において、通過位置Pk,jを決定した後に、隣接する通過位置Pk,j−1と決定した通過位置Pk,jとを接続し、その後、次の座標平面10j+1において、通過位置Pk,j+1を決定するように、通過位置Pk,jの決定処理と、通過位置Pk,j−1と通過位置Pk,jとの接続処理とを繰り返し行うようにして、初期形状を生成しても良い。
上述した第2の処理方法は、実製品に近い形状を生成する。即ち、精度の高い処理を実行することができる。特に、線要素部材(電線51)の本数Lが少ないときの処理に適している。
上述した本発明の一実施形態にかかる解析モデル初期形状生成方法をコンピュータに実行させることにより、X線CT画像等を多数用意して、この画像を再構成して複数のずれを含んだ計算モデルを生成する場合のように、測定作業に多大な時間や手間をかけることなく、また、設計データ等の厳密な形状データの入力作業をすることなく、統計処理を実行可能なばらつきを含んだひも状製品(ケーブル52)に準ずる特性を持った解析モデルの初期形状を高精度に生成するとともに短時間に容易に生成することができる。
また、生成した解析モデルの初期形状を使用して、ひも状製品(ケーブル52)の特性を解析することにより、実際にひも状製品(ケーブル52)を製造することなく、ひも状製品(ケーブル52)の特性を高精度に短時間で容易に解析することができる。従って、製品(ケーブル52)の製造期間を短縮するとともに製造コストを削減することができる。
次に、本発明の好適ないくつかの実施例を説明する。
(実施例1)
直径0.26mmから0.32mmの素線7本から19本で構成される撚り線にビニール系の被覆がなされた仕上げ外径約1.5mmから3mmの電線を線要素とし、線要素合計25本束からなるひも状製品に対して、本発明の一実施形態にかかる解析モデル初期形状生成方法を適用し、この方法を実現する処理をコンピュータに実行させた。
図12は、生成されたひも状製品の解析モデルの初期形状である。また、図13は、確率論的に決定したひも状製品の解析モデルの初期形状の一端部の断面配置を示す。即ち、区間20(i=1)の座標平面10(j=1)の全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを示す。図14は、生成されたひも状製品の解析モデルの初期形状の任意に取り出した中間部の断面配置例を示す。即ち、区間20の座標平面10の全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを示す。
図15は、ひも状製品を、長さ方向に適当に区間分割し、曲率の分布を統計的に分析した結果である。実線は実在する製品の結果であり、破線は本発明によるひも状製品の解析モデルの初期形状の結果である。図15に示したように、実製品の形状の分布と本発明のよって生成された形状の分布とは、概ね一致する結果となった。更に、実製品の形状からそのまま解析モデルを生成し、寿命解析を行った場合と、本発明によって生成された形状を使用した解析モデルで寿命解析を行った場合の結果に有意な差がないことを確認した。
(実施例2)
直径0.05mmの素線19本で構成される鋼線の撚り線を線要素とし、線要素合計18本束からなるひも状製品に対して、本発明の一実施形態にかかる解析モデル初期形状生成方法を適用し、この方法を実現する処理をコンピュータに実行させた。
図16は、確率論的に決定したひも状製品の解析モデルの初期形状の一端部の断面配置を示す。即ち、区間20(i=1)の座標平面10(j=1)の全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを示す。図17は、生成されたひも状製品の解析モデルの初期形状の任意に取り出した中間部の断面配置例を示す。即ち、区間20の座標平面10の全ての線要素モデル1(k=1〜L)の通過位置Pk,jを示す。
図18は、ひも状製品を、長さ方向に適当に区間分割し、曲率の分布を統計的に分析した結果である。実線は実在する製品の結果であり、破線は本発明によるひも状製品の解析モデルの初期形状の結果である。図18に示したように、実製品の形状の分布と本発明のよって生成された形状の分布とは、概ね一致する結果となった。更に、実製品の形状からそのまま解析モデルを生成し、寿命解析を行った場合と、本発明によって生成された形状を使用した解析モデルで寿命解析を行った場合の結果に有意な差がないことを確認した。
: 線要素モデル
2 : 解析空間
10 : 座標平面
15 : 確率分布
20 : 区間
51、51 : 電線
52 : ケーブル

Claims (8)

  1. コンピュータにより、1本の線要素部材、または、複数の前記線要素部材を束ねた構成のひも状製品の解析モデルの初期形状を生成する解析モデル初期形状生成方法であって、
    前記コンピュータが、
    (a)前記ひも状製品を包含する解析空間を、長手方向に対して略垂直に、複数の区間に分割し、前記解析空間の一端である第1端部平面と他端である第2端部平面とを含む、前記区間の境界面である複数の座標平面を決定する工程と、
    (b)前記解析空間の全ての前記座標平面における全ての前記線要素部材の線要素モデルの離散化した通過位置を、前記解析空間の前記第1端部平面から順番に決定するとともに、前記線要素モデル毎に全ての前記座標平面の前記通過位置を接続して前記初期形状のデータを生成する工程と、
    を備え、
    前記工程(b)は、
    前記線要素モデルの通過位置を求める対象となる対象座標平面には、当該対象座標平面内の各座標点に対して、当該線要素モデルが通過する確率を示す確率分布が与えられており、
    前記確率分布は、前記対象座標平面において、当該対象座標平面に隣接する前記座標平面における既に決定した前記線要素モデルの通過位置を、当該対象座標平面に投影した位置からの偏差で表された各座標点に対する当該線要素モデルの通過確率を示した分布であり、前記線要素モデルに対応する前記線要素部材の実測値から予め求めた分布、または、前記線要素モデルに対応する前記線要素部材の形態、材質を含む各種データから導き出された理論値から予め求めた分布であり、
    前記対象座標平面における前記確率分布が割り当てられた各座標点の中から、当該線要素モデルが通過する座標点を、乱数または数列を利用して前記確率分布に応じて無作為に選択して、該選択した座標点を当該対象座標平面における当該線要素モデルの前記離散化した通過位置とすることを特徴とする解析モデル初期形状生成方法。
  2. 前記工程(b)は、
    (b1)前記解析空間の全ての前記座標平面の中の1つの対象座標平面において、前記対象座標平面上の全ての前記線要素モデルの前記通過位置を決定する工程を有し、
    前記解析空間の全ての前記座標平面を前記第1端部平面から順番に前記対象座標平面として、前記工程(b1)を実行し、全ての前記座標平面の全ての前記線要素モデルの前記通過位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の解析モデル初期形状生成方法。
  3. 前記工程(b)は、
    (b2)全ての前記線要素モデルの中の1つの対象線要素モデルにおいて、前記解析空間の全ての前記座標平面を前記第1端部平面から順番に対象座標平面として、前記対象座標平面上の当該対象線要素モデルの前記通過位置を決定する工程を有し、
    全ての前記線要素モデルを順番に前記対象線要素モデルとして、前記工程(b2)を実行し、全ての前記座標平面の全ての前記線要素モデルの前記通過位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の解析モデル初期形状生成方法。
  4. 前記ひも状製品が複数の前記線要素部材を束ねた構成である場合において、
    全ての前記座標平面において、近接する所定の範囲内の障害物の有無を検知し、再計算により、決定対象となる前記対象線要素モデルの前記通過位置を、当該対象線要素モデル以外の前記線要素モデルとの干渉がない位置に補正することを特徴とする請求項2または3に記載の解析モデル初期形状生成方法。
  5. 前記ひも状製品が複数の前記線要素部材を束ねた構成である場合において、
    前記座標平面の座標点を決定する格子要素の形状に対応付けられる複数の異なる移動方向の各方向に対する重みが前記確率分布に付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の解析モデル初期形状生成方法。
  6. (c)前記確率分布に付けられる前記方向毎の前記重みを、前記座標平面毎に調整する工程を、更に備えていることを特徴とする請求項5に記載の解析モデル初期形状生成方法。
  7. 前記ひも状製品が複数の前記線要素部材を束ねた構成である場合において、
    前記座標平面は、三角形または六角形の格子要素によって分割された格子点を座標点とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の解析モデル初期形状生成方法。
  8. 1本の線要素部材、または、複数の前記線要素部材を束ねた構成のひも状製品の解析モデルの初期形状を生成する処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の解析モデル初期形状生成方法の各工程を実現させる処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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