JP5202924B2 - 車両 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンからの回転動力を変速して出力し且つ係合状態で遊びが形成されるドッグクラッチを有する変速機を備えた車両に関するものである。
自動二輪車等の車両では、エンジン気筒内の爆発が周期的に発生することにより、一定速度で走行していても、エンジンのクランクシャフトに出力変動が生じている。このような出力変動は、自動二輪車を運転するライダーには車両前後方向の加速度変動として伝わり、乗り心地を低下させることとなる。そこで、クランクシャフトにフライホイールを取り付けて駆動系の慣性モーメントを増大させることで、エンジンの爆発行程で発生した回転出力の一部を蓄積して次の爆発行程が発生するまでの間における回転出力を補い、クランクシャフトの出力変動を抑制している(例えば、特許文献1参照)。
特開昭62−67349号公報
しかしながら、フライホイールの重量を大きくし過ぎると、加速時におけるレスポンスが低下するので、フライホイールの重量増にも限界があり、エンジンの細かな出力変動は十分に抑制されていないのが現状である。
そこで本発明は、車両走行時における出力変動を好適に低減し、ライダーの乗り心地を向上させることを目的としている。
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る車両は、エンジンからの回転動力を歯車により変速して出力する変速機を備え、前記変速機には、略同一軸線上に並ぶ一対の歯車のうち一方の歯車に突設された係合部と、他方の歯車に形成された被係合部とを有するドッグクラッチが設けられ、前記ドッグクラッチが前記係合部と前記被係合部とが歯車回転方向に接離可能な状態で互いに係合される構成である車両であって、前記動力伝達系統にトルクを付加可能なトルク付加手段と、ドッグクラッチ係合状態における前記係合部と前記被係合部との歯車回転方向の相対角変位量及び/又は相対角速度を検出するドッグクラッチ状態検出手段と、前記エンジンの少なくとも1つの気筒が圧縮行程である際に、前記動力伝達系統に対して前記相対角変位量又は前記相対角速度が小さくなる方向にトルクを付加するよう前記トルク付加手段を制御し、かつ、前記ドッグクラッチ状態検出手段により圧縮行程で検出された相対角変位量及び/又は相対角速度に応じて、前記トルク付加手段で付加する前記トルクの値を設定するトルク制御手段とを備えていることを特徴とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、遊びをもたせた状態で係合するドッグクラッチを有する車両では、ドッグクラッチの係合部と被係合部とが係合状態のまま相対的に角変位して互いに衝突を繰り返し、車両前後方向の加速度変動を生じさせていることを見出した。前記構成によれば、ドッグクラッチの係合部と被係合部との歯車回転方向の相対角変位量及び/又は相対角速度を検出し、その検出値に応じて前記動力伝達系統に(正又は負の)トルクを加えている。そうすると、エンジン出力の一時的な低下(例えば、燃焼行程における点火ミスや圧縮行程等)により、動力伝達上流側の歯車の回転数が下流側の歯車の回転数に対して相対的に低下することが抑制される。よって、ドッグクラッチの係合部と被係合部とが係合状態のまま相対的に大きく変位して互いに勢い良く衝突することを防止することができる。したがって、車両走行時における出力変動が低減され、ライダーの乗り心地を向上させることができる。
前記トルク制御手段は、前記トルク付加手段で付加する前記トルクの値を前記エンジンの行程周期ごとに再設定するようにしてもよい。
前記トルク制御手段は、前記エンジンの全気筒が爆発行程でない休爆区間における圧縮行程で検出された相対角変位量及び/又は相対角速度に応じて、その休爆区間の次の休爆区間の圧縮行程で付加する前記トルクの値を再設定するようにしてもよい。
前記トルク制御手段は、前記ドッグクラッチ状態検出手段で検出される相対角変位量又は相対角速度が大きくなるにつれて、相対角変位量又は相対角速度が小さくなる方向に、前記動力伝達系統に付加するトルクが大きくなるように前記トルク付加手段を制御してもよい。
前記構成によれば、ドッグクラッチ係合状態における係合部と被係合部との歯車回転方向の相対角変位量又は相対角速度に応じたトルクが前記動力伝達系統に与えられるので、ドッグクラッチの係合部と被係合部とが係合状態のまま相対的に変位して互いに勢い良く衝突するのを適切に防止することができる。
前記トルク付加手段は、前記ドッグクラッチよりも動力伝達上流側の動力伝達系統にトルクを付加可能であり、前記トルク制御手段は、前記エンジンの少なくとも1つの気筒が圧縮行程である際に、前記動力伝達系統に対してエンジンの回転速度が加速する方向の正トルクを付加するように前記トルク付加手段を制御してもよい。
前記構成によれば、圧縮行程においてエンジンによる正トルクが弱まっても、動力伝達上流側の歯車の回転数が下流側の歯車の回転数に対して相対的に低下することが抑制されるので、ドッグクラッチの係合部と被係合部とが係合状態のまま相対的に変位して互いに勢い良く衝突することを防止することができる。
前記エンジンは複数の気筒を有し、それら各気筒の各爆発行程のタイミングは不等間隔であり、前記トルク制御手段は、前記エンジンの全気筒が爆発行程でない休爆区間における圧縮行程である際に、前記動力伝達系統に対してトルクを付加するように前記トルク付加手段を制御してもよい。
前記構成によれば、最もエンジントルクの弱まるタイミングである休爆区間における圧縮行程において前記動力伝達系統にトルクが加えられ、動力伝達上流側の歯車の回転数が下流側の歯車の回転数に対して相対的に低下することを好適に抑制することができる。
本発明に係る車両は、エンジンからの回転動力を歯車により変速して出力する変速機を備え、前記変速機には、略同一軸線上に並ぶ一対の歯車のうち一方の歯車に突設された係合部と、他方の歯車に形成された被係合部とを有するドッグクラッチが設けられ、前記ドッグクラッチが前記係合部と前記被係合部とが歯車回転方向に接離可能な状態で互いに係合される構成である車両であって、前記ドッグクラッチよりも動力伝達上流側の動力伝達系統にトルクを付加可能なトルク付加手段と、ドッグクラッチ係合状態における前記係合部と前記被係合部との歯車回転方向の相対角変位量及び/又は相対角速度を検出するドッグクラッチ状態検出手段と、前記ドッグクラッチ状態検出手段により検出された相対角変位量及び/又は相対角速度に応じて、前記トルク付加手段を制御するトルク制御手段と、を備え、前記トルク付加手段は、前記動力伝達上流側にある動力伝達系統に接続された負トルク付加手段を含み、前記トルク付加手段は、前記エンジンの全気筒が爆発行程でない休爆区間の直後の爆発行程の後に、前記動力伝達系統に対してエンジンの回転速度が減速する方向の負トルクを付加するように制されるようにしてもよい。
前記構成によれば、不等間隔爆発エンジンでは、休爆区間における圧縮行程で動力伝達上流側の歯車の回転数が下流側の歯車の回転数よりも小さくなった後、休爆区間の直後の爆発行程により、動力伝達上流側の歯車の回転数が下流側の歯車の回転数よりも大きくなり、両歯車の回転数の大小関係が逆転するので、その後の爆発行程で負トルク付加手段により前記動力伝達系統に負トルクを加えて正トルクを弱めることで、係合部と被係合部との間の相対角速度の増加が抑制され、係合部が被係合部の内面に勢い良く衝突することを抑制することができる。
前記トルク付加手段は、前記ドッグクラッチよりも動力伝達下流側の動力伝達系統にトルクを付加可能であってもよい
前記エンジンの全気筒が爆発行程でない休爆区間の直後の爆発行程の次の爆発行程に、前記エンジンの点火時期を遅角させる点火制御手段をさらに備えていてもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ドッグクラッチの係合部と被係合部とが係合状態のまま相対的に変位して互いに勢い良く衝突することが防止され、車両走行時における出力変動が好適に低減されるので、ライダーの乗り心地を向上させることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に騎乗した運転者から見た方向を基準とする。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る自動二輪車1の左側面図である。図1に示すように、自動二輪車1は前輪2と後輪3とを備え、前輪2は略上下方向に延びるフロントフォーク5の下部にて回転自在に支持され、該フロントフォーク5は、その上端部に設けられたアッパーブラケット(図示せず)と該アッパーブラケットの下方に設けられたアンダーブラケットとを介してステアリングシャフト(図示せず)に支持されている。該ステアリングシャフトはヘッドパイプ6によって回転自在に支持されている。該アッパーブラケットには左右へ延びるバー型のステアリングハンドル4が取り付けられている。
ヘッドパイプ6からは左右一対のメインフレーム7が若干下方に傾斜しながら後方へ延びており、このメインフレーム7の後部に左右一対のピボットフレーム8が接続されている。このピボットフレーム8には略前後方向に延びるスイングアーム9の前部が枢支されており、このスイングアーム9の後部に駆動輪である後輪3の車軸38が軸支されている。ステアリングハンドル4の後方には燃料タンク10が設けられており、この燃料タンク10の後方に運転者騎乗用のシート11が設けられている。
前輪2と後輪3の間では、並列2気筒のエンジンEがメインフレーム7およびピボットフレーム8に支持された状態で搭載されている。このエンジンEは不等間隔爆発エンジンであり、例えば、1気筒目の爆発行程から2気筒目の爆発行程までの間のクランク角が180°、かつ、2気筒目の爆発行程から1気筒目の爆発行程までの間のクランク角が540°に設定される。エンジンEは、クランクシャフト13を収容するクランクケース12と、クランクケース12の上部に接続されて並列2気筒を形成するシリンダブロック14と、シリンダブロック14の上部に接続されてシリンダブロック14と共に燃焼室を形成してDOHC型のバルブシステムが設けられたシリンダヘッド15と、シリンダヘッド15の上部を覆うシリンダヘッドカバー16とを備えている。そして、クランクシャフト13からの回転動力を変速して出力する変速機22がクランクケース12と一体的に設けられている。
エンジンEのシリンダヘッド15の後部には吸気ポート17が開口しており、吸気ポート17にはメインフレーム7の内側に配置されたスロットル装置18が接続されている。スロットル装置18の上流側には燃料タンク10の下方に配置されたエアクリーナボックス19が接続されており、前方からの走行風圧(ラム圧)を利用して外気を取り込む構成となっている。シリンダヘッド15の前部には排気ポート20が前方斜め下方へ向かって開口しており、排気ポート20には排気管21の上流端が接続されている。また、エンジンEのクランクシャフト13には、クランクシャフト13の回転数を検出するクランクシャフト速度センサ42が設けられていると共に、変速機22のアウトプットシャフト30(ドッグクラッチ付きシャフト)には、アウトプットシャフト30の回転数を検出するアウトプットシャフト速度センサ43が設けられている。さらに、エンジンEには気筒内の圧力を検出する圧力センサ49が設けられている。
図2は自動二輪車1の主に駆動系を説明する模式図である。図2に示すように、エンジンEには、そのピストン23のコンロッド24と接続されたクランクシャフト13が設けられ、このクランクシャフト13の一端部に第1クラッチギヤ26が設けられている。第1クラッチギヤ26には、変速機22のインプットシャフト29に回転自在に外嵌された第2クラッチギヤ27が噛合されている。このクラッチギヤ27にはクラッチダンパ31を有するメインクラッチ28が付設されている。
つまり、インプットシャフト29の端部に設けられたメインクラッチ28が第2クラッチギヤ27と結合された状態で、インプットシャフト29がクランクシャフト13と連動して回転する。インプットシャフト29には歯車列32を介してアウトプットシャフト30が変速自在に結合されており、変速比が変更可能となっている。歯車列32には、ギヤチェンジを行うための公知のドッグクラッチ34が設けられている。アウトプットシャフト30の端部には駆動スプロケット35が設けられていると共に、後輪3の車軸38には従動スプロケット37が設けられており、その駆動スプロケット35と従動スプロケット37との間にチェーン36が巻き掛けられている。
クランクシャフト13には、その他端部に電動モータ40(正トルク付加手段)がベルト39を介して動力伝達可能に接続されており、電動モータ40にはモータ制御装置41が接続されている。モータ制御装置41には、クランクシャフト13の回転数を検出するクランクシャフト速度センサ42と、アウトプットシャフト30の回転数を検出するアウトプットシャフト速度センサ43と、クランクシャフト13の回転角度を検知可能なクランクシャフト角度検知センサ55とが接続されている。モータ制御装置41は、ドッグクラッチ状態演算部44及びトルク制御部45を有している。ドッグクラッチ状態演算部44は、クランクシャフト速度センサ42で検出されるエンジン回転数E0(回転速度)にクランクシャフト13からインプットシャフト29への一次減速率αおよび変速機22における変速率βを乗じた値E1(=E0・α・β)(以下、変換後エンジン回転数と称す)と、アウトプットシャフト速度センサ43で検出されるアウトプットシャフト回転数OS(回転速度)との差(E1−OS)である相対角速度Vを求めると共に、ドッグクラッチ状態演算部44は、その相対角速度Vを積分して相対角変位量δを求める。
これにより、後で詳述するドッグクラッチ34の係合凸部50aと被係合凹部51aとの歯車回転方向における相対角変位量及び相対角速度が求められることとなる。即ち、クランクシャフト速度センサ42とアウトプットシャフト速度センサ43とドッグクラッチ状態演算部44とによりドッグクラッチ状態検出手段46が構成されている。また、クランクシャフト角度検知センサ55及びモータ制御装置41のドッグクラッチ状態演算部44には、エンジンEの各気筒に対する点火動作を制御する点火制御装置47が接続されている。
図3は図1に示す自動二輪車1のドッグクラッチ34を説明する模式図である。図3に示すように、アウトプットシャフト30の外周面には、軸線方向に溝切りされたスプライン30aが形成され、一方の歯車50はスプライン30aに噛み合った状態でアウトプットシャフト30に外嵌されている。つまり、一方の歯車50は、アウトプットシャフト30の軸線方向にスライド自在で且つアウトプットシャフト30と一体的に回転する。他方の歯車は、アウトプットシャフト30に対して相対回転可能に外嵌されている。
ドッグクラッチ34は、アウトプットシャフト30上に近接/離反可能に並ぶ2つの歯車50,51のうち一方の歯車50の軸方向端面に突設された係合凸部50a(係合部)と、他方の歯車51に係合凸部50aと対向するように形成された被係合凹部51a(被係合部)とを有している。そして、シフトフォーク52により、一方の歯車50がアウトプットシャフト30に沿ってスライドされることで、両歯車50,51の軸方向の距離が変更され、係合状態と非係合状態とが切り換えられる構成となっている。また、ドッグクラッチ34は、係合凸部50aが被係合凹部51aに係合した状態で、係合凸部50aと被係合凹部51aとの間には回転方向に相対変位可能となる隙間53が形成されている。よって、被係合凹部51aの軸回転方向の一方の壁面51bが係合凸部50aに当接した状態で、一方の歯車50がインプットシャフト29の歯車48により回転させられると、他方の歯車51も回転する。このようにして、動力伝達上流側の歯車51から動力伝達下流側の歯車50に回転動力が伝達されるようになっている。なお、以下では、被係合凹部51aの軸回転方向の一方の壁面51bを加速側の壁面51bと称し、軸回転方向の他方の壁面51cを減速側の壁面51cと称することとする。
次に、自動二輪車1の制御について説明する。図4は図1に示す自動二輪車1の制御を説明するフローチャートである。図2及び4に示すように、まず、モータ制御装置41のトルク制御部45は、エンジンEの休爆区間における圧縮行程で電動モータ40によりクランクシャフト13に加える正トルク値を所定の値に初期設定する(ステップS1)。なお、休爆区間とは、エンジンEの全気筒が爆発行程でない区間のことを意味している。次いで、トルク制御部45は、クランクシャフト角度検知センサ55からの情報で休爆区間における圧縮行程が発生するタイミングであるか否かを判断する(ステップS2)。休爆区間における圧縮行程であると判断されると、トルク制御部45は、その圧縮行程の間だけ予め設定された値の正トルクを電動モータ40によりクランクシャフト13に対して加えさせる。
また、モータ制御装置41のドッグクラッチ状態演算部44は、その休爆区間における圧縮行程で、前述した変換後エンジン回転数E1とアウトプットシャフト回転数OSとの差である相対角速度Vを取得する(ステップS4)。これにより、ドッグクラッチ34の係合凸部50aと被係合凹部51aとの歯車回転方向における相対角速度Vが求められることとなる。
さらに、ドッグクラッチ状態演算部44は、その相対角速度Vを積分して相対角変位量δも取得する(ステップS5)。これにより、ドッグクラッチ34の係合凸部50aと被係合凹部51aとの歯車回転方向における相対角変位量δ(相対位置)が求められることとなる。次いで、トルク制御部45は、ステップS4で得られた相対角速度VとステップS5で得られた相対角変位量δとに基づいて、次回の休爆区間における圧縮行程でクランクシャフトに加える正トルク値を求めて再設定する(ステップS6)。
具体的には、ステップS6では以下の数式1により正トルク値Mを求める。なお、数式1において、α(0≦α≦1)は重み係数である。また、関数f1(x)は、相対角変位量xから正トルク値を求める関数であり、ドッグクラッチ状態演算部44で求められる係合凸部50aと被係合凹部51aとの間の相対角変位量δが大きくなるにつれて値が大きくなる関数である。さらに、g1(x)は相対角速度から正トルク値を求める関数であり、ドッグクラッチ状態演算部44で求められる係合凸部50aと被係合凹部51aとの間の相対角速度Vが大きくなるにつれて値が大きくなる関数である。
[数1]
1=α・f1(δ)+(1−α)・g1(V)
次いで、点火制御装置47は、休爆区間の直後の1気筒目の爆発行程の次の2気筒目の爆発行程である否かを判断する(ステップS7)。2気筒目の爆発行程であると判断された場合には、点火制御装置47は、エンジンEの点火時期を遅角させる遅角制御を行う(ステップS8)。
具体的には、ステップ8では以下の数式2により遅角量Lを求める。なお、数式2において、β(0≦β≦1)は重み係数である。また、関数f2(x)は、相対角変位量xから遅角量を求める関数であり、相対角変位量δが大きくなるにつれて値が大きくなる関数である。さらに、g2(x)は相対角速度から遅角量を求める関数であり、相対角速度Vが大きくなるにつれて値が大きくなる関数である。
[数2]
L=β・f2(δ)+(1−β)・g2(V)
そして、ステップS8の後は再びステップS2に戻り、フィードバック制御を行うようになっている。
次に、自動二輪車の加速走行時における各種時系列データを本発明と比較例とを比べて説明する。まず、分かり易さのために比較例から先に説明する。図5は比較例の自動二輪車の加速走行時における各種時系列データを表したグラフである。図6は図5の比較例のグラフにおけるドッグクラッチの状態を説明する模式図である。本比較例は、電動モータ40及びモータ制御装置41が存在しない従来の自動二輪車であり、他の構成は本発明と同様である。
図5では、上から順に、エンジントルクの時系列グラフと、エンジンE、アウトプットシャフト30及びタイヤ58の各種回転数の時系列グラフと、ドッグクラッチ34の一対の歯車50,51の回転方向における相対角変位量の時系列グラフとが並べて示されている。なお、図5は、変速機22のギヤポジションが6速でスロットル開度が約20%の状態における加速走行時のデータである。
エンジントルクの時系列グラフでは、エンジンEの気筒に設けられた圧力センサ49の出力により、加速走行時においてピストン23に負荷される力を求めることで得られるエンジントルクが示されている。各種回転数の時系列グラフでは、クランクシャフト13のクランクシャフト速度センサ42で検出されるエンジン回転数E0に、クランクシャフト13からインプットシャフト29への一次減速率αおよび変速機22における変速率βを乗じた値E1(=E0・α・β)(以下、変換後エンジン回転数と称す)と、アウトプットシャフト30のアウトプットシャフト速度センサ43で検出されるアウトプットシャフト回転数OSと、シャーシダイナモ装置(図示せず)で検出されるタイヤ58の回転数W0に、スプロケット35,37及びチェーン36で二次減速される際の二次減速率γの逆数(1/γ)を乗じた値W1(=W0/γ)(以下、変換後タイヤ回転数と称す)とが示されている。即ち、各種回転数の時系列グラフにおいて、仮にクランクシャフト13が無変動の一定の回転数である場合には、変換後エンジン回転数E1、アウトプットシャフト回転数OS及び変換後タイヤ回転数W1が同一となるように、クランクシャフト13、アウトプットシャフト30及びタイヤ58の回転数にそれぞれ対応する変速比を乗算している。
ドッグクラッチ34の相対角変位量δの時系列グラフでは、ドッグクラッチ34の係合凸部50aを有する一方の歯車50と被係合凹部51aを有する他方の歯車51との間の相対角変位量δが示されている。この相対角変位量δは、変換後エンジン回転数E1とアウトプットシャフト回転数OSとの差(OS−E1)を積分することで求められている。このグラフ中の縦軸は、図6に示す係合凸部50aが被係合凹部51aの加速側の壁面51bに接触した状態をA[deg]とし、係合凸部50aが被係合凹部51aの減速側の壁面51cに接触した状態を−A[deg]とし、係合凸部50aが被係合凹部51aの内部空間における中央に位置した状態を0[deg]としている。したがって、係合凸部50aが被係合凹部51aに係合した状態で、周方向に±A[deg]角変位可能となるように、係合凸部50aと被係合凹部51aとが形成されている。ここで、角度Aは、予め設定される値であり、例えば10[deg]である。
図5中のA時点では、エンジンEの2気筒目が爆発行程となった後であり、エンジントルクが大きく、変換後エンジン回転数E1とアウトプットシャフト回転数OSとの間に差が殆どなく、ドッグクラッチ34の相対角変位量δは、上記A[deg]であって、相対角変位量の時間変化がゼロとなっている。このA時点におけるドッグクラッチ34は、図6に示すように、係合凸部50aが被係合凹部51aの加速側の壁面51bに接触して押された状態となっている。
図5のB時点では、エンジンの休爆区間において前回の爆発行程から時間をあけて圧縮行程が行われることにより負トルクが生じており、変換後エンジン回転数E1がアウトプットシャフト回転数OSに比べて大きく低下している。このB時点におけるドッグクラッチ34は、図6に示すように、係合凸部50aが被係合凹部51aの加速側の壁面51bに接触しているものの、被係合凹部51aの壁面51bが係合凸部50aを押す際の接触圧はゼロに近くなっており、その直後に係合凸部50aが被係合凹部51aから離反し始める。
図5のC時点では、エンジンEの1気筒目が爆発行程となった後であり、その直前に変換後エンジン回転数E1がアウトプットシャフト回転数OSに比べて大きく低下しているため、ドッグクラッチ34が大きく相対変位している。このC時点では、図6に示すように、係合凸部50aは、被係合凹部51aの加速側の壁面51bから歯車回転方向に離反して内部空間の中央付近まで相対移動してしまっている。
図5のD時点では、1気筒目の爆発行程に続いて2気筒目の爆発行程が行われるため、変換後エンジン回転数E1が、アウトプットシャフト回転数OSに比べて大きく増加し、ドッグクラッチ34の相対角変位量が元のA[deg]に戻っている。このE時点では、図6に示すように、係合凸部50aが、再び被係合凹部51aの加速側の壁面51bに接触した状態に戻っている。この際、係合凸部50aは、被係合凹部51aの内部空間53の中央付近から戻って加速側の壁面51bに当接するので、加速側の壁面51bに勢いよく衝突することとなる。
このように、図5の比較例では、加速走行時においてドッグクラッチ34の互いに係合した一対の歯車50,51の相対角変位量δが大きくなることで、図5及び図6におけるC時点からD時点に移行する際に、係合凸部50aが被係合凹部51aの加速側の壁面51bに勢いよく衝突し、アウトプットシャフト回転数OS(図5)を瞬間的に急増させることとなる。
次に、これと比較するように本発明の自動二輪車1について説明する。図7は図1に示す自動二輪車1の加速走行時における各種時系列データを表したグラフである。
図7のB時点では、エンジントルクのグラフにおいて、エンジンEの爆発行程から時間をあけて圧縮行程が行われることによる負トルクが生じている。しかし、モータトルクのグラフにおいて電動モータ40によりクランクシャフト13に正トルクが加えられているので、変換後エンジン回転数E1とアウトプットシャフト回転数OSとの差は低減されている。
図7のE時点では、その直前に変換後エンジン回転数E1がアウトプットシャフト回転数OSに比べて若干低下しているため、ドッグクラッチ34の相対角が相対変位しているものの、その量は僅かである。つまり、このE時点では、係合凸部50aが被係合凹部51aの加速側の壁面51bからほんの少しだけ離れることになる。
図7のF時点では、1気筒目の爆発行程が行われたために、変換後エンジン回転数E1がアウトプットシャフト回転数OSに比べて増加し、ドッグクラッチ34の相対角変位量δが元に戻っている。つまり、このF時点では、係合凸部50aが再び被係合凹部51aの加速側の壁面51bに接触した状態に戻ることとなる。この際、直前のE時点で相対角変位量δが小さく抑えられているので、係合凸部50aは、被係合凹部51aの加速側の壁面51bに対して大きな衝撃を与えることなく当接することとなる。さらに、このF時点では、2気筒目の爆発行程の点火時期について遅角制御が行われているので、2気筒目の爆発行程のトルクが若干低下し、係合凸部50aが被係合凹部51aの加速側の壁面51bに当接する瞬間の互いの相対角速度が低減され、当接時におけるショックが大幅に低減されている。
以上に説明した構成によれば、ドッグクラッチ34の係合凸部50aと被係合凹部51aとの歯車回転方向の相対角変位量δ及び相対角速度Vを検出し、その検出値δ,Vに応じてクランクシャフト13に対して電動モータ40により正トルクを加えている。そうすると、休爆区間における圧縮行程でのエンジン出力の一時的な低下により、動力伝達上流側の歯車50の回転数が下流側の歯車51の回転数に対して相対的に低下することが抑制される。よって、ドッグクラッチ34の係合凸部50aと被係合凹部51aとが係合状態のまま相対的に大きく変位して互いに勢い良く衝突することを防止することができる。したがって、自動二輪車1の加速走行時における細かな出力変動が低減され、ライダーの乗り心地を向上させることができる。
また、点火制御装置47は、エンジンEの休爆区間の直後の1気筒目の爆発行程の次の2気筒目の爆発行程に、エンジンEの点火時期を遅角させる遅角制御を行っている。よって、休爆区間の直後の爆発行程により、動力伝達上流側の歯車50の回転数と下流側の歯車51の回転数との大小関係が逆転しても、その次の2気筒目の爆発行程で点火遅角を実施してエンジントルクを弱めることで、係合凸部50aと被係合凹部51aとの間の相対角速度の増加が抑制され、係合凸部50aが被係合凹部51aの内面に勢い良く衝突することを防止することができる。
なお、本実施形態では、休爆区間における圧縮行程にのみ電動モータ40による正トルクをクランクシャフト13に加えているが、ドッグクラッチ34に歯車回転方向の相対変位が生じるときであれば、他のタイミングに加えてもよい。例えば、エンジンEの爆発行程における点火ミスによりエンジントルクが低下し、ドッグクラッチ34の両歯車50,51の相対角が変位したときに、電動モータ40による正トルクをクランクシャフト13に加えてもよい。さらに、本実施形態では、電動モータ40による正トルクをクランクシャフト13に加えているが、インプットシャフト29に加えてもよい。また、本実施形態では、ドッグクラッチ34の相対角変位量と相対角速度の両方を検出して正トルク値の決定に用いているが、いずれか一方のみを用いてもよい(数式1の重み係数αを0又は1とした状態)。また、本実施形態のドッグクラッチ34は、一方の歯車50の凸部50aと他方の歯車51の凹部51aとにより係合する構成であるが、一方の歯車の凸部を他方の歯車の凸部が回転方向に押すように係合する構成であってもよい。さらに、係合凸部50aを動力伝達上流側とし、係合凹部51aを動力伝達下流側とするようにドッグクラッチを構成してもよい。
また、電動モータ40は、ドッグクラッチ34の相対角変位量又は相対角速度が小さくなる方向にクランクシャフト13に対して減速方向の負トルクを加える構成としてもよい。さらに、ドッグクラッチ34の相対角変位量又は相対角速度が所定値を超えた場合に、クランクシャフト13に正トルクを加える構成としてもよい。また、ドッグクラッチ34の相対角変位量、相対角速度、エンジン回転数、ギヤ比などの値と、トルク付加量との関係を予め設定したデータベースまたは演算式に従って、トルクを加える構成としてもよい。
(第2実施形態)
図8は本発明の第2実施形態の自動二輪車の主に駆動系を説明する模式図である。第1実施形態との相違点は、図4のステップ8において、遅角制御を行う代わりに発電機60による発電動作を行う点である。図8に示すように、クランクシャフト13の他端部には、一般的な自動二輪車に搭載される発電機60が接続されている。この発電機60は、クランクシャフト13の回転動力により発電するため、クランクシャフト13に対して減速方向に作用する負トルクを発生させる負トルク付加手段の役目を果たす。
発電機60には発電機制御装置61が接続されている。発電機制御装置61には、クランクシャフト速度センサ42及びアウトプットシャフト速度センサ43が接続されている。発電機制御装置61は、ドッグクラッチ状態演算部62及びトルク制御部63を有している。ドッグクラッチ状態演算部62は、クランクシャフト速度センサ42で検出されるクランクシャフト角度から得られるエンジン回転数E0(回転速度)にクランクシャフト13からインプットシャフト29への一次減速率αおよび変速機22における変速率βを乗じた値E1(=E0・α・β)(以下、変換後エンジン回転数と称す)と、アウトプットシャフト速度センサ43で検出されるアウトプットシャフト角度から得られるアウトプットシャフト回転数OS(回転速度)との差(E1−OS)である相対角速度Vを求めると共に、ドッグクラッチ状態演算部62は、その相対角速度Vを積分して相対角変位量δを求める。
トルク制御部63は、クランクシャフト速度センサ42からの情報で休爆区間の直後の1気筒目の爆発行程の次の2気筒目の爆発行程が発生するタイミング(図4のステップ8に相当)であると判断すると、その行程の間だけ発電機60により所定の負トルクをクランクシャフト13に加えさせる。その際の負トルク値M2は、具体的には、以下の数式3により求める。なお、数式3において、関数f3(x)は、相対角変位量xから負トルク値を求める関数であり、相対角変位量δが大きくなるにつれて値が大きくなる関数である。さらに、g3(x)は相対角速度Vから負トルク値を求める関数であり、相対角速度Vが大きくなるにつれて値が大きくなる関数である。なお、本実施形態では、発電機60により負トルクを発生させているが、電動モータ40が正トルクと負トルクの両方を発生させる構成としてもよい。
[数3]
2=β・f3(δ)+(1−β)・g3(V)
以上の構成によれば、休爆区間の直後の爆発行程により、動力伝達上流側の歯車50の回転数と下流側の歯車51の回転数との大小関係が逆転しても、その次の2気筒目の爆発行程で発電機60によりクランクシャフト13に負トルクを作用させることで、係合凸部50aと被係合凹部51aとの間の相対角速度Vの増加が抑制され、係合凸部50aが被係合凹部51aの内面に勢い良く衝突することを大幅に抑制することができる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第3実施形態)
図9は本発明の第3実施形態の自動二輪車の主に駆動系を説明する模式図である。第1実施形態との相違点は、電動モータ40によりクランクシャフト13に正トルクを加える代わりに、ブレーキ装置70(トルク付加手段)がアウトプットシャフト30に負トルクを作用させる点である。図9に示すように、アウトプットシャフト30の他端部にはブレーキ装置70が接続されている。このブレーキ装置70にはブレーキ制御装置71が接続されている。ブレーキ制御装置71には、クランクシャフト速度センサ42及びアウトプットシャフト速度センサ43が接続されている。
ブレーキ制御装置71は、ドッグクラッチ状態演算部72及びトルク制御部73を有している。ドッグクラッチ状態演算部72は、クランクシャフト速度センサ42で検出されるクランクシャフト角度から得られるエンジン回転数E0(回転速度)にクランクシャフト13からインプットシャフト29への一次減速率αおよび変速機22における変速率βを乗じた値E1(=E0・α・β)(以下、変換後エンジン回転数と称す)と、アウトプットシャフト速度センサ43で検出されるアウトプットシャフト角度から得られるアウトプットシャフト回転数OS(回転速度)との差(E1−OS)である相対角速度Vを求めると共に、ドッグクラッチ状態演算部72は、その相対角速度Vを積分して相対角変位量δを求める。即ち、クランクシャフト速度センサ42とアウトプットシャフト速度センサ43とドッグクラッチ状態演算部72とによりドッグクラッチ状態検出手段74が構成されている
トルク制御部73は、クランクシャフト速度センサ42からの情報により休爆区間における圧縮行程が発生するタイミング(図4のステップ3に相当)であると判断すると、その行程の間だけブレーキ装置70を作動させ、負トルクをアウトプットシャフト30に対して加えさせる。その際のブレーキ装置70を作動させる時間Tは、具体的には、以下の数式4により求める。なお、数式4において、関数f4(x)は、相対角変位量xからブレーキ時間を求める関数であり、相対角変位量δが大きくなるにつれて値が大きくなる関数である。さらに、g4(x)は相対角速度からブレーキ時間を求める関数であり、相対角速度Vが大きくなるにつれて値が大きくなる関数である。
[数4]
T=α・f4(δ)+(1−α)・g4(V)
以上の構成によれば、ドッグクラッチ34の係合凸部50aと被係合凹部51aとの歯車回転方向の相対角変位量δ及び/又は相対角速度Vを検出し、その検出値δ,Vに応じてブレーキ装置70によりアウトプットシャフト30に負トルクを作用させている。そうすると、エンジン出力の一時的な低下により、動力伝達下流側の歯車51の回転数が上流側の歯車50の回転数に対して相対的に増加することが抑制される。よって、ドッグクラッチ34の係合凸部50aと被係合凹部51aとが係合状態のまま相対的に大きく変位して互いに勢い良く衝突することを防止することができる。したがって、自動二輪車1の加速走行時における細かな出力変動が低減され、ライダーの乗り心地を向上させることができる。
なお、ブレーキ装置70の代わりに他の負トルク発生装置を用いてもよく、例えば、アウトプットシャフト30を減速回転方向に付勢するバネの付勢力の伝達を電磁クラッチでオン/オフする構成としてもよいし、モータによりアウトプットシャフト30に減速方向の負トルクを与える構成としてもよい。また、本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を変更、追加、又は削除することができる。
以上のように、本発明に係る車両は、車両走行時における細かな出力変動が好適に低減され、ライダーの乗り心地が向上する優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できる自動二輪車等に広く適用すると有益である。
本発明の第1実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 図1に示す自動二輪車の主に駆動系を説明する模式図である。 図1に示す自動二輪車のドッグクラッチを説明する模式図である。 図1に示す自動二輪車の制御を説明するフローチャートである。 比較例の自動二輪車の加速走行時における各種時系列データを表したグラフである。 図5の比較例のグラフにおけるドッグクラッチの状態を説明する模式図である。 図1に示す自動二輪車の加速走行時における各種時系列データを表したグラフである。 本発明の第2実施形態の自動二輪車の主に駆動系を説明する模式図である。 本発明の第3実施形態の自動二輪車の主に駆動系を説明する模式図である。
符号の説明
1 自動二輪車(車両)
13 クランクシャフト
22 変速機
30 アウトプットシャフト
34 ドッグクラッチ
40 電動モータ(トルク付加手段)
41 モータ制御装置
42 クランクシャフト角度センサ
43 アウトプットシャフト角度センサ
44 ドッグクラッチ状態演算部
45 トルク制御部(トルク制御手段)
46 ドッグクラッチ状態検出手段
47 点火制御装置
50,51 歯車
50a 係合凸部(係合部)
51a 被係合凹部(被係合部)
60 発電機
61 発電機制御装置(発電機制御手段)
62 ドッグクラッチ状態演算部
63 トルク制御部
70 ブレーキ装置(トルク付加手段)
71 ブレーキ制御装置
72 ドッグクラッチ状態演算部
73 トルク制御部(トルク制御手段)
74 ドッグクラッチ状態検出手段

Claims (9)

  1. エンジンからの回転動力を歯車により変速して出力する変速機を備え、前記変速機には、略同一軸線上に並ぶ一対の歯車のうち一方の歯車に突設された係合部と、他方の歯車に形成された被係合部とを有するドッグクラッチが設けられ、前記ドッグクラッチが前記係合部と前記被係合部とが歯車回転方向に接離可能な状態で互いに係合される構成である車両であって、
    前記ドッグクラッチを含む動力伝達系統にトルクを付加可能なトルク付加手段と、
    ドッグクラッチ係合状態における前記係合部と前記被係合部との歯車回転方向の相対角変位量及び/又は相対角速度を検出するドッグクラッチ状態検出手段と、
    前記エンジンの少なくとも1つの気筒が圧縮行程である際に、前記動力伝達系統に対して前記相対角変位量又は前記相対角速度が小さくなる方向にトルクを付加するよう前記トルク付加手段を制御し、かつ、前記ドッグクラッチ状態検出手段により圧縮行程で検出された相対角変位量及び/又は相対角速度に応じて、前記トルク付加手段で付加する前記トルクの値を設定するトルク制御手段と、を備えていることを特徴とする車両。
  2. 前記トルク制御手段は、前記トルク付加手段で付加する前記トルクの値を前記エンジンの行程周期ごとに再設定することを特徴とする請求項1に記載の車両。
  3. 前記トルク制御手段は、前記エンジンの全気筒が爆発行程でない休爆区間における圧縮行程で検出された相対角変位量及び/又は相対角速度に応じて、その休爆区間の次の休爆区間の圧縮行程で付加する前記トルクの値を再設定することを特徴とする請求項2に記載の車両。
  4. 前記トルク制御手段は、前記ドッグクラッチ状態検出手段で検出される相対角変位量又は相対角速度が大きくなるにつれて、相対角変位量又は相対角速度が小さくなる方向に、前記動力伝達系統に付加するトルクが大きくなるように前記トルク付加手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両。
  5. 前記トルク付加手段は、前記ドッグクラッチよりも動力伝達上流側の動力伝達系統にトルクを付加可能であり、
    前記トルク制御手段は、前記エンジンの少なくとも1つの気筒が圧縮行程である際に、前記動力伝達系統に対してエンジンの回転速度が加速する方向の正トルクを付加するように前記トルク付加手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両。
  6. 前記トルク付加手段は、前記ドッグクラッチよりも動力伝達下流側の動力伝達系統にトルクを付加可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両。
  7. 前記エンジンは複数の気筒を有し、それら各気筒の各爆発行程のタイミングは不等間隔であり、
    前記トルク制御手段は、前記エンジンの全気筒が爆発行程でない休爆区間における圧縮行程である際に、前記動力伝達系統に対してトルクを付加するように前記トルク付加手段を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の車両。
  8. エンジンからの回転動力を歯車により変速して出力する変速機を備え、前記変速機には、略同一軸線上に並ぶ一対の歯車のうち一方の歯車に突設された係合部と、他方の歯車に形成された被係合部とを有するドッグクラッチが設けられ、前記ドッグクラッチが前記係合部と前記被係合部とが歯車回転方向に接離可能な状態で互いに係合される構成である車両であって、
    前記ドッグクラッチよりも動力伝達上流側の動力伝達系統にトルクを付加可能なトルク付加手段と、
    ドッグクラッチ係合状態における前記係合部と前記被係合部との歯車回転方向の相対角変位量及び/又は相対角速度を検出するドッグクラッチ状態検出手段と、
    前記ドッグクラッチ状態検出手段により検出された相対角変位量及び/又は相対角速度に応じて、前記トルク付加手段を制御するトルク制御手段と、を備え、
    前記トルク付加手段は、前記動力伝達系統に接続された負トルク付加手段を含み、
    前記負トルク付加手段は、前記エンジンの全気筒が爆発行程でない休爆区間の直後の爆発行程の後に、前記動力伝達系統に対してエンジンの回転速度が減速する方向の負トルクを付加するように制御されることを特徴とする車両。
  9. 前記エンジンの全気筒が爆発行程でない休爆区間の直後の爆発行程の次の爆発行程に、前記エンジンの点火時期を遅角させる点火制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の車両。
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