JP5202469B2 - 監視支援装置、システム及び監視支援方法 - Google Patents

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本発明は、例えばベッド等から被監視者が転落しないようにするための、転落予防のための監視支援装置、システム及び監視支援方法に関する。
病院、介護施設等で患者、高齢者のベッドからの転落・転倒事故が多発しており、対策が求められている。これまで、人の体荷重を検知するマットセンサや赤外線センサなどを用い、ベッドから離れたか、起き上がったかなどを検知し通報するシステムが導入されている。例えば特許文献1に示すものでは、ベッドの手すりを外側から手前に引くことによって反応する手すりセンサ21と、ベッドに取り付けられベッド上の被介護者(被監視者)の位置を算出するための重心センサ31とが設けられている。これにより腹筋等の弱った被監視者が、起き上がるための補助とするために手すりを握って手前に引き、且つベッド上での被監視者の重心位置が移動し離床予測領域内に含まれたときに、起き上がりが開始され、離床の可能性が高まったことが予測できる。
特開2007−330336号公報
しかしながら、特許文献1に示す手段においては被監視者が動作を起こしてから手すりセンサ21と重心センサ31とによって動作を検知し離床を推定してナースステーション等に通報する。これにより想定動作以外の動きや、素早い動きがあった場合、誤検出、検出遅れ、見落とし等が発生する虞がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、被監視者の動作が開始された早い時期において被監視者の動作予測をし、誤検出、検出遅れ等がない安全性の高い監視支援装置、システム及び監視支援方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、監視支援装置が被監視者の複数の状態を検出するセンサと、前記センサからの検出信号に基づいて前記被監視者の一の状態での継続、及び前記被監視者の他の状態から一の状態への状態遷移の少なくとも一方を識別する状態識別手段と、前記被監視者の前記状態遷移に基づいて前記被監視者の事故の発生度合を示すリスク度合を算出する事故リスク演算手段と、前記被監視者の前記一の状態の継続又は前記状態遷移又は前記リスク度合に基づいて通報内容及び通報先を選定する選定手段と、前記選定手段によって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信する送信手段と、を備えたことである。
請求項2に係る発明の特徴は、監視支援装置が被監視者の複数の状態を検出するセンサと、前記センサからの検出信号に基づいて前記被監視者の一の状態での継続、及び前記被監視者の他の状態から一の状態への状態遷移の少なくとも一方を識別する状態識別手段と、前記被監視者の前記状態遷移に基づいて前記被監視者の事故の発生度合を示すリスク度合を算出する事故リスク演算手段と、前記被監視者の前記一の状態の継続又は前記リスク度合に基づいて通報内容及び通報先を選定する選定手段と、前記選定手段によって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信する送信手段と、を備えたことである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1又は2において、前記事故リスク演算手段は、前記被監視者が他の状態から一の状態に遷移する遷移方向に依存して前記リスク度合を増減することである。
請求項4に係る発明の特徴は、請求項3において、前記事故リスク演算手段は、前記状態識別手段が識別した前記被監視者が他の状態に遷移した時点から一の状態に遷移した時点までの時間の長さに依存して前記リスク度合を変化させることである。
請求項5に係る発明の特徴は、請求項3又は4において、前記選定手段は、前記事故リスク演算手段が前記リスク度合を増加したとき、前記選定手段によって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信することである。
請求項6に係る発明の特徴は、請求項5において、前記選定手段は、前記事故リスク演算手段が前記リスク度合を減少したとき、前記選定手段によって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信しないことである。
請求項7に係る発明の特徴は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記通報内容及び前記通報先は、前記被監視者に応じて変更可能であることである。
請求項8に係る発明の特徴は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の監視支援装置と、前記被監視者を監視可能な監視装置とを設け、前記被監視者の状態、状態遷移又は前記リスク度合に基づいて前記監視装置に前記被監視者の監視を開始させることである。
請求項9に係る発明の特徴は、請求項8において、前記監視装置に前記被監視者の監視を開始させるのは、前記被監視者の状態遷移が睡眠状態から覚醒状態への遷移であることである。
請求項10に係る発明の特徴は、請求項8又は9において、前記監視装置は、前記被監視者の前記状態の情報を獲得する機能を有する監視装置であり、前記監視支援装置は前記監視装置から獲得した情報によって前記事故リスク度合の修正を行うための事故リスク再演算機能を有していることである。
請求項11に係る発明の特徴は、請求項8又は9において、前記監視装置は、自律移動可能であり、且つ前記被監視者とのコミュニケーション機能を有し、 画像と音声情報を獲得し、その情報を、他の端末に転送する監視装置であることである。
請求項12に係る発明の特徴は、監視支援方法が状態識別手段を用いて、被監視者の一の状態での継続、及び前記被監視者の他の状態から一の状態への状態遷移の少なくとも一方を識別する状態識別ステップと、事故リスク演算手段を用いて、前記被監視者の前記状態遷移に基づいて前記被監視者の事故の発生度合を示すリスク度合を算出する事故リスク演算ステップと、選定手段を用いて、前記被監視者の前記一の状態の継続又は前記状態遷移又は前記リスク度合に基づき通報内容及び通報先を選定する選定ステップと、送信手段を用いて前記選定ステップによって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信する送信ステップと、からなることである。
請求項1に係る発明によれば、被監視者の複数の状態及び状態遷移がセンサによって検出されるとともに、事故リスク演算手段によって、各状態間の遷移の仕方の違いに基づきリスク度合が算出される。そして、一の状態の継続又は前記状態遷移又はリスク度合に基づいて通報内容及び通報先を決定し送信している。これにより、一の状態の継続、又は状態遷移又はリスク度合に応じて適切に対応でき、安全性が向上されると共に、多忙な看護師を被監視者のもとに不必要に呼び出したりすることが減少し効率的である。

請求項2に係る発明によれば、事故リスク演算手段によって、各状態間の遷移の仕方の違いに基づき事故リスク度合が算出される。そして算出された各事故リスク度合に応じて通報内容及び通報先を決定している。これにより、各状態間の遷移の仕方によって異なる事故リスクに対し、より適切に対応できると共に、さらに多忙な看護師を被監視者のもとに不必要に呼び出したりすることが減少する。
請求項3に係る発明によれば、被監視者の状態の遷移の方向によって事故リスク度合を増減する。これにより、被監視者の動きを加味して事故リスク度合を判定することができ、効果的に転落や転倒の危険を検出できる。
請求項4に係る発明によれば、状態間の遷移において各状態に留まる時間の長さに基づき事故リスク度合が演算される。これにより、転落や転倒に繋がりやすい被監視者の勢いの強い動きが検出でき、効果的に危険を検出できる。
請求項5に係る発明によれば、事故リスク演算手段によって、事故リスク度合が増加されて演算されたときには、所定の通報先に所定の内容で通報がされる。このように事故リスク度合が増加される度に通報がされるので、危険を見落とす虞がない。
請求項6に係る発明によれば、事故リスク演算手段によって、事故リスク度合が減少して演算されたときには通報しない。このように、事故リスク度合が減少したときには多忙な看護師を不必要に呼び出すことなく効率的である。
請求項7に係る発明によれば、被監視者に応じて通報先と通報内容が設定できるので、転倒、転落の可能性が高いと思われる老人等の場合には事故リスク度合を通常より高くするよう設定することによって、より確実に事故に対処できる。
請求項8に係る発明によれば、被監視者の状態、状態遷移又は前記リスク度合に応じて監視装置による被監視者の監視が開始される。これにより、適切な時期に被監視者の監視を開始することができ、被監視者のプライバシーを守りながら、確実に事故に対処できる。
請求項9に係る発明によれば、被監視者が睡眠状態から覚醒状態へ遷移したときに、監視装置によって被監視者の監視が開始される。このようにリスク度合が低い睡眠状態では監視装置で監視しないで、被監視者に余計な緊張を与えることを防ぎ、監視が必要な覚醒状態から監視を開始することにより看護師の負担を軽減しつつ、確実に事故に対処できる。
請求項10に係る発明によれば、監視装置は被監視者の状態情報を獲得することができる。そして獲得した状態情報に基づき再演算機能によって事故リスク度合の修正が行なわれる。このように監視支援システムは、監視装置からの情報に基づき事故リスク度合を引き上げて看護師を呼び出したり、リスク度合を引き下げたりすることができるので、確実に事故の発生に対して対応できるとともに、多忙な看護師を不必要に呼び出したりすることが減少し、効率化を図ることができる。
請求項11に係る発明によれば、監視装置は自律移動が可能であり、被監視者とコミュニケーションをとることができると共に、被監視者の画像と音声情報を獲得し、他の端末に送信することができる。このような監視装置を有する監視支援システムによって看護師はより正確な被監視者の情報を得ることができ、事故に対して適切に対応できるようになる。
請求項12に係る発明によれば、請求項1の効果と同様の効果が得られる。
本実施形態に係る監視支援システムの構成概要図である。 本実施形態に係るベッド部分の斜視図である。 検出される状態、状態遷移及び各状態の事故リスク度合を示す図である。 本実施形態に係る現在状態の継続、及び各状態遷移に対応する通報先と通報内容を示す図である。 本実施形態に係る状態識別表である。 本実施形態に係る通報内容表示例を示す図である。 本実施形態に係る制御のフローチャートである。 フローチャートのサブプログラムAである。 フローチャートのサブプログラムBである。
以下、図面を参照しながら、監視支援装置、及び該監視支援装置を含む監視支援システムの第1の実施形態について説明する。図1に示すように、本発明に係る監視支援システム1は、監視支援装置5と、監視装置40とからなる。
監視支援装置5は、ベッド本体10に配置される複数のセンサと、センサと接続されセンサから出力される各種データを処理するための従制御装置50と、従制御装置50と無線LANにて接続される主制御装置60と、主制御装置60と有線又は無線LANにて接続されるナースステーションに設けられたナースコールシステム30とからなる。そして主制御装置60には無線LANによって監視装置40が接続されている。なお、以下の説明において被監視者とは、病院などにおいて監視支援システム1によって見守られる者をいい、例えば転倒する虞のある者、徘徊する虞のある者、病状が急変して重症化する虞のある者、高齢者、認知症の方、けが人及び病人等のことをいう。
図2に示すベッド本体10はヘッド部12と、フット部14とを備えている。ヘッド部12は、図示しない昇降装置と、この昇降装置により昇降されるヘッドボード12bとから構成され、昇降装置の下部の支持部12cはキャスター12dを介して床面に接している。同様に、フット部14は、昇降装置14aと、この昇降装置14aにより昇降されるフットボード14bとから構成され、昇降装置14aの下部の支持部14cはキャスター14dを介して床面に接している。
ヘッドボード12bとフットボード14bは、左右一対のフレーム15、15により連結されている。フレーム15、15の上にはボトム部20が装着されており、ボトム部20上にはマットレス11が載置されている。
このように構成されたベッド本体10には、被監視者の姿勢等の状態を予め検出して被監視者の転落又は転倒を防止するためのセンサが複数設けられている。本実施形態においては5種類のセンサが配置されており、図1、図2に示すようにベッド本体10に設けられる生体センサ16、傾斜センサ17、マットセンサ18、離床センサ21と、ベッド本体10下の床面に配置される床マットセンサ19である。
そして図1に示すように5種類のセンサから出力されたデータは従制御装置50に送信される。従制御装置50は、各センサからの信号を収録しデジタル信号へと変換するDAQユニット50bと、DAQユニット50bとUSBにて接続される制御パソコン50aと、DAQユニット50b及び制御パソコン50aの電源であるUPS50c(無停電電源装置)とからなる。制御パソコン50aは、UPS50cによって電源の供給がされていることにより、災害時や、急な停電時においても確実に被監視者の監視が行なえるようになっている。そして各センサからの信号はDAQユニット50bを介して制御パソコン50aに送信され、制御パソコン50aによって信号処理がされたのち、無線LANによって主制御装置60に送信される。
生体センサ16は、圧力センサであり、ボトム部20の上面、即ちボトム部20とマットレス11との間に配置されている。生体センサ16は、図1に示すように、被監視者が横たわったときに被監視者の臀部と、臀部より少し頭部寄りの背部とによって押圧される位置に、それぞれ3個ずつマットレス11の長手方向と直交する方向に均等に並べて配置されている。なお、生体センサ16には、荷重センサ、圧電センサまたは振動センサ等を利用してもよい。また生体センサ16の配置については、適宜変更できる。
生体センサ16は、ベッド本体10上の被監視者の生体信号に由来する微振動を検出し、検出データを従制御装置50に送信する。そして制御パソコン50aによって信号処理がされ、心拍数、呼吸数、体動数が算出される。
またベッド本体10は電動又は手動による背上げ機能を有しており、傾斜センサ17はその背上げ角度を検出する。傾斜センサ17は例えば静電容量型の傾斜センサであり背上げによって傾いた背上げ部の角度が検出される。傾斜センサ17は生体センサ16と同様にボトム部20とマットレス11との間に少なくとも1個が配置されている。図1に示すように傾斜センサ17は被監視者の頭部寄りに配置された3個の生体センサ16より、さらに少しだけ被監視者の頭部寄りに配置されている。なお、傾斜センサ17の方式はどのようなものでもよく、例えばサーボ型傾斜センサ等によって構成されてもよい。
マットセンサ18は、圧力センサであり、図1に示すようにマットレス11上の所定の位置に2箇所配置され、被監視者がベッド本体10上にいるかいないかを検出したり、又はベッド本体10上での被監視者の状態(被監視者の体勢)を検出する。マットセンサ18は、上記状態を検出するために適切な位置に配置されている。なお、マットセンサ18には、荷重センサ、圧電センサまたは振動センサ等を利用してもよい。
床マットセンサ19は、圧力センサであり被監視者の足が床へ着地したことが検出される。そして被監視者がベッド本体10のマットレス11上に腰掛けた状態(端座位状態)で足を床マットセンサ19上に置いている状態や、被監視者が離床しようとして床マットセンサ19上に完全に立上がった状態などが検出され、検出された荷重の大きさに基づいて各状態が判定される。なお、床マットセンサ19にも、荷重センサ、圧電センサまたは振動センサ等を利用してもよい。
離床センサ21は、光学式(赤外線式)のセンサであり、図2に示すヘッドボード12bの一部に配置される。離床センサ21は赤外線を発し、被監視者によって該赤外線が遮断されたときに、遮断のされ方に基づいて被監視者の状態を判定する。離床センサ21によって、主に被監視者の上体起立状態、及び端座位状態が検出される。
そして上述したように各センサによって検出されたそれぞれの信号は主制御装置50の制御パソコン50aによって信号処理がされたのち無線LANによって、主制御装置60に送信される。
ナースコールシステム30は、主制御装置60と、ベッド本体10近傍に設置される無線又は有線によって接続されるナースコールボタン31と、看護師及び医師等が携帯するPHSとに接続されている。
ナースコールボタン31は被監視者等によって押されることにより、ナースステーション内のブザーが鳴り、不特定多数の看護師に被監視者からの呼び出しがあったことを知らせたり、PHSに自動接続して特定の看護師や医師等に被監視者からの呼び出しを知らせる。
監視装置40は、自律移動が可能で、且つ被監視者とのコミュニケーション機能、つまり会話する機能を有している。また監視装置40は監視装置40を介して看護師と被監視者とが会話できる機能も有している。監視装置40は、通常時、被監視者の病室外近傍の廊下を巡回したり、被監視者の病室内に滞在している。
また監視装置40は内蔵するカメラによって被監視者の画像を取り込むことができるとともに、音声を取り込むことができる。そして取り込まれた画像及び音声信号を、例えば主制御装置60等の他の端末に転送することが可能となっている。また取り込まれた画像及び音声信号を主制御装置60に送信し、主制御装置60が有する事故リスク再演算機能によって再演算させ、リスク度合を修正することができる。
なお、監視装置40は自律移動が可能でなく、被監視者の病室内の適所に固定され、必要なときにのみ機能する固定式監視装置であってもよい。また固定されていなくてもよい。
次に主制御装置60の機能について詳細に説明する。主制御装置60は、状態識別手段61と、選定手段63と、送信手段64と、を有している。
状態識別手段61は、各センサからの検出信号に基づいて、被監視者の他の状態としての遷移前状態(以降、遷移前状態と称す)から、一の状態としての遷移後の状態(以降、現在状態と称す)への状態の遷移、及び現在状態の継続状態を識別する。なお、本実施形態において、状態識別手段61によって識別される各状態は事前に設定された図3に示すPS1〜PS8の8つの状態である。8つの状態は、睡眠状態(PS1)、覚醒状態(PS2)、上体起立状態(PS3)、ベッド背上げ状態(PS4)、端座位状態(PS5)、床に起立状態(PS6)、離床状態(PS7)、及び容態変化(PS8)である。また8つの状態PS1〜PS8が各状態同士で遷移できる範囲は限定されており、図3に示すとおりであり、矢印で結ばれている各状態同士間のみにて遷移できるものとする。ただし、可能であれば図3に示す以外の各状態同士間で遷移させてもよい。また図3に示す8つの状態PS1〜PS8は横軸方向において右に向うほど転落又は転倒のリスク度合が大きくなるとした。各状態PS1〜PS8のリスク度合は適宜変更してもよい。
状態識別手段61が各状態PS1〜PS8を識別するためには、ベッド本体10に配置された各センサからの出力データが利用される。各状態PS1〜PS8を識別するために利用されるセンサは各状態PS1〜PS8毎に異なり、図5に示すとおりである。ただし、図5に示すセンサ以外のセンサによって各状態PS1〜PS8を識別してもよい。
そして各状態PS1〜PS8を識別するための各センサの出力データの値が所定の値を示した時に、現在状態が確定される。例えば睡眠状態(PS1)を検出するセンサは主に生体センサ16である。生体センサ16によって算出された心拍数、呼吸数、体動数に基づき睡眠状態(PS1)又は覚醒状態(PS2)と判定される。このようにして状態識別手段61によって各状態が識別される。そして各状態が別の状態に遷移すると状態識別手段61は状態遷移として、遷移前状態と遷移後の現在状態とを記憶する。
また状態識別手段61は、現在状態に遷移した時点から時間の計測を開始する。そして現在状態に継続して滞在した時間を記憶し現在状態継続時間PSDとする。このように各状態に遷移するたびに繰り返し現在状態継続時間PSDの測定を行い、測定された現在状態継続時間PSDは遷移するたびに更新される。なお、状態識別手段61は、状態識別手段61によって識別される状態遷移又は現在状態継続時間PSDのうちどちらか一方の識別機能のみを有していてもよい。これによっても相応の効果が得られる。
選定手段63は、状態識別手段61によって識別された状態遷移、及び現在状態継続時間PSDに基づいて通報内容及び通報先を選定する。通報内容及び通報先は、予め設定され(図4参照)、主制御装置60に記憶されている。主制御装置60によって選定される通報先は、本実施形態においては、監視装置40、ナースコールシステム30を介したPHS(特定の看護師)及びナースステーション(不特定多数の看護師)の3つである。そして本実施形態においてはこの3つの通報先の通報順位として、最もリスク度合が低いときには監視装置40に通報し、最もリスク度合が高いときにはナースステーションに通報するように設定した。そして上記以外の場合の通報先としてPHSを設定した。ただし、通報順位は様々な要因によって異なる可能性があるためこの限りではなくどのように設定してもよい。また通報先は4つ以上であってもよいし、2つであってもよい。
そして選定手段63は状態識別手段61によって識別された状態遷移に基づき、図4のCS表に従って該状態遷移に対応する通報内容及び通報先を選定する。例えば遷移前状態が睡眠中(PS1)であり、現在状態が覚醒状態(PS2)と識別されているときには、CS表に従い通報先は通報先順位1の監視装置40であり、通報内容は“挨拶に行って下さい”というものとなる。他の状態遷移についても同様に通報内容及び通報先が選定される。なお、本実施形態においては、図3に示す8つの状態PS1〜PS8において、転落のリスク度合が小の状態から、該小の状態より大きいリスク度合の状態に遷移したときにのみ、通報するものとする。また、状態遷移に対応する通報内容及び通報先は、図4に示す内容に限らず、被監視者の病状や、体力的な個人差等に基づき適宜設定変更が可能となっている。
また、現在状態継続時間PSDが所定の時間を越えた場合は、図4のSS表に従って通報内容及び通報先が選定される。ただし、現在状態継続時間PSDが所定の時間を越えた場合に通報内容及び通報先が変更される対象の状態は、限定されており端座位状態(PS5)、床に起立状態(PS6)及び離床状態(PS7)の3つの状態のみである。つまり上記3つの状態は、例えば病人が長時間滞在するには不自然な状態であり、意識を失い倒れている、もしくは苦しくて動けない等の状態である虞がある。そして生命の危険も考えられるため通報内容及び通報先をリスク度合が高い状態として扱うものである。例えば端座位状態において現在状態継続時間PSDが所定の時間を越えた場合、図4のSS表に従い通報先は、通報先順位2のPHSを携帯している看護師となり、通報内容は“見に行って下さい”となる。このようにリスク度合が高いと判定するので、臨機応変に対応できる看護師に直接見に行かせるようにするものである。
送信手段64は、選定手段63によって選定された通報内容を、選定された通報先に送信する。送信手段64は、通報先に監視装置40が選定されたとき、無線LANを介して監視装置40に対し選定された通報内容(指令)を直接送信する。
監視装置40は該当する被監視者のところまで自律して移動し、被監視者の監視を開始する。監視装置40は、被監視者の状態に応じて声をかけたり、被監視者の画像を取り込み、送信して看護師や主制御装置60等に情報を提供する。監視装置40が被監視者に対し声をかけたり会話することにより、被監視者が落ち着きを取り戻しベッドからの転落が防げる効果も期待できる。なお、被監視者に対し声をかけるのは、監視装置40自身でもよいし、監視装置40のマイクロフォンまたはスピーカを介して看護師が声をかけてもよい。
なお、本実施形態においては被監視者の状態が睡眠状態(PS1)から覚醒状態(PS2)に遷移したときに、監視装置40に対して監視開始の指令がされる。しかしこれに限らず監視装置40に対して監視を開始させるタイミングを、別の状態遷移のタイミングに設定してもよい。
また送信手段64は、所定の条件により通報先にPHSが選定されたとき、ナースコールシステム30を介してPHSに接続する。そして音声によって該PHSを所持する看護師に、選定された通報内容を伝える。このとき主制御装置60、又はナースステーションに設置されている所定のパソコン端末のモニターには、図6に示すような通報内容が表示される。
さらに送信手段64は、所定の条件により通報先にナースステーションが選定されたとき、ナースコールシステム30を介してナースステーション内に警報を発するとともに、主制御装置60、又はナースステーションに設置されている所定のパソコン端末のモニターに通報内容を表示する。なお送信手段64により送信がされる場合、上記のいずれの通報先に送信される場合でも主制御装置60、もしくはナースステーションに設置されている所定のパソコン端末のモニターには、選定された通報内容が表示されている。また状態遷移ではなく、現在状態が継続されているときには、現在状態がモニターに常時表示されている。
次に監視支援装置5の作用について、図7、図8、図9に示すフローチャート、およびフローチャートのサブプログラムA、Bに基づいて説明する。なお、本実施形態において、上体起立状態(PS3)と、ベッド背上げ状態(PS4)とはリスク度合が同様で、被監視者の姿勢も略同様であるため、フローチャート上は同一の状態として扱う。
まず監視支援装置5が起動されると、図7のフローチャートがスタート(ステップS10)する。
そして、ステップS11(睡眠状態)からステップS17(容態悪化)に向い、状態識別手段61によって順次各センサの出力状態の確認が行なわれる。
各ステップS11〜S17において、各状態が識別されるための所定のセンサによって所定の出力が得られた時は各ステップにおいて状態が確定されYES(以降Y)に進む。また所定のセンサによって所定の出力が得られない時はNO(以降N)に進み、次のステップで状態の識別が行なわれる。
ステップS11(睡眠状態)〜ステップS13(状態起立又は背上げ状態)、及びステップS17(容態悪化)において各状態が識別された時は、図8のサブプログラムAに進む。
またステップS14(端座位状態)〜ステップS17(離床中)において各状態が識別された時は、図9のサブプログラムBに進む。ステップS14〜ステップS17にて検出する状態である端座位状態、床に立上がり状態、及び離床の状態の3つの状態においては現在状態継続時間PSDが計測され、現在状態継続時間PSDの長さに基づいて通報先及び通報内容が選定されるために別プログラムとなっている。
まず、図8のサブプログラムAに進んだ場合について説明する。サブプログラムAに進むとステップS20にてステップS11(睡眠状態)〜ステップS13(状態起立又は背上げ状態)、及びステップS17(容態悪化)にて識別され確定された状態が現在状態PSとして記憶される。
次にステップS21で、遷移前状態FSと現在状態PSとが同じであるか確認される。サブプログラムAをはじめて通過するときには遷移前状態FSと現在状態PSとは異なるのでNでステップS22に進む。
ステップS22では遷移前状態FSから現在状態PSへの状態遷移を状態遷移の経歴CCとして記憶する。
次に現在状態PSを遷移前状態FSとして記憶する。これにより現在状態PSはクリアされる。
次にステップS24で、現在時刻から現在状態に遷移した時点の時刻PSTiが減算され遷移前状態継続時間FSDが算出されて記憶される。そしてこの後、ステップS25において現在時刻がPSTiとして更新され記憶される。
次にステップS26において遷移前状態継続時間FSDと、FSDの許容最小所定時間Tsとが比較され、FSDがTs以上の時にはYに進み、FSDがTsより小さいときにはNに進む。ただし第1の実施形態においては遷移前状態継続時間FSDの長さにより通報先及び通報内容を変更しないのでTsには0を代入しておけばよい。これによりステップS26からは常にステップS27に進む。
ステップS27においては選定手段63によって、状態遷移の経歴CCに基づき通報先及び通報内容が選定される。通報先及び通報内容は図4のCS表に基づく。
そしてステップS28にて、ステップS27で選定された通報内容が選定された通報先に送信手段64によって送信される。そしてプログラムAが終了される。
プログラムA終了後、所定の時間(例えば300msec)が経過した後、図7のフローチャートが再びスタートされる。そして現在状態が次の状態に遷移していないときには、再びプログラムAに進んでくる。そして、ステップS20にて現在の状態が現在状態PSとして記憶される。
次にステップS21で、遷移前状態FSと現在状態PSとが同じであるか確認される。今回は2回目の通過であるため、遷移前状態FSは現在の状態となっている。これにより遷移前状態FS=現在状態PSとなり、YとなってステップS26に進む。そしてステップS26を1回目と同様にYで通過後、ステップS27、ステップS28で1回目と同様の処理が行なわれる。このようにして現在状態が次の状態に遷移するか、又はプログラムの停止作業が実行されるまで繰り返し処理は実行される。
次に、フローチャートから図9のサブプログラムBに進んだ場合について説明する。サブプログラムBに進むとステップS31にて、ステップS14(端座位状態)〜ステップS16(離床中の状態)にて識別され確定された状態が現在状態PSとして記憶される。
そしてサブプログラムAのステップS20〜ステップS25と同様のステップS31〜ステップS36によって同様の処理がされる。
次にステップS37で、現在時刻から現在状態に遷移した時点の時刻PSTiが減算され現在状態継続時間PSDが算出され記憶される。
次にステップS38で、現在状態継続時間PSDと、発明者によって評価がされ決定された現在状態継続時間PSDの許容最大所定時間TLとが比較される。現在状態継続時間PSDが許容最大所定時間TL以上の場合はYによってステップS43に進む。このステップS38によって、一の状態である現在状態に滞在しすぎることにより発生する危険を検出することができる。
ステップS43では、選定手段63によって通報先及び通報内容が選定される。通報先及び通報内容は図4の表SSに基づく。例えば端座位状態(PS5)の現在状態継続時間PSDが許容最大所定時間TL以上の場合、表SSによって通報先は順位が2の看護師であり、通報内容は“見に行って下さい”となる。
またステップS38でNとなった場合はステップS39に進む。しかしステップS39はサブプログラムAのステップS26と同様に、第1の実施形態においては遷移前状態継続時間FSDの長さにより通報先及び通報内容を変更しないのでTsには0を代入しておけばよい。これによりステップS39からは常にステップS40に進む。
ステップS40においては選定手段63によって、状態遷移の経歴CCに基づき通報先及び通報内容が選定される。通報先及び通報内容は図4のCS表に基づく。
次にステップS41の送信手段64によって、ステップS40で選定された通報内容が選定された通報先に送信され、プログラムBは終了される。
そしてサブプログラムAと同様に図7のフローチャートが再びスタートされ、現在状態が次の状態に遷移していないときには、再びプログラムBに進み、ステップS31にて現在の状態が現在状態PSとして記憶される。
次にステップS32で、遷移前状態FSと現在状態PSとが同じであるか確認される。今回は2回目の通過であるため、遷移前状態FS=現在状態PSとなり、YとなってステップS37に進む。
ステップS37で現在状態継続時間PSDが、現在時刻によって更新され、ステップ38にて更新された現在状態継続時間PSDと現在状態継続時間PSDの許容最大所定時間TLとが比較される。
現在状態継続時間PSDが許容最大所定時間TL以上の場合はYによってステップS43に進み、現在状態継続時間PSDが許容最大所定時間TLよりも小さい場合はNによってステップS39に進む。
そしてこの後、以降の各ステップにて第1回目と同様の処理がされる。このようにして現在状態が次の状態に遷移するか、又はプログラムの停止作業が実行されるまで繰り返し処理は実行される。
なお、上記においてフローチャートおよびサブプログラムA、BのステップS11〜ステップS17、ステップS20〜ステップS17、及びステップS31〜ステップS38は、状態識別手段61を用いて、被監視者の現在状態の継続、及び遷移前状態から現在状態への状態遷移の少なくとも一方を識別する状態識別ステップである。
またステップS17、ステップS40、及びステップS43は、選定手段63を用いて、現在状態の継続、及び遷移前状態から現在状態への状態遷移に基づき通報内容及び通報先を選定する選定ステップである。
さらにステップS28、及びステップS41は、送信手段を用いて選定された通報内容を選定された通報先に送信する送信ステップである。
上述の説明から明らかなように、第1の実施形態においては、センサによって被監視者の現在状態の継続、及び複数の状態PS1〜PS8及び状態遷移が検出される。そして、検出された結果に基づいて通報内容及び通報先が決定され送信されている。これにより、各状態遷移に応じて適切に対応でき、安全性が向上されると共に、多忙な看護師を被監視者のもとに不必要に呼び出したりすることが減少し効率的である。
また、第1の実施形態においては、被監視者に応じて通報内容と通報先が設定できるので、転倒、転落の可能性が高いと思われる老人等の場合には事故リスク度合を通常より高くするよう設定することによって、より確実に事故に対処できる。
また、第1の実施形態においては、被監視者の状態、状態遷移又は前記リスク度合に応じて監視装置40による被監視者の監視が開始される。これにより、適切な時期に被監視者の監視を開始することができ、被監視者のプライバシーを守りながら、確実に事故に対処できる。
また、第1の実施形態においては、被監視者が睡眠状態(PS1)から覚醒状態(PS2)へ遷移したときに、監視装置40によって被監視者の監視が開始される。このようにリスク度合が低い睡眠状態(PS1)では監視装置40で監視しないで、被監視者に余計な緊張を与えることを防ぎ、監視が必要な覚醒状態(PS2)から監視を開始することにより看護師の負担を軽減しつつ、確実に事故に対処できる。
また、第1の実施形態においては、監視装置40は被監視者の状態情報を獲得することができる。そして獲得した状態情報に基づき再演算機能によって事故リスク度合の修正が行なわれる。このように監視支援システム1は、監視装置40からの情報に基づき事故リスク度合を引き上げて看護師を呼び出したり、リスク度合を引き下げたりすることができるので、確実に事故の発生に対して対応できるとともに、多忙な看護師を不必要に呼び出したりすることが減少し、効率化を図ることができる。
さらに、第1の実施形態においては監視装置40は自律移動が可能であり、被監視者とコミュニケーションをとることができると共に、被監視者の画像と音声情報を獲得し、他の端末に送信することができる。このような監視装置40を有する監視支援システム1によって看護師はより正確な被監視者の情報を得ることができ、事故に対して適切に対応できるようになる。
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の監視支援システム2は第1の実施形態の監視支援システム1に対し、主制御装置70が有する機能のみが異なり、その他の構成、作用は同等である。よって変更点のみ説明し、同様の部分については説明を省略する。また同様の構成には同じ符号を付し説明する。
主制御装置70は、従制御装置50の制御パソコン50aによって得られたセンサ信号をもとに現在状態の継続、被監視者の状態遷移、及び事故リスク度合を算出する。そして主制御装置70は、算出された事故リスク度合に基づいて、選定された通報内容を選定された通報先へ無線装置を通して通報する機能を有する。
主制御装置70は、状態識別手段61と、事故リスク演算手段72と、選定手段73と、送信手段64と、を有している。状態識別手段61及び送信手段64は主制御装置60と同様の構成及び作用を有する。
第1の実施形態においては、状態識別手段61により、他の状態としての遷移前状態から一の状態としての現在状態に遷移した時点から時間の計測を開始し、現在状態の継続時間を記憶して現在状態継続時間PSDとした。
しかしながら第2の実施形態においては、遷移前状態の継続時間が計測され、計測されたデータが遷移前継続時間FSDとして記憶されリスク度合の算出に利用される。
事故リスク演算手段72は、遷移前継続時間FSDが、発明者によって評価がされ決定された所定の値である許容最小所定時間Tsより短いときにリスク度合が高いと判定する。つまり遷移前継続時間FSDが短いときには、被監視者の動きが早く移動にも勢いがある可能性があり、そのときには転落や転倒に対しては危険度が高いと考えるためである。本実施形態においては上体起立状態またはベッド背上げ状態(PS3、PS4)、端座位状態(PS5)、及び離床状態(PS7)の3状態において、該3状態を通過するときの滞在時間、即ち遷移前継続時間FSDが短いときに危険であるとした。例えば上体起立状態またはベッド背上げ状態(PS3、PS4)の前の状態である覚醒状態(PS2)から、上体起立状態またはベッド背上げ状態(PS3又はPS4)に遷移し、該状態に少しの時間滞在後、すぐに現在状態である端座位(PS5)の姿勢に遷移する場合は危険であるとした。なお、許容最小所定時間Tsは適宜変更可能である。また現在状態継続時間PSDについては第1の実施形態と同様に計測され同様の処理がされる。
選定手段73は、事故リスク演算手段72によって算出されたリスク度合に基づいて通報内容及び通報先を選定するものである。選定手段73によって選定される通報内容及び通報先は図4に示すCS表に基づく。CS表は予め設定され主制御装置70に記憶されている。
ここで例えば事故リスク演算手段72によって、端座位状態(PS5)の遷移前継続時間FSDが許容最小所定時間Tsよりも短いと判定されたときの選定手段73による選定方法について説明する。
このとき端座位状態(PS5)の次に遷移した状態は、床に起立した状態(PS6)であるとする。この状態遷移は状態識別手段61によって識別されている。なお、図3に示すように端座位状態(PS5)から遷移できる状態は上体起立状態またはベッド背上げ状態(PS3、PS4)と、床に起立した状態(PS6)との2状態が存在する。しかし本実施形態においては、リスク度合の低い方向に状態が遷移するときには通報を行なわない。よって端座位状態(PS5)の次に遷移した状態は、床に起立した状態(PS6)であるとする。
そして、選定手段73はCS表に従い通報先の順位を示す数字2に1をプラスし、通報内容に“急いで下さい”を追加する。つまり遷移前状態が端座位状態であり、現在状態が床に起立状態、である状態遷移に対して対応する通報先(=PHS)の順位に1をプラスして3とし、通報先をナースステーションに変更する。また本来の通報内容である、“床に起立したので見に行って下さい”に対し“急いで下さい”を追加するものである。これにより、転落や転倒事故の発生に対して確実に対応できる。
次に監視支援装置6の作用について、図7、図8、図9に示すフローチャート、およびフローチャートのサブプログラムA、Bに基づいて説明する。
なお、第1の実施形態と、同様のフローチャート、およびフローチャートのサブプログラムA、Bを使用する。作用についてはサブプログラムAの事故リスク演算手段72であるステップ26と、選定手段73であるステップ29とが異なる。またサブプログラムBの事故リスク演算手段72であるステップ39と、選定手段73であるステップ42とが異なる。よって同様部分の説明は省略し異なる部分についてのみ説明する。
まずサブプログラムAを通過する状態の場合について説明する。監視支援装置6が起動されると、図7のフローチャートがスタート(ステップS10)する。そしてその後、第1の実施形態の監視支援装置5と同様に図7のフローチャートを通過しサブプログラムAのステップS25まで順次処理される。
次にサブプログラムAのステップS26において遷移前状態継続時間FSDと、遷移前状態継続時間FSDの許容最小所定時間Tsとが比較され、遷移前状態継続時間FSDが許容最小所定時間Ts以上のときにはYに進み、ステップS27で第1の実施形態と同様に通報先及び通報内容が選定される。また、遷移前状態継続時間FSDが許容最小所定時間Tsより小さいときにはNに進み、ステップS29において通報先及び通報内容が選定される。選定手段73であるステップS29では、前述した通りCS表に従い通報先の順位を示す数字に1をプラスして通報先を変更し、通報内容に“急いで下さい”を追加する。
そしてステップS28にて、ステップS29で選定された通報内容が選定された通報先に、送信手段64によって送信される。そしてプログラムAは終了され、以降は第1の実施形態と同様の処理がされる。
次に、フローチャートから図9のサブプログラムBに進んだ場合について説明する。第1の実施形態と同様の処理がサブプログラムBのステップS38まで処理され、ステップS38で現在状態継続時間PSDが許容最大所定時間TLよりも小さい場合はNによってステップS39に進む。ステップS39はサブプログラムAのステップS26と同様である。よってステップS26と同様に遷移前状態継続時間FSDと、遷移前状態継続時間FSDの許容最小所定時間Tsとが比較され、遷移前状態継続時間FSDが許容最小所定時間Ts以上のときにはYに進み、ステップS40で第1の実施形態と同様に通報先及び通報内容が選定される。また、遷移前状態継続時間FSDが許容最小所定時間Tsより小さいときにはNに進み、ステップS42によって通報先及び通報内容が選定される。選定手段73であるステップS42では、CS表に従い通報先の順位を示す数字に1をプラスして通報先を変更し、通報内容に“急いで下さい”を追加する。
そしてステップS41にて、ステップS42で選定された通報内容が、選定された通報先に、送信手段64によって送信される。そしてプログラムBは終了され、以降は第1の実施形態と同様の処理がされる。
上述の説明から明らかなように、第2の実施形態においては、事故リスク演算手段72によって、各状態間の遷移の仕方の違いに基づき事故リスク度合が算出される。そして算出された各事故リスク度合に応じて通報内容及び通報先を決定している。これにより、各状態間の遷移の仕方によって異なる事故リスクに対し、より適切に対応できると共に、さらに多忙な看護師を被監視者のもとに不必要に呼び出したりすることが減少する。
また、第2の実施形態においては、被監視者の状態の遷移の方向によって事故リスク度合を増減する。これにより、被監視者の実際の動きを加味して事故リスク度合を判定することができ、効果的に転落や転倒の危険を検出できる。
また、第2の実施形態においては、各状態間の遷移において各状態に留まる時間の長さに基づき事故リスク度合が演算される。これにより、転落や転倒に繋がりやすい被監視者の勢いの強い動きが検出でき、効果的に危険を検出できる。
さらに、第2の実施形態においては、事故リスク演算手段72によって、事故リスク度合が増加されて演算されたときには、所定の通報先に所定の内容で通報がされる。このように事故リスク度合が増加される度に通報がされるので、危険を見落とす虞がない。
また事故リスク度合が減少して演算されたときには通報しない。このように、事故リスク度合が減少したときには多忙な看護師を不必要に呼び出すことなく効率的である。
なお、上記以外の効果については第1の実施形態と同様である。また第1の実施形態と、第2の実施形態を組み合わせて実施してもよい。
1、2・・・監視支援システム、5、6・・・監視支援装置、10・・・ベッド本体、11・・・マットレス、12・・・ヘッド部、14・・・フット部、15・・・フレーム、16・・・生体センサ、17・・・傾斜センサ、18・・・マットセンサ、19・・・床マットセンサ、20・・・ボトム部、21・・・離床センサ、30・・・ナースコールシステム、40・・・監視装置、50・・・従制御装置、50a・・・制御パソコン、50b・・・DAQユニット、50c・・・UPS、60、70・・・主制御装置、61・・・状態識別手段、63・・・選定手段、64・・・送信手段、72・・・事故リスク演算手段、73・・・選定手段。

Claims (12)

  1. 被監視者の複数の状態を検出するセンサと、
    前記センサからの検出信号に基づいて前記被監視者の一の状態での継続、及び前記被監視者の他の状態から一の状態への状態遷移の少なくとも一方を識別する状態識別手段と、
    前記被監視者の前記状態遷移に基づいて前記被監視者の事故の発生度合を示すリスク度合を算出する事故リスク演算手段と、
    前記被監視者の前記一の状態の継続又は前記状態遷移又は前記リスク度合に基づいて通報内容及び通報先を選定する選定手段と、
    前記選定手段によって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信する送信手段と、
    を備えたことを特徴とする監視支援装置。
  2. 被監視者の複数の状態を検出するセンサと、
    前記センサからの検出信号に基づいて前記被監視者の一の状態での継続、及び前記被監視者の他の状態から一の状態への状態遷移の少なくとも一方を識別する状態識別手段と、
    前記被監視者の前記状態遷移に基づいて前記被監視者の事故の発生度合を示すリスク度合を算出する事故リスク演算手段と、
    前記被監視者の前記一の状態の継続又は前記リスク度合に基づいて通報内容及び通報先を選定する選定手段と、
    前記選定手段によって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信する送信手段と、
    を備えたことを特徴とする監視支援装置。
  3. 請求項1又は2において、前記事故リスク演算手段は、前記被監視者が他の状態から一の状態に遷移する遷移方向に依存して前記リスク度合を増減することを特徴とする監視支援装置。
  4. 請求項3において、前記事故リスク演算手段は、前記状態識別手段が識別した前記被監視者が他の状態に遷移した時点から一の状態に遷移した時点までの時間の長さに依存して前記リスク度合を変化させることを特徴とする監視支援装置。
  5. 請求項3又は4において、前記選定手段は、前記事故リスク演算手段が前記リスク度合を増加したとき、前記選定手段によって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信することを特徴とする監視支援装置。
  6. 請求項5において、前記選定手段は、前記事故リスク演算手段が前記リスク度合を減少したとき、前記選定手段によって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信しないことを特徴とする監視支援装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項において、前記通報内容及び前記通報先は、前記被監視者に応じて変更可能であることを特徴とする監視支援装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の監視支援装置と、前記被監視者を監視可能な監視装置とを設け、前記被監視者の状態、状態遷移又は前記リスク度合に基づいて前記監視装置に前記被監視者の監視を開始させることを特徴とする監視支援システム。
  9. 請求項8において、前記監視装置に前記被監視者の監視を開始させるのは、前記被監視者の状態遷移が睡眠状態から覚醒状態への遷移であることを特徴とする監視支援システム。
  10. 請求項8又は9において、前記監視装置は、前記被監視者の前記状態の情報を獲得する機能を有する監視装置であり、
    前記監視支援装置は前記監視装置から獲得した情報によって前記事故リスク度合の修正を行うための事故リスク再演算機能を有していることを特徴とする監視支援システム。
  11. 請求項8又は9において、前記監視装置は、自律移動可能であり、且つ前記被監視者とのコミュニケーション機能を有し、
    画像と音声情報を獲得し、その情報を、他の端末に転送する監視装置であることを特徴とする監視支援システム。
  12. 状態識別手段を用いて、被監視者の一の状態での継続、及び前記被監視者の他の状態から一の状態への状態遷移の少なくとも一方を識別する状態識別ステップと、
    事故リスク演算手段を用いて、前記被監視者の前記状態遷移に基づいて前記被監視者の事故の発生度合を示すリスク度合を算出する事故リスク演算ステップと、
    選定手段を用いて、前記被監視者の前記一の状態の継続又は前記状態遷移又は前記リスク度合に基づき通報内容及び通報先を選定する選定ステップと、
    送信手段を用いて前記選定ステップによって選定された前記通報内容を前記選定された通報先に送信する送信ステップと、からなることを特徴とする監視支援方法。
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