JP5202258B2 - 金属研磨用組成物、及び化学的機械的研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイスの製造工程において、化学的機械的な平坦化を行う際に用いられる金属用研磨組成物、及びこれを用いた研磨方法に関する。
半導体集積回路(以下「LSI」と称する場合がある。)で代表される半導体デバイスの開発においては、半導体デバイスを高集積化・高速化するために、配線の微細化や積層化の方法が検討されている。このための技術として、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下「CMP」と称する場合がある。)等の種々の技術が採用されている。CMPは、層間絶縁性膜(SiOなど)や配線に用いる金属薄膜を研磨して、基板を平滑化し、或いは配線形成時の余分な金属薄膜を除去するために用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
CMPの一般的な方法は、次の通りである。
円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸す。研磨パッドに基盤(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基盤の双方を回転させる。
CMPでは、上記操作によって発生する機械的摩擦により、基盤の表面を平坦化する。
配線用の金属としては、従来からタングステン及びアルミニウムがインターコネクト構造体に汎用されてきた。しかし更なる高性能化を目指し、これらの金属より配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。この銅を配線する方法としては、ダマシン法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。また、コンタクトホールと配線用溝とを同時に層間絶縁膜に形成し、両者に金属を埋め込むデュアルダマシン法が広く用いられるようになってきた。この銅配線用のターゲット材には、ファイブナイン以上の高純度銅ターゲットが出荷されている。
しかしながら、近年はLSIの更なる高密度化の要求に伴い、配線を微細化するのに、銅配線の導電性や電子特性などの向上が求められている。これに対して、高純度銅に第3成分を添加した銅合金を用いることも検討されはじめている。
また、これらの高精細で高純度の材料を汚染させることなく生産性を高めることのできる高速金属研磨手段が求められている。特に、銅は軟質の金属であるため、銅や銅合金を研磨する場合には、中央のみがより深く研磨されて皿状のくぼみを生ずる現象(ディッシング)や、複数の配線金属面表面が皿状の凹部を形成する現象(エロージョン)や、研磨傷(スクラッチ)が発生し易く、益々高精度な研磨技術が要求されている。
また、近年、生産性向上のためウェハが大型化しており、現在は直径200mm以上のウェハが汎用され、300mm以上のウェハの製造も開始され始めている。このようなウェハの大型化に伴い、ウェハの中心部と周辺部とでの研磨速度の差が大きくなりやすく、ウェハの面内で均一に研磨できることが強く要求され始めている。
一方で、銅及び銅合金に対して、機械的研磨手段を適用しない化学研磨方法として、溶解作用のみによる化学研磨方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、化学研磨方法では化学的溶解作用のみによって研磨するので、凸部の金属膜が選択的に化学的機械的に研磨されるCMPに比べ、凹部の削れ込み、即ちディッシングなどの問題が発生しやすく、平坦性が課題となっている。
また、LSI製造における銅配線の適用時には、銅イオンが絶縁材料へ拡散することを防止する目的で、配線部と絶縁層の間にバリア層と呼ばれる拡散防止層が一般に設けられる。バリア層は、TaN、TaSiN、Ta、TiN、Ti、Nb、W、WN、Co、Zr、ZrN、Ru、CuTa合金、MnSi及びMnOなどのバリア材料で形成され、1層又は2層以上設けられる。これらのバリア材料は、それ自体が導電性の性質を有しているため、リーク電流などのエラー発生を防ぐためには、絶縁層上のバリア材料は完全に除去されなければならない。この除去加工は、金属配線材のバルクを研磨する場合と同様の方法を適用することができる。所謂、バリアCMPと呼ばれるものである。
また、銅のバルク研磨では、特に幅広な金属配線部にディッシングが発生しやすいため、最終的に平坦化されるためには、配線部とバリア部とで研磨除去する量が調節できることが望ましい。このためバリア研磨用の研磨液には、銅/バリアメタルの最適な研磨選択性を有することが望まれている。また、各レベルの配線層で配線ピッチや配線密度が異なるため、上記研磨選択性を適宜調整できることが更には望ましい。
CMPに用いる金属研磨用組成物は、一般には、固体砥粒(例えば、アルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸塩)とが含まれる。かかる金属研磨用組成物を用いたCMPの基本的なメカニズムは、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨しているものと考えられている(例えば、非特許文献1参照。)。
ペルオキソ二硫酸塩を含む金属研磨用組成物は、高い研磨速度が得られるという特徴を有するが、ディッシングやエロージョンが進行しやすいという問題がある。ディッシングを解決するひとつの手段として、金属膜の研磨を抑制する防食剤として、金属研磨用組成物にベンゾトリアゾール類が適用されている(例えば、特許文献4参照。)。この方法によれば、半導体基体の金属膜に保護膜が作られ、凸部は砥粒によって除去されながらも凹部に金属膜が残されて所望の導体パターンが得られる。凹部の保護膜によってディッシングの発生は抑制され、高い平坦性が得られる。しかしながら、CMPにおいて、高い平坦性が得られる防食剤を用いた金属研磨用組成物によっても、バリア膜の腐食によるエロージョンの発生を抑えられず、デバイスの製造に必要な平坦性に関して更なる改善が求められていた。
米国特許4944836号明細書 特開平2−278822号公報 特開昭49−122432号公報 特開2005−116987号 ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of ElectrochemicalSociety)、1991年、第138巻、第11号、3460〜3464頁 ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society)、2000年、第147巻、第10号、3907〜3913頁
本発明は、LSIに代表される半導体デバイスの生産性を高めるために、例えば、銅金属及び銅合金等を原料とする配線のより迅速な研磨を実現する金属研磨用組成物(CMPスラリー)が求められているという背景に基づいて行なわれたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、半導体デバイスの製造工程における化学的機械的研磨に用いた際に、研磨速度が迅速であり、研磨における配線メタル/バリアメタル選択性を向上でき、且つ、被研磨面におけるエロージョンの発生を抑制しうる金属研磨用組成物、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、下記の金属研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法により、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 半導体デバイスの製造工程における化学的機械的研磨に用いられ、下記(1)から(3)の各成分を少なくとも含有することを特徴とする金属研磨用組成物。
(1)酸化剤
(2)砥粒
(3)下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物
Figure 0005202258
一般式(I)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Phはフェニル環を表す。一般式(II)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Phはフェニル環を表す。
<2> 更に、有機酸を含むことを特徴とする<1>に記載の金属研磨用組成物。
<3> 前記酸化剤が、ペルオキソ二硫酸塩であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の金属研磨用組成物。
<4> 更に、界面活性剤を含むことを特徴とする<1>から<3>のいずれか1項に記載の金属研磨用組成物。
<5> 前記界面活性剤が、下記一般式(III)で表される界面活性剤、下記一般式(IV)で表される界面活性剤、及び下記一般式(V)で表される界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤であることを特徴とする<4>に記載の金属研磨用組成物。
−Ar−O−Ar−SO 一般式(III)
一般式(III)中、Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Ar及びArは各々独立にアリーレン基を表し、M は、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムを表す。
−Ar−SO 一般式(IV)
一般式(IV)中、Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Arは、アリーレン基を表し、M は、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムを表す。
−O−(CHCHO)-R−COO 一般式(V)
一般式(V)中、Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、nは1〜20の整数を表し、Rは、炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。M は、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムを表す。
<6> 前記砥粒が、1次粒径20nm以上150nm以下のコロイダルシリカであることを特徴とする<1>から<5>のいずれか1項に記載の金属研磨用組成物。
<7> <1>から<6>のいずれか1項に記載の金属研磨用組成物を、研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
本発明によれば、半導体デバイスの製造工程における化学的機械的研磨に用いた際に、研磨速度が迅速であり、研磨における配線メタル/バリアメタル選択性を向上でき、且つ、被研磨面におけるエロージョンの発生を抑制しうる金属研磨用組成物、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
[金属研磨用組成物]
本発明の金属研磨用組成物は、下記(1)から(3)の各成分を少なくとも含有することを特徴とする。
(1)酸化剤
(2)砥粒
(3)下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物
Figure 0005202258
一般式(I)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Phはフェニル環を表す。一般式(II)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Phはフェニル環を表す。
本発明の金属研磨用組成物は、上記(1)から(3)の各成分の他、必要に応じて、有機酸、界面活性剤その他の成分を含有してもよい。
本発明の金属研磨用組成物は、通常は、各成分を溶解してなる水溶液に、砥粒を分散させてなるスラリーの形態をとる。
本発明の金属研磨用組成物が含有する各成分について以下に詳述するが、それぞれの成分は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明の金属研磨用組成物は、半導体デバイス製造において、被研磨体の化学的機械的研磨に用いる研磨用組成物として有用である。なお、本発明において「金属研磨用組成物」(以下、「研磨用組成物」ともいう。)とは、研磨に使用する組成(濃度)の金属研磨用組成物のみならず、使用時に必要により希釈して用いる研磨濃縮液も本発明では特に断りのない限り、金属研磨用組成物と称する。濃縮液は研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるもので、希釈倍率は一般的には1〜20体積倍である。
(一般式(I)で表される化合物、及び、一般式(II)で表される化合物)
本発明の金属研磨用組成物は、下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とし、該化合物は本発明の金属研磨用組成物において、不動膜形成剤として機能しうる。以下では、一般式(I)で表される化合物、及び、一般式(II)で表される化合物を、適宜「特定の不動膜形成剤」と総称して説明する。
Figure 0005202258
一般式(I)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Phはフェニル環を表す。
一般式(II)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Phはフェニル環を表す。
一般式(I)中、Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。該アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、又はプロピル基が挙げられ、メチル基、又はエチル基がより好ましい。また、Rとしては、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
一般式(II)中、Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。該アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、又はプロピル基が挙げられ、メチル基、又はエチル基がより好ましい。また、Rとしては、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、Rで表される置換基及び2位に有するカルボキシル基以外の置換基が、インドール骨格に更に導入されていてもよい。また、一般式(II)で表される化合物は、R及び3位に有するカルボキシル基以外の置換基が、インダゾール骨格に更に導入されていてもよい。
一般式(I)におけるインドール骨格、又は、一般式(II)におけるインダゾール骨格に更に導入しうる置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基、又はアミノ基が好ましく、より好ましくは、アルキル基、カルボキシル基、又はヒドロキシル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
一般式(I)におけるインドール骨格に更に置換基が導入される場合には、該置換基の置換位置としては、3位、5位、又は6位であることが好ましい。
一般式(II)におけるインダゾール骨格に更に置換基が導入される場合、該置換基の置換位置としては、5位、又は6位であることが好ましい。
また、一般式(I)におけるインドール骨格におけるPh(フェニル環)、又は、一般式(II)におけるインダゾール骨格におけるPh(フェニル環)が、2以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は互いに結合して環構造を形成してもよい。
一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物としては、その分子構造中に、カルボキシル基以外の置換基を有していないものがより好ましい。
また、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物の中でも、高い研磨速度を維持する観点からは、一般式(I)で表される化合物がより好ましい。
以下に、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物(特定の不動膜形成剤)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 0005202258
本発明の研磨用組成物における特定の不動膜形成剤の含有量は、総量として、研磨に使用する際の金属研磨用組成物1L中、1×10−8mol〜1×10−1molの範囲が好ましく、より好ましくは1×10−7mol〜1×10−1molの範囲、更に好ましくは1×10−6mol〜1×10−1molの範囲である。
(酸化剤)
本発明の研磨用組成物は、その研磨対象である金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有する。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、ペルオキソ二硫酸塩、および銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。
酸化剤の中でも、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸塩、鉄(III)のエチレンジアミン−
N,N,N’,N’−四酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸及びエチレンジアミンジコハク酸(SS体)の錯体が好ましく、ペルオキソ二硫酸塩が最も好ましい。
ペルオキソ二硫酸塩の中でも、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムが好ましく、ペルオキソ二硫酸アンモニウムが最も好ましい。
酸化剤の含有量は、研磨に使用する際の研磨用組成物1L当たり、0.003mol〜8molであることが好ましく、0.03mol〜6molあることがより好ましく、0.05mol〜2molであることが更に好ましい。即ち、研磨用組成物における酸化剤の含有量は、金属の酸化が充分であり高いCMP速度を確保する点で、0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
(砥粒)
本発明の研磨用組成物は、砥粒を含有する。好ましい砥粒としては、例えば、酸化ケイ素粒子(シリカ:沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ)、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガンなどが挙げられる。これらの中も、酸化ケイ素粒子が好ましく、特にコロイダルシリカ(特に、20nm以上50nm未満のコロイダルシリカ)が好ましい。
また、コロイダルシリカとしては、会合度が2以下であることが好ましい。ここで、会合度とは、一次粒子が凝集してなる二次粒子の径を一次粒子の径で除した値(二次粒子の径/一次粒子の径)を意味する。会合度が1とは、単分散した一次粒子のみのものを意味する。なお、二次粒子径は電子顕微鏡等で測定することができる。
砥粒として好ましく用いうるコロイダルシリカの作製法として、例えばSi(OC、Si(sec−OC、Si(OCH、Si(OCのようなシリコンアルコキシド化合物をゾルゲル法により加水分解する作成法が挙げられる。このようにして得られたコロイダルシリカは粒度分布が非常に急峻なものとなる。
砥粒の一次粒子径とは、砥粒の粒子径とその粒子径を持つ粒子数を積算した累積度数との関係を示す粒度累積曲線を求め、この曲線の累積度数が50%のポイントでの粒子径を意味するものである。例えば、粒度分布を求める測定装置しては堀場製作所製LB−500等が用いられる。
砥粒の粒子が球形の場合はそのまま測定した値を採用しうるが、不定形粒子の粒子サイズは、該粒子体積と等しくなる球の直径で表すものとする。粒子サイズは光子相関法、レーザー回折法、コールターカウンター法等の公知の様々な方法で測定することが可能であるが、本発明においては、走査顕微鏡による観察、又は、透過電子顕微鏡写真を撮影して、個々の粒子の形状とサイズを求め、算出する方法を用いる。
本発明の研磨用組成物に含有される砥粒の平均粒径(一次粒径)は20nm以上150nm未満の範囲であることが好ましく、より好ましくは20nm以上50nm以下である。充分な研磨加工速度を達成する目的から20nm以上の粒子が好ましい。また、研磨加工中に過剰な摩擦熱を発生させない目的で粒子径は50nm以下が好ましい。
また、本発明の研磨用組成物の効果を損なわない範囲において、前記した如き一般的な無機砥粒のみならず、有機重合体粒子を併用することも可能である。さらに、アルミン酸イオン又はホウ酸イオンを用いて表面改質したコロイダルシリカ、表面電位を制御したコロイダルシリカなど、各種表面処理を行ったコロイダルシリカや、複数の材料からなる複合砥粒などを目的に応じて用いることも可能である。
本発明の研磨用組成物における砥粒の添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般には、金属研磨用組成物の全質量に対して0.001〜20質量%の範囲で用いることができる。本発明においては、前記(1)成分及び(2)成分添加の効果により、砥粒の添加量が1.0質量%未満でも優れた研磨特性を発揮しうるため、砥粒に起因するスクラッチなどを抑制するという観点からは、砥粒の添加量は1.0質量%未満であることが好ましく、0.01〜0.5質量%の範囲であることがより好ましい。
(他の成分)
本発明の研磨用組成物は、上記した成分の他、必要に応じて下記の成分を含有してもよい。以下、本発明の研磨用組成物に適用しうる任意成分について説明する。
<有機酸>
本発明に係る金属研磨用組成物は、更に少なくとも1種の有機酸を含有することが好ましい。ここでいう有機酸は、金属の酸化剤ではなく、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用を有する。有機酸の例としては、例えば下記に示す化合物が挙げられる。
有機酸としては、水溶性のものが望ましく、そのような有機酸としては、以下の群から選ばれたものがより適している。即ち、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、アセドアミドイミノ二酢酸、ニトリロ三プロパン酸、ニトリロ三メチルホスホン酸、ジヒドロキシエチルグリシン、トリシン、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩又はそれらの混合物等が挙げられる。
また、アミノ酸も本発明における有機酸として好ましく用いられる。アミノ酸としては、水溶性のものが好ましく、以下の群から選ばれたものがより適している。即ち、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等が挙げられる。
本発明においては、上記の有機酸の中でも、特に以下のアミノカルボン酸を用いることが好ましい。即ち、グリシン、イミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−メチルグリシン、ニトリロ三プロパン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、β−アラニン、グリシルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、アセドアミドイミノ二酢酸、トリシン等である。
有機酸の添加量は、研磨に使用する際の金属研磨用組成物の1L中、0.005mol〜0.5molとすることが好ましく、0.01〜0.3molとすることがより好ましく、0.05mol〜0.3molとすることが特に好ましい。即ち、有機酸の添加量は、研磨速度向上の点で0.01mol以上が好ましく、ディッシングを悪化させない点で0.3mol以下が好ましい。
本発明の金属研磨用組成物において、有機酸は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、これらの有機酸は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
<界面活性剤>
本発明の金属研磨用組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、酸型が望ましく、塩構造をとる場合には、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられ、特にアンモニウム塩およびカリウム塩が好ましい。
界面活性剤は、いずれも被研磨面への接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。本発明の金属研磨用組成物に用いられる界面活性剤としては、以下に詳述するものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、(アルキル)ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、(アルキル)ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルモノスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤であることがより好ましい。本発明の研磨用組成物が含有しうる界面活性剤としては、下記一般式(III)〜(V)で表される界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤であることが最も好ましい。
<一般式(III)で表される界面活性剤>
−Ar−O−Ar−SO 一般式(III)
一般式(III)において、Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Ar及びAr−は各々独立にアリーレン基を表し、M は、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムを表す。
で表されるアルキル基としては、炭素数10〜20であるものが好ましく、炭素数12〜20であるものがより好ましい。なお、Rで表されるアルキル基は、直鎖、及び分岐のいずれであってもよいが、直鎖であるものが好ましい。Rで表されるアルキル基として、具体的には、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基が挙げられ、中でも、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、又はエイコシル基が好ましい。
一般式(III)において、Ar及びArは、各々独立に、アリーレン基を表す。Ar又はArで表されるアリーレン基としては、フェニルレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基等が挙げられるが、中でも、フェニレン基が好ましい。
なお、一般式(III)中に存在するAr及びArは、同じであっても異なっていてもよく、同じものであることが好ましい。
で表されるアルキル基、Ar及びArで表されるアリーレン基は、更に置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキル若しくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えば、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。これらの置換基の中でもアルキル基又はスルホ基が好ましい。
一般式(III)において、M で表されるアルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましく、ナトリウムイオンがより好ましい。
また、M で表されるアンモニウム(NH )には、アンモニウムの水素原子をアルキル基で置換したものも含まれる。例えば、アルキル基で置換したアンモニウムとしては、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム等が挙げられる。
としてより好ましくは、水素イオン、又はアンモニウムであり、特に、水素イオンが好ましい。
一般式(III)で表される界面活性剤として、具体的には、ドデシルジフェニルエーテ
ルジスルホン酸、テトラデシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ヘキサデシルジフェニルエーテルジスルホン酸、オクタデシルジフェニルエーテルジスルホン酸、エイコシルジフェニルエーテルジスルホン酸等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸及びその塩、ドデシルジフェニルエーテルモノスルホン酸、テトラデシルジフェニルエーテルモノスルホン酸、ヘキサデシルジフェニルエーテルモノスルホン酸、オクタデシルモノフェニルエーテルジスルホン酸、エイコシルモノフェニルエーテルジスルホン酸等のアルキルジフェニルエーテルモノスルホン酸及びその塩、ドデシルジナフチルエーテルジスルホン酸、ドデシルジアントリルエーテルジスルホン酸、ドデシルジナフチルエーテルモノスルホン酸、ドデシルジアントリルエーテルモノスルホン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
一般式(III)で表される界面活性剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、ペレックスSS−H、ペレックスSS−L(以上、花王(株)製)、パイオニンA−43S、パイオニンA−200、パイオニンA−43−D、パイオニンA−43−N(竹本油脂(株)製)等が挙げられる。
中でも、一般式(III)で表される界面活性剤としては、ディッシングを低減する点から、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸とアルキルジフェニルエーテルモノスルホン酸との混合物、又は、これらの塩の混合物であることが好ましい。なお、一般式(III)で表される界面活性剤が、上記のような混合物である場合、アルキルジフェニルエーテルモノスルホン酸が混合物中に10モル%以上含まれることが好ましく、より好ましくは30モル%以上含まれ、更に好ましくは50モル%以上含まれる。
<一般式(IV)で表される界面活性剤>
−Ar−SO 一般式(IV)
一般式(IV)中、Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Arは、アリーレン基を表し、M は、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムを表す。
一般式(IV)においてRで表されるアルキル基は、炭素数10〜20であるものが好ましく、炭素数12〜20であるものがより好ましい。なお、Rで表されるアルキル基は、直鎖、及び分岐のいずれであってもよいが、直鎖であるものが好ましい。Rで表されるアルキル基として、具体的には、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基が挙げられ、中でも、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、又はエイコシル基が好ましい。
一般式(IV)においてArで表されるアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられるが、中でも、フェニレン基が好ましい。
一般式(IV)においてRで表されるアルキル基、及びArで表されるアリーレン基は、更に置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、一般式(III)におけるR、Ar及びArに更に導入可能な置換基として挙げた各置換基が挙げられる。
一般式(IV)においてM で表されるアルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましく、ナトリウムイオンがより好ましい。
また、M で表されるアンモニウム(NH )には、アンモニウムの水素原子をアルキル基で置換したものも含まれる。例えば、アルキル基で置換したアンモニウムとしては、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム等が挙げられる。
としてより好ましくは、水素イオン、又はアンモニウムであり、特に、水素イオンが好ましい。
一般式(IV)で表される界面活性剤として、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、ドデシルベンゼンスルホン酸又はその塩、オクチルベンゼンスルホン酸又はその塩、デカンベンゼンスルホン酸又はその塩、テトラデシルベンゼンスルホン酸又はその塩、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸又はその塩、等が挙げられる。
中でも、一般式(IV)で表される界面活性剤としては、ディッシングを低減する点から、ドデシルベンゼンスルホン酸又はその塩であることが好ましい。特に好ましくは、生分解性の容易さから、直鎖のドデシルベンゼンスルホン酸又はその塩である。
一般式(IV)で表される界面活性剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、パイオニンA−40−S、パイオニンA−40、パイオニンA−41−BN(竹本油脂(株)製)、ソフト王洗5S、王洗S、ニューレックスR、ニューレックスソフト30−N、ニューレックスソフト60−N(日油(株)製)、ニューコール210mニューコール211−MB、ニュ−コール220L(65)、ニューコール263(日本乳化剤(株)製)、ネオペレックスGS、ネオペレックスG−15、ネオペレックスG−25、ネオペレックスG−65(花王(株)製)等が挙げられる。
<一般式(V)表される界面活性剤>
−O−(CHCHO)-R−COO 一般式(V)
一般式(V)中、Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、nは1〜20の整数を表し、Rは、炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。M は、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムを表す。
一般式(V)におけるRで表される炭素数8〜20のアルキル基としては、炭素数10〜18であるものがより好ましい。なお、Rで表されるアルキル基は、直鎖、及び分岐のいずれであってもよいが、直鎖であるものが好ましい。Rで表されるアルキル基として、具体的には、例えば、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基が挙げられる。
一般式(V)においてRで表されるアルキレン基としては、炭素数1〜5であるものが好ましく、炭素数1〜3であるものがより好ましい。なお、Rで表されるアルキレン基は、直鎖、及び分岐のいずれであってもよいが、直鎖であるものが好ましい。
一般式(V)においてRで表されるアルキル基、及びRで表されるアルキレン基は、更に置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、一般式(III)におけるR、Ar及びArに更に導入可能な置換基として挙げた各置換基が挙げられる。
一般式(V)において、M で表されるイオンとしては、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はアンモニウムイオンが好ましく、カリウムイオン、又はアンモニウムイオンがより好ましい。
一般式(V)においてnで表される繰り返し数は、1〜20であり、1〜10であることがより好ましい。
一般式(V)で表される界面活性剤として、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルプロピオン酸、およびそれらの塩が好ましい。より好ましくは、アルキル基がヘプチル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等であるポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルプロピオン酸、およびそれらの塩が挙げられる。さらに好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルプロピオン酸、およびそれらの塩である。
一般式(V)で表される界面活性剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、Emulsogen CLA 050、Emulsogen CLA 070、Emulsogen CLA 110、Emulsogen CNO 080、Emulsogen COA 070、Emulsogen COL 020、Emulsogen COL 080、Emulsogen COL 100、Sandopan DTC acid liquid、Sandopan LS 24 N、Sandopan MA−18(以上、Clariant社製); NICCOL AKYPO RLM 45、NICCOL AKYPO RLM 45NV、NICCOL AKYPO RLM 100、NICCOL AKYPO RLM 100NV、NICCOL ECT−3、NICCOL ECT−3NEX、NICCOL ECT−7、NICCOL ECTD−3NEX、NICCOL ECTD−6NEX(以上、日光ケミカルズ(株)製);ネオハイテノール ECL−30S、ネオハイテノールECL−45(以上、第一工業製薬(株)製);ビューライトLCA−H、ビューライトLCA−30D、ビューライトECA(以上、三洋化成工業社製);カオーアキポRLM−45、カオーアキポRLM−45NV、カオーアキポRLM−100、カオーアキポRLM−100NV(以上、花王(株)製);エナジコールEC−30(ライオン(株)製)等が挙げられる。
一般式(III)、(IV)、及び(V)で表される界面活性剤の合成方法は、特に限定されず、公知の方法により合成することができる。また、これらの界面活性剤としては、前記の市販品を好ましく用いることができる。
本発明の研磨用組成物が、一般式(III)、(IV)、及び/又は(V)で表される界面活性剤を含有する場合、更に、その他の界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを併用してもよい。
本発明の研磨用組成物が含有しうる一般式(III)(IV)、及び/又は(V)で表される界面活性剤と併用可能な他の界面活性剤及び親水性ポリマーについて説明する。
一般式(III)(IV)、及び/又は(V)で表される界面活性剤は、以下のような各種の他の界面活性剤や親水性ポリマーを併用することができる。
他の陰イオン界面活性剤としては、前述の陰イオン界面活性剤のうち、一般式(III)(IV)、及び/又は(V)で表される界面活性剤以外のものを挙げることができ、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤も用いることもできる。
また、親水性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール等のポリグリコール類、ポリビニルアルコール、ポロビニルピロリドン、アルギン酸等の多糖類、ポリメタクリル酸等のカルボン酸含有ポリマー等が挙げられる。
なお、本発明の研磨組成物の適用対象である被研磨体が、半導体集積回路用シリコン基板などの場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、上記の親水性ポリマーは、酸の場合は酸のまま用いるか、もしくは、そのアンモニウム塩の状態で用いることが望ましい。親水性ポリマーとしては、上記の中でも、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
本発明の研磨用組成物に添加しうる界面活性剤や親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、2000〜50000が特に好ましい。
本発明の研磨用組成物に含有しうる界面活性剤の総添加量は、使用する際の金属研磨用組成物中、0.0001〜1.0質量%であることが好ましく、0.005〜0.5質量
%であることがより好ましく、0.01〜0.2質量%であることが更に好ましい。
界面活性剤として、一般式(III)、(IV)及び/又は(V)で表される界面活性剤を用いる場合には、これらの界面活性剤の添加量は、それぞれ、使用する際の金属研磨用組成物中、0.0001質量%〜0.5質量%であることが好ましく、0.005質量%〜0.2質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜0.2質量%であることが更に好ましい。
一般式(III)(IV)及び/又は(V)で表される界面活性剤と、他の界面活性剤及び/又は親水性ポリマーとを併用する場合、他の界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、使用する際の金属研磨用組成物中、0.0001質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.0005質量%〜1.0質量%であることがより好ましく、0.001質量%〜1.0質量%であることが更に好ましい。
〔金属研磨用組成物のpH〕
本発明の研磨用組成物においては、研磨面への反応性や吸着性、研磨金属の溶解性、被研磨面の電気化学的性質、化合物官能基の解離状態、液としての安定性などにより、適宜、前記した成分の種類、添加量、或いは、pHを設定することが好ましい。
本発明の研磨用組成物におけるpHは、平坦化性能の点から、3〜12であることが好ましく、より好ましくは8.0〜12.0の範囲である。pHは、緩衝剤、アルカリ剤などを適宜選択して添加することで容易に調整することができる。
[化学的機械的研磨方法]
本発明の化学的機械的研磨方法(以下、単に「研磨方法」と称する場合がある。)は、本発明の金属研磨用組成物を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする。以下、この化学的機械的研磨方法について詳細に説明する。
(研磨装置)
まず、本発明の研磨方法を実施できる装置について説明する。
本発明に適用可能な研磨装置としては、被研磨面を有する被研磨体(半導体基板等)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を備える一般的な研磨装置が使用できる。そのような装置としては、例えば、FREX300(荏原製作所)を用いることができる。
(研磨圧力)
本発明の研磨方法では、研磨圧力、即ち、被研磨面と研磨パッドとの接触圧力が3000Pa〜25000Paで研磨を行うことが好ましく、6500Pa〜14000Paで研磨を行うことがより好ましい。
(研磨定盤の回転数)
本発明の研磨方法では、研磨定盤の回転数が50rpm〜200rpmで研磨を行うことが好ましく、60rpm〜150rpmで研磨を行うことがより好ましい。
(金属研磨用組成物の供給方法)
本発明の研磨方法では被研磨体(対象金属)を研磨する間、研磨定盤上の研磨パッドに金属研磨用組成物をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に金属研磨用組成物で覆われていることが好ましい。
本発明の研磨方法においては、濃縮された金属研磨用組成物に水又は水溶液を加え希釈して用いることもできる。希釈方法としては、例えば、濃縮された金属研磨用組成物を供給する配管と、水又は水溶液を供給する配管と、を途中で合流させて混合し、希釈された金属研磨用組成物を研磨パッドに供給する方法などを挙げることができる。その場合の混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など、通常に行われている方法を用いることができる。
また、他の希釈方法としては、金属研磨用組成物を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とをそれぞれ独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法する方法も本発明に用いることができる。
更に、1つの容器に、所定量の濃縮された金属研磨用組成物と水又は水溶液を入れて混合し、所定の濃度に希釈した後に、その混合液を研磨パッドに供給する方法も、本発明に適用することができる。
これらの方法以外に、金属研磨用組成物が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨パッドに供給する方法も、本発明に用いることができる。この場合、酸化剤を含む成分と、本発明における有機酸を含有する成分と、に分割して供給することが好ましい。
具体的には、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、複素環化合物(特定の不動膜形成剤、等)、砥粒、及び水を1つの構成成分(B)とすることが好ましく、それらを使用する際に水又は水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水又は水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、3つの配管を研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合してもよく、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合して混合してもよい。例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に水又は水溶液の配管を結合することで金属研磨用組成物を供給することも可能である。
また、上記の3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合して供給してもよいし、1つの容器に3つの構成成分を混合した後に、その混合液を研磨パッドに供給してもよい。更に、金属研磨用組成物を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
(金属研磨用組成物の供給量)
本発明の研磨方法において、金属研磨用組成物の研磨定盤上への供給量は、50ml/min〜500ml/minとすることが好ましく、100ml/min〜300ml/minであることがより好ましい。
(研磨パッド)
本発明の研磨方法において用いうる研磨パッドは、特に制限はなく、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
本発明の研磨方法に用いうる研磨パッドは、研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
次に、本発明の研磨方法において研磨が施される被研磨体(基板、ウエハ)について説明する。
(配線金属材料)
本発明における被研磨体は、銅又は銅合金からなる配線を持つ基板(ウエハ)であることが好ましい。配線金属材料としては、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が適している。銅合金に含有される銀含量は、10質量%以下、更には1質量%以下で優れた効果を発揮し、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
(配線の太さ)
本発明における被研磨体は、例えば、DRAMデバイス系では、ハーフピッチで、好ましくは0.15μm以下、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくは0.08μm以下の配線を有することが好ましい。
一方、MPUデバイス系では、好ましくは0.12μm以下、より好ましくは0.09μm以下、更に好ましくは0.07μm以下の配線を有することが好ましい。
このような配線を有する被研磨体に対して、本発明に使用される金属研磨用組成物は特に優れた効果を発揮する。
(バリア金属材料)
本発明における被研磨体において、銅配線と絶縁膜(層間絶縁膜を含む)との間には、銅の拡散を防ぐためのバリア層が設けられる。このバリア層を構成するバリア金属材料としては、低抵抗のメタル材料、例えば、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1〜21、比較例1〜3]
下記表1に示す研磨用組成物101〜121、201〜203を調製し、研磨試験及び評価を行った。
(金属研磨用組成物の調製)
表1に従って、下記組成を純水中に混合し、研磨用組成物101〜121、201〜203を調整した。
・特定の不動膜形成剤又は比較用化合物:表1に示す化合物 ・・・7mmol/L
・酸化剤:表1に示す化合物 ・・・1.0質量%
・砥粒:表1に示す砥粒 ・・・0.5質量%
・有機酸:表1に示す化合物 ・・・0.5質量%
・界面活性剤:表1に示す化合物 ・・・0.03質量%
pHは、表1に示すpH調整剤を用いて、9.5に調整した。
[評価]
得られた研磨用組成物101〜121、201〜203(研磨液)を用い、以下に示す研磨方法により研磨を行い、研磨性能(Cu研磨速度、Cu/バリアメタル選択比)を評価した。評価結果を表1に示す。
<研磨速度の評価>
研磨装置として荏原製作所製装置「FREX−300」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながらウェハに設けられた膜を研磨し、その研磨速度を算出した。
・基盤 :シリコン酸化膜上に、スパッタリング法により厚さ20nmのTa膜又はTi膜(バリア膜)を形成し、続いて、スパッタリング法により厚さ50nmの銅膜を配線として形成後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成した12inchウェハを使用
・テ−ブル回転数:104rpm
・ヘッド回転数 :85rpm(加工線速度=2.0m/s)
・研磨圧力 :10.5kPa
・研磨パッド :ローム アンド ハース社製 品番IC−1400
(XY−K−grv)+(A21)
・スラリー供給速度:300ml/分
研磨前後の電気抵抗から銅膜又はバリア膜の膜厚を測定し、研磨速度を計算した。具体的には、下記式を用いて計算した。
研磨速度(nm/分)=(研磨前の銅膜又はバリア膜の厚さ−研磨後の銅膜又はバリア膜の厚さ)/研磨時間
また、銅膜の研磨速度とバリア膜の研磨速度から銅/バリアメタル選択比を求めた。
Figure 0005202258
表1に記載した成分のうち、特定の不動膜形成剤の番号は、前掲した具体例の番号に対応する。また、酸化剤として用いたAPS、KPS;砥粒として用いたコロイダルシリカA〜C;界面活性剤として用いたアルキルジフェニルエーテルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムの詳細を以下に示す。
APS:ペルオキソ二硫酸アンモニウム
KPS:ペルオキソ二硫酸カリウム
KOH:水酸化カリウム
コロイダルシリカA:扶桑化学工業(株)製「PL−3H」、1次粒子径35nm
コロイダルシリカB:扶桑化学工業(株)製「PL−7」、1次粒子径70nm
コロイダルシリカC:扶桑化学工業(株)製「PL−20」、一次粒子径200nm
アルキルジフェニルエーテルスルホン酸:ペレックスSS−H(花王(株)製)
アルキルベンゼンスルホン酸:パイオニンA−40−S(竹本油脂(株)製)
アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム:パイオニンA−40−Sを アンモニア水で中和することにより調製した。
表1に示される結果から、実施例の各金属研磨用組成物は、比較例の各金属研磨用組成物に比べ、迅速な研磨速度を実現しつつ、研磨におけるCu/バリアメタル選択性を向上するものであることがわかる。また、Cu/バリアメタル選択性が向上していることから、エロージョンが抑制され、被研磨面の平坦性が向上することがわかる。

Claims (7)

  1. 半導体デバイスの製造工程における化学的機械的研磨に用いられ、下記(1)から(3)の各成分を少なくとも含有することを特徴とする金属研磨用組成物。
    (1)酸化剤
    (2)砥粒
    (3)下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物
    Figure 0005202258

    一般式(I)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Phはフェニル環を表す。一般式(II)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Phはフェニル環を表す。
  2. 更に、有機酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の金属研磨用組成物。
  3. 前記酸化剤が、ペルオキソ二硫酸塩であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属研磨用組成物。
  4. 更に、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の金属研磨用組成物。
  5. 前記界面活性剤が、下記一般式(III)で表される界面活性剤、下記一般式(IV)で表される界面活性剤、及び下記一般式(V)で表される界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤であることを特徴とする請求項4に記載の金属研磨用組成物。
    −Ar−O−Ar−SO 一般式(III)
    一般式(III)中、Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Ar及びArは各々独立にアリーレン基を表し、M は、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムを表す。
    −Ar−SO 一般式(IV)
    一般式(IV)中、Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Arは、アリーレン基を表し、M は、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムを表す。
    −O−(CHCHO)-R−COO 一般式(V)
    一般式(V)中、Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、nは1〜20の整数を表し、Rは、炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。M は、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムを表す。
  6. 前記砥粒が、1次粒径20nm以上150nm以下のコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の金属研磨用組成物。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の金属研磨用組成物を、研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
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