JP5202083B2 - 端子金具付き電線の製造方法及び端子金具付き電線 - Google Patents
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Description
このように芯線をアルミ製とすると軽量化が可能になるものの、銅に比較して導電率が低いため、使用される芯線を太径にせざるを得ない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、端子金具の幅方向寸法を小さくすることが可能な端子金具付き電線の製造方法及び端子金具付き電線を提供することを目的とする。
本発明の端子金具付き電線は、端子金具の電線接続部に宛がわれた被覆電線の芯線がアンビルと溶接ホーンとの間で挟まれた状態で前記溶接ホーンから高周波振動が与えられて前記芯線が前記電線接続部に超音波溶接されてなる端子金具付き電線であって、前記端子金具の前記電線接続部は、その幅方向の端部が中間部に比して上方に位置し、平坦面の両側にその平坦面に対してそれぞれ逆方向に傾斜する2面の平坦面を連続させた形状の角筒形の湾曲形状とされており、各前記平坦面側に向けられた前記溶接ホーンにより複数回にわたって前記芯線が前記電線接続部に超音波溶接されていることを特徴とする。
本発明の実施形態1を図1ないし図6を参照しつつ説明する。
本実施形態の端子金具付き電線10は、被覆電線20の先端部に端子金具30が接続されてなり、例えば電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリ、インバータ、モータなどの装置(図示せず)の間に配索されるものである。
被覆電線20は、複数本の細いアルミ線の金属素線21Aが撚り合わされてなる芯線21を樹脂製の絶縁被覆22(絶縁層)で被覆したものであり、その端末部においては、絶縁被覆22が剥き取られて芯線21が露出されている。そして、詳しくは後述するが、その芯線21部分に高周波振動が施されることで芯線21が軟化して芯線溶着部25が形成され端子金具30と芯線21とが超音波溶接されている。なお、本実施形態の被覆電線20は、銅合金製の従来の芯線に代えてアルミ製の芯線21を使用することで、軽量化や低コスト化が図られている。
電線保持部41は、芯線接続部45から連続した底板の左右両側縁から一対のカシメ片41A,41Aが立ち上げられてなり、これらの一対のカシメ片41A,41Aを芯線21側に湾曲させることにより、被覆電線20が離脱や位置ずれしないように保持されている。
溶着前の準備を行う前工程、被覆電線20と端子金具30とを超音波接続する溶着工程、の順に行われる。
(前工程)
超音波溶着機100のアンビル60の凹部61に、端子金具30の下部にセットする(図3参照)。そして、図2に示すように、被覆電線20の端部にて絶縁層を剥ぎ取って芯線21を露出させ、端子金具30の芯線接続部45(電線接続部40)の半円筒形状の被溶着部50に芯線21をセットする。
溶着工程は、作業者が超音波溶着機100を操作することにより行われる。
作業者は、初期位置(図3の位置)にある溶接ホーン70を下降させる。そして、溶接ホーン70が芯線21に接するとその押圧面71により芯線21を押圧しながら、芯線21に高周波振動が加えられる。これにより、芯線21の芯線接続部45に接触した部分が軟化していく。
これにより、溶接ホーン70が図5の左側の芯線部分25Aを押圧しつつ、芯線21に高周波振動が加えられる。そして、芯線21のうち芯線接続部45に接触した部分が軟化していくとともに、芯線21のうち溶接ホーン70の押圧面71から離れた部分に応じて一様な厚さWで溶着され始める。
そして、溶接ホーン70が初期位置(図3の位置)に戻る。
そして、溶着が終了してから、電線保持部41の一対のカシメ片41A,41Aをかしめることにより、端子金具付き電線10が製造される。
本発明の実施形態2について図7ないし図11を参照しつつ説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態1では、電線接続部40のうち芯線21に接する面は、半円筒形状(連続的に湾曲)としたが、実施形態2の電線接続部140は、連続して湾曲しておらず、一部が屈曲された角筒形(半角筒形)の湾曲形状となっている。
作業者は、図8に示すように、溶接ホーン170を初期位置(図7の位置)から所定の位置(図8の位置)まで下降させ、水平面151(中間部)上の芯線21について超音波溶接を施す。
次に、溶接ホーン170を一方の傾斜面152側に向けて移動させ、一方の傾斜面152上の芯線21について、超音波溶接を施す。
次に、図10に示すように、溶接ホーン170を他方の傾斜面153側に向けて移動させ、他方の傾斜面153上の芯線21について、超音波溶接を施す。
そして、溶接ホーン170を移動させ初期位置に戻す。なお、このときに、まだ溶着に偏りがある場合には、必要な回数だけ、溶着を繰り返すようにしてもよい。
実施形態1では、超音波溶接をするに際して、溶接ホーン70を動かしたが、本実施形態3では、溶接ホーン70については固定する一方、端子金具30側を回動させることにより被溶着部50全体に超音波溶着を施す構成となっている。
実施形態3によれば、溶接ホーン70を固定した状態で満遍なく超音波溶接を行うことが可能になる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、被溶着部50,150が半円筒形状のものと、半角筒形のものについて説明したが、これらの形状に限られない。
具体的には、例えば、溶接ホーン70の軸位置には、図示しない駆動装置が取り付けられ、この駆動装置は移動機構を備えており、この駆動装置の駆動により溶接ホーン70の上下左右への移動を可能にする。また、駆動装置は回転機構を備えており、駆動装置の駆動により、溶接ホーン70の軸を中心に回転可能とする。これらの動作は、作業者が入力設定可能な操作部(図示しない)の操作により指示することができるが、予め所定の動作を行うように設定しておいてもよい。
20…被覆電線
21…芯線
25…芯線溶着部
30,130…端子金具
40,140…電線接続部
50,150…被溶着部
60…アンビル
100…超音波溶着機
70,170…溶接ホーン
71,171…押圧面
151…水平面
152,153…傾斜面
R1…押圧面の曲率半径
R2…被溶着部の曲率半径
Claims (5)
- 端子金具の電線接続部に被覆電線の芯線を宛がってアンビルと溶接ホーンとの間で挟み、その状態で前記溶接ホーンから高周波振動を与えて前記芯線を前記電線接続部に超音波溶接する端子金具付き電線の製造方法であって、
前記端子金具の前記電線接続部を、その幅方向の端部が中間部に比して上方に位置する湾曲形状としておき、前記溶接ホーンのうち前記芯線に接する面と、前記電線接続部のうち前記芯線に接する面とは、共に連続的に湾曲する半円筒面をなし、かつ、前者の面の曲率半径が後者の面の曲率半径よりも小さく設定されており、前記溶接ホーン又は前記電線接続部の両半円筒面のいずれかの軸線を中心として前記溶接ホーン又は前記電線接続部を回動させることで前記溶接ホーンと前記端子金具との相対的な位置を変えながら複数回にわたって前記芯線を前記電線接続部に超音波溶接することを特徴とする端子金具付き電線の製造方法。 - 端子金具の電線接続部に被覆電線の芯線を宛がってアンビルと溶接ホーンとの間で挟み、その状態で前記溶接ホーンから高周波振動を与えて前記芯線を前記電線接続部に超音波溶接する端子金具付き電線の製造方法であって、
前記端子金具の前記電線接続部を、その幅方向の端部が中間部に比して上方に位置し、平坦面の両側にその平坦面に対してそれぞれ逆方向に傾斜する2面の平坦面を連続させた形状の角筒形の湾曲形状とし、前記溶接ホーンが各前記平坦面側に向くように前記溶接ホーンと前記端子金具との相対的な位置を変えながら複数回にわたって前記芯線を前記電線接続部に超音波溶接することを特徴とする端子金具付き電線の製造方法。 - 前記端子金具を固定した状態の前記溶接ホーンに対して移動させることで前記溶接ホーンと前記端子金具との相対的な位置を変えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端子金具付き電線の製造方法。
- 端子金具の電線接続部に宛がわれた被覆電線の芯線がアンビルと溶接ホーンとの間で挟まれた状態で前記溶接ホーンから高周波振動が与えられて前記芯線が前記電線接続部に超音波溶接されてなる端子金具付き電線であって、
前記端子金具の前記電線接続部を、その幅方向の端部が中間部に比して上方に位置する湾曲形状としておき、前記溶接ホーンのうち前記芯線に接する面と、前記電線接続部のうち前記芯線に接する面とは、共に連続的に湾曲する半円筒面をなし、かつ、前者の面の曲率半径が後者の面の曲率半径よりも小さく設定されており、前記溶接ホーン又は前記電線接続部の両半円筒面のいずれかの軸線を中心として前記溶接ホーン又は前記電線接続部を回動させることで前記溶接ホーンと前記端子金具との相対的な位置を異ならせて複数回にわたって前記芯線が前記電線接続部に超音波溶接されていることを特徴とする端子金具付き電線。 - 端子金具の電線接続部に宛がわれた被覆電線の芯線がアンビルと溶接ホーンとの間で挟まれた状態で前記溶接ホーンから高周波振動が与えられて前記芯線が前記電線接続部に超音波溶接されてなる端子金具付き電線であって、
前記端子金具の前記電線接続部は、その幅方向の端部が中間部に比して上方に位置し、平坦面の両側にその平坦面に対してそれぞれ逆方向に傾斜する2面の平坦面を連続させた形状の角筒形の湾曲形状とされており、各前記平坦面側に向けられた前記溶接ホーンにより複数回にわたって前記芯線が前記電線接続部に超音波溶接されていることを特徴とする端子金具付き電線。
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