JP5199689B2 - 踏切制御システム - Google Patents
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Description
車体の前後にタイヤ用車軸を介して設けられた道路走行用のタイヤと車体の前後にガイド輪用車軸を介して設けられた軌道走行用のガイド輪とを備えた軌道走行と道路走行との双方が可能なデュアルモード車両に設けられた車載装置と、踏切を制御する踏切制御装置に併設された地上装置とからなる踏切制御システムであって、
前記車載装置は、GPS衛星を利用して自車両の車両位置を検知する測位手段と、踏切の制御を支援するために必要な情報について前記地上装置との間で通信を行う通信手段と、を備え、
前記地上装置は、前記車載装置との間で通信を行う通信手段を備え、
前記車載装置または前記地上装置のいずれか一方に、前記測位手段により得られる車両位置に基づいて前記デュアルモード車両が踏切の手前の所定距離以内にいると判断した場合に、前記踏切制御装置に対して遮断指示を出す遮断指示手段を備え、
前記地上装置は、前記遮断指示手段による遮断指示の制御を行わなくとも車両の接近を検知して遮断桿又は警報器を動作させることができる踏切制御装置に併設されるとともに、踏切が遮断状態にあるか開放状態にあるかを検知する遮断検知手段を備え、
前記車載装置は、踏切が前記遮断指示に反応せず遮断状態にならなかった場合、あるいは遮断状態になったと確認できなかった場合、踏切までの距離と踏切の手前で安全に停止可能な速度との関係を示す停止速度パターンと、前記測位手段により得られる車両位置および走行速度とを照合して、走行速度が停止可能速度を上まわった場合に自車両のブレーキ装置を作動させる速度照査手段と、接近した踏切が遮断状態にあるか開放状態にあるかを表示する踏切状態表示手段とを備え、
前記遮断指示手段は、前記デュアルモード車両が踏切の手前の所定距離以内におり、かつ、前記遮断検知手段からの情報に基づいて踏切が開放状態にあると判断した場合に、前記踏切制御装置に対して遮断指示を出し、
前記速度照査手段は、前記踏切状態表示手段により接近した踏切が開放状態にあることが表示された後に、前記自車両のブレーキ装置を作動させる制御を開始することを特徴とする。
前記遮断指示手段は、前記デュアルモード車両が踏切の手前の所定距離以内におり、かつ、前記遮断検知手段によって踏切が遮断状態にあることを認識できない場合にも、前記踏切制御装置に対して遮断指示を出すことを特徴とする。
前記遮断指示手段は、前記デュアルモード車両が踏切を通過して所定距離以上離れたと判断した場合に、前記踏切制御装置に対して開放指示を出すことを特徴とする。
前記遮断指示手段は、前記デュアルモード車両が踏切を通過して所定距離以上離れたと判断した場合に、前記踏切制御装置に対して開放指示を出し、
前記車載装置は、踏切が前記開放指示に反応せず開放状態にならなかった場合、あるいは開放状態になったと確認できなかった場合、その旨を表示する踏切開放異常表示手段を備えることを特徴とする。
また、踏切が前記遮断指示に反応せず遮断状態にならなかった場合、あるいは遮断状態になったと確認できなかった場合には、速度照査手段が停止速度パターンと車両位置および走行速度とを照合してブレーキ装置を作動させることから、停止速度パターンにしたがってデュアルモード車両を踏切の手前で停止させることができる。
また、接近した踏切の状態を踏切状態表示手段によって表示することから、運転席において踏切の状態を確認することができ、踏切が遮断状態になったことを確認できないときは踏切の手前で一時停止するなどの措置をとることが可能で、踏切通過の安全性をさらに高めることにつながる。
以下、本発明における第1の実施の形態について、図1から図5を参照しながら説明する。
本実施の形態に係るデュアルモード車両1は、図1に示すように、車体2、車体2の前方及び後方に配設されたゴムタイヤ用車軸3a,4aを中心に回転する前方ゴムタイヤ3及び後方ゴムタイヤ4、内側にフランジ部5f,6fを備え、車体2の前方及び後方に昇降自在に配設されたガイド輪用車軸5a,6aを中心に回転する軌道走行用の前方ガイド輪5及び後方ガイド輪6、前方ガイド輪5及び後方ガイド輪6を上昇下降させるための油圧アクチュエータ7,8、図示されていない、デュアルモード車両1の前方ゴムタイヤ3の操舵方向や後方ゴムタイヤ4の回転状態等を制御する制御装置、駆動源としてのエンジン、トランスミッション、差動装置、ブレーキ装置等を備えて構成されている。さらに、デュアルモード車両1は、後述する“踏切制御システム”としての踏切動作支援システム100の車載装置110を備えている。なお、踏切動作支援システム100を適用する車両として、デュアルモード車両1の代わりに一般的な鉄道車両等を用いても良い。
なお、駆動輪が前方ゴムタイヤ3であっても良く、その場合は、後方ゴムタイヤ4を上方に浮かせることとなり、前方ガイド輪5、後方ガイド輪6及び前方ゴムタイヤ3により軌道走行を行う。
図2に示すように、地上には少なくとも一対のレールRが敷設され、レールRが道路と交差する各地点には、踏切制御装置21、遮断桿22及び警報器23等から構成される踏切警報装置20が設置されている。さらに、後述する踏切動作支援システム100の地上装置120が踏切警報装置20に併設され、踏切制御装置21の動作を支援する。なお、踏切警報装置20は、遮断桿22を備えていない簡略的なものでも良い。その場合、警報器23が鳴っている状態が、踏切の遮断状態である。
踏切の手前数百mの地点(以下、鳴動点という)に踏切の動作を開始するための踏切制御子Aを設置し、さらに、踏切の直後(以下、終動点という)に踏切の動作を終了するための踏切制御子Bを設置することで、踏切制御装置21は、鳴動点と終動点の間の列車検知区間に列車が存在しているか否かをチェックイン/チェックアウト方式で検知して踏切の制御を行っている。
なお、踏切の制御には、踏切制御子を用いない方法、例えば、踏切の数百m手前から踏切までの区間のレールR全体を電気回路として用いる軌道回路を構成しておき、列車が当該軌道回路に進入して左右のレールRが車輪及び車軸によって短絡されている間、踏切を遮断状態にするという古くからの方法をそのまま採用しても良い。その場合は、レールRの表面の状態によってレールRと車輪との電気抵抗が連続的に変化して軌道回路が開放/短絡を繰り返す、いわゆるチャタリングの発生を防止するため、一定時間短絡した状態を保持するように回路を構成することが行われている。これにより、上記と同様に、踏切論理回路にパルス信号を送ることによって踏切の遮断動作を開始させることもできる。
踏切動作支援システム100は、図3に示すように、デュアルモード車両1に搭載された車載装置110と、踏切を制御する踏切警報装置20に併設された地上装置120と、から構成されている。
なお、位置検知装置113が内部で扱うデータ及び踏切位置情報データベース115には、GPS衛星から得られる緯度経度の情報をそのまま用いても良いし、公知技術を用いて、鉄道の路線毎に割り当てられた各起点からの距離を表す「キロ程」に変換して用いても良い。
また、位置検知装置113は、GPS受信器によって得られた自車両の車両位置を緯度経度の情報のまま、あるいは「キロ程」に変換して処理装置111に送信しても良い。この場合、踏切位置情報データベース115は処理装置111に備えられ、それを参照して処理装置111が自ら上記の各トリガを発生させることとなる。
なお、車載装置110から踏切の遮断指示があった場合、地上装置120は、踏切制御装置21へ遮断指示を出す前にまず踏切が遮断状態にあるか否かを再度確認し、遮断状態にないときのみ踏切制御装置21へ遮断指示を出すようにしても良い。
なお、処理装置121は、上記の処理をコンピュータ等のデジタル回路を用いてソフトウェア処理により実行しても良いし、アナログ回路を用いて行っても良い。
以下では、本実施の形態における車載装置110の動作の流れについて、図4および図5に示す動作フロー図に従って説明する。
まず、表示装置114の「赤」を点灯させ、警報音「長音」を1回鳴らす(ステップS21)。次いで、無線通信装置112,122を介して地上装置120に踏切の動作状況の要求を行い、送られてくる情報を受信する(ステップS22)。受信した情報から、踏切が遮断状態にあるか否かを判断し(ステップS23)、遮断状態にあれば(ステップS23:Y)、表示装置114を「緑」点灯に切替え、警報音「短音」を2回鳴らし(ステップS25)、ステップS42の処理に移る。ステップS23において踏切が遮断状態にないと判断した場合(ステップS23:N)、「300mトリガ」を受信しているかを確認し(ステップS24)、受信していない場合(ステップS24:N)はステップS21の処理に移り、受信した場合(ステップS24:Y)はステップS31の処理に移る。
処理装置111は再び地上装置120に踏切の動作状況の要求を行い、送られてくる情報を受信する(ステップS31)。処理装置111は「150mトリガ」を受信しているかを確認し(ステップS32)、受信した場合(ステップS32:Y)はステップS41の処理に移り、受信していない場合(ステップS32:N)はステップS33の処理に移る。ステップS31において受信した情報から、踏切が遮断状態にあるか否かを判断し(ステップS33)、遮断状態にあれば(ステップS33:Y)、表示装置114を「緑」点灯に切替え、警報音「短音」を2回鳴らし(ステップS35)、ステップS42の処理に移る。ステップS33において踏切が遮断状態にないと判断した場合(ステップS33:N)、無線通信装置112,122を介して地上装置120に遮断指示を送信し、ステップS31の処理に移る(ステップS34)。
処理装置111は再び地上装置120に踏切の動作状況の要求を行い、送られてくる情報を受信する(ステップS41)。処理装置111は「20mトリガ」を受信しているかを確認し(ステップS42)、受信した場合(ステップS42:Y)はステップS51の処理に移り、受信していない場合(ステップS42:N)はステップS43の処理に移る。ステップS41において受信した情報から、踏切が遮断状態にあるか否かを判断し(ステップS43)、遮断状態にあれば(ステップS43:Y)、ステップS42の処理に移り、遮断状態にないと判断した場合(ステップS43:N)、表示装置114を「赤」点滅に切替え、警報音「短音」を連続して鳴らし(ステップS44)、無線通信装置112,122を介して地上装置120に遮断指示を送信し、ステップS41の処理に移る(ステップS45)。
踏切動作支援システム100は、全体として以下のような動作を実現することとなる。
車載装置110は、踏切の400m手前の区間に侵入するまで、即ち位置検知装置113から処理装置111へ「400mトリガ」が送信されるまでは待機状態を続ける。
地上装置120は、車載装置110から動作状況の要求を受けたとき、踏切が遮断状態にあって踏切が故障していない場合にのみ、踏切が正常に動作している情報を車載装置110へ送信する。
車載装置110は、踏切が遮断状態になったことが確認できたとき、表示装置114を表示灯「緑」点灯に切替えて警報音「短音」を2回鳴らし、20m手前まで待機状態となるが、踏切が遮断状態になっていないとき、及び、無線の通信状況などにより踏切が遮断状態になったことが確認できないときは、位置検知装置113から「300mトリガ」が送信されるまで、無線通信装置112,122を介して地上装置120に踏切の動作状況の要求と受信を繰り返し行う。
車載装置110は、踏切が遮断状態になったことが確認できたとき、表示装置114を表示灯「緑」点灯に切替えて警報音「短音」を2回鳴らし、20m手前まで待機状態となるが、踏切が遮断状態になっていないとき、または、無線の通信状況などにより踏切が遮断状態になったことが確認できないときは、位置検知装置113から「150mトリガ」が送信されるまで、無線通信装置112,122を介して地上装置120に踏切を強制的に遮断するよう遮断指示を送信し、踏切の動作状況の要求から繰り返す。
地上装置120は、車載装置110から遮断指示を受けたとき、強制的に踏切を遮断状態へと動作させるため、踏切制御装置21内の踏切論理回路に対して500ミリ秒のパルス信号を送信する。これにより地上装置120は直接、踏切の遮断動作を開始させることができる。
車載装置110は、踏切が遮断状態になったことが確認できたとき、そのまま20m手前まで待機状態となるが、踏切が遮断状態になっていないとき、及び、無線の通信状況などにより踏切が遮断状態になったことが確認できないときは、表示装置114を表示灯「赤」点滅に切替えて警報音「短音」を連続して鳴らして、踏切が遮断状態になったことが確認できるまで、地上装置120に対して遮断指示を送信し、踏切の動作状況の要求から繰り返す。
なお、表示灯が「緑」点灯の場合は、デュアルモード車両1は踏切へそのままの速度で進入することができることを表し、表示灯「赤」が点滅かつ警報音「短音」が連続して鳴り始めた場合は、デュアルモード車両1は即座に減速を開始して踏切の20m以上手前で停止しなければならないことを表す。また、表示灯「赤」が点灯の場合も踏切の20m以上手前で停止する。
以上のように、本実施の形態に係る踏切動作支援システム100は、位置検知装置113によって自車両の車両位置を検知して踏切に接近したことを判断し、地上装置120からの情報によって踏切が開放状態であると判断したときに、踏切制御装置21に対して遮断指示を出すことから、踏切制御子Aにより列車が検知されず踏切が動作しなかった場合にも踏切動作支援システム100によってバックアップして踏切を遮断状態にすることができるため、大規模な地上設備を設けることなく踏切の制御を好適に行うことができる。
なお、本実施の形態に係る踏切動作支援システム100においては、デュアルモード車両1の車両位置の情報をそのまま無線通信装置112,122を介して地上装置120で受けるようにするとともに、踏切への遮断指示を出すか否かを判断することができる“遮断指示手段”を地上装置120が備えていても良い。つまり、前述した図4および図5に示すフロー図における遮断指示の処理を地上装置120の処理装置121が行っても良い。
以下、本発明における第2の実施の形態について、図1、図6から図10を参照しながら説明する。なお、第1の実施の形態と重複する構成については、第1の実施の形態と同一の符号を付し、説明を省略することとする。
本実施の形態に係るデュアルモード車両1Aは、図1に示す第1の実施の形態に係るデュアルモード車両1と同様の車両が用いられる。ただし、デュアルモード車両1Aは、第1の実施の形態に係る車載装置110に換えて、後述する踏切制御システム200の車載装置210を備えている。また、ブレーキ装置は電子制御され、ブレーキペダルの踏込み量を検出して油圧を調整する方式が採用されている。なお、踏切制御システム200を適用する車両として、デュアルモード車両1Aの代わりに一般的な鉄道車両等を用いても良い。
図6に示すように、地上には少なくとも一対のレールRが敷設され、レールRが道路と交差する各地点には、踏切制御装置41、遮断桿42及び警報器43等から構成される踏切警報装置40が設置されている。さらに、後述する踏切制御システム200の地上装置220が踏切警報装置40に併設され、踏切制御装置41の動作を制御する。ここで、踏切制御装置41は、第1の実施の形態に係る踏切制御装置21が備えるような踏切制御子や軌道回路は備えていない。なお、踏切警報装置40は、遮断桿42を備えていない簡略的なものでも良い。その場合、警報器43が鳴っている状態が、踏切の遮断状態である。
踏切制御システム200は、図7に示すように、デュアルモード車両1Aに搭載された車載装置210と、踏切を制御する踏切警報装置40に併設された地上装置220と、から構成されている。
また、位置検知装置213は、上述のキロ程と、線路情報データベース215に記憶された踏切の位置(キロ程)とから、踏切までの距離を算出し、GPS受信器によって得られる自車両の走行速度とともに、速度照査装置216に送信する。
なお、位置検知装置213は、GPS受信器によって得られた自車両の車両位置を緯度経度の情報のまま処理装置211に送信しても良い。また、自車両の走行速度は、GPS受信器によって得られるものに限らず、別途車輪等に設けられた速度発電機より得られるパルス信号から、自車両の走行速度を必要とする装置において、必要に応じて算出しても良いし、GPS受信器によって得られるものとパルス信号から算出されるものを混在させても良い。
なお、車載装置210から踏切の遮断指示があった場合、地上装置220は、踏切制御装置41へ遮断指示を出す前にまず踏切が遮断状態にあるか否かを確認し、遮断状態にないときのみ踏切制御装置41へ遮断指示を出すようにしても良い。開放指示の場合も同様である。
なお、処理装置221は、上記の処理をコンピュータ等のデジタル回路を用いてソフトウェア処理により実行しても良いし、アナログ回路を用いて行っても良い。
以下では、本実施の形態における車載装置210の動作の流れについて、図8および図9に示す動作フロー図に従って説明する。
処理装置211は、デュアルモード車両1Aが踏切に接近し、踏切前800m地点を通過するまで待機する(ステップS101:N)。踏切前800m地点を通過(ステップS101:Y)した後、踏切前650m地点を通過するまでの間(ステップS102:N)、処理装置211は無線通信装置212を介して地上装置220に踏切制御信号(鳴動)を送信し(ステップS103)、踏切状態表示灯を点滅状態にし(ステップS104)、地上装置220から送られてくる踏切動作信号を受信(ステップS105)して踏切の状態を把握する。そして、踏切が正常に動作して遮断状態になったことが確認できた場合(ステップS106:Y)、踏切状態表示灯を点灯状態にし(ステップS107)、速度照査装置216によるブレーキ制御を行うことなく、ステップS131の処理へ移るが、踏切が遮断状態になったことが確認できなかった場合(ステップS106:N)、ステップS102からの処理を繰り返す。
なお、踏切が遮断状態になったことが確認できないまま踏切前650m地点を通過した場合(ステップS102:Y)、ステップS111の処理へ移る。
まず、踏切が遮断状態になったことが確認できた場合(ステップS112:Y)、踏切状態表示灯を点灯状態にし(ステップS113)てステップS111の処理へ戻るが、踏切が遮断状態になったことが確認できなかった場合(ステップS112:N)、処理装置211は無線通信装置212を介して地上装置220に踏切制御信号(鳴動)を送信し(ステップS114)、地上装置220から送られてくる踏切動作信号を受信(ステップS115)して踏切の状態を把握した後、ステップS111の処理へ戻る。
なお、踏切前600m地点を通過した場合(ステップS111:Y)、踏切の状態には関係なくステップS121の処理へ移る。
次いで、処理装置211は、踏切前200m地点を通過するまでの間(ステップS122:N)、以下の処理を繰り返す。
まず、踏切が遮断状態になったことが確認できた場合(ステップS123:Y)、踏切状態表示灯を点灯状態にし(ステップS124)てステップS122の処理へ戻るが、踏切が遮断状態になったことが確認できなかった場合(ステップS123:N)、処理装置211は無線通信装置212を介して地上装置220に踏切制御信号(鳴動)を送信し(ステップS125)、地上装置220から送られてくる踏切動作信号を受信(ステップS126)して踏切の状態を把握した後、ステップS122の処理へ戻る。
なお、踏切前200m地点を通過した場合(ステップS122:Y)、踏切の状態には関係なくステップS131の処理へ移る。
なお、踏切が開放状態になったことが確認できないまま踏切通過後200m地点を通過した場合(ステップS132:Y)、踏切開放異常表示灯を点灯状態にし(ステップS133)てそのまま処理を終了する。なお、踏切開放異常表示灯は消灯スイッチ等を別途設けて、運転士が手動で解除するが、踏切通過後一定時間後に消灯するなどの機能を設けても良い。
地上装置220は以下のような動作を行う。
処理装置221は、通常は、車載装置210からの鳴動または鳴動停止の踏切制御信号を受信できる状態で待機している。そして、踏切制御信号を受信すると、踏切制御信号にしたがって踏切制御装置41を動作させる。その後、踏切が遮断状態にあるか開放状態にあるかを踏切制御装置41から読み出し、無線通信装置222を介して車載装置210へ送信し、待機状態へと復帰する。なお、車載装置210への情報送信は、これ以外にも随時行って良い。
なお、地上装置220に、踏切等の故障を検知する自己診断機能や、自動車等による踏切支障を検知する機能を設けて、その情報を、踏切の状態を車載装置210へ送信する際に、併せて送信するようにしても良い。
踏切制御システム200は、全体として以下のような動作を実現することとなる。
車載装置210は、踏切前800m地点を通過するまで待機状態を続ける。
車載装置210は、踏切前650m地点を通過後も、地上装置220に踏切制御信号(鳴動)を送信し、地上装置220からの信号受信は引き続き行う。ただし、踏切が正常に動作したことを受信したとしても、踏切状態表示灯を点灯状態にして踏切の動作が正常に完了したことを運転席に表示し、踏切制御信号(鳴動)の送信は停止するが、踏切前600m地点を通過した時点で、速度照査装置216の動作を開始する。なお、踏切が正常に動作したことを受信しなかった場合は、踏切制御信号(鳴動)の送信と地上装置220からの信号受信を行いつつ、踏切前600m地点を通過した時点で、速度照査装置216の動作を開始する。
速度照査装置216が動作を開始した後も、踏切が正常に動作したことを受信するまでは踏切制御信号(鳴動)の送信と地上装置220からの信号受信は継続され、踏切が正常に動作したことを受信した場合には、踏切状態表示灯を点灯状態にし、踏切制御信号(鳴動)の送信を停止する。なお、デュアルモード車両1Aが踏切前200m地点を通過する時点で踏切が正常に動作したことを受信できていなかった場合にも、踏切制御信号(鳴動)の送信と地上装置220からの信号受信は停止される。
速度照査装置216が動作を開始すると、上述のように停止速度パターンに従い、踏切の手前(例えば、踏切の50m手前)でデュアルモード車両1Aが停止するようブレーキ装置9を作動させ、停止した時点で速度照査装置216の動作は解除される。その後、デュアルモード車両1Aは走行を再開する。
なお、速度照査装置216の動作解除はデュアルモード車両1Aが停止した時点に限らず、例えば、エンジンキーを一度OFFにして再度ONにしたり、動作解除ボタンを別途設けてそれを操作したりする等、他の操作を行い動作解除するようにしても良い。
車載装置210は地上装置220に踏切制御信号(鳴動停止)を送信して踏切を開放状態にするよう開放指示を出すと同時に、踏切状態表示灯を点滅状態にして踏切の動作待ちであることを運転席に表示する。地上装置220に搭載された処理装置221は、踏切制御信号(鳴動停止)を受信すると踏切制御装置41に踏切を開放状態にするよう指示を出し、踏切が開放状態になると、車載装置210に対して踏切が正常に動作したことを送信する。それを受信した車載装置210は踏切状態表示灯を点灯状態にして踏切の動作が正常に完了したことを運転席に表示する。踏切状態表示灯は、踏切通過後200m地点を通過した後、消灯する。
しかし、デュアルモード車両1Aが踏切通過後200m地点を通過するまでに、何らかの理由で踏切が開放状態にならなかった場合や車載装置210が踏切の動作信号を受信できなかった場合、車載装置210は、踏切開放異常表示灯を点灯し踏切の異常を運転席に表示する。
以上のように、本実施の形態に係る踏切制御システム200は、位置検知装置213によって自車両の車両位置を検知して踏切に接近したことを判断し、踏切制御装置41に対して遮断指示を出すことから、軌道回路や踏切制御子に依存しない踏切制御システムを構築することができ、大規模な地上設備を設けることなく踏切の制御を好適に行うことができる。
なお、本実施の形態に係る踏切制御システム200においては、デュアルモード車両1Aの車両位置の情報をそのまま無線通信装置212,222を介して地上装置220で受けるようにするとともに、踏切への遮断指示を出すか否かを判断することができる“遮断指示手段”を地上装置220が備えていても良い。
2 車体
3 前方ゴムタイヤ
4 後方ゴムタイヤ
3a,4a ゴムタイヤ用車軸
5 前方ガイド輪
6 後方ガイド輪
5a,6a ガイド輪用車軸
7,8 油圧アクチュエータ
9 ブレーキ装置
20,40 踏切警報装置
21,41 踏切制御装置
22,42 遮断桿
23,43 警報器
100 踏切動作支援システム(踏切制御システム)
110 車載装置(遮断指示手段)
111 処理装置
112 無線通信装置(通信手段)
113 位置検知装置(測位手段)
114 表示装置(踏切状態表示手段)
115 踏切位置情報データベース
120 地上装置(遮断検知手段、遮断指示手段)
121 処理装置
122 無線通信装置(通信手段)
200 踏切制御システム
210 車載装置(遮断指示手段)
211 処理装置
212 無線通信装置(通信手段)
213 位置検知装置(測位手段)
214 表示装置(踏切状態表示手段、踏切開放異常表示手段)
215 線路情報データベース
216 速度照査装置(速度照査手段)
220 地上装置(遮断検知手段、遮断指示手段)
221 処理装置
222 無線通信装置(通信手段)
A,B 踏切制御子
R レール
Claims (4)
- 車体の前後にタイヤ用車軸を介して設けられた道路走行用のタイヤと車体の前後にガイド輪用車軸を介して設けられた軌道走行用のガイド輪とを備えた軌道走行と道路走行との双方が可能なデュアルモード車両に設けられた車載装置と、踏切を制御する踏切制御装置に併設された地上装置とからなる踏切制御システムであって、
前記車載装置は、GPS衛星を利用して自車両の車両位置を検知する測位手段と、踏切の制御を支援するために必要な情報について前記地上装置との間で通信を行う通信手段と、を備え、
前記地上装置は、前記車載装置との間で通信を行う通信手段を備え、
前記車載装置または前記地上装置のいずれか一方に、前記測位手段により得られる車両位置に基づいて前記デュアルモード車両が踏切の手前の所定距離以内にいると判断した場合に、前記踏切制御装置に対して遮断指示を出す遮断指示手段を備え、
前記地上装置は、前記遮断指示手段による遮断指示の制御を行わなくとも車両の接近を検知して遮断桿又は警報器を動作させることができる踏切制御装置に併設されるとともに、踏切が遮断状態にあるか開放状態にあるかを検知する遮断検知手段を備え、
前記車載装置は、踏切が前記遮断指示に反応せず遮断状態にならなかった場合、あるいは遮断状態になったと確認できなかった場合、踏切までの距離と踏切の手前で安全に停止可能な速度との関係を示す停止速度パターンと、前記測位手段により得られる車両位置および走行速度とを照合して、走行速度が停止可能速度を上まわった場合に自車両のブレーキ装置を作動させる速度照査手段と、接近した踏切が遮断状態にあるか開放状態にあるかを表示する踏切状態表示手段とを備え、
前記遮断指示手段は、前記デュアルモード車両が踏切の手前の所定距離以内におり、かつ、前記遮断検知手段からの情報に基づいて踏切が開放状態にあると判断した場合に、前記踏切制御装置に対して遮断指示を出し、
前記速度照査手段は、前記踏切状態表示手段により接近した踏切が開放状態にあることが表示された後に、前記自車両のブレーキ装置を作動させる制御を開始することを特徴とする踏切制御システム。 - 前記遮断指示手段は、前記デュアルモード車両が踏切の手前の所定距離以内におり、かつ、踏切が遮断状態にあることを確認できなかった場合に、前記踏切制御装置に対して遮断指示を出すことを特徴とする請求項1に記載の踏切制御システム。
- 前記遮断指示手段は、前記デュアルモード車両が踏切を通過して所定距離以上離れたと判断した場合に、前記踏切制御装置に対して開放指示を出すことを特徴とする請求項1又は2記載の踏切制御システム。
- 前記遮断指示手段は、前記デュアルモード車両が踏切を通過して所定距離以上離れたと判断した場合に、前記踏切制御装置に対して開放指示を出し、
前記車載装置は、踏切が前記開放指示に反応せず開放状態にならなかった場合、あるいは開放状態になったと確認できなかった場合、その旨を表示する踏切開放異常表示手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の踏切制御システム。
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