JP5199538B2 - α−オレフィンオリゴマーの製造方法 - Google Patents
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Description
従来、オレフィンオリゴマーの製造方法としては、BF3とアルコールまたはエーテルの組み合わせや、AlCl3とハロゲン化アルキルの組み合わせなどのフリーデルクラフツ触媒、或いは固体酸触媒が良く知られている。しかし、これらの触媒により製造したオリゴマーは組成が広く、多くの骨格異性体を含んでいる。そのため所望の粘度のオリゴマーの得率が低いという問題があった。
この問題を解決するため、得られるオリゴマーの組成が狭く、骨格異性体を殆ど含まない方法として、例えば(1)シクロペンタジエニル基を含有する遷移金属化合物とアルミノキサンとからなる触媒の存在下にα−オレフィンを反応させる方法(例えば、特許文献1、2参照)、(2)遷移金属化合物及びカチオンと複数の基が元素に結合したアニオンとからなる化合物を含有する触媒の存在下にα−オレフィンを反応させる方法(例えば、特許文献3参照)、(3)遷移金属化合物とメチルアルミノキサンとからなる触媒の存在下に環状炭化水素基を有する高級オレフィンを反応させる方法(例えば、特許文献4参照)などが開示されている。
しかしながら、これらの方法は、いずれも2量化を目的としたものであって、2量体以上の選択率が低く、かつ触媒活性も不充分であるなどの欠点を有している。
しかし、これらの方法では、いずれも第一工程で得られたα−オレフィンオリゴマーを、第二工程でさらに多量化する前に,α−オレフィンオリゴマーを単離する工程を含んでいる。このα−オレフィンオリゴマーを単離する工程では、メタロセン触媒を用いてα−オレフィンをオリゴマー化した反応液は,酸またはアルカリ水による触媒の脱灰工程,中和工程,洗浄工程,蒸留工程を経て精製され,ビニリデン化合物の単体または混合物として単離される。その後,このビニリデン化合物にフリーデルクラフツ触媒を作用させることによってオリゴマー化し,再び脱灰工程,中和工程,洗浄工程,蒸留工程を経て,所望の粘度を持った化合物が得られる。従って、従来の方法で2量体以上のα−オレフィンオリゴマーを製造する場合には、このような脱灰工程,中和工程,洗浄工程,蒸留工程を再度行うことになり、工程が煩雑であり、α−オレフィンの多量体を効率的に製造することが困難であった。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
1.(a)メタロセン錯体および活性化剤の存在下、α−オレフィンをオリゴマー化する第一オリゴマー化工程と,(b)前記(a)で得られたオリゴマーを含む反応液に、一般式:RX(但し、RはHまたは炭化水素基,Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化合物を添加して、該オリゴマーをさらにオリゴマー化する第二オリゴマー化工程を有することを特徴とするα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
2.(a)工程において、さらに有機アルミニウム化合物の存在下でオリゴマー化を行う上記1のα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
3.(a)工程において、メタロセン錯体がジルコノセン化合物であり,活性化剤がアルミノキサンおよび/またはハロゲン化アルミノキサンである上記1又は2のα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
4.(b)工程において、RXで表されるハロゲン化合物が、2級および/または3級のハロゲン化アルキルである上記1〜3のいずれかのα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
5.(b)工程において、RXで表されるハロゲン化合物が、塩酸ガスまたは塩酸水溶液である上記1〜3のいずれかのα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
6.(b)工程において製造されるα−オレフィンオリゴマーが、主としてα−オレフィンの四量体である上記1〜5のいずれかのα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
当該(a)工程の第一オリゴマー化工程に係るメタロセン触媒の各成分としては、下記の化合物を好ましく用いることができる。
本発明において用いられるメタロセン錯体としては、各種のものが挙げられるが、周期律表第4族の遷移金属化合物を好ましく挙げることができる。
周期律表第4族遷移金属化合物としては、一般式(1)
Qa(C5H5-a-bR1 b)(C5H5-a-cR2 c)M1XY ・・・(1)
〔式中、Qは二つの共役五員環配位子(C5H5-a-bR1 b)及び(C5H5-a-cR2 c)を架橋する結合性基を示す。R1及びR2は、それぞれ炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示し、複数あるときは、互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。aは0、1又は2である。b及びcは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。M1は周期律表第4族の遷移金属を示す。また、X及びYは、それぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子を表し、X及びYは、それぞれ互いに結合してもよい。〕
で表される化合物を挙げることができる。
(1)メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソプロピレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基などの炭素数1〜20のアルキレン基、シクロアルキレン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニル置換体、
(2)シリレン基、ジメチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基などのシリレン基、オリゴシリレン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニル置換体、
(3)(CH3)2Ge基、(C6H5)2Ge基、(CH3)P基、(C6H5)P基、(C4H9)N基、(C6H5)N基、(CH3)B基、(C4H9)B基、(C6H5)B基、(C6H5)Al基、(CH3O)Al基などのゲルマニウム、リン、窒素、硼素又はアルミニウムを含む炭化水素基〔低級アルキル基、フェニル基、ヒドロカルビルオキシ基(好ましくは低級アルコキシ基)など〕などが挙げられる。
これらの中で、アルキレン基及びシリレン基が好ましい。
b及びcは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。
ここで、炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、特に炭素数1〜12のものが好ましい。
炭化水素基は、一価の基として、共役五員環基であるシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、又、複数個存在する場合には、その2個が互いに結合してシクロペンタジエニル基の一部と共に環構造を形成していてもよい。
即ち、共役五員環配位子の代表例としては、置換又は非置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基及びフルオレニル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、炭素数1〜12のものが好ましく挙げられる。
珪素含有炭化水素基としては、例えば、−Si(R3)(R4)(R5)(式中、R3、R4及びR5は炭素数1〜24の炭化水素基を示す。)などが挙げられ、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基及び硼素含有炭化水素基としては、それぞれ−P(R6)(R7)、−N(R6)(R7)及び−B(R6)(R7)(式中、R6及びR7は炭素数1〜18の炭化水素基を示す。)などが挙げられる。
R1及びR2がそれぞれ複数ある場合には、複数のR1及び複数のR2は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
また、一般式(1)で表される化合物において、共役五員環配位子(C5H5-a-bR1 b)及び(C5H5-a-cR2 c)は同一でも異なっていてもよい。
X及びYは、それぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子であり、具体的には、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例えば、ジフェニルホスフィン基など)又は炭素数1〜20、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例えば、トリメチルシリル基など)、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基あるいはハロゲン含有ホウ素化合物(例えば、B(C6H5)4、BF4など)を示す。
これらの中で、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基及びアルコキシ基が好ましい。
X及びYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
(a)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス[ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3−トリメチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(9−メチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(9−メチルオクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロロヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)メトキシジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジネオペンチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジヒドロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメトキシジルコニウム、(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどの架橋する結合基を有さず共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
(d)ジメチルゲルミレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルアルミレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルアルミレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルホスフィレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチルボレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルアミレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどのゲルマニウム、アルミニウム、硼素、リン又は窒素を含む炭化水素基で架橋された共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
(e)(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−エチレン)(2,2’−エチレン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−エチレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−エチレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−シクロヘキシリデン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどの配位子同士が二重架橋された共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
(f)更には、上記(a)〜(e)に記載の化合物において、これらの化合物の塩素原子を臭素原子、ヨウ素原子、水素原子、メチル基、フェニル基などに置き換えたもの、又、上記化合物の中心金属のジルコニウムをチタニウム、ハフニウムに置き換えたものを挙げることができる。
本発明においては、これらのメタロセン錯体の中、遷移金属がジルコニウムであるジルコノセン化合物、例えばビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが好適に用いられる。
活性化剤として用いられる(B)活性化剤としては、アルミノキサン、ハロゲン化アルミノキサンおよびボレート化合物が挙げられる。
アルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン,エチルアルミノキサン,ブチルアルミノキサン,イソブチルアルミノキサンなどが挙げられる。
ハロゲン化アルミノキサンとしては、ジエチルアルミニウムクロリドで変性したメチルアルミノキサン,n−ブチルクロリドで変性したメチルアルミノキサンなどが挙げられる。
ボレート化合物としては、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート,トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートなどが挙げられる。
本発明においては、これらの活性化剤の中、アルミノキサンおよびハロゲン化アルミノキサンが好適に用いられ、メチルアルミノキサンおよびジエチルアルミニウムクロリドで変性したメチルアルミノキサンが特に好適に用いられる。
これらの活性化剤は、一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。該触媒における上記(A)メタロセン錯体と(B)活性化剤との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:1000000、より好ましくは1:1〜1:10000の範囲が望ましい。
ここで、(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式(2)
R8 r AlQ1 3-r ・・・(2)
〔式中、R8 は炭素数1〜10のアルキル基、Q1は水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、rは1〜3の整数である。〕で示される化合物が用いられる。
これらの有機アルミニウム化合物は、一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。前記(A)触媒成分と(C)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2000、さらに好ましくは1:10ないし1:1000の範囲が望ましい。
該(C)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が無駄になるとともに、オリゴマー中に多量に残存し、好ましくない。
また、(A)メタロセン錯体、(B)活性化剤および(C)有機アルミニウム化合物を用いて触媒を調製する場合、(B)活性化剤と(C)有機アルミニウム化合物を事前に接触させてもよいが、α−オレフィンの存在下、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を接触することによっても充分高活性な触媒が得られる。
上記触媒成分は、予め、触媒調製槽において調製したものを使用してもよいし、第一オリゴマー化工程において調製したものを反応に使用してもよい。
反応器内において触媒の調製を行う場合は、第一オリゴマー化工程の反応温度以下で調製することが好ましく、例えば、−30〜200℃、好ましくは0〜150℃の範囲で調製するのがよい。
反応条件に関し、反応温度は通常−100〜250℃、特に−50〜100℃とすることが好ましい。また、α−オレフィンに対する触媒の使用割合は、α−オレフィン/(A)メタロセン錯体(モル比)が、通常1000〜106、好ましくは2000〜105である。
反応時間は、通常10分〜48時間である。
これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上のものを組合せてもよい。また、α−オレフィンなどの原料を溶媒として用いてもよい。
(a)メタロセン錯体および活性化剤の存在下、α−オレフィンをオリゴマー化する第一オリゴマー化工程と,
(b)前記(a)工程で得られたオリゴマーを含む反応液に、
一般式:RX(但し、RはHまたは炭化水素基,Xはハロゲン原子を示す。)
で表される(D)ハロゲン化合物を添加して、該オリゴマーをさらにオリゴマー化する第二オリゴマー化工程を有することを特徴とするものである。
これらのハロゲン化合物の中、塩化水素および2級または3級のハロゲン化アルキルが好適に用いられ、塩化水素およびtert−ブチルクロリド,イソプロピルクロリドが特に好適に用いられる。
塩化水素としては、塩酸ガスまたは塩酸水溶液(HCl含量が30重量%以上の塩酸水)が好適に用いられる。
第二オリゴマー化工程における反応条件は第一オリゴマー化工程に準じて行われ、目的とするα−オレフィンオリゴマーの特性に応じて反応条件を調整することができる。第二オリゴマー化工程で製造されたα−オレフィンオリゴマーは、公知の方法により、酸またはアルカリ水による触媒の脱灰工程,中和工程,洗浄工程,蒸留工程を経て分離、精製を行うことができる。
本発明においては、第一オリゴマー化工程の後の脱灰工程,中和工程,洗浄工程,蒸留工程を有しないので、目的とする重合度を有するα−オレフィンオリゴマーを効率的に低コストで製造することができる。
なお、以下の実施例および比較例における収率は原料の1−デセンに対する収率である。
(工程a)窒素置換した内容積500mLのガラス製容器に,1−デセン200mLをとり,これにアルミニウム原子換算で3.18mol/Lに調製したメチルアルミノキサンのトルエン溶液0.63mL,13質量%に調製したジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液0.43mLを加えた。次いで0.0355mol/Lに調製したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.6mlを加え,50℃の油浴に浸して5時間反応させた。1.0mLを注射器で抜き取り,5質量%塩酸で反応を停止し,触媒成分を分解,除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果,原料1−デセンの転化率は95.5%,二量体の収率は85.2%,三量体の収率は4.3%,四量体の収率は0.5%であった。
(工程b)上記反応液を50℃の油浴に浸したまま,35質量%塩酸1.0mLを添加し,1時間反応させた。5質量%塩酸で反応を停止し,触媒成分を分解,除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果,原料1−デセンの転化率は97.1%,二量体の収率は15.3%,三量体の収率は7.4%,四量体の収率は59.7%,五量体の収率は4.7%,六量体の収率は3.4%,七量体の収率は0.4%,八量体の収率は0.5%であった。
(工程a)窒素置換した内容積500mLのガラス製容器に,1−デセン200mLをとり,これにアルミニウム原子換算で3.18mol/Lに調製したメチルアルミノキサンのトルエン溶液0.63mL,13質量%に調製したジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液0.43mLを加えた。次いで0.0355mol/Lに調製したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.6mlを加え,室温で12時間反応させた。1.0mLを注射器で抜き取り,5質量%塩酸で反応を停止し,触媒成分を分解,除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果,原料1−デセンの転化率は98.7%,二量体の収率は86.5%,三量体の収率は4.3%,四量体の収率は1.2%であった。
(工程b)上記反応液を50℃の油浴に浸し,濃硫酸5mLに0.40mLの35質量%塩酸を滴下して発生させた塩酸ガスを、窒素を流しながらボールフィルターを用いて反応液に導入した。1時間後,5質量%塩酸で反応を停止し、触媒成分を分解,除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果、原料1−デセンの転化率は99.7%、二量体の収率は15.3%、三量体の収率は6.2%、四量体の収率は63.5%、五量体の収率は4.3%、六量体の収率は3.4%、七量体の収率は0.5%、八量体の収率は0.5%であった。
(工程a)窒素置換した内容積500mLのガラス製容器に,1−デセン200mLをとり,これにアルミニウム原子換算で3.18mol/Lに調製したメチルアルミノキサンのトルエン溶液0.63mL,13質量%に調製したジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液0.43mLを加えた。次いで0.0355mol/Lに調製したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.6mlを加え,室温で12時間反応させた。1.0mLを注射器で抜き取り,5質量%塩酸で反応を停止し,触媒成分を分解,除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果,原料1−デセンの転化率は97.4%,二量体の収率は83.0%,三量体の収率は3.9%,四量体の収率は0.4%であった。
(工程b)上記反応液を50℃の油浴に浸し,tert−ブチルクロリド0.088mLを反応液に添加した。1時間後,5質量%塩酸で反応を停止し,触媒成分を分解,除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果,原料1−デセンの転化率は99.7%,二量体の収率は6.3%,三量体の収率は6.8%,四量体の収率は68.8%,五量体の収率は5.6%,六量体の収率は5.1%,七量体の収率は0.7%,八量体の収率は0.6%であった。
(工程a)反応規模を2倍にした以外は実施例1の(工程a)と同一の方法で1−デセンをオリゴマー化した反応液を得た。これを5モル/Lの5質量%塩酸100mL,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mL,イオン交換水100mLで洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果,原料1−デセンの転化率は97.5%,二量体の収率は81.3%,三量体の収率は4.2%,四量体の収率は0.5%であった。この溶液を減圧下で蒸留し,得られた純度99質量%の二量体を(工程b)の反応に用いた。
(工程b)窒素置換した容量500mLの三ツ口フラスコに(工程a)で得られた二量体を200mLとり,ジエチルアルミニウムクロリドの13質量%トルエン溶液を0.43mL加えた。この混合液を50℃の油浴に浸し,0.4mLの35質量%塩化水素水を5.0mLの濃硫酸に滴下して発生させた塩化水素ガスを,窒素気流下で濃硫酸を通して乾燥させ,ボールフィルターを用いて反応液中に導入した。1時間後,5質量%塩酸で反応を停止し,触媒成分を分解,除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果,二量体をさらに二量化した成分の収率は81.6%,三量化した成分の収率は9.0%,四量化した成分の収率は1.2%であった。
すなわち,洗浄および蒸留単離操作による損失を考慮しなければ,1−デセンから出発した四量体の最終的な収率は69.9%であった。
Claims (7)
- (a)メタロセン錯体および活性化剤の存在下、α−オレフィンをオリゴマー化する第一オリゴマー化工程と,(b)前記(a)で得られたオリゴマー、上記メタロセン錯体及び上記活性化剤を含む反応液に、一般式:RX(但し、RはHまたは炭化水素基,Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化合物を添加して、該オリゴマーをさらにオリゴマー化する第二オリゴマー化工程を有し、該ハロゲン化合物が、2級および/または3級のハロゲン化アルキル、あるいは塩酸ガスまたは塩酸水溶液であることを特徴とするα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
- (a)工程において、さらに有機アルミニウム化合物の存在下でオリゴマー化を行う請求項1に記載のα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
- (a)工程において、メタロセン錯体がジルコノセン化合物であり,活性化剤がアルミノキサンおよび/またはハロゲン化アルミノキサンである請求項1又は2に記載のα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
- (b)工程において製造されるα−オレフィンオリゴマーが、主としてα−オレフィンの四量体である請求項1〜3のいずれかに記載のα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
- 前記塩酸水溶液が、HCl含量が30重量%以上の塩酸水である請求項1〜4のいずれかに記載のα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
- 前記α−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、4−フェニル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、6−フェニル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドリアコンテン、1−テトラコンテン、及びビニルシクロヘキサンから選択される一種又は二種以上である請求項1〜5のいずれかに記載のα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
- 前記メタロセン錯体が、下記一般式(1)で表される周期律表第4族遷移金属化合物である請求項1〜6のいずれかに記載のα−オレフィンオリゴマーの製造方法。
Qa(C5H5-a-bR1 b)(C5H5-a-cR2 c)M1XY ・・・(1)
〔式中、Qは二つの共役五員環配位子(C5H5-a-bR1 b)及び(C5H5-a-cR2 c)を架橋する結合性基を示す。R1及びR2は、それぞれ炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示し、複数あるときは、互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。aは0、1又は2である。b及びcは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。M1は周期律表第4族の遷移金属を示す。また、X及びYは、それぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子を表し、X及びYは、それぞれ互いに結合してもよい。〕
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