JP5196890B2 - 有核細胞回収装置および有核細胞の回収方法 - Google Patents
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Description
本発明は、血小板を捕捉せず血管新生に有効な有核細胞を捕捉する細胞捕捉フィルタと、該細胞捕捉フィルタの入口側に、第1の切替弁を介して接続され、細胞ソースを収容した細胞ソース容器および回収容器と、前記細胞捕捉フィルタの出口側に、第2の切替弁を介して接続され、前記細胞捕捉フィルタを透過した血小板を収容するドレインバッグおよび回収液を供給する回収液供給手段と、前記細胞ソース容器を区画可能なクリップとを備え、前記細胞ソース容器が、重力により前記細胞ソースを赤血球と有核細胞含有液とに分離し、前記クリップにより、分離したこれらの赤血球と有核細胞含有液とを相互に混合しないように分離させた状態で該有核細胞含有液を前記細胞捕捉フィルタに流入させる有核細胞回収装置を提供する。
このようにすることで、第1の切替弁を細胞ソース容器側から回収容器側に切り替えると、細胞捕捉フィルタに捕捉されていた有核細胞が回収液とともに回収容器内に吸引され易くなり、さらに容易に回収することが可能となる。
また、上記発明においては、前記細胞ソースが、末梢血、臍帯血、骨髄液、脂肪組織または胎盤組織のいずれかであることとしてもよい。
上記発明の参考例としての発明においては、前記細胞ソース容器が、他の容器に接続可能な第1接続部と、前記第1の切替弁を介して前記細胞捕捉フィルタの入口側に接続可能な第2接続部とを備え、前記第1接続部により、分離した前記赤血球を前記他の容器に放出し、前記第2接続部により、残留する前記有核細胞含有液を前記細胞捕捉フィルタに流入させることとしてもよい。
この場合に、前記細胞ソースが、末梢血、臍帯血、骨髄液、脂肪組織または胎盤組織のいずれかであることとしてもよい。
上記発明の参考例としての発明においては、前記細胞捕捉ステップが、前記赤血球分離ステップにより前記容器内において分離された前記赤血球を該容器の第1接続部から他の容器に放出した後、前記容器内に残留する前記有核細胞含有液を該容器の他の第2接続部から前記細胞捕捉フィルタに流入させることとしてもよい。
本実施形態に係る有核細胞回収装置1は、図1に示されるように、血小板を捕捉せず血管新生に有効な細胞を捕捉する細胞捕捉フィルタ2と、該細胞捕捉フィルタ2の入口側に接続される末梢血(細胞ソース)Aを収容した血液容器(細胞ソース容器)3および回収容器4と、細胞捕捉フィルタ2の出口側に接続される細胞捕捉フィルタ2を透過した血小板を収容するドレインバッグ5および回収液Cを供給するシリンジ6からなる回収液供給手段とを備えている。
また、前記細胞捕捉フィルタ2と、ドレインバッグ5およびシリンジ6との間には、第2の三方弁(切替弁)9が配置され、該第2の三方弁9の切り替えにより、ドレインバッグ5またはシリンジ6からなる回収液供給手段のいずれかが、択一的に細胞捕捉フィルタ2に接続されるようになっている。
また、前記血液容器3、回収容器4およびドレインバッグ5は、いずれも無菌的に細胞捕捉フィルタ2に接続されるようになっている。
また、効率よく回収するために、一定の血液浸透圧を有する回収液Dを採用した方がよく、デキストラン等が添加されていてもよい。
本実施形態に係る有核細胞回収装置1を用いて末梢血Aから有核細胞を分離回収するには、まず、図2に示されるように、血液容器3内において重力により赤血球Bを分離し接続部3aを開放して赤血球Bを放出させ、有核細胞含有液Cのみが血液容器3内に残留した状態で、接続部3aを第1の三方弁7に接続するチューブ10に接続する。そして、第1の三方弁7を血液容器3側に接続し、第2の三方弁9をドレインバッグ5側に接続し、血液容器3を細胞捕捉フィルタ2よりも高位に配置する。
すなわち、シリンジ6の作動による出口2b側の加圧と回収容器4による入口2a側の減圧とにより、シリンジ6内の回収液Cが細胞捕捉フィルタ2内に出口2b側からスムーズに流入し、細胞捕捉フィルタ2を出口2b側から入口2a側に向かって流動する。これにより、細胞捕捉フィルタ2は逆洗され、細胞捕捉フィルタ2に捕捉されていた血管新生に有効な有核細胞が、回収液Cとともに液体Fとなって、入口2a側から第1の三方弁7を介して回収容器4内に流入する。
なお、本実施形態の説明において、上述した第1参考実施形態に係る有核細胞回収装置1と構成を共通とする箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、最初に、図6に示されるように、末梢血Aを収容した血液容器3のチューブ10への接続部3aが上方に配されるように懸架し、静置することにより、血液容器3内の末梢血Aを重力によって、赤血球Bとそれ以外の有核細胞含有液Cとに分離させる。
この後に、図8に示されるように、血液容器3を反転させて、接続部3aが下方に配されるようにすることにより、クリップ12によって分離された有核細胞含有液Cのみを接続部3aおよびこれに接続するチューブ10を介して細胞捕捉フィルタ2に導入することができる。以下の作用効果は、第1参考実施形態に係る有核細胞回収装置1と同様である。
なお、本実施形態の説明において、上述した第1参考実施形態に係る有核細胞回収装置1と構成を共通とする箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
そして、全ての赤血球Bが容器14内に流入した時点で、ピンチバルブ15によってチューブ13を再度閉止する。
B 赤血球
D 回収液
E 血小板
1,1′,1″ 有核細胞回収装置
2 細胞捕捉フィルタ
2a 入口
2b 出口
3 血液容器(細胞ソース容器)
4 回収容器
5 ドレインバッグ
6 シリンジ(回収液供給手段)
7 第1の三方弁(第1の切替弁)
9 第2の三方弁(第2の切替弁)
Claims (5)
- 血小板を捕捉せず血管新生に有効な有核細胞を捕捉する細胞捕捉フィルタと、
該細胞捕捉フィルタの入口側に、第1の切替弁を介して接続され、細胞ソースを収容した細胞ソース容器および回収容器と、
前記細胞捕捉フィルタの出口側に、第2の切替弁を介して接続され、前記細胞捕捉フィルタを透過した血小板を収容するドレインバッグおよび回収液を供給する回収液供給手段と、
前記細胞ソース容器を区画可能なクリップとを備え、
前記細胞ソース容器が、重力により前記細胞ソースを赤血球と有核細胞含有液とに分離し、
前記クリップにより、前記細胞ソース容器内において分離したこれらの赤血球と有核細胞含有液とを相互に混合しないように分離させた状態で該有核細胞含有液を前記細胞捕捉フィルタに流入させる有核細胞回収装置。 - 前記回収容器が減圧されている請求項1に記載の有核細胞回収装置。
- 前記細胞ソースが、末梢血、臍帯血、骨髄液、脂肪組織または胎盤組織のいずれかである請求項1または請求項2に記載の有核細胞回収装置。
- 容器内に収容した細胞ソースを該容器内において重力により赤血球と有核細胞含有液とに分離し、分離させた前記赤血球と前記有核細胞含有液とが相互に混合しないように、該容器をクリップにより挟んで区画する赤血球分離ステップと、
該赤血球分離ステップにより赤血球から分離された有核細胞含有液を、血小板を捕捉せず血管新生に有効な有核細胞を捕捉する細胞捕捉フィルタに前記容器から流入させて透過させる細胞捕捉ステップと、
回収液を前記細胞捕捉フィルタに逆方向から透過させる逆洗ステップと、
該細胞透過フィルタを逆方向に透過した液体を回収する回収ステップとを備える有核細胞の回収方法。 - 前記細胞ソースが、末梢血、臍帯血、骨髄液、脂肪組織または胎盤組織のいずれかである請求項4に記載の有核細胞の回収方法。
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