JP5196484B2 - セメント製造用原燃料製造設備及びセメント製造工場並びにセメント原燃料化方法 - Google Patents

セメント製造用原燃料製造設備及びセメント製造工場並びにセメント原燃料化方法 Download PDF

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Description

本発明は、都市ごみ等の廃棄物をセメント製造用原燃料として有効処理するためのセメント製造用原燃料製造設備、及びこの設備を付設したセメント製造工場、並びに都市ごみ等の廃棄物をセメント原燃料化する方法に関する。
従来、厨芥等の有機廃棄物の処理量が増大しているため、その有効な処理方法及び再利用方法に関して多くの提案、試みがなされている。一つの方法として、回転発酵槽を用いて有機廃棄物を発酵処理(コンポスト化)することが提案されている。また、特許文献1には、有機廃棄物をセメントキルンで発酵処理したり、セメント製造での燃料の一部として用いることも記載されている。
しかし、特許文献1に記載のように、セメントキルンを発酵処理装置として単に流用しても、有機廃棄物を安定してコンポスト化することは困難であった。また、セメント製造用の燃料として発酵処理品を用いることも試みられたが、質の高い発酵処理品を効率良く得ることが困難なことが判明した。
そこで、本出願人は、セメント焼成設備で用いるセメントキルンとは別に、内張り煉瓦を撤去したロータリーキルンを準備し、そのロータリーキルンに都市ごみ等の廃棄物を投入して発酵させる方法を提案した(特許文献2参照)。この方法を実施するためのセメント製造工場は、例えば、図2に示すように、セメント焼成設備300に、セメント製造用原燃料製造設備400を付設している。
セメント焼成設備300は、バーナ308及び重油等の液体燃料を供給するための供給ポンプ310等を備えてセメント原料を焼成するロータリーキルン(セメントキルン)302と、ロータリーキルン302から排出されたセメントクリンカを冷却用風車312によって冷却するクリンカクーラ303と、バーナ314等を備え、セメント原料の仮焼を行うための仮焼炉304と、セメント原料を予熱するため、サイクロン307を多段に重ねたサスペンジョンプレヒータ306等で構成される。
一方、セメント製造用原燃料製造設備400は、廃棄物の発酵処理(コンポスト化)を行うため、大別して、発酵処理装置(内張り煉瓦を撤去したロータリーキルン)402と、貯蔵兼発酵処理用タンク404、406と、発酵処理品に含まれる異物を分離、除去する分離・除去装置408〜418等を備える。
発酵処理装置402の入口部には、都市ごみ、下水汚泥、戻し分の発酵処理品を投入する投入口420、422、424、及び発酵ガス引出口426が設けられる。発酵ガス引出口426には、排気手段として換気用風車419が設けられる。一方、発酵処理装置402の出口部には、発酵品の取出口428と、空気吹込口427とが設けられ、空気吹込口427には、給気手段として空気吹き込み風車429が設けられる。
貯蔵兼発酵処理用タンク404、406は、発酵処理装置402での発酵をさらに進めるとともに、発酵処理品を一時的に貯蔵するために備えられ、底部に定量引出機を備え、定量引出機からの発酵処理品は、セメント焼成設備300への供給ライン430と、発酵処理装置402への戻しライン432のいずれにも供給可能である。
発酵処理装置402の後段に設けられた機器408〜418は、発酵処理品から異物を除去するためのものであって、ベルトコンベア409に付設された磁選機408と、一次破砕機410と、トロンメル412と、高ガウス選別機414と、アルミニウム選別機416と、二次破砕機418とで構成される。
次に、上記構成を備えたセメント製造工場における発酵処理方法について説明する。
セメント製造用原燃料製造設備400の発酵処理装置402には、都市ごみの投入口420から都市ごみを、都市ごみに加えて下水汚泥の投入口422から下水汚泥を投入する。さらに、貯蔵兼発酵用処理タンク406から発酵処理品の一部をライン432を通じて発酵処理装置402に戻す。これは、発酵処理装置402内の菌体の安定化を図り、発酵処理品の品質を安定させるなどの目的のためである。
廃棄物は、発酵処理装置402内を移動し、所定の期間が経過した後、取出口428から発酵処理品を取り出す。発酵中、入口部側では、自然界に生息する発酵菌により、易分解成分の好気的分解作用のような機序によって発酵が進行する。一方、発酵処理中、発酵ガス引出口426からは、換気用風車419によって発酵処理装置402内の発酵ガスを引き出し、仮焼炉304等に導入し、発酵工程で発生するアンモニア等を分解し、排ガスの脱臭を行う。また、空気吹込口427から空気吹き込み風車429によって給気し、発酵処理装置402内の好気条件を保ち、好気性菌による発酵を維持する。
以上のようにして得られた発酵処理品は、磁選機408、高ガウス選別機414、アルミニウム選別機416によって、鉄、ステンレス、アルミニウムを各々除去し、これらの再資源化を図る。さらに、一次破砕機410と二次破砕機418とによって、発酵処理品を適切な粒度に調整する。
発酵処理品は、セメント製造用原燃料としてバケットエレベータ442、443によって寸胴型の貯蔵兼発酵処理用タンク404、406に送られ、循環系統によって循環される。すなわち、タンク404、406の下にはベルトコンベア444、446が設けられており、これらに一部取り出された発酵処理品は、バケットエレベータ448で垂直輸送され、再度貯蔵兼発酵処理用タンク404、406に戻される。これによって、好気状態が維持される。発酵処理品は、ベルトコンベア450を経て、ライン430からセメント焼成設備300にセメント製造用原燃料として供給され、あるいは一部ライン432を経て発酵処理装置402に戻される。
一方、上記セメント焼成設備300では、セメント製造用原燃料製造設備400の運転と併行してセメントを製造する。サスペンジョンプレヒータ306における各サイクロン307でセメント原料の予熱を行い、仮焼炉304で仮焼し、ロータリーキルン302で焼成を行う。ロータリーキルン302における焼成のための燃料、もしくは仮焼炉304における仮焼のための燃料として、セメント製造用原燃料製造設備400によって得られたセメント製造用原燃料を、貯蔵兼発酵処理用タンク406からライン430を通して、ロータリーキルン302の窯尻又は仮焼炉304に供給する。
特開昭52−97270号公報 特開2001−191060号公報
ところで、廃棄物を発酵させてセメント原燃料化するには、発酵処理のための大規模な設備が必要となるため、設備コストが高騰し易くなる。この点、特許文献2に記載の処理方法では、廃棄物を発酵させる設備として、セメント焼成設備で操業停止中のロータリーキルン(遊休キルン)を利用するため、設備費の投入を最小限に抑えることができる。しかし、セメント製造工場において、遊休キルンが存在しない場合には、処理設備を新設しなければならず、結局、多額の投資を迫られることになって、コストの増大を避けることができない。
また、廃棄物を発酵させるためには、特許文献2にも記載のように、数日間(例えば、3日間)に亘り、ロータリーキルンを回転させながら廃棄物を滞留させる必要がある。このため、一度の発酵処理に長時間を要し、廃棄物の処理効率が低いという問題がある。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、廃棄物を処理してセメント原燃料化を図るにあたり、小規模の設備で効率的に廃棄物を処理することが可能なセメント製造用原燃料製造設備等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、廃棄物を処理してセメント原燃料化するセメント製造用原燃料製造設備であって、過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生装置と、該過熱蒸気発生装置から供給される過熱蒸気を用いて廃棄物を乾燥させる乾燥装置と、該乾燥装置による乾燥処理品を、セメント製造用原燃料としての可燃物と、不燃物とに選別し、さらに前記乾燥処理品又は可燃物を対象としてセメント焼成設備への供給場所に応じた選別処理を行う選別装置とを備えることを特徴とする。
尚、本明細書中において、「廃棄物」には、以下の処理対象物が含まれる。
(1)有機汚泥:下水汚泥、し尿汚泥(浄化槽汚泥、農業集落排水汚泥)、食品産業排水汚泥、アオコ・底泥等がこの範疇に含まれる。
(2)食品廃棄物:食品加工残さ、期限切れ食品、ビールかす、焼酎かす、おから(豆腐かす)、製糖残さ、果汁残さ、コーヒーかす、茶かす、畜産残さ等がこの範疇に含まれる。
(3)林産残さ、植物残さ:パルプ廃液、バーク、おがくず、チップダスト、剪定枝葉、バガス、籾殻、わら類等がこの範疇に含まれる。
(4)生活ごみ:厨茶類(生ごみ)、衣類、プラスチック廃材、都市収集可燃ごみ、紙類等がこの範疇に含まれる。
(5)畜産廃棄物:家畜ふん尿、鳥糞等がこの範疇に含まれる。
(6)水産廃棄物:魚腸骨、へい死魚等がこの範疇に含まれる。
(7)事業系廃棄物:紙類、プラスチック廃材、事業系生ごみ等がこの範疇に含まれる。
(8)建築廃材:廃木材、廃畳、プラスチック廃材、紙類、繊維類等がこの範疇に含まれる。
(9)上記列記したものを二以上の混合した物も廃棄物の概念に含まれる。
そして、本発明によれば、発酵処理設備に代えて、廃棄物に過熱蒸気を接触させて乾燥させる乾燥装置を備えるため、廃棄物の処理設備を小規模なものとすることができる。また、過熱蒸気による乾燥処理を用いることで、廃棄物の処理時間を大幅に短縮することができ、処理効率を格段に向上させることが可能になる。さらに、乾燥処理品を可燃物と不燃物に選別する選別装置を備えるため、乾燥処理した処理品を適切に分別してセメント製造用原燃料とすることが可能になる。また、乾燥処理品又は可燃物の中に、燃料利用に適したものと原料利用に適したものとが混在していても、それらを分別して原燃料化することができ、より効率的に廃棄物を資源化することが可能になる。
上記セメント製造用原燃料製造設備において、前記乾燥装置が、前記過熱蒸気によって180℃以上350℃の雰囲気を形成して前記廃棄物を乾燥させることができ、これによれば、乾燥装置に投入した廃棄物を効率良く乾燥させることが可能になる。
上記セメント製造用原燃料製造設備において、前記乾燥装置が、前記廃棄物が投入されるドラムと、該ドラムを回転させる回転機構とを備え、前記廃棄物を投入した状態で前記ドラムを回転させながら、該ドラム内の廃棄物を乾燥させることができる。これによれば、廃棄物の全体を満遍なく乾燥させることができると同時に、乾燥処理品を細かく破砕した状態に仕上げることができる。
上記セメント製造用原燃料製造設備において、前記乾燥装置が、前記過熱蒸気を前記廃棄物と向流で接触させ、該廃棄物を乾燥させることができ、これによれば、乾燥装置に投入した廃棄物を予熱してから乾燥させることができるため、廃棄物の乾燥効率を向上させることが可能になる。
上記セメント製造用原燃料製造設備において、前記選別装置が、前記乾燥処理品から金属類を除去する第1の選別部と、前記乾燥処理品からプラスチック廃材を回収する第2の選別部とを備えることができる。
また、本発明は、セメント製造工場であって、上記いずれかのセメント製造用原燃料製造設備を付設することを特徴する。本発明によれば、前記発明と同様に、廃棄物を処理してセメント原燃料化を図るにあたり、小規模の設備で効率的に廃棄物を処理することが可能になる。
さらに、本発明は、廃棄物を処理してセメント原燃料化する廃棄物のセメント原燃料化方法であって、廃棄物に過熱蒸気を接触させて乾燥させ、乾燥処理品を可燃物と不燃物に選別し、さらに前記可燃物を対象としてセメント焼成設備への供給場所に応じた選別処理を行い、選別した可燃物を供給場所に応じてセメント焼成設備に搬入してセメント製造用原燃料として使用することを特徴とする。本発明によれば、前記発明と同様に、廃棄物を処理してセメント原燃料化を図るにあたり、小規模の設備で効率的に廃棄物を処理することが可能になる。
以上のように、本発明によれば、廃棄物を処理してセメント原燃料化を図るにあたり、小規模の設備で効率的に廃棄物を処理することが可能になる。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかるセメント製造用原燃料製造設備200を付設したセメント製造工場を示し、この製造工場のセメント焼成設備100は、大別して、バーナ108及び燃料を供給する供給ポンプ110等を備えてセメント原料を焼成するロータリーキルン102と、セメントクリンカを冷却用風車112によって冷却するクリンカクーラ103と、バーナ114等を備え、セメント原料を仮焼する仮焼炉104と、セメント原料を予熱するため、サイクロン107を多段に重ねたサスペンジョンプレヒータ106等で構成される。
一方、セメント製造用原燃料製造設備200は、必要に応じて廃棄物を破砕する破砕機201と、廃棄物を乾燥処理する乾燥装置202と、乾燥処理品に含まれる異物を分離、除去する分離・除去装置204〜216と、異物を取り除いた処理品を一時的に貯蔵する貯蔵タンク217、218等を備える。
乾燥装置202は、従来の発酵処理装置402(図2参照)に代えて配置されるものであり、過熱蒸気を用いて廃棄物を乾燥させるために備えられる。この乾燥装置202は、処理対象となる廃棄物が投入される回転式のドラム202aと、ドラム202aを回転させる回転機構(不図示)と、過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生装置202b等を備える。
乾燥装置202の入口部には、都市ごみ等を投入する投入口202cが設けられ、また、乾燥装置202の出口部には、過熱蒸気発生装置202bで発生した過熱蒸気をドラム202a内に吹き込む蒸気吹込口202dと、ドラム202a内から乾燥処理品を取り出す取出口202eとが設けられる。尚、蒸気吹込口202dをドラム202aの出口側に設けるのは、廃棄物の流れに対して向流で過熱蒸気を接触させることで、廃棄物の乾燥効率を向上させるためである。この過熱蒸気の発生装置の熱源として、ロータリーキルン102の排ガスや、クリンカクーラ103の排ガスを利用することができる。
すなわち、過熱蒸気を用いて乾燥させる場合、乾燥対象物(廃棄物)の温度が低い状態で過熱蒸気を接触させても乾燥不足になる虞があり、十分な乾燥効率を得るには、廃棄物を100℃程度まで予熱した後に、過熱蒸気を吹き付けることが好ましい。そこで、蒸気吹込口202dを投入口202cの反対側に設けることで、ドラム202aの上流側(投入口202c側)で、ドラム202a内を流れて投入口202cまで到達した蒸気(温度が下がった蒸気)を廃棄物と接触させる一方、ドラム202aの下流側(取出口202e側)では、ドラム202a内に流入した新鮮な蒸気を用いて、180℃〜350℃の乾燥雰囲気を形成する。これにより、ドラム202aの上流側で廃棄物を予熱し、下流側で乾燥させるサイクルを形成することができ、廃棄物を効率良く乾燥させることが可能になる。
但し、ドラム202aに投入したときの廃棄物の温度や含有水分量によっては、十分な予熱を行うのが困難な場合もあるため、ドラム202a自体を外側から加熱して内容物(廃棄物)を予熱するための予熱装置202fを付設してもよい。この際、クリンカクーラ103の排ガスを予熱の熱源に利用することで、セメント焼成設備100の排熱を有効活用することができる。
乾燥装置202の後段に設けられた機器204〜216は、乾燥処理品を対象として、可燃物と不燃物との選別処理、及びセメント焼成設備100への投入場所に応じた選別処理を行うためのものであって、ベルトコンベア209に付設された磁選機204と、一次破砕機206と、トロンメル208と、高ガウス選別機210と、アルミニウム選別機212と、プラスチック選別装置(プラスチック廃材を選別するための装置)214と、二次破砕機216とで構成される。
プラスチック選別装置214は、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属類(不燃物)を除去した後の乾燥処理品を比重選別や光学選別し、乾燥処理品からプラスチック廃材を選別するために備えられる。尚、プラスチック選別装置214以外の構成については、図2の分別・除去装置408〜418と同様である。
次に、上記構成を備えたセメント製造工場における廃棄物のセメント原燃料化方法について説明する。
セメント製造用原燃料製造設備200では、乾燥装置202において、都市ごみ等の廃棄物を投入口202cからドラム202a内に投入する。この際、毛布、シーツ及び袋や容器に封入されたごみ等の嵩張り易い廃棄物については、事前に破砕機201で破砕し、細かくしてからドラム202aに投入する。そして、ドラム202aを回転させるとともに、蒸気吹込口202dから過熱蒸気をドラム202a内に吹き込む。
廃棄物は、ドラム202a内を投入口202cから取出口202eに向かって移動し、その間、過熱蒸気に晒されることで乾燥処理される。その際、廃棄物は、ドラム202a内で撹拌されることで全体が満遍なく乾燥され、また、ある程度乾燥された後は、ドラム202aの内壁に衝突したり、廃棄物同士で衝突することで細かく破砕される。乾燥に供された過熱蒸気は、蒸気排出口202gから排出され、過熱蒸気発生装置202bに戻る。このとき、新たに蒸発した水蒸気の分だけ余剰水蒸気が発生する。尚、余剰分の水蒸気については、凝縮させて下水等に放流するか、又は、臭気対策(熱処理)を行って大気に放出する。
そして、所定の滞留時間が経過した後、ドラム202aから乾燥処理品を排出し、一次破砕機206で一次破砕する。次いで、磁選機204、高ガウス選別機210、アルミニウム選別機212によって、鉄、ステンレス、アルミニウム等の不燃物を除去して、可燃物(セメント製造用原燃料)のみの状態にする。また、プラスチック選別装置214によって、可燃物の中からプラスチック廃材を選別して回収し、さらに、二次破砕機216によって、可燃物を二次破砕して適切な粒度に調整する。得られたセメント製造用原燃料のうち、プラスチック廃材については、貯蔵タンク217に供給して貯蔵し、それ以外の処理品については、貯蔵タンク218に供給して貯蔵する。
一方、上記セメント製造設備100では、セメント製造用原燃料製造設備200の運転と併行してセメントを製造する。サスペンジョンプレヒータ106における各サイクロン107でセメント原料の予熱、仮焼炉104で仮焼、ロータリーキルン102で焼成を行う。
上記の際、貯蔵タンク217、218に貯蔵したセメント製造用原燃料をロータリーキルン102又は仮焼炉104に供給し、ロータリーキルン102における焼成のための燃料もしくは仮焼炉104における仮焼のための燃料として使用する。このとき、貯蔵タンク217内のプラスチック廃材は、粉砕した後にバーナ108に供給してロータリーキルン102の窯前部から吹き込み、貯蔵タンク218内の処理品は、ロータリーキルン102の窯尻部又は仮焼炉104に投入して使用する。
以上のように、本実施の形態によれば、発酵処理設備に代えて乾燥装置202を配置し、過熱蒸気を用いた乾燥処理によって廃棄物を処理するため、廃棄物の処理設備を小規模なものとすることができる。また、過熱蒸気を用いた乾燥処理は、熱風を用いた一般的な乾燥処理に比して乾燥効率が高く、短時間で廃棄物を乾燥させることができる。特に、廃棄物を発酵させる場合と対比すると、処理時間を大幅に短縮することができ、廃棄物の処理効率を格段に向上させることが可能になる。さらに、乾燥処理品を対象として、可燃物と不燃物との選別処理、及びセメント焼成設備100への投入場所に応じた選別処理を行う分離・除去装置204〜216を備えるため、乾燥処理した処理品を適切に分別してセメント製造用原燃料とすることが可能になる。
尚、上記実施の形態においては、乾燥処理品を可燃物と不燃物の二種に選別した後に、可燃物からプラスチック廃材を回収するが、乾燥処理品を対象として、プラスチック廃材、プラスチック廃材以外の可燃物及び不燃物の三種に選別してもよい。
本発明にかかるセメント製造用原燃料製造設備が付設されたセメント製造工場を示すフローチャートである。 従来のセメント製造用原燃料製造設備が付設されたセメント製造工場を示すフローチャートである。
符号の説明
100 セメント焼成設備
102 ロータリーキルン
103 クリンカクーラ
104 仮焼炉
106 サスペンジョンプレヒータ
107 サイクロン
108 バーナ
110 供給ポンプ
112 冷却用風車
114 バーナ
200 セメント製造用原燃料製造設備
201 破砕機
202 乾燥装置
202a ドラム
202b 過熱蒸気発生装置
202c 投入口
202d 蒸気吹込口
202e 取出口
202f 予熱装置
204 磁選機
206 一次破砕機
208 トロンメル
209 ベルトコンベア
210 高ガウス選別機
212 アルミニウム選別機
214 プラスチック選別装置
216 二次破砕機
217、218 貯蔵タンク

Claims (7)

  1. 廃棄物を処理してセメント原燃料化するセメント製造用原燃料製造設備であって、
    過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生装置と、
    該過熱蒸気発生装置から供給される過熱蒸気を用いて廃棄物を乾燥させる乾燥装置と、
    該乾燥装置による乾燥処理品を、セメント製造用原燃料としての可燃物と、不燃物とに選別し、さらに前記乾燥処理品又は可燃物を対象としてセメント焼成設備への供給場所に応じた選別処理を行う選別装置とを備えることを特徴とするセメント製造用原燃料製造設備。
  2. 前記乾燥装置は、前記過熱蒸気によって180℃以上350℃の雰囲気を形成して前記廃棄物を乾燥させることを特徴とする請求項1に記載のセメント製造用原燃料製造設備。
  3. 前記乾燥装置は、前記廃棄物が投入されるドラムと、該ドラムを回転させる回転機構とを備え、前記廃棄物を投入した状態で前記ドラムを回転させながら、該ドラム内の廃棄物を乾燥させることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメント製造用原燃料製造設備。
  4. 前記乾燥装置は、前記過熱蒸気を前記廃棄物と向流で接触させ、該廃棄物を乾燥させることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載のセメント製造用原燃料製造設備。
  5. 前記選別装置は、前記乾燥処理品から金属類を除去する第1の選別部と、前記乾燥処理品からプラスチック廃材を回収する第2の選別部とを備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のセメント製造用原燃料製造設備。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のセメント製造用原燃料製造設備が付設されることを特徴とするセメント製造工場。
  7. 廃棄物を処理してセメント原燃料化する廃棄物のセメント原燃料化方法であって、
    廃棄物に過熱蒸気を接触させて乾燥させ、
    乾燥処理品を可燃物と不燃物に選別し、
    さらに前記可燃物を対象としてセメント焼成設備への供給場所に応じた選別処理を行い、
    選別した可燃物を供給場所に応じてセメント焼成設備に搬入してセメント製造用原燃料として使用することを特徴とする廃棄物のセメント原燃料化方法。
JP2008292895A 2008-11-17 2008-11-17 セメント製造用原燃料製造設備及びセメント製造工場並びにセメント原燃料化方法 Active JP5196484B2 (ja)

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