JP5196144B2 - 動力伝達切換装置、記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータなどにより回転駆動される動力軸から、当該動力軸を駆動源とする被駆動部への回転トルクの伝達/非伝達を切り換える動力伝達切換装置に関する。また、本発明は当該動力伝達切換装置を備えた記録装置に関する。
以下、記録装置の一例としてのインクジェットプリンタを例に説明する。インクジェットプリンタは、用紙を給送する給送装置、用紙を搬送するローラ、記録ヘッドを搭載したキャリッジ、記録ヘッドからインクの吸引を行うポンプ装置、など数々の駆動対象を有している。しかしそれぞれ専用の駆動用モータを設けるのでは著しいコストアップを招くことから、複数の駆動対象を1つのモータで駆動すべく、モータにより駆動する対象を選択的に切り換える切換機構が設けられる。
この様な切換機構は、歯車輪列の切り換えにより駆動対象を切り換えるよう構成されており、そして歯車輪列の切り換えには、例えば特許文献1や特許文献2に示されるようにキャリッジが利用される。
特開平11−227179号公報 特開2001−162887号公報
上記従来の切換機構においては、キャリッジが切換機構の側(ホーム領域側)に移動すると切換機構のロック状態が解消され、駆動対象の切り換えが実行可能となり、そしてキャリッジが切換機構の側(ホーム領域側)から印字領域側に戻ると、切換機構がロックされ、特定の駆動対象に動力が伝達される状態が固定されるよう構成されている。
ところで、用紙を搬送する搬送ローラの回転軸を動力軸として用い、この動力軸から切換機構に動力を伝達するよう構成する場合においては、例えば紙ジャム処理を行う場合など、駆動対象(例えば、給送装置など)に動力を伝達せずに動力軸(搬送ローラ)それ単体のみを回転させたい場合が生じる。
しかしながら従来の切換機構においては、駆動対象に動力を伝達しない状態とする為にはキャリッジを常に切換機構の側(ホーム領域側)に保持しておく必要があり、キャリッジ動作の自由度が損なわれる。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、キャリッジ動作の自由度を損なうことなく切換機構を特定の状態に維持することができ、特にキャリッジから独立して複数の状態を維持することのできる切換機構を得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る動力伝達切換装置は、回転駆動される動力軸と、前記動力軸の軸線方向に沿って位置する第1ポジションと第2ポジションとの間を変位可能な動力伝達部と、前記動力伝達部を前記第1ポジションに位置決めする第1位置決め手段、および前記動力伝達部を前記第2ポジションに位置決めする第2位置決め手段と、を備え、前記動力伝達部がポジション切り換えを行うことにより、前記動力軸と前記動力伝達部との接続/非接続の切り換え、及び前記動力軸を動力源とする被駆動部と前記動力伝達部との接続/非接続の切り換え、のいずれか一方又は双方を行う動力伝達切換装置であって、前記動力伝達部は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間に少なくとも1つの中間ポジションを有するとともに、前記中間ポジションを保持する保持手段により、前記第1位置決め手段及び前記第2位置決め手段から独立して前記中間ポジションを保持可能であることを特徴とする。
本態様によれば、動力軸から被駆動部へと回転トルクを伝達する動力伝達部は、第1位置決め手段により位置決めされる第1ポジション、第2位置決め手段により位置決めされる第2ポジション、のこれらに加え、第1位置決め手段及び第2位置決め手段から独立して保持可能な中間ポジションを少なくとも1つ備えている。従ってこの中間ポジションを利用することにより、第1位置決め手段或いは第2位置決め手段を他の構成要素で兼用する場合に、当該構成要素の動作の自由度を確保することができる。
本発明の第2の態様に係る動力伝達切換装置は、回転駆動される動力軸と、前記動力軸の軸線方向に沿って位置する第1ポジションと第2ポジションとの間を変位することによりポジション切り換え可能に設けられ、前記動力軸を動力源とする被駆動部へと前記動力軸の回転トルクを伝達する動力伝達部と、前記動力伝達部を前記第1ポジションに向けて付勢することにより前記動力伝達部を前記第2ポジションから前記第1ポジションに向けて変位させ、更に当該第1ポジションに前記動力伝達部を位置決めする第1位置決め手段と、前記動力軸の軸線方向に沿って変位可能であるとともに前記動力伝達部と係合可能に設けられ、前記第1位置決め手段の付勢力に抗して前記動力伝達部を前記第1ポジションから前記第2ポジションに向けて変位させ、更に前記軸線方向における位置を保持することにより当該第2ポジションに前記動力伝達部を位置決めする第2位置決め手段と、を備え、前記動力伝達部がポジション切り換えを行うことにより、前記動力軸と前記動力伝達部との接続/非接続の切り換え、及び前記動力伝達部と前記被駆動部との接続/非接続の切り換え、のいずれか一方又は双方を行う動力伝達切換装置であって、前記動力伝達部は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間に少なくとも1つの中間ポジションを有するとともに、前記中間ポジションを保持する保持手段により、前記第2位置決め手段から独立して、前記第1位置決め手段の付勢力に抗して前記中間ポジションを保持可能であることを特徴とする。
本態様によれば、動力軸から被駆動部へと回転トルクを伝達する動力伝達部は、第1位置決め手段により位置決めされる第1ポジション、第2位置決め手段により位置決めされる第2ポジション、のこれらに加え、第2位置決め手段から独立して、第1位置決め手段の付勢力に抗して保持可能な中間ポジションを少なくとも1つ備えている。即ち、第2位置決め手段が動力伝達部から離れても保持されるポジションとして、第1ポジションに加えて更に中間ポジションを備えている。
従ってこの中間ポジションを利用することにより、第2位置決め手段の動作の自由度を確保することができる。また、第2位置決め手段により動力伝達部を変位させるワンアクションのみで、更に追加の動作を介在させることなく動力伝達部を上記中間ポジションに迅速に切り換えることが可能となる。
本発明の第3の態様に係る動力伝達切換装置は、第1のまたは第2の態様において、前記動力伝達部の中間ポジションは、当該動力伝達部が前記動力軸と接続しない非接続ポジションであることを特徴とする。
本態様によれば、前記動力伝達部の中間ポジションは、当該動力伝達部が前記動力軸と接続しない非接続ポジションであるので、動力伝達部の中間ポジションにおいて動力軸の自由な回転動作を実行することができる。
本発明の第4の態様に係る動力伝達切換装置は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記被駆動部を複数有するとともに、各々の被駆動部は、前記動力軸の軸心を中心とする円周上に配置された入力歯車を備え、前記動力伝達部が、前記動力軸を挿通させる軸穴を有し、当該軸穴を介して前記動力軸の軸線方向にスライド変位可能に、且つ前記動力軸を揺動軸として揺動可能に設けられるともに、当該動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに拘束手段によって揺動動作が拘束され、当該動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに前記拘束手段による拘束が解除されて揺動可能となるアーム部材と、前記アーム部材に設けられ、前記動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに、複数の前記入力歯車のうち一つの入力歯車と噛合して前記動力軸の回転トルクを前記入力歯車へと伝達し、当該動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに、前記入力歯車と噛合しない段違い位置に位置決めされるとともに前記アーム部材の揺動動作を介して複数の前記入力歯車のうち一つの入力歯車と接続可能な位置に位置決めされる伝達歯車と、前記動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに前記アーム部材と係合解除し、前記動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに前記アーム部材と係合して当該アーム部材に前記動力軸の回転トルクを伝達し、前記アーム部材を揺動させるクラッチ手段とを備えて構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、被駆動部を複数備え、アーム部材の揺動動作を介して複数の被駆動部のうちいずれかが選択される構成であるので、アーム部材の揺動中心を中心とした円周上に多数の被駆動部(入力歯車)を配置することができ、即ち一つの駆動軸でより多数の被駆動部に回転トルクを伝達することができる。
本発明の第5の態様に係る動力伝達切換装置は、第4の態様において、前記クラッチ手段が、前記動力軸に設けられて当該動力軸と一体的に回転する動力軸側櫛歯状部と、前記アーム部材に設けられ、前記動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに前記動力軸側櫛歯状部から離間し、前記動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに前記動力軸側櫛歯状部と噛合可能なアーム側櫛歯状部と、を備えて構成され、前記動力伝達部は、前記第2位置決め手段と係合する被係合部が、前記アーム部材とは別部材に設けられるとともに、前記被係合部と前記アーム部材との間に弾性部材が介在しており、前記被係合部が前記第2位置決め手段からの力を受けて前記第1ポジションから前記第2ポジションに向けて変位する際、前記アーム部材が、前記弾性部材の弾性力を介して変位し、前記第2ポジションでは、前記弾性部材の弾性力により前記アーム側櫛歯状部が前記動力軸側櫛歯状部に圧接することを特徴とする。
アーム部材に動力軸の回転トルクを伝達するクラッチ手段は、動力軸と一体的に回転する動力軸側櫛歯状部と、アーム部材に設けられたアーム側櫛歯状部とにより構成されており、第2位置決め手段がアーム部材を第2ポジションに向けて変位させた際に、両者が噛合するよう構成されている。しかし、第2位置決め手段がアーム部材を第2ポジションに向けて変位させた際に、アーム側櫛歯状部が動力軸側櫛歯状部に噛合せずに歯同士が衝突して破損する虞がある。
そこで本態様においては、動力伝達部において第2位置決め手段と係合する被係合部が、アーム部材とは別部材に構成され、被係合部とアーム部材との間に介在する弾性部材の弾性力を介して変位するよう構成されるので、アーム側櫛歯状部が動力軸側櫛歯状部に噛合せずに歯同士が衝突しても、その位置でアーム部材のみ停止することができ、歯の破損を防止できる。しかも、弾性部材の弾性力によりアーム側櫛歯状部が噛合方向に付勢されるので、動力軸を所定量回転させれば、両者を正しく噛合させることができる。
本発明の第6の態様に係る動力伝達切換装置は、第5の態様において、前記動力軸側櫛歯状部及び前記アーム側櫛歯状部は、互いに接する歯面が、前記動力軸の軸線方向に対し所定の角度を有しており、前記動力軸側櫛歯状部が前記アーム側櫛歯状部に回転トルクを伝達する際に前記歯面に生じる圧力の前記軸線方向成分に対し、前記弾性部材の弾性力が打ち勝って前記アーム側櫛歯状部と前記動力軸側櫛歯状部との圧接状態が維持されることを特徴とする。
動力軸側櫛歯状部及びアーム側櫛歯状部は、互いに接する歯面が、動力軸の軸線方向に対し所定の角度を有している場合、動力軸側櫛歯状部がアーム側櫛歯状部に回転トルクを伝達する際に前記歯面に生じる圧力の軸線方向成分により、アーム側櫛歯状部が動力軸側櫛歯状部から離れようとする傾向が生じ、その際に前記歯面同士が滑ってアーム側櫛歯状部、即ちアーム部材が余計に揺動してしまい、伝達歯車の位置決め精度が低下する虞がある。しかし本態様によれば、弾性部材の弾性力が前記軸線方向成分に打ち勝つように構成されているので、動力軸側櫛歯状部がアーム側櫛歯状部に回転トルクを伝達する際に、アーム部材が余計に揺動してしまうことを防止できる。
本発明の第7の態様に係る動力伝達切換装置は、第5のまたは第6の態様において、前記アーム部材は、前記動力軸を挿通する軸穴が、円筒形状を成すスリーブ部により形成され、前記被係合部は、前記アーム側櫛歯状部および前記動力軸側櫛歯状部を内側に備えるケース部材に形成され、前記ケース部材は、前記動力軸の軸線方向両側に開口部を有し、その一方側の開口部は前記スリーブ部の外周面との間に所定の隙間を成すよう形成され、他方側の開口部は前記動力軸の外周面と摺接するよう形成され、前記動力軸側櫛歯状部は、前記ケース部材の内周面と摺接する鍔部を備えた円筒状部材に形成され、前記第2位置決め手段が前記被係合部を押圧することにより前記ケース部材に生じるモーメントが、当該ケース部材の開口部と前記動力軸との接触部分、および当該ケース部材の内周面と前記円筒状部材の鍔部との接触部分、のこれらによって受け止められることを特徴とする。
上記第4の態様で説明した通り、アーム側櫛歯状部が動力軸側櫛歯状部に噛合せずに歯同士が衝突しても、動力伝達部において第2位置決め手段と係合する被係合部が、アーム部材とは別部材に構成され、被係合部とアーム部材との間に介在する弾性部材の弾性力を介して変位するよう構成されるので、歯の先端同士が衝突した位置でアーム部材が停止することができ、歯の破損を防止できるようになっている。
このとき、被係合部は第2位置決め手段に押され、動力軸の軸線方向にひきつづき変位するが、被係合部が第2位置決め手段に押されることによりケース部材にモーメントが生じる場合がある。そしてこれによりケース部材がアーム部材(スリーブ部)と接触してしまうと、ケース部材がアーム部材を変位させようとするので、アーム側櫛歯状部と動力軸側櫛歯状部の歯の先端同士が強く接して破損する虞がある。しかしながら本態様によれば、上記モーメントが、ケース部材とアーム部材とが接触することなく他の接触部位で受け止められるので、上記のような不具合を防止できる。
本発明の第8の態様に係る動力伝達切換装置は、第4から第7の態様のいずれかにおいて、前記拘束手段が、前記動力伝達部が前記第1ポジションから前記中間ポジションに向けて変位し、その後前記第2ポジションに切り換わる前に前記第1ポジションに向けて戻る過程において、前記アーム部材の揺動動作を拘束することを特徴とする。
本態様によれば、動力伝達部が被駆動部へ動力を伝達する第1ポジションにあるときにアーム部材の揺動動作を拘束する拘束手段が、第1ポジション、中間ポジション、第1ポジション、の順に動力伝達部がポジションを切り換える過程においてアーム部材の揺動動作を拘束するので、伝達歯車が複数の入力歯車のうち一つを選択した状態が維持され、第1ポジションに戻った際に再び選択動作を行うことなく、速やかに元の被駆動部を駆動することができる。
本発明の第9の態様に係る動力伝達切換装置は、第4から第8の態様のいずれかにおいて、前記アーム部材は、前記動力軸の軸線方向にスライド変位する際の変位領域の全てにおいて、少なくとも前記拘束手段によって揺動動作が拘束された状態、及び前記クラッチ手段により前記動力軸の回転トルクが伝達され得る状態、のいずれかに置かれることを特徴とする。
本態様によれば、アーム部材は第1ポジションと第2ポジションとの間を変位する際の変位領域の全てにおいてフリー状態に置かれないので、アーム部材が意図しない揺動動作を行うことがなく、アーム部材の姿勢を正確に制御することができる。
本発明の第10の態様に係る動力伝達切換装置は、第1から第9の態様のいずれかにおいて、前記中間ポジションを保持する保持手段は、前記動力伝達部に設けられた被拘束部と、前記動力伝達部の変位動作に際して前記被拘束部を誘導する誘導路を形成するとともに、前記誘導路に、前記被拘束部の前記第1ポジション側への変位を規制するストッパ部を有するカム部材と、を備えて構成されたことを特徴とする。
本態様によれば、中間ポジションを保持する保持手段が、動力伝達部に設けられた被拘束部と、当該被拘束部と係合するカム部材と、を備えて構成されているので、中間ポジションを保持する保持手段を構造簡単にして且つ低コストに構成することができる。
本発明の第11の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドを備えるとともに、前記記録ヘッドの走査方向に移動可能なキャリッジと、第1から第9の態様のいずれかに係る動力伝達切換装置と、を備えた記録装置であって、前記キャリッジが、前記第2位置決め手段を構成することを特徴とする。
本態様によれば、記録装置において上記第1から第9の態様のいずれかと同様な作用効果を得ることができるとともに、記録装置の既存の構成要素であるキャリッジが、
動力伝達部を第1ポジションに向けて付勢する第1位置決め手段の付勢力に抗して動力伝達部を第1ポジションから第2ポジションに切り換える第2位置決め手段を構成するので、既存の構成要素を利用して装置のコストアップを防止できる。
以下、図1乃至図14を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明に係る記録装置の一実施形態であるインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の用紙搬送経路を示す側断面図、図2は本発明に係る動力伝達切換装置50の正面図及び制御系のブロック図、図3及び図4は本発明に係る動力伝達切換装置50の全体斜視図、
図5〜図7は本発明に係る動力伝達切換装置50の要部斜視図、図8(A)はケース部材65の斜視図、図8(B)はカム部材71の斜視図である。
また、図9〜図13は本発明に係る動力伝達切換装置50をカム部材71を含む平面で切断した断面図であって動作推移を示す図、図14は本発明に係る動力伝達切換装置50をキャリッジ係合部65aを含む平面で切断した断面図である。
<<1.記録装置の構成>>
以下、図1及び図2を参照しながらプリンタ1の全体構成について概説する。プリンタ1は、装置底部に給送装置2を備え、当該給送装置2から、「被記録媒体」の一例としての用紙(主として単票紙:以下「用紙P」と言う)を1枚ずつ給送し、記録手段4において記録(インクジェット記録)を行い、装置前方側(図1において左側)に設けられた図示しない排紙スタッカへ向けて排出される構成を備えている。
以下、用紙搬送経路上の構成要素について更に詳説する。給送装置2は、用紙カセット11と、ピックアップローラ16と、ガイドローラ20と、分離手段21と、を備えている。
複数枚の用紙Pを積層状態で収容可能な用紙カセット11は、給送装置2の装置本体に対し、装置前方側から装着及び取り外し可能に構成されており、PF(用紙送り)モータ9(図2)によって回転駆動されるピックアップローラ16は、揺動軸18を中心に揺動する揺動部材17に設けられ、用紙カセット11に収容された用紙と接して回転することにより、当該最上位の用紙Pを用紙カセット11から送り出す。
用紙カセット11に収容された用紙先端と対向する位置には分離部材12が設けられており、給送されるべき最上位の用紙Pの先端が分離部材12に摺接しつつ下流側に進むことで、次位以降の用紙Pとの第1段階分離が行われる。分離部材12の下流側には自由回転可能なガイドローラ20が設けられ、更にその下流側には、分離ローラ22と駆動ローラ23とを備えて構成された、用紙Pの第2段階分離を行う分離手段21が設けられている。
分離手段21の下流側には、PFモータ9(図2)により回転駆動される駆動ローラ26と、駆動ローラ26との間で用紙Pをニップして従動回転するアシストローラ27と、を備えて構成された第1中間送り部25が設けられており、この第1中間送り部25により、用紙Pが更に下流側へと送られる。尚、符号29は、用紙Pが湾曲反転経路を通過する際の(特に用紙後端が通過する際の)通紙負荷を軽減する従動ローラを示している。
従動ローラ29の下流側にはPFモータ9(図2)により回転駆動される駆動ローラ32と、駆動ローラ32との間で用紙Pをニップして従動回転するアシストローラ33と、を備えて構成された第2中間送り部31が設けられており、この第2中間送り部31により、用紙Pが更に下流側へと送られる。
第2中間送り部31の下流側には、記録手段4が配置されている。記録手段4は、搬送手段5と、記録ヘッド42と、紙案内前39と、排出手段6と、を備えている。搬送手段5は、PFモータ9(図2)によって回転駆動される搬送駆動ローラ35と、該搬送駆動ローラ35に圧接して従動回転するよう紙案内上37に軸支される搬送従動ローラ36とを備えて構成され、この搬送手段5により用紙Pが記録ヘッド42と対向する位置に向けて精密送りされる。
記録ヘッド42はキャリッジ40の底部に設けられ、当該キャリッジ40は主走査方向(図1の紙面表裏方向)に延びるキャリッジガイド軸41にガイドされながら、CR(キャリッジ)モータ8(図2)によって主走査方向に往復動する様に駆動される。尚、キャリッジ40はインクカートリッジを搭載しない所謂オフキャリッジタイプであり、インクカートリッジ(図示せず)がキャリッジ40から独立して設けられ、インク供給チューブ(図示せず)を介してインクカートリッジから記録ヘッド42へとインクが供給されるように構成されている。
記録ヘッド42と対向する位置には紙案内前39が設けられ、当該紙案内前39によって、用紙Pと記録ヘッド42との距離が規定されるようになっている。そして紙案内前39の下流側には、PFモータ9(図2)によって回転駆動される排出駆動ローラ44と、当該排出駆動ローラ44に接して従動回転する排出従動ローラ45とを備えて構成された排出手段6が設けられ、記録手段4によって記録の行われた用紙Pは、排出手段6により、装置前方側に設けられた図示を省略するスタッカへと排出される。以上がプリンタ1の全体構成である。
<<2.動力伝達切換装置の構成及び動作>>
続いて、動力伝達切換装置50の構成について説明する。以下では先ず、図2を参照しながら動力伝達切換装置50の構成について概説する。図2に示すようにプリンタ1は動力源として2つのモータを備えており、その一つがPF(用紙送り)モータ9であり、もう一つがCR(キャリッジ)モータ8である。そしてこれら2つのモータは、制御装置7により制御される。
PFモータ9は、駆動ローラ35(搬送手段5)、駆動ローラ44(排出手段6)、駆動ローラ32(第2中間送り部31)、などの各ローラの共通の駆動源であるとともに、動力伝達切換装置50を介して、給送装置2、ポンプ装置(図示せず)など、プリンタ1において動力を必要とする種々の被駆動部を駆動する。尚、図2において機構A〜機構Fはこれら複数の被駆動部を示しており、以下ではこれら機構A〜機構Fを適宜「被駆動部」と総称することとする。
但し、駆動ローラ35(搬送手段5)、駆動ローラ44(排出手段6)、駆動ローラ32(第2中間送り部31)、などのこれら用紙搬送経路に設けられるローラは、動力伝達切換装置を介さずにPFモータ9と一対一で連結されており、PFモータ9が回転すると、それに応じて常に回転するようになっている。
そして動力伝達切換装置50は、駆動ローラ35を動力軸とし、この駆動ローラ35から回転トルクを受け、被駆動部へと回転トルクを伝達する。尚、符号59A〜59Fは各被駆動部が有する入力歯車を示しており、例えば入力歯車59Aに回転トルクが伝達されると、機構Aが稼働する様になっている。
この動力伝達切換装置50は、駆動ローラ35の軸線方向に沿って位置する第1ポジションと第2ポジションとの間を変位可能に(ポジション切り換え可能に)設けられ、第1ポジションにおいて駆動ローラ35から被駆動部へと駆動ローラ35の回転トルクを伝達する動力伝達部54を備えている。
この動力伝達部54は、駆動ローラ35を挿通させる軸穴を形成するスリーブ部55c(図5〜図7、図9〜図13参照)を備えたアーム部材55を有し、このアーム部材55はスリーブ部55cを介して、駆動ローラ35の軸線方向にスライド変位可能に、且つ符号aで示すように駆動ローラ35を揺動軸として揺動可能に設けられている。
このアーム部材55は、第1遊星歯車57及び「伝達歯車」としての第2遊星歯車58を自由回転可能に備えている。ここでアーム部材55は、第1ポジションにおいて拘束手段(後述)により揺動動作が拘束されるが、第2ポジションにおいては駆動ローラ35を揺動軸として揺動可能となり、揺動することにより、第2遊星歯車58を、複数の入力歯車59A〜59Fのうちいずれか一つと噛合可能な(接続可能な)位置に位置決めする。
但し、この第2ポジションにおいて第2遊星歯車58は、各入力歯車59A〜59Fと実際に噛合しない段違い位置に位置決めされ(図4及び図13参照)、第2ポジションから第1ポジションへと切り換わった際に、第2遊星歯車58が入力歯車59A〜59Fのいずれかと噛合するようになっている。
図5及び図9は、動力伝達部54が第1ポジションにある状態を示している。駆動ローラ35には、当該駆動ローラ35と一体的に回転する駆動歯車56が設けられていて、図示するように第1ポジションにおいては、第1遊星歯車57が駆動歯車56と噛合するようになっている。従って第1ポジションでは、駆動歯車56→第1遊星歯車57→第2遊星歯車58→入力歯車59A〜59Fのいずれか、の順で回転トルクが伝達され、即ちいずれかの被駆動部が駆動されるようになっている。
尚、この第1ポジションは、アーム部材55をフレーム51に向けて付勢する第1位置決め手段(付勢手段)としてのコイルばね68により保持される。より詳しくは、駆動ローラ35の軸端35aにはストッパ63が設けられており、アーム部材55はこのストッパ63とケース部材65(後述)との間に介在するコイルばね68の付勢力により、フレーム51に向けて図9の左方向に付勢された状態に設けられている。従ってこの付勢力によりアーム部材55がフレーム51に当接し、第1ポジションが保持されるようになっている。
また、アーム部材55は、第1ポジションにおいて拘束手段により揺動動作が拘束されるようになっている。より詳しくは、アーム部材55には穴55bが形成されており、フレーム51には位置決めピン52A〜52F(図3及び図4も参照)がアーム部材55の側に向けて突出するように形成されている。
位置決めピン52A〜52Fは、入力歯車59A〜59Fのそれぞれに対応して、それぞれの近傍に設けられており、例えばアーム部材55に設けられた第2遊星歯車58が入力歯車52Aと噛合した状態では、アーム部材55の穴55bに位置決めピン52Aが入り込むことにより、アーム部材55の揺動動作が拘束され、第2遊星歯車58と入力歯車59Aとの噛合状態が維持されるようになっている。
以上により、アーム部材55の穴55bと位置決めピン52A〜52Fが、アーム部材55の揺動動作を拘束する拘束手段を構成する。尚、位置決めピン52A〜52Fは、先端に向かって先細りする形状を成しており、これにより各位置決めピンの先端から穴55bの中心から多少ずれても、穴55bに正しく入り込むようになっている。
続いて、上記の様に構成された動力伝達部54のポジションを切り換えるポジション切り換え手段、およびアーム部材55を揺動させるクラッチ手段61について説明する。図5に示すようにアーム部材55においてスリーブ部55cの端部には、駆動ローラ35の軸線方向に突出する突起(歯)が駆動ローラ35の周方向に沿って所定間隔毎に複数配置されて成るアーム側櫛歯状部55aが形成されている。
また、アーム側櫛歯状部55aと対向する位置には、アーム駆動部材(円筒状部材)66が駆動ローラ35と一体的に回転するよう設けられており、このアーム駆動部材66においてアーム側櫛歯状部55aと対向する位置には、アーム側櫛歯状部55aと同様に駆動ローラ35の軸線方向に突出する突起(歯)が駆動ローラ35の周方向に沿って所定間隔毎に複数配置されて成る動力軸側櫛歯状部66aが形成されている。
アーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aは、図7に示すように動力伝達部54が第2ポジションにあるときに噛合可能に設けられており、この様に噛合することにより、動力伝達部54が第2ポジションにあるときに駆動ローラ35の回転トルクがアーム部材55に伝達され、駆動ローラ35とともにアーム部材55が回転(揺動)するようになっている。
より具体的には、図5及び図14に示すようにアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aを内側に備えるよう円筒形状を成すケース部材65が設けられており、その一方側の開口部から、スリーブ部55cがケース部材65の内側に入り込むように、且つ、当該一方側の開口部の内周面65eが、スリーブ部55cの外周面との間で所定の隙間を成すように形成されている。また、他方側の開口部の内周面65c(図8(A)も参照)が、駆動ローラ35の外周面と摺接するように形成されている。
ケース部材65とアーム部材55との間には、付勢手段としてのコイルばね69が設けられており、ケース部材65がコイルばね68の付勢力に抗して図14の右方向に変位すると、コイルばね69の付勢力を介して、アーム部材55も右方向に(第1ポジションから第2ポジションに向けて)変位する様に構成されている。
ここで、ケース部材65とアーム部材55はコイルばね69を介して係合している為、アーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとが正しく噛み合わずに両者の歯の先端同士が衝突しても、図6に示すようにコイルばね69が縮むことによりアーム部材55(アーム側櫛歯状部55a)が停止したままケース部材65のみが変位することが可能となっている。
従ってアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとが正しく噛み合わずに両者の歯の先端同士が衝突しても、破損等が生じないようになっている。そして両者の歯の先端同士が衝突した状態で駆動ローラ35が所定量回転すれば、図7に示すようにアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとが正しく噛み合うことが可能となる。
そして図7、図13、図14に示すようなアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとが噛合する動力伝達部54の位置が、当該動力伝達部54の第2ポジションであり、この状態で駆動ローラ35が回転すれば、それに応じてアーム部材55が揺動し、第2遊星歯車58を入力歯車59A〜59Fのいずれかと噛合する位置に位置決めすることが可能となる。
尚、この位置決め動作は、位置決めフレーム60(図2)を利用して行われる。即ち、アーム部材55を図2の反時計回り方向に揺動させて位置決めフレーム60に突き当てた状態(即ち、PFモータ9の駆動電流値がしきい値を超えた状態)から、駆動ローラ35を所定の回転量だけ回転させて、第2遊星歯車58を目的の位置に位置決めすることにより行う。尚、駆動ローラ35の回転量は、図示を省略する回転検出手段により検出可能となっている。
以上のように、アーム側櫛歯状部55a及び動力軸側櫛歯状部66aが、動力伝達部54が第1ポジションにあるときにアーム部材55と係合解除し、動力伝達部54が第2ポジションにあるときにアーム部材55と係合して当該アーム部材55に駆動ローラ35の回転トルクを伝達し、当該アーム部材55を揺動させるクラッチ手段61を構成する。
続いて、動力伝達部54のポジション切り換えは、当該動力伝達部54を第1ポジションに向けて付勢するコイルばね68と、このコイルばね68の付勢力に抗して第1ポジションから第2ポジションに向けて変位させる、第2位置決め手段(ポジション切換手段)としてのキャリッジ40と、により行われる。
即ち動力伝達部54は、キャリッジ40が記録領域側にあるときに、つまり動力伝達部54とキャリッジ40とが非係合状態にあるときに、上述した通りコイルばね68の付勢力により第1ポジションを維持する。この状態から、キャリッジ40がホームポジション側(駆動ローラ35の軸端35Aの側)に移動してくると、ケース部材65に形成された被係合部としてのキャリッジ係合部65aがキャリッジ40の側面と係合する。
そして更にキャリッジ40が移動することによりケース部材65が押されて、動力伝達部54が第1ポジションから第2ポジションに変位する。そしてその位置をキャリッジ40が維持する限り、動力伝達部54は第2ポジションを保持する。尚この状態では、アーム側櫛歯状部55aは、コイルばね69の付勢力によって動力軸側櫛歯状部66aに圧接するので、両者の噛合状態が維持される。以上により、キャリッジ40が、動力伝達部54を第1ポジションから第2ポジションに変位させ、更に第2ポジションに保持する第2位置決め手段を構成する。
続いて、動力伝達部54の中間ポジションについて説明する。上述した通り動力伝達部54は第1ポジションと第2ポジションとの間を変位し、第1ポジションでは駆動ローラ35から被駆動部へと回転トルクを伝達し、第2ポジションではアーム部材55の揺動を介して第2遊星歯車58を位置決めする。この第1ポジションと第2ポジションとの間には、中間ポジションが設定されており、且つ保持手段73(後述)によって、コイルばね68の付勢力に抗して、動力伝達部54がキャリッジ40から独立してその中間ポジションを保持可能となっている。
以下、この中間ポジション、およびこれを保持する保持手段73について詳説する。
図8(A)及び図9に示すように、ケース部材65には側方(ケース部材65の変位方向と直交する方向)に向かって突出する突起形状を成す被拘束部65bが形成されており、ケース部材65の側方に設けられたホルダ70には、図3及び図9に示すようにカム部材71が設けられている。
カム部材71は、ホルダ70においてケース部材65の変位方向と直交する方向に延びる軸70aを揺動軸として揺動可能に設けられており、且つ、コイルばね72によってケース部材65に向けて付勢された状態に設けられている。
カム部材71には、図8(B)に示すように被拘束部65bの先端を受け入れる凹部が形成されており、ケース部材65の変位動作に従い、被拘束部65bの先端を同図矢印で示す方向に誘導する誘導路が形成されている。またその誘導路の途中には、被拘束部65b(ケース部材65)の第1ポジション側への変位を規制するストッパ部71bが形成されており、被拘束部65bの先端が第1凹部71aからストッパ部71bの側に進み、ストッパ部71bを乗り越えると、その状態から矢印で示す誘導方向とは逆の方向に進むことができないように(第1凹部71aの側には戻れないように)構成されている。
このストッパ部71bは、ケース部材65(即ち動力伝達部54)が第1ポジションと第2ポジションとの間の中間ポジションに位置するときに当該ケース部材65の第1ポジション側への戻りを規制する位置に配置されている。これにより動力伝達部54は、コイルばね68の付勢力に抗して、キャリッジ40から独立してその中間ポジションを保持可能となる。以上により、ケース部材65に形成された被拘束部65bとカム部材71とが、動力伝達部54を中間ポジションに保持する保持手段73を構成する。
以下、図9乃至図13を参照しながらこの中間ポジションについて更に説明する。図9は動力伝達部54が第1ポジションにある状態を示しており、この状態では、上述の通り駆動ローラ35に設けられた駆動歯車56から、第1遊星歯車57、第2遊星歯車58を介して、被駆動部へと回転トルクが伝達される。尚、図9乃至図13では、説明の便宜上入力歯車59Aに回転トルクを伝達する場合を示しており、本来であれば図に表れるべき入力歯車59B〜59Fや、位置決めピン52B〜52Fについては、図の簡略化の為に図示を省略している。
この状態では被拘束部65bはカム部材71の第1凹部71aに位置しており、そしてこの状態からキャリッジ40がケース部材65のキャリッジ係合部65aを押すことにより動力伝達部54が図の右方向に変位すると、被拘束部65bがカム部材71のストッパ部71bを乗り越え、図10に示すように第1ポジション側への復帰が規制された状態、即ち動力伝達部54が中間ポジションに保持された状態となる。
この中間ポジションでは、駆動歯車56と第1遊星歯車57との噛合状態が解除され、且つ、第2遊星歯車58と入力歯車59Aとの噛合状態も解除された状態となる。しかしながら、アーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとは噛合しておらず、従ってこの中間ポジションでは駆動ローラ35の回転に伴い被駆動部に回転トルクが伝達されず、且つアーム部材55にも回転トルクが伝達されない状態となる。即ち動力伝達部54の中間ポジションは、駆動ローラ35と接続しない非接続ポジションとなる。
尚、この中間ポジションでは、位置決めピン52Aがアーム部材55の穴55bから外れておらず、第2遊星歯車58の位置決め状態(入力歯車59Aを選択した状態)が維持される。そして、この中間ポジションから第2ポジションに切り換わる前に第1ポジションに向けて戻る過程において、位置決めピン52Aがアーム部材55の穴55bに入り込んだ状態が維持され、即ちアーム部材55の揺動動作が拘束されるようになっている。
続いて更にキャリッジ40がホーム側に移動すると、図11に示すように被拘束部65bの先端がカム部材71の第2凹部71cに移動する。尚、この第2凹部71cはストッパ部71bより一段低く形成されており、従って被拘束部65bの先端が第2凹部71cに移動すると、図8(B)に示す誘導方向(矢印)とは逆方向に移動してストッパ部71bと係合する位置には戻れないようになっている。
但しこの状態からキャリッジ40が記録領域側に離れると、被拘束部65bはその先端が図8(B)の矢印で示した軌跡に沿って移動し(突起71dの下側を通る)、第1凹部71aへと戻ることができる。この様に動力伝達部54は、第1ポジションから中間ポジションに切り換わった後、第2ポジションに切り換わる前に第1ポジションに戻ることができる。
図11に戻って、被拘束部65bの先端がカム部材71の第2凹部71cに移動した際に、アーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとが正しく噛合せず両者の歯の先端同士が衝突する場合がある。しかし、上述した通りケース部材65のみが図中右方向に移動することができ、その後駆動ローラ35の所定量の回転により、アーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとが図12、図13に示すように正しく噛合することができる。
尚、図12に示すようにアーム部材55の穴55bから位置決めピン52Aが外れようとするとき、アーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとの噛合が既に開始している様に構成されている。即ち、アーム部材55は、第1ポジションと第2ポジションとの間の変位領域の全てにおいてフリーな状態には置かれず、位置決めピン52Aによって揺動動作が拘束された状態、或いはアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとが噛合して駆動ローラ35から回転トルクが伝達され得る状態、のいずれかに必ず置かれるようになっている。
また、アーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとの噛合状態(圧接状態)において、両者を噛み合い方向に付勢するコイルばね69の弾性力が、両者の圧接状態を維持する大きさに設定されている。即ち、図14においてアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aは、互いに接する歯面が、駆動ローラ35の軸線方向に対して所定の角度を有しており、このため動力軸側櫛歯状部66aがアーム側櫛歯状部55aに回転トルクを伝達する際に歯面に生じる圧力Fは、駆動ローラ35の軸線方向に平行な成分f1と、前記軸線方向に直交する成分f2と、に分解できる。
ここで、成分f1が大きくなると、アーム側櫛歯状部55aがコイルばね69の弾性力に抗して図14の左方向、即ち動力軸側櫛歯状部66aとの噛合を解消する方向に動き、このときにアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとの噛み合い歯面が滑って、アーム部材55が僅かに揺動してしまうことになる。そこで、この様な揺動を防止する為に、コイルばね69の弾性力が、力f1に打ち勝ってアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとの圧接状態を維持する大きさに設定されている。
また、キャリッジ40がキャリッジ係合部65aを図14の右方向に押す際、ケース部材65には同図時計回り方向のモーメントが生じるが、このモーメントが、ケース部材65の一方側の開口部の内周面65cと駆動ローラ35との接触部分、およびケース部材65の内周面65dとアーム駆動部材66の鍔部66bとの接触部分、のこれらによって受け止められるよう構成されている。即ち、上記モーメントにより、アーム部材55のスリーブ部55cとケース部材65とが接触しないように構成されている。
続いて図13に戻り、同図に示す動力伝達部54の第2ポジションから、キャリッジ40が記録領域側に移動してキャリッジ係合部65aから離れていくと、動力伝達部54はコイルばね68の付勢力により第1ポジション側に戻される。このとき、被拘束部65bはカム部材71の突起71dの下側を通り、即ち図8(B)の矢印で示す誘導方向に沿って移動し、再び第1凹部71aに戻る。
以上が動力伝達切換装置50の動作である。
<<3.動力伝達切換装置の作用効果>>
以下、動力伝達切換装置50の作用効果について説明する。
(1)動力伝達部54は、コイルばね68の付勢力により保持される第1ポジション、キャリッジ40により保持される第2ポジション、のこれらに加え、保持手段73によりキャリッジ40から独立して保持可能な中間ポジションを備えている。即ち、キャリッジ40がホームポジション側に留まることなく保持可能なポジションとして、第1ポジションに加えて更に中間ポジションが設定されるので、キャリッジ40の動作の自由度を確保することができる。
(2)キャリッジ40により動力伝達部54を第1ポジションから中間ポジションに変位させるワンアクションのみで、更に追加の動作を介在させることなく動力伝達部54を中間ポジションに迅速に切り換えることが可能となる。
(3)動力伝達部54の中間ポジションは、当該動力伝達部54が駆動ローラ35と接続しない非接続ポジションであるので、動力伝達部54の中間ポジションにおいて駆動ローラ35の自由な回転動作を確保することができる。
(4)キャリッジ40と係合するキャリッジ係合部65aが、アーム部材55とは別部材であるケース部材65に形成され、キャリッジ係合部65aがキャリッジ40により押された際に、キャリッジ係合部65a(ケース部材65)とアーム部材55との間に介在するコイルばね69(弾性部材)の弾性力を介してアーム部材55が変位するよう構成されている。
この為、アーム側櫛歯状部55aが動力軸側櫛歯状部66aに噛合せずに歯の先端同士が衝突しても、その位置でアーム部材55が停止することができ、歯の破損を防止できる。しかも、コイルばね69の弾性力によりアーム側櫛歯状部55aが噛合方向に付勢されるので、駆動ローラ35を所定量回転させれば、両者を正しく噛合させることができる。
(5)アーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとの噛合状態において、両者を噛み合い方向に付勢するコイルばね69の弾性力が、アーム側櫛歯状部55aが動力軸側櫛歯状部66aから離れずに圧接状態を維持できる大きさに設定されている。これによりアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとの噛み合い歯面が滑って、アーム部材55が僅かに揺動してしまうことが防止されているので、アーム部材55が意図しない揺動動作を行うことにより、第2遊星歯車58の位置決め精度が低下してしまうことを防止できる。
(6)キャリッジ40がキャリッジ係合部65aを押す際、ケース部材65に生じるモーメントにより、アーム部材55のスリーブ部55cとケース部材65とが接触しないように構成されている。これにより、アーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aの歯同士が当接した状態で、アーム部材55が更に噛み合い方向に変位しようとすることによりアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aの歯同士が強く接触し、破損することを防止できる。
(7)動力伝達部54が第1ポジションから中間ポジションに変位し、その後第2ポジションに切り換わる前に第1ポジションに向けて戻る過程において、アーム部材55の揺動動作が拘束されるので、第2遊星歯車58が入力歯車59A〜59Fのうちいずれか一つを選択した状態が維持され、第1ポジションに戻った際に再び選択動作を行うことなく、速やかに元の被駆動部を駆動することができる。
(8)アーム部材55は、第1ポジションと第2ポジションとの間の変位領域の全てにおいてフリーな状態には置かれず、位置決めピン52A〜52Fによって揺動動作が拘束された状態、或いはアーム側櫛歯状部55aと動力軸側櫛歯状部66aとが噛合して駆動ローラ35から回転トルクが伝達され得る状態、のいずれかに必ず置かれるようになっている。従って、アーム部材55が意図しない揺動動作を行うことがなく、アーム部材55の姿勢を正確に制御することができる。
尚、以上においては本発明に係る動力伝達切換装置を、記録装置の一例であるインクジェットプリンタに適用した場合の構成例及びその作用効果について説明したが、これに限られず、他の様々な装置に適用可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係るプリンタの用紙搬送経路を示す側断面図。 本発明に係る動力伝達切換装置の正面図及び制御系のブロック図。 本発明に係る動力伝達切換装置の全体斜視図。 本発明に係る動力伝達切換装置の全体斜視図。 本発明に係る動力伝達切換装置の要部斜視図。 本発明に係る動力伝達切換装置の要部斜視図。 本発明に係る動力伝達切換装置の要部斜視図。 (A)はケース部材の斜視図、(B)はカム部材の斜視図。 本発明に係る動力伝達切換装置の断面図。 本発明に係る動力伝達切換装置の断面図。 本発明に係る動力伝達切換装置の断面図。 本発明に係る動力伝達切換装置の断面図。 本発明に係る動力伝達切換装置の断面図。 本発明に係る動力伝達切換装置の断面図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、3 給送装置、4 記録手段、5 搬送手段、6 排出手段、7 制御装置、8 キャリッジ(CR)モータ、9 搬送(PF)モータ、11 用紙カセット、12 分離部材、16 ピックアップローラ、17 揺動部材、18 揺動軸、20 従動ローラ、21 分離手段、22 分離ローラ、23 駆動ローラ、25 第1中間送り部、26 駆動ローラ、27 アシストローラ、29 従動ローラ、31 第2中間送り部、32 駆動ローラ、33 アシストローラ、35 搬送駆動ローラ、36 搬送従動ローラ、37 紙案内上、39 紙案内前、40 キャリッジ、41 キャリッジガイド軸、42 記録ヘッド、44 排出駆動ローラ、45 排出従動ローラ、
50 動力伝達切換装置、51 フレーム部材、52A〜52F 固定ピン、54 動力伝達部、55 アーム部材、55a アーム側櫛歯状部、55b 穴、55c スリーブ部、56 駆動歯車、57 第1遊星歯車、58 第2遊星歯車、59A〜59F 入力歯車、60 位置決めフレーム、61 クラッチ手段、63 ストッパ、65 ケース部材、65a キャリッジ係合部、65b 被拘束部、65c 内周面、65d 内周面、66 アーム駆動部材、66a 駆動軸側櫛歯状部、66b 鍔部、68、69 コイルばね、70 ホルダ、70a 軸、71 カム部材、71a 第1凹部、71b ストッパ部、71c 第2凹部、71d 突起、72 コイルばね、73 保持手段、P 記録用紙

Claims (11)

  1. 回転駆動される動力軸と、
    前記動力軸を動力源とする被駆動部と、
    前記動力軸の軸線方向に沿って位置する第1ポジションと第2ポジションとの間を変位可能な動力伝達部と、
    前記動力伝達部を前記第1ポジションに位置決めする第1位置決め手段、および前記動力伝達部を前記第2ポジションに位置決めする第2位置決め手段と、を備え、
    前記動力伝達部ポジション切り換えにより、前記動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに前記被駆動部及び前記動力伝達部のうち前記被駆動部に前記動力軸の回転トルクが伝達され、前記動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに前記被駆動部及び前記動力伝達部のうち前記動力伝達部に前記動力軸の回転トルクが伝達される構成を備え
    前記動力伝達部は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間に、前記被駆動部及び前記動力伝達部の双方が前記動力軸から回転トルクを受けないポジションである、少なくとも1つの中間ポジションを有するとともに、前記中間ポジションを保持する保持手段により、前記第1位置決め手段及び前記第2位置決め手段から独立して前記中間ポジションを保持可能であることを特徴とする動力伝達切換装置。
  2. 回転駆動される動力軸と、
    前記動力軸の軸線方向に沿って位置する第1ポジションと第2ポジションとの間を変位することによりポジション切り換え可能に設けられ、前記動力軸を動力源とする被駆動部へと前記動力軸の回転トルクを伝達する動力伝達部と、
    前記動力伝達部を前記第1ポジションに向けて付勢することにより前記動力伝達部を前記第2ポジションから前記第1ポジションに向けて変位させ、更に当該第1ポジションに前記動力伝達部を位置決めする第1位置決め手段と、
    前記動力軸の軸線方向に沿って変位可能であるとともに前記動力伝達部と係合可能に設けられ、前記第1位置決め手段の付勢力に抗して前記動力伝達部を前記第1ポジションから前記第2ポジションに向けて変位させ、更に前記軸線方向における位置を保持することにより当該第2ポジションに前記動力伝達部を位置決めする第2位置決め手段と、を備え、
    前記動力伝達部ポジション切り換えにより、前記動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに前記被駆動部及び前記動力伝達部のうち前記被駆動部に前記動力軸の回転トルクが伝達され、前記動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに前記被駆動部及び前記動力伝達部のうち前記動力伝達部に前記動力軸の回転トルクが伝達される構成を備え
    前記動力伝達部は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間に、前記被駆動部及び前記動力伝達部の双方が前記動力軸から回転トルクを受けないポジションである、少なくとも1つの中間ポジションを有するとともに、前記中間ポジションを保持する保持手段により、前記第2位置決め手段から独立して、前記第1位置決め手段の付勢力に抗して前記中間ポジションを保持可能であることを特徴とする動力伝達切換装置。
  3. 請求項1または2に記載の動力伝達切換装置において、前記動力伝達部の中間ポジションは、当該動力伝達部が前記動力軸と接続しない非接続ポジションである、
    ことを特徴とする動力伝達切換装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の動力伝達切換装置において、前記被駆動部を複数有するとともに、各々の被駆動部は、前記動力軸の軸心を中心とする円周上に配置された入力歯車を備え、
    前記動力伝達部が、前記動力軸を挿通させる軸穴を有し、当該軸穴を介して前記動力軸の軸線方向にスライド変位可能に、且つ前記動力軸を揺動軸として揺動可能に設けられるともに、当該動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに拘束手段によって揺動動作が拘束され、当該動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに前記拘束手段による拘束が解除されて揺動可能となるアーム部材と、
    前記アーム部材に設けられ、前記動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに、複数の前記入力歯車のうち一つの入力歯車と噛合して前記動力軸の回転トルクを前記入力歯車へと伝達し、当該動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに、前記入力歯車と噛合しない段違い位置に位置決めされるとともに前記アーム部材の揺動動作を介して複数の前記入力歯車のうち一つの入力歯車と接続可能な位置に位置決めされる伝達歯車と、
    前記動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに前記アーム部材と係合解除し、前記動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに前記アーム部材と係合して当該アーム部材に前記動力軸の回転トルクを伝達し、前記アーム部材を揺動させるクラッチ手段と、
    を備えて構成されていることを特徴とする動力伝達切換装置。
  5. 請求項4に記載の動力伝達切換装置において、前記クラッチ手段が、前記動力軸に設けられて当該動力軸と一体的に回転する動力軸側櫛歯状部と、
    前記アーム部材に設けられ、前記動力伝達部が前記第1ポジションにあるときに前記動力軸側櫛歯状部から離間し、前記動力伝達部が前記第2ポジションにあるときに前記動力軸側櫛歯状部と噛合可能なアーム側櫛歯状部と、を備えて構成され、
    前記動力伝達部は、前記第2位置決め手段と係合する被係合部が、前記アーム部材とは別部材に設けられるとともに、前記被係合部と前記アーム部材との間に弾性部材が介在しており、
    前記被係合部が前記第2位置決め手段からの力を受けて前記第1ポジションから前記第2ポジションに向けて変位する際、前記アーム部材が、前記弾性部材の弾性力を介して変位し、前記第2ポジションでは、前記弾性部材の弾性力により前記アーム側櫛歯状部が前記動力軸側櫛歯状部に圧接する、
    ことを特徴とする動力伝達切換装置。
  6. 請求項5に記載の動力伝達切換装置において、前記動力軸側櫛歯状部及び前記アーム側櫛歯状部は、互いに接する歯面が、前記動力軸の軸線方向に対し所定の角度を有しており、
    前記動力軸側櫛歯状部が前記アーム側櫛歯状部に回転トルクを伝達する際に前記歯面に生じる圧力の前記軸線方向成分に対し、前記弾性部材の弾性力が打ち勝って前記アーム側櫛歯状部と前記動力軸側櫛歯状部との圧接状態が維持される、
    ことを特徴とする動力伝達切換装置。
  7. 請求項5または6に記載の動力伝達切換装置において、前記アーム部材は、前記動力軸を挿通する軸穴が、円筒形状を成すスリーブ部により形成され、
    前記被係合部は、前記アーム側櫛歯状部および前記動力軸側櫛歯状部を内側に備えるケース部材に形成され、
    前記ケース部材は、前記動力軸の軸線方向両側に開口部を有し、その一方側の開口部は前記スリーブ部の外周面との間に所定の隙間を成すよう形成され、他方側の開口部は前記動力軸の外周面と摺接するよう形成され、
    前記動力軸側櫛歯状部は、前記ケース部材の内周面と摺接する鍔部を備えた円筒状部材に形成され、
    前記第2位置決め手段が前記被係合部を押圧することにより前記ケース部材に生じるモーメントが、当該ケース部材の開口部と前記動力軸との接触部分、および当該ケース部材の内周面と前記円筒状部材の鍔部との接触部分、のこれらによって受け止められる、
    ことを特徴とする動力伝達切換装置。
  8. 請求項4から7のいずれか1項に記載の動力伝達切換装置において、前記拘束手段が、前記動力伝達部が前記第1ポジションから前記中間ポジションに向けて変位し、その後前記第2ポジションに切り換わる前に前記第1ポジションに向けて戻る過程において、前記アーム部材の揺動動作を拘束する、
    ことを特徴とする動力伝達切換装置。
  9. 請求項4から8のいずれか1項に記載の動力伝達切換装置において、前記アーム部材は、前記動力軸の軸線方向にスライド変位する際の変位領域の全てにおいて、少なくとも前記拘束手段によって揺動動作が拘束された状態、及び前記クラッチ手段により前記動力軸の回転トルクが伝達され得る状態、のいずれかに置かれることを特徴とする動力伝達切換装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の動力伝達切換装置において、前記中間ポジションを保持する保持手段は、前記動力伝達部に設けられた被拘束部と、
    前記動力伝達部の変位動作に際して前記被拘束部を誘導する誘導路を形成するとともに、前記誘導路に、前記被拘束部の前記第1ポジション側への変位を規制するストッパ部を有するカム部材と、を備えて構成されたことを特徴とする動力伝達切換装置。
  11. 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドを備えるとともに、前記記録ヘッドの走査方向に移動可能なキャリッジと、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の動力伝達切換装置と、を備えた記録装置であって、
    前記キャリッジが、前記第2位置決め手段を構成することを特徴とする記録装置。
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