JP2016217368A - 駆動力伝達機構及び記録装置 - Google Patents

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Yosuke Nakano
洋介 中野
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【課題】駆動源の駆動力により駆動される駆動対象の誤作動を抑制、あるいは防止できる駆動力伝達機構及び記録装置を提供する。【解決手段】駆動力伝達機構は、第1の方向及びその反対の第2の方向に回転可能であり、駆動源からの駆動力を受けて前記第2の方向に回転する場合、第1の駆動対象に前記駆動力を伝達する第1の歯車と、前記第1の歯車に対して相対回転可能であり、前記第1の歯車が前記第1の方向に回転する場合に前記第1の歯車から前記駆動力を受けて前記第1の歯車とともに前記第1の方向に回転して第2の駆動対象へ前記駆動力を伝達し、前記第1の歯車が前記第2の方向に回転する場合に前記第1の歯車に対して空転する第2の歯車と、前記第1の歯車と前記第2の歯車とを軸線方向に沿って個別に受ける軸とを備える。【選択図】図13

Description

本発明は、被記録媒体に記録を行う記録装置及び当該記録装置における駆動源からの駆動力を伝達する駆動力伝達機構に関する。
本願において、記録装置には、所定方向に記録ヘッドが移動しながら記録を行うシリアルプリンター、記録ヘッドが移動しないラインプリンター、及びこれらプリンター機能を備える複写機、ファクシミリ等の種類が含まれるものとする。
記録装置の一例であるインクジェットプリンターにおいて、複数の被記録媒体給送手段を1つの駆動モーター(駆動源)で駆動する構成が採られている場合がある。この構成では、前記駆動モーターと各被記録媒体給送手段との間に、動力伝達手段が設けられている。この動力伝達手段は、遊星歯車機構等で構成され、駆動モーターからの動力を選択的に一の被記録媒体給送手段に伝達し、他の被記録媒体給送手段への動力の伝達を切断するように構成されている。
このような動力を選択的に切り換えて複数の被記録媒体給送手段に伝達する手段の一例として、ワンウェイクラッチ(一方向クラッチ)と呼ばれるものがある。前記一方向クラッチは、前記駆動モーターの回転方向が例えば、正転である場合、前記被記録媒体給送手段へ前記駆動モーターの動力を伝達し、前記駆動モーターの回転方向が逆転である場合、前記被記録媒体給送手段へ前記駆動モーターの動力を伝達しないようにすることができる。
特許文献1には、前記一方向クラッチの一例が記載されている。この一方向クラッチは、内歯車を有するアウタ部材と、当該アウタ部材と同軸上で相対回転可能であり、かつ外周部に凹部を有するインナ部材と、前記凹部内に配置され、前記内歯車と噛合して回動可能な遊星歯車とを備えている。
特開平10−331941号公報
この一方向クラッチにおいて、前記遊星歯車を受け入れている前記凹部には、複数の突起が設けられている。前記一方向クラッチにおいて前記アウタ部材に対して前記インナ部材が一方の側へ回転する場合、その回転に伴って前記遊星歯車が前記凹部内で自由に回動し、前記アウタ部材は前記インナ部材に対して空転する。
また、前記一方向クラッチにおいて前記アウタ部材に対して前記インナ部材が他方の側へ回転する場合、前記凹部内に設けられた前記突起が前記遊星歯車の歯と係合し、前記凹部内における前記遊星歯車の回動が規制される。そして、前記遊星歯車は前記内歯車に対してロック状態となり、前記インナ部材と前記アウタ部材とが一体に前記他方の側へ回転する。
ところで、特許文献1に記載の一方向クラッチでは、インナ部材の中心部に駆動軸が挿入されたボスが設けられており、当該ボスの外周面にはアウタ部材に設けられた環状ボスが回動自在に外嵌されている。すなわち、前記一方向クラッチでは、前記インナ部材の前記ボスが前記アウタ部材の軸受けとして機能している。
この構成では、例えば前記インナ部材に対して前記アウタ部材が前記他方の側へ回転する場合、前記環状ボスも前記他方の側に回転する。そして、前記環状ボスの前記他方の側への回転に伴い、前記環状ボスと当該環状ボスを受けている前記インナ部材の前記ボスとの間には摩擦力が生じる。そして、この摩擦力は前記アウタ部材に対して空転している前記インナ部材を前記他方の側へと回転させようと作用する。これにより、アウタ部材が回転し、前記インナ部材が当該アウタ部材に対して空転する場合において、前記インナ部材が前記摩擦力により前記アウタ部材に連れられて回転させられる虞がある。また、同様にインナ部材が回転し、前記アウタ部材が当該インナ部材に対して空転する場合においても、前記アウタ部材が前記摩擦力により前記インナ部材に連れられて回転させられる虞がある。
また、プリンターにおいて1つの駆動モーターにより複数の被記録媒体給送手段を駆動する構成において、前記一方向クラッチのインナ部材により第1の被記録媒体給送手段が駆動され、前記アウタ部材により第2の被記録媒体給送手段が駆動される場合、前記インナ部材が前記アウタ部材の回転に連れられて前記一方の側に回転すると、前記第2の被記録媒体給送手段が駆動中にも関わらず、本来停止していなければならないはずの前記第1の被記録媒体給送手段が駆動される虞がある。
そして、前記第1の被記録媒体給送手段において本来駆動される方向と逆の方向に駆動させられるので、想定されていない動作により前記第1の被記録媒体給送手段や前記被記録媒体が損傷する虞がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、駆動源の駆動力により駆動される駆動対象の誤作動を抑制、あるいは防止できる駆動力伝達機構及び記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様の駆動力伝達機構は、第1の方向及びその反対の第2の方向に回転可能であり、駆動源からの駆動力を受けて前記第2の方向に回転する場合、第1の駆動対象に前記駆動力を伝達する第1の歯車と、前記第1の歯車に対して相対回転可能であり、前記第1の歯車が前記第1の方向に回転する場合に前記第1の歯車から前記駆動力を受けて前記第1の歯車とともに前記第1の方向に回転して第2の駆動対象へ前記駆動力を伝達し、前記第1の歯車が前記第2の方向に回転する場合に前記第1の歯車に対して空転する第2の歯車と、前記第1の歯車と前記第2の歯車とを軸線方向に沿って個別に受ける軸とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の歯車及び前記第2の歯車は前記軸により個別に受けられるので、前記第2の歯車が前記第1の歯車に対して空転する際、前記第1の歯車の駆動力が前記第2の歯車に伝わることを抑制できる。その結果、前記第2の歯車が前記第1の歯車に対して空転する際、前記第2の歯車に前記第1の歯車の駆動力が伝達されて前記第2の歯車が前記第1の歯車の回転方向と同じ方向に回転することを抑制できる。これにより、前記第2の歯車により駆動される前記第2の駆動対象に誤って駆動力が伝達されることを防ぎ、前記第2の駆動対象が誤作動することを抑制できる。すなわち、駆動源の駆動力により駆動される駆動対象の誤作動を抑制、あるいは防止できる。
本発明の第2の態様の駆動力伝達機構は、第1の態様において、前記第1の歯車と前記第2の歯車とは前記軸の半径方向において非接触であることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の歯車と前記第2の歯車とは前記軸の半径方向において非接触であるので、前記第2の歯車が前記第1の歯車に対して空転する際、前記第2の歯車に前記第1の歯車の駆動力が伝達されることを確実に抑制できる。その結果、前記第2の駆動対象が誤作動することを抑制でき、駆動源の駆動力により駆動される駆動対象の誤作動をより確実に抑制、あるいは防止できる。
本発明の第3の態様の駆動力伝達機構は、第1または第2の態様において、前記第1の歯車は前記軸の軸線方向における前記第2の歯車に対する位置決め部を有し、前記位置決め部は前記軸の外周面と面していることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の歯車は前記軸の軸線方向における前記第2の歯車に対する位置決め部を有し、前記位置決め部は前記軸の外周面と面しているので、前記軸からの前記位置決め部までの距離を短くできる。これにより、前記第1の歯車の前記位置決め部が前記第2の歯車に接触した状態で前記第2の歯車が前記第1の歯車に対して空転する場合、前記位置決め部と第2の歯車との間で生じる摩擦力による回転トルクを小さくすることができる。その結果、前記第2の歯車が前記第1の歯車に対して空転する際、前記第2の歯車が前記第1の歯車の回転方向と同じ方向に回転することを抑制できる。
本発明の第4の態様の駆動力伝達機構は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記第1の歯車と前記第2の歯車との間に、前記第2の歯車と噛合する内歯車を有し、前記内歯車は、前記第1の方向に前記第1の歯車が回転する際、前記第2の歯車に対する相対回転が規制されて前記第2の歯車を前記第1の歯車とともに前記第1の方向に回転させ、前記第2の方向に前記第1の歯車が回転する際、前記第2の歯車に対して相対回転して前記第2の歯車を前記第1の歯車に対して空転させ、前記第1の歯車及び前記第2の歯車の半径方向において、少なくとも前記軸から離れた位置では、前記内歯車のみが前記第2の歯車と接触することを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の歯車及び前記第2の歯車の半径方向において、少なくとも前記軸から離れた位置において前記内歯車のみが前記第2の歯車と接触するので、前記第1の歯車と前記第2の歯車との接触経路を限定することができ、前記第1の歯車から前記第2の歯車へ誤って駆動力が伝達されることを防ぐことができる。その結果、前記第2の駆動対象が誤作動することを抑制できる。
本発明の第5の態様の駆動力伝達機構は、第1から第4のいずれか一の態様において、当該駆動力伝達機構はフレーム部材に設けられ、前記軸は前記フレーム部材に固定されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記軸は前記フレーム部材に固定されているので、前記第1の歯車及び前記第2の歯車の少なくとも一方が回転する際、前記軸が前記第1の歯車及び前記第2の歯車とともに回転することを防止できる。そして、前記第1の歯車及び前記第2の歯車は前記軸にそれぞれ独立して取り付けられているので、前記第1の歯車が回転した際、前記軸が前記第1の歯車と同じ方向に回転し、その回転により前記第2の歯車が前記第1の歯車と同じ方向に回転することを防止できる。すなわち、前記第2の歯車が前記第1の歯車に対して空転する際、前記第2の歯車に前記軸を介して前記第1の歯車の駆動力が伝達されることを防止できる。
本発明の第6の態様の駆動力伝達機構は、第5の態様において、前記軸は前記フレーム部材と一体に形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記軸は前記フレーム部材と一体に形成されているので、上記作用効果を得ると共に部品数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
本発明の第7の態様の駆動力伝達機構は、第5の態様において、前記軸には回り止め部が設けられ、当該軸は前記フレーム部材に対して回転不能に取り付けられていることを特徴とする。
前記軸には回り止め部が設けられ、当該軸は前記フレーム部材に対して回転不能に取り付けられているので、前記軸が前記第1の歯車及び前記第2の歯車とともに回転することを確実に防止できる。
本発明の第8の態様の駆動力伝達機構は、第5から第7のいずれか一の態様において、前記フレーム部材には、前記軸の中心から所定の距離を半径とする同心円上において、前記フレーム部材から前記軸線方向に突出し、前記同心円の少なくとも一部に対応する円弧状の規制部が設けられ、前記規制部は、前記軸に取り付けられた前記第1の歯車の少なくとも一部に受け入れられ、前記第1の歯車の前記軸に対する倒れを規制することを特徴とする。
本態様によれば、円弧状の規制部は、前記軸に取り付けられた前記第1の歯車の少なくとも一部に受け入れられ、前記第1の歯車の前記軸に対する倒れを規制する。その結果、前記第1の歯車の回転精度の低下を抑制でき、前記駆動源からの駆動力の伝達を円滑にすることができる。
本発明の第9の態様の駆動力伝達機構は、第1から第8のいずれか一の態様において、前記軸線方向における前記第1の歯車の一方の側には前記第2の歯車が配置され、他方の側には前記第2の歯車と反対の側に突出し、前記軸が挿入される突出部を備え、前記突出部の外周面には前記第1の歯車の他方の側の面から前記軸線方向に沿って延び、前記突出部と一体化している複数のリブが設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の歯車において前記軸線方向における前記第1の歯車の一方の側には前記第2の歯車が配置され、他方の側には前記第2の歯車と反対の側に突出し、前記軸が挿入される突出部を備え、前記突出部の外周面には前記第1の歯車の他方の側の面から前記軸線方向に沿って延び、前記突出部と一体化している複数のリブが設けられているので、前記軸に対する前記第1の歯車の倒れを抑制し、前記第1の歯車の回転精度の低下を抑制できる。その結果、前記駆動源からの駆動力の伝達を円滑にすることができる。
本発明の第10の態様の駆動力伝達機構は、第1回転体と、前記第1回転体と同軸で回転する回転体であって、駆動源からの駆動力を受け、外周側において他の回転体に駆動力を伝達し、内周側において前記第1回転体に駆動力を伝達する第2回転体と、前記第1回転体と前記第2回転体との間に介在し、前記第2回転体が第1方向に回転する際にのみ前記第1回転体に駆動力を伝達する一方向回転機構と、前記第1回転体及び前記第2回転体の共通の回転軸と、を備え、前記第2回転体は、前記第1方向とは逆の第2方向に回転して前記他の回転体に駆動力を伝達する際、回転半径方向成分を含む外力を受け、前記回転半径方向成分の力が、前記第1回転体を介さずに前記第2回転体から前記回転軸に作用する構成を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1回転体及び前記第2回転体の共通の回転軸を備え、前記第2回転体は、前記第1方向とは逆の第2方向に回転して前記他の回転体に駆動力を伝達する際、回転半径方向成分を含む外力を受け、前記回転半径方向成分の力が、前記第1回転体を介さずに前記第2回転体から前記回転軸に作用する構成を備えるので、前記第2回転体から前記第1回転体に誤って前記回転半径方向成分の力が伝達されることを抑制できる。
本発明の第11の態様の記録装置は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の駆動力伝達機構と、前記駆動力伝達機構に駆動力を供給する駆動源と、前記被記録媒体を収容し、前記駆動源の駆動力を得て、前記被記録媒体を給送経路の下流側方向に給送する、前記第1の駆動対象としての第1の給送手段と、前記被記録媒体を収容し、前記駆動源の駆動力を得て、前記被記録媒体を給送経路の下流側方向に給送する、前記第2の駆動対象としての第2の給送手段とを備え、前記駆動力伝達機構は、前記駆動源の駆動力を前記第1の歯車から前記第1の給送手段へと伝達する第1の動力伝達経路と、前記駆動源の駆動力を前記第1の歯車から前記第2の歯車を介して前記第2の給送手段へと伝達する第2の動力伝達経路と、を有し、前記第1の動力伝達経路は、前記駆動源の駆動力が前記第2の動力伝達経路を介して前記第2の給送手段に伝達される際、前記第1の動力伝達経路における駆動力の伝達を切断する駆動力切断手段を有し、前記第1の歯車が前記第1の方向に回転する場合、前記第1の動力伝達経路の駆動力伝達が切断され、前記第2の動力伝達経路により伝達された前記駆動源の駆動力により前記第2の給送手段が駆動され、前記第1の歯車が前記第2の方向に回転する場合、前記第1の動力伝達経路により伝達された前記駆動源の駆動力により前記第1の給送手段が駆動されることを特徴とする。
本態様によれば、上記作用効果を得ると共に、前記駆動源の駆動力が前記第2の動力伝達経路を介して前記第2の給送手段に伝達される際、前記前記第1の動力伝達経路における駆動力の伝達を駆動力切断手段が切断するので、前記第2の給送手段の駆動中における前記第1の給送手段の駆動を確実に停止させることができ、前記第1の給送手段と前記第2の給送手段とが同時に駆動されることを防止できる。
本発明に係る記録装置の外観斜視図。 本発明に係る記録装置における用紙搬送経路を示す側断面図。 搬送駆動ローラーからフロント給送装置及びリア給送装置へ動力を伝達する経路の斜視図。 搬送駆動ローラーからフロント給送装置及びリア給送装置へ動力を伝達する経路の斜視図。 搬送駆動ローラーからフロント給送装置及びリア給送装置へ動力を伝達する経路の斜視図。 搬送駆動ローラーからフロント給送装置及びリア給送装置へ動力を伝達する経路の斜視図。 キャリッジと係合することにより搬送駆動ローラーの回転を伝達する状態と伝達を切断する状態とを切り換える切換手段の斜視図。 キャリッジと係合することにより搬送駆動ローラーの回転を伝達する状態と伝達を切断する状態とを切り換える切換手段の斜視図。 リア給送装置における駆動機構部の斜視図。 フレーム部材に取り付けられた状態のワンウェイクラッチの斜視図。 (A)はフレーム部材に軸を取り付けた状態の斜視図であり、(B)はフレーム部材から軸を取り外した状態の斜視図。 本発明に係るワンウェイクラッチの斜視図。 本発明に係るワンウェイクラッチの側断面図。 本発明に係るアウタギアの背面側の斜視図。 (A)は本発明に係るワンウェイクラッチを第1の方向に回転させた状態におけるインナギアと遊星歯車との関係を示す断面図であり、(B)はワンウェイクラッチを第2の方向に回転させた状態におけるインナギアと遊星歯車との関係を示す断面図。 軸の斜視図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
図1は本発明に係る記録装置の外観斜視図であり、図2は本発明に係る記録装置における用紙搬送経路を示す側断面図であり、図3は搬送駆動ローラーからフロント給送装置及びリア給送装置へ動力を伝達する経路の斜視図であり、図4は搬送駆動ローラーからフロント給送装置及びリア給送装置へ動力を伝達する経路の斜視図であり、図5は搬送駆動ローラーからフロント給送装置及びリア給送装置へ動力を伝達する経路の斜視図である。
また、図6は搬送駆動ローラーからフロント給送装置及びリア給送装置へ動力を伝達する経路の斜視図であり、図7はキャリッジと係合することにより搬送駆動ローラーの回転を伝達する状態と伝達を切断する状態とを切り換える切換手段の斜視図であり、図8はキャリッジと係合することにより搬送駆動ローラーの回転を伝達する状態と伝達を切断する状態とを切り換える切換手段の斜視図であり、図9はリア給送装置における駆動機構部の斜視図であり、図10はフレーム部材に取り付けられた状態のワンウェイクラッチの斜視図である。
また、図11(A)はフレーム部材に軸を取り付けた状態の斜視図であり、図11(B)はフレーム部材から軸を取り外した状態の斜視図であり、図12は本発明に係るワンウェイクラッチの斜視図であり、図13は本発明に係るワンウェイクラッチの側断面図であり、図14は本発明に係るアウタギアの背面側の斜視図であり、図15(A)は本発明に係るワンウェイクラッチを第1の方向に回転させた状態におけるインナギアと遊星歯車との関係を示す断面図であり、図15(B)はワンウェイクラッチを第2の方向に回転させた状態におけるインナギアと遊星歯車との関係を示す断面図であり、図16は軸の斜視図である。
また、各図において示すX−Y−Z座標系はX方向(装置幅方向)が記録ヘッドの走査方向及び記録装置の幅方向、Y方向が記録装置の奥行き方向及び用紙搬送方向、Z方向が記録ヘッドと用紙との間の距離(ギャップ)の変化する方向すなわち装置高さ方向を示している。尚、各図において−Y方向を装置前面側とし、+Y方向側を装置背面側とする。
<<<プリンターの概要について>>>
図1及び図2を参照して、記録装置の一例としてのインクジェットプリンター10(以下「プリンター10」という)の構成要素について説明する。プリンター10は、装置本体12と、画像読取装置14とを備えている。
装置本体12は、外観を構成するハウジング16と、該ハウジングの前面において装置本体12に対して着脱可能な「第2の駆動対象」及び「第2の給送手段」としてのフロント給送装置18とハウジング16の前面に設けられた、パネル部20とを備えている。図2に示すようにフロント給送装置18の装置前面側(図2における−Y軸方向側)にはフロント給送装置18に対して閉じた姿勢(図1参照)と開いた姿勢(図2参照)との間を回動可能なカバー22が取り付けられている。また、画像読取装置14は装置本体12の上部に設けられており、図示しないが載置面に媒体をセットして読み取る、いわゆるスキャナーとして構成されている。
パネル部20は、プリンター10を操作するための電源ボタンや印刷設定ボタン、表示パネル等を備え、プリンター10の操作を行う操作部として構成されている。パネル部20は、不図示の駆動手段によりハウジング16に対して装置前方側に回動可能に構成されている(図2参照)。前記駆動手段は、図示しないが駆動源及び該駆動源からの駆動力をパネル部20に伝達する歯車等の機構により構成されている。
また、装置本体12の背面側上部には装置本体12に対して開閉可能なカバー24が設けられている。カバー24を装置本体12に対して開くことにより「第1の駆動対象」及び「第1の給送手段」としてのリア給送装置26を利用した用紙Pの給送を行える様になっている。リア給送装置26については後述する。尚、図2において、カバー24は説明のために図示を省略している。
<<<用紙搬送経路について>>>
図2を参照するに、符号Pが付された二点鎖線はフロント給送装置18から排出トレイ28に至る用紙Pの搬送経路を示している。用紙Pの搬送経路の最上流側にはフロント給送装置18が設けられている。フロント給送装置18は、「被記録媒体」としての用紙Pを収容する下段側トレイ30及び下段側トレイ30の上側に位置するとともに用紙Pを収容する上段側トレイ32と、ピックアップローラー34とを備えて構成されている
また、上段側トレイ32は、図示しない駆動機構により装置奥行き方向背面側(図2における+Y軸方向)に駆動され、突き当たり位置すなわち給送可能位置(図2参照)と突き当たり位置から装置奥行き方向における装置前面側に所定量変位した退避位置(不図示)との間を移動可能に構成されている。尚、用紙Pは下段側トレイ30及び上段側トレイ32に収容される被記録媒体の一例である。また、本実施例における用紙Pは、A4サイズ、B5サイズ、写真紙、葉書等のサイズが異なる媒体を含んでいる。
また、装置本体12には用紙搬送経路に沿ってピックアップローラー34、給送ローラー36、搬送ローラー38、キャリッジ40、排出ローラー42が設けられている。ピックアップローラー34は、各トレイ30、32の上方に位置し、各トレイ30、32に収容された用紙Pに対して接離する方向に揺動可能に構成されている。ピックアップローラー34は、下段側トレイ30又は上段側トレイ32に収容された用紙Pの最上位のものと接して回転することにより、当該最上位の用紙Pを下段側トレイ30又は上段側トレイ32から用紙搬送経路へ送り出す。尚、ピックアップローラー34は駆動モーター52(図3参照)により回転駆動させられる。
用紙搬送経路上においてピックアップローラー34の下流側には給送ローラー36が設けられている。給送ローラー36の周囲には複数の給送従動ローラー44が設けられている。ピックアップローラー34によりフロント給送装置18から送り出された用紙Pは、給送ローラー36と複数の給送従動ローラー44とにニップされて用紙搬送経路下流側に搬送される。
また、装置本体12において給送ローラー36の装置背面側かつ装置高さ方向上方にはリア給送装置26が設けられている。リア給送装置26は、ホッパー46、給送ローラー48及び給送従動ローラー50を備えている。ホッパー46は、用紙Pを載置可能に構成されている。また、ホッパー46は装置高さ方向上部に揺動支点46aを備えており、揺動支点46aを中心に揺動可能である。尚、給送ローラー48は駆動モーター52(図3参照)により回転駆動させられる。
ホッパー46は、揺動することにより、傾斜姿勢で支持した用紙Pを給送ローラー48に圧接させ、あるいは離間させる。給送ローラー48に圧接された用紙Pは給送ローラー48と給送従動ローラー50とにニップされて、給送方向下流側に位置する給送ローラー36に向けて給送される。
また、給送ローラー36の用紙搬送経路下流側には、駆動モーター52(図3参照)により駆動される搬送ローラー38と該搬送ローラーに圧接して従動回転する搬送従動ローラー54とが設けられている。フロント給送装置18、あるいはリア給送装置26から給送ローラー36を介して送られた用紙Pは、搬送ローラー38及び搬送従動ローラー54にニップされて用紙搬送経路下流側に搬送される。
搬送ローラー38の下流側には、キャリッジ40が設けられている。キャリッジ40の底部には記録ヘッド56が設けられている。記録ヘッド56は、装置本体12内に設けられた制御部58(図3参照)の制御によりインクを用紙Pの記録面に向けて吐出し、用紙Pに対して記録を行う。キャリッジ40の下方には記録ヘッド56と対向し、用紙Pを支持するプラテン60が設けられている。キャリッジ40は、図示しない駆動モーターにより図2における装置幅方向(X軸方向)に往復動する様に駆動される。
プラテン60は、用紙Pを支持し、プラテン60と記録ヘッド56との距離すなわちギャップを規定する。そしてプラテン60の下流側には、記録の行われた用紙Pを送り出す排出ローラー42と、当該排出ローラーに接して従動回転する排出従動ローラー62とが設けられている。排出ローラー42は、図示しない駆動モーターによって回転駆動される。
記録ヘッド56により記録の行われた用紙Pは、排出ローラー42と排出従動ローラー62とにニップされ、搬送方向下流側に送られる。そして、用紙Pは、装置本体12の前面側(図2における+Y軸方向側)に設けられた排出トレイ28へ排出される。
尚、排出トレイ28は、不図示の排出トレイ駆動手段により、装置本体12内に収容される位置(図2二点鎖線部参照)と、装置本体12から装置奥行き方向前方側に突出した位置(図2実線部参照)との間を移動可能に構成されている。
また、プリンター10において用紙Pの両面に記録を行う場合には、記録ヘッド56によって用紙Pの第1面に記録が行われた後、用紙Pは搬送ローラー38及び排出ローラー42の逆送り動作により前記第1面に記録が実行された際に用紙後端となっていた側が先端となって搬送ローラー38の上流側に戻される。さらに用紙Pは、搬送ローラー38の逆戻り動作により反転経路64へと送られる。反転経路64内に送られた用紙Pは、給送ローラー36と反転ローラー66とによりニップされ、再度用紙搬送経路に戻される。
用紙搬送経路に戻された用紙Pは、給送ローラー36により用紙搬送経路下流側の搬送ローラー38へと再度送られる。このとき、用紙Pの第1面と第2面とは湾曲反転させられ、該第2面が記録ヘッド56と対向する。用紙Pは、搬送ローラー38により記録ヘッド56の下方において記録ヘッド56と対向する位置へ送られる。記録ヘッド56により前記第2面の記録が行われた用紙Pは、排出ローラー42により排出トレイ28へ排出される。
■■■実施例■■■■
<<<動力伝達経路について>>>
図3を参照するに、本実施例においてフロント給送装置18及びリア給送装置26は駆動モーター52の駆動力を得て駆動されるように構成されている。具体的には、駆動モーター52は、制御部58の制御に基づいて搬送ローラー38を回転駆動させる。搬送ローラー38の軸端には、歯車68が設けられ、歯車68は歯車70と噛合している。歯車70は軸部70aを備えている。軸部70aには、歯車72が軸部70aの軸線方向に沿ってスライド可能に取り付けられている。また、歯車72は歯車70と一体的に回転するように軸部70aに嵌合している。尚、図4及び図5において説明のために軸部70aの図示を省略している。
また、歯車72は、駆動力伝達機構74の「第1の歯車」及び「第1回転体」としてのアウタギア76と噛合する状態(図7参照)と、アウタギア76と噛合しない(離間する)状態(図8参照)とを切換可能に構成されている。具体的には、図7および図8を参照するに、歯車72は切換手段78により噛合する状態(図7参照)と噛合しない(離間する)状態(図8参照)とを切り換えられる。切換手段78はホルダ部材80とフェイスカム収容部82とを備えている。ホルダ部材80は、歯車72を軸部70aの軸線方向にスライド変位させる部材であり、キャリッジ40と係合可能な係合部80aを備えている。
フェイスカム収容部82にはフェイスカム(不図示)が収容されており、このフェイスカムによってホルダ部材80の位置すなわち歯車72の位置が保持されるように構成されている。尚、上記フェイスカムは公知のフェイスカムである。
図7及び図8に示すようにキャリッジ40がホームポジションに移動すると、キャリッジ40の一部40aがホルダ部材80の係合部80aと係合し、ホルダ部材80すなわち歯車72を変位させる。ホルダ部材80すなわち歯車72は、その後キャリッジ40がホームポジションから離れても、前記フェイスカム(不図示)によって変位した位置を保持できるように構成されている。以上の通り、切換手段78はキャリッジ40と係合することにより駆動モーター52の回転をフロント給送装置18及びリア給送装置26に伝達可能な伝達状態(図6及び図7参照)と、前記伝達を切断する切断状態(図8参照)とを切り換える。つまり、本実施例においてホルダ部材80はフロント給送装置18及びリア給送装置26、すなわち自動給送装置(ASF)への動力伝達切換レバーとして機能する。
また、本実施例においてプリンター10は、駆動モーター52の回転をフロント給送装置18及びリア給送装置26に伝達すべく、駆動力伝達機構74のアウタギア76からリア給送装置26の給送ローラー48へ駆動モーター52の駆動力を伝達する第1の動力伝達経路88と、アウタギア76からフロント給送装置18のピックアップローラー34へ駆動モーター52の駆動力を伝達する第2の動力伝達経路90とを備えている。尚、第1の動力伝達経路88及び第2の動力伝達経路90については、駆動力伝達機構74の説明をした後、説明する。
<<<駆動力伝達機構について>>>
図10ないし図16を参照して駆動力伝達機構74について説明する。駆動力伝達機構74は、アウタギア76と同軸上に配置された、「第2の歯車」及び「第2回転体」としてのインナギア84と、アウタギア76とインナギア84との間に介在する一方向回転機構86(図15(A)及び図15(B)参照)とを備えている。尚、本実施例において駆動力伝達機構74は、アウタギア76が所定の方向に回転する場合、アウタギア76からインナギア84へ一方向回転機構86を介して駆動モーター52の駆動力が伝達されるワンウェイクラッチとして構成されている。尚、図15(A)及び図15(B)は図13におけるA−A断面を示した断面図である。
図10及び図13に示すようにアウタギア76及びインナギア84は、装置本体12の一部を構成するフレーム部材92に取り付けられた、「回転軸」としての軸94にそれぞれ挿入されて、軸94に個別に受けられている。図16に示すように軸94においてフレーム部材92に取り付けられる側の端部には、一部が平坦状に切り欠かれた回り止め部94aが設けられている。図11(B)に示すようにフレーム部材92には、軸94が取り付けられる軸受け部96が設けられている。軸受け部96は、軸94の回り止め部94aと嵌合する形状に形成されている。そして、軸94は、軸受け部96に対して回り止め部94aが嵌合することによりフレーム部材92に回転不能に取り付けられる。また、軸受け部96は、軸94にインナギア84が取り付けられた状態において軸94の軸線方向(スラスト方向)におけるインナギア84の位置決め部として機能する。
また、図11(A)及び図11(B)に示すように、フレーム部材92において軸受け部96の中心から所定の距離を半径とする同心円上に規制部98が形成されている。規制部98は、フレーム部材92から突出して形成され、前記同心円の少なくとも一部に対応する円弧状に形成されている。尚、規制部98については後述する。
次いで、図12に示すようにアウタギア76はその外周部に歯車72と噛合する歯車76aが形成されている。また、図12及び図13を参照するに、アウタギア76においてインナギア84と面する側(一方の側)と反対の側(他方の側)には、アウタギア76の反対側の面76b(図12参照)から突出する突出部76cが形成されている。突出部76cには、反対側の面76bから前記反対の側に延び、突出部76cと一体化している複数のリブ76dが形成されている。複数のリブ76dは、突出部76cの外周面において円周方向に間隔をおいて形成されている。
そして、アウタギア76の中心部には、アウタギア76の一方の側から突出部76cまで貫通する貫通孔76eが形成されており、貫通孔76eには軸94が挿入されている。つまり、アウタギア76において突出部76cを設けることにより、軸94の軸線方向においてアウタギア76の軸94に受けられる領域を大きくでき、アウタギア76の軸94に対する倒れを規制できる。その結果、アウタギア76の軸94に対する回転精度の低下を抑制できる。
また、アウタギア76の一方の側には貫通孔76e、すなわち軸94を取り囲むように複数の凹部76f(図14、図15(A)及び図15(B)参照)が形成されている。凹部76fには、「内歯車」としての遊星歯車100が凹部76f内で回転可能に受け入れられている。また、凹部76fには突起76gが形成されている。
また、本実施例においてアウタギア76の一方の側には、規制部98を受け入れる受け入れ部76hが形成されている。本実施例において受け入れ部76hは、アウタギア76の半径方向において歯車76aと複数の凹部76fとの間の位置に円状に形成されている。
図13に示すように、アウタギア76が軸94に取り付けられた際、規制部98の少なくとも一部はアウタギア76の受け入れ部76hに受け入れられている。アウタギア76が軸94に対して倒れようとすると、規制部98の内周面あるいは外周面が受け入れ部76hと接触してアウタギア76を支えてアウタギア76の軸94に対する倒れを規制する。その結果、アウタギア76の軸94に対する回転精度の低下を抑制できる。
また、アウタギア76の一方の側には貫通孔76eの周囲、すなわち軸94に面するように位置決め部76jが設けられている。位置決め部76jは、軸94の軸線方向においてアウタギア76のインナギア84に対する位置決めを行うように構成されている。また、アウタギア76において軸94の軸線方向におけるインナギア84が設けられた側と反対の側の位置決めは、フレーム部材92に取り付けられたカバー部材102(図13参照)により位置決めされている。
次いで、インナギア84は、遊星歯車100と噛合する太陽歯車84a(図15(A)及び図15参照)と、インナギア84の外周面に形成された歯車84b(図12参照)とを備えている。そして、インナギア84の中心には貫通孔84cが形成されており、貫通孔84cには軸94が挿入されている。尚、本実施例において凹部76f内に配置された遊星歯車100とインナギア84の太陽歯車84aとが一方向回転機構86を構成している。
ここで、図15(A)および図15(B)を参照して一方向回転機構86について説明する。図15(A)は、アウタギア76の歯車76aが図15(A)における時計回り方向(第2の方向、アウタギア76の逆転とする)に回転した場合、すなわち搬送ローラー38が用紙Pを搬送方向下流側に送る方向と逆方向に回転した場合(以下、搬送ローラー38の逆転という)における駆動力伝達機構74の状態を示している。
アウタギア76の歯車76aが図15(A)における時計回り方向に回転すると複数の凹部76fも歯車76aと同じ方向つまり時計回り方向に軸94を中心にして回転する。その際、凹部76f内の遊星歯車100は、突起76gとは係合しないので、凹部76f内で回転可能であり、遊星歯車100は太陽歯車84aの周囲を回転しながら遊星運動する。つまり、インナギア84はアウタギア76に対して空転する。
また、図15(B)は、アウタギア76の歯車76aが図15(B)における反時計回り方向(第1の方向、アウタギア76の正転とする)に回転した場合、すなわち搬送ローラー38が用紙Pを搬送方向下流側に送る方向に回転した場合(以下、搬送ローラー38の正転という)における駆動力伝達機構74の状態を示している。
アウタギア76の歯車76aが図15(B)における反時計回り方向に回転すると複数の凹部76fも反時計回り方向に軸94を中心にして回転する。その際、凹部76f内の遊星歯車100は、突起76gと係合する。これにより、遊星歯車100はアウタギア76に対する回転が規制される、すなわちアウタギア76に対してロックされる。その結果、遊星歯車100と噛合する太陽歯車84aにアウタギア76の図15(B)における反時計回り方向の回転が伝達される。そして、インナギア84はアウタギア76とともに回転する。
再度図13を参照するに、フレーム部材92に取り付けられた軸94にはインナギア84が挿入され、インナギア84は軸94に対して回転自在である。そして、インナギア84の太陽歯車84a側にアウタギア76が配置されている。アウタギア76も軸94に対して回転自在である。図13に示すように、本実施例ではアウタギア76及びインナギア84は軸94に個別に受けられている。そして、アウタギア76は、軸94の半径方向においてインナギア84の太陽歯車84aと噛合する遊星歯車100のみがインナギア84と接触している。つまり、軸94の半径方向において軸94から離れた位置では、アウタギア76とインナギア84との動力伝達経路を一方向回転機構86のみに限定することができる。言い換えると、本実施例においてアウタギア76とインナギア84は軸94の半径方向(ラジアル方向)において一方向回転機構86を介して接触する構成であり、アウタギア76とインナギア84とは軸94の半径方向において直接接触していない構成である。
これにより、アウタギア76が図15(A)における時計回り方向に回転する場合、つまり搬送ローラー38の逆転時において、アウタギア76からインナギア84へ一方向回転機構86以外の伝達経路により駆動モーター52の駆動力が伝達されてインナギア84がアウタギア76とともに時計回り方向に回転することを抑制できる。すなわち、アウタギア76に対するインナギア84の空転をより確実にすることができる。その結果、インナギア84により駆動モーター52の駆動力を伝達されるフロント給送装置18の誤作動を抑制できる。
また、アウタギア76は独立して軸94に受けられている構成であるので、アウタギア76の駆動時に歯車76aに回転半径方向の外力が加わった場合において、この外力はインナギア84を介さずに軸94に伝えられる。
また、本実施例において、軸94の軸線方向においてアウタギア76は、アウタギア76が回転する際、位置決め部76jがインナギア84において太陽歯車84aの上部と接触する場合がある。その際、位置決め部76jと太陽歯車84aの上部と間には回転に伴い摩擦力が生じる。しかしながら、位置決め部76jは、軸94に面するように形成されているので、前記摩擦力により生じるインナギア84を回転させようとする回転トルクを小さくできる。その結果、インナギア84がアウタギア76とともに時計回り方向に回転することを抑制できる。すなわち、アウタギア76に対するインナギア84の空転をより確実にすることができる。その結果、インナギア84により駆動モーター52の駆動力を伝達されるフロント給送装置18の誤作動を抑制できる。
以上の説明をまとめると、本実施例における駆動力伝達機構74は、アウタギア76が図15(B)における反時計回り方向(搬送ローラー38の正転時)に回転し、インナギア84に駆動モーター52の駆動力を伝達する際、アウタギア76に回転半径方向成分の力を受けた場合、回転半径方向成分の力は、インナギア84を介さずにアウタギア76から軸94に作用する構成である。
<<<第1の動力伝達経路について>>>
次いで、第1の動力伝達経路88及び第2の動力伝達経路90について順番に説明する。図3ないし図9に示すように第1の動力伝達経路88は、アウタギア76からリア給送装置26の給送ローラー48までの動力伝達経路として構成されている。
アウタギア76は、歯車68すなわち駆動モーター52が回転すると、歯車68の回転方向(正転、あるいは逆転)と同じ方向に必ず回転する。ここでアウタギア76は、歯車104と噛合している。また、歯車104は歯車106と噛合している。歯車108は歯車106と同軸に配置され、歯車106と一体に回転するように構成されている。歯車108は太陽歯車110と噛合している。すなわち、アウタギア76が回転すると歯車104、歯車106及び歯車108を介して太陽歯車110が回転させられる。
太陽歯車110には「駆動力切断手段」としての遊星歯車112が噛合しており、この遊星歯車112はホルダー114(図3ないし図5参照)により支持され、太陽歯車110の回転方向切り替えに応じて太陽歯車110の周囲を遊星運動する。遊星歯車112は、遊星運動により、リア給送装置26に駆動モーター52の駆動力を伝達する伝達歯車116と噛合する噛合位置(図5)と、伝達歯車116から離間する離間位置(図4)との間を変位する。
遊星歯車112が離間位置にあるとき、伝達歯車116からリア給送装置26へは駆動モーター52(搬送ローラー38)の動力は伝達されない。ここで駆動モーター52、即ち搬送ローラー38の正転時、太陽歯車110は図4及び図5において時計回り方向に回転し、遊星歯車112は離間位置(図4)に位置する。尚、遊星歯車112の離間位置の位置規制は、不図示の規制部にホルダー114が当接することで行われる。
そしてこの状態から駆動モーター52(搬送ローラー38)が逆転に切り換わると、太陽歯車110は図4及び図5において反時計回り方向に回転し、これにより遊星歯車112は噛合位置(図5)へ変位し、これによりリア給送装置26へと動力が伝達される。
<<<リア給送装置について>>>
次いで図3及び図9を参照してリア給送装置26について説明する。歯車118は軸120の軸端に軸120と一体に回転するように取り付けられている。そして、歯車118には伝達歯車116からの動力が伝達されるように構成されている。
軸120には歯車122が固定されており、歯車122から歯車124へと動力が伝達される。歯車124にはカム部124aが形成されており、このカム部124aが、軸126に形成された係合部126aと係合し、軸126を回転させる。軸126には当該軸126の軸線方向に間隔をおいて複数の用紙戻しレバー128が設けられている。軸126を回転させることにより、用紙戻しレバー128が回転させられる。
尚、用紙戻しレバー128を回転させることにより、リア給送装置26から用紙Pを給送する際、給送ローラー48と給送従動ローラー50とにニップされて給送方向下流側に送られる最上位の用紙P以外、すなわち次位以降の用紙Pは用紙戻しレバー128によりホッパー46上に戻される。
また歯車122には歯車130が噛合しており、歯車130には歯車132が噛合している。歯車132は、回転軸134に対して相対的に回転可能な様に非固定的に設けられている。歯車132にはカム部132aが形成されており、このカム部132aがホッパー46と係合し、ホッパー46を揺動させる。
一方、歯車118には歯車136が噛合しており、この歯車136には歯車138が噛合している。歯車138は回転軸134の軸端に固定されており、回転軸134即ち給送ローラー48を回転させる歯車である。
したがって、遊星歯車112が噛合位置(図5)へ変位し、伝達歯車116に駆動モーター52の駆動力が伝達されると、伝達歯車116により歯車118、歯車136及び歯車138が回転駆動され、回転軸134すなわち給送ローラー48が回転駆動させられる。
<<<第2の動力伝達経路について>>>
次いで、第2の動力伝達経路90について説明する。図3ないし図6に示すように第2の動力伝達経路90は、アウタギア76からフロント給送装置18のピックアップローラー34までの動力伝達経路として構成されている。
インナギア84は、歯車140と噛合している。歯車140は、回動軸142の一方の側の軸端に当該回転軸と一体に回転可能に取り付けられている。ここで、搬送ローラー38が用紙Pを搬送方向下流側に送る回転(図4及び図5における反時計回り方向の回転、搬送ローラー38の正転)の場合、アウタギア76も搬送ローラー38と同じ方向に回転する。そして、一方向回転機構86は、搬送ローラー38が正転する場合、インナギア84をアウタギア76と同じ方向に回転させて、アウタギア76からインナギア84に駆動モーター52の駆動力を伝達する。これにより歯車140に駆動モーター52の駆動力が伝達される。
一方、搬送ローラー38が用紙Pを搬送方向下流側に送る回転と逆方向の回転(図4及び図5における時計回り方向の回転、搬送ローラー38の逆転)の場合、アウタギア76も搬送ローラー38と同じく逆転する。この場合、一方向回転機構86は、アウタギア76に対して空転し、アウタギア76からインナギア84に駆動モーター52の駆動力を伝達しない。すなわち、歯車140に駆動モーター52の駆動力が伝達されない。
また、本実施例においてピックアップローラー34を支持するローラー支持部材144は、回動軸142を支点として下段側トレイ30、あるいは上段側トレイ32に収容された用紙Pに対して接離する方向に揺動可能である。また、回動軸142においてローラー支持部材144の側の端部には歯車146が回動軸142と一体に回転可能に取り付けられている。歯車146はローラー支持部材144に設けられた歯車輪列148の一部の歯車と噛合している。
ここで、インナギア84の回転に伴い、歯車140が回転すると回動軸142も同じ方向に回転する。そして歯車146は回動軸142の回動に伴って回転する。そして、歯車146の回転は、ローラー支持部材144に設けられた歯車輪列148を介してピックアップローラー34を回転させる。尚、ピックアップローラー34の回転方向は下段側トレイ30、あるいは上段側トレイ32に収容された用紙Pを給送方向下流側に送る方向である。
以上をまとめると、歯車72とアウタギア76との噛合状態において、駆動モーター52(搬送ローラー38)の正転時、フロント給送装置18に動力が伝達され、フロント給送装置18から用紙Pが送り出される。このとき、リア給送装置26へは動力は伝達されない。その反対に、駆動モーター52(搬送ローラー38)の逆転時、リア給送装置26に動力が伝達され、リア給送装置26から用紙Pが送り出される。このとき、フロント給送装置18へは動力は伝達されない。
<<<実施例の変更例>>>
(1)本実施例において、駆動力伝達機構74の一方向回転機構86は、太陽歯車84a及び遊星歯車100から成る構成としたが、この構成に代えて、一方向回転機構86は一例としてラチェット機構等で構成してもよく、その他、一方向への回転を許容し他方向への回転を規制する機構であればよい。
(2)本実施例において軸94は軸線方向においてアウタギア76及びインナギア84を受ける領域において径寸法が変わらない軸体としたが、軸線方向におけるアウタギア76とインナギア84との間で径寸法を大きくして段差部を形成し、この段差部でアウタギア76及びインナギア84の軸線方向における位置決めを行う構成としてもよい。このように構成することによりアウタギア76とインナギア84とが軸線方向において接触することを防止でき、アウタギア76とインナギア84との動力伝達経路を一方向回転機構86のみとすることができ、アウタギア76に対するインナギア84の連れ回りをより確実に抑制できる。
上記説明をまとめると、本実施例における駆動力伝達機構74は、第1の方向及びその反対の第2の方向に回転可能であり、駆動モーター52からの駆動力を受けて第2の方向(正転)に回転する場合、リア給送装置26に駆動力を伝達するアウタギア76と、アウタギア76に対して相対回転可能であり、アウタギア76が第1の方向(正転)に回転する場合にアウタギア76から駆動力を受けてアウタギア76とともに第1の方向(正転)に回転してフロント給送装置18へ駆動力を伝達し、アウタギア76が第2の方向(逆転)に回転する場合にアウタギア76に対して空転するインナギア84と、アウタギア76とインナギア84とを軸線方向に沿って個別に受ける軸94とを備えて構成されている。
上記構成によれば、アウタギア76及びインナギア84は軸94により個別に受けられるので、インナギア84がアウタギア76に対して空転する際、アウタギア76の駆動力がインナギア84に伝わることを抑制できる。その結果、インナギア84がアウタギア76に対して空転する際、インナギア84にアウタギア76の駆動力が伝達されてインナギア84がアウタギア76の回転方向と同じ方向に回転することを抑制できる。これにより、インナギア84により駆動されるフロント給送装置18に誤って駆動力が伝達されることを防ぎ、フロント給送装置18が誤作動することを抑制できる。すなわち、駆動モーター52の駆動力により駆動されるフロント給送装置18及びリア給送装置26の誤作動を抑制、あるいは防止できる。
また、アウタギア76とインナギア84とは軸94の半径方向において非接触である。この構成によれば、インナギア84がアウタギア76に対して空転する際、インナギア84にアウタギア76の駆動力が伝達されることを確実に抑制できる。その結果、インナギア84により駆動されるフロント給送装置18が誤作動することを抑制でき、駆動モーター52の駆動力により駆動されるフロント給送装置18及びリア給送装置26の誤作動をより確実に抑制、あるいは防止できる。
また、本実施例における駆動力伝達機構74は、アウタギア76は軸94の軸線方向におけるインナギア84に対する位置決め部76jを有し、位置決め部76jは軸94の外周面と面している。
この構成によれば、軸94からの位置決め部76jまでの距離を短くできる。これにより、アウタギア76の位置決め部76jがインナギア84に接触した状態でインナギア84がアウタギア76に対して空転する場合、位置決め部76jとインナギア84との間で生じる摩擦力による回転トルクを小さくすることができる。その結果、インナギア84がアウタギア76に対して空転する際、インナギア84がアウタギア76の回転方向と同じ方向に回転することを抑制できる。
また、本実施例における駆動力伝達機構74において、アウタギア76とインナギア84との間に、インナギア84と噛合する遊星歯車100を有し、遊星歯車100は、第1の方向(正転)にアウタギア76が回転する際、インナギア84に対する相対回転が規制されてインナギア84をアウタギア76とともに第1の方向(正転)に回転させ、第2の方向(逆転)にアウタギア76が回転する際、インナギア84に対して相対回転してインナギア84をアウタギア76に対して空転させ、アウタギア76及びインナギア84の半径方向において、少なくとも軸94から離れた位置では、遊星歯車100のみがインナギア84と接触する。
この構成によれば、アウタギア76及びインナギア84の半径方向において、少なくとも軸94から離れた位置では、遊星歯車100のみがインナギア84と接触するので、アウタギア76とインナギア84との接触経路を限定することができ、アウタギア76からインナギア84へ誤って駆動力が伝達されることを防ぐことができる。その結果、フロント給送装置18が誤作動することを抑制できる。
また、本実施例における駆動力伝達機構74はフレーム部材92に設けられ、軸94はフレーム部材92に固定されている。
この構成によれば、アウタギア76及びインナギア84の少なくとも一方が回転する際、軸94がアウタギア76及びインナギア84とともに回転することを防止できる。そして、アウタギア76及びインナギア84は軸94にそれぞれ独立して取り付けられているので、アウタギア76が回転した際、軸94がアウタギア76と同じ方向に回転し、その回転によりインナギア84がアウタギア76と同じ方向に回転することを防止できる。すなわち、インナギア84がアウタギア76に対して空転する際、インナギア84に軸94を介してアウタギア76の駆動力が伝達されることを防止できる。
また、軸94はフレーム部材92と一体に形成されている。
この構成によれば、部品数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
また、軸94には回り止め部94aが設けられ、当該軸94は前記フレーム部材92に対して回転不能に取り付けられている。
この構成によれば、回り止め部94aにより軸94のフレーム部材92に対する回転が規制される。これにより軸94がアウタギア76及びインナギア84とともに回転することを確実に防止できる。
また、フレーム部材92には、軸94の中心から所定の距離を半径とする同心円上において、フレーム部材92から軸線方向に突出し、同心円の少なくとも一部に対応する円弧状の規制部98が設けられている。規制部98は、軸94に取り付けられたアウタギア76の受け入れ部76hに受け入れられ、アウタギア76の軸94に対する倒れを規制する。
この構成によれば、円弧状の規制部98は、アウタギア76の軸94に対する倒れを規制するので、アウタギア76の回転精度の低下を抑制でき、駆動モーター52からの駆動力の伝達を円滑にすることができる。
また、駆動力伝達機構74において、軸線方向におけるアウタギア76の一方の側にはインナギア84が配置され、他方の側にはインナギア84と反対の側に突出し、軸94が挿入される突出部76cを備えている。突出部76cの外周面にはアウタギア76の他方の側の面から軸線方向に沿って延び、突出部76cと一体化している複数のリブ76dが設けられている。
この構成によれば、突出部76cは軸94に対するアウタギア76の倒れを抑制し、アウタギア76の回転精度の低下を抑制できる。その結果、駆動モーター52からの駆動力の伝達を円滑にすることができる。
また、駆動力伝達機構74は、インナギア84と、インナギア84と同軸で回転するアウタギア76であって、駆動モーター52からの駆動力を受け、外周側において歯車104に駆動力を伝達し、内周側においてインナギア84に駆動力を伝達するアウタギア76と、インナギア84とアウタギア76との間に介在し、アウタギア76が第1方向(正転)に回転する際にのみインナギア84に駆動力を伝達する一方向回転機構86と、インナギア84及びアウタギア76の共通の軸94とを備えている。アウタギア76は、第1方向(正転)とは逆の第2方向(逆転)に回転して歯車104に駆動力を伝達する際、回転半径方向成分を含む外力を受け、回転半径方向成分の力が、インナギア84を介さずにアウタギア76から軸94に作用する構成を備えている。
本態様によれば、回転半径方向成分の力がインナギア84を介さずにアウタギア76から軸94に作用する構成であるので、アウタギア76からインナギア84に誤って回転半径方向成分の力が伝達されることを抑制できる。
本実施例におけるプリンター10は、用紙Pに記録を行う記録ヘッド56と、駆動力伝達機構74と、駆動力伝達機構74に駆動力を供給する駆動モーター52と、用紙Pを収容し、駆動モーター52の駆動力を得て用紙Pを給送経路の下流側方向に給送するリア給送装置26と、用紙Pを収容し、駆動モーター52の駆動力を得て用紙Pを給送経路の下流側方向に給送するフロント給送装置18とを備えている。駆動力伝達機構74は、駆動モーター52の駆動力をアウタギア76からリア給送装置26へと伝達する第1の動力伝達経路88と、駆動モーター52の駆動力をアウタギア76からインナギア84を介してフロント給送装置18へと伝達する第2の動力伝達経路90と、を有している。
第1の動力伝達経路88は、駆動モーター52の駆動力が第2の動力伝達経路90を介してフロント給送装置18に伝達される際、第1の動力伝達経路88における駆動力の伝達を切断する遊星歯車112を有している。アウタギア76が第1の方向(正転)に回転する場合、第1の動力伝達経路88の駆動力伝達が切断され、第2の動力伝達経路90により伝達された駆動モーター52の駆動力によりフロント給送装置18が駆動され、アウタギア76が第2の方向(逆転)に回転する場合、第1の動力伝達経路88により伝達された駆動モーター52の駆動力によりリア給送装置26が駆動される。
この構成によれば、駆動モーター52の駆動力が第2の動力伝達経路90を介してフロント給送装置18に伝達される際、第1の動力伝達経路88における駆動力の伝達を遊星歯車112が切断するので、フロント給送装置18の駆動中におけるリア給送装置26の駆動を確実に停止させることができ、リア給送装置26とフロント給送装置18とが同時に駆動されることを防止できる。
また、本実施形態では本発明に係る駆動力伝達機構74を記録装置の一例としてのインクジェットプリンターに適用したが、その他液体噴射装置一般に適用することも可能である。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンター、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含むものである。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
10 プリンター、12 装置本体、14 画像読取装置、16 ハウジング、
18 フロント給送装置、20 パネル部、22、24 カバー、26 リア給送装置、
28 排出トレイ、30 下段側トレイ、32 上段側トレイ、
34 ピックアップローラー、36、48 給送ローラー、38 搬送ローラー、
40 キャリッジ、40a キャリッジの一部、42 排出ローラー、
44、50 給送従動ローラー、46 ホッパー、46a 揺動支点、
52 駆動モーター、54 搬送従動ローラー、56 記録ヘッド、58 制御部、
60 プラテン、62 排出従動ローラー、64 反転経路、66 反転ローラー、
68、70、72、76a、84b、104、106、108、118、122、124、130、132、136、138、140、146 歯車、
70a 軸部、74 駆動力伝達機構、76 アウタギア、76b 反対側の面、
76c 突出部、76d リブ、76e、84c 貫通孔、76f 凹部、76g 突起、
76h 受け入れ部、76j 位置決め部、78 切換手段、
80 自動給送装置(ASF)の動力伝達切換レバーとしてのホルダ部材、
80a、126a 係合部、82 フェイスカム収容部、84 インナギア、
84a、110 太陽歯車、86 一方向回転機構、88 第1の動力伝達経路、
90 第2の動力伝達経路、92 フレーム部材、94、120、126 軸、
94a 回り止め部、
96 インナギア84の軸線方向における位置決め部としての軸受け部、98 規制部、100、112 遊星歯車、
102 カバー部材、114 ホルダー、116 伝達歯車、
124a、132a カム部、128 用紙戻しレバー、134、142 回動軸、
144 ローラー支持部材、148 歯車輪列、P 用紙

Claims (11)

  1. 第1の方向及びその反対の第2の方向に回転可能であり、駆動源からの駆動力を受けて前記第2の方向に回転する場合、第1の駆動対象に前記駆動力を伝達する第1の歯車と、
    前記第1の歯車に対して相対回転可能であり、前記第1の歯車が前記第1の方向に回転する場合に前記第1の歯車から前記駆動力を受けて前記第1の歯車とともに前記第1の方向に回転して第2の駆動対象へ前記駆動力を伝達し、前記第1の歯車が前記第2の方向に回転する場合に前記第1の歯車に対して空転する第2の歯車と、
    前記第1の歯車と前記第2の歯車とを軸線方向に沿って個別に受ける軸と、
    を備える、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  2. 請求項1に記載の駆動力伝達機構において、前記第1の歯車と前記第2の歯車とは前記軸の半径方向において非接触である、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  3. 請求項1または請求項2に記載の駆動力伝達機構において、前記第1の歯車は前記軸の軸線方向における前記第2の歯車に対する位置決め部を有し、前記位置決め部は前記軸の外周面と面している、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の駆動力伝達機構において、前記第1の歯車と前記第2の歯車との間に、前記第2の歯車と噛合する内歯車を有し、
    前記内歯車は、前記第1の方向に前記第1の歯車が回転する際、前記第2の歯車に対する相対回転が規制されて前記第2の歯車を前記第1の歯車とともに前記第1の方向に回転させ、前記第2の方向に前記第1の歯車が回転する際、前記第2の歯車に対して相対回転して前記第2の歯車を前記第1の歯車に対して空転させ、
    前記第1の歯車及び前記第2の歯車の半径方向において、少なくとも前記軸から離れた位置では、前記内歯車のみが前記第2の歯車と接触する、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の駆動力伝達機構において、当該駆動力伝達機構はフレーム部材に設けられ、前記軸は前記フレーム部材に固定されている、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  6. 請求項5に記載の駆動力伝達機構において、前記軸は前記フレーム部材と一体に形成されている、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  7. 請求項5に記載の駆動力伝達機構において、前記軸には回り止め部が設けられ、当該軸は前記フレーム部材に対して回転不能に取り付けられている、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の駆動力伝達機構において、前記フレーム部材には、前記軸の中心から所定の距離を半径とする同心円上において、前記フレーム部材から前記軸線方向に突出し、前記同心円の少なくとも一部に対応する円弧状の規制部が設けられ、
    前記規制部は、前記軸に取り付けられた前記第1の歯車の少なくとも一部に受け入れられ、前記第1の歯車の前記軸に対する倒れを規制する、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の駆動力伝達機構において、前記軸線方向における前記第1の歯車の一方の側には前記第2の歯車が配置され、他方の側には前記第2の歯車と反対の側に突出し、前記軸が挿入される突出部を備え、前記突出部の外周面には前記第1の歯車の他方の側の面から前記軸線方向に沿って延び、前記突出部と一体化している複数のリブが設けられている、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  10. 第1回転体と、
    前記第1回転体と同軸で回転する回転体であって、駆動源からの駆動力を受け、外周側において他の回転体に駆動力を伝達し、内周側において前記第1回転体に駆動力を伝達する第2回転体と、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間に介在し、前記第2回転体が第1方向に回転する際にのみ前記第1回転体に駆動力を伝達する一方向回転機構と、
    前記第1回転体及び前記第2回転体の共通の回転軸と、を備え、
    前記第2回転体は、前記第1方向とは逆の第2方向に回転して前記他の回転体に駆動力を伝達する際、回転半径方向成分を含む外力を受け、
    前記回転半径方向成分の力が、前記第1回転体を介さずに前記第2回転体から前記回転軸に作用する構成を備える、
    ことを特徴とする駆動力伝達機構。
  11. 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の駆動力伝達機構と、
    前記駆動力伝達機構に駆動力を供給する駆動源と、
    前記被記録媒体を収容し、前記駆動源の駆動力を得て、前記被記録媒体を給送経路の下流側方向に給送する、前記第1の駆動対象としての第1の給送手段と、
    前記被記録媒体を収容し、前記駆動源の駆動力を得て、前記被記録媒体を給送経路の下流側方向に給送する、前記第2の駆動対象としての第2の給送手段と、
    を備え、
    前記駆動力伝達機構は、前記駆動源の駆動力を前記第1の歯車から前記第1の給送手段へと伝達する第1の動力伝達経路と、前記駆動源の駆動力を前記第1の歯車から前記第2の歯車を介して前記第2の給送手段へと伝達する第2の動力伝達経路と、を有し、
    前記第1の動力伝達経路は、前記駆動源の駆動力が前記第2の動力伝達経路を介して前記第2の給送手段に伝達される際、前記第1の動力伝達経路における駆動力の伝達を切断する駆動力切断手段を有し、
    前記第1の歯車が前記第1の方向に回転する場合、前記第1の動力伝達経路の駆動力伝達が切断され、前記第2の動力伝達経路により伝達された前記駆動源の駆動力により前記第2の給送手段が駆動され、
    前記第1の歯車が前記第2の方向に回転する場合、前記第1の動力伝達経路により伝達された前記駆動源の駆動力により前記第1の給送手段が駆動される、
    ことを特徴とする記録装置。
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