JP5195732B2 - 運転学習システム及び運転支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車等の車両の運転者の運転挙動を学習する運転学習システム、及び該運転学習システムを備える運転支援システムの技術分野に関する。
この種のシステムとして、例えば特許文献1には、車両の運転者の交差点における右左折の意思を検知した場合に、再発進加速性能向上制御に基づいて車両を制御する装置が記載されている。尚、再発進加速性能向上制御として、アップシフト禁止、最低側変速ギヤ禁止及びスロットル開度調整が挙げられている。
特開2005−076764号公報
しかしながら、上述の背景技術では、運転者の特性については具体的には考慮されていない。すると、運転者が期待する制御とは異なる制御が行われる可能性があるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、運転者が期待する制御を行うことができる運転学習システム及び運転支援システムを提案することを課題とする。
本発明の運転学習システムは、上記課題を解決するために、車両に搭載され、前記車両の運転者に係る運転挙動を学習する運転学習システムであって、前記車両が交差点を通過中であり、且つ前記車両が前記交差点を右折又は左折することを条件に、前記車両が前記交差点を右折又は左折し始めた後に、(i)前記運転者が前記車両を右折又は左折させるためにハンドルを操舵した方向とは反対方向に前記ハンドルを操舵し始めた時点における前記車両の前記交差点内の位置である第1位置、及び(ii)前記運転者がアクセルペダルを踏下し始めた時点における前記車両の前記交差点内の位置である第2位置を記録する記録手段と、前記記録された第2位置から前記記録された第1位置を差し引いた差分を計算する計算手段と、前記計算された差分と閾値とを比較した結果に応じて、前記運転挙動を学習する際に記録すべき項目を変更する変更手段とを備える。
本発明の運転学習システムによれば、当該運転学習システムは、例えば自動車等の車両に搭載され、該車両の運転者に係る運転挙動を学習する。ここで、「運転者に係る運転挙動」は、例えば、運転者が操作可能な部分(例えば、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー等)に対する該運転者による操作に応じた該操作可能な部分の状況又は状態、及び運転者の目視方向を、検出することにより求めればよい。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる記録手段は、車両が交差点を通過中であり、且つ車両が交差点を右折又は左折することを条件に、車両が交差点を右折又は左折し始めた後に、(i)運転者が車両を右折又は左折させるためにハンドルを操舵した方向とは反対方向にハンドルを操舵し始めた時点における車両の交差点内の位置である第1位置、及び(ii)運転者がアクセルペダルを踏下し始めた時点における車両の交差点内の位置である第2位置を記録する。
車両が交差点を通過中であることは、例えば、カーナビゲーション装置が備える地図情報、及びGPS(Global Positioning System)により取得される自車両の位置情報に基づいて、或いは、路車間通信を介して取得されるインフラストラクチャ(以降、適宜“インフラ”と称する)に係る情報に基づいて、検知すればよい。
また、車両が交差点を右折又は左折することは、例えば、ウィンカースイッチの状態を検出することによって、又は、ハンドルの操舵角や車輪の舵角を検出することによって、検知すればよい。
尚、本発明に係る「交差点」は、2以上の道路が交わる部分を含む所定範囲の道路を意味する。ここで、所定範囲は、2以上の道路が交わる部分と、例えば光学式車両感知器(所謂、光ビーコン)等の路上に設置された交通インフラ及び車両間で通信可能な範囲と、を含む範囲として設定すればよい。
また、「運転者が車両を右折又は左折させるためにハンドルを操舵した方向とは反対方向にハンドルを操舵し始めた」とは、運転者が右折又は左折のために切ったハンドルを戻し始めたことを意味する。ここで、「車両を右折又は左折させるためにハンドルを操舵した方向とは反対方向にハンドルを操舵し始めた時点」は、例えば、ハンドルの操舵量の変化を示すパラメータであるステア変位の符号が変化した時点、或いはステア変位の値が所定値以下になった時点を検知することによって、求めればよい。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる計算手段は、記録された第2位置から記録された第1位置を差し引いた差分を計算する。例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる変更手段は、計算された差分と閾値とを比較した結果に応じて、運転挙動を学習する際に記録すべき項目を変更する。
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、交差点を右折又は左折する際に、車両の運転者が重視する事象が、運転者毎に異なっている。重視する事象は、例えば、交差点を右折又は左折するためにハンドルを操舵する前に、車両の速度が十分に低下していることや、交差点を右折又は左折する際に車両に生じる横加速度の大きさ等である。
ここで、交差点を右折又は左折するためにハンドルを操舵する前に、車両の速度が十分に低下していることを重視する運転者は、ハンドルを戻し始めてから、加速のためにアクセルペダルを踏下するまでの時間が比較的短い。他方、交差点を右折又は左折する際に車両に生じる横加速度の大きさを重視する運転者は、ハンドルを戻し始めてから、加速のためにアクセルペダルを踏下するまでの時間が比較的長い。
仮に、運転者が重視する事象を考慮せずに、一律に車両の制御が行われると、運転者が期待する制御とは異なる制御が行われ、運転者が違和感を覚えるおそれがある。
しかるに本発明では、計算手段により、記録された第2位置から記録された第1位置を差し引いた差分(即ち、アクセルペダルが踏下された位置と、ハンドルが戻し始められた位置との差分)が計算される。そして、変更手段により、計算された差分と閾値とが比較された結果に応じて、運転挙動を学習する際に記録すべき項目が変更される。
ここで、「閾値」を、交差点を右折又は左折するためにハンドルを操舵する前に、車両の速度が十分に低下していることを重視する運転者であるか、交差点を右折又は左折する際に車両に生じる横加速度の大きさを重視する運転者であるか、を決定する値とすれば、計算された差分と閾値とが比較されることによって、交差点を右折又は左折するためにハンドルを操舵する前に、車両の速度が十分に低下していることを重視する運転者であるか、交差点を右折又は左折する際に車両に生じる横加速度の大きさを重視する運転者であるか、が特定される。
この結果、交差点を右折又は左折するためにハンドルを操舵する前に、車両の速度が十分に低下していることを重視する運転者であると特定された場合、例えば、交差点内における車両の最低速度、及び該最低速度時の交差点内の位置が、記録すべき項目とされる。他方、交差点を右折又は左折する際に車両に生じる横加速度の大きさを重視する運転者であると特定された場合、例えば、車両が交差点を通過する際の横加速度が、記録すべき項目とされる。
従って、当該運転学習システムにより学習された運転挙動を用いて、車両の制御を行えば、運転者が期待する制御を行うことができる。具体的には例えば、交差点を右折又は左折するためにハンドルを操舵する前に、車両の速度が十分に低下していることを重視する運転者である場合、記録された車両の速度が最低速度となる交差点内の位置で、実際の車両の速度が、記録された最低速度となるように車両が制御される。他方、交差点を右折又は左折する際に車両に生じる横加速度の大きさを重視する運転者である場合、記録された横加速度の最大値を超えないように車両が制御される。
尚、上述のような「閾値」は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば、運転者がハンドルを戻し始めてから、加速のためにアクセルペダルを踏下するまでの時間の分布を、交差点を右折又は左折するためにハンドルを操舵する前に、車両の速度が十分に低下していることを重視する運転者、及び交差点を右折又は左折する際に車両に生じる横加速度の大きさを重視する運転者毎に求め、該求められた分布に基づいて設定すればよい。
本発明の運転学習システムの一態様では、前記変更手段は、前記計算された差分が前記閾値より小さいことを条件に、前記交差点内における前記車両の最低速度、及び前記最低速度時における前記車両の前記交差点内の位置である第3位置を、前記記録すべき項目とする。
この態様によれば、当該運転学習システムにより学習された運転挙動を用いることによって、交差点を右折又は左折するためにハンドルを操舵する前に、車両の速度が十分に低下していることを重視する運転者に適した制御を行うことができる。
本発明の運転学習システムの他の態様では、前記変更手段は、前記計算された差分が前記閾値より大きいことを条件に、前記車両が前記交差点を通過する際の横加速度を前記記録すべき項目とする。
この態様によれば、当該運転学習システムにより学習された運転挙動を用いることによって、交差点を右折又は左折する際に車両に生じる横加速度の大きさを重視する運転者に適した制御を行うことができる。
本発明の運転支援システムは、上記課題を解決するために、本発明の運転学習システム(但し、その各種態様含む)と、前記運転学習システムにより学習された前記運転挙動を用いて、前記運転者の運転支援を行う運転支援手段とを備える。
本発明の運転支援システムによれば、上述した本発明の運転学習システムを具備してなるので、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる運転支援手段が、運転学習システムにより学習された運転挙動を用いて運転者の運転支援を行うことによって、運転者が期待する制御を行うことができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
本発明の実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るECUが実行する運転学習処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るECUが実行する運転支援処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る運転学習システム及び運転支援システムの実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る運転学習システム及び運転支援システムが搭載される車両の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。尚、図1では、説明の便宜上、本実施形態に直接関係のある部材のみ図示しており、他の部材については図示を省略している。
図1において、車両1は、GPS101、車載カメラ102、ミリ波レーダ103、インフラ通信装置104、車速センサ105、ディスプレイ106、ACC(Adaptive Cruise Control)スイッチ107、PCS(Pre−Crash Safety)スイッチ108、ECU(Electronic Control Unit)109、地図情報データベース(DB)110、カーナビゲーション111、ブレーキアクチュエータ112、アクセルアクチュエータ113、スピーカ114、アクセルポジションセンサ115、ステアリングセンサ116及び横加速度センサ117を備えて構成されている。
GPS101は、GPS衛星からの信号を受信して、車両1の現在位置を特定し、該特定された現在位置を示す信号をECU109に送信する。車載カメラ102は、主に車両1の前方の画像を撮像し、該撮像された画像を示す信号をECU109に送信する。ECU109は、受信した信号に対応する画像を表示するように、ディスプレイ106を制御する。
ミリ波レーダ103は、ミリ波を出射すると共に、対象物(例えば、前方車両等)により反射された電波を受信し、伝播時間やドップラー効果に起因して生じる周波数等を基に、対象物の位置や車両1との相対速度を測定し、該測定された対象物の位置や相対速度を示す信号をECU109に送信する。
インフラ通信装置104は、例えば光ビーコン等の路上に設置された交通インフラを介して、例えば、見通しの悪い周辺の状況に係る情報、交通管制情報(例えば信号機や標識等に係る情報)、道路状況に係る情報(例えば交通事故や渋滞等に係る情報)を取得し、該取得された情報を示す信号をECU109に送信する。ECU109は、受信した信号に対応する情報を表示するように、ディスプレイ106を制御する。
車速センサ105は、例えば車速に比例する出力軸(図示せず)の回転数を検出し、該検出された回転数を示す信号をECU109に送信する。
ACCスイッチ107及びPCSスイッチ108は、運転モードを設定するためのスイッチである。ACCスイッチ107及びPCSスイッチ108は、車両1の運転者により夫々ON状態にされることによって、ACC機能及びPCS機能を有効にする。
地図情報データベース110は、地図データファイル、交差点データファイル、道路データファイル等を備えて構成されている。該地図情報データベース110には、車両の走行に必要な情報(例えば地図、直線路、コーナ、登降坂路、高速道路等)が格納されている。
カーナビゲーション111は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としている。該カーナビゲーション111は、GPS101、インフラ通信装置104、ディスプレイ106、ECU109、地図情報データベース110及びスピーカ114と協働することによって、運転者に、車両1の現在地周辺の地図情報、車両1の現在位置、目的位置、経路等の情報を提供する。
アクセルポジションセンサ115は、アクセルペダル(図示せず)の操作量(即ち、アクセル開度)を検出し、該検出されたアクセル開度を示す信号をECU109に送信する。
ステアリングセンサ116は、例えば車両1のコンビネーションスイッチ部(図示せず)に設けられており、ハンドル(図示せず)の操舵量及び操舵方向を検出し、該検出された操舵量及び操舵方向を示す信号をECU109に送信する。
横加速度センサ117は、車両1に加わる横加速度を検出し、該検出された横加速度を示す信号をECU109に送信する。
運転学習システム10は、GPS101、インフラ通信装置104、車速センサ105、ECU109、地図情報データベース110、アクセルポジションセンサ115、ステアリングセンサ116及び横加速度センサ117を備えて構成されている。
運転学習システム10において、ECU109は、GPS101、インフラ通信装置104及びステアリングセンサ116の各々から送信された信号、並びに地図情報データベース110に格納されている情報等に基づいて、車両1が交差点を通過中であり、且つ車両1が交差点を右折又は左折することを検出する。
続いて、ECU109は、車両1が交差点を右折又は左折し始めた後に、(i)運転者が車両1を右折又は左折させるためにハンドルを操舵した方向とは反対方向にハンドルを操舵し始めた時点における車両1の交差点内の位置である第1位置(以降、適宜“位置L1”と称する)と、(ii)運転者がアクセルペダルを踏下し始めた時点における車両1の交差点内の位置である第2位置(以降、適宜“位置L2”と称する)とを記録する。
次に、ECU109は、位置L2から位置L1を差し引いた差分を計算する。続いて、ECU109は、計算された差分と閾値とを比較した結果に応じて、運転挙動を学習する際に記録すべき項目を変更する。
具体的には、計算された差分が閾値より小さい場合、ECU109は、交差点内における車両1の最低速度、及び該最低速度時における車両1の交差点内の位置である第3位置(以降、適宜“位置Lmin”と称する)を、記録すべき項目とする。他方、計算された差分が閾値より大きい場合、ECU109は、車両1が交差点を通過する際に車両1に加わる横加速度の最大値を記録すべき項目とする。尚、計算された差分と閾値とが「等しい」場合には、どちらかの場合に含めて扱えばよい。
運転支援システム20は、運転学習システム10、GPS101、インフラ通信装置104、車速センサ105、ECU109、地図情報データベース110、カーナビゲーション111及びステアリングセンサ116を備えて構成されている。
運転支援システム20において、ECU109は、GPS101、インフラ通信装置104及びステアリングセンサ116の各々から送信された信号、並びに地図情報データベース110に格納されている情報等に基づいて、或いは、カーナビゲーション111により設定された経路又はウィンカースイッチ(図示せず)の状態等に基づいて、車両1の運転者が交差点を右折又は左折する意思があるか否かを判定する。
運転者が交差点を右折又は左折する意思があると判定された場合、ECU109は、運転学習システム10により学習された運転挙動を用い、例えばブレーキアクチュエータ112等を制御することによって、運転者の運転支援を行う。
本実施形態に係る「ECU109」は、本発明に係る「記録手段」、「計算手段」、「変更手段」及び「運転支援手段」の一例である。本実施形態では、各種電子制御用のECU109の一部を、運転学習システム10及び運転支援システム20の一部として用いている。
次に、以上のように構成された運転学習システム10及び運転支援システム20を搭載する車両1の走行中に、ECU109が実行する運転学習処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。この運転学習処理は、主に車両1の走行中に、一定周期で又は不定周期で、或いは連続して実行される。
図2において、先ず、ECU109は、GPS101及びインフラ通信装置104の各々から送信された信号、並びに地図情報データベース110に格納されている情報等に基づいて、車両1が交差点を通過中であるか否かを判定する(ステップS101)。
車両1が交差点を通過中でないと判定された場合(ステップS101:No)、ECU109は、ステップS101の処理を実行する。他方、車両1が交差点を通過中であると判定された場合(ステップS101:Yes)、ECU109は、ECU109は、GPS101、インフラ通信装置104及びステアリングセンサ116の各々から送信された信号、並びに地図情報データベース110に格納されている情報等に基づいて、車両1が交差点を右折又は左折するか否かを判定する(ステップS102)。
車両1が交差点を右折又は左折すると判定された場合(ステップS102:Yes)、車両1が交差点を右折又は左折し始めた後に、ECU109は、GPS101及びステアリングセンサ116の各々から送信された信号、並びに地図情報データベース110に格納されている情報に基づいて、位置L1を記録する(ステップS103)。
次に、ECU109は、GPS101及びアクセルポジションセンサ115の各々から送信された信号、並びに地図情報データベース110に格納されている情報に基づいて、位置L2を記録する(ステップS104)。
次に、ECU109は、位置L2から位置L1を差し引いた差分(即ち、位置L2−位置L1)を計算し、該計算された差分が閾値より小さいか否かを判定する(ステップS105)。計算された差分が閾値より小さいと判定された場合(ステップS105:Yes)、ECU109は、GPS101及び車速センサ105の各々から送信された信号、並びに地図情報データベース110に格納されている情報に基づいて、交差点内における車両1の最低速度Vmin及び位置Lminを特定して記録する(ステップS106)。
続いて、ECU109は、モデルIDを「1」に設定して(ステップS107)、処理を終了する。この場合、ECU109は、車両1の運転者を、交差点を右折又は左折するためにハンドルを操舵する前に、車両1の速度が十分に低下していることを重視する運転者であると判定する。
他方、ステップS105の処理において、計算された差分が閾値より大きいと判定された場合(ステップS105:No)、ECU109は、横加速度センサ117から送られてくる信号に基づいて、車両1の右折又は左折中における最大横加速度Gmaxを特定して記録する(ステップS108)。
続いて、ECU109は、モデルIDを「2」に設定して(ステップS109)、処理を終了する。この場合、ECU109は、車両1の運転者を、交差点を右折又は左折する際に車両に生じる横加速度の大きさを重視する運転者であると判定する。
ステップS102の処理において、車両1が交差点を右折及び左折しないと判定された場合(即ち、車両1が交差点を直進すると判定された場合)(ステップS102:No)、ECU109は、モデルIDを「0」に設定して(ステップS110)、処理を終了する。この場合、ECU109は、車両1の運転者の特性は不明確であると判定する。
尚、ステップS110の処理において、ECU109は、過去の運転学習処理時に、モデルIDが「1」又は「2」に設定されていた場合には、モデルIDを「0」に設定しなくてもよい。或いは、ステップS110の処理において、ECU109は、モデルIDを「0」に設定することに代えて、過去の運転学習処理時に設定されたモデルIDの履歴に基づいて、「1」及び「2」のいずれか多いほうのモデルIDに設定してもよい。
次に、運転学習システム10及び運転支援システム20を搭載する車両1の走行中に、ECU109が実行する運転支援処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。この運転支援処理は、主に車両1の走行中に、一定周期で又は不定周期で、或いは連続して実行される。
図3において、先ず、ECU109は、GPS101、インフラ通信装置104及びステアリングセンサ116の各々から送信された信号、並びに地図情報データベース110に格納されている情報等に基づいて、或いは、カーナビゲーション111により設定された経路又はウィンカースイッチの状態等に基づいて、車両1の運転者が交差点を右折又は左折する意思があるか否かを判定する(ステップS201)。
運転者が交差点を右折及び左折する意思がないと判定された場合(ステップS201:No)、ECU109は、ステップS201の処理を実行する。他方、運転者が交差点を右折又は左折する意思があると判定された場合(ステップS201:Yes)、ECU109は、制御支援システムを実施可能か否かを判定する(ステップS202)。尚、制御支援システムを実施可能か否かは、例えば、車両1から対象交差点までの距離が一定範囲内であるか否か等を判定することによって、判定すればよい。
制御支援システムを実施できないと判定された場合(ステップS202:No)、ECU109は、処理を終了する。他方、制御支援システムを実施可能であると判定された場合(ステップS202:Yes)、ECU109は、上述した運転学習処理において学習されたモデルIDが「1」であるか否かを判定する(ステップS203)。
モデルIDが「1」であると判定された場合(ステップうS203:Yes)、ECU109は、GPS101及び車速センサ105の各々からの信号、上述した運転学習処理において記録された最低速度Vmin及び位置Lmin、並びに地図情報データベース110に格納された情報に基づいて、位置Lminにおいて車両1の速度が最低速度Vminになるように制御量を算出する(ステップS204)。
他方、モデルIDが「1」でないと判定された場合(ステップS203:No)、ECU109は、モデルIDが「2」であるか否かを判定する(ステップS205)。モデルIDが「2」であると判定された場合(ステップS205:Yes)、ECU109は、GPS101及び車速センサ105の各々からの信号、上述した運転学習処理において記録された最大横加速度Gmax、並びに地図情報データベース110に格納された情報に基づいて、車両1が右折又は左折している際に車両1に加わる横加速度が、最大横加速度Gmaxを超えないように制御量を算出する(ステップS206)。
モデルIDが「2」でない(即ち、モデルIDが「0」である)と判定された場合(ステップS205:No)、ECU109は、一般モデルによる制御量を選択する(ステップS207)。尚、「一般モデルによる制御量」は、例えば実験等により決定され、例えばECU109が有するメモリ内に予め格納されている。
次に、ECU109は、制御支援システムの開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS208)。尚、「開始条件」は、具体的には例えば、運転者がアクセルペダルを踏下していない、車両1の速度が一定値以下である、車両と対象交差点との間の距離が一定値以下である、予め設定されている制御タイミングになった、等である。
開始条件が成立していないと判定された場合(ステップS208:No)、ECU109は、ステップS202の処理を実行する。他方、開始条件が成立したと判定された場合(ステップS208:Yes)、ECU109は、ステップS204、S206及びS207のいずれかの処理において決定された制御量になるように、例えばブレーキアクチュエータ112等を制御する(ステップS209)。
次に、ECU109は、制御支援システムの終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS210)。尚、「終了条件」は、具体的には例えば、運転者がアクセルペダルを踏下した、車両1の速度が一定値以下である、車両1が対象交差点を通過した、等である。
終了条件が成立したと判定された場合(ステップS210:Yes)、ECU109は、処理を終了する。他方、終了条件が成立していないと判定された場合(ステップS210:No)、ECU109は、ステップS209の処理を実行する。
尚、制御量を変更することに加えて又は代えて、制御タイミングを変更してもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う運転学習システム及び運転支援システムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…車両、10…減速支援システム、101…GPS、102…車載カメラ、103…ミリ波レーダ、104…インフラ通信装置、105…車速センサ、106…ディスプレイ、107…ACCスイッチ、108…PCSスイッチ、109…ECU、110…地図情報データベース、111…カーナビゲーション、112…ブレーキアクチュエータ、113…アクセルアクチュエータ、114…スピーカ、115…アクセルポジションセンサ、116…ステアリングセンサ

Claims (4)

  1. 車両に搭載され、前記車両の運転者に係る運転挙動を学習する運転学習システムであって、
    前記車両が交差点を通過中であり、且つ前記車両が前記交差点を右折又は左折することを条件に、前記車両が前記交差点を右折又は左折し始めた後に、(i)前記運転者が前記車両を右折又は左折させるためにハンドルを操舵した方向とは反対方向に前記ハンドルを操舵し始めた時点における前記車両の前記交差点内の位置である第1位置、及び(ii)前記運転者がアクセルペダルを踏下し始めた時点における前記車両の前記交差点内の位置である第2位置を記録する記録手段と、
    前記記録された第2位置から前記記録された第1位置を差し引いた差分を計算する計算手段と、
    前記計算された差分と閾値とを比較した結果に応じて、前記運転挙動を学習する際に記録すべき項目を変更する変更手段と
    を備えることを特徴とする運転学習システム。
  2. 前記変更手段は、前記計算された差分が前記閾値より小さいことを条件に、前記交差点内における前記車両の最低速度、及び前記最低速度時における前記車両の前記交差点内の位置である第3位置を、前記記録すべき項目とすることを特徴とする請求項1に記載の運転学習システム。
  3. 前記変更手段は、前記計算された差分が前記閾値より大きいことを条件に、前記車両が前記交差点を通過する際の横加速度を前記記録すべき項目とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の運転学習システム。
  4. 前記1乃至3のいずれか一項に記載の運転学習システムと、
    前記運転学習システムにより学習された前記運転挙動を用いて、前記運転者の運転支援を行う運転支援手段と
    を備えることを特徴とする運転支援システム。
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