JP2012069037A - 運転者特定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の運転者を、簡単な方法で、高精度に特定する。
【解決手段】運転者特定装置(10)は、例えば自動車等の車両(1)に搭載されており、該車両を運転する運転者を特定する。運転者特定装置は、交差点を走行する際の運転者の操作特性情報を検出する検出手段(105,114,115,116)と、検出された操作特性情報を格納する格納手段(117)と、格納された操作特性情報に基づいて、運転者を特定する特定手段(100)とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】運転者特定装置(10)は、例えば自動車等の車両(1)に搭載されており、該車両を運転する運転者を特定する。運転者特定装置は、交差点を走行する際の運転者の操作特性情報を検出する検出手段(105,114,115,116)と、検出された操作特性情報を格納する格納手段(117)と、格納された操作特性情報に基づいて、運転者を特定する特定手段(100)とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車等の車両の運転者を特定する運転者特定装置の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば運転者に個別に対応した運転支援制御を実行するために、車両を運転している運転者を特定しようとするものがある。例えば特許文献1では、入力された個人IDによって運転者を特定するという技術が提案されている。また特許文献2では、データベース化した操作特性に基づいて運転者を特定するという技術が提案されている。
しかしながら、上述した特許文献1に係る技術では、運転者に個人IDの入力を求めることになるため、運転者が煩わしい入力操作を敬遠し、結果としてシステムの実効性が下がるおそれがある。これに代えて、生態情報認証(例えば、顔認証や指紋認証等)を利用する手法もあるが、導入費用が高額であると共に誤検出のおそれがある。
他方、特許文献2に係る技術では、運転者に入力操作は求められないものの、操作特性のばらつき等に起因して特定精度が低下してしまうおそれがある。例えば、運転時の操作特性は、同一の運転者であっても異なる場合がある。また、操作特性は、車両の走行状況によっても大きく変化するため、運転者を特定するために要する処理が複雑化してしまうという技術的問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、簡単な方法で、高精度な運転者の特定を実現可能な運転者特定装置を提供することを課題とする。
本発明の第1の運転者特定装置は上記課題を解決するために、車両の運転者を特定する運転者特定装置であって、交差点を走行する際の前記運転者の操作特性情報を検出する検出手段と、前記検出された操作特性情報を格納する格納手段と、前記格納された操作特性情報に基づいて、前記運転者を特定する特定手段とを備える。
本発明の第1の運転者特定装置は、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、単体の或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
本発明の第1の運転者特定装置の動作時には、先ず検出手段によって、交差点を走行する際の運転者の操作特性情報が検出される。尚、ここでの「交差点を走行する際」とは、車両が交差点内を走行している期間だけを指すものではなく、車両の運転者が交差点に対する各種操作を行う期間を含む広い概念である。よって、例えば交差点の直前或いは直後の走行中も、本発明の「交差点を走行する際」に含まれる場合がある。また「操作特性情報」とは、車両の運転者が交差点に対して行う各種操作のタイミングや量を示す情報であり、例えばハンドル操作位置、ハンドル操作量、アクセル操作量、ブレーキ操作量等が挙げられる。尚、検出手段において検出される操作特性情報は、複数種類であっても構わない。
検出された操作特性情報は、格納手段に格納される。格納手段は、操作特性情報を蓄積するデータベースとして構成されており、検出手段によって操作特性情報が検出される度に(言い換えれば、車両が交差点を走行する度に)、操作特性情報を記憶していく。
操作特性情報が格納されると、特定手段によって、車両の運転者が特定される。特定手段では、格納された操作特性情報に基づいて運転者が特定される。特定手段は、例えば格納された操作特性情報の中から検出された操作特性情報と類似するものを見つけ出し、その類似度によって、互いに同一の運転者であるか否かを判定する。この際、複数種類の操作特性情報を用いれば、特定精度を高めることが可能である。一方で、特定精度を高めずとも確実に特定が行えるような場合には、操作特性情報を少なくして、特定に要する処理を簡単化することもできる。
本発明では、運転者の操作に基づいて運転者の特定が行われるため、例えば運転者自身が個人IDのような個人を特定するための情報を入力せずに済む。よって、運転者に対する負荷の増大を防止できる。また本発明では、操作特性情報が検出されるタイミングが、運転者によって操作特性に差が出やすい交差点に限られている。このため、効率的に且つ精度よく運転者を特定できる。
以上説明したように、本発明に係る第1の運転者特定装置によれば、簡単な方法で、高精度な運転者の特定を実現することが可能である。尚、運転者の特定結果は、例えば運転者の各々に個別に対応した運転支援制御等に利用することが可能である。
本発明の第2の運転者特定装置は上記課題を解決するために、車両の運転者を特定する運転者特定装置であって、前記車両に設けられており、交差点を走行する際の前記運転者の操作特性情報を検出する検出手段と、前記車両に設けられており、前記検出された操作特性情報を格納する格納手段と、前記格納された操作特性情報を、車両外部に存在する情報センタへ送信する送信手段と、前記情報センタに設けられており、前記送信された操作特性情報を受信する受信手段と、前記情報センタに設けられており、前記受信された操作特性情報に基づいて、前記運転者を特定する特定手段とを備える。
本発明の第2の運転者特定装置は、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
本発明の第2の運転者特定装置は特に、その一部のみが車両に設けられており、他の部分は車両外部に存在する情報センタに設けられている。具体的には、車両には検出手段、格納手段及び送信手段が設けられており、情報センタには受信手段及び特定手段が設けられている。
本発明の第2の運転者特定装置の動作時には、先ず車両に設けられた検出手段によって、交差点を走行する際の運転者の操作特性情報が検出される。そして、検出された操作特性情報は、車両に設けられた格納手段に格納される。格納手段は、操作特性情報を蓄積するデータベースとして構成されており、検出手段によって操作特性情報が検出される度に(言い換えれば、車両が交差点を走行する度に)、操作特性情報を記憶していく。
操作特性情報が格納されると、車両に設けられた送信手段から情報センタの受信手段へと、格納された操作特性情報が送信される。送信手段は、例えばインターネットやBluetooth等の無線通信を用いて、操作特性情報を送信する。尚、格納された操作特性情報は、必ずしもその全てが送信されなくともよく、格納された操作特性情報の一部分(即ち、後述する運転者の特定に利用する部分のみ)が送信されるようにしてもよい。
情報センタの受信部によって受信された操作特性情報は、情報センタに設けられた特定手段による運転者の特定に利用される。特定手段は、例えば受信した操作特性情報の中から検出された操作特性情報と類似するものを見つけ出し、その類似度によって、互いに同一の運転者であるか否かを判定する。この際、複数種類の操作特性情報を用いれば、特定精度を高めることが可能である。一方で、特定精度を高めずとも確実に特定が行えるような場合には、操作特性情報を少なくして、特定に要する処理を簡単化することもできる。
本発明では、運転者の操作に基づいて運転者の特定が行われるため、例えば運転者自身が個人IDのような個人を特定するための情報を入力せずに済む。よって、運転者に対する負荷の増大を防止できる。また本発明では、操作特性情報が検出されるタイミングが、運転者によって操作特性に差が出やすい交差点に限られている。このため、効率的に且つ精度よく運転者を特定できる。
また、本発明の第2の運転者特定装置では特に、特定手段が車両外部に設けられている分、車両に搭載される構成要素が少なくなる。このため、車両への搭載性の向上を実現できる。更に、特定手段が車両に搭載される場合と比較して、運転者特定時の処理の高速化及び高度化を実現することが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る第2の運転者特定装置によれば、簡単な方法で、高精度な運転者の特定を実現することが可能である。尚、運転者の特定結果は、例えば運転者の各々に個別に対応した運転支援制御等に加え、運転者に適した情報提供やサービス等に用いることができる。
本発明の第3の運転者特定装置は上記課題を解決するために、車両の運転者を特定する運転者特定装置であって、前記車両に設けられており、交差点を走行する際の前記運転者の操作特性情報を検出する検出手段と、前記検出された操作特性情報を、車両外部に存在する情報センタへ送信する送信手段と、前記情報センタに設けられており、前記送信された操作特性情報を受信する受信手段と、前記情報センタに設けられており、前記受信された操作特性情報を格納する格納手段と、前記情報センタに設けられており、前記格納された操作特性情報に基づいて、前記運転者を特定する特定手段とを備える。
本発明の第3の運転者特定装置は、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
本発明の第3の運転者特定装置は特に、その一部のみが車両に設けられており、他の部分は車両外部に存在する情報センタに設けられている。具体的には、車両には検出手段、及び送信手段が設けられており、情報センタには受信手段、格納手段及び特定手段が設けられている。
本発明の第3の運転者特定装置の動作時には、先ず車両に設けられた検出手段によって、交差点を走行する際の運転者の操作特性情報が検出される。そして、検出された操作特性情報は、車両に設けられた送信手段から情報センタの受信手段へと送信される。
情報センタでは、受信部において受信した操作特性情報が格納手段に格納される。格納手段は、操作特性情報を蓄積するデータベースとして構成されており、受信手段によって操作特性情報が受信される度に(言い換えれば、送信手段から操作特性情報が送信されてくる度に)、操作特性情報を記憶していく。
情報センタの格納手段に格納された操作特性情報は、情報センタに設けられた特定手段による運転者の特定に利用される。特定手段は、例えば格納された操作特性情報の中から検出された操作特性情報と類似するものを見つけ出し、その類似度によって、互いに同一の運転者であるか否かを判定する。この際、複数種類の操作特性情報を用いれば、特定精度を高めることが可能である。一方で、特定精度を高めずとも確実に特定が行えるような場合には、操作特性情報を少なくして、特定に要する処理を簡単化することもできる。
本発明では、運転者の操作に基づいて運転者の特定が行われるため、例えば運転者自身が個人IDのような個人を特定するための情報を入力せずに済む。よって、運転者に対する負荷の増大を防止できる。また本発明では、操作特性情報が検出されるタイミングが、運転者によって操作特性に差が出やすい交差点に限られている。このため、効率的に且つ精度よく運転者を特定できる。
また、本発明の第3の運転者特定装置では特に、格納手段及び特定手段が車両外部に設けられている分、車両に搭載される構成要素が少なくなる。このため、車両への搭載性の向上を実現できる。更に、格納手段及び特定手段が車両に搭載される場合と比較して、格納する情報量の増加、運転者特定時の処理の高速化及び高度化を実現することが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る第3の運転者特定装置によれば、簡単な方法で、高精度な運転者の特定を実現することが可能である。尚、運転者の特定結果は、例えば運転者の各々に個別に対応した運転支援制御等に加え、運転者に適した情報提供やサービス等に用いることができる。
本発明の運転者特定装置の他の態様では、前記検出手段は、前記操作特性情報として、前記運転者の操舵特性情報を検出する。
この態様によれば、車両が交差点を走行する際に、運転者の操舵特性情報が検出される。そして、運転者の特定には、格納された操舵特性情報が利用される。尚、ここでの「操舵特性情報」とは、運転者が車両の進行方向を制御するために行う操作のタイミングや量を示す情報であり、例えばハンドル操作位置、ハンドル操作量等が挙げられる。
本願発明者の研究によれば、交差点における操舵特性情報は、運転者によって差が出やすいパラメータであることが判明している。よって、操舵特性情報を用いれば、より高い精度で運転者を特定することが可能である。
上述した操舵特性情報を検出する態様では、前記検出手段は、前記操舵特性情報として、前記運転者のハンドル操作位置及びハンドル操作量を検出するようにしてもよい。
この場合、検出手段がハンドル操作を検出するセンサ等として構成され、操舵特性情報として、ハンドル操作位置及びハンドル操作量が検出される。ハンドル操作位置及びハンドル操作量は、操舵特性情報の中でも比較的検出しやすく、運転者によって差が出やすいパラメータである。よって、極めて好適に運転者を特定することが可能である。
本発明の運転者特定装置の他の態様では、前記検出手段は、前記操作特性情報として、前記運転者の加減速特性情報を検出する。
この態様によれば、車両が交差点を走行する際に、運転者の加減速特性情報が検出される。そして、運転者の特定には、格納された加減速特性情報が利用される。尚、ここでの「加減速特性情報」とは、運転者が車両の速度を制御するために行う操作のタイミングや量を示す情報であり、例えばアクセル操作量、ブレーキ操作量等が挙げられる。
本願発明者の研究によれば、交差点における加減速特性情報は、運転者によって差が出やすいパラメータであることが判明している。よって、加減速特性情報を用いれば、より高い精度で運転者を特定することが可能である。尚、上述した操舵特性情報と加減速特性情報を併せて用いることで、運転者の特定精度を更に高めることも可能である。
上述した加減速特性を検出する態様では、前記検出手段は、前記加減速特性情報として、前記運転者のアクセル操作量及びブレーキ操作量を検出するようにしてもよい。
この場合、検出手段がアクセル操作及びブレーキ操作を検出するセンサ等として構成され、加減速特性情報として、アクセル操作量及びブレーキ操作量が検出される。アクセル操作量及びブレーキ操作量は、加減速特性情報の中でも比較的検出しやすく、運転者によって差が出やすいパラメータである。よって、極めて好適に運転者を特定することが可能である。
本発明の運転者特定装置の他の態様では、前記格納手段は、前記交差点毎に前記操作特性情報を格納し、前記特定手段は、複数の前記交差点に対応する前記操作特性情報を互いに比較することで、前記運転者を特定する。
この態様によれば、格納手段によって、交差点毎に操作特性情報が格納される。即ち、一の交差点に対応する操作特性情報と、他の交差点に対応する操作特性情報とは、別々に格納される。尚、一の交差点と他の交差点とは、例えばGPS(Global Positioning System)や車載カメラ等を利用して判別することができる。
本態様では特に、複数の交差点に対応する操作特性情報を互いに比較することで、運転者が特定される。即ち、一の交差点に対応する操作特性情報と、他の交差点に対応する操作特性情報とが互いに比較され、運転者が特定される。このような特定方法によれば、一の交差点に対応する操作特性情報だけでは運転者が特定できない場合であっても、他の交差点に対応する操作特性情報を用いて運転者を特定することができる。即ち、複数の交差点に係る操作特性情報を総合的に勘案することによって、より確実に運転者を特定することが可能となる。
本発明の運転者特定装置の他の態様では、前記特定手段は、複数種類の前記操作特性情報の各々のばらつき傾向に応じて、複数種類の前記操作特性情報の中から、前記運転者の特定に用いる前記操作特性情報を選択する。
この態様によれば、検出手段で複数種類の操作特性情報が検出されており、格納手段には複数種類の操作特性情報が格納されている。そして特定手段では、複数種類の操作特性情報の各々のばらつき傾向に応じて、運転者の特定に用いる操作特性情報が選択される。即ち、操作特性情報のばらつき傾向に応じて、運転者の特定に用いる操作特性情報の種類や数が決定される。
尚、ここでの「ばらつき傾向」とは、複数種類の操作特性情報の各々について、同一の運転者から検出される値のばらつき度合いを示すものである。例えば、複数種類の操作特性情報には、同じ運転者であっても検出される値のばらつきが大きいもの(即ち、同じ状況下でも比較的大きく変動するもの)と、ばらつきが小さいもの(即ち、同じ状況下であれば比較的変動が小さくなるもの)とがある。本態様に係る「ばらつき傾向」は、操作特性情報における上述した傾向を判断するためのパラメータとして利用される。
本態様では、上述したように、ばらつき傾向に応じて使用する操作特性情報が選択されるため、より好適に運転者の特定が行える。具体的には、ばらつき傾向の比較的小さい操作特性情報だけを使用するようにすれば、効率的に運転者の特定が行える。或いは、格納されている操作特性情報のばらつき傾向が比較的大きい場合に、より多い種類の操作特性情報を使用すれば、特定精度の低下を抑制できる。
本発明の運転者特定装置の他の態様では、前記特定手段は、複数種類の前記操作特性情報の各々の個人差傾向に応じて、複数種類の前記操作特性情報の中から、前記運転者の特定に用いる前記操作特性情報を選択する。
この態様によれば、検出手段で複数種類の操作特性情報が検出されており、格納手段には複数種類の操作特性情報が格納されている。そして特定手段では、複数種類の操作特性情報の各々の個人差傾向に応じて、運転者の特定に用いる操作特性情報が選択される。即ち、操作特性情報の個人差傾向に応じて、運転者の特定に用いる操作特性情報の種類や数が決定される。
尚、ここでの「個人差傾向」とは、複数種類の操作特性情報の各々について、運転者間で生じる差の大きさの傾向を示すものである。例えば、複数種類の操作特性情報には、運転者が違えば値が大きく異なるものと、運転者が違っても値に大きな差が出ないものとがある。本態様に係る「個人差傾向」は、操作特性情報における上述した傾向を判断するためのパラメータとして利用される。
本態様では、上述したように、個人差傾向に応じて使用する操作特性情報が選択されるため、より好適に運転者の特定が行える。具体的には、個人差傾向の比較的大きい操作特性情報だけを使用するようにすれば、効率的に運転者の特定が行える。この場合、他の運転者との違いが判別しやすいため、特定精度を向上させることができる。或いは、格納されている操作特性情報の個人差傾向が比較的小さい場合に、より多い種類の操作特性情報を使用すれば、特定精度の低下を抑制できる。
本発明の運転者特定装置の他の態様では、前記特定手段は、前記交差点における前記車両の進行方向に応じて、複数種類の前記操作特性情報の中から、前記運転者の特定に用いる前記操作特性情報を選択する。
この態様によれば、検出手段で複数種類の操作特性情報が検出されており、格納手段には複数種類の操作特性情報が格納されている。そして特定手段では、交差点における車両の進行方向に応じて、運転者の特定に用いる操作特性情報が選択される。即ち、車両が交差点を右折する或いは左折する等の違いに応じて、運転者の特定に用いる操作特性情報の種類や数が決定される。
操作特性情報は、車両の進行方向によって、大きく異なるものであると考えられる。よって、車両の進行方向に応じて操作特性情報を選択すれば、より好適に運転者の特定が行える。例えば、車両の右折時は、左折時と比べて複雑な操作が求められるため、運転者を特定できるような操作特性情報が得られやすい。よって、交差点を右折する場合の操作特性情報だけを用いれば、極めて効率的に運転者の特定が行える。一方で、右折時の操作特性情報だけでは運転者を特定できないような場合(即ち、運転者を特定できるような操作特性情報が得られなかった場合)、左折時の操作特性情報も併せて考慮することで特定精度を高めることができる。
本発明の運転者特定装置の他の態様では、前記特定手段は、前記交差点の特性に応じて、複数種類の前記操作特性情報の中から、前記運転者の特定に用いる前記操作特性情報を選択する。
この態様によれば、検出手段で複数種類の操作特性情報が検出されており、格納手段には複数種類の操作特性情報が格納されている。そして特定手段では、交差点の特性に応じて、運転者の特定に用いる操作特性情報が選択される。即ち、交差点の特性に応じて、運転者の特定に用いる操作特性情報の種類や数が決定される。尚、ここでの「交差点の特性」とは、交差点が有する物理的なパラメータのうち、操作特性情報に影響を与えると推測されるパラメータを指しており、具体的には、交差点の道幅や車線数等が挙げられる。
例えば、道幅が広い大きな交差点、極端に道幅が狭い交差点、或いは車線数が多い交差点では、操作特性情報に個人差が出やすいと考えられる。よって、このような交差点に限って操作特性情報の検出を行えば、より効率的に運転者の特定が行える。一方で、操作特性情報に個人差が出にくいと考えられる交差点では、操作特性情報検出をしないようにして、運転者の特定に要する負荷を軽減させることもできる。
本発明の運転者特定装置の他の態様では、前記特定手段において前記運転者を特定できない場合に、前記運転者を特定できない状況であることを前記運転者に対して知らせる通知手段を更に備える。
この態様によれば、例えば良好な操作特性情報が得られず、特定手段において運転者を特定できない場合に、視覚的な表示や音声等によって、運転者を特定できない状況であることが通知される。具体的には、例えばHMI(Human Machine Interface)、HUD(Head Up Display)、カーナビゲーション、運転者の所持するスマートフォン等のディスプレイ上に、運転者を特定できない状況を示す表示がなされる。或いは、車載スピーカ等から、運転者を特定できない状況であることを知らせる音声ガイドが流れる。これにより、運転者は自分自身が装置に特定されていないことを知ることができる。
上述した構成によれば、自分自身が特定されていないと知った運転者は、例えば個人IDを入力する等して、装置に対して別の方法で運転者の特定を実行させることができる。或いは、運転者の特定に応じて実施される運転支援制御システム等を停止させて、不適切な制御が実施されてしまうことを防止することができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<装置構成>
先ず、本実施形態に係る運転者特定装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る運転者特定装置の全体構成を示すブロック図である。尚、図1では、説明の便宜上、本実施形態に関連の深い部材のみを図示しており、他の部材については図示を省略している。
先ず、本実施形態に係る運転者特定装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る運転者特定装置の全体構成を示すブロック図である。尚、図1では、説明の便宜上、本実施形態に関連の深い部材のみを図示しており、他の部材については図示を省略している。
図1において、運転者特定装置10は、ECU(Electronic Control Unit)100、GPS101、車載カメラ102、ミリ波レーダ103、インフラ通信装置104、車速センサ105、ディスプレイ106、ACC(Adaptive Cruise Control)スイッチ107、PCS(Pre-Crash Safety)スイッチ108、地図情報データベース(DB)110、カーナビゲーション111、ブレーキアクチュエータ112、アクセルアクチュエータ113、ブレーキポジションセンサ114、アクセルポジションセンサ115、ステアリングセンサ116及び操作特性情報データベース(DB)117を備えて構成されている。
ECU100は、CPU、ROM及びRAM等を備え、車両の各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットである。ECU100は、例えばROM等に格納された制御プログラムに従って、車両における各種制を実行可能に構成されている。
GPS101は、GPS衛星からの信号を受信して、該受信した信号を基に車両の現在位置を特定する。GPS101によって特定された車両の現在位置を示す信号は、ECU100に送信される。
車載カメラ102は、主に車両1の前方の画像を撮像する。車載カメラ102によって撮像された画像を示す信号は、ECU100に送信される。
ミリ波レーダ103は、ミリ波を出射すると共に、対象物(例えば、前方車両等)により反射された電波を受信し、伝播時間やドップラー効果に起因して生じる周波数等を基に、対象物の位置や車両との相対速度を測定する。ミリ波レーダ103における測定結果は、ECU100に送信される。
インフラ通信装置104は、例えば光学式車両感知器(所謂、光ビーコン)等の路上に設置された交通インフラストラクチャを介して、見通しの悪い周辺の状況に係る情報、交通管制情報(例えば信号機や標識等に係る情報)、道路状況に係る情報(例えば交通事故や渋滞等に係る情報)等を取得する。インフラ通信装置104によって取得された情報は、ECU100に送信される。
車速センサ105は、例えば車速に比例する出力軸(図示せず)の回転数を検出し、該検出された回転数から車両の速度を検出する。車速センサ105において検出された車速情報は、ECU100に送信される。
ディスプレイ106は、例えばHMI、HUD、カーナビゲーション等のディスプレイであり、運転者又は同乗者から視認可能な位置に設けられている。或いは、車両の運転者が所持する携帯端末(例えば、スマートフォン)等のディスプレイであってもよい。ディスプレイ106は、ECU100から伝達される各種信号に応じた表示を行えるように構成されている。
ACCスイッチ107及びPCSスイッチ108は、運転モードを設定するためのスイッチである。ACCスイッチ107及びPCSスイッチ108は、運転者によりON状態にされることによって、夫々ACC機能及びPCS機能を有効にする。
地図情報データベース110は、車両の走行に必要な情報を記憶する記憶手段として構成されている。地図情報データベース110には、例えば地図、直線路、コーナ、登降坂路、高速道路等の情報が、予め記憶されている。また、車両が走行した道路から取得された情報に基づいて、記憶された情報を更新する機能を有していてもよい。
カーナビゲーション111は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としている。カーナビゲーション111は、上述したGPS101、インフラ通信装置104、ディスプレイ106、地図情報データベース110、及び図示せぬスピーカ等と協働することによって、運転者に、車両の現在地周辺の地図情報、車両の現在位置、目的位置、経路等の情報を提供する。
ブレーキアクチュエータ112は、ブレーキペダル(図示せず)の操作に応じて、車両の減速動作を制御可能に構成されている。
アクセルアクチュエータ113は、アクセルペダル(図示せず)の操作に応じて、車両の加速動作を制御可能に構成されている。
ブレーキポジションセンサ114は、ブレーキペダルの操作量(例えば、ブレーキペダルの踏下量)及び操作タイミング(例えば、ブレーキを踏込み始めた時刻やブレーキを離した時刻)を検出する。ブレーキポジションセンサ114によって検出された情報は、ECU100に送信される。
アクセルポジションセンサ115は、アクセルペダルの操作量(即ち、アクセル開度)及び操作タイミング(例えば、アクセルを踏込み始めた時刻やアクセルを離した時刻)を検出する。アクセルポジションセンサ115によって検出された情報は、ECU100に送信される。
ステアリングセンサ116は、例えば車両のコンビネーションスイッチ部(図示せず)に設けられており、ハンドル(図示せず)の操舵量、操舵方向及び操作タイミングを検出する。ステアリングセンサ116によって検出された情報は、ECU100に送信される。
操作特性情報データベース117は、上述した車速センサ105、ブレーキポジションセンサ114、アクセルポジションセンサ115及びステアリングセンサ116によって検出された情報を夫々記憶する記憶手段として構成されている。
尚、運転者特定装置10に含まれる各部位のうち、ECU100は、本発明の「特定手段」の一例であり、ディスプレイ106は、本発明の「通知手段」の一例である。また、車速センサ105、ブレーキポジションセンサ114、アクセルポジションセンサ115及びステアリングセンサ116は夫々、本発明の「検出手段」の一例であり、操作特性情報データベース117は、本発明の「格納手段」の一例である。
上述した各部位は、すべて車両に搭載されるものとして構成されているが、「格納手段」の一例である操作特性情報データベース117、及び「特定手段」の一例であるECU100の一部は、車両に搭載されなくともよい。例えば、操作特性情報データベース117及びECU100の一部は、車両外部に存在する情報センタ等に設けられてもよい。この場合、車両には本発明の「送信手段」の一例である送信部が設けられると共に、情報センタには本発明の「受信手段」の一例である受信部が設けられる。これにより、車両と情報センタとの間での情報の送受信が可能とされる。
より具体的には、「特定手段」の一例であるECU100の一部が車両外部の情報センタに設けられる場合、車両において検出された操作特性情報は、車両に設けられた操作特性情報データベース117に蓄積されていき、蓄積された操作特性情報が送信部から情報センタの受信部へと送信される。情報センタでは、受信した操作特性情報を利用して運転者の特定が行われる。
また、「格納手段」の一例である操作特性情報データベース117、及び「特定手段」の一例であるECU100の一部が共に車両外部の情報センタに設けられる場合、車両において検出された操作特性情報は、送信部によって情報センタの受信部へと送信される。情報センタでは、受信した操作特性情報が操作特性情報データベース117に蓄積されていき、蓄積された操作特性情報を利用して運転者の特定が行われる。
尚、このように運転者特定装置10の一部が車両外部に設けられる場合であっても、その処理内容の違いは主に情報の送受信を行うか否かであり、大きな違いはない。よって、以下では、運転者特定装置10が全て車両に搭載されているものとして説明を進めるものとする。
<運転者の特定方法>
次に、運転者特定装置による運転者の特定方法について説明する。尚、以下では、2つの実施形態を挙げて、運転者の特定方法について詳細に説明をする。
次に、運転者特定装置による運転者の特定方法について説明する。尚、以下では、2つの実施形態を挙げて、運転者の特定方法について詳細に説明をする。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態に係る運転者特定装置の動作について、図2から図7を参照して説明する。ここに図2は、第1実施形態に係る運転者特定装置の動作を示すフローチャートである。
先ず、第1実施形態に係る運転者特定装置の動作について、図2から図7を参照して説明する。ここに図2は、第1実施形態に係る運転者特定装置の動作を示すフローチャートである。
図2において、第1実施形態に係る運転者特定装置10では、車両が交差点Aを右折する際に(ステップS01:YES)、ステアリングセンサ116によって、運転者によるステア操作が検出される(ステップS02)。以下において、図3及び図4を参照して、ステア操作の検出について、より詳細に説明する。ここに図3は、交差点における車両の走行軌跡を示す平面図である。また図4は、交差点における交差点におけるステア操作量と走行距離との関係を示すグラフを示すグラフである。
図3において、例えば車両1が、図に示すような交差点を、点線で示す軌跡に沿って走行する場合を考える。この場合における車両1の運転者のステア操作量は、例えば図4に示すような値として検出される。即ち、運転者は、車両1が位置aに到達した際にハンドルを切り始め、位置bに到達したところで操作量が最大となる。そして、位置bを通過した後はハンドルを戻しはじめ、位置cに到達した際にはハンドルが元の状態に戻される。尚、交差点内における車両の位置は、例えばGPS101等によって検出されている。
以上のように、ステアリングセンサ116では、交差点を右折する際のハンドル操作量やハンドル操作のタイミングが検出される。本実施形態に係る運転者特定装置10では特に、ここで検出したパラメータのうち、最大ステア操作量(即ち、位置bにおけるステア操作量)を用いて運転者を特定する。
図2に戻り、交差点Aを右折する際のステア操作が検出されると、検出されたステア操作に係るパラメータが、操作特性情報データベース117に格納される(ステップS03)。操作特性情報データベース117に検出されたパラメータが格納されると、ECU100によって、運転者を特定可能であるか判定される(ステップS04)。
操作特性情報データベース117には、今回検出されたパラメータの他にも、交差点Aを右折する際のステア操作に係るパラメータが予め格納されており、ECU100によって、検出されたパラメータと、格納されていたパラメータとが互いに比較される。より具体的には、ECU100は、例えば格納されていたパラメータの中に、検出されたパラメータと類似度の高いパラメータが存在しているか否かを検出し、互いのパラメータの値が一定以上の類似度である場合には、運転者を特定可能であると判定する(ステップS04:YES)。一方で、互いのパラメータの値の類似度が低い場合には、運転者を特定不可能であると判定する(ステップS04:NO)。
運転者が特定不可能であると判定された場合、続く交差点Bを右折した際に(ステップS06:YES)、再びステア操作がステアリングセンサ116によって検出され(ステップS07)、検出されたパラメータが操作特性情報データベース117に格納される(ステップS08)。そしてECU100では、交差点Bを右折した際に検出されたパラメータを用いて、運転者を特定可能であるか否かが判定される(ステップS09)。即ち、交差点Aにおいて実行されたステップS02〜S04と同様の処理が、交差点Bにおいても実行される。
ここで特に、交差点Bにおいて検出したパラメータを用いても運転者を特定不可能であると判定された場合(ステップS09:NO)、交差点Aにおいて検出されたパラメータと、交差点Bにおいて検出されたパラメータの傾向が比較され(ステップS10)、それぞれのパラメータを総合的に考慮して運転者を特定可能であるか否かが判定される(ステップS11)。以下では、図5から図7を参照して、上述した運転者の特定方法を具体的に説明する。ここに図5は、交差点Aにおけるステア最大操作量を運転者別に示すグラフであり、図6は、交差点Bにおけるステア最大操作量を運転者別に示すグラフである。また図7は、第1実施形態に係る運転者の特定方法を概念的に示すマトリクス図である。
図5において、4人のドライバ1〜4による交差点Aを右折する際の最大ステア操作量が、それぞれグラフに示されるような値として、操作特性情報データベース117に格納されているとする。ここで、最大ステア操作量の違いを利用して、操作量の少ない方から順にタイプ分け(言い換えれば、最大ステア操作量の属する範囲に応じたグループ分け)をすると、ドライバ3がタイプ1、ドライバ1がタイプ2、ドライバ2及びドライバ4がタイプ3として夫々タイプ分けできる。この結果、ドライバ1及びドライバ3は、それぞれ他のドライバと切り分けることが可能であるが、ドライバ2及びドライバ4は、検出された最大ステア操作量が互いに近い値であるため切り分けることが困難であることが分かる。よって、交差点Aにおいて検出された最大ステア操作量が、タイプ3としてタイプ分けされるような値である場合、交差点Aに係るパラメータだけではドライバを特定することが困難である。即ち、現在の運転者が、ドライバ2又はドライバ4のいずれであるか、正確に判定することはできない。
図6において、4人のドライバ1〜4による交差点Bを右折する際の最大ステア操作量が、それぞれグラフに示されるような値として、操作特性情報データベース117に格納されているとする。ここで、最大ステア操作量の違いを利用して、操作量の少ない方から順にタイプ分けをすると、ドライバ3がタイプ1、ドライバ1及びドライバ4がタイプ2、ドライバ2がタイプ3として夫々タイプ分けできる。この結果、ドライバ2及びドライバ3は、それぞれ他のドライバと切り分けることが可能であるが、ドライバ1及びドライバ4は、検出された最大ステア操作量が互いに近い値であるため切り分けることが困難であることが分かる。よって、交差点Bにおいて検出された最大ステア操作量が、タイプ2としてタイプ分けされるような値である場合、交差点Bに係るパラメータだけではドライバを特定することが困難である。即ち、現在の運転者が、ドライバ2又はドライバ3のいずれであるか、正確に判定することはできない。
図7において、交差点A及びBにおける各ドライバのタイプを見てみると、交差点A及びBの各々だけでは切り分けできなかったものが、交差点A及びBを併せて考えることで切り分け可能となることが分かる。具体的には、交差点Aにおいてタイプ3とされたドライバ2及びドライバ4は、交差点Bにおいて、ドライバ2がタイプ3、ドライバ4がタイプ2としてタイプ分けされている。即ち、交差点Aだけで見れば、同一のタイプとされていたドライバが、交差点Bでは、それぞれ異なるタイプとしてタイプ分けされている。よって、交差点A及び交差点Bの両方の最大ステア操作量を用いれば、ドライバ1から4の全てのドライバを切り分けてタイプ分けすることができる。即ち、1つの交差点に係る処理だけでは不可能であった運転者の特定を、複数の交差点に係る処理によって実現することができる。
再び図2に戻り、運転者の特定が可能であると判定されると(ステップS04:YES,ステップS09:YES,ステップS11:YES)、ECU100によって、現在の車両1の運転者が特定される(ステップS05)。ここで特定された運転者の情報は、例えば車両1における運転支援制御システム等に利用することができる。また、本実施形態に係る運転者特定装置10の一部が情報センタに設けられるような場合(即ち、運転者を特定する機能が車両外部に有される場合)には、運転者に適した情報やサービス等の提供を実現することができる。
ちなみに、交差点A及び交差点Bの両方の最大ステア操作量を用いても運転者の特定ができなかった場合(ステップS11:NO)、イグニッションオフとされたか否かが判定される(ステップS12)。ここで、イグニッションオフとされた場合(ステップS12:YES)、運転者は特定されないまま処理は終了し、イグニッションオフとされない場合(ステップS12:NO)、上述した運転者の特定に係る処理が最初から再び実行される。このような処理の繰り返しにより、車両が交差点を通過する度に最大ステア操作量が検出され、操作特性情報データベース117には、より多くの最大ステア操作量が格納されていく。よって、利用できるパラメータが増加する分、運転者の特定精度は確実に高められていく。また、運転者の特定ができない場合には、運転者が特定できない状況であることをディスプレイ106に表示して(或いは、音声等を流して)、運転者に自分自身が特定されていないことを通知するようにしてもよい。
尚、第1実施形態では、交差点における最大ステア操作量を用いて運転者を特定する場合について説明したが、最大ステア操作量以外のパラメータを用いて運転者を特定することも可能である。また、1つのパラメータだけでなく、複数のパラメータを利用して運転者を特定することで、特定精度を高めることも可能である。
加えて、第1実施形態では、交差点を右折する場合に操作特性情報を検出しているが、交差点を右折する場合だけでなく、左折する場合に操作特性情報を検出するようにしてもよい。また、個人の差が出易いと考えられる、道幅が広い交差点や、車線数が多い交差点に限って処理を行うことで、効率的な運転者の特定を行うことも可能である。
以上説明したように、第1実施形態に係る運転者特定装置によれば、簡単な方法で、高精度な運転者の特定を実現することが可能である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る運転者特定装置の動作について、図8から図12を参照して説明する。ここに図8は、第2実施形態に係る運転者特定装置の動作を示すフローチャートである。尚、第2実施形態は、上述の第1実施形態と比べて一部の動作が異なり、その他の動作については概ね同様である。このため第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。
次に、第2実施形態に係る運転者特定装置の動作について、図8から図12を参照して説明する。ここに図8は、第2実施形態に係る運転者特定装置の動作を示すフローチャートである。尚、第2実施形態は、上述の第1実施形態と比べて一部の動作が異なり、その他の動作については概ね同様である。このため第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。
図8において、第2実施形態に係る運転者特定装置では、車両1が交差点を右折する際に(ステップS21:YES)、運転者の操作特性を示す情報が複数検出される(ステップS22)。具体的には、ステアリングセンサ116によって、最大ステア操作量Sが検出される。また、車速センサ105及びブレーキポジションセンサ114によって、ブレーキ終了時車速V(即ち、ブレーキペダルを離した自転での車速)が検出される。更には、車速センサ105及びアクセルポジションセンサ115によって、最大加速度A(即ち、最もアクセルペダルを踏み込んだ際の車両1の加速度)が検出される。
尚、交差点における運転者の操作特性を示す情報であれば、その他のパラメータが検出されても構わない。具体的には、ステア切り始め位置、ステア戻し始め位置、ステア戻し終わり位置、ブレーキオフ位置、最大限速度、アクセルオン位置、アクセル踏み込み量、ブレーキからアクセルへの踏み替え時間等が挙げられる。これらのパラメータは、上述した最大ステア操作量S、ブレーキ終了時車速V、最大加速度Aと同様に、運転者の特定に利用することができる。
交差点を右折する際の操作特性情報が検出されると、検出されたパラメータが、操作特性情報データベース117に格納される(ステップS23)。即ち、操作特性情報データベース117には、最大ステア操作量S、ブレーキ終了時車速V、最大加速度Aがそれぞれ格納される。
ここで第2実施形態に係る運転者特定装置では特に、最大ステア操作量Sによるタイプ分け(ステップS24)、ブレーキ終了時車速Vによるタイプ分け(ステップS25)、最大加速度Aによるタイプ分け(ステップS26)が順次行われる。そして、3種類のパラメータによるタイプ分けをそれぞれ考慮して、運転者が特定可能であるか否かが判定される(ステップS27)。
以下では、図9から図12を参照して、上述した運転者の特定方法を具体的に説明する。ここに図9は、交差点におけるステア最大操作量Sを運転者別に示すグラフであり、図10は、交差点におけるブレーキ終了時車速Vを運転者別に示すグラフであり、図11は、交差点における最大加速度Aを運転者別に示すグラフである。また図12は、第2実施形態に係る運転者の特定方法を概念的に示すマトリクス図である。
図9において、4人のドライバ1〜4による交差点を右折する際の最大ステア操作量Sが、それぞれグラフに示されるような値として、操作特性情報データベース117に格納されているとする。ここで、最大ステア操作量Sの違いを利用して、操作量の少ない方から順にタイプ分けをすると、ドライバ1、ドライバ2及びドライバ4がタイプ1、ドライバ2がタイプ2として夫々タイプ分けできる。この結果、ドライバ2は、他のドライバと切り分けることが可能であるが、ドライバ1、ドライバ3及びドライバ4は、検出された最大ステア操作量Sが互いに近い値であるため切り分けることが困難であることが分かる。よって、交差点において検出された最大ステア操作量Sが、タイプ1としてタイプ分けされるような値である場合、交差点に係る最大ステア操作量Sだけではドライバを特定することが困難である。即ち、現在の運転者が、ドライバ1、ドライバ3又はドライバ4のいずれであるか、正確に判定することはできない。
図10において、4人のドライバ1〜4による交差点を右折する際のブレーキ終了時車速Vが、それぞれグラフに示されるような値として、操作特性情報データベース117に格納されているとする。ここで、ブレーキ終了時車速Vの違いを利用して、車速の少ない方から順にタイプ分けをすると、ドライバ2がタイプ1、ドライバ1及びドライバ4がタイプ2、ドライバ3がタイプ3として夫々タイプ分けできる。この結果、ドライバ2及びドライバ3は、それぞれ他のドライバと切り分けることが可能であるが、ドライバ1及びドライバ4は、検出されたブレーキ終了時車速Vが互いに近い値であるため切り分けることが困難であることが分かる。よって、交差点において検出されたブレーキ終了時車速Vが、タイプ2としてタイプ分けされるような値である場合、交差点に係るブレーキ終了時車速Vだけではドライバを特定することが困難である。即ち、現在の運転者が、ドライバ1又はドライバ4のいずれであるか、正確に判定することはできない。
図11において、4人のドライバ1〜4による交差点を右折する際の最大加速度Aが、それぞれグラフに示されるような値として、操作特性情報データベース117に格納されているとする。ここで、最大加速度Aの違いを利用して、加速度の少ない方から順にタイプ分けをすると、ドライバ1がタイプ1、ドライバ2、ドライバ3及びドライバ4がタイプ2として夫々タイプ分けできる。この結果、ドライバ1は、他のドライバと切り分けることが可能であるが、ドライバ2、ドライバ3及びドライバ4は、検出された最大加速度Aが互いに近い値であるため切り分けることが困難であることが分かる。よって、交差点において検出された最大加速度Aが、タイプ2としてタイプ分けされるような値である場合、交差点に係る最大加速度Aだけではドライバを特定することが困難である。即ち、現在の運転者が、ドライバ2、ドライバ3又はドライバ4のいずれであるか、正確に判定することはできない。
図12において、ステア操作(即ち、最大ステア操作量S)、減速操作(即ち、ブレーキ終了時車速V)、加速操作(即ち、最大加速度A)による各ドライバのタイプ分けを見ると、ステア操作、減速操作及び加速操作の各々だけでは切り分けできなかったものが、それらを併せて考えることで切り分け可能となることが分かる。具体的には、ステア操作においてタイプ1とされたドライバ1、ドライバ3及びドライバ4は、減速操作において、ドライバ1がタイプ2、ドライバ3がタイプ3、ドライバ4がタイプ2としてタイプ分けされている。よって、ステア操作及び減速操作を併せて考えれば、ステア操作だけで切り分け可能であったドライバ2に加えて、ドライバ3を切り分けることが可能となる。同様に、ステア操作でタイプ1、減速操作においてタイプ2とされたドライバ1及びドライバ4は、加速操作において、ドライバ1がタイプ1、ドライバ4がタイプ2としてタイプ分けされている。よって、ステア操作及び減速操作に加えて、加速操作を併せて考えれば、全てのドライバを切り分けることができる。即ち、1つのパラメータだけでは不可能であった運転者の特定を、複数のパラメータを用いるによって実現することができる。
図8に戻り、運転者の特定が可能であると判定されると(ステップS27:YES)、ECU100によって、現在の車両1の運転者が特定される(ステップS28)。ここで特定された運転者の情報は、例えば車両1における運転支援制御システム等に利用することができる。
ちなみに、最大ステア操作量S、ブレーキ終了時車速V及び最大加速度Aを用いても運転者の特定ができなかった場合(ステップS27:NO)、イグニッションオフとされたか否かが判定される(ステップS29)。ここで、イグニッションオフとされた場合(ステップS29:YES)、運転者は特定されないまま処理は終了し、イグニッションオフとされない場合(ステップS29:NO)、上述した運転者の特定に係る処理が最初から再び実行される。このような処理の繰り返しにより、車両が交差点を通過する度に最大ステア操作量S、ブレーキ終了時車速V及び最大加速度A夫々が検出され、操作特性情報データベース117には、より多くのパラメータが格納されていく。よって、利用できるパラメータが増加する分、運転者の特定精度は確実に高められていく。
以上説明したように、第2実施形態に係る運転者特定装置によれば、第1実施形態と比べて、運転者の特定に用いるパラメータの数が多い。このため、交差点当たりの処理は増加するが、より短時間で、高精度な運転者の特定を実現することが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う運転者特定装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…車両、10…運転者特定装置、100…ECU、101…GPS、102…車載カメラ、103…ミリ波レーダ、104…インフラ通信装置、105…車速センサ、106…ディスプレイ、107…ACCスイッチ、108…PCSスイッチ、110…地図情報データベース、111…カーナビゲーション、112…ブレーキアクチュエータ、113…アクセルアクチュエータ、114…ブレーキポジションセンサ、115…アクセルポジションセンサ、116…ステアリングセンサ、117…操作特性情報データベース
Claims (13)
- 車両に搭載され、前記車両の運転者を特定する運転者特定装置であって、
交差点を走行する際の前記運転者の操作特性情報を検出する検出手段と、
前記検出された操作特性情報を格納する格納手段と、
前記格納された操作特性情報に基づいて、前記運転者を特定する特定手段と
を備えることを特徴とする運転者特定装置。 - 車両の運転者を特定する運転者特定装置であって、
前記車両に設けられており、交差点を走行する際の前記運転者の操作特性情報を検出する検出手段と、
前記車両に設けられており、前記検出された操作特性情報を格納する格納手段と、
前記格納された操作特性情報を、車両外部に存在する情報センタへ送信する送信手段と、
前記情報センタに設けられており、前記送信された操作特性情報を受信する受信手段と、
前記情報センタに設けられており、前記受信された操作特性情報に基づいて、前記運転者を特定する特定手段と
を備えることを特徴とする運転者特定装置。 - 車両の運転者を特定する運転者特定装置であって、
前記車両に設けられており、交差点を走行する際の前記運転者の操作特性情報を検出する検出手段と、
前記検出された操作特性情報を、車両外部に存在する情報センタへ送信する送信手段と、
前記情報センタに設けられており、前記送信された操作特性情報を受信する受信手段と、
前記情報センタに設けられており、前記受信された操作特性情報を格納する格納手段と、
前記情報センタに設けられており、前記格納された操作特性情報に基づいて、前記運転者を特定する特定手段と
を備えることを特徴とする運転者特定装置。 - 前記検出手段は、前記操作特性情報として、前記運転者の操舵特性情報を検出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の運転者特定装置。
- 前記検出手段は、前記操舵特性情報として、前記運転者のハンドル操作位置及びハンドル操作量を検出することを特徴とする請求項4に記載の運転者特定装置。
- 前記検出手段は、前記操作特性情報として、前記運転者の加減速特性情報を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の運転者特定装置。
- 前記検出手段は、前記加減速特性情報として、前記運転者のアクセル操作量及びブレーキ操作量を検出することを特徴とする請求項6に記載の運転者特定装置。
- 前記格納手段は、前記交差点毎に前記操作特性情報を格納し、
前記特定手段は、複数の前記交差点に対応する前記操作特性情報を互いに比較することで、前記運転者を特定する
ことを特徴とする1から7のいずれか一項に記載の運転者特定装置。 - 前記特定手段は、複数種類の前記操作特性情報の各々のばらつき傾向に応じて、複数種類の前記操作特性情報の中から、前記運転者の特定に用いる前記操作特性情報を選択する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の運転者特定装置。 - 前記特定手段は、複数種類の前記操作特性情報の各々の個人差傾向に応じて、複数種類の前記操作特性情報の中から、前記運転者の特定に用いる前記操作特性情報を選択する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の運転者特定装置。 - 前記特定手段は、前記交差点における前記車両の進行方向に応じて、複数種類の前記操作特性情報の中から、前記運転者の特定に用いる前記操作特性情報を選択する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の運転者特定装置。 - 前記特定手段は、前記交差点の特性に応じて、複数種類の前記操作特性情報の中から、前記運転者の特定に用いる前記操作特性情報を選択する
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の運転者特定装置。 - 前記特定手段において前記運転者を特定できない場合に、前記運転者を特定できない状況であることを前記運転者に対して知らせる通知手段を更に備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の運転者特定装置。
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Cited By (2)
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-
2010
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