ところで、減速が必要な地点としては、交差点での右左折や一時停止交差点やカーブ等が挙げられる。ところがこれらの全てについて基準となる目標位置及び車速を一律で車速を落としきる最小車速の位置及び車速とした場合、カーブ等では好ましい位置よりも手前の位置で最小車速となってしまい、ドライバーが期待する位置とは離れた位置及び車速で運転支援が行なわれてしまう可能性がある。
本発明は、このような実情を考慮してなされたものであり、その目的は、ドライバーに違和感を与えることを防止することが可能な車両用情報処理装置を提供することにある。
本発明は、車両のドライバーの過去の操作の記録に基づいて車両を減速させるための情報処理を行なう情報処理ユニットを備え、情報処理ユニットは、車両がカーブを走行するときは、カーブを走行したときごとのドライバーの過去の操作における操舵特徴点の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、前記車両を減速させるための情報処理を行なう車両用情報処理装置である。
この構成によれば、車両のドライバーの過去の操作の記録に基づいて車両を減速させるための情報処理を行なう情報処理ユニットは、車両がカーブを走行するときは、カーブを走行したときごとのドライバーの過去の操作における操舵特徴点の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、車両を減速させるための情報処理を行なう。カーブでは、操舵特徴点の車速と位置とを基準とすることにより、カーブにおいて最もばらつきが少なく安定している車速と位置とを基準とすることができ、カーブでは安定しにくい最小車速の位置及び車速を一律に目標位置や目標車速として設定した場合のように、基準となる車速が遅過ぎるか、基準となる位置が車両から手前過ぎてドライバーに違和感を与えることを防止することができる。
この場合、操舵特徴点は、カーブを走行したときごとのドライバーの過去の操作における単位時間当たりの操舵変位が第1閾値以上の時であるものとできる。
この構成によれば、操舵特徴点をカーブを走行したときごとのドライバーの過去の操作における単位時間当たりの操舵変位が第1閾値以上と大きい時、すなわち、ドライバーがステアリングホイールを切り始めた時とするため、カーブにおいて最もばらつきが少なく安定した時を操舵特徴点とすることができる。
また、操舵特徴点は、カーブを走行したときごとのドライバーの過去の操作における車両の操舵量が最大の時であるものとできる。
この構成によれば、操舵特徴点をカーブを走行したときごとのドライバーの過去の操作における車両の操舵量が最大の時、すなわち、ドライバーがステアリングホイールを切り戻した時とするため、カーブにおいて最もばらつきが少なく安定した時を操舵特徴点とすることができる。
また、操舵特徴点は、カーブを走行したときごとの単位時間当たりの操舵変位が第1閾値以上の時と、カーブを走行したときごとのドライバーの過去の操作における車両の操舵量が最大の時とのいずれか一方でばらつきが小さい方であるものとできる。
この構成によれば、操舵特徴点を、カーブを走行したときごとの単位時間当たりの操舵変位が第1閾値以上の時と、カーブを走行したときごとのドライバーの過去の操作における車両の操舵量が最大の時とのいずれか一方でばらつきが小さい方、すなわちドライバーのステアリングホイールの切り始め及び切り戻しの時のいずれかばらつきが小さい方とするため、カーブにおいて最もばらつきが少なく安定した時を操舵特徴点とすることができる。
また、情報処理ユニットは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速とした時の車両の位置と、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の位置との距離が閾値を越えているときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時を操舵特徴点として、操舵特徴点の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速とした時の車両の位置と、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の位置との距離が閾値以下のときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速とした時を操舵特徴点として、操舵特徴点の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定することが好適である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速とした時の車両の位置と、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の位置との距離が閾値を越えているときは、車両がカーブを走行している可能性が高いため、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時を操舵特徴点として、操舵特徴点の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定する。これにより、カーブにおいて、基準となる車速が遅過ぎるか、基準となる位置が車両から手前過ぎてドライバーに違和感を与えることを防止することができる。
また、情報処理ユニットは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速とした時の車両の位置と、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の位置との距離が閾値以下のときは、車両が交差点を右左折している可能性が高いため、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速とした時を操舵特徴点として、操舵特徴点の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定する。これにより、実際の道路の状況に応じて車両を減速させるための情報処理を行なうことができる。
この場合、情報処理ユニットは、設定した目標車速が第2閾値未満のときは、第2閾値以上の車速を目標車速として設定することが好適である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、設定した目標車速が第2閾値未満のときは、第2閾値以上の車速を目標車速として設定するため、一時停止交差点等で落としきる車速が低過ぎる場所において、あまりに離れた場所を減速開始位置としてしまい、ドライバーに減速開始のタイミングが早過ぎると感じさせたり、煩わしさを感じさせることを防止することができる。
また、情報処理ユニットは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速が第3閾値未満のときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵特徴点の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定しないことが好適である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速が第3閾値未満のときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵特徴点の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定しない。カーブを走行したときの最小車速が第2閾値未満と低いときは、当該カーブが一時停止交差点等である可能性がある。そのため、このような場合は操舵特徴点の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定しないことにより、実際の道路の状況に応じて車両を減速させるための情報処理を行なうことができる。
また、本発明は、車両のドライバーの過去の操舵操作及び減速操作並びに車両の車速の少なくともいずれかに基づいて、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定する情報処理ユニットを備えた車両用情報処理装置である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、車両のドライバーの過去の操舵操作及び減速操作並びに車両の車速に基づいて、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定する。道路がカーブであるか交差点であるかによって、ドライバーの操舵操作及び減速操作並びに車両の車速は大きく異なる。そのため、操舵操作、減速操舵及び車速に基づいてカーブであるか交差点であるかを判断することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
この場合、情報処理ユニットは、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のいずれかのばらつきに基づいて、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定することが好適である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のいずれかのばらつきに基づいて、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定する。道路がカーブであるか交差点であるかによって、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきは大きく異なる。そのため、操舵操作時の位置又は操舵量のばらつきに基づいてカーブであるか交差点であるかを判断することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
この場合、情報処理ユニットは、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置のばらつきが第4閾値以下のとき、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきが第5閾値以下のときのいずれかのときは、車両が走行した道路がカーブであると推定し、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置のばらつきが第4閾値を超えているとき、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきが第5閾値を超えているときのいずれかのときは、車両が走行した道路が交差点であると推定することが好適である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置のばらつきが第4閾値以下のとき、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきが第5閾値以下のときのいずれかのときは、車両が走行した道路がカーブであると推定し、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置のばらつきが第4閾値を超えているとき、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきが第5閾値を超えているときのいずれかのときは、車両が走行した道路が交差点であると推定する。カーブでは、周囲の状況によらず、ドライバーの操舵操作がなされる位置や操舵量は安定する傾向にある。一方、交差点では、対向車両や歩行者等の周囲の状況に応じて、ドライバーの操舵操作がなされる位置や操舵量は不安定となる傾向がある。そのため、操舵操作時の車両の位置又は操舵量のばらつきが閾値以下のときは、当該道路はカーブであると推定し、操舵操作時の車両の位置のばらつきが閾値を越えているときは、当該道路は交差点であると推定することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
この場合、情報処理ユニットは、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置のばらつきが第4閾値以下のとき、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきが第5閾値以下のときのいずれかであって、車両のドライバーにより方向指示器の操作がなされなかったときは、車両が走行した道路がカーブであると推定することが好適である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置のばらつきが第4閾値以下のとき、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきが第5閾値以下のときのいずれかであって、車両のドライバーにより方向指示器の操作がなされなかったときは、車両が走行した道路がカーブであると推定する。操舵操作がなされた位置又は操舵量のばらつきが閾値以下と小さく、方向指示器の操作がなされなかったときは、当該道路が交差点ではなくカーブである可能性が高い。そのため、操舵操作がなされた位置又は操舵量のばらつきが閾値以下と小さく、方向指示器の操作がなされなかったときは、当該道路はカーブであると推定することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
また、情報処理ユニットは、車両のドライバーの減速操作が終了した時の車両の位置のばらつきが第6閾値以下のとき、及び車両のドライバーの減速操作が終了した時の車両の車速のばらつきが第7閾値以下のときのいずれかのときは、車両が走行した道路がカーブであると推定することが好適である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、車両のドライバーの減速操作が終了した時の車両の位置のばらつきが第6閾値以下のとき、及び車両のドライバーの減速操作が終了した時の車両の車速のばらつきが第7閾値以下のときのいずれかのときは、車両が走行した道路がカーブであると推定する。カーブでは、周囲の状況によらず、ドライバーの減速操作が終了する時の位置や車速は安定する傾向にある。一方、交差点では、対向車両や歩行者等の周囲の状況に応じて、ドライバーの減速操作が終了する時の位置や車速は不安定となる傾向がある。そのため、ドライバーの減速操作が終了する時の位置や車速のばらつきが閾値以下のときは、当該道路はカーブであると推定し、ドライバーの減速操作が終了する時の位置や車速のばらつきが閾値を超えているときは、当該道路は交差点であると推定することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
また、情報処理ユニットは、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が第8閾値以上のときは、車両が走行した道路がカーブであると推定し、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が第8閾値未満のときは、車両が走行した道路が交差点であると推定することが好適である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が第8閾値以上のときは、車両が走行した道路がカーブであると推定し、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が第8閾値未満のときは、車両が走行した道路が交差点であると推定する。車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が閾値以上に速いときは、当該道路がカーブである可能性が高い。一方、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が閾値未満と遅いときは、当該道路が信号機や一時停止規制等がある交差点である可能性が高い。そのため、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が閾値以上に速いときは、当該道路はカーブであると推定し、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が閾値未満と遅いときは、当該道路は交差点であると推定することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
また、本発明は、車両のドライバーの過去の操作の記録に基づいて車両を減速させるための情報処理を行なう情報処理ユニットを備え、情報処理ユニットは、車両のドライバーの過去の操舵操作及び減速操作並びに車両の車速の少なくともいずれかに基づいて、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定し、車両がカーブを走行するときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、車両を減速させるための情報処理を行なう車両用情報処理装置である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、車両のドライバーの過去の操舵操作及び減速操作並びに車両の車速に基づいて、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定する。道路がカーブであるか交差点であるかによって、ドライバーの操舵操作及び減速操作並びに車両の車速は大きく異なる。そのため、操舵操作、減速操舵及び車速に基づいてカーブであるか交差点であるかを判断することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
また、情報処理ユニットは、車両がカーブを走行するときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、車両を減速させるための情報処理を行なう。カーブでは、操舵量が最大となる時の車速と位置とを基準とすることにより、カーブにおいて最もばらつきが少なく安定している車速と位置とを基準とすることができ、カーブでは安定しにくい最小車速の位置及び車速を一律に目標位置や目標車速として設定した場合のように、基準となる車速が遅過ぎるか、基準となる位置が車両から手前過ぎてドライバーに違和感を与えることを防止することができる。
この場合、情報処理ユニットは、設定した目標車速が第9閾値未満のときは、第9閾値以上の車速を目標車速として設定することが好適である。
この構成によれば、情報処理ユニットは、設定した目標車速が第9閾値未満のときは、第9閾値以上の車速を目標車速として設定するため、一時停止交差点等で落としきる車速が低過ぎる場所において、あまりに離れた場所を減速開始位置としてしまい、ドライバーに減速開始のタイミングが早過ぎると感じさせたり、煩わしさを感じさせることを防止することができる。
本発明の車両用情報処理装置によれば、ドライバーに違和感を与えることを防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る車両用情報処理装置について説明する。図1に示すように、本発明の第1実施形態の車両用情報処理装置は、車両に搭載される運転支援装置10として構成される。本実施形態の運転支援装置10は、燃費向上のために、エンジンブレーキを適切なタイミングでかけるようにドライバーの減速操作を誘導するための装置である。本実施形態の運転支援装置10は、GPS21、車載カメラ22、ミリ波レーダ23、通信装置24、車速センサ25、ディスプレイ26、ACCスイッチ27、PCSスイッチ28、ECU30、DB40、カーナビゲーションシステム51、ブレーキアクチュエータ52、アクセルアクチュエータ53及びスピーカ54を備えている。
GPS(Global Positioning System)21は、GPS衛生からの信号を受信することにより、自車両の測位を行うためのものである。車載カメラ22は、自車両周囲の状況を検出するために自車両周囲の映像を撮像するカメラである。ミリ波レーダ23は、自車両周囲に放射されたミリ波の反射波を検出することにより、自車両周囲の状況を検出するためのものである。通信装置24は、他車両や情報処理センター等の施設と通信を行なうためのものである。車速センサ25は、自車両の車輪の回転速度を検出することにより、自車両の車速を検出するセンサである。
ディスプレイ26は、自車両のドライバーにエンジンブレーキを適切なタイミングでかけるための減速操作に関する情報を表示する。ACC(Adaptive Cruse Control)スイッチ27は、ミリ波レーダ23により前方車両との距離を監視し、アクセル量制御及びブレーキ量制御を行い、車速及び車間距離の制御を行なうACCシステムを操作するためのスイッチである。PCS(Pre-Crash Safety)スイッチ28は、自車両周囲の障害物との衝突を回避し、衝突時の被害を軽減するPCSシステムを操作するためのスイッチである。
ECU(Electronic Control Unit)30は、後述するように、運転支援装置10全体の制御を行うためのものである。ECU30は、例えばCPUを主体として構成され、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを備えている。
DB(Data Base)40は、運転支援装置10が学習した自車両のドライバーのアクセルOFF時の位置及び車速等の情報を地図データと関連付けて記憶する。
カーナビゲーションシステム51は、GPS21の測位情報を利用して自車両のドライバーに経路案内を行なう。
ブレーキアクチュエータ52及びアクセルアクチュエータ53は、ECU30からの指令信号に基づき、自車両のドライバーがエンジンブレーキ等を適切なタイミングでかけるようにブレーキペダルやアクセルペダルに反力を与えて、ドライバーの運転操作を誘導する。また、ブレーキアクチュエータ52及びアクセルアクチュエータ53は、自車両がエンジンブレーキ等を適切なタイミングでかけて走行するように、ブレーキ量やアクセル量を調整する。さらに、ブレーキアクチュエータ52及びアクセルアクチュエータ53は、ブレーキ踏量及びアクセル踏量を検出し、ECU30に検出値を送出する。
スピーカ54は、自車両のドライバーにエンジンブレーキを適切なタイミングでかけるための減速操作に関する情報を音声で報知する。
以下、本実施形態の運転支援装置10の動作について説明する。図2に示すように、運転支援装置10のECU30は、自車両が対象エリアに進入したか否かを判定する(S101)。ECU30は、GPS21及び車速センサ25等により、自車両が対象エリアに進入したとき、車速が一定範囲内であるとき、且つ交差点等の減速対象位置までの距離が一定値以上であるとき等の条件を満たすことを検出したときに、自車両が対象エリアに進入し、サービス開始条件が成立したと判定する。
ECU30は、DB40を参照し、対象となるサービスエリアについて、DB40内にこれまでに学習したドライバーの減速操作のデータ数が閾値Nを越えてあるか否かを判定する(S102)。対象となるサービスエリアについて、すでに学習したデータ数が閾値Nを越えてあるときは(S102)、ECU30はDB40を参照し、学習した各走行データの最小車速から最小車速の平均値を算出し、所定の閾値以上かを判断する(S103)。すなわち、ECU30は、当該対象エリアにおける走行データが一時停止交差点のデータであるか否かを判断する。
学習した最小車速の平均値が閾値以上のときは(S103)、ECU30は、DB40内の学習した各走行データを参照し、自車両が最小車速となる位置と操舵角が最大となる位置との平均距離を算出し、その平均距離が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する(S104)。すなわち、ECU30は、当該対象エリアにおける走行データがカーブにけるデータであるか否かを判断する。
自車両が最小車速となる位置と操舵角が最大となる位置との平均距離が閾値よりも大きいとき、すなわち対象エリアがカーブのときは(S104)、ECU30は、目標車速を操舵角最大時の自車両の車速とし、目標位置を操舵角最大時の自車両の位置に設定する(S105)。一方、自車両が最小車速となる位置と操舵角が最大となる位置との平均距離が閾値以下のとき、すなわち対象エリアが交差点であり、走行データが交差点での右左折時のデータであるときは(S104)、ECU30は、目標車速を最小車速とし、目標位置を最小車速の時の自車両の位置に設定する(S106)。
ECU30は、自車両の現在位置において、エンジンブレーキのみで目標位置において目標車速となるか否か等のエンジンブレーキ到達可能タイミングの通知開始条件が成立したか否かを判定する(S107)。具体的には、ECU30は、自車両のエンジンブレーキの減速度Gについて、現在位置から目標位置までの距離≦(現車速2−目標車速2)/2Gが成立するか否か判定する。もし、現在位置から目標位置までの距離≦(現車速2−目標車速2)/2Gが成立するときは、ECU30は、ディスプレイ26及びスピーカ54により、アクセルOFFのタイミングについてドライバーに情報提供を実施する(S108)。あるいはECU30は、現在の車速が一定範囲内であるかや、現在位置から目標位置までの距離が一定範囲内であるか否かをエンジンブレーキ到達可能タイミングの通知開始条件が成立したか否かの判定基準としても良い。
なお、上記S103及びS104については、走行データの平均値以外にも、走行データの最大値や最小値と所定の閾値とを比較するようにしても良い。また、地図情報等により、あらかじめ対象エリア内の道路がカーブであると判っている場合は、ECU30はS103及びS104の処理を省略しても良い。上記手法は、エンジンブレーキ到達可能タイミングの通知以外にも、ブレーキアクチュエータ52及びアクセルアクチュエータ53等の駆動により、ドライバーの操作に介入することで自車両の走行を制御するシステムにも適用可能である。
本実施形態によれば、車両のドライバーの過去の操作の記録に基づいて車両を減速させるための情報処理を行なう運転支援装置10のECU30は、車両がカーブを走行するときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、車両を減速させるための情報処理を行なう。カーブでは、操舵量が最大となる時、すなわち、ドライバーがステアリングホイールを切り戻した時の車速と位置とを基準とすることにより、カーブにおいて最もばらつきが少なく安定している車速と位置とを基準とすることができ、カーブでは安定しにくい最小車速の位置及び車速を一律に目標位置や目標車速として設定した場合のように、基準となる車速が遅過ぎるか、基準となる位置が車両から手前過ぎてドライバーに違和感を与えることを防止することができる。
また、本実施形態によれば、ECU30は、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速が所定の閾値未満のときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定しない。カーブを走行したときの最小車速が閾値未満と低いときは、当該カーブが一時停止交差点等である可能性がある。そのため、このような場合は操舵量が最大の時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定しないことにより、実際の道路の状況に応じて車両を減速させるための情報処理を行なうことができる。
また、本実施形態によれば、ECU30は、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速とした時の車両の位置と、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の位置との距離が閾値を越えているときは、車両がカーブを走行している可能性が高いため、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定する。これにより、カーブにおいて、基準となる車速が遅過ぎるか、基準となる位置が車両から手前過ぎてドライバーに違和感を与えることを防止することができる。
また、本実施形態によれば、ECU30は、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速とした時の車両の位置と、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における操舵量が最大の時の車両の位置との距離が閾値以下のときは、車両が交差点を右左折している可能性が高いため、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最小車速と最小車速とした時の車両の位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定する。これにより、実際の道路の状況に応じて車両を減速させるための情報処理を行なうことができる。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における単位時間当りの操舵変位(操舵変位率)が所定の閾地以上である時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、車両を減速させるための情報処理を行なう。
図3に示すように、運転支援装置10のECU30は、上記第1実施形態のS101〜S103の工程と同様のS201〜S203を実行する。学習した最小車速の平均値が閾値以上のときは(S203)、ECU30は、DB40内の学習した各走行データを参照し、自車両が最小車速となる位置と単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上となる位置との平均距離を算出し、その平均距離が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する(S204)。すなわち、ECU30は、当該対象エリアにおける走行データがカーブにけるデータであるか否かを判断する。
自車両が最小車速となる位置と単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上となる位置との平均距離が閾値よりも大きいとき、すなわち対象エリアがカーブのときは(S204)、ECU30は、目標車速を単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上となる時の自車両の車速とし、目標位置を単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上となる時の自車両の位置に設定する(S205)。一方、自車両が最小車速となる位置と単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上となる位置との平均距離が閾値以下のとき、すなわち対象エリアが交差点であり、走行データが交差点での右左折時のデータであるときは(S204)、ECU30は、目標車速を最小車速とし、目標位置を最小車速の時の自車両の位置に設定する(S206)。ECU30は、上記第1実施形態のS107〜S108の工程と同様のS207〜S208を実行する。
本実施形態によれば、車両のドライバーの過去の操作の記録に基づいて車両を減速させるための情報処理を行なう運転支援装置10のECU30は、車両がカーブを走行するときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上となる時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、車両を減速させるための情報処理を行なう。カーブでは、単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上となる時、すなわちドライバーがステアリングホイールを切り始める時の車速と位置とを基準とすることにより、カーブにおいて最もばらつきが少なく安定している車速と位置とを基準とすることができ、カーブでは安定しにくい最小車速の位置及び車速を一律に目標位置や目標車速として設定した場合のように、基準となる車速が遅過ぎるか、基準となる位置が車両から手前過ぎてドライバーに違和感を与えることを防止することができる。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最大操舵角の時と、単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上である時とで、ばらつきが小さい方の時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、車両を減速させるための情報処理を行なう。
図4に示すように、運転支援装置10のECU30は、上記第1実施形態のS101〜S103の工程と同様のS301〜S303を実行する。学習した最小車速の平均値が閾値以上のときは(S303)、ECU30は、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最大操舵角の時と、単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上である時とで、ばらつきが小さい方がいずれであるかを判定する(S304)。最大操舵角の時のばらつきの方が小さいときは(S304)、ECU30は、上記第1実施形態のS104〜S106の工程と同様のS305〜S307を実行し、最大操舵角の時を基準として処理を行なう。
単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上である時のばらつきの方が小さいときは(S304)、ECU30は、上記第2実施形態のS204〜S206の工程と同様のS308〜S310を実行し、単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上である時を基準として処理を行なう。ECU30は、上記第1実施形態のS107〜S108の工程と同様のS311〜S312を実行する。
本実施形態によれば、車両のドライバーの過去の操作の記録に基づいて車両を減速させるための情報処理を行なう運転支援装置10のECU30は、車両がカーブを走行するときは、カーブを走行したときのドライバーの過去の操作における最大操舵角の時と、単位時間当りの操舵変位が所定の閾値以上である時とで、ばらつきが小さい方の時の車両の車速と位置とに基づいて車両を減速させるための基準となる目標車速と目標位置とを設定し、車両を減速させるための情報処理を行なう。すなわちドライバーのステアリングホイールの切り始め及び切り戻しの時のいずれかばらつきが小さい方を基準とするため、カーブにおいて最もばらつきが少なく安定した時を基準として処理を行なうことができる。
以下、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて運転支援装置10は、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかをさらに精度良く推定する。図5に示すように、カーブCを車両VMが走行する場合は、周囲の状況によらず、ドライバーの減速操作や操舵操作は安定する。一方、図6に示すように、交差点Iを車両VMが走行する場合には、実線及び破線で示すように、対向車両VOや歩行者等の影響により、ドライバーの減速操作や操舵操作は不安定となる。本実施形態では、以上のような事象に着目して車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定する。
図7に示すように、ECU30は、DB40を参照し、対象となるサービスエリアについて、DB40内にこれまでに学習したドライバーの減速操作のデータ数が閾値を越えてあるか否かを判定する(S401)。対象となるサービスエリアについて、すでに学習したデータ数が閾値を越えてあるときは(S401)、ECU30は、走行データの中で、減速終了時の車両VMの位置及び車速のばらつきが一定値以下の箇所があるか否かを判断する(S402)。走行データの中で、減速終了時の車両VMの位置及び車速のばらつきが一定値以下の箇所があるときは(S402)、ECU30は、減速終了時の平均車速が閾値より大きいか否かを判断する(S403)。
減速終了時の平均車速が閾値より大きいときは(S403)、ECU30は、操舵操作を開始した地点や、操舵量を戻し始めた地点及び操舵量のばらつきを算出し、はらつきが一定値以下であれば(S404)、当該道路はカーブであると判断する(S405)。この場合、ECU30はカーブ候補に該当しない道路を交差点候補と推定してもよい。また、走行データの中で、車速の変化が激しいデータや、途中で自車両VMが停止するデータが一定回数以上ある場合は、ECU30は、当該道路はカーブではないと推定してもよい。
一方、本実施形態では、操舵操作のばらつきが少ない箇所を抽出し、方向指示器の操作の有無により、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定することも可能である。図8に示すように、ECU30は、DB40を参照し、対象となるサービスエリアについて、DB40内にこれまでに学習したドライバーの操舵操作のデータ数が閾値を越えてあるか否かを判定する(S501)。対象となるサービスエリアについて、すでに学習したデータ数が閾値を越えてあるときは(S501)、ECU30は、走行データの中で、操舵操作時の車両VMの位置及び車速のばらつきが一定値以下の箇所があるか否かを判断する(S502)。
走行データの中で、操舵操作時の車両VMの位置及び車速のばらつきが一定値以下の箇所があるときは(S502)、ECU30は、ドライバーによる方向指示器の操作があったか否かを判断する(S503)。ドライバーによる方向指示器の操作があったときは(S503)、ECU30は、当該道路はカーブであると判断する(S504)。この場合、ECU30はカーブ候補に該当しない道路を交差点候補と推定してもよい。上記のようにして推定された道路の種別に応じて、上記第1実施形態のような運転支援が行なわれる。
本実施形態によれば、運転支援装置10のECU30は、車両のドライバーの過去の操舵操作及び減速操作並びに車両の車速に基づいて、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定する。道路がカーブであるか交差点であるかによって、ドライバーの操舵操作及び減速操作並びに車両の車速は大きく異なる。そのため、操舵操作、減速操舵及び車速に基づいてカーブであるか交差点であるかを判断することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
また、本実施形態によれば、ECU30は、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のいずれかのばらつきに基づいて、車両が走行した道路がカーブであるか交差点であるかを推定する。道路がカーブであるか交差点であるかによって、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきは大きく異なる。そのため、操舵操作時の位置又は操舵量のばらつきに基づいてカーブであるか交差点であるかを判断することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
また、本実施形態によれば、ECU30は、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置のばらつきが所定の閾値以下のとき、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきが所定の閾値以下のときのいずれかのときは、車両が走行した道路がカーブであると推定し、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置が所定の閾値を超えているとき、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきが所定の閾値を超えているときのいずれかのときは、車両が走行した道路が交差点であると推定する。カーブでは、周囲の状況によらず、ドライバーの操舵操作がなされる位置や操舵量は安定する傾向にある。一方、交差点では、対向車両や歩行者等の周囲の状況に応じて、ドライバーの操舵操作がなされる位置や操舵量は不安定となる傾向がある。そのため、操舵操作時の車両の位置又は操舵量のばらつきが閾値以下のときは、当該道路はカーブであると推定し、操舵操作時の車両の位置のばらつきが閾値を越えているときは、当該道路は交差点であると推定することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
また、本実施形態によれば、ECU30は、車両のドライバーの過去の操舵操作がなされた時の車両の位置のばらつきが所定の閾値以下のとき、及び車両のドライバーの過去の操舵操作における操舵量のばらつきが所定の閾値以下のときのいずれかであって、車両のドライバーにより方向指示器の操作がなされなかったときは、車両が走行した道路がカーブであると推定する。操舵操作がなされた位置又は操舵量のばらつきが閾値以下と小さく、方向指示器の操作がなされなかったときは、当該道路が交差点ではなくカーブである可能性が高い。そのため、操舵操作がなされた位置又は操舵量のばらつきが閾値以下と小さく、方向指示器の操作がなされなかったときは、当該道路はカーブであると推定することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
また、本実施形態では、ECU30は、車両のドライバーの減速操作が終了した時の車両の位置のばらつきが所定の閾値以下のとき、及び車両のドライバーの減速操作が終了した時の車両の車速のばらつきが所定の閾値以下のときのいずれかのときは、車両が走行した道路がカーブであると推定する。カーブでは、周囲の状況によらず、ドライバーの減速操作が終了する時の位置や車速は安定する傾向にある。一方、交差点では、対向車両や歩行者等の周囲の状況に応じて、ドライバーの減速操作が終了する時の位置や車速は不安定となる傾向がある。そのため、ドライバーの減速操作が終了する時の位置や車速のばらつきが閾値以下のときは、当該道路はカーブであると推定し、ドライバーの減速操作が終了する時の位置や車速のばらつきが閾値を超えているときは、当該道路は交差点であると推定することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
また、本実施形態では、ECU30は、情報処理ユニットは、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が所定の閾値以上のときは、車両が走行した道路がカーブであると推定し、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が所定の閾値未満のときは、車両が走行した道路が交差点であると推定する。車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が閾値以上に速いときは、当該道路がカーブである可能性が高い。一方、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が閾値未満と遅いときは、当該道路が信号機や一時停止規制等がある交差点である可能性が高い。そのため、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が閾値以上に速いときは、当該道路はカーブであると推定し、車両のドライバーの減速操作が終了したときの車両の車速が閾値未満と遅いときは、当該道路は交差点であると推定することにより、高精度で道路の種別を推定することができる。
以下、本発明の第5実施形態について説明する。一時停止交差点等の落とし切る車速が低過ぎる場所では、エンジンブレーキにより到達可能なタイミングが当該交差点からかなり離れた地点となり、ドライバーにとっては「早すぎる」「煩わしい」と感じてしまう可能性がある。本実施形態では、上記事情を考慮して運転支援を行なう。図9に示すように、上記第1実施形態のS101〜S106の工程と同様のS601〜S606の工程が行なわれる。運転支援装置10のECU30は、S605,S606で算出した目標車速が所定の閾値よりも低いか否かを判断する(S607)。目標車速が所定の閾値よりも低いときは(S607)、ECU30は、目標車速を当該閾値以上の一定値に設定する(S608)。
上記第1実施形態と同様に、ECU30は、ECU30は、自車両の現在位置において、エンジンブレーキのみで目標位置において目標車速となるか否か等のエンジンブレーキ到達可能タイミングの通知開始条件が成立したか否かを判定し(S609)、もし、通知開始条件が成立するときは、ECU30は、ディスプレイ26及びスピーカ54により、アクセルOFFのタイミングについてドライバーに情報提供を実施する(S610)。なお、当該道路がカーブではなく交差点であると推定されるときにも、設定される目標車速が所定の閾値よりも低いときは、ECU30は、目標車速を当該閾値以上の一定値に設定することができる。
本実施形態によれば、ECU30は、設定した目標車速が所定の閾値未満のときは、当該閾値以上の車速を目標車速として設定するため、一時停止交差点等で落としきる車速が低過ぎる場所において、あまりに離れた場所を減速開始位置としてしまい、ドライバーに減速開始のタイミングが早過ぎると感じさせたり、煩わしさを感じさせることを防止することができる。
以下、本発明の第6実施形態について説明する。図10に示すように、本実施形態では、本発明の車両用情報処理装置を情報処理センター100として構成している。情報処理センター100では、通信装置24により複数の車両から必要なデータを受信し、ECU30は上記第1〜第3実施形態の車載の運転支援装置10と同様の情報処理を行い、その結果をDB40に記憶する。さらに、通信装置24は、DB40内に記憶された情報を複数の車両に送信する。
本実施形態では、情報処理センター100のECU30は、地図データ内において予め設定された所定地点と、所定地点から所定範囲における複数の車両のドライバーの減速操作終了時の車両の位置及び車速とを関連付けて記憶する。このため、複数のドライバーがエンジンブレーキ等のためにアクセルをOFFとするタイミングを地図データ内の地点と関連付けて学習することができる。このため、複数のドライバーの減速操作時の傾向をより把握し易くすることができる。
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。