JP5195308B2 - エンジン始動制御装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばハイブリッド車両等のエンジン及びモータを備える車両において、エンジン始動時のエンジンのトルク脈動を抑制するエンジン始動制御装置及び方法の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば、バッテリからの電力供給状態が良好である場合に、エンジンの回転により生じるトルク脈動の抑制を実施して、エンジンを始動するようにエンジン及びモータを制御し、バッテリからの電力供給状態が良好でない場合に、トルク脈動の抑制を禁止して、エンジンを始動するようにエンジン及びモータを制御する装置が提案されている(特許文献1参照)。
或いは、エンジンを始動する際に、点火開始回転数を共振回転数帯より大きな回転数に設定すると共に、実行用マップとして設定された振動抑制トルクマップからモータMG1のトルク指令を設定する。続いて、バッテリの入出力制限Win、Wout等に基づいて、モータMG2から出力してよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin、Tmaxを計算する。続いて、トルク制限Tmin、Tmaxで制限されたモータMG2のトルク指令を設定する装置が提案されている(特許文献2参照)。
或いは、エンジンを始動する際に、クランク角に基づいて予め設定された仮補正トルク設定マップから、トルク脈動を抑制するためのトルクとしての仮補正トルクを求め、該求められた仮補正トルクに補正係数を乗じた補正トルクを用いてモータMG2のトルク指令を設定して、モータMG2を駆動制御する装置が提案されている(特許文献3参照)。
或いは、エンジンの始動指示がなされた際に、エンジンを停止してからの経過時間が短いほど、また標高が高く外の気圧が低いほど小さくなる制振ゲインを設定し、通常時におけるトルク脈動を抑制する制振トルクに制振ゲインを乗じたものを用いて、モータトルク指令を設定してエンジンをモータリングする装置が提案されている(特許文献4参考)。
或いは、エンジンの目標回転数と目標トルクとに基づいて設定された基準トルクと、モータの目標回転数と回転数とに基づいて設定された補正トルクとの和としてモータトルク指令を設定する装置が提案されている(特許文献5参照)。或いは、クランクシャフトに生じるトルク脈動に起因した振動を抑制すべきエンジン始動時に、モータMG1からの制振トルクによりトルク脈動に起因した振動が抑制されると共に要求トルクが出力されるように、エンジン、モータMG1及びモータMG2を制御する装置が提案されている(特許文献6参照)。
或いは、エンジンの始動操作時に、クランク角検出センサ及びエンジン水温検出センサからの検出信号からエンジンのトルクに発生したトルク脈動を検出し、該トルク脈動と同相の制振トルクが発生するようにモータMG1を制御する装置が提案されている(特許文献7参照)。
特開2007−55435号公報 特開2006−316663号公報 特開2005−90307号公報 特開2007−137375号公報 特開2005−45862号公報 特開2008−162491号公報 特許第3958220号公報
しかしながら、上述の背景技術によれば、例えばバッテリの性能等に基づいて決定されるパワー制限等によって、モータへ付与する制振トルクが制限された場合に、制振トルクが意図したトルクと異なる波形となり、意図しない周波数のトルク脈動が生じる可能性があるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、パワー制限を満たしつつトルク脈動を抑制すると共に、意図しないトルク脈動の発生を回避することができるエンジン始動制御装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明のエンジン始動制御装置は、上記課題を解決するために、ダンパを介して互いに接続されるエンジン及び第1モータと、前記第1モータに電力を供給可能な蓄電池とを備える車両に搭載され、前記エンジンのクランク角を検出するクランク角検出手段と、前記エンジンの回転数であるエンジン回転数、及び前記第1モータの回転数であるモータ回転数を夫々検出する回転数検出手段と、前記エンジンの回転に起因する脈動トルクを特定可能なエンジン脈動ベーストルクマップと、前記ダンパを含む動力伝達系に生じる共振に応じて定められた基本制振ゲインマップとを格納する記憶手段と、前記エンジンを始動する際に、前記蓄電池の性能に応じて決定される前記第1モータのパワー制限値と、前記エンジン及び前記第1モータ間の伝達関数により決定される基本ゲインと、前記検出されたモータ回転数と、前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップとに基づいて、前記第1モータのパワー制限ゲインを演算する第1演算手段と、前記検出されたエンジン回転数に基づいて、前記格納された基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲイン及び前記演算されたパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインを選択する選択手段と、記検出されたクランク角及び前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップに基づいて特定されたエンジン脈動トルクに、前記選択されたゲインを乗じて制振トルクを演算する第2演算手段と、前記演算された制振トルクに基づいて前記第1モータのトルクを設定する設定手段と、前記設定されたトルクを出力するように、前記第1モータを駆動制御する制御手段とを備え、前記第1演算手段は、前記パワー制限値を、前記検出されたモータ回転数に、前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップにおけるエンジン脈動ベーストルクの最大値と前記基本ゲインとを乗じた値で割ることによって、前記パワー制限ゲインを演算する。
本発明のエンジン始動制御装置によれば、当該エンジン始動制御装置は、例えばハイブリッド車両等のエンジン及び第1モータを備える車両に搭載される。当該車両において、エンジン及び第1モータは、例えばトーショナルダンパ等であるダンパを介して互いに接続されている。ここで、「モータ」は、典型的には、当該車両の駆動用のモータであるが、例えばモータ・ジェネレータ(電動発電機)において実現されるモータであってもよい。即ち、モータとして機能し得る限りにおいて、モータ・ジェネレータを意味してもかまわない。
クランク角検出手段は、エンジンのクランク角を検出する。回転数検出手段は、エンジンの回転数であるエンジン回転数、及び第1モータの回転数であるモータ回転数を夫々検出する。尚、回転数検出手段は、エンジン回転数及びモータ回転数を直接検出してもよいし、エンジン回転数及びモータ回転数のうち一方の回転数を直接検出すると共に、他方の回転数を直接検出された回転数に基づいて推定(即ち、間接的に検出)してもよい。或いは、回転数検出手段は、エンジン回転数及びモータ回転数を、何らかの物理量又はパラメータに応じて推定してもよい。
例えば不揮発性メモリ等である記憶手段は、エンジンの回転に起因する脈動トルクを特定可能なエンジン脈動ベーストルクマップと、ダンパを含む動力伝達系に生じる共振に応じて定められた基本制振ゲインマップとを格納する。ここで、エンジン脈動ベーストルクマップは、典型的には、脈動トルクとエンジンのクランク角との関係として構成されている。また、基本制振ゲインマップは、制振ゲインと、エンジン回転数、或いはエンジン回転数をモータ回転数で割った値との関係として構成されている。
このようなエンジン脈動ベーストルクマップ及び基本制振ゲインマップは、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば、エンジン回転数、モータ回転数、クランク角、ダンパやドライブシャフト等の動力伝達系の特性、及びエンジンの脈動トルク各々の相互間の関係を求めて、該求められた関係に基づいて構築すればよい。
尚、「ダンパを含む動力伝達系」とは、エンジン及び第1モータの夫々から出力される駆動力を車輪に伝達するための、例えばダンパ、ドライブシャフト、減速機等の部材を意味する。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えて構成される第1演算手段は、エンジンを始動する際に、蓄電池の性能に応じて決定される第1モータのパワー制限値と、エンジン及び第1モータ間の伝達関数により決定される基本ゲインと、検出されたモータ回転数と、格納されたエンジン脈動ベーストルクマップとに基づいて、第1モータのパワー制限ゲインを演算する。
ここで、「エンジンを始動する際」とは、典型的には、エンジンのクランキングの開始時点から、エンジンの燃焼室内で通常燃焼の状態が得られた又はエンジンが完爆する状態になった時点までの期間を意味する。更に、クランキング開始時点から多少時間的に遡った時点、或いは、クランキング開始時点から所定の微少時間をおいた時点等から、通常燃焼の状態が得られた又はエンジンが完爆する状態になった時点から多少時間的に遡った時点、或いは、通常燃焼の状態が得られた又はエンジンが完爆する状態になった時点から所定の微少時間をおいた時点等までを含んでもよい。
また、「エンジン脈動ベーストルクマップに基づいて」とは、エンジン脈動ベーストルクマップに含まれるエンジン脈動ベーストルクのうち一のエンジン脈動ベーストルクに基づいてという意味である。ここで、「一のエンジン脈動ベーストルク」は、例えば、エンジン脈動ベーストルクマップに含まれるエンジン脈動ベーストルクの最大値等である。
尚、第1モータのパワー制限ゲインは、予め、複数のモータ回転数等について演算され、例えばパワー制限ゲインマップとして、記憶手段に格納されていてもよい。
第1演算手段は、具体的には、パワー制限値を、検出されたモータ回転数に、格納されたエンジン脈動ベーストルクマップにおけるエンジン脈動ベーストルクの最大値と基本ゲインとを乗じた値で割ることによって、パワー制限ゲインを演算する。より具体的には、第1演算手段は、(パワー制限ゲイン)=(パワー制限値)÷{(モータ回転数)×(エンジン脈動ベーストルクの最大値)×(基本ゲイン)}という式を用いて、パワー制限ゲインを演算する。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えて構成される選択手段は、検出されたエンジン回転数に基づいて、格納された基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲイン及び演算されたパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインを選択する。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えて構成される第2演算手段は、検出されたクランク角及び格納されたエンジン脈動ベーストルクマップに基づいて特定されたエンジン脈動トルクに、選択されたゲインを乗じて制振トルクを演算する。尚、「エンジン脈動トルク」は、エンジン脈動ベーストルクマップに含まれるエンジン脈動ベーストルクそのものに限らず、エンジン脈動ベーストルクに対して何らかの処理を施して得られる値を含んでよい。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えて構成される設定手段は、演算された制振トルクに基づいて第1モータのトルクを設定する。例えばメモリ、プロセッサ等を備えて構成される制御手段は、設定されたトルクを出力するように、第1モータを駆動制御する。
本願発明者の研究によれば、エンジンの回転に起因する脈動トルクを抑制するために実施される、現状の制振制御では、予め理論的に決定されたモータへ付加する制振トルクが、蓄電池の性能等に応じて決定されるパワー制限により制限され、理論通りの(即ち、例えば設計者等が意図した)制振トルクがモータに付加されないおそれがある。すると、エンジンの回転に起因する脈動トルクの周波数と、モータが発生させる制振トルクの周波数とがずれ、意図しない周波数のトルク変動が生じ、かえって車両の振動が悪化する可能性があることが判明している。
尚、現状の制振制御では、理論的な制振トルクは、エンジンの回転に起因する脈動トルクに、エンジン及びモータ間の伝達関数により決定される基本ゲインと、ダンパやドライブシャフトに生じる共振に応じた制振ゲインとを乗じて求められている。
しかるに本発明では、第1演算手段によって、エンジンを始動する際に、蓄電池の性能に応じて決定される第1モータのパワー制限値と、エンジン及び第1モータ間の伝達関数により決定される基本ゲインと、検出されたモータ回転数と、格納されたエンジン脈動ベーストルクマップとに基づいて、第1モータのパワー制限ゲインが演算される。
続いて、選択手段によって、検出されたエンジン回転数及び検出されたモータ回転数に基づいて、格納された基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲイン及び演算されたパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインが選択される。
続いて、第2演算手段によって、検出されたクランク角及び格納されたエンジン脈動ベーストルクマップに基づいて特定されたエンジン脈動トルクに、選択されたゲインを乗じて制振トルクが演算される。
即ち、本発明では、制振トルクを演算する際に、第1モータのパワー制限値を加味して演算されたパワー制限ゲインが用いることができるので、理論通りの制振トルクを第1モータに付加することができる。このため、パワー制限を満たしつつトルク脈動を抑制すると共に、意図しないトルク脈動の発生を回避することができる。
尚、本発明では、上述の如く、選択手段によって、演算されたパワー制限ゲイン及び、ダンパを含む動力伝達系に生じる共振に応じて定められた基本制振ゲインマップにより特定される(即ち、第1モータのパワー制限値を加味していない)基本制振ゲインのうち小さい方のゲインが選択される。これは、パワー制限ゲインより基本制振ゲインが小さければ、基本制振ゲインを用いたとしても、第1モータのパワー制限値を超えることはないであろうという考察に基づいている。
このように、パワー制限ゲイン及び基本制振ゲインのうち小さい方のゲインを制振トルクの演算に用いることによって、第1モータに付加される制振トルクを小さくしつつ、効果的にトルク脈動を抑制することができる。この結果、エネルギー効率を向上させることができ、実用上非常に有利である。
本発明のエンジン始動制御装置の一態様では、前記車両は、遊星歯車機構を有する動力分割手段と、前記動力分割手段の外輪歯車の回転軸に接続された第2モータと、前記車両の速度を検出する速度検出手段を更に備え、前記エンジンは、前記ダンパを介して、前記動力分割手段の遊星キャリアの回転軸に接続されており、前記第1モータは、前記動力分配手段の太陽歯車の回転軸に接続されており、前記回転数検出手段は、前記検出された速度、前記検出されたエンジン回転数、及び前記太陽歯車の歯数と前記外輪歯車の歯数との比であるプラネタリギア比に基づいて、前記モータ回転数を検出する。
この態様によれば、エンジンと、第1及び第2モータ、並びに動力分割手段を備える車両においても、パワー制限を満たしつつトルク脈動を抑制すると共に、意図しないトルク脈動の発生を回避することができる。
車両は、動力分割手段、第2モータ及び速度検出手段を更に備えている。例えば速度センサ等である速度検出手段は、例えばドライブシャフトの回転速度を検出することにより、車両の速度を検出する。
エンジンは、ダンパを介して、動力分割手段の遊星キャリアの回転軸に接続されており、第1モータは、動力分割手段の太陽歯車の回転軸に接続されており、第2モータは、動力分割手段の外輪歯車の回転時に接続されている。尚、この態様では、第1モータは、典型的には、モータ・ジェネレータにより実現されるモータである。
回転数検出手段は、検出された速度、検出されたエンジン回転数及びプラネタリギア比に基づいて、第1モータのモータ回転数を検出する。具体的には、回転数検出手段は、プラネタリギア比をρとすると、エンジン回転数に(1+ρ)/ρという係数を乗じた値と、検出された速度により決定されるドライブシャフトの回転数に(1/ρ)を乗じた値との差分値を求めることにより、モータ回転数を検出する。
本発明のエンジン始動制御方法は、上記課題を解決するために、ダンパを介して互いに接続されるエンジン及び第1モータと、前記第1モータに電力を供給可能な蓄電池とを備える車両に搭載され、前記エンジンのクランク角を検出するクランク角検出手段と、前記エンジンの回転数であるエンジン回転数、及び前記第1モータの回転数であるモータ回転数を夫々検出する回転数検出手段と、前記エンジンの回転に起因する脈動トルクを特定可能なエンジン脈動ベーストルクマップと、前記ダンパを含む動力伝達系に生じる共振に応じて定められた基本制振ゲインマップとを格納する記憶手段とを備えるエンジン始動制御装置におけるエンジン始動制御方法であって、前記エンジンを始動する際に、前記蓄電池の性能に応じて決定される前記第1モータのパワー制限値と、前記エンジン及び前記第1モータ間の伝達関数により決定される基本ゲインと、前記検出されたモータ回転数と、前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップとに基づいて、前記第1モータのパワー制限ゲインを演算する第1演算工程と、前記検出されたエンジン回転数に基づいて、前記格納された基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲイン及び前記演算されたパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインを選択する選択工程と、記検出されたクランク角及び前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップに基づいて特定されたエンジン脈動トルクに、前記選択されたゲインを乗じて制振トルクを演算する第2演算工程と、前記演算された制振トルクに基づいて前記第1モータのトルクを設定する設定工程と、前記設定されたトルクを出力するように、前記第1モータを駆動制御する制御工程とを備え、前記第1演算工程では、前記パワー制限値を、前記検出されたモータ回転数に、前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップにおけるエンジン脈動ベーストルクの最大値と前記基本ゲインとを乗じた値で割ることによって、前記パワー制限ゲインが演算される。
本発明のエンジン始動制御方法によれば、上述した本発明のエンジン始動制御装置と同様に、パワー制限を満たしつつトルク脈動を抑制すると共に、意図しないトルク脈動の発生を回避することができる。
尚、本発明のエンジン始動制御方法においても、上述した本発明のエンジン始動制御装における各種態様を採ることが可能である。
本発明の作用及びその他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下、本発明のエンジン始動制御装置に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明のエンジン始動制御装置に係る第1実施形態を、図1乃至図8を参照して説明する。
(エンジン始動制御装置の構成)
先ず、図1を参照して、本実施形態に係るエンジン始動制御装置が搭載される車両について説明する。ここに、図1は、本実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
図1において、車両1は、エンジン11、トーショナルダンパ12、モータ13、蓄電装置14、トランスミッション(T/M)15、デファレンシャルギア16、ドライブシャフト17、ECU(Electronic Control Unit)30及び複数の車輪40を備えて構成されている。
ここに、本実施形態に係る「トーショナルダンパ12」、「モータ13」及び「蓄電装置14」は、夫々、本発明に係る「ダンパ」、「第1モータ」及び「蓄電池」の一例である。また、本実施形態に係る「トーショナルダンパ12」、「トランスミッション15」、「デファレンシャルギア16」及び「ドライブシャフト17」は、本発明に係る「動力伝達系」の一例である。
本実施形態に係るエンジン始動制御装置は、エンジン11のクランク角を検出するクランク角センサ21と、エンジン11の回転数であるエンジン回転数を検出する回転数センサ22と、車両1の速度を検出する車速センサ23とを備える。ここに、本実施形態に係る「クランク角センサ21」、「回転数センサ22」及び「車速センサ23」は、夫々、本発明に係る「クランク角検出手段」、「回転数検出手段」及び「速度検出手段」の一例である。
エンジン始動制御装置は、(i)エンジン11の回転に起因する脈動トルクを特定可能なエンジン脈動トルクベースマップ(図2参照)と、トーショナルダンパ12及びドライブシャフト17に生じる共振に応じて定められた基本制振ゲインマップ(図3参照)とを格納し、(ii)蓄電装置14の性能等に応じて決定されるモータ13のパワー制限値と、エンジン11及びモータ13間の伝達関数により決定される基本ゲインと、モータ13の回転数であるモータ回転数と、エンジン脈動トルクベースマップとに基づいて、モータ13のパワー制限ゲインを演算し、(iii)エンジン回転数に基づいて、基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲイン及び演算されたパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインを選択するECU30を更に備える。
本実施形態に係る「ECU30」は、本発明に係る「記憶手段」、「第1演算手段」、「選択手段」の一例である。本実施形態では、各種電子制御用のECU30の一部を、エンジン始動制御装置の一部として用いている。
エンジン始動制御装置の一部としてのECU30は、更に、(iv)回転数センサ22によって検出されたエンジン回転数に基づいて、モータ回転数を検出する。ここで、車両1のように、エンジン11とモータ13との間に減速機が配置されていない場合、モータ回転数は、エンジン回転数と等しくなる。尚、本実施形態に係る「ECU30」は、本発明に係る「回転数検出手段」の他の例である。
エンジン始動制御装置の一部としてのECU30は、更に、(v)エンジン脈動ベーストルクマップから、検出されたクランク角に基づいて特定されるエンジン脈動トルクを、選択されたゲイン(即ち、基本制振ゲイン又はパワー制限ゲイン)に乗じて制振トルクを演算し、(vi)該演算された制振トルクに基づいてモータ13のトルクを設定し、(vii)該設定されたトルクを出力するように、モータ13を駆動制御する。ここに、本実施形態に係る「ECU30」は、本発明に係る「第2演算手段」、「設定手段」及び「制御手段」の一例である。
(エンジン始動制御処理)
次に、以上のように構成されたエンジン始動制御装置において、ECU30が実行するエンジン始動制御処理を、図2乃至図8を参照して説明する。このエンジン始動制御処理は、主に車両の走行中又は走行が開始される際において、エンジンを始動する場合に実行される。
ECU30は、エンジン11を始動する際に、先ず、図2に示すようなエンジン脈動ベーストルクマップに含まれるエンジン脈動ベーストルクの最大値と、蓄電装置14の性能に応じて決定されるモータ13のパワー制限値と、エンジン11及びモータ13間の伝達関数により決定される基本ゲインと、回転数センサ22により検出されたエンジン回転数に基づいて検出されたモータ回転数と、に基づいて、モータ13のパワー制限ゲインを演算する。
具体的には、ECU30は、(パワー制限ゲイン)=(モータパワー制限トルク)/{(エンジン脈動ベーストルクの最大値)×(基本ゲイン)}という式を用いて、パワー制限ゲインを演算する。ここで、「モータパワー制限トルク」は、パワー制限値をモータ回転数で割ることによって求められる。該求められたモータパワー制限トルクとエンジン回転数/モータ回転数との関係は、図4のようになる。尚、本実施形態では、モータパワー制限トルクがモータ13の性能によって決定されるモータトルク制限値Tmlより大きくなる場合は、モータパワー制限トルクをモータトルク制限値Tmlとしている。
また、ECU30により演算されたパワー制限ゲインとエンジン回転数/モータ回転数との関係は、図5における実線のようになる。図5における点線は、図3に示したトーショナルダンパ12及びドライブシャフト17に生じる共振に応じて定められた基本制振ゲインである。
尚、図2は、本実施形態に係るエンジン脈動ベーストルクとクランク角との関係を示すエンジン脈動ベーストルクマップの一例を示す概念図である。図2における実線は、エンジン11の定常状態におけるエンジン脈動ベーストルクを示し、点線は、エンジン11の過渡状態におけるエンジン脈動ベーストルクを示している。ここで、「定常状態」とは、エンジン11に吸入される空気量が安定している状態を意味する。他方、「過渡状態」とは、エンジン11に吸入される空気量が安定していない状態を意味し、例えばエンジン11のクランキング開始時点から最初の上死点を超えるまでの期間におけるエンジン11の状態を意味する。
図2に示すように、点線で示した過渡状態におけるエンジン脈動ベーストルクが、実線で示した定常状態におけるエンジン脈動ベーストルクよりも小さい。これは、過渡状態では、例えばエンジン11の回転数が低いこと等に起因して、吸入空気量が十分ではなく、空気の圧縮反力によるトルクが小さいからである。
図3は、本実施形態に係る基本制振ゲインとエンジン回転数との関係を示す基本制振ゲインマップの一例を示す概念図である。図3における「ダンパ・ドライブシャフト共振領域」は、エンジン回転数が、例えば300rpm〜600rpmに対応する領域である。
図4は、本実施形態に係るモータパワー制限トルクとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。図5は、本実施形態に係るパワー制限ゲイン(又は制振ゲイン)とエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。尚、本実施形態では、エンジン回転数とモータ回転数とが等しいので、図4及び図5における「エンジン回転数」を「モータ回転数」と読み替えてもよい。
ECU30は、次に、回転数センサ22により検出されたエンジン回転数に基づいて、図3に示すような基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲイン、及び演算されたパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインを選択する。尚、図5に示すように、エンジン回転数が比較的高い領域では、点線で示す基本制振ゲインが、実線で示すパワー制限ゲインよりも小さくなっている。従って、エンジン回転数が比較的低い領域では、パワー制限ゲインが選択され、エンジン回転数が比較的高い領域では、基本制振ゲインが選択されることとなる。
ECU30により選択された基本制振ゲイン及びパワー制限ゲインのうち小さい方のゲイン(以下、適宜「モータ制限ゲイン」と称する)と、エンジン回転数との関係は、図6のようになる。ここに、図6は、本実施形態に係るモータ制限ゲインとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。
ECU30は、次に、クランク角センサ21により検出されたクランク角に基づいて、エンジン脈動ベーストルクマップにより特定されるエンジン脈動トルクに、選択されたモータ制限ゲインを乗じて制振トルクを演算する。
ここで、ECU30が、エンジン脈動ベーストルクマップからエンジン脈動トルクを特定する方法について、具体的に説明する。尚、適宜、図2において実線で示したエンジン脈動ベーストルクを「定常マップ」と称し、図2において点線で示したエンジン脈動ベーストルクを「過渡マップ」と称する。また、定常マップに対応するエンジン脈動ベーストルクを「定常エンジン脈動ベーストルク」と称し、過渡マップに対応するエンジン脈動ベーストルクを「過渡エンジン脈動ベーストルク」と称する。
エンジン11のクランキング開始時点から最初の上死点を超えるまでの期間の場合、ECU30は、検出されたクランク角に基づいて、過渡マップから過渡エンジン脈動ベーストルクを特定する。続いて、ECU30は、該特定された過渡エンジン脈動ベーストルクから、該特定された過渡エンジン脈動ベーストルクに、初期クランク角(即ち、クランキング開始時点のクランク角)とクランク角の最大値との比を乗じた値を引くことによって、エンジン脈動ベーストルクを特定する。
より具体的には、ECU30は、(エンジン脈動トルク)=(過渡エンジン脈動ベーストルク)−(過渡エンジン脈動ベーストルク)×(初期クランク角)÷(クランク角の最大値)という式を用いてエンジン脈動トルクを特定する。尚、「クランク角の最大値」は、720をエンジン11の気筒数で割った値である。
最初の上死点を超えてから2回目の上死点を超えるまでの期間の場合、ECU30は、検出されたクランク角に基づいて、定常マップ及び過渡マップの各々から、定常エンジン脈動ベーストルク及び過渡エンジン脈動ベーストルクを特定する。続いて、ECU30は、特定された定常エンジン脈動ベーストルクに、特定された過渡エンジン脈動ベーストルク及び定常エンジン脈動ベーストルクの差分値に、初期クランク角とクランク角の最大値との比を乗じた値を加えることによって、エンジン脈動トルクを特定する。
より具体的には、ECU30は、(エンジン脈動トルク)=(定常エンジン脈動ベーストルク)+{(過渡エンジン脈動ベーストルク)−(定常エンジン脈動ベーストルク)}×(初期クランク角)÷(クランク角の最大値)という式を用いてエンジン脈動トルクを特定する。
2回目の上死点を超えた後の期間の場合、ECU30は、検出されたクランク角に基づいて、定常マップから、定常エンジン脈動ベーストルクを特定し、該特定された定常エンジン脈動ベーストルクをエンジン脈動トルクとする。
ECU30は、次に、演算された制振トルクをモータトルクに付加することによって、モータ13が出力すべきトルクを設定する。ECU30は、続いて、設定されたトルクを出力するようにモータ13を駆動制御する。
ここで、モータトルクに付加される制振トルクは、図7のようになる。図7に示すように、モータトルクに付加される制振トルク(図7における「モータ付加トルク」)は、モータ13のパワー制限トルクの上限値Tmluと下限値Tmllとの間に収まっている。尚、図7は、本実施形態に係る制振トルクとクランク角との関係の一例を示す概念図である。
次に、モータ13に付加される制振トルクに対して周波数分析を施した結果について、図8を参照して説明する。ここに、図8は、本実施形態に係る制振トルクの周波数分析結果の一例を示す概念図である。図8における実線は、モータ13に付加される制振トルクを示し、点線は、制振トルクの理論値(即ち、蓄電装置14の性能等に応じて決定されるパワー制限が無い場合の値)を示している。
図8に示すように、モータ13に付加される制振トルクの絶対値は、パワー制限値が加味されているので、理論値よりも小さくなっているが、周波数は一致していることがわかる。このため、本実施形態に係るエンジン始動制御装置によれば、意図しないトルク脈動の発生を回避することができる。
(比較例)
次に、本実施形態に係るエンジン始動制御装置の比較例について、図9乃至図11を参照して説明する。
比較例に係るエンジン始動制御装置では、例えば図2に示したようなエンジン脈動ベーストルクマップにより特定されるエンジン脈動トルクに、基本ゲイン、及び例えば図3に示したような基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲインを乗ずることによって、モータ13に付加される制振トルク(図9参照)が演算される。
ここで、演算された制振トルクは、蓄電装置14の性能等に応じて決定されるパワー制限値が加味されていない制振トルクである。即ち、演算された制振トルクは、制振トルクの理論値である。尚、図9は、比較例に係る制振トルクとクランク角との関係の一例を示す概念図である。
比較例に係るエンジン始動制御装置が、実際にモータ13に付加する制振トルクを決定する際には、演算された制振トルクとパワー制限値に対応するトルクとを比較して、演算された制振トルクがパワー制限値に対応するトルクを超える場合には、パワー制限値に対応するトルクをモータ13に付加する制振トルクとして決定する。
このため、図10に示すように、演算された制振トルクが、パワー制限トルクの上限値Tmluよりも大きくなる領域、及び下限値Tmllよりも小さくなる領域では、モータ13に付加される制振トルクは、夫々、パワー制限トルクの上限値Tmlu及び下限値Tmllとなる。ここで、パワー制限トルクの上限値Tmlu及び下限値Tmllは、パワー制限値に対応するトルクの一例である。尚、図10は、比較例に係るエンジン始動制御装置がモータに実際に付加する制振トルクとクランク角との関係の一例を示す概念図である。
次に、モータ13に付加される制振トルクが、例えばモータ制限トルクの上限値Tmluである場合に、モータ13に付加される制振トルクに対して周波数分析を施した結果について、図11を参照して説明する。ここに、図11は、図8と同趣旨の、比較例に係る制振トルクの周波数分析結果の一例を示す概念図である。
図11に示すように、モータ13に付加される制振トルクの絶対値は、理論値よりも大幅に小さくなっている。更に、意図しない周波数にトルクが生じていることがわかる(図11における右側の波形)。即ち、比較例に係るエンジン始動制御装置では、意図しない周波数のトルク変動をモータ13により生じさせることとなる。
(変形例)
次に、本実施形態に係るエンジン始動制御装置の変形例について説明する。
変形例に係るエンジン始動制御装置では、図6に示したモータ制限ゲインとエンジン回転数との関係を、予めモータ制限ゲインマップとしてECU30に格納している。従って、変形例に係るエンジン始動制御装置では、ECU30は、クランク角センサ21により検出されたクランク角に基づいて、例えば図2に示したエンジン脈動ベーストルクマップにより特定されるエンジン脈動トルクに、回転数センサ22により検出されたエンジン回転数に基づいて、モータ制限ゲインマップより特定されるモータ制限ゲインを乗じて制振トルクを演算する。
このため、変形例に係るエンジン始動制御装置では、ECU30の負荷を軽減することができ、実用上非常に有利である。
<第2実施形態>
本発明のエンジン始動制御装置に係る第2実施形態を、図12乃至図16を参照して説明する。第2実施形態では、車両が発電モータ、駆動モータ及び動力分割機構を備えており、該構成に対応してエンジン始動制御処理が異なる以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図12乃至図16を参照して説明する。
先ず、図12を参照して、本実施形態に係るエンジン始動制御装置が搭載される車両について説明する。ここに、図12は、図1と同趣旨の、本実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
図12において、車両1は、発電モータ18、駆動モータ19、及び遊星歯車機構を有する動力分割機構20を備えて構成されている。ここで、本実施形態に係る「発電モータ18」は、本発明に係る「第1モータ」の他の例であり、本実施形態に係る「駆動モータ19」及び「動力分割機構20」は、夫々、本発明に係る、「第2モータ」及び「動力分割手段」の一例である。
エンジン11は、トーショナルダンパ12を介して、動力分割機構20の遊星キャリアの回転軸201に接続されており、発電モータ18は、動力分割機構20の太陽歯車の回転軸202に接続されており、駆動モータ19は、動力分割機構20の外輪歯車の回転軸203に接続されている。
ここで、車両2における発電モータ18のモータ回転数は、図13に示すような共線図における関係により、一意に決定される。従って、本実施形態に係るエンジン始動制御装置の一部としてのECU30は、速度センサ23により検出された車両2の速度に基づいて決定されるドライブシャフト17の回転数、回転数センサ22により検出されたエンジン回転数、及び動力分割機構20のプラネタリギア比ρに基づいて、発電モータ18のモータ回転数を検出する。
より具体的には、ECU30は、(発電モータ18のモータ回転数)=(1+ρ)/ρ×(エンジン回転数)−(1/ρ)×(ドライブシャフト17の回転数)という式を用いて、発電モータ18のモータ回転数を検出する。
尚、図13は、本実施形態に係るエンジン、発電モータ及びドライブシャフトの共線図である。
本実施形態では、上述の如く、発電モータ18のモータ回転数が、ドライブシャフト17の回転数(即ち、車両2の速度)に依存するため、ECU30により求められるモータパワー制限トルクは、図14のように、車両2の速度毎に異なる。ここで、図14は、図4と同趣旨の、本実施形態に係るモータパワー制限トルクとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。
尚、本実施形態でも、モータパワー制限トルクが発電モータ18の性能によって決定されるモータトルク制限値Tmlより大きくなる場合は、モータパワー制限トルクをモータトルク制限値Tmlとしている。
従って、ECU30により演算されるパワー制限ゲインも、図15のように、車両2の速度毎に異なる。ここで、図15は、図5と同趣旨の、本実施形態に係るパワー制限ゲインとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。尚、図15における点線は、例えば図3に示した基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲインを示している。
ECU30は、パワー制限ゲインを演算した後に、回転数センサ22により検出されたエンジン回転数、及び車速センサ23により検出された車両2の速度に基づいて、基本制振ゲイン及び演算されたパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインを選択する。ECU30により選択された基本制振ゲイン及びパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインと、エンジン回転数との関係は、図16のようになる。ここに、図16は、図6と同趣旨の、本実施形態に係るモータ制限ゲインとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うエンジン始動制御装置及び方法もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るエンジン脈動ベーストルクとクランク角との関係を示すエンジン脈動ベーストルクマップの一例を示す概念図である。 第1実施形態に係る基本制振ゲインとエンジン回転数との関係を示す基本制振ゲインマップの一例を示す概念図である。 第1実施形態に係るモータパワー制限トルクとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。 第1実施形態に係るパワー制限ゲインとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。 第1実施形態に係るモータ制限ゲインとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。 第1実施形態に係る制振トルクとクランク角との関係の一例を示す概念図である。 第1実施形態に係る制振トルクの周波数分析結果の一例を示す概念図である。 第1実施形態の比較例に係る制振トルクとクランク角との関係の一例を示す概念図である。 第1実施形態の比較例に係るエンジン始動制御装置がモータに実際に付加する制振トルクとクランク角との関係の一例を示す概念図である。 第1実施形態の比較例に係る制振トルクの周波数分析結果の一例を示す概念図である。 第2実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係るエンジン、発電モータ及びドライブシャフトの共線図である。 第2実施形態に係るモータパワー制限トルクとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。 第2実施形態に係るパワー制限ゲインとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。 第2実施形態に係るモータ制限ゲインとエンジン回転数との関係の一例を示す概念図である。
符号の説明
1、2…車両、11…エンジン、12…トーショナルダンパ、13…モータ、14…蓄電装置、15…トランスミッション、16…デファレンシャルギア、17…ドライブシャフト、18…発電モータ、19…駆動モータ、20…動力分割機構、21…クランク角センサ、22…回転数センサ、23…車速センサ、30…ECU、40…車輪

Claims (3)

  1. ダンパを介して互いに接続されるエンジン及び第1モータと、前記第1モータに電力を供給可能な蓄電池とを備える車両に搭載され、
    前記エンジンのクランク角を検出するクランク角検出手段と、
    前記エンジンの回転数であるエンジン回転数、及び前記第1モータの回転数であるモータ回転数を夫々検出する回転数検出手段と、
    前記エンジンの回転に起因する脈動トルクを特定可能なエンジン脈動ベーストルクマップと、前記ダンパを含む動力伝達系に生じる共振に応じて定められた基本制振ゲインマップとを格納する記憶手段と、
    前記エンジンを始動する際に、前記蓄電池の性能に応じて決定される前記第1モータのパワー制限値と、前記エンジン及び前記第1モータ間の伝達関数により決定される基本ゲインと、前記検出されたモータ回転数と、前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップとに基づいて、前記第1モータのパワー制限ゲインを演算する第1演算手段と、
    前記検出されたエンジン回転数に基づいて、前記格納された基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲイン及び前記演算されたパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインを選択する選択手段と、
    記検出されたクランク角及び前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップに基づいて特定されたエンジン脈動トルクに、前記選択されたゲインを乗じて制振トルクを演算する第2演算手段と、
    前記演算された制振トルクに基づいて前記第1モータのトルクを設定する設定手段と、
    前記設定されたトルクを出力するように、前記第1モータを駆動制御する制御手段と
    を備え
    前記第1演算手段は、前記パワー制限値を、前記検出されたモータ回転数に、前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップにおけるエンジン脈動ベーストルクの最大値と前記基本ゲインとを乗じた値で割ることによって、前記パワー制限ゲインを演算する
    ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
  2. 前記車両は、遊星歯車機構を有する動力分割手段と、前記動力分割手段の外輪歯車の回転軸に接続された第2モータと、前記車両の速度を検出する速度検出手段を更に備え、
    前記エンジンは、前記ダンパを介して、前記動力分割手段の遊星キャリアの回転軸に接続されており、
    前記第1モータは、前記動力分配手段の太陽歯車の回転軸に接続されており、
    前記回転数検出手段は、前記検出された速度、前記検出されたエンジン回転数、及び前記太陽歯車の歯数と前記外輪歯車の歯数との比であるプラネタリギア比に基づいて、前記モータ回転数を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御装置。
  3. ダンパを介して互いに接続されるエンジン及び第1モータと、前記第1モータに電力を供給可能な蓄電池とを備える車両に搭載され、前記エンジンのクランク角を検出するクランク角検出手段と、前記エンジンの回転数であるエンジン回転数、及び前記第1モータの回転数であるモータ回転数を夫々検出する回転数検出手段と、前記エンジンの回転に起因する脈動トルクを特定可能なエンジン脈動ベーストルクマップと、前記ダンパを含む動力伝達系に生じる共振に応じて定められた基本制振ゲインマップとを格納する記憶手段とを備えるエンジン始動制御装置におけるエンジン始動制御方法であって、
    前記エンジンを始動する際に、前記蓄電池の性能に応じて決定される前記第1モータのパワー制限値と、前記エンジン及び前記第1モータ間の伝達関数により決定される基本ゲインと、前記検出されたモータ回転数と、前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップとに基づいて、前記第1モータのパワー制限ゲインを演算する第1演算工程と、
    前記検出されたエンジン回転数に基づいて、前記格納された基本制振ゲインマップにより特定される基本制振ゲイン及び前記演算されたパワー制限ゲインのうち小さい方のゲインを選択する選択工程と、
    記検出されたクランク角及び前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップに基づいて特定されたエンジン脈動トルクに、前記選択されたゲインを乗じて制振トルクを演算する第2演算工程と、
    前記演算された制振トルクに基づいて前記第1モータのトルクを設定する設定工程と、
    前記設定されたトルクを出力するように、前記第1モータを駆動制御する制御工程と
    を備え
    前記第1演算工程では、前記パワー制限値を、前記検出されたモータ回転数に、前記格納されたエンジン脈動ベーストルクマップにおけるエンジン脈動ベーストルクの最大値と前記基本ゲインとを乗じた値で割ることによって、前記パワー制限ゲインが演算される
    ことを特徴とするエンジン始動制御方法。
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