JP5194963B2 - 波形解析装置、波形解析プログラム、干渉計装置、パターン投影形状測定装置、及び波形解析方法 - Google Patents
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Description
Mitsuo Takeda et al. "Fourier-transform method of fringe-pattern analysis for computer-based topography and interferometry", Journal of the Optical Society of America.Vol. 72, No. 1, January 1982
以下、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、干渉計装置の実施形態である。
コンピュータは、縞画像を入力する。縞画像の強度分布g(x,y)は、式(1)で表される。
コンピュータは、強度分布g(x,y)をフーリエ変換することにより、図5、図6に示すようなフーリエスペクトルh(ω)を取得する。図5は、フーリエスペクトルh(ω)の実部を示しており、図6は、フーリエスペクトルh(ω)の虚部を示している。
コンピュータは、図5、図6に示すフーリエスペクトルh(ω)から0次スペクトルを除去する。その除去処理は、所定帯域の強度を0とし、他の帯域の強度を維持するようなバンドパスフィルタ処理である。これによって、フーリエスペクトルh(ω)から背景ムラa(x,y)が除去される。
コンピュータは、除去後のフーリエスペクトルh’(ω)をフーリエ逆変換することにより、複素振幅分布g1(x,y)を取得する。複素振幅分布g1(x,y)は、式(3)で表される。
コンピュータは、複素振幅分布g1(x,y)に対し−1次スペクトルの狭帯化処理を施す。この狭帯化処理では、複素振幅分布g1(x,y)に対して式(4)で表される狭帯化係数α(x,y)が乗算される。
コンピュータは、複素振幅分布g2(x,y)をフーリエ変換することにより、図7、図8に示すようなフーリエスペクトルh2(ω)を取得する。図7は、フーリエスペクトルh2(ω)の実部を示しており、図8は、フーリエスペクトルh2(ω)の虚部を示している。図7、図8に明らかなとおり、フーリエスペクトルh2(ω)では、+1次スペクトルが広帯化されており、−1次スペクトルが狭帯化されている。
コンピュータは、図7、図8に示すフーリエスペクトルh2(ω)から−1次スペクトルを除去する。除去処理には、所定帯域の強度を0とし、他の帯域の強度を維持するようなバンドパスフィルタ処理である。−1次スペクトルは狭帯化されているので、このバンドパスフィルタ処理では、不要な情報を確実に除去しながら、必要な情報の欠落を防ぐことができる。
コンピュータは、除去後のフーリエスペクトルh2’(ω)をフーリエ逆変換することにより、複素振幅分布g3(x,y)を取得する。この複素振幅分布g3(x,y)は、式(6)で表される。
コンピュータは、複素振幅分布g3(x,y)に対し+1次スペクトルの狭帯化処理を施す。この狭帯化処理では、複素振幅分布g3(x,y)に対して式(7)で表される狭帯化係数β(x,y)が乗算される。
コンピュータは、複素振幅分布g4(x,y)をフーリエ変換することにより、図9、図10に示すようなフーリエスペクトルh4(ω)を取得する。図9は、フーリエスペクトルh4(ω)の実部を示しており、図10は、フーリエスペクトルh4(ω)の虚部を示している。図9、図10に明らかなとおり、フーリエスペクトルh4(ω)では、+1次スペクトルが狭帯化されている。
コンピュータは、フーリエスペクトルh4(x,y)から、+1次スペクトルのみを抽出する。その抽出処理は、所定帯域の強度を0とし、他の帯域の強度を保持するバンドパスフィルタ処理である。+1次スペクトルは狭帯化されているので、このバンドパスフィルタ処理では、不要な情報を確実に除去しながら、抽出必要な情報の欠落を防ぐことができる。
コンピュータは、抽出された+1次スペクトルをフーリエ逆変換することにより、複素振幅分布g5(x,y)を取得する。
コンピュータは、複素振幅分布g5(x,y)に対し正規化処理を施す。この正規化処理では、式(9)で表される正規化係数γ(x,y)が複素振幅分布g5(x,y)に乗算される。
コンピュータは、複素振幅分布g6(x,y)を次式(11)に当てはめることにより、位相分布φ(x,y)を算出する。
コンピュータは、算出された位相分布φ(x,y)のアンラッピングを行い、アンラッピング後の位相分布φ(x,y)と、キャリア成分φc(x,y)(既知)と、式(2)とに基づき、信号成分φs(x,y)の値を算出する。以下、この値を、「実測信号成分φs’(x,y)」と称す。この実測信号成分φs’(x,y)が、測定対象面7aの形状を表す。
以下、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態も、干渉計装置の実施形態である。ここでは、第1実施形態との相違点のみ説明する。相違点は、解析処理の内容にある。
コンピュータは、第1実施形態のステップS10と同様に、縞画像を入力する。縞画像の強度分布g(x,y)は、式(1),式(2)で表される。
コンピュータは、モデルφm(x,y)を初期値に設定する。ここでは、初期値として、設計データφd(x,y)(既知)を使用することとする。
コンピュータは、第1実施形態のステップS11と同様に、強度分布g(x,y)をフーリエ変換してフーリエスペクトルh(ω)を取得する(図5,図6)。
コンピュータは、第1実施形態のステップS11と同様に、フーリエスペクトルh(ω)から0次スペクトルを除去する。
コンピュータは、第1実施形態のステップS13と同様に、除去後のフーリエスペクトルh’(ω)をフーリエ逆変換して複素振幅分布g1(x,y)を取得する(式(3))。
コンピュータは、第1実施形態のステップS14と同様に、複素振幅分布g1(x,y)に対し−1次スペクトルの狭帯化処理を施す(式(4)、式(5))。この狭帯化処理で使用されるモデルは、設定中のモデルφm(x,y)である。
コンピュータは、第1実施形態のステップS15と同様に、複素振幅分布g2(x,y)をフーリエ変換することによりフーリエスペクトルh2(ω)を取得する(図7,図8)。
コンピュータは、第1実施形態のステップS16と同様に、フーリエスペクトルh2(ω)から−1次スペクトルを除去する。
コンピュータは、第1実施形態のステップS17と同様に、除去後のフーリエスペクトルh2’(ω)をフーリエ逆変換することにより、複素振幅分布g3(x,y)を取得する(式(6))。
コンピュータは、第1実施形態のステップS18と同様に、複素振幅分布g3(x,y)に対し+1次スペクトルの狭帯化処理を施す(式(7)、式(8))。この狭帯化処理で使用されるモデルは、設定中のモデルφm(x,y)である。
コンピュータは、第1実施形態のステップS19と同様に、複素振幅分布g4(x,y)をフーリエ変換することによりフーリエスペクトルh4(ω)を取得する(図9,図10)。
コンピュータは、第1実施形態のステップS20と同様に、フーリエスペクトルh4(x,y)から+1次スペクトルのみを抽出する。
コンピュータは、第1実施形態のステップS21と同様に、抽出された+1次スペクトルをフーリエ逆変換することにより、複素振幅分布g5(x,y)を取得する。
コンピュータは、第1実施形態のステップS22と同様に、複素振幅分布g5(x,y)に対し正規化処理を施す(式(9)、式(10))。この正規化処理で使用されるモデルは、設定中のモデルφm(x,y)である。
コンピュータは、第1実施形態のステップS23と同様に、複素振幅分布g6(x,y)から位相分布φ(x,y)を算出する(式(11))。
コンピュータは、第1実施形態のステップS24と同様に、位相分布φ(x,y)のアンラッピングを行い、実測信号成分φs’(x,y)を取得する。
コンピュータは、現在の実測信号成分φs’(x,y)と、その前回値との差異が閾値以下であるか否かを判別し、閾値以下である場合は現在の実測信号成分φs’(x,y)を最終結果とみなしてフローを終了する。一方、両者の差異が閾値より大きい場合は、ステップS103へ移行する。
コンピュータは、モデルφm(x,y)の値を、現在の実測信号成分φs’(x,y)と同じ値に設定する。これによって、モデルφm(x,y)が更新される。その後、コンピュータは、ステップS11へ戻る。
なお、上述した何れかの実施形態の狭帯化処理では、モデルφm(x,y)として、信号成分φs(x,y)に対応したものを使用したが、信号成分φs(x,y)とキャリア成分φc(x,y)とを合わせたものに対応したものを使用してもよい。その際、キャリア成分も含めた位相分布を解析することになるので、キャリア成分を厳密に既知とする必要がなくなるなどの利点がある。
以下、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、パターン投影形状測定装置の実施形態である。
なお、本発明の波形解析装置の一態様は、前記入力波形のフーリエスペクトルから0次スペクトルを除去する除去手段と、前記入力波形のフーリエスペクトルの−1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手段と、前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された−1次スペクトルを除去する除去手段と、前記入力波形のフーリエスペクトルの+1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手段と、前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された+1次スペクトルを抽出する抽出手段とを有してもよい。
Claims (27)
- キャリアが重畳された入力波形へフーリエ変換法による波形解析処理を施すことにより前記入力波形の位相情報を抽出し、その位相情報に基づきその位相情報に含まれる信号成分を算出する波形解析装置であって、
前記入力波形のフーリエスペクトルから+1次スペクトルと−1次スペクトルとを分離するに当たり、それらスペクトルの少なくとも一方を狭帯化する狭帯化手段を備えた
ことを特徴とする波形解析装置。 - 請求項1に記載の波形解析装置において、
前記入力波形のフーリエスペクトルから0次スペクトルを除去する除去手段と、
前記入力波形のフーリエスペクトルの−1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手段と、
前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された−1次スペクトルを除去する除去手段と、
前記入力波形のフーリエスペクトルの+1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手段と、
前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された+1次スペクトルを抽出する抽出手段と
を有することを特徴とする波形解析装置。 - 請求項1に記載の波形解析装置において、
前記入力波形のフーリエスペクトルから0次スペクトルを除去する除去手段と、
前記入力波形のフーリエスペクトルの+1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手段と、
前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された+1次スペクトルを除去する除去手段と、
前記入力波形のフーリエスペクトルの−1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手段と、
前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された−1次スペクトルを抽出する抽出手段と
を有することを特徴とする波形解析装置。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の波形解析装置において、
前記狭帯化手段は、
前記信号成分のモデルから導出された狭帯化係数を前記入力波形の複素振幅分布に乗算する
ことを特徴とする波形解析装置。 - 請求項4に記載の波形解析装置において、
前記モデルをφmとおくと、
前記+1次スペクトルを狭帯化するための狭帯化係数は、exp[−iφm]又はそれに応じた値に設定され、
前記−1次スペクトルを狭帯化するための狭帯化係数は、exp[+iφm]又はそれに応じた値に設定される
ことを特徴とする波形解析装置。 - 請求項4又は請求項5に記載の波形解析装置において、
前記モデルは、
前記信号成分の設計値である
ことを特徴とする波形解析装置。 - 請求項4又は請求項5に記載の波形解析装置において、
前記モデルは、
前記信号成分の実測値である
ことを特徴とする波形解析装置。 - 請求項7に記載の波形解析装置において、
前記実測値は、
別の波形解析により前記入力波形から算出された信号成分である
ことを特徴とする波形解析装置。 - 請求項7又は請求項8に記載の波形解析装置において、
前記モデルは、
前記信号成分の実測値を所定の関数にフィッティングしたものである
ことを特徴とする波形解析装置。 - 請求項4〜請求項9の何れか一項に記載の波形解析装置において、
前記モデルを変更しながら、前記信号成分の算出結果が収束するまで、前記信号成分の算出を繰り返す繰り返し手段を更に備え、
2回目以降の算出では、
前回の算出結果が前記モデルとして使用される
ことを特徴とする波形解析装置。 - 請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の波形解析装置において、
前記入力波形は、
空間方向に変調された波形である
ことを特徴とする波形解析装置。 - 請求項1〜請求項12の何れか一項に記載の波形解析装置において、
前記入力波形は、
時間方向に変調された波形である
ことを特徴とする波形解析装置。 - キャリアが重畳された入力波形へフーリエ変換法による波形解析処理を施すことにより前記入力波形の位相情報を抽出し、その位相情報に基づきその位相情報に含まれる信号成分を算出する波形解析プログラムであって、
前記入力波形のフーリエスペクトルから1次スペクトルと−1次スペクトルとを分離するに当たり、それらスペクトルの少なくとも一方を狭帯化する狭帯化手順を含む
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項13に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記入力波形のフーリエスペクトルから0次スペクトルを除去する除去手順と、
前記入力波形のフーリエスペクトルの−1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手順と、
前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された−1次スペクトルを除去する除去手順と、
前記入力波形のフーリエスペクトルの+1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手順と、
前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された+1次スペクトルを抽出する抽出手順と
を有することを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項13に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記入力波形のフーリエスペクトルから0次スペクトルを除去する手除去順と、
前記入力波形のフーリエスペクトルの+1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手順と、
前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された+1次スペクトルを除去する除去手順と、
前記入力波形のフーリエスペクトルの−1次スペクトルを狭帯化する狭帯化手順と、
前記入力波形のフーリエスペクトルから狭帯化された−1次スペクトルを抽出する抽出手順と
を有することを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項13〜請求項15の何れか一項に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記狭帯化手順では、
前記信号成分のモデルから導出された狭帯化係数を前記入力波形の複素振幅分布に乗算する
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項16に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記モデルをφmとおくと、
前記+1次スペクトルを狭帯化するための狭帯化係数は、exp[−iφm]又はそれに応じた値に設定され、
前記−1次スペクトルを狭帯化するための狭帯化係数は、exp[+iφm]又はそれに応じた値に設定される
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項16又は請求項17に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記モデルは、
前記信号成分の設計値である
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項16又は請求項17に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記モデルは、
前記信号成分の実測値である
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項19に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記実測値は、
別の波形解析により前記入力波形から算出された信号成分である
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項19又は請求項20に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記モデルは、
前記信号成分の実測値を所定の関数にフィッティングしたものである
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項16〜請求項21の何れか一項に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記モデルを変更しながら、前記信号成分の算出結果が収束するまで、前記信号成分の算出を繰り返す繰り返し手順を更に有し、
2回目以降の算出では、
前回の算出結果が前記モデルとして使用される
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項13〜請求項22の何れか一項に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記入力波形は、
空間方向に変調された波形である
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項13〜請求項23の何れか一項に記載の波形解析プログラムにおいて、
前記入力波形は、
時間方向に変調された波形である
ことを特徴とする波形解析プログラム。 - 請求項1〜請求項12の何れか一項に記載の波形解析装置を備えた
ことを特徴とする干渉計装置。 - 請求項1〜請求項12の何れか一項に記載の波形解析装置を備えた
ことを特徴とするパターン投影形状測定装置。 - キャリアが重畳された入力波形へフーリエ変換法による波形解析処理を施すことにより前記入力波形の位相情報を抽出し、その位相情報に基づきその位相情報に含まれる信号成分を算出する波形解析方法であって、
前記入力波形のフーリエスペクトルから+1次スペクトルと−1次スペクトルとを分離するに当たり、それらスペクトルの少なくとも一方を狭帯化する
ことを特徴とする波形解析方法。
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