JP2008039524A - 動的形状計測方法および動的形状計測装置 - Google Patents

動的形状計測方法および動的形状計測装置 Download PDF

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陽二 西山
Takashi Fuse
貴史 布施
Fumiyuki Takahashi
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Hiroyuki Tsukahara
博之 塚原
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Abstract

【課題】 凹凸に富んだ対象物の計測レンジの拡大にメリットを有する2波長法を用いて光源波長を切り替えずに、動的計測に適したワンショット撮像を実現する。
【解決手段】
本発明は、波長の異なる2つの光源によるキャリアを直交して対象表面の像に重畳し、1回の撮像で干渉像を得、それぞれのキャリア方向に沿って干渉画像を復調して、干渉画像中の各点におけるそれぞれの波長に対する位相を求め、2波長法の原理にしたがって物体表面の形状を求めることを特徴とする動的形状計測方法に関する。
【選択図】図5

Description

本発明は、光MEMS(Micro-Electro-Mechanical System :微小電気機械システム)など、凹凸に富み,かつ移動や変形を伴う対象物の動的な表面形状を非接触で計測する技術に関する。
物体の表面形状を計測する手段として、干渉光学系を用いた高精度干渉法がある。高精度干渉法は、干渉光学系内に設けた参照ミラーと物体表面との反射光の光路差により生じる干渉縞の現れた干渉画像から干渉の位相を求め、物体表面の形状を計測する手段である。その高精度干渉法の中でも、位相シフト法が実現例も多く代表的である(例えば、非特許文献1参照)。
位相シフト法は、干渉の位相を求めるため、参照ミラーの位置をシフトするなどして、既知の位相を織込んだ複数枚の干渉画像を撮像し、これらの画像を用いて各画像の対応する位置の位相を求めるものである。このため、複数枚の画像を撮像する間、基本的に計測対象を静止させておく必要があり、動きのある物体には適用することができない。
この条件を緩和する方法として、ストロボスコピーの原理を用い、光源の点灯や撮像のタイミングを物体の運動に同期することによって見かけ上静止させるストロボ位相シフト法も利用されている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、これにしても、適用できるのは周期的な運動に限られ、静止した状態から運動が開始される瞬間の物体表面の形状など、運動のパターンが時間で変化する物体の形状を知ることはできない。
一方、こうした問題を解決する方法として、空間キャリア法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。空間キャリア法は、参照ミラーを傾けるなどして、干渉縞に一定周期のキャリア縞を生じさせ、これを利用することで、一枚の干渉画像から干渉の位相を抽出するものである。この方法によって物体表面の形状を計測するには、一枚の画像を撮像すればよいので、動きのある物体の表面計測に適している。
以下に、空間キャリア法により物体表面の形状を計測する方法を示す。
図1は、従来の一般的な干渉計の基本構成を示すもので、(a)は、マイケルソン型干渉顕微鏡の原理構成、(b)は、参照ミラー回転による空間キャリア生成機構を示している。
図1(a)において、光源から射出した光(光路A)は、ハーフミラー10によって2つに分岐され、一方は、計測対象30の表面へ(光路B)、他方は参照ミラー20に向かう(光路C)。計測対象30の表面と参照ミラー20のそれぞれで反射した光は、もとの光路を通って、ハーフミラー10に達し、撮像面上に像を結ぶ。このとき、参照ミラー20と計測対象30である物体表面の各点の光路差に応じて干渉が生じCCDカメラにおいてその干渉画像が観察される。
この場合、参照ミラー20を光軸に対して直交するように配置すると、各点の光路差D(x,y)と干渉画像の明るさg(x,y)とは、干渉の位相φ(x,y)を介して、式(1)および式(2)のような関係になる。
Figure 2008039524
ここで、式(1)中のa(x,y)、b(x,y)は、物体表面の反射率、参照ミラー20を含む光学系の位置(x,y)ごとに定まる特性で決まる定数、また、λは光源の波長である。
図1(b)は、参照ミラーを回転することによって空間キャリアを発生させて対象物の測定を行う空間キャリア法を示すもので、図のように参照ミラー20を傾けることによって、干渉画像中にキャリア縞を導入させている。
以下に上記光学系を使って得られたキャリア縞を導入した干渉画像の例を示す。
図2は、参照ミラー回転機構を有する干渉光学計において撮像された干渉画像と位相抽出例を示し、(a)は、キャリア縞を導入した干渉画像の例、(b)は、キャリア縞を導入した干渉画像のフーリエスペクトル分布、および(c)は、撮像した画像のフーリエスペクトルを示している。
図2(a)の干渉画像において、得られた干渉画像各点の強度は、式(3)のようになる。
Figure 2008039524
式(3)のfo は、キャリア縞の空間周波数であり、参照ミラーの光軸に対する傾きθと波長λとには式(4)の関係がある。
Figure 2008039524
式(3)、式(4)では、簡単のため、参照ミラー20の傾きを画像x方向にのみ縞変化が起こるように傾けた場合を示した。式(3)の画像から位相φ(x,y)を求めることで、式(2)によって各位置の光路差D(x,y)が求められる。参照ミラー20が平面であれば、光路差は、物体表面の凹凸変化の2倍に拡大されて、物体表面の形状h(x,y)を知ることができる(式(5))。
Figure 2008039524
キャリア縞の導入された干渉画像から物体の表面形状に対応した位相を抽出する方法としては、フーリエ変換法、ヒルベルト変換法などが知られている。例として、フーリエ変換法による位相抽出の概略を以下に示す。式(3)をフーリエ変換すると式(6)のようになる。
Figure 2008039524
式(6)で、g(fx,fy)、A(fx,fy)は、それぞれg(x,y)、a(x,y)のフーリエスペクトルを、また、C(fx,fy)は、空間キャリア縞明暗変化の複素振幅c(x,y)(式(7))のフーリエスペクトル(*は複素共役)を表す。
Figure 2008039524
図2(b)のフーリエスペクトル分布は、式(6)におけるG(fx,fy)のフーリエスペクトルの分布を示している。さらに、フーリエ変換後、fo の周辺のスペクトルのみを取り出し、原点にシフトした後、逆変換すると、c(x,y)が得られ、このc(x,y)の虚部、実部の商をとると求める位相φ(x,y)が求まる(式(8))。
図2(c)は、これを模式的に示したものである。
Figure 2008039524
ところで、高精度干渉法の共通の課題として、2πの不確定性と呼ばれる計測レンジの問題がある。高精度干渉法で求められる位相φ(x,y)の範囲は、±πとなるので、式(5)のように、得られる表面の高さが±λ/4の範囲を超えた場合には、折り返して計算されてしまい、そのままでは表面の形状を求めることができない。このときの折り返しの回数を縞次数mと呼び、このmを使って式(2)を修正すると、式(9)のようになる。但し、縞次数mは任意整数で、通常の高精度干渉法(位相シフト法、空間キャリア法)では決めることのできない値である。
Figure 2008039524
なお、式(9)のφ’(x,y)は、折り返して計算された位相である。
滑らかな表面形状を持つ物体の場合、空間的な連続性を用いて折り返しを解決するにはアンラッピングの手法が用いられる。アンラッピングは、隣接する点では式(8)の縞次数mが高々±1しか変化しないことを利用し、mを順に決めていく手法である。しかしながら、不連続な段差を持った物体においては、アンラッピングの手法によって正しい表面形状が得られるとは限らない。段差がλ/2の前後で縞次数の変化が±1であることが保証できないからである。
さらに、こうした上記問題に対し、λ/2の範囲を超えた段差がある物体でも正しく縞次数を求める方法として、2波長法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、2つの波長λa、λbを用い、それぞれの波長に対する位相φa、φbを求める方法である。各波長については式(8)が成り立つので、これらの組み合わせにより、各波長に対する縞次数ma、mbを決定することで計測レンジを拡大することができる。例えば、λa=650nm、λb=670nmとすると、計測レンジは、約10μmとなり、単波長の場合の30倍の拡大が可能となる。
J. E. Greivenkamp et al.,"Phase Shifting Interferometry" in Optical Shop Testing, Second Edition(John Wiley, NY), p501-598(1992) Y. Y. Chang et al, "Two-wavelength Phase Shifting Interferometry", Applied Optics, Vol.34, p4539-4543(1984) M.Takeda et al., "Fourie-Transform Method of Fringe-pattern Analysis for Computer-based Topography and Interferometry", Optical Society of America, Vol.72, p156-160(1982) 特開2005−326249号公報
しかしながら、従来の2波長法干渉法は、一つの干渉計で光源を切り替えて干渉画像を得ている。このため、上記した空間キャリア法に適用する場合においても2度の撮像が必要となり、1度の撮像で表面計測が可能で動的な物体の計測に適した空間キャリア法の利点を生かすことができていない。
そこで、本発明では、波長の異なる2つの光源によるキャリアを直交させて対象表面の像に重畳し、1度の撮像で干渉像を得ることを可能とする動的物体の表面形状の計測に適した計測方法および装置を提供する。
第一の発明は、複数の波長成分を含む光源と、回転可能な参照ミラーと、干渉画像を撮像する撮像部とを備えた干渉計による動的形状計測方法であって、前記参照ミラーを傾けることによって前記撮像部において一時刻に撮像される干渉画像中に空間キャリア縞を導入するステップと、前記空間キャリア縞が導入された干渉画像を基に複数の波長に対する位相を抽出し物体表面の形状を算出するステップと、を有することを特徴とする動的形状計測方法に関する。
すなわち、第一の発明によれば、複数波長の光束で同時に計測対象表面と参照ミラーを照明し、一時刻の撮像で複数波長の位相成分を含んだ空間キャリア干渉画像を作り、撮像手段、あるいは画像処理手段によって複数波長の位相成分を分離する構成とすることで移動物体の表面形状を高精度に計測することができる。
上記光源としては、例えば、白色光から少なくとも2波長成分を含む光束を取出す手段、あるいは少なくとも2つの単波長光源を合成した光束を作る手段を用意し、干渉光学系にその複数波長成分を分離するための手段を設けることで実現される。
第二の発明は、前記干渉計は、2つの参照ミラーとそれぞれの参照ミラーで反射する光の波長を選択する手段を備え、一時刻に撮像した前記干渉画像から2波長に対する位相を抽出し物体表面の形状を算出することを特徴とする上記第一の発明に記載の動的形状計測方法に関する。
すなわち、第二の発明によれば、例えば、白色光から2波長成分を分離するため、2個の参照ミラーを設け、それぞれのミラーから反射する光が波長の異なる単波長となるようにして用いることを可能とし、参照ミラーの傾きによって生成された干渉画像を1台のカメラで撮像することが可能となる。
第三の発明は、前記干渉計は、前記参照ミラーの傾き角を調整する機構を備え、それぞれの前記参照ミラーを傾けることによって生じる空間キャリア縞の変位方向が互いに直角となるよう2つの参照ミラーの傾き角を調整し、一時刻に撮像した一枚の干渉画像から2波長に対する位相を抽出し物体表面の形状を算出することを特徴とする上記第二の発明に記載の動的形状計測方法に関する。
すなわち、第三の発明によれば、2波長成分を分離するため、2個の参照ミラーを設け、それぞれのミラーから反射する光が波長の異なる単波長となるようにし、さらに、それぞれのミラーの傾きから生じる空間キャリア縞が互いに直交するようそれぞれのミラー傾き角を調整する構成とすることによって、生成された干渉画像を1台のカメラで撮像することが可能となる。
第四の発明は、前記撮像部で撮像される干渉画像の2つの直交軸と、それぞれの前記参照ミラーの傾きにより生じる空間キャリア縞の直交する変位方向とが一致するよう各参照ミラーの傾き角を調整することを特徴とする上記第三の発明に記載の動的形状計測方法に関する。
すなわち、第四の発明によれば、2波長成分を分離するために2個の参照ミラーを設け、それぞれのミラーから反射する光を単波長化し、それぞれのミラーの傾きから生じる空間キャリア縞を互いに直交させると共に、空間キャリア縞の変位する方向とも一致させるように、それぞれの参照ミラーの傾き角を調整する構成とすることによって、生成された干渉画像を1台のカメラで撮像することが可能となる。
さらに、2個の参照ミラーによって2波長成分を分離する本発明は、以下のごとく計測レンジを大きく広げる効果も出てくる。
上記してきた発明の構成において撮像された干渉画像を、2つの直交する空間キャリア縞の方向を軸として表すと式(10)のようになる。
Figure 2008039524
但し、式(10)で、a(x,y)、ba(x,y)、bb(x,y)は、光学系や対象によって画像上の各点で決まる定数である。faは、波長λaを反射した第1の参照ミラーの傾きよって生じた空間キャリア縞の空間周波数、fbは、波長λbを反射した第2の参照ミラーの傾きよって生じた空間キャリア縞の空間周波数である。この式では、第1の参照ミラーの傾きによって生じる空間キャリア縞は、画像のx方向に変位をもち、第2の参照ミラーの傾きによって生じる空間キャリア縞は、画像のy方向に変位をもつものとしている。それぞれの空間キャリア縞の空間周波数fa、fbとそれぞれのミラーの傾き角θa、θb 、およびそれぞれの参照ミラーから反射した光の波長λa、λbの間にはつぎの式(11)、式(12)の関係がある。
Figure 2008039524
また、式(10)のφa(x,y)、φb(x,y)は、物体表面の形状からそれぞれの波長λa、λbの光源で生じた干渉縞の位相であることから、式(13)、式(14)が導かれ、φa(x,y)とφb(x,y)を求めることができれば、2波長法が適用できることとなる。
Figure 2008039524
さらに、本発明の干渉光学系により撮像した干渉画像式(10)をフーリエ変換すると式(15)のようになる。
Figure 2008039524
式(15)において、G(fx,fy)、A(fx,fy)は、それぞれg(x,y)、a(x,y)のフーリエスペクトル、Ca(fx,fy)、Cb(fx,fy)は、空間キャリア縞明暗変化の複素振幅ca(x,y)、cb(x,y)(式(16)、式(17))のフーリエスペクトル、また、*は複素共役を表している。
Figure 2008039524
こうした式(15)のフーリエスペクトルは、図2(c)のように表され、フーリエ領域におけるCa(fx,fy)は、fx軸の周りに分布し、(fx,fy)は、fy軸の周りに分布している。この分布を利用して、ca(x,y)、cb(x,y)を分離して取り出すことができる。fx=fa、fy=0の点を中心に、この周りの成分を取り出し、原点にシフトした後、逆フーリエ変換を施せば、ca(x,y)が得られる。同様に、fx=0、fy=faの点周りの成分を取り出し、原点にシフトした後、逆フーリエ変換を施せばcb(x,y)が得られる。このca(x,y)、cb(x,y)について、式(8)と同様に虚部、実部の商をとると、それぞれに対する干渉の位相φa(x,y)、とφb(x,y)とが得られる。
このように得られたφa(x,y)とφb(x,y)を2波長法に適用することによって、一定範囲におけるそれぞれの縞次数ma、mbを求めることができ、これによって計測レンジが拡大され、移動物体表面の高精度な動的形状測定が実現される。
本発明によれば、以下の効果が生まれる。
(1)複数波長の光束で同時に計測対象表面と参照ミラーを照明し、一時刻の撮像で複数波長の位相成分を含んだ空間キャリア干渉画像を作り、撮像手段、あるいは画像処理手段によって複数波長の位相成分を分離する構成とすることで移動物体の表面形状を高精度に計測することができる。また、上記光源としては、例えば、白色光から少なくとも2波長成分を含む光束を取出す手段、あるいは少なくとも2つの単波長光源を合成した光束を作る手段を用意し、干渉光学系にその複数波長成分を分離するための手段を設けることで実現される。
(2)白色光から2波長成分を分離するため、2個の参照ミラーを設け、それぞれのミラーから反射する光が波長の異なる単波長となるようにして用いることを可能とし、参照ミラーの傾きによって生成された干渉画像を1台のカメラで撮像することが可能となる。
(3)2波長成分を分離するため、2個の参照ミラーを設け、それぞれのミラーから反射する光が波長の異なる単波長となるようにし、さらに、それぞれのミラーの傾きから生じる空間キャリア縞が互いに直交するようそれぞれのミラー傾き角を調整する構成とすることによって、生成された干渉画像を1台のカメラで撮像することが可能となる。
1時刻に於ける撮像によって、複数の波長に対する物体表面形状に相当する位相を計測することができ、動的な物体の形状を長レンジで計測することが可能となる。
(4)2波長成分を分離するために2個の参照ミラーを設け、それぞれのミラーから反射する光を単波長化し、それぞれのミラーの傾きから生じる空間キャリア縞を互いに直交させると共に、キャリア縞の変位する方向とも一致させるように、それぞれの参照ミラーの傾き角を調整する構成とすることによって、生成された干渉画像を1台のカメラで撮像することが可能となる。
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
(実施例1)
図3は、本発明の実施の形態になる2波長光束による干渉画像を撮像する干渉光学系−その1(参照ミラーが一つの場合)を示す。
本発明では、2波長の光束で同時に計測対象表面と参照ミラーを照明し、一時刻の撮像で2波長の位相成分を含んだ空間キャリア干渉画像を作り、撮像手段あるいは画像処理手段によって2波長の位相成分を分離することが特徴である。このため、光源は白色光から2波長成分を含む光束を取出す手段、あるいは2つの単波長光源を合成した光束を作る手段を用意する。干渉光学系は2波長成分を分離するための手段を設ける。
そこで、図3の実施例では、2波長成分を分離する手段として、同一の干渉画像を撮像する2台のカメラを設け、それぞれのカメラの前段にそれぞれ2波長成分のうちの一方の波長に対応する波長フィルタを用い、それぞれのカメラに到達する波長を制限する方法を適用している。以下に、2波長同時照射の干渉計としては、撮像カメラを2個用いた構成で、波長フィルタ等を用いて2波長を分離する手法を適用した例を示す。
光源1としては、白色光を用いる。光源1から射出した光を照明用レンズ2で光学系に適した光束となるよう調整した後、波長フィルタ3を通り、2波長干渉に必要な波長成分を取り出す。このあと、2つのハーフミラー(ハーフミラー4、ハーフミラー5)を透過して、ハーフミラー6に達し、ここで2つの光路に分岐される。分岐した光の一方は、対物レンズ7を通して対象物8の表面を照明する。もう一方は、対物レンズ11を通って、参照ミラー13を照明する。対象物8および参照ミラー13からのそれぞれの反射光は、それぞれ対物レンズ7、11を通り、ハーフミラー6に達し、ここで合成され、もとの光路にもどる。
ハーフミラー5に到達した光の一部は反射し、波長フィルター10を通り、第二カメラ17に像を結ぶ。第二カメラでは、波長フィルター10の特性により、透過した波長による干渉像が得られる。また、ハーフミラー5を透過した光は、ハーフミラー4に達し、ハーフミラー4において一部が反射し、波長フィルタ9を通って、第一カメラ15へ達する。第一カメラでは、波長フィルタ9の特性により透過した波長による干渉像が得られる(式(3))。
図4に、本発明の実施の形態になる干渉光学系における各波長フィルタの特性を示す。本実施例では、第一フィルタ(波長フィルタ3)の透過帯域を620nmから700nmとし、第二フィルタ(波長フィルタ9、または10)は、中心波長を650nm、半値幅を10nm、第三フィルタ(波長フィルタ10、または9)は、中心波長を670nm、半値幅を10nmとした。
上記フィルタの構成によって、第一カメラと第二カメラとで撮像した画像は、それぞれ、式(4)にλ=650nm、λ=670nmを代入した空間周波数の空間キャリア縞が導入された干渉画像となる。
こうして2つの波長による2つの干渉画像を得、それぞれの干渉画像からフーリエ変換法を用いて、2つの位相φa(x,y)とφb(x,y)を求め、2波長法によりレンジ拡大した表面形状を求めることができる。
上記では、2台のカメラを設け、2波長を分離する方法を述べたが、同様に、2台以上のカメラを設け、2波長以上の位相を得ることも勿論可能である。
(実施例2)
図5は、本発明の実施の形態になる2波長光束による干渉画像を撮像する干渉光学系−その2(参照ミラーが二つの場合)を示す。本実施例では、2波長成分を分離する方法として2個の参照ミラーを設け、それぞれの参照ミラーの傾きによって生じる空間キャリア縞が互いに直交するよう、各参照ミラーの傾き角を調整して用いている。
以下に、2個の参照ミラーおよび対象物に、波長の異なる光を同時に照射し、それぞれの参照ミラーによって生じる空間キャリアの干渉縞を分離することで、2波長に対する位相を得、計測レンジを拡大することを特徴とする干渉計の例を示す。
光源1から射出した光を照明用レンズ2で光学系に適した光束となるよう調整した後、波長フィルタ3をとおり、2波長干渉に必要な波長成分を取り出す。このあと、ハーフミラー4を透過して、ハーフミラー5に達し、ここで一部が反射し、波長フィルタ9、対物レンズ11を通って参照ミラー13を照明する。ハーフミラー5を透過した光は、ハーフミラー6に達し、一部が反射し、波長フィルタ10、対物レンズ12を通って参照ミラー14を照明する。
一方、ハーフミラー6を透過した光は、対物レンズ7を通って対象物8の表面を照明する。対象物8の表面で反射した光は、もとの経路を通ってハーフミラー4まで戻る。また、2つの参照ミラー(参照ミラー11、または12)で反射した光もそれぞれもとの経路を通ってハーフミラー4に達する。そして、ハーフミラー4で反射した光をカメラ15で撮像する。各波長フィルタ(波長フィルタ9、または10)の特性は上記した実施例1と同様である。
このとき、それぞれの参照ミラー(参照ミラー11、または12)を後述する方法で調整すれば、カメラ15で撮像される像は、式(10)の干渉画像となる。この場合キャリア縞の2方向の空間周波数fa、fbは、それぞれ式(11)、式(12)へ、λa=650nm、λb=670nmを、θaへは、参照ミラー11(または12)の傾き角、θbへは、参照ミラー12(または11)の傾き角をそれぞれ代入したものとなる。
ここで、上記干渉計における2つの参照ミラーによるキャリア縞の調整は、PC(パソコン)/コントローラ16によって、参照ミラーを傾けたときに生成する干渉縞の方向を検出し、参照ミラーの回転量が調整される構成としている。
なお、実施例では、それぞれの参照ミラーの光路に波長フィルタを置いて、それぞれミラーに到達する波長を選択したが、参照ミラー自体の反射特性をそれぞれの波長に相当するようにしてもよい。この場合、図6の波長フィルタ9と波長フィルタ10は、不要になる。
図6は、本発明の実施の形態になる干渉光学系における2つの参照ミラーの調整方法を示す。(a)は、回転していない参照ミラー(水平ミラーが対象)、(b)は、第一参照ミラー(y軸周りに回転)、および(c)は、第二参照ミラー(x軸周りに回転)を示している。
第一参照ミラー(参照ミラー11、または12)と第二参照ミラー(参照ミラー12、または11)が作る空間キャリア縞が直交するように調整するが、画像演算の便を考えると、2つのキャリア縞がカメラ1のx、y軸と一致するよう調整するとよい。
図の光学系において、対象物8を平面参照ミラーに対して、その光軸と垂直になるよう配置する。まず、第二参照ミラー(14、または13)の光路に遮光板を挿入するなどして遮光し、干渉像に第一参照ミラー(13、または14)による空間キャリア縞のみを持つ干渉縞をカメラ15で撮像する。そして、得られた縞の変位が、カメラ15の画像のX軸と一致するよう、第一参照ミラーの傾き角をy軸周りに回転させる。求める縞が得られたら、逆に、第一参照ミラーを遮光し、第二参照ミラーによる空間キャリア縞のみを持つ干渉縞をカメラ15で撮像する。得られる縞の変位が、カメラ15の画像のY軸と一致するよう、第二参照ミラーの傾き角をx軸回りに回転させる。これらの参照ミラー調整では、キャリア縞の周期は4画素程度とするのが好適である。
図7は、本発明の実施の形態になる干渉光学系において2つの参照ミラーを傾けることによって得られる干渉縞画像の例を示す。実施例では、2波長に対する干渉位相の抽出手順を示している。(1)において、2つの参照ミラーを傾けることによってカメラによってキャリア干渉画像を撮像し、(2)において、撮像されたキャリア干渉画像を基に、フーリエ変換を施し、キャリア毎に成分を分離させたフーリエ変換画像を得、そして、(3)において、分離したキャリアについて、原点にシフトした後、逆変換処理を行ってキャリアを除いた干渉の位相を抽出する(式(8))。
図7(3a)は、逆変換処理を施した第二参照ミラー(波長:λ2)による干渉縞の例、 図7(3b)は、第一参照ミラー(波長:λ1)による干渉縞の例を示している。2次元フーリエ変換では、キャリア空間で直交しているものは、フーリエ変換後も直交しており、例えば、y軸回り回転することによってx方向に干渉縞を生じる。
以上のように、式(10)の形式の干渉画像が得られるので、上記した処理により、計測対象表面に対する2波長のそれぞれの位相φa(x,y)とφb(x,y)とが得られ、従来の2波長法における縞次数を解決することができ、2波長法により測定レンジが拡大された表面形状を求めることができる。
なお、上記では、2次元フーリエ変換を基にした方法を示したが、画像のXY軸と各キャリア縞の変位方法が一致する場合、それぞれの軸に沿った1次元のフーリエ変換でフーリエ変換法を実施し、2つの位相を抽出することも可能である。
また、同様に、この条件下では、それぞれの軸に沿ったヒルベルト変換法など他の1次元位相抽出法によって2つの位相を求めることも可能である。
一般的な干渉計の基本構成を示す図である。 参照ミラー回転機構を有する干渉光学計において撮像された干渉画像と位相抽出例を示す図である。 本発明の実施の形態になる2波長光束による干渉画像を撮像する干渉光学系−その1(参照ミラーが一つの場合)を示す図である。 本発明の実施の形態になる干渉光学系における各波長フィルタの特性を示す図である。 本発明の実施の形態になる2波長光束による干渉画像を撮像する干渉光学系−その2(参照ミラーが二つの場合)を示す図である。 本発明の実施の形態になる干渉光学系における2つの参照ミラーの調整方法を示す図である。 本発明の実施の形態になる干渉光学系において2つの参照ミラーを傾けることによって得られる干渉縞画像の例を示す図である。
符号の説明
1 光源
2 照明用レンズ
3 波長フィルタ
4、5、6 ハーフミラー
7、11、12 対物レンズ
8 対象物
9、10 波長フィルタ
13、14 参照ミラー
15、17 カメラ
16 PC/コントローラ

Claims (5)

  1. 複数の波長成分を含む光源と、回転可能な参照ミラーと、干渉画像を撮像する撮像部とを備えた干渉計による動的形状計測方法であって、
    前記参照ミラーを傾けることによって前記撮像部において一時刻に撮像される干渉画像中に空間キャリア縞を導入するステップと、
    前記空間キャリア縞が導入された干渉画像を基に複数の波長に対する位相を抽出し物体表面の形状を算出するステップと、
    を有することを特徴とする動的形状計測方法。
  2. 前記干渉計は、2つの参照ミラーとそれぞれの参照ミラーで反射する光の波長を選択する手段を備え、一時刻に撮像した前記干渉画像から2波長に対する位相を抽出し物体表面の形状を算出することを特徴とする請求項1に記載の動的形状計測方法。
  3. 前記干渉計は、前記参照ミラーの傾き角を調整する機構を備え、それぞれの前記参照ミラーを傾けることによって生じる空間キャリア縞の変位方向が互いに直角となるよう2つの参照ミラーの傾き角を調整し、一時刻に撮像した一枚の干渉画像から2波長に対する位相を抽出し物体表面の形状を算出することを特徴とする請求項2に記載の動的形状計測方法。
  4. 前記撮像部で撮像される干渉画像の2つの直交軸と、それぞれの前記参照ミラーの傾きにより生じる空間キャリア縞の直交する変位方向とが一致するよう各参照ミラーの傾き角を調整することを特徴とする請求項3に記載の動的形状計測方法。
  5. 複数の波長成分を含む光源と、回転可能な参照ミラーと、干渉画像を撮像する撮像部とを備えた干渉計による動的形状計測装置であって、
    前記参照ミラーを傾けることによって前記撮像部において一時刻に撮像される干渉画像中に空間キャリア縞を導入する手段と、
    前記空間キャリア縞が導入された干渉画像を基に複数の波長に対する位相を抽出し物体表面の形状を算出する手段と、
    を有することを特徴とする動的形状計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009250709A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Nikon Corp 波形解析装置、波形解析プログラム、干渉計装置、パターン投影形状測定装置、及び波形解析方法

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