JP4090860B2 - 3次元形状測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体表面の三次元形状を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光を用いて非接触で物体の3次元形状を測定する方法として、光ビームを検査物体面上で走査する光プローブ方式と、スリット等を検査物体に投影しその変形量を三角測量の原理を応用した測定する面計測方式がある。このうち、面計測方式では光切断法、格子パターン投影法、ステレオ写真法等がよく知られている。これらの方式については、非特許文献1に示されている。
【0003】
面計測方式の中でも非常に高速に表面形状が計測できる技術として格子パターン投影法がある。格子パターン投影法は物体上に縞パターンを投影しその画像から各画素毎にその点での縞の位相を求め、その位相情報から物体表面形状を演算する技術である。格子パターン投影法を高精度化する技術については、特許文献1に開示されている。
【0004】
機械部品やICの接点等の電子部品の表面形状を正確に測定する場合には、光切断法や格子パターン投影法では検査光学系に対し角度を付けた照明を行うことから測定物体自身で影を作り、測定できない部分が生じるという問題点がある。この問題点及びその解決法については、上記非特許文献1に開示されている。
【0005】
格子パターン投影法においても光切断法と同様に検査物体自身の影(死角)や場所による格子パターンの変形により測定できない部分が生じる問題点を持っている。この問題点を解決する方法については、特許文献2に開示されている。
【0006】
また、死角の無い測定法としてステレオ写真法があるが、これの測定精度改良に関する技術は特許文献3及び特許文献4に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−9444公報
【特許文献2】
特開平11−271034公報
【特許文献3】
特開平7−311017公報
【特許文献4】
特開平11−230718公報
【非特許文献1】
吉澤徹編「三次元工学1 光三次元計測」 新技術コミュニケーションズ発行 (特に32頁以下 3.2 スリット光走査方式三次元計測システム)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
回路基板やICの接点等の電子部品は高集積化が進み、接点等の各部品のバラツキが組み上げ部品及び最終製品の性能を左右することになる。この為、各部品のバラツキを検査するための測定器が必要であるが、この測定器には、測定の高精度化と測定時間の短縮が要求されている。
【0009】
測定精度の点では光プローブ方式が優れているが検査物体面上を走査する為に、測定時間の短縮化が困難である。これに対し格子パターン投影法は、縞走査法を組合せる事により高精度で測定時間の短い測定が可能である。しかし、光切断法及び格子パターン投影法には検査物体自身の影の問題がある。この影の問題についてはその改善方法が示されているが、依然として問題点がある。上記非特許文献1においては、スリット光を検出光学系に対し対称な方向から走査して死角の問題を解決を図っている。
【0010】
また、スリット光を走査する光切断法では、検査物体面上を離散的に測定する。このため、測定精度を向上させるためには走査速度を遅くしなくてはならない。更に、2方向から走査を行うことから、高精度で死角の無い測定を行う為には測定時間の短縮化が難しくなる。即ち、測定時間の短縮化を行えば高精度な測定が難しくなる。この様に、測定の高精度化と測定時間の高速化を同時に満たすことは非常に困難である。
【0011】
次に、特許文献2に開示されている方法では、格子パターン投影法に縞走査法が組み合わせることにより測定時間の短縮化を図っている。また、複数のカメラによって測定を行うことにより、投影したパターンの変形の影響を無くしている。そして、結果的に死角の問題も解決している。しかし、複数のカメラを用いて測定を行い、その結果をコンピュータにより合成することから、2つのカメラやパターンを検出する光学系のバラツキが測定精度に大きく影響を与えている。この為、予め2つのカメラ光学系をキャリブレーション補正する必要がある。測定物体ごとにキャリブレーション補正を行うことになり、測定時間の短縮化の妨げになる。
【0012】
ステレオ写真法は、死角が無い測定法であるが、高精度な測定を実現することが難しい。また、2つのカメラ光学系が必要であり、厳密なキャリブレーションを行なう必要があることから測定時間の短縮化を行なうことは困難である。
従って、従来の方法では回路基板やICの接点等の電子部品を高精度で、かつ、短時間で三次元形状の測定を行うことは非常に困難である。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑み、回路基板やIC接点等の電子部品をはじめ、その他各種の物体の三次元形状を高精度で、かつ、短い時間で測定する装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明による三次元形状を測定する装置は、光源と、所定のパターンを有する光学変調素子と、光源からの光を該光学変調素子に照射すると共に該光学変調素子の像を第1の像として被検査物体に投影する投影光学系と、該第1の像を第1の撮像素子上に第2の像として結像させる結像光学系を有し、前記第1の撮像素子により検出された第2の像の変形量から被検査物体の高さ情報を求める3次元形状測定装置であって、
前記結像光学系に対して異なる方向から前記第1の像を投影するように前記投影光学系が複数配置され、前記光源からの光を該複数の投影光学系に分割する光分割素子と、第2の撮像素子を有し、
前記第1の像が反射しそれぞれの異なる投影光学系を通り、再び前記光分割素子を通り、前記光学変調素子を透過した後に前記第2の撮像素子上にモアレ像を形成することを特徴とする。
【0019】
このような構成にすることで、光源からの光はパターンを透過し分割部材で分割された後に投影光学系によって被検査物体に照射される。被検査物体に照射された光の一部は被検査物体面で反射され、別の投影光学系により分割部材に到達し、再びパターンに戻り、パターンを透過した後に撮像素子に到達し、撮像面上に被検査物体の形状に対応したモアレパターンが形成される。光源からの光は、前述の経路と逆の経路を通り撮像面上にモアレパターンを形成することもできる。従って、パターン投影法で問題となる測定上の死角を作ることなく検査物体の3次元測定が可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の説明に先立ち2つの参考例を図面を用いて説明する。
参考例1
参考例1を、図1を用いて説明する。図1は、参考例1の形態を示す概略図である。参考例1の3次元形状測定装置では、2つの投影光学ユニットA,B(以下、単にユニットA,Bとする)を設けている。ユニットAは、ハロゲンランプの光源1,照明光学系2、光学変調素子3−1及び走査手段3−2を有する装置(以下、変調装置という)3、遮光装置9、投影光学系4を有する。他方、ユニットBは、ハロゲンランプの光源11、照明光学系12、光学変調素子13−1及び走査手段13−2を有する変調装置13、遮光装置19、投影光学系14を有する。
ユニットA、ユニットB及び結像光学系5は、本参考例では1つの基盤上に設置されているが、別々の基盤上に設置されていても構わない。この2つのユニットは結像光学系5の物点位置を支点にして、角度α及び角度βの値を変更し得るように構成されている。すなわち、投影光学系4からの光は被検査物体Sに角度αで投影され、また、投影光学系11からの光は被検査物体Sに角度βで投影されるように配設されている。この結果、被検査物体Sへの投影角度を任意に選択することができる。
結像光学系5の光路上には、フィルター交換装置10、撮像素子6(例えばCCDカメラ)が配設されている。更に、コンピュータ7とその出力を表示するための表示装置8が設けられている。そして、変調装置3、13、遮光装置9、19、撮像素子6及び表示装置8はそれぞれケーブルによりコンピュータ7と電気的に接続している。
光学変調素子3−1,13−1は所定のパターンを有する光学素子である。このパターンは、光透過部と光遮光部により形成されている。所定のパターンとしては、例えば光透過部と光遮光部が1次元方向に交互に形成されたパターン(以下、格子パターンという)がある。また、走査手段3−2、13−2は、光学変調素子3−1、13−2を光軸と交差する方向に移動させるものである。この走査手段としては、例えば公知のスライド機構を用いることができる。
このような構成にすると、先ず被検査物体上でパターンを走査させることによりパターン投影法に位相シフト法を組合わせることができる。その結果、被検査物体の3次元形状を高速で正確に測定することが可能になる。次に投影光学系を複数設けることにより、パターン投影法で問題点となっている測定上の死角を無くすことができる。また、複数の投影光学系に対し、パターンを検出する結像光学系を1つにすることで、ステレオ写真法で問題とされていた光学系のキャリブレーションが不要になる。そして、被検査物体と撮像素子は共役関係にあるので、複数の投影光学系で測定したそれぞれの3次元データは被検査物体上の各点に対応したデータとなる。従って、死角部分の補正を行う時に、被検査物体上の各点座標を基準に処理を行えばよく、最終的な誤差を小さくすることができ、高精度で死角の無い3次元測定が行える測定装置を実現できる。
【0021】
上記の構成において、光源1から発せられた光は、照明光学系2により変調装置3に取付けられた光学変調素子3−1に均一に照射される。光学変調素子3−1を透過した光は遮光装置9を通過し、投影光学系4により被検査物体S上に集光する。この時、ユニットAの光軸が結像光学系の光軸に対して角度αの角度をなすように、ユニットAは配置されている。よって、被検査物体S上には、角度αで投影された格子パターン像(第1の像)が形成される。
他方、光源11から発せられた光は照明光学系12を経て、変調装置13に取付けられた光学変調素子13−1に均一に照射される。この光学変調素子13−1を透過した光は、遮光装置19を透過する。その後、投影光学系14により被検査物体S上に集光し、角度βで投影された格子パターン像(第1の像)を被検査物体S上に形成する。
【0022】
被検査物体S上に形成された格子パターン像(第1の像)のうち、明るい部分(光学変調素子の光透過部を通過した光)は、被検査物体Sで散乱される。そして、散乱された光の一部が結像光学系5により集光されて、撮像素子6の受光面上に格子パターン像(第2の像)を形成する。撮像素子6の受光面上に結像された格子パターン像(第2の像)は、被検査物体Sで散乱されるときに被検査物体Sの形状に対応して変形している。この変形した格子パターン像(第2の像)は撮像素子6で受光され、コンピュータ37に取込まれメモリ等に格納される。
【0023】
上記の装置において、格子パターンの投影にあたっては、まずユニットBの遮光装置19を遮光状態にする。次に、ユニットAの変調装置3の光学変調素子3−1により格子パターンを発生させ、この格子パターン被検査物体Sに投影する。そして、走査手段3−2により光学変調素子3−1を移動させる。続いて、被検査物体Sの表面形状によって変形された格子パターン像(第1の像)を、結像光学系によって結像させ、再び格子パターン像(第2の像)を形成する。そして、撮像素子6によって、走査と同期して順次、この再結像した格子パターン像(第2の像)撮像する。そして、撮像したデータを用いて、位相シフト法による形状測定を行う。
次に、ユニットA上の遮光装置9を遮光状態にする。そして、変調装置13の光学変調素子13−1を移動させて、格子パターン像(第1の像)を被検査物体S上で走査させる。走査と同期して格子パターン像(第2の像)を撮像素子6で取り込み、位相シフト法による形状測定を行う。
【0024】
ユニットBの遮光装置19とユニットAの遮光装置9において、交互に遮光状態に切替えることで、異なる投影方向から投影された格子パターン像(第1の像)による測定結果を得ることができる。投影方向が異なる測定結果をコンピュータ7で比較合成することにより、死角の無い3次元測定結果を得ることができる。そして、その測定結果は表示装置8で表示することができる。
【0025】
結像光学系5としては、被検査物体S側の瞳(入射瞳)位置を無限遠に設定した光学系を用いるのが好ましい。これにより、パースペクティブ効果の無い画像を得ることができる。更にズーム光学系を用いることにより、被検査物体Sを撮像素子6に投影する際、この投影倍率を任意に設定することができる。これにより、被検査物体Sで変形した格子パターン像(第1の像)を撮像素子6に投影する際、投影倍率も任意選ぶことができる。その結果、測定範囲を自由に設定することができる。
【0026】
また、結像光学系5内に明るさ絞りを配置しても良い。この時、明るさ絞りの開口径は可変であることが望ましい。明るさ絞りの径を変えることにより、撮像素子6の受光面上に形成される画像の焦点深度を変えることができる。これにより、被検査物体Sの高さ方向の測定範囲を変えることができる。
【0027】
投影光学系4及び14は、結像光学系5と同様に、被検査物体側の瞳(射出瞳)位置を無限遠に設定した光学系を用いることが望ましい。これにより、被検査物体S上に、均一な格子パターン像を形成することができる。更にズーム光学系を用いることにより、変調装置3及び13で発生する格子パターンを被検査物体Sに投影する際、投影倍率を任意に設定することができる。また、周期の異なる格子パターンを有する光学変調素子を複数用いることにより、被検査物体Sの測定範囲に応じて投影する格子の周波数を任意に選ぶことができる。その結果、被検査物体Sの高さにあった最適な測定条件を設定することができる。
【0028】
また、結像光学系5と同様に、投影光学系4及び14内に明るさ絞りを配置しても良い。この時、明るさ絞りの開口径は、可変であることが望ましい。明るさ絞りの径を変えることにより、被検査物体S面上に形成される格子パターン像(第1の像)の焦点深度を変えることができる。
【0029】
また、投影する格子パターンとして、透過率が矩形状に変化している格子パターンを用いるのが好ましい。このようにすると、明るさ絞りの径を調整して、その基本周波数のみが投影されるようにすることができる。これにより、倍周波以上の格子パターンによる誤差を小さくすることができる。その結果、測定精度を向上させることができる。
【0030】
また、撮像素子6にCCDカメラを用い、光源1及び11にハロゲンランプを用いることにより、白色で照明された格子パターン像をCCDカメラで受光する装置構成が可能になる。被検査物体の反射率に分光特性がある場合には、フィルター交換装置10を光路中に配置する。そして、最適な分光特性を有する光学フィルターを選択できるようにしておけば、測定のS/Nを向上させて測定精度を向上させることができる。あるいは、遮光装置9又は19に光学フィルタを保持・交換する機構を持たせても良い。このようにすれば、最適な光学フィルターを選択することにより、同様に測定精度を向上できる。
【0031】
また、測定の高速化を図る方法として、波長の異なる光で光学変調素子を照明する方法がある。この場合、撮像素子6に3CCD構造のカラーカメラを用いるのが良い。3CCDの撮像素子だと、撮像素子6自体が波長選択機能を持つので、フィルター交換装置10が必要なくなる。そして、遮光装置9及び19の光学フィルターとして、3CCDの撮像素子に用いられている色分解プリズムの分光特性とほぼ同じ特性のものにする。
例えば、遮光装置9に配置した光学フィルタの分光特性を赤に合わせ、遮光装置19に配置した光学フィルタの分光特性を青に合わせる。このようにすれば、測定波長を変えることにより異なる方向からパターンを投影した測定を同時に行うことができ、測定の高速化が可能となる。
【0032】
あるいは、光源1及び11として、発光ダイオードを用いることもできる。この時、発光ダイオードの発光波長は、3CCDの撮像素子に用いられている色分解プリズムに合わせるのが良い。より詳しくいうと、色分解プリズム用いられているフィルターの分光特性に合わせるのが良い。このようにすると、遮光装置9及び19に、フィルタの保持・交換機能を持たせなくて済む。また遮光機能も必要なくなる。この結果、遮光装置9及び19を光路から外したりする必要がないので、装置を簡略化することができる。
【0033】
また、光源1から投影光学系4までの各光学要素を1つのベース部材に固定し、光源11から投影光学14までの各光学要素を別のベース部材に固定することもできる。このようにすると、この2つのベース部材を動かすことで、被検査物体Sに対する角度α及びβの値を容易に変更できる。これにより、被検査物体への格子パターン像の投影角を任意に選ぶ際に、容易に選ぶことができる。また、2つのユニットA及びBと結像光学系を、1つの基板上に設置して角度調整を行なうよう構成することもできる。これにより、測定装置の剛性も保たれ、安定した測定が可能になる。
【0034】
参考例2
参考例2を図2及び図3を用いて説明する。参考例2は1つの光源を用いて、2つの方向から格子パターンを投影する構成である。図2は参考例2の概略構成図であって、側面図である。また、図3は図2の底面図であって、フィルター交換装置35、撮像素子36、コンピュータ37及び表示装置38を除いた図である。
図2において、照明側の光路には、ハロゲンランプの光源21、照明光学系22、変調装置23、光分割素子24、ミラー27(25、26)、遮光装置29(28)、投影光学系31(30)及びハーフミラー33が配置されている。ここでミラー25は、光分割素子24の背後に隠れているので図2では示されない。同様に、ミラー26、遮光装置28及び投影光学系30も、それぞれミラー27、遮光装置29、投影光学系31により隠れているので図2には示されない(図3参照)。一方、結像側の光路には、撮像素子36、フィルター交換装置35、結像光学系34、ハーフミラー33が設けられている。そして、対物光学系32はハーフミラー33と被検査物体Sの間に配置されている。よって、対物光学系32は照明のための光学系として機能すると同時に、結像のための光学系としても機能する。
投影光学系31(30)からの光はハーフミラー33、対物光学系32を介して検査物体S上に照射される。この照射による被検査物体Sからの光は、対物光学系32、ハーフミラー33、結像光学系34、フィルター交換装置35を経て撮像素子36上に集光し、被検査物体Sの像が形成される。
変調装置23、遮光装置29(28)、撮像素子36、フィルター交換装置35、表示装置38は、それぞれケーブルによりコンピュータ37に電気的に接続している。このような構成により、フィルター交換の制御、走査ステップ、走査時間等の制御をコンピュータ37で行えるようになっている。
【0035】
図3は、図2の底面図であり、フィルター交換装置35、撮像素子36、コンピュータ37及び表示装置38は示していない。図3において、ハロゲンランプの光源21、照明光学系22、変調装置23は、ユニットCとして1つベース部材に設置されている。また、ミラー25、遮光装置28、投影光学系30は、ユニットAとして別のベース部材に設置されている。また、ミラー27、遮光装置29,投影光学系31は、ユニットBとして更に別のベースに設置されている。
ユニットCから光が射出する側には、分割面を有する光分割素子24が設けられている。この分割面は、所定の光学特性を備えている。そして、分割面の反射側に、ユニットCからユニットAに光を導く光路が形成されている。また、分割面の透過側には更にミラー26が設けられ、ユニットCからユニットBに光を導く光路が形成されている。
このような構成にすることで、被検査物体に異なる方向からパターンを投影することが可能になる。その結果、パターン投影法で問題点とされている測定上の死角を無くす事ができる。また、異なる方向からパターンを投影した場合でも被検査物体と撮像素子は共役関係にある。よって、パターン像を検出する結像光学系を1つにすることで、異なる方向からパターンを投影して測定した結果から死角を補正する際の誤差を小さくすることができる。更に、被検査物体には1つのパターンを異なる方向から投影することができるので、位相シフト法に用いる走査装置を1つにすることができ、装置構成を簡略化することができる。更に、調整等による誤差を小さくすることができ、測定精度を向上させることが可能である。
【0036】
ミラー25、遮光装置28、投影光学系30は、1つのベース部材に固定され、このベース部材はこの図中の矢印xの方向に移動できるように構成されている。同様に、ミラー27、遮光装置29、投影光学系31は他のベース部材に固定され、ベース部材が図中の矢印xの方向に移動できるよう構成される。更に、光源21、照明光学系22、変調装置23は、別のベース部材に固定され、このベース部材が図中の矢印yの方向に移動できるように構成される。
ユニットAとBのベース部材は、矢印xの方向に移動可能であり、それぞれのベースユニットの間隔を広げるか又は縮めることができる。この変化量に対応させて、ベースユニットCを矢印yの方向に移動させる。以上の操作により、それぞれの投影光学系の光軸を対物光学系の有効径内で移動させることができる。これにより、格子パターンを投影する際の角度を変えることができる。
【0037】
上記のような構成によって、ユニットCからの光の一部は光分割素子24で反射してユニットAのミラー25に入射する。また、ユニットCから出た光の一部は光分割素子24を通過し、ミラー26で反射しベースユニットBのミラー27に入射する。ユニットA及びBに配置されたそれぞれの投影リレー光学系30、31の光軸は、ハーフミラー33の反射面に向かって延びている。
【0038】
光源21から発せられた光は照明光学系22により、変調装置23に入射する。また、参考例1と同様に、変調装置23には光学変調素子及び走査手段が設けられている。変調装置23に入射した光は光学変調素子に均一に照射され、格子パターンを形成することになる。
光学変調素子を透過した光は、光分割素子24で2つの光路に分割される。分割された光の一方は、ミラー25、遮光装置28、投影光学系30を通り、ハーフミラー33で反射される。そして、対物光学系32を透過し、特定の角度を持って被検査物体S上に格子パターン像(第1の像)を形成する。
【0039】
同様に光分割素子24で分割された他方の光も、ミラー26、27、遮光装置29、投影光学系31を通り、ハーフミラー33で反射される。そして、対物光学系32を透過し、別の方向から特定の角度を持って被検査物体S上に格子パターン像(第1の像)を形成する。以上2つの光路を通る光により、被検査物体Sに異なる方向から格子パターンを投影することができる。
【0040】
投影されたそれぞれの格子パターンは、被検査物体S面で散乱される。そして、一部の散乱光が対物光学系32に戻り、ハーフミラー33を透過する。続いて、結像光学系34により集光され、フィルター交換装置35を透過する。その後、撮像素子36の受光面上に、再び格子パターン像(第2の像)を形成する。
被検査物体S面上に形成された格子パターン像(第1の像)は、被検査物体S面で散乱されるときに被検査物体Sの形状に対応した変形を受けている。よって、受光面上に形成された格子パターン像(第2の像)も、変形した像になっている。撮像素子36で受光された格子パターン像(第2の像)はコンピュータ37に取込まれ、メモリに格納される。
【0041】
ここで、撮像素子36としてCCDカメラを、光分割素子24としてハーフミラーを用い、光源21にハロゲンランプを用いることにより、白色で照明された格子パターン像をCCDカメラで受光する構成が可能になる。
【0042】
上記装置の操作にあたっては、まず、遮光装置29を遮光状態にして、格子パターンを被検査物S上に投影する。そして、被検査物S上に形成された格子パターン像(第1の像)を走査する。続いて、走査に同期して、撮像素子上に形成された格子パターン像(第2の像)を撮像する。撮像した画像を順次コンピュータに格納し、位相シフト法による測定を行う。次に、遮光装置28を遮光して、再度位相シフト法による測定を行う。なお、遮光の順番はどちらが先でも構わない。
【0043】
上記の操作により、格子パターンを異なる方向から投影した測定結果を得ることができる。投影方向が異なる測定結果をコンピュータ37で比較合成することにより、死角の無い3次元測定結果を得ることができる。そして、その結果については、表示装置38上に表示することができる。
【0044】
本参考例では、対物光学系32と結像光学系34の2つから、結像リレー光学系が構成されている。よって、2つの光学系を組合わせた状態で光学設計を行うことが好ましい。この時、被検査物体S側の瞳(入射瞳)位置を無限遠に設定することで、パースぺクティブ効果による格子パターン像の歪みを無くすことができる。その結果、高精度な測定が可能になる。
【0045】
同様に、対物光学系32と投影光学系30,31から投影リレー光学系が構成されている。よって、2つの光学系を組合わせた状態で光学設計を行うことが好ましい。この時、被検査物体S側の瞳(射出瞳)位置を無限遠に設定することで、被検査物体Sに均一な格子パターンを投影することができる。この結果、高精度な測定が可能になる。
【0046】
また、結像光学系34及び投影光学系30、31内に、開口径が可変である明るさ絞りを配置するのが好ましい。これにより、結像光学系及び投影光学系の焦点深度変えることができる。その結果、検査物体に対応して、測定範囲と格子の投影範囲をそれぞれ変えることができる。
また、結像光学系34にズーム変倍機能を持たせることにより、検査範囲を変えることができる。
【0047】
また、投影光学系30及び31にズーム変倍機能を持たせても良い。このようにすると、投影光学系30と31を連動して変倍することで、被検査物体Sに投影する格子パターンの周波数を任意に設定することができる。また、連動させずに独立して変倍することにより、被検査物体Sに投影する格子パターンの周波数を投影方向毎に変えることができる。これにより、格子パターン投影法によって得られた情報から3次元情報に変換する際のアンラッピング処理で、2つの周波数情報を使うことにより死角以外の高さ情報を正確に計算することができ、測定精度を向上させることが可能になる。
【0048】
検査物体に分光特性がある場合、その分光特性に合った光で格子パターンを投影することが望ましい。そのため、遮光装置28、29にフィルター交換機能を付加するのが良い。フィルター交換装置35又は遮光装置28、29のフィルターを交換することにより、検査物体の分光特性に合った格子パターンを投影することができる。
【0049】
また、撮像素子36に3CCD構造のカラーカメラを用いることにより、撮像素子波長選択機能を持たせることができる。フィルター交換及び遮光装置28、29のフィルターを、3CCD構造のカラーカメラに用いられている色分解プリズムの特性に合った分光特性にする。例えば、フィルター交換及び遮光装置28を3CCD構造のカラーカメラのR(赤)に相当する波長域設定し、フィルター交換及び遮光装置29を3CCD構造のカラーカメラのB(青)に相当する波長域設定する。
そして、それぞれの投影光学系で投影されたパターンは、それぞれの波長に対応した撮像素子で受光される。各波長を同時に照明することにより、投影方向の異なる格子パターン像を同時に検査することが可能になる。従って、投影方向が異なる格子パターンを1回の位相シフト法で測定することが可能になり、測定の高速化が計れる。
【0050】
また、光分割素子にダイクロイックミラーを用いることもできる。この時、ダイクロイックミラーの反射及び透過する光の波長特性を、3CCD構造のカラーカメラで用いられている色分解プリズムの特性と略同じになるように設定するのが良い。これによりこの装置の簡略化が可能になる。
【0051】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
実施例
本発明の実施例を図4及び図5により説明する。図4は本発明の実施例の概略構成図である。図5は、図4においてフィルター交換装置60、撮像素子61、コンピュータ62及び表示装置63を除いた図4の底面図である。図4及び図5に図示されているように、照明側の光路は、光源41、フィルター交換装置42、照明光学系43、PBS(偏向ビームスプリッタ)44、偏光変化素子45、変調装置46、光分割素子47、ミラー50(49)、λ/4板52(51)、投影光学系54(53)、ハーフミラー55で形成されている。
図4において、撮像素子58の背後にはリレー光学系57、PBS44が配設されているが、撮像素子58に隠れているので示されていない。同様に、リレー光学系57、PBS44,ミラー48、49、λ/4板51、投影光学系53も、それぞれ他の物体の背後に隠れているので図4には示されない(図5参照)。また、結像側の光路は、撮像素子61、フィルター交換装置60、結像光学系59、ハーフミラー55で形成されている。そして、対物光学系56はハーフミラー55と被検査物体Sの間に配置されている。よって、対物光学系56は照明のための光学系として機能すると同時に、結像のための光学系としても機能する。
投影光学系54(53)からの光は、ハーフミラー55、対物光学系56を介して被検査物体S上に照射される。被検査物体Sからの散乱光の一部は、対物光学系56、ハーフミラー55、結像光学系59、フィルター交換装置60を経て撮像素子61に入射する。
偏光変化素子45、変調装置46、撮像素子58、61、フィルター交換装置60、表示装置63は、それぞれケーブルによりコンピュータ62に電気的に接続されている。
【0052】
図5は図4の底面図であり、フイルター交換装置60、撮像素子61、コンピューター62及び表示装置63は示していない。図5においては、3つのユニットA、B及びCが設けられている。即ち、ユニットCは、ハロゲンランプの光源41、照明光学系43、PBS44、偏光変化素子45、変調装置46、並びにリレー光学系57及び撮像素子58を備える。ユニットAは、ミラー48、λ/4 板51、投影光学系53を備える。ユニットBは、ミラー50、λ/4 板52、投影光学系54を備える。各ユニットは、それぞれ別のベース部材に設置されている。
ユニットCから光が射出する側には、分割面を有する光分割素子47が設けられている。そして、分割面の反射側に、ユニットCからユニットAに光を導く光路が形成されている。また、分割面の透過側には更にミラー49が設けられ、ユニットCからユニットBに光を導く光路が形成されている。
ユニットCは、矢印yの方向に移動可能に構成されている。また、ユニットAとBは、この両者の間隔を変えることができるように矢印xの方向に移動可能に構成されている。
【0053】
上記の構成において、光源41から発せられた光はフィルター交換装置42を透過し照明光学系43に入射する。照明光学系43を射出した光は、PBS44に入射する。ここで、所定の偏光方向の直線偏光のみが、PBS44を透過して射出する。射出した光は、偏光変化素子45透過した後に変調装置46に入射する。変調装置46には、変調光学素子と走査手段が設けられている。よって、変調装置46に入射した光は光学変調素子に均一に照射され、格子パターンを形成することになる。
光学変調素子を透過した光は、光分割素子47で2つの光路に分割される。図5に示すように分割された光の一方は、ミラー48、λ/4板(4分の1波長板)51、投影光学系53を通る。そして、ハーフミラー55で反射された後に対物光学系56を透過し、特定の角度を持って被検査物体S面上に格子パターン像(第1の像)を形成する。
【0054】
同様に、光分割素子47で分割された他方の光も、ミラー49、50、λ/4板(4分の1波長板)52、投影光学系54を通る。そして、ハーフミラー55で反射された後に対物光学系56を透過し、別の方向から特定の角度を持って検査物体面上に格子パターン像(第1の像)を形成する。このように2つの光路を通る光により、被検査物体Sに異なる方向から格子パターンを投影することができる。
【0055】
投影されたそれぞれの格子パターンは検査物体で散乱される。そして、一部が対物光学系56に戻り、ハーフミラー55を透過する。続いて、結像光学系59により集光され、フィルター交換装置60を透過する。撮像素子61の受光面上に格子パターン像(第2の像)を形成する。この受光面上に形成された格子パターン像(第2の像)は、被検査物体Sで散乱されるときに被検査物体Sの形状に対応して変形する。この変形画像は撮像素子61で受光された後にコンピュータ62に取込まれ、メモリに格納される。
【0056】
また、投影されたそれぞれの格子パターンは、一部が被検査物体Sで反射される。この反射された光は対物光学系56に戻り、ハーフミラー55で反射される。そして、投影された時とは別の異なる投影光学系を通り、光分割素子47に戻り、変調装置46に入射する。変調装置46内には光学変調素子が配置されており、変調装置46に入射した光は、光学変調素子が配置されている位置に格子パターン像を形成する(以下、この像を中間像とする)。
例えば、投影光学系53を通って投影された格子パターンの光は、被検査物体S上で反射された後、投影光学系54を通って変調装置46上に入射する。そして、光学変調素子が配置されている位置に中間像を形成する。この時、光学変調素子の格子パターンと中間像によりモアレ像が形成される。このモアレ像は、偏光変化素子45を透過した後、PBS44で反射され、リレー光学系57により撮像素子58の受光面上に結像する。
【0057】
この実施例では、撮像素子58及び61にCCDカメラを用い、光分割素子47にPBSを用い、偏光変化素子45にλ/2板が挿脱可能な素子を用い、光源41にハロゲンランプを用いている。これにより、白色で照明された格子パターン像をCCDカメラで受光する装置構成が可能になる。
【0058】
この装置の操作にあたっては、先ず、λ/2板45(偏光変化素子45)が光路中に挿入された状態にする。これにより、λ/2板を出た光は偏光状態が90度回転しているので、PBS47(光分割素子47)で反射される。PBS47で反射された光は、ミラー48に向かう。そして、この光はλ/4板51により円偏光に変換され、投影光学系53により格子パターンが被検査物体S上に投影される。
被検査物体Sで反射された格子パターン像(第1の像)の光は、被検査物体Sの表面形状に対応した変形を生じる。この反射光は投影光学系54を通過し、λ/4板52により直線偏光に変換されてPBS47に入射する。λ/4板52により直線偏光に変換された光は、投影光学系53を通過する時の光と比べると、偏光方向が90度回転した状態になっている。そのため、PBS47を透過して変調装置46へ戻る。そして、変調装置46を透過した光は、偏光変化素子45で偏光方向が90度回転させられる。これにより、PBS44に入射した光はここで反射して、撮像素子58に達する。
撮像素子58上にはモアレ像が形成される。このモアレ像は、光学変調素子の格子パターンと、光学変調素子上に形成された中間像とで生成された像である。なお、中間像は、被検査物体S上に形成された格子像パターン像(第1の像)が、表面形状に応じて変形したものを投影光学系54で再結像した像である。
【0059】
次に、λ/2板45を光路から取り出した状態にする。これにより、偏光変化素子45を透過した光はPBS47を透過する。PBS47を透過した光は、ミラー49に向かう。この光はλ/4板52により円偏光に変換され、投影光学系54により格子パターンが被検査物体S上に投影される。
被検査物体Sで反射した格子パターン像(第1の像)の光は、被検査物体Sの表面形状に対応した変形を生じる。この反射光は投影光学系53を通過し、λ/4板51により直線偏光に変換されてPBS47に戻る。λ/4板51により直線偏光に変換された光は、投影光学系54を通過する時の光と比べると、偏光方向が90度回転した状態になっている。そのため、PBS47で反射されて変調装置46へ戻る。そして、変調装置46を透過した光は、偏光変化素子45で偏光方向が90度回転させられる。これにより、PBS44に入射した光はここで反射して、撮像素子58に達する。
撮像素子58上にはモアレ像が形成される。このモアレ像は、光学変調素子の格子パターンと、光学変調素子上に形成された中間像とで生成された像である。なお、中間像は、被検査物体S上に形成された格子像パターン像(第1の像)が、表面形状に応じて変形したものを投影光学系53で再結像した像である。
【0060】
上記のように、偏光変化素子45を光路中に挿脱することにより、格子パターンを投影する際の投影方向を変えることができる。このように、投影方向を変えて格子パターンを投影すると共に、その格子パターンを走査させることで、位相シフト法で測定することができる。その結果、高精度で死角の無い3次元測定が可能になる。
【0061】
本実施例では、被検査物体Sの3次元情報を、2つの撮像素子58及び61から取得することができる。これにより、被検査物体Sが散乱の少ない鏡面物体の場合でも、位相シフトモアレ法により3次元測定が可能になる。また、散乱のある被検査物体Sの場合には、格子パターン投影法による3次元測定とモアレ法による測定が可能になる。その結果、等高線図等の情報を、両方の方法から得ることができる。
【0062】
また、投影光学系53と54の倍率を変えることにより、撮像素子58の受光面上に形成されるモアレパターンの間隔を変えることができる。更に、撮像素子61で測定された結果からアンラッピング処理を正確に行なうことができ、より正確な測定が可能になる。
【0063】
参考例2の場合と同様に、結像光学系と投影光学系にズーム変倍機能を持たせることができる。これにより、検査範囲と投影範囲を自由に設定することができる。また、対物光学系と結像光学系を組合わせた状態で入射瞳位置を無限遠にすれば、パースペクティブ効果の無い光学系が実現できる。また、対物光学系と投影光学系を組合わせた状態で射出瞳位置を無限遠に設定すれば、均一な格子パターン投影が可能になる。
また、結像光学系56内に開口径が可変の明るさ絞りを設けることにより、光軸方向の検査範囲を変えることができる。また、投影光学系内に開口径が可変の明るさ絞りを設けることにより、格子パターンの投影範囲を変えることができる。
【0064】
図6に変調装置の一具体例を示す。変調光学素子Lは格子の周期方向に可動な部品Dに固定されている。そして、位相シフト法を用いる際に格子の周期方向に移動できるように、パルスモータM又はピエゾ(PZT)と部品Dが接続されている。この移動量はコンピュータにより制御できるようになっている。ここでは、この移動方向を矢印xで例示してある。
【0065】
図7に、遮光装置に用いるターレットの一具体例を示す。図7の構成は、フィルター交換も行えるようになっている。遮光装置9,19,28,29には、ターレットTに所要のフィルターR、G、Bと遮光板Fが設けられ、更に開口部O(空穴)が形成されている。モータ等でターレットTを、その回転軸Pを中心として回転させて、フィルターR、G、B、遮光板F及び開口部を光路中に挿脱する。これらの位置についてはコンピュータ等で制御できる。また、検査物体が分光特性を有する場合には、フィルター交換装置42と60を用いて最適化を図ることができる。
【0066】
本発明に係る上記の各実施例においては、双眼実体顕微鏡の光学系を応用した例を示したが、本発明は双眼実体顕微鏡の固有の技術ではない。即ち、測定時の光学倍率や測定範囲は実体顕微鏡にとらわれず設定することが可能であり、双眼実体顕微鏡以外の光学系を用いる場合でも同様の効果を奏する。また、格子パターン投影法について例示しているが、投影するパターンは、必ずしも格子状のパターンである必要は無く、検査物体に合わせて任意に設定しても同様の効果が得られる。
【0067】
以上説明したように、本発明の3次元形状測定装置は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次に示すような特徴も備えている。
【0097】
(1)被検査物体に投影されるパターンが格子状であり、被検査物体上を走査可能であることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状測定装置。
このような構成にすることで、請求項1の構成による作用、効果に加え、モアレ測定に位相シフト法を組合わせることができ、検査物体の3次元形状を高速で正確に測定することが可能になる。
【0098】
(2)結像光学系の射出瞳位置が略無限遠であることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状測定装置。
このような構成にすることで、請求項1の構成による作用、効果に加え、光軸方向に広がりをもっている検査物体でもパースペクティブ効果の補正が必要なくなる。これにより、処理時間の短縮と測定精度の向上が同時に可能になる。
【0099】
(3)2つの投影光学系の光軸と被検査物体面の法線とのそれぞれ成す角度が可変であることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状測定装置。
このような構成にすることで、請求項1の構成による作用、効果に加え、検査物体にパターンを投影する角度を変えることが可能になる。モアレ測定法ではパターンの大きさと投影角により測定精度を変えることができるので、投影角度を変えることにより、検査物体に合わせた測定精度を得ることが可能になる。
【0100】
(4)投影光学系の投影倍率が可変であることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状測定装置。
このような構成にすることで、請求項1の構成による作用、効果に加え、投影するパターンの大きさを変えることで検査物体に合わせた測定精度を得ることもできる。
【0101】
(5)投影光学系それぞれに波長選択部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状測定装置。
このような構成にすることで、請求項1の構成による作用、効果に加え、検査物体に分光特性がある場合に、検査物体に投影されたパターンを最もS/Nの良い波長に設定することができ、測定精度を向上させることができる。
【0102】
(6)投影光学系内に可変絞りが配置されていることを特徴とする請求項1又は上記(1)に記載の3次元形状測定装置。
このような構成にすることで、請求項1又は上記(1)の構成による作用、効果に加え、投影光学系の焦点深度を変えることができ、検査物体に投影するパターンの光軸方向の領域を決めることができる。これにより、検査物体の光軸方向の奥行きに合わせて測定範囲を変えることが可能になる。更に、投影する格子パターンの周波数ごとに最適な測定領域を設定することも可能になる。
【0103】
(7)2つの投影光学系の投影倍率が異なることを特徴とする請求項1又は上記(1)に記載の3次元形状測定装置。
このような構成にすることで、請求項1又は上記(1)の構成による作用、効果に加え、2つの投影光学系が異なる投影倍率を持つことにより、撮像面上に形成されるモアレ縞の周波数を変えることができる。検査物体の形状に合ったモアレ縞の周波数を設定することができ、測定精度を最適化することが可能になる。
【0104】
(8)偏光変化素子を有することを特徴とする請求項1に記載の3次元形状測定装置。
このような構成にすることで、請求項1の構成による作用、効果に加え、2つの経路を通って撮像面上に形成されるモアレ縞を分離して測定することができ、高精度で測定上の死角のない3次元測定が可能になる。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、電子部品等の3次元形状を測定する場合に、2つの方向からパターンを投影することにより検査物体自身の影による測定できない部分(死角)をなくし、検査物体の表面状態によらずに3次元形状測定を可能にする。また、パターンを1つにすることにより、走査系の制御を簡略化でき、測定の高速化が実現可能になる。更に、パターン像をパターン自身に戻すことにより、モアレ測定を可能にし、リアルタイムで等高線を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1の概略構成図である。
【図2】 本発明における参考例2の概略構成図である。
【図3】 図2におけるフィルター交換装置35、撮像素子26、コンピュータ37及び表示装置38を除いた図2の底面図である。
【図4】 本発明の実施例の概略構成図である。
【図5】 図4におけるフィルター交換装置60、撮像素子61、コンピュータ62及び表示装置63を除いた図4の底面図である。
【図6】 本発明に係る変調装置の一具体例を示す。
【図7】 本発明に係るフィルター交換及び遮光装置に使用するターレットにおけるフィルターと遮光板の配置構成の一具体例である。
【符号の説明】
1、11、21、41 光源
2、12、43 照明光学系
3、13、23、46 変調装置
3−1、13−1 光学変調素子
3−2、13−2 走査手段
4、14、30、31、53、54 投影光学系
5、34、59 結像光学系
6、36、61 撮像素子
7、37、58、62 コンピュータ
8 表示装置
9、10、19、28、29 遮光装置
24 光分割素子
25、26、27、48、49、50 ミラー
32、56 対物光学系
33、55 ハーフミラー
35、42 フィルター交換装置
44、47 PBS
45 偏光変化素子
51、52 1/4板
57 リレー光学系
A ユニットA
B ユニットB
C ユニットC
S 被検査物体
D 移動基盤
M パルスモータ又はPZT
L 格子パターン
T ターレット円盤
P ターレット円盤の回転軸
R、G、B フィルター
F 遮光板
O 開口部(空穴)
Claims (1)
- 光源と、所定のパターンを有する光学変調素子と、光源からの光を該光学変調素子に照射すると共に該光学変調素子の像を第1の像として被検査物体に投影する投影光学系と、該第1の像を第1の撮像素子上に第2の像として結像させる結像光学系を有し、前記第1の撮像素子により検出された第2の像の変形量から被検査物体の高さ情報を求める3次元形状測定装置であって、
前記結像光学系に対して異なる方向から前記第1の像を投影するように前記投影光学系が複数配置され、前記光源からの光を該複数の投影光学系に分割する光分割素子と、第2の撮像素子を有し、
前記第1の像が反射しそれぞれの異なる投影光学系を通り、再び前記光分割素子を通り、前記光学変調素子を透過した後に前記第2の撮像素子上にモアレ像を形成することを特徴とする3次元形状測定装置。
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