JP5194598B2 - 画像形成装置および静電潜像現像用現像剤 - Google Patents
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Description
感光体にキャリアが突き刺さり固定化されると、潜像形成不良やバイアスリークを誘発し、出力画像には色点のような画質障害が視認され、感光体の交換理由となる。
即ち、本発明は、感光体表面へのキャリア突き刺さり・固定化現象に起因する潜像形成不良やバイアスリークを防止し、且つ、出力画像上の色点等の画質障害を抑制しうる画像形成装置、およびそれに用いられる静電潜像現像用現像剤を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記静電潜像保持体を露光して、該静電潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、静電潜像現像用現像剤を用いて、静電潜像保持体上に静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記静電潜像保持体から中間転写体に一次転写する一次転写手段と、一次転写された前記トナー像を前記中間転写体から被記録材に二次転写する二次転写手段と、を有し、前記静電潜像現像用現像剤が、前記静電潜像現像用現像剤を、前記静電潜像保持体と、前記帯電手段と、前記露光手段と、前記現像手段と、前記一次転写手段と、前記二次転写手段と、を有する画像形成装置に投入してから1万枚走行時において、1kOe時の磁化率が170emu/cm3以上250emu/cm3以下の範囲にあるキャリアを含み、該キャリアが体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域の円形度分布において、0.98以上1.00以下の範囲及び0.955以上0.975以下の範囲の双方にピークを有し、かつ、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの質量割合が、全キャリアに対し0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲であり、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアが半球状部分を有する形状であることを特徴とする画像形成装置である。
上記キャリアを用いることにより、画像形成装置中のキャリア破砕の進行を抑止することができ、現像工程で静電潜像保持体に付着したキャリアが静電潜像保持体(感光体)や中間転写体に突き刺さることなく、キャリアが静電潜像保持体と中間転写体とから受ける圧密をかわして、静電潜像保持体と中間転写体との間をすり抜けることができる。
中間転写体表面と感光体表面の硬度が上記硬度関係を有することにより、キャリアの中間転写体および感光体への突き刺さりを抑制することができる。
中間転写体表面と感光体表面の周速差が上記範囲にあれば、キャリアの中間転写体および感光体への突き刺さりを抑制することができる。
キャリアが上記構成で成れば、キャリアが破砕したときに、半球状部分を有する円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアを生成することができる。また、画像形成装置内において、キャリアを前記<1>に記載の所定の条件に維持することができる。
上記現像剤を用いれば、感光体表面および中間転写体表面の傷の発生を抑制することができる。
まず、本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、少なくとも、静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記静電潜像保持体を露光して、該静電潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、静電潜像現像用現像剤を用いて、静電潜像保持体上に静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記静電潜像保持体から中間転写体に一次転写する一次転写手段と、一次転写された前記トナー像を前記中間転写体から被記録材に二次転写する二次転写手段と、を有し、前記静電潜像現像用現像剤が、前記静電潜像現像用現像剤を、前記静電潜像保持体と、前記帯電手段と、前記露光手段と、前記現像手段と、前記一次転写手段と、前記二次転写手段と、を有する画像形成装置に投入してから1万枚走行時において、1kOe時の磁化率が170emu/cm3以上250emu/cm3以下の範囲にあるキャリアを含み、該キャリアが体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域の円形度分布において、0.98以上1.00以下の範囲及び0.955以上0.975以下の範囲の双方にピークを有し、かつ、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの質量割合が、全キャリアに対し0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲であり、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアが半球状部分を有する形状であることを特徴とする。
ここで、本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像現像用現像剤に含まれるキャリアの物性は、画像形成装置が平衡状態に至った状態の物性をいう。本発明において画像形成装置が平衡状態であるとは、静電潜像現像用現像剤を画像形成装置に投入する等の初期設定から1万枚走行時の状態をいう。
上記各構成部材中、感光体、中間転写体(一次転写手段)、および現像装置(現像手段)についても、公知のものを用いることができるが、本発明におけるキャリアが、画像形成装置の平衡状態において、体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域の円形度分布において、0.98以上1.00以下の範囲及び0.955以上0.975以下の範囲の双方にピークを有し、かつ、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの質量割合が、全キャリアに対し0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲となる物性値を維持するためには、後述する構成をとることが好ましい。
以下、本発明の画像形成装置について図面を参照しつつ説明する。
本発明におけるキャリアが、画像形成装置の平衡状態において、所定の範囲に2ピークを有し、かつ所定の割合を維持するためには、半球状のキャリアを過度に生成しないことが必要である。なお、「半球状」については後で詳述する。
したがって、層厚規制部材45と現像ロール42表面との距離を調節することにより、キャリアの破砕度合いを調整することが可能となる。
また、層厚規制部材45として磁性を呈するものを用いることや、層厚規制部材45と現像ロール42の間で形成される現像剤滞留領域の占有容積や形状を調節することによっても、本発明におけるキャリアを所定の割合に維持することができる。
感光体としては、公知のいかなるものも用いることができる。例えば、導電性基体上にSe、α−Si等の無機の感光層、あるいは単層若しくは多層の有機感光層を形成したものである。ベルト状感光体の場合は、基体としてPET、PC等の透明樹脂が使用でき、その厚みはベルト状感光体を張架するロールの径、張力等の設計事項から決められ、おおよそ10〜500μm程度の範囲である。その他の層構成等はドラムの場合と同様である
前記中間転写体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することできるが、例えば、ローラ形状、ベルト形状等が好適に挙げられる。本発明においては、これらの中でも、画像の重ね合わせ時の色ズレ、繰り返しの使用による耐久性、他のサブシステムの配置の自由度の取り易さ等の点で、無端ベルト形状が好ましい。
キャリアの感光体および/または中間転写体への突き刺さり現象は、感光体表面の硬度、中間転写体表面の硬度に依存し、特に、中間転写体表面と感光体表面の硬度差が大きい場合に生じ易いことが判明した。すなわち、感光体及び中間転写体の各表層の硬度が柔らかければ鋭角を有するキャリア破片が突き刺さり易い。
また、該硬度に大きな差があると、硬度の小さい方にキャリア破片が突き刺さり、感光体と中間転写体との接触部分、あるいは感光体と帯電部材との接触部分において、突き刺さり箇所で電界異常が発生し、色点もしくは白点等の画質障害が発生する。さらに、固定化したキャリア破片がクリーニング部材を通過する際、クリーニング部材に局所的な損傷を与え、クリーニング障害を誘発することが考えられる。
これらの組み合わせ下において、本発明における現像剤を用いると、キャリアの突き刺さり現象を大幅に低減することができる。
前記硬度差が5以上あれば、放電生成物の蓄積が生じにくく、白抜けを抑制することができる。一方、前記硬度差が30以下であれば、擦過傷が発生しにくく、感光体へのトナー成分固着・クリーニング障害を抑制し、筋状画質欠陥の発生を防止することができる。
本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像現像用現像剤は、キャリアを含み、静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記静電潜像保持体を露光して、該静電潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、静電潜像現像用現像剤を用いて、静電潜像保持体上に静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記静電潜像保持体から中間転写体に一次転写する一次転写手段と、一次転写された前記トナー像を前記中間転写体から被記録材に二次転写する二次転写手段と、を有する画像形成装置に投入してから1万枚走行時において、1kOe時の磁化率が170emu/cm3以上250emu/cm3以下の範囲にあり、体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域にあるキャリアの円形度分布が、0.98以上1.00以下の範囲及び0.955以上0.975以下の範囲の双方にピークを有し、かつ、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの質量割合が、全キャリアに対し0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲であり、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアが半球状部分を有する形状であるキャリアを含有することを特徴とする。
以下、本発明における静電潜像現像用現像剤を構成するキャリアについて説明する。
本発明におけるキャリアは、静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記静電潜像保持体を露光して、該静電潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、静電潜像現像用現像剤を用いて、静電潜像保持体上に静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記静電潜像保持体から中間転写体に一次転写する一次転写手段と、一次転写された前記トナー像を前記中間転写体から被記録材に二次転写する二次転写手段と、を有する画像形成装置に投入してから1万枚走行時において、1kOe時の磁化率が170emu/cm3以上250emu/cm3以下の範囲にあり、体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域の円形度分布において、0.98以上1.00以下の範囲及び0.955以上0.975以下の範囲の双方にピークを有し、かつ、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの質量割合が、全キャリアに対し0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲であり、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアが半球状部分を有する形状であることを特徴とする。
まず、本発明におけるキャリアの物性について説明する。
本発明に用いられるキャリアの、画像形成装置投入前、すなわち使用前の形状は、特に限定されるものではない。しかし、本発明に用いられるキャリアが、後述する磁性粉分散型の芯材を用いて作製されることが好ましいことを考慮すると、球状であることが好ましい。また、本発明におけるキャリアが、画像形成装置の平衡状態において、所定の範囲に2ピークを有し、所定の割合となるためにも、画像形成装置投入前の形状は、球状であることが好ましい。
本発明におけるキャリアは、画像装置の平衡状態において、体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域にあるキャリアの円形度が0.98以上1.00以下の範囲及び0.955以上0.975以下の範囲の双方にピークを有することを要する。前記円形度が0.98以上1.00以下の範囲にある粒子は、球状であり、キャリアの磨耗・破砕がない、または磨耗・破砕があまり進んでいない状態にある。
一方、前記円形度が0.955以上0.975以下の範囲にある粒子は半球状部分を有していることが好ましい。本明細書において、「半球状」とは、球状のキャリアを半分に分断したような形状をいう。また、「半球状」とは、キャリア表面が、球状のキャリア表面である球弧部分を残しつつ、断面は平面状となるような形状を総称するものであり、粒子体積が球の1/2であるものに限らない。
一方、全キャリアに対し、円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの質量割合が、1.5質量%を超え、前記キャリアが円形度分布0.955以上0.975域にのみピークを有する場合は、キャリアのすべてまたは大半が半球状部分を有するキャリアのみで構成されることとなる。この場合、現像機内における圧密度が低すぎ、トナー・キャリア間の接触効率が低くなる。ゆえにキャリアの摩擦帯電効率が悪くなり、トナーがキャリアに付着しにくくなるため、地カブリやブラシマークといった画質欠陥が生ずる。
本発明で好適範囲として示した円形度分布及び半球状成分の質量割合に相当する場合にのみ、球状粒子間の空隙に半球状粒子が適度に介在し、キャリア流動性が安定化するため、現像機内で過度の圧密が発生することを防止できる。その結果、キャリア破壊の進行を抑制し平衡状態を保つことができ、半球状粒子のさらなる破壊、即ちキャリア突き刺さり原因となる多面体状粒子あるいは鋭角状粒子の生成を防止できる。
測定サンプルとして、30mgのキャリアをエチレングリコール25質量%水溶液に添加・攪拌し、上澄み水溶液を除去した残渣中のキャリアを用いて、以下の方法で円形度を測定した。測定は、FPIA−3000(シスメックス社製)を使用し、撮影されたキャリアに対して画像解析を行い、統計処理することによって、円形度分布(各円形度に対する度数)を表示させた。ここで、個々の円形度は下記式(1)に基づいて求めた。
〔式(1)中、Aはキャリアの投影面積、PMはキャリアの周囲長を表す。〕
また、測定ノイズ除去の目的で、個数粒径解析範囲を3μm以上80μm以下の範囲、円形度解析範囲を0.850以上1.000以下の範囲で実施した。
本発明におけるキャリアは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いて測定した。なお、0.5%のアニオン界面活性剤(ニューレックスペーストH、日本油脂社製)水溶液中に0.1%のポリリン酸ナトリウムを添加したものの中に、測定するキャリアを添加し、これを1分間超音波で分散させたものを測定試料として用いた。
本発明における現像剤を構成するキャリアは、1kOe時の磁化率が170emu/cm3以上250emu/cm3以下の範囲であることを要し、190emu/cm3以上235emu/cm3以下の範囲であることが好ましい。
キャリアの磁化率が170emu/cm3未満であると現像スリーブによるキャリアの搬送力が低下し、画像ムラの原因となる。また、キャリアの磁化率が250emu/cm3を超えると、磁気ブラシが硬くなり、現像装置内のキャリアの破砕を促進させることとなるため、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの質量割合を、全キャリアに対し0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲に保つことができなくなる。
キャリアの体積平均粒径が25μm未満の場合、キャリア1個当たりの磁化率が弱まり、現像剤保持体への磁気的拘束力が弱まり、感光体へのキャリアの付着が生じる。また、キャリアの体積平均粒径が100μmを超える場合、粒子形状が球状から歪み、細線再現性が悪くなる。
ここで、キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、全核体に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
密度が2.0g/cm3よりも小さい場合には、トナーの流動性の状態に近づくため、帯電付与能力が減少し、密度が5.0g/cm3よりも大きい場合には、現像機内の層厚規制部位や攪拌部材部位における駆動トルクが大きくなる傾向にあるため好ましくない。
ここで、キャリアの密度の測定方法は、「物理化学実験法(東京化学同人社、第3版)」の密度の項に記載の方法に準じて測定する。測定には、電気抵抗が17MΩ以上の水を用い、測定温度は25℃で行う。
キャリアの体積電気抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×107Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1mm以上3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式(2)に示す通りである。
式(2): R=E×20/(I−I0)/L
本発明におけるキャリアが、円形度分布0.955以上0.975以下の範囲にピークを有するキャリアを含むためには、磁性粉が樹脂中に分散された粒子をキャリアとすることが好ましい。本キャリアの作製方法としては、磁性粉と樹脂を溶融混練・粉砕しさらに熱球形化処理を行う方法、磁性粉と樹脂を溶融噴霧・冷却することにより球形粒子を得る方法、磁性粉を硬化性樹脂中に分散し水溶液中で造粒・重合硬化・乾燥することにより球形粒子を得る方法等が挙げられる。中でもキャリアが、親油化処理された磁性粉のみが硬化性樹脂中に分散された芯材と該芯材を被覆する樹脂被覆層とを含んで構成されることが好ましい。さらに、前記硬化性樹脂が単一種であることが好ましい。このような、樹脂中に磁性粉を分散させた構造を有するキャリアを、以下、適宜「磁性粉分散型キャリア」と総称する。フィラー材(磁性粉)及びマトリクス材(樹脂)としてそれぞれ単一種の材料を用いることで、キャリアが破砕したときに半球状のキャリアを形成し、半球状のキャリアが更に破砕することを抑制することができる。
単一種の磁性粉と単一種の樹脂を用いることで、キャリアが破砕したときに半球状のキャリアを形成し、半球状のキャリアが更に破砕することを抑制することができる。
〔磁性粉分散型キャリアの芯材〕
磁性粉分散型キャリアは、磁性粉が樹脂中に分散されてなる。
前記磁性粉としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類元素等との合金(例えば、ニッケル−鉄合金、コバルト−鉄合金、アルミニウム−鉄合金等)、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が用いられる。これらの中でも、特性が安定しており、かつ毒性が少ない点で有利である点で、マグネタイトが好ましい。
これら磁性粉は、単一種で使用することが好ましい。単一種で使用すれば、半球状粒子の生成を維持し易く、半球状粒子からさらに破壊進行し不定形の微粒破片となることを抑制することができるため、画像形成装置部材への突き刺さりやこれに起因する色点障害の発生を抑制することができる。
また、磁性粉の形状は、六面体以上の面数を有する多面体、または粒状ないし球状粒子であることが好ましい。針状ないし紡錘状の磁性粉を用いなければ、半球状の粒子が生成され易く、不定形の微粒破片となりにくい。
これら樹脂成分は、単一種で使用することが好ましい。単一種で使用すれば、キャリアの破砕が半球状でとどまり易く、さらに破砕して粉々になることを防ぐことができる。
樹脂分散型キャリアは、樹脂が焼結磁性粒子中に浸透分散されてなり、焼結磁性粒子の細孔を樹脂で充填し固めた構造をとる。
磁性粉分散型キャリアに適用する樹脂成分としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フェノール系樹脂等を挙げることができる。
これら樹脂成分は、単一種で使用することが好ましい。単一種で使用すれば、キャリアの破砕が半球状でとどまり易く、さらに破砕することを防ぐことができる。
これら磁性焼結粒子は、単一種で使用することが好ましい。単一種で使用すれば、キャリアの破砕が半球状でとどまり易く、さらに破砕することを防ぐことができる。なお、フェライトを適用する場合、焼結粒子を形成する原材料としては複数種の金属酸化物を混合造粒・焼結することになるが、焼結後は単一種の固溶体とみなすことができる。
上記の溶融混練法、懸濁重合法、及びスプレードライ法はいずれも、磁性粉をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性粉と樹脂溶液とを混合し、樹脂溶液中に磁性粉を分散させる工程を含む。
また、鉄、コバルト、ニッケル等の金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物等を焼結させて得たものなども、公知のものとして使用できる。
例えば、微細孔を有する磁性焼結粒子と重合性樹脂モノマーを、水溶液中に分散し微細孔中に樹脂を重合せしめる方法、微細孔を有する磁性焼結粒子と樹脂粒子を混合しつつ、樹脂の軟化点以上の温度域で加熱し微細孔へ樹脂溶融液を浸透させた後、混合冷却を施す方法等があげられる。
本発明におけるキャリアは、前述の芯材を被覆する樹脂被覆層を有することが好ましい。
この樹脂被覆層は、キャリア用の樹脂被覆層の材料として用いられているものであれば公知の樹脂が利用でき、二種類以上の樹脂をブレンドして用いてもよい。
樹脂被覆層を構成する樹脂としては大別すると、トナーに帯電性を付与するための帯電付与樹脂と、トナー成分のキャリアへの移行を防止するために用いられる表面エネルギーの低い樹脂とが挙げられる。
また、トナーに正帯電性を付与するための帯電付与樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
樹脂被覆層における導電性粒子の含有量は、樹脂被覆層の強度を保ち、またキャリアの抵抗を調整する観点から、1以上50質量%以下の範囲であることが好ましく、3以上20質量%以下の範囲であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂の場合、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。
一方、樹脂粒子の粒径が1.5μmを超える場合は、樹脂被覆層から樹脂粒子が脱離し易くなり、帯電付与の機能が発揮できない場合がある。また、粒径如何によっては樹脂被覆層の強度を低下させてしまう場合がある。
即ち、樹脂被覆層形成用溶液(溶剤中に、樹脂被覆層を形成する樹脂の他に、必要に応じて、導電性粒子、帯電制御の樹脂粒子等を含む溶液)を調製し、この樹脂被覆層形成用溶液中に、芯材を浸漬する浸漬法、樹脂被覆層形成用溶液を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材と樹脂被覆層形成用溶液とを混合し、次いで、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられるが、特に、溶液を用いたものに限定されるものではない。例えば、キャリアの芯材の種類によっては、芯材と樹脂粉末とを共に加熱混合するパウダーコート法などを適宜に採用することもできる。更に、樹脂被覆層を形成した後に、電気炉やキルンなどのような装置により加熱処理することもできる。
次に、トナーについて説明する。
本発明に用いるトナーは、特に制限されないが、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有することが好ましい。
これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
無機微粒子としてはSiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等を使用することができる。これらのうち、特にシリカ微粒子、チタニア微粒子の場合には、流動性が良好となるため好ましい。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
[トナー母粒子の製造]
−樹脂粒子分散液の調製−
・スチレン(和光純薬製) ・・・320質量部
・n−ブチルアクリレート(和光純薬製) ・・・80質量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製) ・・・9質量部
・1,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学工業製)・・・1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製) ・・・2.7質量部
上記の各成分を混合溶解し、これをアニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウ・ケミカル日本製)4質量部を含有するイオン交換水550質量部に溶解し、更に攪拌槽中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。次いで、系内の窒素置換を十分に行った後、攪拌槽内を攪拌しながら攪拌槽ジャケットを槽内温度が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径240nm、固形分量42.9%、オンセットガラス転移点50.6℃、Mw33900、Mn10200の樹脂粒子分散液を得た。
・Magenta顔料(C.I.Pigment Red 122)・・・90質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR) ・・・10質量部
・イオン交換水 ・・・240質量部
上記の各成分を攪拌槽で混合し、これを分散圧力245MPaに設定したアルティマイザーHJP−25008(株式会社スギノマシン製)を用いて分散処理し、着色剤粒子分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤の平均粒径は125nmであった。
・パラフィンワックス ・・・30質量部
(PolyWax850、東洋ペトロライト社製)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR) ・・・2.5質量部
・イオン交換水 ・・・67.5質量部
上記の成分を95℃に加熱して、ホモジナイザーを用いて分散した後、ダイノーミルで分散処理してワックス分散液(離型剤分散液)を得た。分散ワックスの平均粒径は240nmであった。
なお、これらの樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液の粒径測定には、マイクロトラック(日機装(株)製、マイクロトラックUPA9340)を用いた。
(凝集工程)
・イオン交換水 ・・400質量部
・樹脂粒子分散液 ・・・240質量部
・着色剤分散液 ・・・64質量部
・離型剤分散液 ・・・56質量部
・無機粒子分散液(日産化学社製、スノーテックスOL) ・・・12質量部
・無機粒子分散液(日産化学社製、スノーテックスOS) ・・・10質量部
以上の混合成分を攪拌槽中に投入し、ホモジナイザーで十分に混合・分散した後、凝集剤〔浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウム〕0.5質量部と、イオン交換水100質量部との混合液を、攪拌槽を攪拌しながら10分間かけて添加し、添加終了後そのまま40℃まで緩やかに加熱して30分間保持した後49℃まで加熱した。49℃で40分保持した後、コールターカウンター(コールター社製マルチサイザー2)で粒径を測定すると体積平均粒径4.8μmの凝集粒子が生成していることが確認された。更に、加熱用ジャケットの温度を上げて52℃で40分間保持した。
上記のように調製した凝集粒子を含む分散液に、更に、前記樹脂粒子分散液65質量部を緩やかに添加し、更に加熱用ジャケットの温度を上げて53℃で1時間保持した。得られた付着粒子について、体積平均粒径を測定すると5.7μmであった。
次に、pHが6.0になるように1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加した後、撹拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し60分間保持した。その後96℃まで加熱し、1mol/リットルの硝酸水溶液をpH5.0になるまで加え、5時間保持した。
その後、得られたトナースラリーを40℃まで冷却し、更にこのスラリーを目開き15μm網で篩分処理した後、フィルタープレス(東京エンジニアリング社製)でろ過した。
このトナーケーキをランデルミルRM−1(徳寿工作所製)にて解砕し、乾燥原料としての湿潤トナーを得て、これを気流式乾燥機として、フラッシュジェットドライヤ(セイシン企業製)を用い、乾燥を実施し、体積平均粒径6.0μmのマゼンタトナー母粒子を得た。
−芯材(1)−
ヘンシェルミキサーに、0.3μmの球状マグネタイト粒子粉末500質量部を投入し、十分に攪拌した後、チタネート系カップリング剤5.0質量部を添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合攪拌することによりチタネート系カップリング剤被覆された0.3μmの球状マグネタイト粒子(キャリア中の分散物)を得た。
次に、1Lの四つ口フラスコに、フェノール94質量部、35%ホルマリン112質量部、親油化処理された上記球状マグネタイト粒子500質量部、25%アンモニア水17質量部、及び水62質量部を攪拌混合した。次に、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させ、同温度で120分間反応させた。その後、25℃まで冷却し、500mlの水を添加した後、上澄み液を除去、沈殿物を水洗した。これを減圧下、160℃で乾燥して粒径38μmの芯材(1)を得た。
芯材(1)の作製工程において、フェノール62質量部、35%ホルマリン74質量部、親油化処理された球状マグネタイト粒子を500質量部、25%アンモニア水を11質量部、及び水を65質量部を用いたほかは、芯材(1)と同様に作製した。その結果粒径35μmの芯材(2)を得た。
芯材(1)の作製工程において、フェノール30質量部、35%ホルマリン35質量部、親油化処理された球状マグネタイト粒子を500質量部、25%アンモニア水を8質量部、及び水を60質量部を用いたほかは、芯材(1)と同様に作製した。その結果粒径33μmの芯材(3)を得た。
ヘンシェルミキサーに、0.4μmの六面体状マグネタイト粒子粉末500質量部を投入し、十分に攪拌した後、チタネート系カップリング剤5.0質量部を添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合攪拌することによりチタネート系カップリング剤被覆された0.3μmの六面体状のマグネタイト粒子(キャリア中の分散物)を得た。
次に、芯材(2)の作製工程において、親油化処理された球状マグネタイト粒子のかわりに親油化処理された六面体状のマグネタイト粒子を用いたほかは、芯材(2)と同様に作製した。その結果粒径33μmの芯材(4)を得た。
ヘンシェルミキサーに、0.3μmの粒状マグネタイト粒子粉末500質量部を投入し、十分に攪拌した後、シランカップリング剤5.0質量部を添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合攪拌することによりシランカップリング剤被覆された0.3μmの粒状のマグネタイト粒子(キャリア中の分散物)を得た。
次に、芯材(2)の作製工程において、親油化処理された球状マグネタイト粒子のかわりに親油化処理された粒状のマグネタイト粒子を用いたほかは、芯材(2)と同様に作製した。その結果粒径40μmの芯材(5)を得た。
芯材(1)の作製工程において、フェノール125質量部、35%ホルマリン150質量部、親油化処理された球状マグネタイト粒子を500質量部、25%アンモニア水を20質量部、及び水を85質量部を用いたほかは、芯材(1)と同様に作製した。その結果粒径39μmの芯材(6)を得た。
芯材(1)の作製工程において、フェノール24質量部、35%ホルマリン30質量部、親油化処理された球状マグネタイト粒子を500質量部、25%アンモニア水を8質量部、及び水を65質量部を用いたほかは、芯材(1)と同様に作製した。その結果粒径35μmの芯材(7)を得た。
Fe2O3を730質量部、MnO2を240質量部、Mg(OH)2を45質量部を混合し、湿式ボールミルで25時間混合/粉砕してスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後ロータリーキルンを用いて800℃、7時間の仮焼成を行い、仮焼成物1を得た。 得られた仮焼成物1を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、平均粒径を1.8μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、その後ロータリーキルンを用いて900℃、6時間の仮焼成2を行い仮焼成物2を得た。
得られた仮焼成物2を、湿式ボールミルで5時間粉砕し、平均粒径を5.0μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、その後電気炉で温度1080℃に設定し用いて10時間の本焼成を行った。さらに解砕工程、分級工程を経て、微細孔を有する粒径36μmフェライト焼結粒子を作製した。
1Lの四つ口フラスコに、上記フェライト焼結粒子500質量部と、フェノール6質量部、35%ホルマリン7質量部、25%アンモニア水2質量部、及び水150質量部を減圧攪拌混合した。次に、フラスコ内を大気圧に戻し、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させ、同温度で120分間反応させた。その後、25℃まで冷却し、500mlの水を添加した後、上澄み液を除去、沈殿物を水洗した。これを減圧下、160℃で乾燥して、フェライト焼結粒子内部にフェノール樹脂が浸透分散した粒径45μmの芯材(8)を得た。
ヘンシェルミキサーに、0.3μmの球状マグネタイト粒子粉末500質量部を投入し、十分に攪拌した後、シランカップリング剤5.0質量部を添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合攪拌することによりシランカップリング剤被覆された球状マグネタイト粒子を得た。同様に、ヘンシェルミキサーに、0.2μmの粒状ヘマタイト粒子粉末500質量部を投入し、十分に攪拌した後、チタネート系カップリング剤6.0質量部を添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合攪拌することによりチタネート系カップリング剤被覆された0.2μmの粒状ヘマタイト粒子を得た。
次に、1Lの四つ口フラスコに、フェノール62質量部、35%ホルマリン74質量部、親油化処理された上記球状のマグネタイト粒子400質量部、上記球状のヘマタイト粒子100質量部、25%アンモニア水10質量部、及び水68質量部を攪拌混合した。次に、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させ、同温度で120分間反応させた。その後、25℃まで冷却し、500mlの水を添加した後、上澄み液を除去、沈殿物を水洗した。これを減圧下、160℃で乾燥して粒径40μmの芯材(9)を得た。
Fe2O3を730質量部、MnO2を240質量部、Mg(OH)2を45質量部を混合し、湿式ボールミルで25時間混合/粉砕してスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後ロータリーキルンを用いて800℃、7時間の仮焼成を行い、仮焼成物1を得た。 得られた仮焼成物1を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、平均粒径を1.2μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、その後ロータリーキルンを用いて900℃、6時間の仮焼成2を行い、仮焼成物2を得た。
得られた仮焼成物2を、湿式ボールミルで5時間粉砕し、平均粒径を5.0μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、その後電気炉で温度1250℃に設定し用いて12時間の本焼成を行った。さらに解砕工程、分級工程を経て、粒子内部に通ずる微細孔を有さない粒径38μmのフェライト焼結粒子である芯材(10)を得た。
−樹脂被覆層形成用原料溶液(a)−
下記組成の成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、樹脂被覆層形成用原料溶液(a)を調製した。
・トルエン ・・・95質量部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比、25:75)・・・30質量部
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) ・・・5質量部
下記組成の成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、樹脂被覆層形成用原料溶液(b)を調製した。
・トルエン ・・・95質量部
・ポリメチルメタクリレート ・・・28質量部
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) ・・・4質量部
・メラミン−ホルムアルデヒド縮合粒子(平均粒径0.3ミクロン球形粒子)
・・・2質量部
−キャリア(1)−
得られた樹脂被覆層形成用原料溶液(a)8質量部と芯材(1)100質量部とを真空脱気型ニーダに入れ、90℃で30分撹拌した後、−65kPaで5分、−70kPaで3分攪拌した後更に−100kPaまで減圧して脱気、乾燥させた。
キャリア(1)のタイプ、キャリア(1)の作製に用いた芯材、樹脂被覆層形成用原料溶液(「被覆樹脂」の欄)、キャリア(1)の樹脂被覆層の平均膜厚(μm)、体積平均粒径(μm)および磁化率(emu/cm3)を表1に示す。なお、表1の「芯材(分散物)」欄中、「Mag」とは、「マグネタイト」を意味する。
キャリア(1)の作製工程において、芯材(1)と樹脂被覆層形成用原料溶液(a)を下記表1に示す質量部構成に変えたほかは、キャリア(1)と同様にして、キャリア(2)〜キャリア(11)を作製した。
キャリア(2)〜キャリア(11)のタイプ、キャリア(2)〜キャリア(11)の作製に用いた芯材の種類〔上段〕と量〔下段〕、樹脂被覆層形成用原料溶液の種類〔上段〕と量〔下段〕(「被覆樹脂」の欄)、キャリア(2)〜キャリア(11)の樹脂被覆層の平均膜厚(μm)、体積平均粒径(μm)および磁化率(emu/cm3)を下記表1に示す。なお、表1の「芯材(分散物)」欄中、「Mag」とは、「マグネタイト」を意味する。
−静電潜像現像用現像剤(1)−
キャリア(1)170質量部と、トナー(1)15質量部と、をVブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことによりMagentaの静電潜像現像用現像剤(1)を作製した。
静電潜像現像用現像剤(1)の作製工程において、キャリア(1)を下記表1に示すように、キャリア(2)〜(11)に変えたほかは、静電潜像現像用現像剤(1)と同様にして静電潜像現像用現像剤(2)〜(11)を作製した。静電潜像現像用現像剤(2)〜(11)は、いずれもMagentaの静電潜像現像用現像剤である。
感光体(感光体ドラム)表面、中間転写体(中間転写ベルト)表面の各硬度(JIS K 7215に準拠した方法で測定されるタイプD硬さ)および、感光体表面の硬度と中間転写体表面の硬度との硬度差ならびに、感光体と中間転写体との周速差、および現像ロール表面と層厚規制部材との距離が下記表3の構成で成るDocuCentreColor500改造機に、下記表3の静電潜像現像用現像剤(「現像剤」の欄)を用いて100,000枚走行を行った。表3中、中間転写ベルトを「ITB」と略記した。
感光体は、感光体ドラム表面に電荷輸送性表面保護層を設けたものであり、電荷輸送性表面保護層に含まれる結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を適宜選択し、樹脂の組合せ選択と架橋度の調節により、感光体表面の硬度を調整した。
一方、中間転写体は、表層を有しており、結着樹脂を含み、かつ導電剤が分散された中間転写ベルトである。中間転写体表面の硬度は、表層材質に含まれる結着樹脂を、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂から適宜選択し、樹脂の組合せ選択と架橋度を調節することにより調整した。
なお、上記物性値のうち円形度分布については、10,000枚走行後の現像剤を現像装置から取り出し、該現像剤からキャリアを分離して円形度を測定した。前記キャリアが体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域の円形度分布において、0.98以上1.00以下の範囲および0.955以上0.975以下の範囲にピークの有無を○(ピークあり)、×(ピークなし)で示した。
円形度が0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの全キャリアに対する質量割合については、上記の測定から得た円形度分布の、円形度0.955以上0.975以下の範囲の積分値から算出した。なお、欄中、「−」は、円形度0.955以上0.975以下の範囲にピークを示さなかったため、半球状キャリアの比率を算出できなかったものである。
(1)画質欠陥
1,000枚出力ごとに、出力されたプリント画像の画質欠陥(色点および筋状傷)の有無を目視にて確認した。50,000枚走行しても画質欠陥が発生しないことが好ましく、色点および筋状傷発生の許容枚数はそれぞれ30,000枚以上である。色点、および筋状傷が確認された出力枚数を下記表3に示す。
また、出力されたプリント画像の、80,000枚走行時における濃度ムラ(画像ムラ)の有無を確認したところ、実施例1〜15は、濃度ムラが発生しておらず、比較例1〜7では、濃度ムラが確認された。なお、濃度ムラ発生の許容枚数は、50,000枚以上であり、60,000枚走行しても濃度ムラが発生しないことが好ましい。
30,000枚走行後の現像剤を現像装置から取り出し、該現像剤からキャリアを分離して円形度を測定した。前記キャリアが体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域の円形度分布において、0.98以上1.00以下の範囲および0.955以上0.975以下の範囲にピークの有無を○(ピークあり)、×(ピークなし)で示した。結果を下記表3に示す。
30,000枚走行後の現像剤を現像装置から取り出し、該現像剤からキャリアを分離して円形度を測定した。これにより円形度分布を得て、円形度0.955以上0.975以下の範囲の積分値から、円形度が0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの全キャリアに対する質量割合を算出した。結果を下記表3に示す(「半球状キャリア比率」の欄、単位;質量%)。なお、欄中、「−」は、円形度0.955以上0.975以下の範囲にピークを示さなかったため、半球状キャリアの比率を算出できなかったものである。
一方、比較例の静電潜像現像用現像剤は、たとえば、磁化率が170emu/cm3を下回るキャリアを用いたもの(比較例1)は、10,000枚走行後には画像ムラを生じた。また、芯材に、複数種の粒子を用いたもの(芯材(9)、比較例6)や、フェライト粒子を用いたもの(芯材(10)、比較例7)は、10,000枚走行時には円形度0.955以上0.975以下の範囲にピークを有さず、画質欠陥を生じた。
20 帯電ロール
30 露光装置
40 現像装置
42 現像ロール
42A 現像ロール室
43 攪拌部材
43A 攪拌室
45 層厚規制部材
50 中間転写ベルト
50A、50B 張架ローラ
50C バックアップローラ
50D 駆動ローラ
51 1次転写ローラ
52 2次転写ローラ
53 記録紙供給装置
53A 搬送ローラ
53B 誘導スロープ
54 中間転写体クリーニング装置
60 除電装置
70 クリーニング装置
71 ハウジング
72 クリーニングブレード
80 定着装置
81 定着ローラ
82 搬送コンベア
Claims (5)
- 静電潜像保持体と、
前記静電潜像保持体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記静電潜像保持体を露光して、該静電潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
静電潜像現像用現像剤を用いて、静電潜像保持体上に静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
前記トナー像を前記静電潜像保持体から中間転写体に一次転写する一次転写手段と、
一次転写された前記トナー像を前記中間転写体から被記録材に二次転写する二次転写手段と、を有し、
前記静電潜像現像用現像剤が、前記静電潜像現像用現像剤を、前記静電潜像保持体と、前記帯電手段と、前記露光手段と、前記現像手段と、前記一次転写手段と、前記二次転写手段と、を有する画像形成装置に投入してから1万枚走行時において、1kOe時の磁化率が170emu/cm3以上250emu/cm3以下の範囲にあるキャリアを含み、該キャリアが体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域の円形度分布において、0.98以上1.00以下の範囲及び0.955以上0.975以下の範囲の双方にピークを有し、かつ、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの質量割合が、全キャリアに対し0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲であり、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアが半球状部分を有する形状であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記中間転写体の中間転写体表面と前記静電潜像保持体の静電潜像保持体表面のJIS K 7215:86に準拠した方法で測定されるタイプD硬さがともに、65以上100以下の範囲であり、かつ、該中間転写体表面と該静電潜像保持体表層の前記D硬さの差が、5以上30以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記静電潜像保持体と前記中間転写体との周速差が0.1%以上5%以下の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記キャリアが、親油化処理された磁性粉のみが硬化性樹脂中に分散された芯材と該芯材を被覆する樹脂被覆層とを含んで構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記静電潜像保持体を露光して、該静電潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、静電潜像現像用現像剤を用いて、静電潜像保持体上に静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記静電潜像保持体から中間転写体に一次転写する一次転写手段と、一次転写された前記トナー像を前記中間転写体から被記録材に二次転写する二次転写手段と、を有する画像形成装置に投入してから1万枚走行時において、1kOe時の磁化率が170emu/cm3以上250emu/cm3以下の範囲にあるキャリアを含み、該キャリアが、体積平均粒径に対し1/2未満の粒径領域の円形度分布において、0.98以上1.00以下の範囲及び0.955以上0.975以下の範囲の双方にピークを有し、かつ、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアの質量割合が、全キャリアに対し0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲であり、前記円形度分布0.955以上0.975以下の範囲のキャリアが半球状部分を有する形状であるキャリアを含有することを特徴とする静電潜像現像用現像剤。
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