以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。
(全体構成)
図1は、第1実施形態に係る画像表示装置100の概略構成を示すブロック図である。画像表示装置100は、主に、画像処理部10と、データ線駆動回路21と、走査線駆動回路22と、表示部23と、を有する。画像表示装置100は、5以上の色を用いて画像を表示可能に構成されている。具体的には、画像表示装置100は、赤、緑、青、エメラルドグリーン、及び黄色の5色(以下、単に「R」、「G」、「B」、「EG」、「Y」とも表記する。)を表示可能に構成されている。
画像処理部10は、I/F制御回路11と、色変換回路12と、VRAM13と、アドレス制御回路14と、テーブル格納メモリ15と、γ補正回路16と、を備える。I/F制御回路11は、外部(例えばカメラなど)から画像データと制御コマンドを取得し、画像データd1を色変換回路12に供給する。なお、外部から供給される画像データは、R、G、Bの3色で構成されている。
色変換回路12は、取得した画像データd1に対して、3色から5色に変換する処理を行う。この場合、色変換回路12は、テーブル格納メモリ15に記憶されたデータなどを参照して色変換などの画像処理を行う。色変換回路12で画像処理された画像データd2は、VRAM13に書き込まれる。VRAM13に書き込まれた画像データd2は、アドレス制御回路からの制御信号d21に基づいて、γ補正回路16によって画像データd3として読み出されると共に、走査線駆動回路22によってアドレスデータ(走査線駆動回路22はアドレスデータを元に同期をとるため)d4として読み出される。γ補正回路16は、テーブル格納メモリ15に記憶されたデータなどを参照して、取得した画像データd3に対してγ補正を行う。そして、γ補正回路16は、γ補正後の画像データd5をデータ線駆動回路21に供給する。
データ線駆動回路21は、3200本のデータ線に対してデータ線駆動信号X1〜X3200を供給する。走査線駆動回路22は、480本の走査線に対して走査線駆動信号Y1〜Y480を供給する。この場合、データ線駆動回路21と走査線駆動回路22は、同期して表示パネル23を駆動する。表示部23は、液晶(LCD)によって構成され、RGBEGYの5色を用いて画像を表示する。また、表示部23は、RGBEGYに対応する5つの画素(以下、「サブ画素」と呼ぶ。)を一組として有する単位画素(以下、「表示画素」と呼ぶ。)が、「縦480個×横640個」有するVGAサイズによって構成されている。そのため、データ線の数が「640×5=3200本」となっている。表示部23は、走査線及びデータ線に電圧を印加されることによって、表示すべき文字や映像などの画像を表示する。
図2は、表示部23の各画素を拡大して示した概略図である。白丸153は、表示画素151の位置を示しており、ハッチングの違いは、サブ画素152を構成する「R」、「G」、「B」、「EG」、「Y」の違いを示している。この場合、表示画素151は、縦方向に同一色が連なるように直線上に複数配置されている、即ちストライプ配置されている。また、表示画素151の縦横の長さ比が「1:1」であることから、サブ画素152に関しては、縦方向の長さを「1」とすれば、横方向の長さは「0.2」となる。なお、本明細書では、「縦方向」とは走査方向に直交する方向を意味し、「横方向」とは走査方向に水平な方向を意味する。サブ画素152の具体的な配置、及びサブ画素152の配置を決定する方法については、詳細は後述する。
図3は、表示部23の具体的な構成を示す斜視図である。図3に示すように、TFTアレイ基板23gの内側には画素電極23fが形成され、対向基板23bの内側には共通電極23dが形成されている。更に、対向基板23bと共通電極23dの間には、カラーフィルタ23cが形成されている。また、TFTアレイ基板23gと対向基板23bの外側には、バックライトユニット23iと、上下偏光板23a、23hとが形成されている。
具体的には、TFTアレイ基板23g及び対向基板23bは、ガラス・プラスチック等の透明基板によって構成されている。また、画素電極23f及び共通電極23dは、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体によって形成されている。更に、画素電極23fは、TFTアレイ基板23gに設けられたTFT(Thin film Transistor)に接続されており、当該TFTのスイッチング駆動に応じて、共通電極23dと画素電極23fの間の液晶層23eに電圧を付与するようになっている。液晶層23eは、共通電極23dと画素電極23fによって付与された電圧値に応じて配列が変化する液晶分子を有している。
このような液晶層23e及び上下偏光板23a、23hにおいては、液晶層23eに付与される電圧値に応じて液晶分子の配列が変化することで、液晶層23e及び上下偏光板23a、23hを透過する光量が変わる。そのため、液晶層23eは、バックライトユニット23i側から入射する光の光量を制御して、観察者側に所定の透光量で透過させる。バックライトユニット23iは、光源と導光板によって構成されている。このような構成においては、光源から発光した光を導光板内部に均一に広げて、図3中の矢印で示す方向に光源光を出射するようになっている。光源は、蛍光管や白色LED等から構成され、導光板は、アクリル等の樹脂から構成される。このような構成を有する表示部23は、バックライトユニット23iの発光を矢印で示す方向に向けて出射し、対向基板23b側から取り出す透過型液晶表示装置である。即ち、バックライトユニット23iの光源光を利用して液晶表示を行うようになっている。
図4は、表示部23の各画素の分光特性を示した図である。図4(a)は表示部23で用いられるカラーフィルタ23cの透過特性をRGBEGY各画素で示した図であり、横軸が波長(nm)を示し、縦軸が透過率(%)を示している。図4(b)は、BlueLED及び蛍光体による白色LEDで構成されたバックライトの発光スペクトルを示しており、横軸が波長(nm)を示し、縦軸が相対輝度を示している。図4(c)は、各画素の分光特性をRGBEGY各画素について示した図である。図4(c)も、横軸が波長(nm)を示し、縦軸が相対輝度を示している。図4(d)は、RGBEGY各画素の分光特性をもとに、xy色度図上にプロットした図を示す。図4(d)における五角形の内部が表示部23において再現できる色を示し、この五角形が表示部23における色再現領域に対応する。また、五角形の頂点が、色を構成するRGBEGYに対応する。RGBEGY5色の加法混色によって色再現を行うことによって、通常の3色による色再現よりも、より広範囲のあざやかな色を再現することが可能となる。
(サブ画素誤差確認方法)
第1実施形態では、視覚への影響を十分に考慮した形で、5色RGBEGYのサブ画素を配置する。ここでは、サブ画素の配置するに当たって考慮すべき視覚特性などについて説明する。具体的には、サブ画素の配置が異なる場合に、視覚特性上にどのような影響があるかを説明する。
上記した視覚特性上の影響を確認するために、サブ画素誤差確認処理を行う。このサブ画素誤差確認処理とは、Original画像に対するReproduction画像の誤差を確認するために行う処理である。「Original画像」とは、サブ画素を用いずに空間的に完全混色させて構成された理想的な表示部を、距離X離れて観察した際の、人間の見えを再現した画像である。また、「Reproduction画像」とは、RGBEGYのサブ画素の配置順候補の表示部を、距離X離れて観察した際の、人間の見えを再現した画像である。
ここで、サブ画素を用いた画像表示装置では、各画素を平面上に並べて配置し、微細な発光の混色によって色を再現するが、視覚特性の関係上、各画素の配置によってエッジボケや色割れ(偽色)が発生する場合がある。したがって、サブ画素誤差確認処理を実行することによって、これらエッジのボケ度合いや色割れを誤差として確認する。なお、この誤差は、Original画像とReproduction画像とのL*、u*、v*成分の差に対応する。
図5は、サブ画素誤差確認処理を示すフローチャートである。サブ画素誤差確認処理は、コンピュータなどによって実行される。
まず、Original画像の成方法を説明する。原画像としてRGB画像を入力し(ステップS101)、XYZに変換する(ステップS102)。そして、ステップS103では、XYZを輝度-反対色空間へ変換し、これをLum、R/G、B/Yの各成分として表す。この場合、輝度−反対色空間への変換方法としては公知の方法を用いることができる。そして、ステップS104では、各画像を輝度−反対色空間において視覚特性に応じたフィルタ処理を行う。このフィルタ処理については後述する。次に、輝度−反対色空間から各画像をXYZに変換し(ステップS105)、得られたXYZをL*u*v*に変換する(ステップS106)ことによって、Original画像を作成する。
次に、Reproduction画像の作成方法を説明する。まず、ステップS111で、横1/5倍密の原画像を入力する。そして、ステップS112で、各色のXYZを入力する。各色のXYZは、カラーフィルタやバックライトの分光特性から決定できる値であり、シミュレーションや実測によって求める。そして、ステップS113で、RGB画像を入力した各色のXYZ値を用いて3色(RGB)→5色変換(RGBEGY)を行い、1画素をRGBEGY各画素の配置順候補に合わせて5画素に分解し、XYZに変換する。そして、得られたXYZを輝度−反対色空間へ変換し(ステップS114)、視覚特性に応じたフィルタ処理を行い(ステップS115)、輝度−反対色空間からXYZに変換する(ステップS116)。そして、ステップS117において、XYZからL*u*v*に変換することによって、Reproduction画像を作成する。
次に、ステップS120では、上記のようにして作成されたOriginal画像とReproduction画像のL*、u*、v*成分の差を確認する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
図6は、輝度−反対色成分に対するフィルタ特性を表した図である。図6は、左にLum成分のグラフを示し、中央にR/G成分のグラフを示し、右にY/B成分のグラフを示しており、それぞれ横軸に画像における位置を示し、縦軸に重み(詳しくは、視距離が近い場合におけるLum成分を「1」としたときの相対的な値)を示している。また、上段に視距離が近い場合のグラフを示し、下段に視距離が遠い場合のグラフを示している。図6に示すように、フィルタ特性は、輝度−反対色それぞれの成分に関して別々の振幅特性と広がり幅を持つ。また、フィルタ特性は視覚特性に対応しているため、視距離によっても特性が変化する。更に、R/G成分の方がB/Y成分よりもフィルタの振幅が大きいことがわかる。
図7は、図5に示したサブ画素誤差確認処理によって得られた結果の一例を示している。図7(a)は、サブ画素誤差確認処理に用いた空間的パターンを示している。具体的には、RGBEGYの順で配置された表示画素を用い、中央の符号160で示す表示画素を非点灯(全遮断)状態にし、その両側に位置する符号161、162で示す表示画素群を全点灯(全透過)状態にする。即ち、中央部分を黒で表示し、その両側を白で表示させる空間的パターン(以下、「黒白パターン」とも呼ぶ。)を用いている。なお、本明細書では、サブ画素の配置順を「RGBEGY」と表記した場合には、左または右から順に「R」、「G」、「B」、「EG」が配置していることを示すものとする。また、「RGBEGY」の配置順を逆にした「YEGBGR」は、「RGBEGY」と同一の配置順を意味するものとする。
図7(b)、(c)、(d)は、横軸に黒白パターンに対応する画像位置を示し、縦軸にそれぞれL*、u*、v*成分を示している。図7(b)では、サブ画素平面配置を用いずに空間的に完全混色させたOriginal画像の結果を重ねて表示している。図7(b)より、エッジ周辺部において、周囲のサブ画素の影響を受け、輝度勾配に差が生じていることがわかる。このように輝度勾配が小さくなる程、エッジのボケは大きくなる。また、エッジ周辺部におけるOriginal画像とReproduction画像とのL*成分差の加算値が大きい程、左右エッジの輝度勾配が小さくなると共に、コントラスト(輝度最大値と最小値の差)が低くなり、エッジのボケが大きくなる傾向にある。一方、図7(c)、図7(d)より、u*成分、及びv*成分の両方とも、周囲のサブ画素の影響を受けて色成分が増加し、色割れを引き起こしていることがわかる。
ここで、上記の図5〜図7で示した事実を考慮に入れて、5色RGBEGYの各画素の配置候補に対してサブ画素誤差確認処理を行い、その結果を考察する。
図8は、5色RGBEGYの配置候補を全て示している。なお、RGBEGYにおける組み合わせの数は「5×4×3×2×1=120個」であるが、左右の対称性を考慮すれば、配置候補の数はこの半分の60個となる。即ち、例えば「RGBEGY」を「YEGBGR」と同一のものとして扱う。
図9は、図8に示した60個の配置候補に対して、サブ画素誤差確認処理を行ったときの結果を示している。図9に示すグラフは、横軸に黒白パターンに対応する画像位置を示し、縦軸にu*及びv*色成分の値を示している。また、それぞれのグラフは、Original画像とReproduction画像とを重ねて表示している。これらのグラフにより、「EGRGBY」の配置順にした場合(図9において太線で囲んだグラフ)に、エッジ周辺部のu*及びv*色成分差の加算値が比較的小さいという結果が得られる。
(サブ画素配置方法)
次に、第1実施形態に係るサブ画素配置方法について説明する。第1実施形態では、以下に示す第1の条件及び第2の条件に従ってサブ画素配置を行う。
まず、第1の条件としては、複数のサブ画素のうち、視覚フィルタの特性を反映させた形で補正された彩度(以下、「Ch1」と表記する)が小さいサブ画素を表示画素の両端に配置する。詳しくは、彩度Ch1は、色成分R/G、B/Yを視覚特性に応じて補正することによって得られた色成分(以下、「R/G1」、「B/Y1」と表記する。)を用いることによって求められる。このように5つのサブ画素を一組とする表示画素の両端に彩度Ch1の小さいサブ画素を配置することによって、例えば図7(a)に示した黒白のパターンに対して視覚特性のフィルタ処理を行った場合、エッジ周辺部のu*及びv*色成分差が小さくなり、色割れを小さくすることができると考えられる。これは、表示画素の両端に位置するサブ画素の色の大きさ、即ち彩度Ch1が、そのままフィルタ処理結果における色成分発生の要因となっているからである。
第2の条件としては、隣接するサブ画素における色成分の加算値が小さくなるように、サブ画素を配置する。具体的には、上記した第1の条件に基づいて表示画素の両端に配置するサブ画素が決定された場合、第2の条件に従うことによって、以下のように、残りのサブ画素の配置位置が決定される。まず、表示画素の端から2番目にサブ画素を配置することを考える。表示画素の両端から1番目及び2番目のサブ画素の候補から、色成分R/G1、B/Y1を求め、1番目と2番目のR/G1を加算して色成分加算値(以下、「R/G2」と表記する)を得ると共に、1番目と2番目のB/Y1を加算することによって色成分加算値(以下、「B/Y2」と表記する)を得る。そして、求められた色成分加算値R/G2、B/Y2から彩度(以下、「Ch2」と表記する。)を得る。この彩度Ch2は、表示画素の左側と右側とから、2つ求められる。次に、このように得られた2つの彩度Ch2を加算することによって彩度加算値(以下、「Ch3」と表記する。)を得る。ここで、第2の条件に従うことによって、彩度加算値Ch3が小さくなるような、即ち隣接するサブ画素における色成分加算値R/G2、B/Y2が小さくなるような、表示画素の端から2番目に配置すべきサブ画素を決定することができる。
更に、表示画素の両端から3番目のサブ画素を決定する際は、左端から2番目及び3番目のサブ画素から得られる彩度Ch2と、右端から2番目及び3番目のサブ画素から得られる彩度Ch2と、を加算した彩度加算値Ch3を得る。この場合も、第2の条件に従うことによって、彩度加算値Ch3が小さくなるような、表示画素の端から3番目に配置すべきサブ画素を決定することができる。なお、両端から4番目以降の位置に配置するサブ画素を決定する場合にも同様の手順を行うことによって、サブ画素を配置することができる。このように、隣接するサブ画素の各色成分R/G1、B/Y1の色成分加算値R/G2、B/Y2を小さくすることによって、反対の色の関係にあるサブ画素を隣接させることができる。例えば、色成分R/G1がR方向(+方向)にあるサブ画素の隣には、色成分R/G1がG方向(−方向)にあるサブ画素が配置されることとなる。このように全てのサブ画素に対して反対の色を隣接させることによって、視覚フィルタ処理によって、各サブ画素の色成分が相殺される事により、色割れを小さくすることができる。
図10は、RGBEGYの彩度や彩度加算値などを具体的に示した表である。図10(a)は、RGBEGY各色に関して、XYZから求めたLum、R/G、B/Y成分と、R/G−B/Y平面での原点からの距離を計算することによって得られる彩度Chを示す。また、R/G、B/Y各々の成分を、視覚フィルタの特性を反映させた形で補正した後のR/G1、B/Y1成分と、これらを用いることによって得られる彩度Ch1と、を示す。図10(b)は、視覚フィルタを反映させた形で補正する際に用いる補正係数を示す。具体的には、これらの補正係数は、表示部23の解像度200[ppi]で、観察距離100[mm]であり、5色のサブ画素がストライプ配置されている場合に得られたものである。具体的には、5色の場合には、R/G成分に対して「0.12」を掛け、B/Y成分に対して「0.07」を掛けることを示している。これは、図6に示したように、R/G成分とB/Y成分を比較すれば、R/G成分の方が視覚フィルタの振幅が大きいことによる。なお、この補正係数は、表示部23の解像度や観察距離により変化する値である。
図10(c)は、表示画素の左端に「EG」、右端に「Y」を配置した場合に想定される、サブ画素の全配置順から求められた彩度加算値Ch3を示す。詳しくは、図10(c)は、想定されるサブ画素の配置順に対応する、色成分R/G1、B/Y1、色成分加算値R/G2、B/Y2、彩度Ch2、及び彩度加算値Ch3を示している。色成分加算値R/G2は、表示画素の端から1番目と2番目に配置することが想定されるサブ画素のR/G1を加算することによって得られ、色成分加算値B/Y2は、表示画素の端から1番目と2番目に配置することが想定されるサブ画素のB/Y1を加算することによって得られる。彩度Ch2は、色成分加算値R/G2、B/Y2から得られる。この場合、彩度Ch2は、表示画素の左端から1番目及び2番目のサブ画素(左セット)から計算されるものと、表示画素の右端から1番目及び2番目のサブ画素(右セット)から計算されるものの2つが得られる。そして、彩度加算値Ch3は、これら2つの彩度Ch2を加算することによって得られる。
ここで、図10のような結果が得られた場合に、上記した第1の条件及び第2の条件に基づいてサブ画素の配置位置を決定することを考える。
図10(a)より、「EG」と「Y」の彩度Ch1が最も小さいことがわかる。したがって、第1の条件に従うと、「EG」及び「Y」を表示画素の両端に配置することが決定される。更に、図10(c)より、「EG」、「Y」を両端に配置した場合において、「EG」の隣りに「R」を配置し、「Y」の隣りに「B」を配置した場合に、彩度加算値Ch3が最小となることがわかる。したがって、第2の条件に従うと、表示画素の左端から2番目に「R」を配置すること、及び表示画素の右端から2番目に「B」を配置することが決定される。これにより、中央に配置されるサブ画素が「G」に決まるため、最終的には「EGRGBY」の配置順が決定される。
以上より、第1実施形態に係るサブ画素配置方法の実行による結果と、60個の配置候補に対するサブ画素誤差確認処理によって得られた結果(図9参照)とが同一になることがわかる。即ち、第1の条件及び第2の条件に基づいてサブ画素を配置することによって、エッジ周辺部のu*及びv*色成分差の加算値が少ない配置順を得ることができるといえる。
(サブ画素配置処理)
次に、図11を用いて、第1実施形態に係るサブ画素配置処理について説明する。
図11は、サブ画素配置処理を示すフローチャートである。なお、この処理はコンピュータがプログラムを読み出すことによって、又は記録媒体に記録されたプログラムを読み出すことによって実行される。また、この処理は、画像表示装置100を設計する段階などにおいて実行される。
まず、ステップS201では、RGBEGY各色のXYZを入力する。各色のXYZは、カラーフィルタ23cやバックライトユニット23iの分光特性から決定できる値であり、シミュレーションや実測によって求められる。そして、処理はステップS202に進む。ステップS202では、XYZを輝度−反対色空間へ変換し、Lum、R/G、B/Yの各成分として表す。そして、処理はステップS203に進む。
ステップS203では、R/G、B/Yの各成分を視覚特性に応じて補正する。例えば、図10(b)に示したように、R/G成分に対しては「0.12」を掛け、B/Y成分に対しては、「0.07」を掛ける。これにより、R/G1とB/Y1が得られる。そして、処理はステップS204に進む。ステップS204では、ステップS203で得られたR/G1とB/Y1とから、彩度Ch1を計算する。そして、処理はステップS205に進む。
ステップS205では、ステップS204で得られた彩度Ch1に基づいて、表示画素の両端に配置するサブ画素を決定する。この場合、彩度Ch1が最も小さい2つのサブ画素を、表示画素の両端に配置する。即ち、第1の条件に基づいてサブ画素の配置を行う。図10で示すような結果が得られた場合には、彩度Ch1が小さい「EG」及び「Y」を、表示画素の両端に配置する。以上のステップS205の処理が終了すると、処理はステップS206に進む。
ステップS206では、表示画素の両端から「N+1番目」に配置されるサブ画素の全候補において、左端から「N番目」と「N+1番目」のサブ画素から得られる彩度Ch2と、右端から「N番目」と「N+1番目」のサブ画素から得られる彩度Ch2と、を加算することによって彩度加算値Ch3を得る。これにより、例えば、図10(c)で示すグラフを得る。そして、処理はステップS207に進む。なお、「N」は自然数を意味する。
ステップS207では、彩度加算値Ch3が最小となるサブ画素の配置を決定する。即ち、第2の条件に基づいてサブ画素の配置を行う。図10で示すような結果が得られた場合には、左端に配置された「EG」の隣りに「R」を配置し、右端に配置された「Y」の隣りに「B」を配置した場合に、彩度加算値Ch3が最小となることがわかる。したがって、「EG」の隣りに「R」を配置すること、及び「Y」の隣りに「B」を配置することが決定される。これにより、中央に配置されるサブ画素が「G」に決まるため、最終的には「EGRGBY」の配置順が決定される。以上の処理が終了すると、処理はステップS208に進む。
ステップS208では、全てのサブ画素の配置位置が決定されたか否かを判定する。全配置位置が決定されている場合(ステップS208;Yes)には、処理は当該フローを抜ける。一方、全配置位置が決定されていない場合(ステップS208;No)には、処理はステップS206に戻って再度処理を行う。上記したように5つのサブ画素を配置する場合には、ステップS206〜S208の処理を一度行うのみで、全てのサブ画素の配置位置が決定される。なお、上記では「EGRGBY」の配置順が決定される例を示したが、「EGRGBY」を逆に配置した「YBGREG」が決定される場合もある。「EGRGBY」と「YBGREG」は同一の配置順であるからである。
このように、第1実施形態に係るサブ画素配置処理によれば、視覚特性を十分に考慮した形で、RGBEGYのサブ画素の並び順を決定することができる。このようにして決定されたサブ画素の配置を画像表示装置100に対して適用することにより、エッジ周辺部のu*およびv*色成分差の加算値を小さくすることができ、人間が観察した際のエッジの色割れ現象を軽減することができる。これにより、画像表示装置100は、高品質の画像を表示することが可能となる。
なお、上記では、サブ画素配置処理によって「EGRGBY」のサブ画素の配置順が決定される例を示したが、サブ画素配置処理によって常にこの配置順が決定されるとは限らない。この配置順は図10に示した結果が得られた場合に決定されるものであるため、図10に示した以外の結果が得られた場合には、この配置順と異なる配置順が決定される可能性もある。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、色の構成が第1実施形態と異なる。具体的には、第2実施形態は、Yellowの代わりにWhite(以下、単に「W」と表記する。)を用いる点で、第1実施形態と異なる。即ち、RGBEGWによって色を構成する。なお、第2実施形態においても、前述した画像表示装置100と同様の構成を有する画像表示装置を用いるため、その説明を省略する。また、「White」のサブ画素には、着色層ではなく透明樹脂層が配置されている。
図12は、第2実施形態における表示部23の表示特性を示した図である。図12(a)は表示部23で用いられるカラーフィルタ23cの透過特性をRGBEGW各画素で示した図であり、横軸が波長(nm)を示し、縦軸が透過率(%)を示している。なお、Whiteに対応するカラーフィルタ23cを用いていないため図示していない。図12(b)は、BlueLED及び蛍光体による白色LEDで構成されたバックライトの発光スペクトルを示しており、横軸が波長(nm)を示し、縦軸が相対輝度を示している。図12(c)は、各画素の分光特性をRGBEGW各画素について示した図である。図12(c)も、横軸が波長(nm)を示し、縦軸が相対輝度を示している。図12(d)は、RGBEGW各画素の分光特性をもとに、xy色度図上にプロットした図を示す。図12(d)における四角形の内部が表示部23において再現できる色を示し、この四角形が表示部23における色再現領域に対応する。また、四角形の頂点が色を構成するRGBEGに対応し、四角形の内部に位置する点がWに対応する。このような色再現領域は、4色における色再現領域と同様であるが、Whiteを追加して5色にすることによって、透過率が上昇する。そのため、表示部23の表面輝度を向上させる効果を得ることできる。
図13は、RGBEGWの彩度や彩度加算値を具体的に示した表である。図13(a)は、RGBEGW各色に関して、XYZから求めたLum、R/G、B/Y成分、及び彩度Chを示す。更に、R/G、B/Y各々の成分を、視覚フィルタの特性を反映させた形で補正した後のR/G1、B/Y1成分と、これらを用いることによって得られる彩度Ch1と、を示す。図13(a)より、「W」と「EG」の彩度Ch1が最も小さいことがわかる。
図13(b)は、視覚フィルタを反映させた形で補正する際に用いる補正係数を示す。具体的には、5色の場合には、R/G成分に対しては「0.12」を掛け、B/Y成分に対しては、「0.07」を掛けることを示している。なお、この補正係数は、表示部23の解像度や観察距離により変化する値である。
図13(c)は、表示画素の左端に「W」、右端に「EG」を配置した場合に想定される、サブ画素の全配置順から求められた彩度加算値Ch3を示す。詳しくは、図13(c)は、想定されるサブ画素の配置順に対応する、色成分R/G1、B/Y1、色成分加算値R/G2、B/Y2、彩度Ch2、及び彩度加算値Ch3を示している。これらは、前述した方法と同様の方法によって計算される(図10参照)。図13(c)より、「W」、「EG」を両端に配置した場合において、「W」の隣りに「G」を配置し、「EG」の隣りに「R」を配置した場合に、彩度加算値Ch3が最小となることがわかる。
次に、第2実施形態に係るサブ画素誤差配置方法について説明する。第2実施形態でも、前述した第1の条件及び第2の条件に従ってサブ画素を配置する。
図14は、RGBWのサブ画素に対するサブ画素配置処理を示すフローチャートである。なお、この処理はコンピュータがプログラムを読み出すことによって、又は記録媒体に記録されたプログラムを読み出すことによって実行される。また、この処理は、画像表示装置100を設計する段階などに実行される。
まず、ステップS301では、RGBEGW各色のXYZを入力する。各色のXYZは、カラーフィルタ23cやバックライトユニット23iの分光特性から決定できる値であり、シミュレーションや実測によって求められる。そして、処理はステップS302に進む。ステップS302では、XYZを輝度−反対色空間へ変換し、Lum、R/G、B/Yの各成分として表す。そして、処理はステップS303に進む。
ステップS303では、R/G、B/Yの各成分を視覚特性に応じて補正する。例えば、図13(b)に示したように、R/G成分に対しては「0.12」を掛け、B/Y成分に対しては、「0.07」を掛ける。これにより、R/G1とB/Y1が得られる。そして、処理はステップS304に進む。ステップS304では、ステップS303で得られたR/G1とB/Y1とから、彩度Ch1を計算する。そして、処理はステップS305に進む。
ステップS305では、ステップS304で得られた彩度Ch1に基づいて、表示画素の両端に配置するサブ画素を決定する。この場合、彩度Ch1が最も小さい2つのサブ画素を、表示画素の両端に配置する。即ち、第1の条件に基づいてサブ画素の配置を行う。図13で示すような結果が得られた場合には、彩度Ch1が小さい「W」及び「EG」を、表示画素の両端に配置する。以上のステップS305の処理が終了すると、処理はステップS306に進む。
ステップS306では、表示画素の両端から「N+1番目」に配置されるサブ画素の全候補において、左端から「N番目」と「N+1番目」のサブ画素から得られる彩度Ch2と、右端から「N番目」と「N+1番目」のサブ画素から得られる彩度Ch2と、を加算することによって彩度加算値Ch3を得る。これにより、例えば、図13(c)で示すグラフを得る。そして、処理はステップS307に進む。なお、「N」は自然数を意味する。
ステップS307では、彩度加算値Ch3が最小となるサブ画素の配置を決定する。即ち、第2の条件に基づいてサブ画素の配置を行う。図13で示すような結果が得られた場合には、左端に配置された「W」の隣りに「G」を配置し、右端に配置された「EG」の隣りに「R」を配置した場合に、彩度加算値Ch3が最小となることがわかる。したがって、「W」の隣りに「G」を配置すること、及び「EG」の隣りに「R」を配置することが決定される。これにより、中央に配置されるサブ画素が「B」に決まるため、最終的には「WGBREG」の配置順が決定される。以上の処理が終了すると、処理はステップS308に進む。
ステップS308では、全てのサブ画素の配置位置が決定されたか否かを判定する。全配置位置が決定されている場合(ステップS308;Yes)には、処理は当該フローを抜ける。一方、全配置位置が決定されていない場合(ステップS308;No)には、処理はステップS306に戻って再度処理を行う。上記したように5つのサブ画素を配置する場合には、ステップS306〜S308の処理を一度行うのみで、全てのサブ画素の配置位置が決定される。なお、上記では「WGBREG」の配置順が決定される例を示したが、「WGBREG」を逆に配置した「EGRBGW」が決定される場合もある。「WGBREG」と「EGRBGW」は同一の配置順であるからである。
ここで、上記のサブ画素配置処理の結果と、5色RGBEGWの各画素の配置候補に対してサブ画素誤差確認処理を行ったときの結果とを比較する。
図15は、5色RGBEGWの配置候補を全て示している。なお、RGBEGWにおける組み合わせの数は「5×4×3×2×1=120個」であるが、左右の対称性を考慮すれば、配置候補の数はこの半分の60個となる。
図16は、図15に示した60個の配置候補に対して、サブ画素誤差確認処理を行ったときの結果を示している。図16に示すグラフは、横軸に黒白パターンに対応する画像位置を示し、縦軸にu*及びv*色成分の値を示している。また、それぞれのグラフは、Original画像とReproduction画像とを重ねて表示している。これらのグラフにより、「EGRBGW」の配置順にした場合(図16において太線で囲んだグラフ)に、エッジ周辺部のu*及びv*色成分差が比較的小さいという結果が得られる。これより、第2実施形態に係るサブ画素配置処理の実行による結果と、60個の配置候補に対するサブ画素誤差確認処理によって得られた結果(図16参照)とが同一になることがわかる。即ち、第1の条件及び第2の条件に基づいてサブ画素を配置することによって、誤差が少ない配置順を得ることができるといえる。
このように、第2実施形態に係るサブ画素配置処理によれば、視覚特性を十分に考慮した形で、RGBEGWのサブ画素の配置を決定することができる。このようにして決定されたサブ画素の配置を画像表示装置100に対して適用することにより、エッジ周辺部のu*およびv*色成分差の加算値を小さくすることができ、人間が観察した際のエッジの色割れ現象を軽減することができる。これにより、画像表示装置100は、高品質の画像を表示することが可能となる。
なお、上記では、サブ画素配置処理によって「WGBREG」のサブ画素の配置順が決定される例を示したが、サブ画素配置処理によって常にこの配置順が決定されるとは限らない。この配置順は図13に示した結果が得られた場合に決定されるものであるため、図13に示した以外の結果が得られた場合には、この配置順と異なる配置順が決定される可能性もある。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、色の構成が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。具体的には、第3実施形態は、RGBEGYWの6つの色によって色を構成する。なお、第3実施形態においても、前述した画像表示装置100と概ね同様の構成を有する画像表示装置を用いるため、その説明を省略する。この場合、データ線駆動回路21は、3840本のデータ線に対してデータ線駆動信号を供給する点で、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
図17は、第3実施形態における表示部23の表示特性を示した図である。図17(a)は表示部23で用いられるカラーフィルタ23cの透過特性をRGBEGYW各画素で示した図であり、横軸が波長(nm)を示し、縦軸が透過率(%)を示している。なお、Whiteに対応するカラーフィルタ23cを用いていないため図示していない。図17(b)は、BlueLED及び蛍光体による白色LEDで構成されたバックライトの発光スペクトルを示しており、横軸が波長(nm)を示し、縦軸が相対輝度を示している。図17(c)は、各画素の分光特性をRGBEGYW各画素について示した図である。図17(c)も、横軸が波長(nm)を示し、縦軸が相対輝度を示している。図17(d)は、RGBEGYW各画素の分光特性をもとに、xy色度図上にプロットした図を示す。図17(d)における五角形の内部が表示部23において再現できる色を示し、この五角形が表示部23における色再現領域に対応する。また、五角形の頂点が色を構成するRGBEGYに対応し、五角形の内部に位置する点がWに対応する。
次に、第3実施形態に係るサブ画素配置方法について説明する。第3実施形態でも、基本的には、前述した第1の条件及び第2の条件に従ってサブ画素を配置する。第3実施形態では、第1の条件及び第2の条件に従うことにより、以下のような手順でサブ画素の配置位置が決定される。
まず、RGBEGYWにおいて最も彩度が小さい2つのサブ画素を、表示画素の両端に配置する(以下、この配置を「1回目配置」と呼ぶ)。1回目配置は、第1の条件に従った配置である。
次に、表示画素の端に配置したサブ画素(1回目配置によって決定済み)、及び端から2番目に配置するサブ画素の候補から彩度加算値Ch3を計算し、この彩度加算値Ch3が最も小さくなるサブ画素を、表示画素の端から2番目に配置すべきサブ画素として決定する(以下、この配置を「2回目配置」と呼ぶ)。2回目配置は、第2の条件に従った配置である。
この次に、表示画素の端に配置したサブ画素(1回目配置によって決定済み)、端から2番目に配置したサブ画素(2回目配置によって決定済み)、及び端から3番目に配置するサブ画素の候補から彩度加算値Ch3を計算し、この彩度加算値Ch3が最も小さくなるサブ画素を、表示画素の端から3番目に配置すべきサブ画素として決定する(以下、この配置を「3回目配置」と呼ぶ)。3回目配置は、第2の条件に従った配置である。
図18は、RGBEGYWの彩度や彩度加算値などを具体的に示した表である。図18(a)は、RGBEGYW各色に関して、XYZから求めたLum、R/G、B/Y成分、及び彩度Chを示す。また、R/G、B/Y各々の成分を、視覚フィルタの特性を反映させた形で補正した後のR/G1、B/Y1成分と、これらを用いることによって得られる彩度Ch1と、を示す。図18(a)より、「EG」と「W」の彩度Ch1が最も小さいことがわかる。
図18(b)は、視覚フィルタを反映させた形で補正する際に用いる補正係数を示す。具体的には、6色の場合には、R/G成分に対しては「0.10」を掛け、B/Y成分に対しては、「0.06」を掛けることを示している。なお、この補正係数は、表示部23の解像度や観察距離により変化する値である。
図18(c)は、表示画素の左端に「EG」、右端に「W」を配置した場合に想定される、サブ画素の全配置順から求められた彩度加算値Ch3を示す。詳しくは、図18(c)は、想定されるサブ画素の配置順に対応する、色成分R/G1、B/Y1、色成分加算値R/G2、B/Y2、彩度Ch2、及び彩度加算値Ch3を示している。これらは、前述した方法と同様の方法によって計算される(図10参照)。図18(c)より、「EG」、「W」を両端に配置した場合において、「EG」の右隣りに「R」を配置し、「W」の左隣りに「Y」を配置した場合に、彩度加算値Ch3が最小となることがわかる。
図18(d)は、表示画素の左端から順に「EG」、「R」を配置し、右端から順に「W」、「Y」を配置した場合に想定される、サブ画素の全配置順から求められた彩度加算値Ch3を示す。詳しくは、図18(d)は、色成分R/G1、B/Y1、色成分加算値R/G2、B/Y2、彩度Ch2、及び彩度加算値Ch3を示している。色成分加算値R/G2は、表示画素の端から1番目、2番目、及び3番目に配置することが想定されるサブ画素のR/G1を加算することによって得られ、色成分加算値B/Y2は、表示画素の端から1番目、2番目、及び3番目に配置することが想定されるサブ画素のB/Y1を加算することによって得られる。彩度Ch2は、これらの色成分加算値R/G2、B/Y2から得られる。この場合、彩度Ch2は、表示画素の左端から1番目、2番目、及び3番目のサブ画素(左セット)から計算されるものと、表示画素の右端から1番目、2番目、及び3番目のサブ画素(右セット)から計算されるものの2つが得られる。そして、彩度加算値Ch3は、これら2つの彩度Ch2を加算することによって得られる。図18(d)より、表示画素の左端から順に「EG」、「R」と配置した場合の「R」の右隣りに「B」を配置し、表示画素の右端から順に「W」、「Y」と配置した場合の「Y」の左隣りに「G」を配置した場合に、彩度加算値Ch3が最小となることがわかる。
次に、第3実施形態に係るサブ画素誤差配置方法について説明する。第3実施形態でも、前述した第1の条件及び第2の条件に従ってサブ画素を配置する。
図19は、RGBEGYWのサブ画素に対するサブ画素配置処理を示すフローチャートである。なお、この処理はコンピュータがプログラムを読み出すことによって、又は記録媒体に記録されたプログラムを読み出すことによって実行される。また、この処理は、画像表示装置100を設計する段階などに実行される。
まず、ステップS401では、RGBEGYW各色のXYZを入力する。各色のXYZは、カラーフィルタ23cやバックライトユニット23iの分光特性から決定できる値であり、シミュレーションや実測によって求められる。そして、処理はステップS402に進む。ステップS402では、XYZを輝度−反対色空間へ変換し、Lum、R/G、B/Yの各成分として表す。そして、処理はステップS403に進む。
ステップS403では、R/G、B/Yの各成分を視覚特性に応じて補正する。例えば、図18(b)に示したように、R/G成分に対しては「0.10」を掛け、B/Y成分に対しては、「0.06」を掛ける。これにより、R/G1とB/Y1が得られる。そして、処理はステップS404に進む。ステップS404では、ステップS403で得られたR/G1とB/Y1とから、彩度Ch1を計算する。そして、処理はステップS405に進む。
ステップS405では、ステップS404で得られた彩度Ch1に基づいて、表示画素の両端に配置するサブ画素を決定する。この場合、彩度Ch1が最も小さい2つのサブ画素を、表示画素の両端に配置する。即ち、第1の条件に基づいた一回目配置を行う。図18で示すような結果が得られた場合には、彩度Ch1が小さい「EG」及び「W」を、表示画素の両端に配置する。これにより、「EG****W」の配置順が決定される(「*」は、配置されるサブ画素が未決定であることを示している)。以上のステップS405の処理が終了すると、処理はステップS406に進む。
ステップS406では、表示画素の両端から「N+1番目」に配置されるサブ画素の全候補において、左端から「N番目」と「N+1番目」のサブ画素から得られる彩度Ch2と、右端から「N番目」と「N+1番目」のサブ画素から得られる彩度Ch2と、を加算することによって彩度加算値Ch3を得る。これにより、例えば、図18(c)で示すグラフを得る。そして、処理はステップS407に進む。なお、「N」は自然数を意味する。
ステップS407では、彩度加算値Ch3が最小となるサブ画素の配置を決定する。即ち、第2の条件に基づいた2回目配置を行う。図18(c)で示すような結果が得られた場合には、左端に配置された「EG」の隣りに「R」を配置し、右端に配置された「W」の隣りに「Y」を配置した場合に、彩度加算値Ch3が最小となることがわかる。したがって、「EG」の隣りに「R」を配置すること、及び「W」の隣りに「Y」を配置することが決定される。これにより、「EGR**YW」の配置順が決定される。以上の処理が終了すると、処理はステップS408に進む。
ステップS408では、全てのサブ画素の配置位置が決定されたか否かを判定する。全配置位置が決定されている場合(ステップS408;Yes)には、処理は当該フローを抜ける。一方、全配置位置が決定されていない場合(ステップS408;No)には、処理はステップS406に戻る。即ち、サブ画素の配置を再度行う。上記したように6つのサブ画素を配置する場合には、ステップS406〜S408の処理を一度行うのみで、4つのサブ画素の配置位置が決定されるだけで、6つ全てのサブ画素の配置位置は決定されない。即ち、1回目配置及び2回目配置のみが行われ、3回目配置が行われないこととなる。よって、ステップS408の処理の終了後、ステップS406〜S408の処理を再度行う。
ここで、ステップS406〜S408の処理を再度行うことによって実行される、3回目配置について説明する。ステップS406では、表示画素の両端から「N+1番目」に配置されるサブ画素の全候補において、左端から「N番目」と「N+1番目」のサブ画素から得られる彩度Ch2と、右端から「N番目」と「N+1番目」のサブ画素から得られる彩度Ch2と、を加算することによって彩度加算値Ch3を得る。これにより、例えば、図18(d)で示すグラフを得る。そして、処理はステップS407に進む。
ステップS407では、彩度加算値Ch3が最小となるサブ画素の配置を決定する。即ち、第2の条件に基づいた3回目配置を行う。図18(d)で示すような結果が得られた場合には、表示画素の左端から順に「EG」、「R」、及び「B」を配置し、右端から順に「W」、「Y」、「G」を配置を配置した場合に、彩度加算値Ch3が最小となることがわかる。これにより、「EGRBGYW」の配置順が決定される。以上の処理が終了すると、処理はステップS408に進む。ステップS408では、全配置位置が決定されていると判定されるため(ステップS408;Yes)、処理は当該フローを抜ける。なお、上記では「EGRBGYW」の配置順が決定される例を示したが、「EGRBGYW」を逆に配置した「WYGBREG」が決定される場合もある。
このように、第3実施形態に係るサブ画素配置処理によれば、視覚特性を十分に考慮した形で、RGBEGYWのサブ画素の配置を決定することができる。このようにして決定されたサブ画素の配置を画像表示装置100に対して適用することにより、エッジ周辺部のu*およびv*色成分差の加算値を小さくすることができ、人間が観察した際のエッジの色割れ現象を軽減することができる。これにより、画像表示装置100は、高品質の画像を表示することが可能となる。
なお、上記では、サブ画素配置処理によって「EGRBGYW」のサブ画素の配置が決定される例を示したが、サブ画素配置処理によって常にこの配置順が決定されるとは限らない。この配置順は図18に示した結果が得られた場合に決定されるものであるため、図18に示した以外の結果が得られた場合には、この配置順と異なる配置順が決定される可能性もある。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。前述した第1実施形態乃至第3実施形態では、表示部23における表示画素の配置がストライプ配置であったのに対して、第4実施形態では、表示部における表示画素の配置(以下、「表示画素配置」とも呼ぶ。)をストライプ配置から変更する。
図20は、第4実施形態に係る画像表示装置101の概略構成を示すブロック図である。この画像表示装置101は、第1実施形態に係る画像表示装置100(図1参照)とは、入力信号に対するリサンプル回路11aが追加されていること、データ線駆動回路21の出力数が異なることが相違点となる。よって、同一の構成要素及び信号に対しては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
リサンプル回路11aは、表示部23zの表示画素の配置に一致させるため、横方向の個数を変更する。例えば、リサンプル回路11aは、入力されるデジタル信号に対してD/A変換器で一旦アナログ信号に変換後、時間軸上で再サンプルを行うことによって、上記の変更を行う。他の例では、リサンプル回路11aは、デジタル信号のままリサイズを行うことによって、上記の変更を行う。
データ線駆動回路21は、1600本のデータ線に対してデータ線駆動信号X1〜X1600を供給する。なお、データ線駆動回路21の出力数に関しては、図22において説明する。
ここで、第4実施形態における画素配置について説明する前に、3色を用いた場合において表示画素配置をストライプ配置から変更する場合を例に挙げて説明する。
図21は、3色RGBにおいて表示画素配置を変更する例を説明するための図である。図21(a)において、黒小丸の格子状の点180が、入力データの存在する点に対応する。例えば、VGAサイズの場合には、この点180は「縦480個×横640個」存在する。また、図21(a)中の矢印はデータ線駆動信号及び走査線駆動信号の入力を示しており、白丸の点181は変更後のデータの存在する点(以下、「サンプル点」とも呼ぶ)を示している。
上記したリサンプル回路11aは、表示部23zの表示画素配置に一致させるため、横方向の個数を変更する。この場合、点181の間隔A11(言い換えると、表示画素の横の長さ)を2倍にし、表示画素の個数を半分に変更している。詳しくは、表示画素の縦の長さA12を「1.0」とすると、表示画素の横の長さA11は「A11=A12×2=2.0」となる。また、横1ラインが縦方向に下がるごとに、サンプル点を半ピッチ(A11/2)ずらしている。このようにサンプル点を半ピッチずらすことによって、横方向の個数を少なくしても、比較的劣化が少なく画像表示を行うことが可能となる。
次に、図21(b)を用いて、3色における表示画素配置について具体的に説明する。この場合、表示画素は3つのサブ画素を一組として構成し、横方向の間隔A11が「2.0」であるので、サブ画素の横の長さは「B11=A11/3=0.667」となる(図21(b)の右図参照)。また、図21(b)の左図より、縦方向でみると表示画素として半ピッチ(A11/2)ずれているため、同一のサブ画素は「A11/2」ずれて配置されている。更に、サブ画素単位としてみれば「B11/2」ずれている。3色を用いた表示部23zにおいては、2ラインにまたがって3色の一組をみると、逆三角形の頂点位置に3色が配置されているため、符号185で示すようにデルタ配置が形成されている。なお、リサンプル回路11aの出力をデータ制御回路(不図示)が受け、データ線と走査線のタイミング調整を行ってデータ線駆動回路21と走査線駆動回路22を適宜制御することにより、画像表示装置101は、このような表示画素配置に対して適切に表示を行うことが可能となる。
ここで、第4実施形態に係る表示画素配置について、図22乃至図24を用いて具体的に説明する。
図22は、第4実施形態の第1の例に係る表示画素配置を説明するための図である。図22(a)に示すように、リサンプルの条件は図21と同様である。即ち、表示画素の縦の長さA12を「1.0」とすると、表示画素の横の長さA21は「A21=A12×2=2.0」である。この場合、リサンプル回路11aの入力および出力は3色信号であり、表示部23zが5色であるため、色変換回路12において3色から5色への色変換が行われる。図22(b)は、表示画素配置を示している。図22(b)の右図より、サブ画素の横の長さB21は「B21=A21/5=0.4」となる。また、図22(b)の左図より、縦方向でみると、表示画素として半ピッチ(A21/2)ずれているため、同一のサブ画素は「A21/2」ずれて配置されている。
図22に示す表示画素配置を有する表示部23zにおいて、入力データがVGAの場合には、リサンプル後の表示画素の数は「縦480個×横320個」となる。この場合、横方向のサブ画素の個数としては、「320×5=1600個」となる。上記の図20には、図22に示す表示画素配置を有する表示部23zを適用した画像表示装置101を示している。そのため、データ線駆動回路21は、1600本のデータ線に対してデータ線駆動信号X1〜X1600を供給している。一方、ストライプ配置を有する画像表示装置100(図1参照)では、データ線駆動回路21から表示部23zへの出力は「640×5=3200個」である。以上より、第1の例に係る表示画素配置を適用することによって、同じ入力においてもデータ線駆動回路21からの出力を減らすことが可能であるため、画像表示装置101を低コスト化することが可能となる。
図23は、第4実施形態の第2の例に係る表示画素配置を説明するための図である。図23(a)に示すように、表示画素の縦の長さA12を「1.0」とすると、表示画素の横の長さA31は「A31=A12×1.5=1.5」である。図23(b)は、表示画素配置を示している。この場合、サブ画素の横の長さB31は「B31=A31/5=0.3」となる。また、縦方向でみると、表示画素として半ピッチ(A31/2)ずれているため、同一のサブ画素は「A31/2」ずれて配置されている。第2の例に係る表示画素配置を適用した場合にも、同じ入力においてもデータ線駆動回路21からの出力を減らすことが可能であるため、画像表示装置101を低コスト化することが可能となる。
図24は、第4実施形態の第3の例に係る表示画素配置を説明するための図である。図24(a)に示すように、表示画素の縦の長さA12を「1.0」とすると、表示画素の横の長さA41は「A41=A12×1=1.0」である。図24(b)は、表示画素配置を示している。この場合、サブ画素の横の長さB41は「B41=A41/5=0.2」となる。また、縦方向でみると、表示画素として半ピッチ(A41/2)ずれているため、同一のサブ画素は「A41/2」ずれて配置されている。第3の例に係る表示画素配置を適用した場合には、データ線駆動回路21からの出力の数はストライプ配置を採用する場合(図2参照)と比較して減少しないが、表示画素が半ピッチずれることによって、見かけ上、横方向の解像度が向上する。
なお、上記では、5色を用いて表示画素を構成した場合の表示画素配置の例を示したが、6色を用いて表示画素を構成した場合にも同様の表示画素配置を行うことができる。また、上記の第1の例〜第3の例に係る表示画素配置を行った場合において、表示画素を構成するサブ画素の配置は、前述した第1実施形態乃至第3実施形態に係るサブ画素配置処理のうちのいずれかによって決定されたサブ画素の配置順を適用することができる。即ち、表示画素を半ピッチずらして配置する場合においても、視覚特性を十分に考慮した形で、RGBEGY、RGBEGW及びRGBYWのサブ画素の配置順を決定することができる。具体的には、RGBEGYの5色を用いる場合には、第1実施形態に係るサブ画素配置処理によって決定された配置順を適用し、RGBEGWの5色を用いる場合には、第2実施形態に係るサブ画素配置処理によって決定された配置を適用し、RGBEGYWの6色を用いる場合には、第3実施形態に係るサブ画素配置処理によって決定された配置を適用する。
上記のように、第1実施形態乃至第3実施形態に係るサブ画素配置処理を適用することができる理由は以下の通りである。第4実施形態に係る画像表示装置101は、リサンプル回路11aを有しているが、リサンプル回路11aの入出力は3色であるため、5色又は6色への直接的な影響は少ない。そのため、画像表示装置101は、例えば4色として黒白パターンを表示する場合には、第1実施形態及び第2実施形態に係る画像表示装置100の動作と全く同じ状態となる。一方、第4実施形態においては、サブ画素単位での横の長さが異なるため、視覚特性を反映したフィルタ特性が若干異なるが、誤差の大小関係はほぼそのまま保存されると考えられる。以上より、第1実施形態乃至第3実施形態に係るサブ画素配置処理によって決定されたサブ画素の配置順を、第4実施形態に係る表示画素配置を行った場合にも適用することができる。
このように、第4実施形態によれば、表示画素を半ピッチずらして配置しても、表示画像におけるエッジ周辺部のu*およびv*色成分差の加算値を小さくすることができ、エッジの色割れ現象を軽減することができる。また、低コスト化した画像表示装置や、見かけ上解像度を向上させた画像表示装置に対しても、このようなエッジの色割れ現象などを軽減することができる。
なお、上記では、表示画素の横の長さ(表示画素の間隔)を「A21=2.0」、「A31=1.5」、「A41=1.0」にして表示画素配置を変更する例を示したが、本発明は、これら以外の長さに表示画素を設定して表示画素配置を変更した場合にも適用することができる。
[変形例]
本発明は、5色としてRGBEGYやRGBEGW以外の他の構成を用いる場合や、6色としてRGBEGYW以外の他の構成を用いる場合にも適用することができる。また、本発明は、5色や6色に適用は限定されず、4色や7色以上を用いた場合にも適用することができる。
更に、上記ではBlue LEDに蛍光体を組み合わせた白色LEDバックライトを示したが、本発明は、バックライトが他の構成を有する場合にも適用することができる。例えば、RGB3色 LEDバックライトなどに対しても適用することができる。
更に、本発明は、液晶(LCD)を用いた画像表示装置に対する適用に限定はされず、有機EL表示装置(OLED)、プラズマ表示装置(PDP)、ブラウン管表示装置(CRT)、電界放出表示装置(FED)などの平面表示を行う画像表示装置に対して適用することができる。また、本発明は、透過型液晶表示装置だけでなく、反射型や半透過反射型の画像表示装置に対しても適用可能である。
なお、本発明は、上記した実施形態において示した「緑(Green)」を、「黄緑(Yellow Green)」に置き換えた場合にも適用することができる。
[電子機器]
次に、本発明の画像表示装置100、101を適用した電子機器の例について説明する。図25は、本発明を適用した電子機器の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、画像表示部としての液晶表示装置700と、これを制御する制御手段410とを有する。本発明の画像表示装置100、101は液晶表示装置700内に設けることができる。ここでは、液晶表示装置700を、パネル構造体403と、半導体ICなどで構成される駆動回路402とに概念的に分けて描いてある。制御手段410は、表示情報出力源411と、表示情報処理回路412と、電源回路(電源装置)413と、タイミングジェネレータ414と、を有する。
表示情報出力源411は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ414によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路412に供給するように構成されている。
表示情報処理回路412は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路402へ供給する。駆動回路402は、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路413は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
次に、本発明を適用した電子機器の具体例について図26を参照して説明する。
まず、本発明に係る画像表示装置100、101を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)に適用した例について説明する。図26(a)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ710は、キーボード711を備えた本体部712と、本発明に係る画像表示装置100、101を適用した表示部713とを備えている。
続いて、本発明に係る画像表示装置100、101を携帯電話機に適用した例について説明する。図26(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機720は、複数の操作ボタン721のほか、受話口722、送話口723と、液晶表示装置を使用した表示部724を備える。
なお、本発明に係る画像表示装置100、101を適用可能な電子機器としては他にも、液晶テレビ、テレビ電話などが挙げられる。
[他の実施例]
上記の説明では、複数の色(着色領域)として例えばR,G,B,EG,Yを挙げて説明したが、本発明の適用はこれには限定されず、他の着色領域により1つの表示画素を構成することもできる。
この場合、複数の着色領域は、波長に応じて色相が変化する可視光領域(380〜780nm)のうち、Bに代えて青系の色相の着色領域(「第1着色領域」とも呼ぶ。)、Rに代えて赤系の色相の着色領域(「第2着色領域」とも呼ぶ。)と、G又はEGに代えて青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域(「第3着色領域」、「第4着色領域」とも呼ぶ。)を含む。ここで「系」との語を用いているが、例えば青系であれば純粋の青の色相に限定されるものでなく、青紫や青緑等を含むものである。赤系の色相であれば、赤に限定されるものでなく橙を含む。また、これら着色領域は単一の着色層で構成されても良いし、複数の異なる色相の着色層を重ねて構成されても良い。また、これら着色領域は色相で述べているが、当該色相は、彩度、明度を適宜変更し、色を設定し得るものである。
具体的な色相の範囲は、
・青系の色相の着色領域は、青紫から青緑であり、より好ましくは藍から青である。
・赤系の色相の着色領域は、橙から赤である。
・青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、青から緑であり、より好ましくは青緑から緑である。
・青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、緑から橙であり、より好ましくは緑から黄である。もしくは緑から黄緑である。
ここで、各着色領域は、同じ色相を用いることはない。例えば、青から黄までの色相で選択される2つの着色領域で緑系の色相を用いる場合は、他方は一方の緑に対して青系もしくは黄緑系の色相を用いる。
これにより、従来のRGBの着色領域よりも広範囲の色再現性を実現することができる。
また、上記では広範囲の色再現性を色相で述べたが、他の具体的な例として、以下に、着色領域を透過した光の波長で表現すると以下のようになる。
・青系の着色領域は、該領域を透過した光の波長のピークが415〜500nmにある着色領域、好ましくは、435〜485nmにある着色領域である。
・赤系の着色領域は、該領域を透過した光の波長のピークが600nm以上にある着色領域で、好ましくは、605nm以上にある着色領域である。
・青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、該領域を透過した光の波長のピークが485〜535nmにある着色領域で、好ましくは、495〜520nmにある着色領域である。
・青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、該領域を透過した光の波長のピークが500〜590nmにある着色領域、好ましくは510〜585nmにある着色領域、もしくは530〜565nmにある着色領域である。
なお、これら波長は、透過表示の場合は、照明装置からの照明光がカラーフィルタを通して得られた数値である。反射表示の場合は、外光を反射して得られた数値である。
さらに、着色領域をx、y色度図で表現すると以下のようになる。
・青系の着色領域は、x≦0.151、y≦0.200にある着色領域であり、好ましくは、0.134≦x≦0.151、0.034≦y≦0.200にある着色領域である。
・赤系の着色領域は、0.520≦x、y≦0.360にある着色領域であり、好ましくは、0.550≦x≦0.690、0.210≦y≦0.360にある着色領域である。
・青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、x≦0.200、0.210≦yにある着色領域であり、好ましくは、0.080≦x≦0.200、0.210≦y≦0.759にある着色領域である。
・青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、0.257≦x、0.450≦yにある着色領域であり、好ましくは、0.257≦x≦0.520、0.450≦y≦0.720にある着色領域である。
なお、これのx、y色度図は、透過表示の場合は、照明装置からの照明光がカラーフィルタを通して得られた数値である。反射表示の場合は、外光を反射して得られた数値である。
これらの着色領域は、サブ画素に透過領域と反射領域を備えた場合、透過領域及び反射領域も上述した範囲で適用することができるものである。
なお、本例における着色領域を用いた場合、バックライトにはRGBの光源としてLED、蛍光管、有機ELなどを用いても良い。または白色光源を用いても良い。なお、白色光源は青の発光体とYAG蛍光体により生成される白色光源でもよい。
但し、RGB光源としては、以下のものが好ましい。
・Bは波長のピークが435nm〜485nmにあるもの
・Gは波長のピークが520nm〜545nmにあるもの
・Rは波長のピークが610nm〜650nmにあるもの
そして、RGB光源の波長によって、上記CFを適切に選定すればより広範囲の色再現性を得ることができる。また、波長が例えば、450nmと565nmにピークがくるような、複数のピークを持つ光源を用いても良い。
上記の着色領域の構成の例としては、具体的には以下のものがあげられる。
・色相が、赤、青、緑、シアン(青緑)の着色領域を含む複数の着色領域
・色相が、赤、青、緑、黄の着色領域を含む複数の着色領域
・色相が、赤、青、深緑、黄の着色領域を含む複数の着色領域
・色相が、赤、青、エメラルドグリーン、黄緑の着色領域を含む複数の着色領域
・色相が、赤、青、エメラルドグリーン、黄を含む着色領域を含む複数の着色領域
・色相が、赤、青、深緑、黄緑を含む着色領域を含む複数の着色領域
・色相が、赤、青緑、深緑、黄緑を含む着色領域を含む複数の着色領域
10 画像処理部、 12 色変換回路、 15 テーブル格納メモリ、 16 γ補正回路、 21 データ線駆動回路、 22 走査線駆動回路、 23 表示部、 100、101 画像表示装置