以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る折畳み装置の全体構成を示す正面視スケルトン図である。図2は、図1に示す折畳み装置の切断胴、折胴及び咥え胴の要部を示す正面視スケルトン図である。図3は、折胴の軸心に沿った一部断面並列図である。図4は、図3におけるIV−IV矢視図であり、特に、折りブレード動作制御機構のカムとカムフォロアーの構成を示している。図5は、図3におけるV−V矢視図であり、特に、紙端保持機構動作制御機構のカムとカムフォロアーの構成を示している。図6は、折りブレード動作制御機構のカムとカムフォロアーの構成及び紙端保持機構動作制御機構のカムとカムフォロアーの構成を併せて示すとともに、咥え胴における咥え機構の動作を制御するカムとカムフォロアーの構成をも併せて示す正面視スケルトン図である。
折畳み装置1は、連続紙Wをこの折畳み装置1に引きこむドラグローラー機構11を備えている。ドラグローラー機構11の下流側には、互いに外周面を近接した状態に配され、それぞれが連続紙Wの走行方向に直角かつこの走行する連続紙Wの面に平行な軸心周りに駆動されて回転する、切断胴12、折胴13、咥え胴14を備えている。咥え胴14の下流側には、咥え胴14で形成された折り丁(図示せず)を下流側に送出す送出し機構17を備えている。また、折胴13の回転位相を検出可能であるように検出手段18を備えている。
切断胴12は、その外周面に切断刃12Aを備えている。図示の実施形態では、切断胴12の外周寸法は、連続紙Wを切断する長さに略等しい。
折胴13は、その外周寸法が切断胴12の略2倍であり、外周面を2等分する2か所に、切断刃12Aの刃先を受領可能な刃受け13Aを備えている。そして、前記各刃受け13Aの近傍に、紙端保持機構13Bを備えている。また、折胴13の周方向における紙端保持機構13Bの設置位置間の略等分位置に、2つの折りブレード機構13Cを備えている。
さらに、折胴13に関連して、紙保持機構13Bを動作させる紙端保持機構動作制御機構15及び折りブレード機構13Cを動作させる折りブレード機構動作制御機構16が、折胴13とこの折胴13を回転可能に支持するフレームFの間に設けられている。
紙端保持機構13Bは、折胴13の軸方向と平行であるように折胴13に設けられた針支軸13a,13bに、図2における紙面に対して平行な方向に適宜の間隔で複数取り付けられた紙保持針13cを有し、前記針支軸13a,13bの往復角変位に応じて、折胴13の回転方向において折胴13の外周面における前記刃受け13Aの近傍の上流側の外周面から、紙保持針13cの先端を突出可能かつ没入可能であるように設けられている。折りブレード機構13Cは、折胴13の軸方向と平行であるように折胴13に設けられたブレード支軸13d,13eに取り付けられた折りブレード13fを有し、前記ブレード支軸13d,13eの往復角変位に応じて、折胴13の外周面における前記紙保持針13cの先端の出没部位間の略等分位置において、折りブレード13fの先端を突出可能かつ没入可能であるように設けられている。
前記紙端保持機構13Bは、その各針支軸13a,13bの少なくとも一方端部が、折胴13の一方側面から外方に突き出しており、この一方端部には、自由端側にカムフォロアー13g,13h又は13iが回転可能に取り付けられた2つのアーム13j,13jが、軸方向(図5の紙面に対して平行な方向)に適宜の間隔をあけて、針支軸13a又は13bに対し同一位相でそれぞれの基端側を固定されている。そして、紙端保持機構13Bは、折胴13の回転に従ってカムフォロアー13gの周面が、後に説明する紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bに常時接触してその凹凸に従って変位可能であるように、カムフォロアー13hの周面が、後に説明するマスキングカム15cのマスクカム面15eに接触してそれに従って変位可能であるように、カムフォロアー13iの周面が、後に説明するマスキングカム15dのマスクカム面15eに接触してそれに従って変位可能であるように、それぞれ設けられている。また、前記折りブレード機構13Cは、その各ブレード支軸13d,13eの少なくとも他方端部が、折胴13の紙端保持機構13Bの針支軸13a,13bの突出する一方側面とは逆側の他方側面から外方に突き出しており、この他方端部には、自由端側にカムフォロアー13k,13l又は13mが回転可能に取り付けられた2つのアーム13n,13nが、軸方向(図4の紙面に直角方向)に適宜の間隔をあけて、ブレード支軸13d又は13eに対して同一位相でそれぞれの基端側を固定されている。そして、折りブレード機構13Cは、折胴13の回転に従ってカムフォロアー13kの周面が、後に説明する折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bに常時接触してその凹凸に従って変位可能であるように、カムフォロアー13lの周面が、マスキングカム16cのマスクカム面16eに接触してそれに従って変位可能であるように、カムフォロアー13mの周面が、マスキングカム16dのマスクカム面16eに接触してそれに従って変位可能であるように、それぞれ設けられている。
他方、折胴13とこの折胴13の一方側面と対向するフレームFの間には、紙保持機構13Bを動作させる紙端保持機構動作制御機構15が設けられる。すなわち、紙保持針駆動カム15aが折胴13の軸受スリーブを介してフレームFに固定されて設けられる。紙保持針駆動カム15aは、紙保持針13cを作動させるべく折胴13の軸心13αからの距離が予め定められた状態で変化するエンドレスカム面15bを有し、このエンドレスカム面15bが、前記針支軸13a,13bの一方端部に固定された一方のアーム13jの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13gの外周面が接触して回転可能である位置に位置するよう設けられている。さらに、紙保持針駆動カム15aに近接する位置に、マスキングカム15c,15dが設けられる。マスキングカム15c,15dは、いずれも、前記紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける紙保持針13cを折胴13の外周面から没入させる領域(小径領域)を無効にするマスクカム面15eを、少なくとも有している。そして、このマスクカム面15eは、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域を無効にする状態と、そうでない状態に変位可能であり、マスキングカム15c,15dのマスクカム面15eが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域を少なくとも無効にする状態にあるときに、このマスクカム面15eが、前記針支軸13a,13bの一方端部に固定された他方のアーム13jの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13h又は13iの外周面が接触して回転可能である位置に位置するよう設けられている。なお、マスキングカム15c,15dを変位させるマスキングカム駆動手段は、たとえば前記フレームFに取り付けられた流体圧作動シリンダー15f,15gであって差し支えなく、適宜に出力される作動信号、例えば、適宜の信号出力手段から出力される予め定めた作動信号又はこの作動信号と折胴13の回転位相を検出する検出手段18の検出値に基づいて出力される検出信号の「AND」成立によって作動可能に設けられる。図1に示すように流体圧作動シリンダー15f,15gの出力ロッドが伸長すると、マスキングカム15c,15dは、いずれも、折胴13の軸心13α周りに角変位し、マスクカム面15eが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域と重なる位置に移動する。図5及び図6に示すように、流体圧作動シリンダー15f,15gの出力ロッドが縮退すると、マスキングカム15c,15dは、いずれも、折胴13の軸心13α周りに角変位し、マスクカム面15eが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域と重ならない位置に移動する。つまり、マスキングカム15c,15dは、流体圧作動シリンダー15f,15gの出力ロッドの伸長、縮退によって折胴13の軸心13α周りに往復角変位し、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域を無効にする状態と、そうでない状態に変位する。
なお、図5及び図6では、紙保持針駆動カム15aとマスキングカム15c,15dの理解が容易であるように、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける紙保持針13cを折胴13の外周面から突出させる領域(大径領域)の折胴13の軸心13αからの距離と、マスキングカム15c,15dのマスクカム面15eの折胴13の軸心13αからの距離とを、便宜上相違させて示したが、実際には両距離は等しく設けられる。同様に、2つのマスキングカム15c,15dの大きさを便宜上相違させて示したが、実際には同じ大きさである。また、マスキングカム15c,15dの角変位量を制限すべく、適宜のストッパー(図示せず)を設けてよいことは勿論である。
他方、折胴13とこの折胴13の他方側面と対向するフレームFの間には、折りブレード機構13Cを動作させる折りブレード機構動作制御機構16が設けられる。すなわち、折りブレード駆動カム16aが折胴13の軸受スリーブを介してフレームFに固定されて設けられる。折りブレード駆動カム16aは、折りブレード13fを作動させるべく折胴13の軸心13αからの距離が予め定められた状態で変化するエンドレスカム面16bを有し、このエンドレスカム面16bが、前記ブレード支軸13d,13eの他方端部に固定された一方のアーム13mの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13kの外周面が接触して回転可能である位置に位置するよう設けられている。さらに、折りブレード駆動カム16aに近接する位置に、マスキングカム16c,16dが設けられている。マスキングカム16c,16dは、前記折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける折りブレード13fを折胴13の外周面から突出させる領域(小径領域)を無効にするマスクカム面16eを、少なくとも有している。そして、このマスクカム面16eは、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域を無効にする状態と、そうでない状態に変位可能であり、マスキングカム16c,16dのマスクカム面16eが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域を少なくとも無効にする状態にあるときに、このマスクカム面16eが前記ブレード支軸13d又は13eの他方端部に固定された他方のアーム13nの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13l又は13mの外周面が接触して回転可能である位置に位置するよう設けられている。なお、マスキングカム16c,16dを変位させるマスキングカム駆動手段は、たとえば前記フレームFに取り付けられた流体圧作動シリンダー16f,16gであって差し支えなく、適宜に出力される作動信号、例えば、適宜の信号出力手段から出力される予め定めた作動信号又はこの作動信号と折胴13の回転位相を検出する検出手段18の検出値に基づいて出力される検出信号の「AND」成立によって作動可能に設けられる。図1に示すように流体圧作動シリンダー16f,16gの出力ロッドが伸長すると、マスキングカム16c,16dは、いずれも、折胴13の軸心13α周りに角変位し、マスクカム面16eが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域と重なる位置に移動する。図5及び図6に示すように、流体圧作動シリンダー16f,16gの出力ロッドが縮退すると、マスキングカム16c,16dは、いずれも、折胴13の軸心13α周りに角変位し、マスクカム面16eが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域と重ならない位置に移動する。つまり、マスキングカム16c,16dは、流体圧作動シリンダー16f,16gの出力ロッドの伸長、縮退によって折胴13の軸心13α周りに往復角変位し、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域を無効にする状態と、そうでない状態に変位する。
なお、図4及び図6では、折りブレード駆動カム16aとマスキングカム16c,16dの理解が容易であるように、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける折りブレード13fを折胴13の外周面から没入させる領域(大径領域)の折胴13の軸心13αからの距離と、マスキングカム16c,16dのマスクカム面16eの折胴13の軸心13αからの距離とを、便宜上相違させて示したが、実際には両距離は等しく設けられる。同様に、2つのマスキングカム16c,16dの大きさを便宜上相違させて示したが、実際には同じ大きさである。また、マスキングカム16c,16dの角変位量を制御すべく、適宜のストッパー(図示せず)を設けてよいことは勿論である。
咥え胴14は、その外周寸法が折胴13と略同じであり、外周面を2等分する2か所に咥え機構14Aを備えている。
咥え機構14Aは、咥え胴14の軸方向と平行であるように咥え胴14に設けられた板支軸14aに取り付けられた板部材14bを有し、前記板支軸14aの往復角変位に応じて、前記板部材14bと対向して咥え胴14に固定して設けられたブロック部材14cに対し、接近乃至接触可能かつ離隔可能であるように設けられる。そして、前記板部材14bがブロック部材14cに対し接近乃至接触することにより、前記折胴13の折りブレード13fによって折胴13の外周面から突き出される、連続紙Wを切断して形成された単数又は複数のシートSの裁断長さ方向の中間部を挟んで受領し、このシートSを中間部で2つ折りした折り丁を形成する。図示の実施形態では、咥え胴14は、折胴13から、連続紙Wを切断して形成された、同一構成からなる単数又は複数のシートSを2つ連続して受領可能であり、同一構成からなるシートSを2つ連続して受領した咥え胴14は、受領後1回転する間に、同一構成からなる2つの折り丁を、後に説明する送出し機構17に向けて解放可能である。
前記咥え機構14Aの板支軸14aの少なくとも一方端部は、咥え胴14の一方側面から外方に突き出しており、この一方端部には、自由端側にカムフォロアー14dが回転可能に取り付けられたアーム14eがその基端側を固定されている。そして、咥え機構14Aは、咥え胴14の回転に従ってカムフォロアー14dの周面が、後に説明する板部材駆動カム14fのエンドレスカム面14gに常時接触してその凹凸に従って変位可能であるよう設けられている。
他方、咥え胴14の一方側面と対向する、咥え胴14を回転可能に支持するフレームFには、板部材駆動カム14fが、例えば前記紙保持針駆動カム15aあるいは折りブレード駆動カム16aと同様に、咥え胴14の軸受スリーブを介して固定されて設けられる。板部材駆動カム14fは、板部材14bを作動させるべく咥え胴14の軸心14αからの距離が予め定められた状態で変化するエンドレスカム面14gを有し、このエンドレスカム面14gが、前記板支軸14aの一方端部に固定されたアーム14eの自由端側に取り付けられたカムフォロアー14dの外周面が接触して回転可能である位置に位置するよう設けられている。
なお、板部材14bは、咥え胴14の軸方向に少なくとも咥え機構14Aが咥えるシートSの幅寸法より若干小さい程度の幅を有していればよく、分割されて設けられても一体で設けられても差し支えなく、通常には、少なくとも先端側が適宜に分割されて設けられている。
送出し機構17は、送出しコンベヤー14Aを備えている。送出しコンベヤー14Aは、搬送面が対向し、かつ対向する搬送面が同一方向に変位する、上方コンベヤー17aと下方コンベヤー17bを有し、咥え胴14の咥え機構14Aが解放した折り丁を上方コンベヤー17aと下方コンベヤー17bの間に挟んで搬送し下流側に送出す。
検出手段18は、折胴13の回転位相を検出可能な、例えば、原点を有するアブソリュートエンコーダーであり、折胴13の軸又はこの軸と所定の比率で回転する部材に連係して設けられる。
次に、以上記載のように構成された本実施形態に係る折畳み装置1の動作を説明する。
まず、コレクト折りの動作を説明する。
作業開始に先立ち、流体圧作動シリンダー15f,15g及び16f,16gの出力ロッドをいずれも伸長した状態、つまり、マスキングカム15c,15dが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの凹部をマスクし、この凹部の作用を無効にするとともに、マスキングカム16c,16dが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの凹部をマスクし、この凹部の作用を無効にする状態にする。
次いで、折畳み装置1を起動する。
折畳み装置1では、切断胴12と折胴13の対向位置で切断胴12の切断刃12Aと折胴13の刃受け13Aとが噛み合い、折胴13と咥え胴14の対向位置で折胴13の折りブレード機構13Cと咥え胴14の咥え機構14AとによるシートSの受け渡しが可能である相互回転位相で、かつ、切断胴12、折胴13、咥え胴14が、互いに近接対向する周面が同一方向に変位するよう、略同一の周面速度で回転する。そして、この回転により、針支軸13a,13b及びブレード支軸13d,13eが折胴13の回転に従って折胴13の軸心13α周りを回転する。
上流側から折畳み装置1に案内された連続紙Wは、ドラグローラー機構11によって引き入れられ、切断胴12と折胴13の間に送り込まれる。
前記切断胴12と折胴13の間に送り込まれた連続紙Wは、先ず、折胴13の周面から先端側を突出させている紙保持針13cが突き刺さることによってこの紙保持針13cに保持されるとともに、その保持された位置の近傍下流位置を、前記切断刃12Aと刃受け13Aとの噛み合いによって切断される。そして、折胴13の2分の1回転ごとに、この紙保持針13cによる連続紙Wの保持と切断刃12Aと刃受け13Aとの噛み合いによる連続紙Wの切断がなされ、折胴13の半周面ごとにシートSが保持され、重ね合わせられる。
このシートSの重ね合わせの間、マスキングカム15c,15dのマスクカム面15eが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの小径領域と重なっており、エンドレスカム面15bの小径領域の作用を無効にし続け、紙保持針13cの先端側が折胴13の外周面から没入しない。同様に、マスキングカム16c,16dのマスクカム面16eが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの小径領域に重なっており、エンドレスカム面16bの小径領域の作用を無効にし続け、折りブレード13fの先端側が折胴13の外周面から突出しない。
シートSの重ね合わせ数が所望の数に達すると、折胴13は、その外周面に重ね合わせたシートSを咥え胴14の咥え機構14Aに受け渡す。すなわち、シートSの重ね合わせ数が所望の数に達すると、例えばカウントセンサ等の検知手段によってシートSの重ね合わせ数を検知した適宜の信号出力手段から予め定めた作動信号が出力され、又は、この作動信号が出力された状態のもとで折胴13の回転位相を検出する検出手段18の検出値に基づいて検出信号が出力されて両信号の「AND」が成立し、流体圧作動シリンダー15f,15g及び流体圧作動シリンダー16f,16gの出力ロッドが縮退する。流体圧作動シリンダー15f,15gの出力ロッドの縮退により、マスキングカム15c,15dが折胴13の軸心13α周りを図5において反時計回りに角変位し、マスクカム面15eが、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの小径領域からずれ、この小径領域の作用を有効にする。同様に、流体圧作動シリンダー16f,16gの出力ロッドの縮退により、マスキングカム16c,16dが折胴13の軸心13α周りを図4において時計回りに角変位し、マスクカム面16eが、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの小径領域からずれ、この小径領域の作用を有効にする。
紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの小径領域の作用が有効になると、前記針支軸13a,13bの一方端部に固定された一方のアーム13jの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13gの外周面がこのエンドレスカム面15bに接触して回転し、アーム13jを、エンドレスカム面15bの折胴13の軸心13αからの距離の変化に従って変位させ、アーム13jを介して針支軸13a,13bをそれぞれ角変位させて、前記カムフォロアー13gがエンドレスカム面15bの小径領域を通過する際、紙保持針13cが折胴13の外周面から内側に没入する。紙保持針13cが折胴13の外周面から内側に没入すると、紙保持針13cによって折胴13の外周面に保持されていたシートSが、解放される。
また、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの小径領域の作用が有効になると、前記ブレード支軸13d,13eの一方端部に固定された一方のアーム13nの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13kの外周面がこのエンドレスカム面16bに接触して回転し、アーム13nを、エンドレスカム面16bの折胴13の軸心13αからの距離の変化に従って変位させ、アーム13nを介してブレード支軸13d,13eをそれぞれ角変位させて、前記カムフォロアー13kがエンドレスカム面16bの小径領域を通過する際、折りブレード13fの先端側が折胴13の外周面から突出する。折りブレード13fの先端側が折胴13の外周面から突出すると、紙保持針13cによって折胴13の外周面に保持されていたシートSが、折胴13の外周面から半径方向に離隔するよう突き出される。
ここで、紙保持針駆動カム15aと折りブレード駆動カム16aとは、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの小径領域の作用による紙保持針13cのシートSの解放と、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの小径領域の作用による折りブレード13fのシートSの折胴13の外周面からの離隔とが、折胴13の略同じ回転位相において行われるよう設けられており、この回転位相において、折胴13の折りブレード13fの突出位置が、後に説明する咥え胴14の回転位相において、咥え折機構14Aの板部材14bとブロック部材14cとが接近乃至接触する位置と対向するように設けられている。したがって、前記折りブレード13fの先端側が折胴13の外周面から突出することにより、紙保持針13cから解放されたシートSの裁断長さ方向の中間部が咥え胴14の咥え機構14Aに向けて突き出され、この中間部が板部材14bとブロック部材14cとによって挟まれて咥え折機構14Aに受領されて咥え折りされ、このシートSの中間部に咥え胴14の軸と平行な折り目が形成され2つ折りされた折り丁が形成される。
折畳み装置1の咥え胴14は、折胴13と前記した回転方向、回転速度、回転位相の関係を維持して回転し、各回転において、咥え機構14Aの板部材14bがブロック部材14cに対し、その先端側を接近乃至接触と離隔とを繰り返す。すなわち、板部材14bが取り付けられた板支軸14aの一方端部に固定されたアーム14eの自由端側に取り付けられたカムフォロアー14dの外周面が、咥え胴14の一方側面と対向するフレームFに固定されて設けられた板部材駆動カム14fのエンドレスカム面14gに接触して回転し、アーム14eを、エンドレスカム面14gの咥え胴14の軸心14αからの隔離の変化に従って変位させ、アーム14eを介して板支軸14aを角変位させて、前記カムフォロアー14dがエンドレスカム面14gの大径領域を通過する際、板部材14bがブロック部材14cに対し、その先端側を接近乃至接触する。
ここで、板部材駆動カム14fは、エンドレスカム面14gの大径領域によって板部材14bの先端側がブロック部材44cに対し接近乃至接触するときに、この接近乃至接触位置が、咥え胴14の回転位相において、折胴13の折りブレード13fの突出位置と対向する位置から咥え胴14が更に回転して前記接近乃至接触位置が送出し機構17に十分到達する回転位相に達するまで板部材14bの先端側とブロック部材14cとの接近乃至接触状態が維持可能であるように設けられている。したがって、前記折りブレード13fの先端側が折胴13の外周面から突出し、紙保持針13cから解放されたシートSが咥え胴14の咥え機構14Aに向けて突き出されるたびに、板部材14bとブロック部材14cとによって突き出されたシートSを咥え折し、折り丁を形成して送出し機構17に引き渡す。
送出し機構17は、咥え胴14から引き渡された前記折り丁を、上方コンベヤー17aと下方コンベヤー17bに挟んで前記咥え折で形成された折り目をより強く潰しながら、下流側に搬送する。
なお、前記シートSの重ね合わせの所望の数は、1以上の整数によって予め指定設定されれば足りる。
シートSの重ね合わせの所望の数が「1」であるときは、流体圧作動シリンダー15f,15g及び16f,16gが、出力ロッドをいずれも縮退した状態、つまり、マスキングカム15c,15dが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの凹部をマスクせず、この凹部の作用を無効にしない状態であるとともに、マスキングカム16c,16dが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの凹部をマスクせず、この凹部の作用を無効にしない状態を維持して折畳み装置1を作動すれば足りる。
すなわち、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの小径領域の作用による紙保持針13cのシートSの解放と、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの小径領域の作用による折りブレード13fのシートSの折胴13の外周面からの離隔とが、折胴13の1回転ごとに行われるので、シートSは、折胴13の外周面で重ね合わされることなく咥え胴14の咥え機構14Aに受領されて咥え折され、シートSが1枚よりなる2つ折りされた折り丁が形成される。つまり、ストレート折りがなされる。
折畳み装置1で形成された折り丁は、折畳み装置1の送出し機構17によって下流側に送出される。
以上、本実施形態に係る折畳み装置について図面を用いて説明したが、本発明に係る折畳み装置は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を充足する改変を含むものである。
例えば、切断胴、折胴及び咥え胴の外周寸法は、いずれも連続紙Wを切断する長さの整数倍であればよく、各胴の外周寸法比は限定されない、また、切断胴に設けられる切断刃の数並びに折胴に設けられる刃受け、紙端保持機構及び折りブレード機構の数並びに咥え胴に設けられる咥え機構の数は、それぞれ、連続紙Wを切断する長さの整数倍に整合する数だけ設けられればよい。
また、切断機構は、切断刃が折胴に設けられる刃受けと協働して切断作用をなし得る機構であれば胴形状である必要はなく、折畳み機構は、咥え胴に替えて折胴の軸線と略平行な軸線を有する一対のローラーを接近させて設けたフォルディングローラー機構であってよく、紙端保持機構は針による保持機構に限らず適宜の保持機構であってよい。
さらにまた、紙端保持機構動作制御機構及び折りブレード機構動作制御機構に設けるマスキングカムの数は、上記説明に限定されない。すなわち、折胴からシートを解放しこの解放したシートを咥え胴に向けて突き出す紙端保持機構と折りブレード機構の組のすべてが、上記説明のように、折胴外周面に同数のシートを重ね合わせ、折胴から重ね合わせたシートを解放しこの解放したシートを咥え胴に向けて突き出す、つまり、すべての組の紙端保持機構と折りブレード機構が同じ数のシートを重ね合わせた折り丁を作成するのであれば、紙端保持機構動作制御機構及び折りブレード機構動作制御機構に設けるマスキングカムは1つあればよく、上記説明のように紙端保持機構動作制御機構及び折りブレード機構動作制御機構のマスキングカムを1つだけ設けたときは、針支軸13a,13bに連係されるカムフォロアー13iと13hの、針支軸13a,13bの軸心と平行方向の位置は同じ位置となる。また、紙端保持機構動作制御機構及び折りブレード機構動作制御機構のマスキングカムを紙端保持機構及び折りブレード機構の数と相応する数だけ設けてもよく、上記説明のように紙端保持機構及び折りブレード機構の数だけマスキングカムを設けたときは、折胴からシートを解放しこの解放したシートを咥え胴に向けて突き出す紙端保持機構と折りブレード機構の組ごとに各マスキングカムの変位タイミングを変えることにより、各組ごとに折胴外周面で重ね合わせるシートの数を変更することが可能であり、紙端保持機構と折りブレード機構の組ごと重ね合わせたシート数の異なる折り丁の作成が可能である。
またさらに、紙端保持機構動作制御機構及び折りブレード機構動作制御機構に設けるマスキングカム駆動手段は、流体圧作動シリンダーに限定されるものではなく、マスキングカムを折胴の軸心周りに角変位させることが可能であればよく、例えばサーボモーターで駆動されるリンク機構やラック・ピニオン機構等で差し支えない。すなわち、上述した流体圧作動シリンダーと同様の作用効果を実現可能な駆動手段であればよい。
以上、本実施形態に係る折畳み装置において、紙端保持機構動作制御機構及び折りブレード機構動作制御機構に設けるマスキングカム駆動手段を流体圧作動シリンダーで構成した場合の実施例について、説明を行った。ただし、本発明に係る紙端保持機構動作制御機構及び折りブレード機構動作制御機構は、流体圧作動シリンダーを用いたものには限られない。そこで、次に、紙端保持機構動作制御機構及び折りブレード機構動作制御機構に設けるマスキングカム駆動手段を、サーボモーターで駆動されるリンク機構(以下、適宜「サーボモーターリンク機構」という。)とする場合の実施形態例について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、以下の説明では、図1〜図6を用いて説明した、流体圧作動シリンダーを設けた折畳み装置(折畳み装置1)の部材と同一又は類似する部材については、同一符号を付して説明を省略する場合がある。
図7は、本実施形態に係る折畳み装置の全体構成を示す正面視スケルトン図である。図8は、折胴の軸心に沿った一部断面並列図である。図9は、図8におけるIX−IX矢視図であり、特に、折りブレード動作制御機構のカムとカムフォロアーの構成を示している。図10は、図8におけるX−X矢視図であり、特に、紙端保持機構動作制御機構のカムとカムフォロアーの構成を示している。図11は、折りブレード動作制御機構のカムとカムフォロアーの構成及び紙端保持機構動作制御機構のカムとカムフォロアーの構成を併せて示すとともに、咥え胴における咥え機構の動作を制御するカムとカムフォロアーの構成をも併せて示す正面視スケルトン図である。
図8に示すように、折胴13とこの折胴13の一方側面と対向するフレームFの間には、紙保持機構13Bを動作させる紙端保持機構動作制御機構15が設けられる。すなわち、紙保持針駆動カム15aが折胴13の軸受スリーブを介してフレームFに固定されて設けられる。紙保持針駆動カム15aは、紙保持針13cを作動させるべく折胴13の軸心13αからの距離が予め定められた状態で変化するエンドレスカム面15bを有し、このエンドレスカム面15bが、前記針支軸13a,13bの一方端部に固定された一方のアーム13jの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13gの外周面が接触して回転可能である位置に位置するよう設けられている。さらに、紙保持針駆動カム15aに近接する位置に、マスキングカム15c,15dが設けられる。マスキングカム15c,15dは、いずれも、前記紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける紙保持針13cを折胴13の外周面から没入させる領域(小径領域)を無効にするマスクカム面15eを、少なくとも有している。そして、このマスクカム面15eは、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域を無効にする状態と、そうでない状態に変位可能であり、マスキングカム15c,15dのマスクカム面15eが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域を少なくとも無効にする状態にあるときに、このマスクカム面15eが、前記針支軸13a,13bの一方端部に固定された他方のアーム13jの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13h又は13iの外周面が接触して回転可能である位置に位置するよう設けられている。そして、本実施形態においては、マスキングカム15c,15dを変位させるマスキングカム駆動手段はサーボモーターリンク機構25f,25gであり、適宜に出力される作動信号、例えば、適宜の信号出力手段から出力される予め定めた作動信号又はこの作動信号と折胴13の回転位相を検出する検出手段18の検出値に基づいて出力される検出信号の「AND」成立によって作動可能に設けられる。図7に示すように、サーボモーターリンク機構25f,25gが伸長すると(すなわち、サーボモーターの駆動に応じてサーボモーターに接続された軸が回転することにより、この軸と折胴13におけるリンクの接続個所との距離が伸びると)、マスキングカム15c,15dは、いずれも、折胴13の軸心13α周りに角変位し、マスクカム面15eが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域と重なる位置に移動する。また、図10及び図11に示すように、サーボモーターリンク機構25f,25gが縮退すると(すなわち、サーボモーターの駆動に応じてサーボモーターに接続された軸が回転することにより、この軸と折胴13におけるリンクの接続個所との距離が短くなると)、マスキングカム15c,15dは、いずれも、折胴13の軸心13α周りに角変位し、マスクカム面15eが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域と重ならない位置に移動する。つまり、マスキングカム15c,15dは、サーボモーターリンク機構25f,25gの伸長、縮退によって折胴13の軸心13α周りに往復角変位し、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける小径領域を無効にする状態と、そうでない状態に変位する。
なお、図10及び図11では、紙保持針駆動カム15aとマスキングカム15c,15dの理解が容易であるように、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bにおける紙保持針13cを折胴13の外周面から突出させる領域(大径領域)の折胴13の軸心13αからの距離と、マスキングカム15c,15dのマスクカム面15eの折胴13の軸心13αからの距離とを、便宜上相違させて示したが、実際には両距離は等しく設けられる。同様に、2つのマスキングカム15c,15dの大きさを便宜上相違させて示したが、実際には同じ大きさである。また、マスキングカム15c,15dの角変位量を制限すべく、適宜のストッパー(図示せず)を設けてよいことは勿論である。
他方、折胴13とこの折胴13の他方側面と対向するフレームFの間には、折りブレード機構13Cを動作させる折りブレード機構動作制御機構16が設けられる。すなわち、折りブレード駆動カム16aが折胴13の軸受スリーブを介してフレームFに固定されて設けられる。折りブレード駆動カム16aは、折りブレード13fを作動させるべく折胴13の軸心13αからの距離が予め定められた状態で変化するエンドレスカム面16bを有し、このエンドレスカム面16bが、前記ブレード支軸13d,13eの他方端部に固定された一方のアーム13mの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13kの外周面が接触して回転可能である位置に位置するよう設けられている。さらに、折りブレード駆動カム16aに近接する位置に、マスキングカム16c,16dが設けられている。マスキングカム16c,16dは、前記折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける折りブレード13fを折胴13の外周面から突出させる領域(小径領域)を無効にするマスクカム面16eを、少なくとも有している。そして、このマスクカム面16eは、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域を無効にする状態と、そうでない状態に変位可能であり、マスキングカム16c,16dのマスクカム面16eが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域を少なくとも無効にする状態にあるときに、このマスクカム面16eが前記ブレード支軸13d又は13eの他方端部に固定された他方のアーム13nの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13l又は13mの外周面が接触して回転可能である位置に位置するよう設けられている。そして、本実施形態においては、マスキングカム16c,16dを変位させるマスキングカム駆動手段はサーボモーターリンク機構26f,26gであり、適宜に出力される作動信号、例えば、適宜の信号出力手段から出力される予め定めた作動信号又はこの作動信号と折胴13の回転位相を検出する検出手段18の検出値に基づいて出力される検出信号の「AND」成立によって作動可能に設けられる。図7に示すようにサーボモーターリンク機構26f,26gが伸長すると、マスキングカム16c,16dは、いずれも、折胴13の軸心13α周りに角変位し、マスクカム面16eが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域と重なる位置に移動する。また、図10及び図11に示すように、サーボモーターリンク機構26f,26gが縮退すると、マスキングカム16c,16dは、いずれも、折胴13の軸心13α周りに角変位し、マスクカム面16eが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域と重ならない位置に移動する。つまり、マスキングカム16c,16dは、サーボモーターリンク機構26f,26gの伸長、縮退によって折胴13の軸心13α周りに往復角変位し、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける小径領域を無効にする状態と、そうでない状態に変位する。
なお、図9及び図11では、折りブレード駆動カム16aとマスキングカム16c,16dの理解が容易であるように、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bにおける折りブレード13fを折胴13の外周面から没入させる領域(大径領域)の折胴13の軸心13αからの距離と、マスキングカム16c,16dのマスクカム面16eの折胴13の軸心13αからの距離とを、便宜上相違させて示したが、実際には両距離は等しく設けられる。同様に、2つのマスキングカム16c,16dの大きさを便宜上相違させて示したが、実際には同じ大きさである。また、マスキングカム16c,16dの角変位量を制御すべく、適宜のストッパー(図示せず)を設けてよいことは勿論である。
次に、以上記載のように構成された本実施形態に係る折畳み装置1Aの動作を説明する。
まず、コレクト折りの動作を説明する。
作業開始に先立ち、サーボモーターリンク機構25f,25g及び26f,26gをいずれも伸長した状態、つまり、マスキングカム15c,15dが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの凹部をマスクし、この凹部の作用を無効にするとともに、マスキングカム16c,16dが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの凹部をマスクし、この凹部の作用を無効にする状態にする。
次いで、折畳み装置1Aを起動する。
折畳み装置1Aでは、切断胴12と折胴13の対向位置で切断胴12の切断刃12Aと折胴13の刃受け13Aとが噛み合い、折胴13と咥え胴14の対向位置で折胴13の折りブレード機構13Cと咥え胴14の咥え機構14AとによるシートSの受け渡しが可能である相互回転位相で、かつ、切断胴12、折胴13、咥え胴14が、互いに近接対向する周面が同一方向に変位するよう、略同一の周面速度で回転する。そして、この回転により、針支軸13a,13b及びブレード支軸13d,13eが折胴13の回転に従って折胴13の軸心13α周りを回転する。
上流側から折畳み装置1Aに案内された連続紙Wは、ドラグローラー機構11によって引き入れられ、切断胴12と折胴13の間に送り込まれる。
そして、上述したように、連続紙Wが、紙保持針13cに保持されるとともに、前記切断刃12Aと刃受け13Aとの噛み合いによって所定の位置が切断され、折胴13が円周方向に2分の1回転するごとに、この紙保持針13cによる連続紙Wの保持と切断刃12Aと刃受け13Aとの噛み合いによる連続紙Wの切断とがなされ、折胴13の半周面ごとにシートSが保持され、重ね合わせられる。
シートSの重ね合わせ数が所望の数に達すると、折胴13は、その外周面に重ね合わせたシートSを咥え胴14の咥え機構14Aに受け渡す。すなわち、シートSの重ね合わせ数が所望の数に達すると、例えばカウントセンサ等の検知手段によってシートSの重ね合わせ数を検知した適宜の信号出力手段から予め定めた作動信号が出力され、又は、この作動信号が出力された状態のもとで折胴13の回転位相を検出する検出手段18の検出値に基づいて検出信号が出力されて両信号の「AND」が成立し、サーボモーターリンク機構25f,25g及びサーボモーターリンク機構26f,26gが縮退する。サーボモーターリンク機構25f,25gの縮退により、マスキングカム15c,15dが折胴13の軸心13α周りを図10において反時計回りに角変位し、マスクカム面15eが、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの小径領域からずれ、この小径領域の作用を有効にする。同様に、サーボモーターリンク機構26f,26gの縮退により、マスキングカム16c,16dが折胴13の軸心13α周りを図9において時計回りに角変位し、マスクカム面16eが、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの小径領域からずれ、この小径領域の作用を有効にする。
紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの小径領域の作用が有効になると、前記針支軸13a,13bの一方端部に固定された一方のアーム13jの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13gの外周面がこのエンドレスカム面15bに接触して回転し、アーム13jを、エンドレスカム面15bの折胴13の軸心13αからの距離の変化に従って変位させ、アーム13jを介して針支軸13a,13bをそれぞれ角変位させて、前記カムフォロアー13gがエンドレスカム面15bの小径領域を通過する際、紙保持針13cが折胴13の外周面から内側に没入する。紙保持針13cが折胴13の外周面から内側に没入すると、紙保持針13cによって折胴13の外周面に保持されていたシートSが、解放される。
また、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの小径領域の作用が有効になると、前記ブレード支軸13d,13eの一方端部に固定された一方のアーム13nの自由端側に取り付けられたカムフォロアー13kの外周面がこのエンドレスカム面16bに接触して回転し、アーム13nを、エンドレスカム面16bの折胴13の軸心13αからの距離の変化に従って変位させ、アーム13nを介してブレード支軸13d,13eをそれぞれ角変位させて、前記カムフォロアー13kがエンドレスカム面16bの小径領域を通過する際、折りブレード13fの先端側が折胴13の外周面から突出する。折りブレード13fの先端側が折胴13の外周面から突出すると、紙保持針13cによって折胴13の外周面に保持されていたシートSが、折胴13の外周面から半径方向に離隔するよう突き出される。
ここで、紙保持針駆動カム15aと折りブレード駆動カム16aとは、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの小径領域の作用による紙保持針13cのシートSの解放と、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの小径領域の作用による折りブレード13fのシートSの折胴13の外周面からの離隔とが、折胴13の略同じ回転位相において行われるよう設けられており、この回転位相において、折胴13の折りブレード13fの突出位置が、後に説明する咥え胴14の回転位相において、咥え折機構14Aの板部材14bとブロック部材14cとが接近乃至接触する位置と対向するように設けられている。したがって、前記折りブレード13fの先端側が折胴13の外周面から突出することにより、紙保持針13cから解放されたシートSの裁断長さ方向の中間部が咥え胴14の咥え機構14Aに向けて突き出され、この中間部が板部材14bとブロック部材14cとによって挟まれて咥え折機構14Aに受領されて咥え折りされ、このシートSの中間部に咥え胴14の軸と平行な折り目が形成され2つ折りされた折り丁が形成される。
折畳み装置1Aの咥え胴14は、折胴13と前記した回転方向、回転速度、回転位相の関係を維持して回転し、各回転において、咥え機構14Aの板部材14bがブロック部材14cに対し、その先端側を接近乃至接触と離隔とを繰り返す。すなわち、板部材14bが取り付けられた板支軸14aの一方端部に固定されたアーム14eの自由端側に取り付けられたカムフォロアー14dの外周面が、咥え胴14の一方側面と対向するフレームFに固定されて設けられた板部材駆動カム14fのエンドレスカム面14gに接触して回転し、アーム14eを、エンドレスカム面14gの咥え胴14の軸心14αからの隔離の変化に従って変位させ、アーム14eを介して板支軸14aを角変位させて、前記カムフォロアー14dがエンドレスカム面14gの大径領域を通過する際、板部材14bがブロック部材14cに対し、その先端側を接近乃至接触する。
ここで、板部材駆動カム14fは、エンドレスカム面14gの大径領域によって板部材14bの先端側がブロック部材44cに対し接近乃至接触するときに、この接近乃至接触位置が、咥え胴14の回転位相において、折胴13の折りブレード13fの突出位置と対向する位置から咥え胴14が更に回転して前記接近乃至接触位置が送出し機構17に十分到達する回転位相に達するまで板部材14bの先端側とブロック部材14cとの接近乃至接触状態が維持可能であるように設けられている。したがって、前記折りブレード13fの先端側が折胴13の外周面から突出し、紙保持針13cから解放されたシートSが咥え胴14の咥え機構14Aに向けて突き出されるたびに、板部材14bとブロック部材14cとによって突き出されたシートSを咥え折し、折り丁を形成して送出し機構17に引き渡す。
送出し機構17は、咥え胴14から引き渡された前記折り丁を、上方コンベヤー17aと下方コンベヤー17bに挟んで前記咥え折で形成された折り目をより強く潰しながら、下流側に搬送する。
なお、前記シートSの重ね合わせの所望の数は、1以上の整数によって予め指定設定されれば足りる。
シートSの重ね合わせの所望の数が「1」であるときは、サーボモーターリンク機構25f,25g及び26f,26gがいずれも縮退した状態、つまり、マスキングカム15c,15dが紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの凹部をマスクせず、この凹部の作用を無効にしない状態であるとともに、マスキングカム16c,16dが折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの凹部をマスクせず、この凹部の作用を無効にしない状態を維持して折畳み装置1Aを作動すれば足りる。
すなわち、紙保持針駆動カム15aのエンドレスカム面15bの小径領域の作用による紙保持針13cのシートSの解放と、折りブレード駆動カム16aのエンドレスカム面16bの小径領域の作用による折りブレード13fのシートSの折胴13の外周面からの離隔とが、折胴13の1回転ごとに行われるので、シートSは、折胴13の外周面で重ね合わされることなく咥え胴14の咥え機構14Aに受領されて咥え折され、シートSが1枚よりなる2つ折りされた折り丁が形成される。つまり、ストレート折りがなされる。
折畳み装置1Aで形成された折り丁は、折畳み装置1Aの送出し機構17によって下流側に送出される。
以上、紙端保持機構動作制御機構及び折りブレード機構動作制御機構に設けるマスキングカム駆動手段をサーボモーターで駆動するリンク機構(サーボモーターリンク機構)とする折畳み装置1Aについて図面を用いて説明した。
マスキングカムの駆動手段を、流体圧作動シリンダー(例えば、エアシリンダー)ではなくサーボモーターリンク機構とすることにより、折畳み装置に関して、駆動音の抑制、長寿命化及び反応速度の高速化を実現することができるようになる。
すなわち、駆動手段としてサーボモーターを用いることにより、シリンダーの駆動により生じる衝撃音(例えば、出力ロッドの位置決めのために設けるストッパーとシリンダーとの衝撃音)の発生を回避することができるようになる。
また、駆動手段としてサーボモーターを用いることにより、シリンダーの動作に応じて生じる振動による装置全体の破壊を防ぐための装置の強度向上の必要性を低くすることができるようになり、他の構成が同じ場合に、シリンダーを用いる場合よりも装置の長寿命化を図ることができるようになる。
また、駆動手段としてサーボモーターを用いることにより、シリンダーや直動モータ(リニアアクチュエーター)を用いる場合よりも反応速度を高めることができるようになる。
また、駆動手段としてサーボモーターを用いる場合、エンコーダだけで位置を決めることができるため、位置調整にストッパー等を要するシリンダー駆動の場合に比べてブラケット類が少なくてよいというメリットがある。
なお、上述した実施形態についての説明では特に言及していないが、例えば図5と図10では異なる形状のマスキングカム15c,15dを示しているように、各種カムの形状はそれぞれ上述した動作を実現可能であればどのようなものであってもよい。
また、上述した実施形態についての説明では特に言及していないが、本実施形態に係る折畳み装置は、折畳み装置の内部又は外部に設けられたコンピュータ(図示せず)から、各種機構を目的に応じて作動させるための動作指令を受ける。