JP5193359B2 - 回転電機の絶縁検査診断方法及び装置 - Google Patents

回転電機の絶縁検査診断方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、インパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧(検査用電圧)を用いた回転電機の絶縁検査、診断方法に関する。とりわけ試験電圧を用いたインバータ駆動回転電機の部分放電検査、診断方法に関する。
近年、省エネルギー化の観点からインバータを用いた回転電機の可変速運転が盛んに行われている。しかし、インバータを用いて回転電機を駆動した場合、回転電機の絶縁に関して様々な問題が発生する事が報告されている(例えば非特許文献1参照)。具体的には、インバータ内部のスイッチング素子がON/OFFすることで発生する急峻電圧(インバータサージ電圧)がケーブルを伝播し回転電機端に到達すると、ケーブルと回転電機のサージインピーダンスの不整合が原因となり、回転電機端でインバータサージ電圧が元の2倍の大きさまで跳ね上がることが報告されている。また、急峻なインバータサージ電圧が回転電機内部に侵入すると、回転電機の口出し側のコイルに電圧が発生することが報告されている。このため、インバータ駆動用回転電機では、インバータサージ電圧に耐えられるように回転電機を絶縁設計するとともに、製作した回転電機が所定の絶縁耐力を有するか検査する必要がある。また、製品出荷、運転開始後の定期診断の際には、インバータサージに対し絶縁劣化がどの程度進んだか診断する必要がある。
インバータ駆動回転電機の検査、診断方法の1つとして、インパルス電圧を用いた絶縁検査診断方法が知られている(例えば、非特許文献2〜4)。例えば非特許文献2では、インバータサージ電圧と同じ電圧立ち上がり時間のインパルス電圧を回転電機に印加し、所定の電圧において部分放電が発生しないか、あるいは電圧を昇圧した際に部分放電が発生し始める部分放電開始電圧を測定する。具体的には、インバータで回転電機を駆動した際に電圧立ち上がり時間が0.10μs、ピーク電圧が1200Vのインバータサージ電圧が回転電機に印加されることが想定される場合、電圧立ち上がり時間が0.10μs、ピーク電圧が1200V(×安全率)のインパルス電圧を回転電機に印加して非特許文献3の方法で部分放電を測定し、部分放電が発生しなければ合格とする。あるいは、0Vからインパルス電圧を昇圧し部分放電が開始する電圧を測定し、これがインバータサージ電圧1200V(×安全率)よりも高ければ合格とする。一方、非特許文献4では、インバータサージ電圧と同じ立ち上がり時間のインパルス電圧を回転電機に印加して回転電機コイルが絶縁破壊しないかどうか検査診断する。
電気学会技術報告第739号,p.12〜20 IEC60034−18−41 IEC61934 IEC60034−15
今回、この中の部分放電検査、診断方法を用いてインバータ駆動回転電機を検査診断した。検討対象にした回転電機では0.10μsのインバータサージ電圧が印加されることが想定されたため、0.10μsの電圧立ち上がり時間のインパルス電源を回転電機に接続し、部分放電開始電圧を計測した。計測した部分放電開始電圧は、予め回転電機の製造に使用したエナメル電線の特性と回転電機内部の電圧分布から求めた部分放電開始電圧の予測値と比較した。
しかしながら、従来の方法で測定した回転電機の部分放電開始電圧は、予測値より高かった。この原因を探るため、回転電機を接続した際のインパルス電源の出力電圧波形をチェックしたところ、インパルス電圧の立ち上がり時間が0.25μsに長くなっていた。そこで、次に電圧立ち上がり時間が0.25μsインバータサージ電圧を印加した際に巻線間に分担される電圧と、巻線に使用しているエナメル電線の部分放電開始電圧から回転電機の部分放電開始電圧の予測値を再度求め、先ほどのインパルス電圧を用いた回転電機の部分放電開始電圧と比較した。しかし、0.25μsのインバータサージ電圧を印加した際の巻線間分担電圧を用いて計算したにもかかわらず、インパルス電圧を用いた回転電機の部分放電開始電圧は予測値より高かった。
以上のように、インバータ駆動時に回転電機に印加されるインバータサージ電圧と同じ立ち上がり時間のインパルス電源を用意し、インパルス電圧を回転電機に印加して部分放電開始電圧を測定するだけでは、回転電機の部分放電特性を正しく計測できない場合があることが明らかになった。この原因については、静電容量の大きいモータ等の回転電機では、インパルス電圧の立ち上がりが鈍る、インバータサージ電圧とインパルス試験電圧の元々の電圧波形が大きく異なること等が考えられる(詳細は、実施例1において図10を用いて述べてある)。
本発明は、インパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧を用いた回転電機の絶縁検査、診断、特に部分放電検査、診断において、回転電機の絶縁特性を正しく検査、診断する方法を提供する。
本発明の目的は、以下の方法によって達成できる。すなわち、第1に、巻線内部の電圧分布を測定する端子を設けた回転電機を用意し、これにインバータサージ電圧あるいはインバータサージ電圧を模擬した電圧波形を印加し、回転電機内部の巻線間や異相間の電圧分布を測定する。第2に、回転電機の検査診断試験に用いるインパルス電圧(片極性又は両極性インパルス電圧)、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧を生じさせる試験電圧電源を用意し、電圧分布測定用の回転電機に試験電圧を印加し、回転電機内部の巻線間や異相間の電圧分布を測定する。第3に、第1で測定した回転電機内部の分担電圧と、第2で測定した回転電機内部の分担電圧の比を計算しこれを試験電圧の補正係数とし、これを検査診断装置に格納する。第4に、インパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧を用いて回転電機の絶縁特性を測定する。
すなわち、上記補正係数により、補正係数倍だけインバータサージ電圧のピーク電圧(あるいはピーク to ピーク電圧)を補正したピーク電圧(あるいはピーク to ピーク電圧)を有する試験電圧を得て、この試験電圧を印加して絶縁特性(例えば部分放電の発生の有無あるいは絶縁破壊しないかどうか)を測定する。あるいは0Vから所望の電圧までインパルス電圧等の試験電圧を昇圧して絶縁特性(部分放電開始電圧あるいは絶縁破壊電圧)を測定する。第5に、試験電圧により回転電機を検査する場合に、実際に回転電機に印加された試験電圧のピーク電圧(あるいはピーク to ピーク電圧)を第3で求めた補正係数で割り、実際のインバータサージ電圧相当のピーク電圧(あるいはピーク to ピーク電圧)に換算する。第6にインバータサージ電圧相当のピーク電圧(あるいはピーク to ピーク電圧)を、絶縁特性とともに表示装置に表示し、ユーザに製品合否を知らせる方法によって達成できる。
本発明ではインバータ駆動時の回転機内部の電圧分布とインパルス試験時の回転電機内部の電圧分布を比較し、試験電圧を補正しているのでインパルス電圧を用いた回転電機の絶縁検査、診断、特に部分放電検査、診断において、回転電機の絶縁特性を正しく検査、診断することができる。
本発明の実施例1に係わり、インバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部電圧分布計測、試験電圧補正機能を備えた回転電機部分放電検査診断装置(所定電圧で部分放電有無計測)。 本発明の実施例3に係わり、インバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部電圧分布計測を別途行い、電圧補正係数、インバータサージ電圧を手入力する回転電機部分放電検査診断装置(所定電圧で部分放電有無計測)。 本発明の実施例4に係わり、インバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部電圧分布計測は別途行い、電圧補正係数、試験電圧を手入力する回転電機部分放電検査診断装置(所定電圧で部分放電有無計測)。 本発明の実施例5に係わり、回転電機内部の電圧分布と指向性アンテナを用いた部分放電発生コイルの特定を行う機能を有する回転電機部分放電検査診断装置。 インバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部の巻線ターン間電圧分布を示すグラフ。 インバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部の異相間電圧分布を示すグラフ。 インバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部の電圧分布および換算係数を、部分放電検査診断装置201と別の計算装置により求める説明図。 従来のインパルス電圧を用いた回転電機部分放電検査診断装置。 インバータサージ電圧の電圧立ち上がり部を示す説明図。 インパルス電圧波形の電圧立ち上がり部を示す説明図 インバータサージ電圧の全体を示す説明図。 本発明の実施例2に係わり、インバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部電圧分布計測、試験電圧補正機能を備えた回転電機部分放電検査診断装置(部分放電開始電圧測定)
符号の説明
2…入力装置、4…3相課電スイッチ、5…電圧波形計測装置、6…インバータサージ電圧模擬電源(任意波形ジェネレータ)、6…電圧分布演算記録装置、7…インパルス電源。
本発明の実施形態を、以下に図面を用いて説明する。
[実施例1]
実施例1のインバータ駆動回転機の部分放電検査診断装置1を図1に示す。
部分放電検査診断装置1において、始めに電圧分布計測用の回転電機15を使い、装置の初期設定をする。すなわち、始めにユーザが入力装置2を使い回転機の機種名、回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージ電圧立ち上がり時間、ピーク電圧、パルス幅、パルス電圧繰り返し周波数などの情報50を入力する。入力装置によって入力された情報51はインバータサージ電圧模擬電源(任意波形ジェネレータ)3に伝達される。インバータサージ電圧模擬電源3の電圧波形出力の準備が整った時点でUVW三相電圧課電スイッチ4が閉じられ、電圧分布計測用の回転電機15に電圧が印加される。インバータサージ模擬電圧を印加したときの回転電機内部の電圧波形は、電圧波形計測装置5によって計測される。計測された電圧波形データ52は電圧分布演算記録装置6に送られる。電圧分布演算記録装置6内では、電圧波形52を差分演算する事で回転電機内部の巻線間や異相間に加わる電圧が求められる。また、求めた巻線間や異相間の電圧を入力したインバータサージ模擬電圧で除することで巻線間の電圧分担率α巻線間、異相間の電圧分担率α異相間に換算され、記録される。以上の測定が終わった時点でUVW三相電圧課電スイッチ4が開かれる。
次にインパルス電源7にインパルス電圧の出力指令53が出される。インパルス電源7の電圧出力準備が整った時点でUVW三相電圧切り替えスイッチ8が閉じられ、回転電機のU−V、V−W、W−U間にインパルス試験電圧が順番に印加される。インパルス試験電圧が印加されたときの回転電機内部の電圧波形は、電圧波形計測装置5によって計測される。計測された電圧波形データ58は電圧分布演算記録装置6に送られる。電圧分布演算記録装置6内では、電圧波形58を差分演算する事で回転電機内部の巻線間や異相間に加わる電圧が求められる。また、求めた巻線間や異相間の電圧を入力したインパルス試験電圧で除することで巻線間の電圧分担率β巻線間、異相間の電圧分担率β異相間に換算され、記録される。
以上のように初期設定が終了した時点で、電圧分布計測用回転電機15を、部分放電検査診断したい供試回転電機25に入れ替える。供試回転電機25の試料番号、製造日などの情報61を入力装置2で入力し、試験開始のコマンド62を発すると、電圧分布演算記録装置6は、回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージピーク電圧に、巻線間試験の際にはα巻線間/β巻線間を、異相間試験の際にはα異相間/β異相間を掛けたインパルス試験電圧を演算し、試験電圧出力指令63をインパルス電源7に出力する。インパルス試験電源の電圧出力準備が整った時点でUVW三相電圧切り替えスイッチ8が閉じられ、始めにU−V間の部分放電特性を検査、診断する。部分放電はインパルス電源7とUVW三相電圧切り替えスイッチ8の間に設置した結合コンデンサ10とその低圧側に配置した部分放電センサ11で計測される。なお、保護抵抗9は試料が絶縁破壊した際にインパルス電源7やUVW三相電圧切り替えスイッチ8に流れる過電流を抑制するため設けている。部分放電センサで計測した部分放電信号は部分放電計測器12に入力される。部分放電計測器12では、計測した部分放電の大きさ55を表示装置に送信するとともに、その際に回転電機に印加されていた実際の電圧を計測する指令54を試験電圧計測器13に出す。試験電圧計測器13は回転電機に印加された試験電圧を計測するとともに、このインパルス試験電圧波形データ57を電圧分布演算記録装置6に送信する。電圧分布演算記録装置6では、受信したインパルス試験電圧波形のピーク電圧Vpを巻線間試験の際にはα巻線間/β巻線間で割り、異相間試験の際にはα異相間/β異相間で割ることでインバータサージ電圧相当の電圧に換算する。換算して得られた試験電圧59は表示装置14に送付される。ユーザは表示装置のデータ60から、正しく電圧が試料に印加されたかどうか確認するとともに、閾値を越える大きさの部分放電が発生したかどうか確認し、閾値を越える大きさの部分放電が発生していた場合には供試回転電機25を不合格、部分放電計測信号の大きさが閾値を超えない場合には合格とする。同様の手順でV−W間、W−U間の試験も実施する。
図5および図6に、本発明の作用説明図を示す。図5にはインパルス試験電圧とインバータサージ電圧を印加したときの回転電機コイル内巻線ターン間の電圧割合を示す。インバータサージ電圧を印加したときの電圧分布α巻線間を501、インパルス試験電圧を印加した時の電圧分布β巻線間を502に示す。横軸のU、Vの記号の数字は各相の口出し側からのコイル番号を示す。インバータサージ電圧ではU1コイルに大きな電圧が分担される。インパルス電圧でも同様の傾向を示すが、インバータサージ電圧を印加した際よりも電圧が低い。このため、インバータ駆動時に回転電機に印加されるインバータサージ電圧に近いピーク値を持ち且つ同じ立ち上がり時間のインパルス電源を用意し、インパルス電圧を回転電機に単純に印加するだけでは、U1コイルに十分な電圧を印加できず回転電機を正しく検査できない。一方、本発明では、回転電機内部の電圧分布を予め計測し、試験電圧に反映しているのでインバータ駆動回転電機の絶縁特性を漏れなく検査診断できる。
すなわち、インバータサージ電圧を印加したときの回転電機巻線の電圧分布α巻線間とインパルス試験電圧を印加した時の電圧分布β巻線間の比α巻線間/β巻線間を求め、この倍率の分だけインパルス試験電圧を補正(インパルス試験電圧=インバータサージ電圧×(α巻線間/β巻線間))することで、インパルス試験時の巻線間電圧分布502を503の位置まで高め、少なくともインバータサージ電圧印加時の電圧分布501よりも高くしている。
このようにすることで、補正されたインパルス試験電圧を求めた後は、インパルス試験電圧のみでインバータ駆動回転電機内部の絶縁特性を漏れなく検査診断し、回転電機がインバータサージ電圧に耐えられるかどうか正しく評価できる。
図6に、インパルス試験電圧とインバータサージ電圧を印加したときの回転電機異相間の電圧割合を示す。インバータサージ電圧を印加したときの電圧分布α異相間を601、インパルス試験電圧を印加した時の電圧分布β異相間を602に示す。横軸のU、Vの記号の数字は各相の口出し側からのコイル番号を示す。インバータサージ電圧ではU1−V1、U1−V2、U1-V3、U1−V4間に大きな電圧が分担される。インパルス電圧でも同様の傾向を示すが、U1−V4間ではインバータサージ電圧を印加した際よりも電圧が低くなっている。このことは、インバータ駆動時に回転電機印加されるインバータサージ電圧と同じ立ち上がり時間のインパルス電源を用意し、インパルス電圧を回転電機に単純に印加するだけでは、U1コイルに十分な電圧を印加できず回転電機を正しく検査できないことを示している。
一方、本発明では、回転電機内部の電圧分布を予め計測し、試験電圧に反映しているのでインバータ駆動回転電機の絶縁特性を漏れなく検査診断できる。すなわち、インバータサージ電圧を印加したときの回転電機巻線の電圧分布α異相間とインパルス試験電圧を印加した時の電圧分布β異相間の比α異相間/β異相間を求め、この倍率の分だけインパルス試験電圧を補正(インパルス試験電圧=インバータサージ電圧×(α異相間/β異相間))することで、インパルス試験時の異相間電圧分布602を603の位置まで高め、少なくともインバータサージ電圧印加時の電圧分布601よりも高くしている。このようにすることで、補正されたインパルス試験電圧を求めた後は、インパルス試験電圧のみでインバータ駆動回転電機内部の絶縁特性を漏れなく検査診断し、回転電機がインバータサージ電圧に耐えられるかどうか正しく評価できる。
以上のインバータサージ電圧とインパルス電圧の電圧分布の違いを検討するため、図9にインバータサージ電圧波形の測定結果を、図10に実施例1のインパルス試験電圧波形の測定結果を示す。図11はインバータサージ電圧の全体を示す説明図である。
図9のインバータ電圧波形の電圧立ち上がり時間は0.1μsである。一方、実施例1で使用したインパルス電源7のインパルス電圧の立ち上がり時間は無負荷では0.1μsであるが、実際に回転電機を接続した場合には図10のように0.25μsにまで立ち上がり時間が長くなっている。
このことは、インバータ駆動時に回転電機に印加されるインバータサージ電圧と同じ立ち上がり時間のインパルス電源を用意するだけでは、必ずしもインバータサージ電圧と同じ立ち上がり時間のインパルス電圧を回転電機に印加できないことを示している。また、インバータサージ電圧波形では0.1μsで電圧が立ち上がり振動した後、一定の期間の間、直流電圧が加わった後、逆極性に電圧が急峻に立ち下がる。一方、図10のインパルス試験電圧波形では電圧が0.25μsで立ち上がった後、緩やかな減衰振動を経て電圧が0Vになっている。このことは、仮に、インバータ駆動時に回転電機に印加される電圧と同じ立ち上がり時間のインパルス電圧を回転電機に印加できたとしても、元々電圧波形が大きく異なるため、インパルス電圧でインバータ駆動時と同じ回転電機内部電圧分布を実現して絶縁検査診断できるとは限らないことを示している。
すなわち、本発明のように、インパルス電圧で回転電機の試験をする場合には、回転電機の内部電圧分布を考慮しなければならないと考えられる。また、本発明のように、回転電機の内部電圧分布を考慮すれば、回転電機をインバータ駆動した際に回転電機に印加されるインバータサージ電圧と立ち上がり時間が同じインパルス電圧を必ずしも使用しなくても良いと考えられる。さらに、インパルス電圧波形でなくても、高周波正弦波、高周波減衰振動波(バースト波)、矩形波など様々な波形を使用することができると考えられる。また、極性も片極性、両極性のいずれも使用することができると考えられる。
[実施例2]
実施例2のインバータ駆動回転機の部分放電検査診断装置121を図12に示す。
先の実施例1では、回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージ電圧において、閾値を越える部分放電が発生するかどうかを検査診断した。実施例2の装置構成は実施例1とほぼ同じであるが、実施例2は回転電機の部分放電開始電圧を測定する。始めに実施例1と同様に電圧分布計測用の回転電機1215を使い、装置の初期設定をする。すなわち、始めにユーザが入力装置122を使い回転機の機種名、回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージ電圧立ち上がり時間、ピーク電圧、パルス幅、パルス電圧繰り返し周波数などの情報1250を入力する。入力装置によって入力された情報1251はインバータサージ電圧模擬電源(任意波形ジェネレータ)123に伝達される。インバータサージ電圧模擬電源123の電圧波形出力の準備が整った時点でUVW三相電圧課電スイッチ124が閉じられ、電圧分布計測用の回転電機1215に電圧が印加される。インバータ模擬電圧を印加したときの回転電機内部の電圧波形は、電圧波形計測装置125によって計測される。計測された電圧波形データ1252は電圧分布演算記録装置126に送られる。電圧分布演算記録装置126内では、電圧波形1252を差分演算する事で回転電機内部の巻線間や異相間に加わる電圧が求められる。また、求めた巻線間や異相間の電圧を入力したインバータサージ模擬電圧で除することで巻線間の電圧分担率α巻線間、異相間の電圧分担率α異相間に換算され、記録される。以上の測定が終わった時点でUVW三相電圧課電スイッチ124が開かれる。
次にインパルス電源127にインパルス電圧の出力指令1253が出される。インパルス電源127の電圧出力準備が整った時点でUVW三相電圧切り替えスイッチ128が閉じられ、回転電機のU−V、V−W、W−U間にインパルス試験電圧が順番に印加される。インパルス試験電圧が印加されたときの回転電機内部の電圧波形は、電圧波形計測装置125によって計測される。計測された電圧波形データ1258は電圧分布演算記録装置126に送られる。電圧分布演算記録装置126内では、電圧波形1258を差分演算する事で回転電機内部の巻線間や異相間に加わる電圧が求められる。また、求めた巻線間や異相間の電圧を入力したインパルス試験電圧で除することで巻線間の電圧分担率β巻線間、異相間の電圧分担率β異相間に換算され、記録される。
以上のように初期設定が終了した時点で、電圧分布計測用回転電機1215を、部分放電検査診断(ここでは、部分放電開始電圧診断)したい供試回転電機1225に入れ替える。供試回転電機1225の試料番号、製造日などの情報1261を入力装置122で入力し、試験開始のコマンドを発すると、インパルス電源7にインパルス電圧の出力指令62が出される。インパルス電源7の電圧出力準備が整った時点でUVW三相電圧切り替えスイッチ128が閉じられ、始めにU−V間の部分放電特性を検査、診断する。部分放電はインパルス電源127とUVW三相電圧切り替えスイッチ128の間に設置した結合コンデンサ1210とその低圧側に配置した部分放電センサで計測される。なお、保護抵抗129は試料が絶縁破壊した際にインパルス電源127やUVW三相電圧切り替えスイッチ128に流れる過電流を抑制するため設けている。部分放電センサで計測した部分放電信号は部分放電計測器1212に入力される。部分放電計測器1212では、所定の大きさの部分放電信号よりも大きな部分放電信号が計測されていない場合には、試験電圧計測器1213に電圧昇圧指令1254を出す。試験電圧計測器1213は現在の試験電圧を計測するとともに、所定の増加分の試験電圧を計算し、インパルス電源127に電圧出力指令1255を出す。インパルス電源127は、昇圧した試験電圧を回転電機1225に印加し、部分放電が発生するまで同様の電圧昇圧工程を繰り返す。
部分放電が試料で発生したことを部分放電センサ1211および部分放電計測器1212で検出すると、部分放電計測器1212は試験電圧計測器1213に現在のインパルス試験電圧の記録と試験電圧の降圧指令1256を出す。試験電圧記録装置1213は回転電機に実際に印加されたインパルス試験電圧を記録し、このインパルス試験電圧波形データ1257を電圧分布演算記録装置126に送信する。電圧分布演算記録装置126では、受信したインパルス試験電圧波形のピーク電圧Vpを巻線間試験の際にはα巻線間/β巻線間で割り、異相間試験の際にはα異相間/β異相間で割ることでインバータサージ電圧相当の電圧に換算する。換算して得られた部分放電開始電圧1259は表示装置1214に送付される。ユーザは表示装置の部分放電開始電圧1260と回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージ電圧を比較し、部分放電開始電圧1260が回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージ電圧よりも高い場合には供試回転電機25を合格、低い場合には不合格にする。同様の手順でV-W間、W-U間の試験も実施する。
実施例2では回転電機の部分放電開始電圧を測定するため、回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージ電圧に対し、どの程度部分放電開始電圧に余裕があるのか計測することができる。また、製品毎の部分放電開始電圧特性のばらつきが計測できるので、これを把握する事で製品製造バラツキを定量化し、製品の品質管理をすることができる。
[実施例3]
実施例3のインバータ駆動回転機の部分放電検査診断装置201を図2に示す。
実施例3では、実施例1、2と異なり、インバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部の電圧分布および換算係数が、部分放電検査診断装置201と別の計算装置により求められ、それが部分検査診断装置201に入力される。かような別の計算装置により求める具体的な手法は、図7に示す。
図7において、始めに電圧分布計測用の回転電機703に、回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージ電圧立ち上がり時間、ピーク電圧、パルス幅、パルス電圧繰り返し周波数を模擬したインバータサージ電圧模擬電源701の電圧を印加する。また、この際の回転電機内部の電圧波形を電圧波形計測装置704で計測する。次に、電圧分布計測用の回転電機703にインパルス電源702を使ってインパルス電圧を印加する。また、この際の回転電機内部の電圧波形を電圧波形計測装置704で計測する。得られたデータは、図5および図6に示すように入力電圧に対する巻線間、異相間電圧に換算する。回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージ電圧で計測した電圧分担率α巻線間、α異相間とインパルス電圧で試験した際の電圧分担率β巻線間、β異相間の比を計算し、これを試験電圧補正係数α巻線間/β巻線間、α異相間/β異相間とする。
以上のようにして得られた試験電圧補正係数や、回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージ電圧などの情報250を、図2に示すように、入力装置202によって部分放電検査診断装置201に入力する。入力されたデータ251は電圧分布演算記録装置206に送信される。
電圧分布演算記録装置206では、回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージピーク電圧に、試験電圧補正係数を掛けたインパルス試験電圧を演算し、試験電圧出力指令252をインパルス電源207に出力する。インパルス試験電源の電圧出力準備が整った時点でUVW三相電圧切り替えスイッチ208が閉じられ、始めにU−V間の部分放電特性を検査、診断する。部分放電はインパルス電源207とUVW三相電圧切り替えスイッチ208の間に設置した部分放電センサ211で計測される。なお、実施例3では部分放電計測センサを高電圧ラインに設置しているが、このラインを流れる電流を検出することでも部分放電を計測することができる。部分放電センサ211で計測した部分放電信号は部分放電計測器212に入力される。
部分放電計測器212では、計測した部分放電の大きさ253を表示装置に送信するとともに、その際に回転電機に印加されていた実際の電圧を計測する指令254を試験電圧計測器213に出す。試験電圧計測器213は回転電機に印加された試験電圧を計測するとともに、このインパルス試験電圧波形データ256を電圧分布演算記録装置206に送信する。電圧分布演算記録装置206では、受信したインパルス試験電圧波形のピーク電圧Vpを巻線間試験の際にはα巻線間/β巻線間で割り、異相間試験の際にはα異相間/β異相間で割ることでインバータサージ電圧相当の電圧に換算する。換算して得られた試験電圧257は表示装置214に送付される。ユーザは表示装置のデータ258から、正しく電圧が試料に印加されたかどうか確認するとともに、閾値を越える大きさの部分放電が発生したかどうか確認し、閾値を越える大きさの部分放電が発生していた場合には供試回転電機225を不合格、部分放電計測信号の大きさが閾値を超えない場合には合格とする。同様の手順でV−W間、W−U間の試験も実施する。
[実施例4]
実施例4のインバータ駆動回転機の部分放電検査診断装置301を図3に示す。
実施例4では、実施例3と同様に、図7の方法でインバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部の電圧分布および換算係数を求める。ただし、実施例4では予めユーザが補正係数でインパルス試験電圧を補正演算し、補正係数とともに入力データ350として入力装置302を用いて部分放電検査診断装置301に入力する。
入力されたデータ351は電圧分布演算記録装置306に送信される。電圧分布演算記録装置306は予めユーザが補正演算したインパルス試験電圧電圧出力指令352をインパルス電源307に出力する。インパルス試験電源の電圧出力準備が整った時点でUVW三相電圧切り替えスイッチ308が閉じられ、始めにU−V間の部分放電特性を検査、診断する。部分放電はUVW三相電圧切り替えスイッチ308と供試回転電機325間に設置した結合コンデンサ321、331、341および部分放電センサ322、332、342で計測される。なお、実施例4では部分放電計測センサを各相に設けたが、このように回転電機端子に近い位置に部分放電センサを設けることで部分放電を高感度に計測することができる。部分放電計測器312では、計測した部分放電の大きさ353を表示装置に送信するとともに、その際に回転電機に印加されていた実際の電圧を計測する指令354を試験電圧計測器313に出す。試験電圧計測器313は回転電機に印加された試験電圧を計測するとともに、このインパルス試験電圧波形データ356を電圧分布演算記録装置306に送信する。
電圧分布演算記録装置306では、受信したインパルス試験電圧波形のピーク電圧Vpを巻線間試験の際にはα巻線間/β巻線間で割り、異相間試験の際にはα異相間/β異相間で割ることでインバータサージ電圧相当の電圧に換算する。換算して得られた試験電圧357は表示装置314に送付される。ユーザは表示装置のデータ358から、正しく電圧が試料に印加されたかどうか確認するとともに、閾値を越える大きさの部分放電が発生したかどうか確認し、閾値を越える大きさの部分放電が発生していた場合には供試回転電機325を不合格、部分放電計測信号の大きさが閾値を超えない場合には合格とする。同様の手順でV−W間、W−U間の試験も実施する。
[実施例5]
実施例5のインバータ駆動回転機の部分放電検査診断装置401を図4に示す。
実施例5では、実施例3、4と同様に、図7の方法でインバータサージ電圧およびインパルス電圧を印加したときの回転電機内部の電圧分布および換算係数を求める。
また、実施例5では実施例4と同様に予めユーザが補正係数でインパルス試験電圧を補正演算し、補正係数とともに入力データ450として入力装置402を用いて部分放電検査診断装置401に入力する。入力されたデータ451は電圧分布演算記録装置406に送信される。電圧分布演算記録装置406は予めユーザが補正演算したインパルス試験電圧電圧出力指令452をインパルス電源407に出力する。インパルス試験電源の電圧出力準備が整った時点でUVW三相電圧切り替えスイッチ408が閉じられ、始めにU−V間の部分放電特性を検査、診断する。部分放電は供試回転電機425の周囲に設置した部分放電センサ433、434、435で計測される。
なお、実施例5では部分放電計測センサを回転電機の周囲に設けたが、このように回転電機に近い位置に部分放電センサを設けることで部分放電の高感度測定ができるとともに、指向性のあるセンサ、アンテナを使った場合には、予め測定しておいた電圧分布と併せて電圧分布が厳しいコイル付近にセンサを配置あるいは近辺でアンテナを可動させることで部分放電の発生源(コイル)を特定することができる。
部分放電計測器412では、計測した部分放電の大きさ453を表示装置に送信するとともに、その際に回転電機に印加されていた実際の電圧を計測する指令454を試験電圧計測器413に出す。試験電圧計測器413は回転電機に印加された試験電圧を計測するとともに、このインパルス試験電圧波形データ456を電圧分布演算記録装置406に送信する。
電圧分布演算記録装置406では、受信したインパルス試験電圧波形のピーク電圧Vpを巻線間試験の際にはα巻線間/β巻線間で割り、異相間試験の際にはα異相間/β異相間で割る事でインバータサージ電圧相当の電圧に換算する。換算して得られた試験電圧457は表示装置414に送付される。ユーザは表示装置のデータ458から、正しく電圧が試料に印加されたかどうか確認するとともに、閾値を越える大きさの部分放電が発生したかどうか確認し、閾値を越える大きさの部分放電が発生していた場合には供試回転電機325を不合格、部分放電計測信号の大きさが閾値を超えない場合には合格とする。同様の手順でV−W間、W−U間の試験も実施する。
[比較例1]
従来のインバータ駆動回転機の部分放電検査診断装置801を図8に示す。
従来の部分放電検査診断801では、回転電機をインバータ駆動した際に予測されるインバータサージピーク電圧を入力データ850として入力装置802を用いて部分放電検査診断装置801に入力する。入力したデータ851は指令値としてインパルス電源807に伝達される。部分放電はインパルス電源807と供試回転電機815の間に設置した結合コンデンサ810とその低圧側に配置した部分放電センサ811で計測される。
なお、保護抵抗809は試料が絶縁破壊した際にインパルス電源807に流れる過電流を抑制するため設けている。部分放電計測器812では、計測した部分放電の大きさ854を表示装置に送信するとともに、その際に回転電機に印加されていた実際の電圧を計測する指令855を試験電圧計測器813に出す。試験電圧計測器813は回転電機に印加された試験電圧を計測するとともに、これを表示装置814に直接送付する。ユーザは表示装置のデータ860から、試料にインパルス電圧が印加されたかどうか確認するとともに、閾値を越える大きさの部分放電が発生したかどうか確認し、閾値を越える大きさの部分放電が発生していた場合には供試回転電機815を不合格、部分放電計測信号の大きさが閾値を超えない場合には合格とする。同様の手順でV−W間、W−U間の試験も実施する。従来の方式では、ユーザは供試回転電機に正しく電圧が加わったことだけしか判らず、回転電機内部にどのような電圧が印加できたか把握できない。このため、例えば表示装置のデータ860で閾値を超える大きさの部分放電が発生していないとしても、供試回転電機815が正しく検査診断できたかどうか、また、実際にインバータ駆動した際に問題が発生しないか判別することができない。

Claims (10)

  1. インバータサージ電圧における回転電機内部の分担電圧と、インパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる回転電機検査用の試験電圧における回転電機内部の分担電圧との比を計算し、この分担電圧の比を前記試験電圧の補正に用いたことを特徴とする回転電機の絶縁検査診断方法。
  2. 巻線内部の電圧分布を測定する端子を設けた電圧分布測定用の回転電機を用意し、これにインバータサージ電圧あるいはインバータサージ電圧を模擬した電圧波形を印加して回転電機内部の巻線間や異相間の電圧分布を測定するとともに、回転電機の検査診断試験に用いる検査用電源を用意し、前記電圧分布測定用の回転電機に前記検査用電源で作成したインパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧を印加して回転電機内部の巻線間や異相間の電圧分布を測定し、これらの電圧分布測定値を比較して前記試験電圧の補正係数を求めることを特徴とする回転電機の絶縁検査診断方法。
  3. インバータサージ電圧における回転電機内部の分担電圧と、インパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧における回転電機内部の分担電圧との比から試験電圧補正係数を求め、この試験電圧補正係数を用いて前記試験電圧の大きさを補正し、この補正された試験電圧を用いてインバータ駆動回転電機の絶縁特性を示す耐電圧特性、部分放電の有無の少なくとも一つを検査診断することを特徴とする回転電機の絶縁検査診断方法。
  4. 回転電機にインパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧を印加した時の該試験電圧に対する前記回転電機の絶縁特性を、インバータサージ電圧における絶縁特性に換算あるいは逆換算することを特徴とする回転電機の絶縁検査診断方法。
  5. 回転電機にインパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧を印加した時の該試験電圧に対する回転電機の絶縁特性を求め、この絶縁特性を、インバータサージ電圧における回転電機内部の分担電圧と、前記試験電圧における回転電機内部の分担電圧との比から求めた試験電圧補正係数で換算し、回転電機の耐インバータサージ電圧の指標となる部分放電開始電圧、絶縁破壊電圧の少なくとも一つを求めることを特徴とする回転電機の絶縁検査診断方法。
  6. 回転電機に印加されるインバータサージ電圧を模擬するための任意波形発生器と、回転電機検査用のインパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧を発生する試験電圧発生器と、を備えたことを特徴とする回転電機の絶縁検査診断装置。
  7. 回転電機に印加されるインバータサージ電圧を模擬するための任意波形発生器と、
    回転電機の検査用のインパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧を発生する試験電圧発生器と、
    インバータサージ電圧における回転電機内部の分担電圧と前記試験電圧における回転電機内部の分担電圧との比あるいは換算係数の少なくとも1つを記憶させた記憶手段と、
    を備えたことを特徴とする回転電機の絶縁検査診断装置。
  8. インバータサージ電圧における回転電機内部の分担電圧とインパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧における回転電機内部の分担電圧あるいは、これらの分担電圧の比から求めた試験電圧補正係数の少なくとも1つを入力する構成としたことを特徴とした回転電機の絶縁検査診断装置。
  9. インバータサージ電圧における回転電機内部の分担電圧とインパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧における回転電機内部の分担電圧の比と、前記試験電圧における回転電機内部の電圧分布と、部分放電の電磁波を計測するアンテナとを用いて、回転電機の絶縁特性不良箇所と当該箇所の絶縁特性を検査診断することを特徴とする回転電機の絶縁検査診断方法。
  10. インバータサージ電圧における回転電機内部の分担電圧を求める手段と、
    インパルス電圧、矩形波電圧、高周波正弦波電圧及び高周波減衰振動波電圧のいずれか一つからなる試験電圧における回転電機内部の分担電圧を求める手段と、
    前記試験電圧における回転電機内部の電圧分布を求める手段と、
    部分放電の電磁波を計測するアンテナと、
    前記分担電圧の比と、前記試験電圧における回転電機内部の電圧分布と、前記アンテナにより計測された部分放電の電磁波とを用いて、回転電機の絶縁特性不良箇所と当該箇所の絶縁特性を検査診断する手段と、
    を備えたことを特徴とする回転電機の絶縁検査診断装置。
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