JP5192448B2 - 熱交換器用溝付きベースプレートの製造方法および熱交換器用溝付きベースプレート - Google Patents

熱交換器用溝付きベースプレートの製造方法および熱交換器用溝付きベースプレート Download PDF

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Description

この発明は、CPU、集積回路、半導体素子等の各種電子部品、電子機器、そのほか各種電気機器などの放熱のために使用される熱交換器の製造方法に関するものであり、特に放熱効率に優れ、少ない部品点数で製作が簡単な熱交換器におけるベースプレート表面に、放熱フィン等の板状部材の縁部を挿入するための溝を形成する方法に関するものである。
よく知られているように、CPUや集積回路、半導体素子などの電子部品、電子機器や各種電気機器においては、放熱のために熱交換器を設けることが多い。この種の熱交換器の従来の代表的な例を図8に示す。
図8において、CPUや集積回路、半導体素子等の発熱源が熱的に接続されるベースプレート1は、アルミニウムや銅、あるいはそれらの合金等の熱伝導率が高い金属からなるものであり、そのベースプレート1上には、同様に熱伝導率が高い金属からなる長板状の複数の放熱フィン2が平行に立設されて、全体として熱交換器3が構成されている。なおこのような熱交換器の製作方法としては、押出しによりベースプレート1と放熱フィン2とを一体に形成する方法がコスト面から有利となるため、従来から広く適用されており、またベースプレートと放熱フィンとを別々に製造し、それらを接合することによって製造する方法も適用されている。
上述のような図8に示す従来の一般的な熱交換器を実際に使用するにあたっては、冷却用流体として例えば空気を、図8中の矢印Pで示すように一方の端部からベースプレート1の上面に沿いかつその長手方向(板状放熱フィン2の板面に沿う方向)に沿う方向に吹付け、隣り合う放熱フィン2同士の間に空気を流し、これにより発熱部品からベースプレート1を介して板状放熱フィン2に伝達された熱を大気中に放熱させる。
ところでこのような従来の一般的な熱交換器においては、板状放熱フィンの長さ(冷却用空気の風上側から風下側へ向かう方向の長さ)が長かったり、また隣り合う板状放熱フィンの相互間の間隔が小さければ、放熱フィンにおける風上側の部分の表面には冷たい空気が接するものの、放熱フィンの風下側の部分に接する空気は、既に温度上昇してしまっている状態となり、そのため全体として充分な放熱効果が得られないばかりでなく、特にベースプレートにおける放熱フィンの風下側の部分付近に近接して熱的に接続された発熱部品の放熱が充分に行われない、という問題がある。
ここで、放熱フィンの相互間の間隔を大きくし、また冷却効率の向上を期待して多量の冷却用空気を高速で流すことも考えられるが、この場合には、隣り合う放熱フィンの間の中央部分を高速で空気が通り抜けるようになるだけであって、熱交換は充分に行なわれない。
このように従来の一般的な図8に示す熱交換器では、充分な放熱効果が得られず、特に縦深に配置した複数の発熱部品を冷却する場合、とりわけ風下側の発熱部品を効果的に冷却することができなかったのである。
このような問題を解決するために、既に特許文献1に示すような熱交換器が提案されている。この特許文献1に示される熱交換器は、基本的には、多数配設された板状放熱フィンの間を流れる冷却用空気の流速を下げて、温度境界層(すなわち冷却空気流がフィンの間を通過する際に、放熱フィンの表面に接して流れて熱が伝わることにより温度上昇する空気流の部分と、放熱フィンの熱の影響を受けない放熱フィンの表面から離れた空気流の部分とに形成される境界)が重なり合うようにすることによって、熱交換器の板状放熱フィンの表面の温度を、平均的に風下側(熱交換器出口側)の温度に近くなるようにすることができる、という考え方に基いてなされたものである。
このような特許文献1に示される熱交換器の構造のいくつかの例のうち、代表的な例を図9に示す。図9に示す例では、少なくとも一つの発熱部品が熱的に接続されるベースプレート1上に並列状に配置された複数の板状放熱フィン2(図9の例では斜め方向に配列された6枚の板状放熱フィン2)によって一つのフィン部4が形成され、そのフィン部4の複数のもの(図9の例では6組のフィン部4)が、交互に逆V字形状、V字形状をなすように斜行して配列されて、これらが全体としてフィン群を構成しており、さらに各フィン部4の間に冷却用空気を送り込む入口部5と、各フィン部4の間から冷却用空気を排出する排出部8とを有していて、全体として熱交換器3が構成されている。なお図9の例でも、各板状放熱フィン2はベースプレート1に熱的に接続されていることはもちろんである。
上述のような特許文献1の発明によれば、同一包絡体積で冷却能力が高く、風上風下方向で概ね温度差を生じることなく(すなわち風下でもフィンに冷たい空気が接する)放熱効率に優れた熱交換器を得ることができる。特に放熱フィンが配置されるベースプレートが長い熱交換器の場合、放熱効率が顕著に優れている熱交換器が得られる。
但し、特許文献1で提案されている熱交換器、例えば図9に示されている熱交換器は、図9に示される従来の一般的な熱交換器と比較して、極めて多くの板状放熱フィン2を密に配置する必要があり、そのため放熱フィン2をベースプレート1と一体的に製造することは困難である。したがって板状放熱フィン2とベースプレート1とは、別個に製造する必要があるが、その場合作製する放熱フィンの個数が多くなり、部品製造コストが著しく高くなるという問題がある。また、板状放熱フィン2をベースプレート1に熱的に緊密に接合するために、ロウ付けやハンダ付けなどの方法を用いた場合でも、ベースプレート1上に多数の放熱フィン2を並べる作業が必要であるため、フィンの個数が多ければ並べる作業に手間がかかり、作業コストが高くなるという問題もある。
そこで本発明者等は、特許文献1で提案されている熱交換器と同等の優れた熱交換効率を有していて、冷却用流体の風下側でも充分な放熱効果を発揮し得る熱交換器を、特許文献1で提案されている熱交換器よりも格段に少ない部品点数でかつ簡単に製造し得る熱交換器を、特願2008−290656号(以下「先行出願」と記す)において既に提案している。
この先行出願の熱交換器は、基本的には、放熱フィンとして、金属板の板面の両面側もしくは片面側からその板面を傾斜状に切起してなるルーバー切起しを、並列状に多数形成して、隣り合うルーバー切起しの間の空隙を、それぞれ冷却用通路としたもの(以下「ルーバー切起し放熱フィン」と記す)を用いるようにしている。このような先行出願の熱交換器の一例、特に特許文献1による図9の例に対応する例を、図1に示す。
図1において、ベースプレート1上には、複数(図1の例では6個)のルーバー切起し放熱フィン10−1、10−2が、隣り合うもの同士が交互に逆V字形状、V字形状をなす如く、交互に斜行してかつ一端側が相互に連結されて立設されている。各ルーバー切起し放熱フィン10−1、10−2は、それぞれ前述のように金属板の板面に複数のルーバー切起し12を形成してなるものであって、各ルーバー切起し12の間の空隙が冷却用流体通路14となっている。なお図1において手前左側が冷却用流体の流れ込む入口部5、後方右側が冷却用流体が流出する排出部8となっている。
このような図1に示される先行出願による熱交換器においては、各ルーバー切起し放熱フィン10−1、10−2に複数の冷却用流体通路14が形成されているから、各ルーバー切起し放熱フィン10−1、10−2のそれぞれが図9に示す特許文献1の熱交換器における一つのフィン部4、すなわち複数枚の板状フィン2(図9の例では斜め方向に配列された6枚の板状フィン2)に対応することになる。したがって上記先行出願の熱交換器によれば、特許文献1に示される熱交換器と比較して、格段に少ない部品点数で構成することができ、そのため部品製造コストが低減され、同時に熱交換器組立作業の能率化を図ることが可能となる。
また、同じく前記先行出願において示されている熱交換器の別の例を図2に示す。
図2において、ルーバー切起し放熱フィン10は、図1に示される熱交換器のルーバー切起し放熱フィン10−1、10−2と同様なものであるが、この場合はベースプレート1上に複数(図2の例では3個)のルーバー切起し放熱フィン10が相互に平行となるように立設されており、かつ各ルーバー切起し放熱フィン10に対して斜行するように複数枚の板材16が立設されている。そしてそれぞれ隣り合う一つのルーバー切起し放熱フィン10と板材16同士は、その端部が連結されてV字形状をなすように配列されている。ここで板材16は、冷却用流体の流れを誘導あるいは遮断するためのものであり、仕切板あるいは邪魔板、隔壁板とも称される。
ところで特許文献1に示される熱交換器(例えば図9)や、先行出願に示される熱交換器(例えば図1あるいは図2)を組立てるにあたっては、放熱フィンをベースプレートに対して熱的に接触した状態で立設する必要がある。また場合によっては、図2に示されているように放熱フィン以外の前述のような板材、たとえば邪魔板や仕切板等もベースプレート上に立設する必要が生じることもある。
このような放熱フィン等の板状の部材(以下、放熱フィンと、図2に示されているような板材とを含めて、「板状部材」と記す)をベースプレート上の所要の位置に立設するための具体的手段としては、ロウ付け、半田付け、機械的カシメ、その他の適宜の手段を用いることができるが、その場合、ベースプレート表面に予め溝を形成しておき、放熱フィン等の板状部材の縁部を挿入するようにすれば、放熱フィン等の板状部材の位置決めが容易となるばかりでなく、これらの板状部材を確実に固定することが可能となる。
熱交換器のベースプレートに溝を形成するための方法としては、
A:ベースプレートの板表面に溝を切削加工によって形成する方法、
B:ベースプレートの製造時に、ダイカストによって溝を形成しておく方法、
C:ベースプレートの板に鍛造加工によって凹溝を形成する方法、
D:ベースプレート製造時において押出によって溝を形成しておく方法(例えば特許文献2参照)、
などが考えられる。
特開2008−205421号公報 特開平08−181259号公報
ベースプレート表面に溝を形成するための方法としては前述のA〜Dなどがあるが、しかしながら実際上は、先行出願で提案している図1または図2に示すような部材配列の場合には、以下に説明する通り、A〜Dのいずれもがそれぞれ問題点を有している。すなわち図1、図2に示すような部材配列では、放熱フィン等の各板状部材の端部が極めて近接されて配置されたり、またお互いに平行ではない状態で配列されたりするため、ベースプレート上の溝も、その一端を互いに近接させたり、あるいは非平行に形成しなければならず、そのため特有の問題が生じているのである。
ここで、前述の各溝形成方法A〜Dについて詳細に検討すれば、先ずAの切削加工による方法では、比較的単純な溝配列であっても、他の方法と比べて加工時間が長くならざるを得ず、それに伴なって高コスト化を招き、さらに量産する場合には多くの加工機が必要となって設備コストも高くならざるを得ない問題がある。
またBのベースプレート製造時のダイカストにより溝を形成する方法では、そのダイカスト用材料となる鋳物合金は一般に熱伝導率が低く、熱交換器のベースプレート材料としては不適当とならざるを得ず、さらにはロウ付けが困難であり、またダイカスト用金型が高価でしかも寸法精度が悪い、さらに巣などの材料欠陥が生じやすいなどの問題もある。
次にCのベースプレート用板材に対して鍛造によって溝を形成する方法では、特に図8あるいは図1、図2に示す熱交換器の如く、放熱フィン等の板状部材端部が近接して配置されたりする場合には次のような問題があった。すなわちこの場合にはベースプレート表面の複数の溝も、相互に接近あるいはある角度で突き合せた形状に形成する必要があるが、鍛造では、上述のような接近した箇所付近や、溝同士をある角度で突き合せた箇所付近では歪が生じて、溝の肩部において材料がだれ、元板表面よりも低い凹状の部分が生じてしまい、充分な平面度を得ることができない問題がある。この点について、本発明者が検証したところ、次のような事実が判明している。
すなわち、図1に示すような熱交換器を製造するべく、図10の(A)に示すようにベースプレートを模した板材18の表面に2本の直線状の溝20がV字形状に形成されるように鍛造加工を行ない、形成された溝20付近の形状測定を行ったところ、溝20付近の断面形状は、図10の(B)、(C)に示すようになっていることが判明した。具体的には、一本の溝20の全長は220mm、深さは2.2mmであるが、V字状に接近した端部付近では、端部から約30mmの範囲内で、最大高低差0.7mm程度の「だれ」(凹状部分)が発生していることが判明した。
このように鍛造によって溝を形成して、その一部でだれが発生した場合、だれの生じた部分では放熱フィンがベースプレートに密着しないことになり、がたつきが発生して放熱フィンの位置が安定しなかったり、また放熱フィン等の板状部材のロウ付け時において溶融ロウが接合部全体に充分に回らなかったりする状況が発生し、その結果、放熱フィン等の板状部材をベースプレートに確実かつ充分に接合することが困難となって、高い熱交換効率を得ることができなくなる事態が生じてしまう。したがって図1あるいは図2に示すような配列の熱交換器のベースプレートに、鍛造加工のみによって溝を形成することは、不適当と言わざるを得なかったのである。
一方、ベースプレート製造時に押出によって溝を形成するDの方法は、特許文献2に示されるように従来から実用化されている。しかしながら、押出により溝を形成する場合、材料の押出方向に沿った一定方向の溝しか形成できないため、図1や図2に示すように放熱フィン等の複数の板状部材をベースプレート上に非平行に配置するべく、ベースプレート表面に複数の溝を非平行に形成する場合には適用できなかったのである。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、先行出願において提案している例えば図1あるいは図2に示すような、放熱フィン等の複数の板状部材をベースプレート状に非平行に配置したりあるいは互いに接近して配置したりした熱交換器に使用するために好適なベースプレートとして、前述のような問題を招くことなく、確実かつ容易に複数の溝を形成し得る方法を提供することを課題とするものである。
本発明者等が前述の課題を解決するための方法を見出すべく実験・検討を重ねた結果、押出と鍛造とを併用することにより前述の課題を解決し得ることを見出し、この発明をなすに至った。
具体的には、請求項1の発明の熱交換器用溝付きベースプレートの製造方法は、発熱部品が熱的に接続されるベースプレート上に、冷却用流体への伝熱を行なうための放熱フィンを含む複数の板状部材が立設されてなる熱交換器に使用されるベースプレートの製造方法であって、かつ前記各板状部材の縁部を挿入するための複数の溝が形成された溝付きベースプレートを製造する方法において、押出加工によって表面に1または平行な2以上の溝を有するベースプレートを製造し、
その後、その押出加工により形成された溝の方向とは異なる方向の1または2以上の溝を、鍛造加工によってベースプレート表面に形成することを特徴とするものである。
さらに請求項2の発明は、請求項1に記載の熱交換器用溝付きベースプレートの製造方法において、前記複数の板状部材として、放熱フィンのほか、冷却用流体を放熱フィンに導くための1または2以上の板材を含むことを特徴とするものである。
そしてまた請求項3では、請求項1もしくは請求項2に記載の方法により製造された熱交換器用溝付きベースプレートを規定している。
この発明の熱交換器用溝付きベースプレートの製造方法によれば、放熱フィンを含む複数の板状部材の縁部を挿入するための複数の溝をベースプレート表面に形成するにあたって、押出加工によりいくつかの溝を形成した後、鍛造加工によって他のいくつかの溝を形成するため、押出加工単独では形成できない任意の溝配置を実現することができ、とりわけ平行でない複数の溝を実際に形成することができる。また形成すべき複数の溝同士が近接している場合でも、鍛造加工単独の場合のような溝縁部のだれの発生、凹みの発生も回避することができるため、形状精度を向上させることができ、そのため放熱フィンを含む板状部材とベースプレートとの間の機械的結合を確実になし得るだけではなく、その間の熱的接続も確実化して、その間の伝熱抵抗を小さくし、熱交換器としての熱交換性能(放熱性能)を向上させることができる。そのほか、押出加工および鍛造加工による溝形成は、切削加工により溝を形成する場合と比較して低コストで行なうことができ、そのため格別のコスト上昇とはならない利点もある。
図1は、この発明の方法により製造されたベースプレートを適用する対象となる熱交換器の一例(先行出願に示される熱交換器の一例)を示す模式的な斜視図である。 図2は、この発明の方法により製造されたベースプレートを適用する対象となる熱交換器の他の例(先行出願に示される熱交換器の他の例)を示す模式的な斜視図である。 図3は、この発明の方法によりベースプレート表面に溝を形成する際の状況の一例を示す模式的な平面図である。 図4は、図3に示すベースプレートを得るための押出加工の状態の一例を示す模式的な平面図である。 図5は、この発明の方法により得られたベースプレートに組合されるルーバー切起し放熱フィンの一例を模式的に示す斜視図である。 図6は、図5に示されるルーバー切起し放熱フィンの縁部をベースプレート表面の溝に挿入して接合する状況を段階的に示す模式的な断面図である。 図7は、この発明の方法を実施する過程において、鍛造加工を行なう状況の一例を示す模式的な断面図である。 図8は、従来の一般的な熱交換器を示す模式的な斜視図である。 図9は、従来の特許文献1に示される熱交換器の一例を示す斜視図である。 図10は、鍛造加工によってベースプレート表面に近接して溝を形成した場合の溝肩部のだれ発生状況を模式的に示す図であり、そのうち(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(B)の部分Bの拡大断面図である。
この発明の溝付きベースプレート製造方法を実施するにあたっては、アルミニウム、銅、あるいはそれらの合金などの熱伝導性の良好な金属からなる棒材、角材、厚板材、その他の任意の形状のベースプレート用材料を用意しておき、そのベースプレート用材料に押出加工を施して、押出材を得る。そしてこの押出加工の際には、押出ダイスの一部もしくは複数の部分に、形成すべき1または2以上の溝形状に対応する凸部を形成しておくことによって、押出加工により表面に1または2以上の溝を有するベースプレート(またはベースプレート素材)を得ることできる。
ここで、上述のような押出加工による溝は押出方向に沿った一定方向に限られ、したがって複数の溝を形成する場合でも、平行な溝に限られる。しかるにこの発明の方法の場合は、上述のように押出加工によって、最終的に形成すべき複数の溝のうちの一部(1または2以上)の溝を平行に形成した後、改めて鍛造加工を施して、残りの1または2以上の溝を形成するため、最終的に得られる溝は、一定方向に限られることはなく、非平行な複数の溝を形成することができる。
また、互いに近接する複数の溝を近接して形成したい場合、その近接する溝の一方を押出加工によって、また他方の溝を鍛造加工によって形成するようにすれば、近接する複数の溝を鍛造加工のみによって形成する場合のような問題を招くことがない。
具体的に図面を参照してこの発明の方法の実施形態を詳細に説明する。
図1に示すような熱交換器、すなわちベースプレート1上に、複数のルーバー切起し放熱フィン10−1、10−2を、隣り合うもの同士が交互に逆V字形状、V字形状をなすように配列した熱交換器向けのベースプレート1を製造するにあたっては、各ルーバー切起し放熱フィン10−1、10−2の縁部を挿入するための各溝も、ベースプレート表面に交互に逆V字形状、V字形状をなすように形成する必要がある。
この場合、先ず図3の実線で示すように平行な方向の複数の溝(符号20−1で表わす溝)を押出加工によって形成する。なおこの場合、実際上は図4に示しているように、最終的に得るべき1つのベースプレート1よりも充分に大きい形状、寸法(通常は複数のベースプレートを並べた大きさ)のベースプレート素材22を押出加工によって製造すると同時に、その押出加工によって多数の平行な溝20−1を形成し、押出加工後に図4の破線で示す位置で素材22を切断すれば、図3で示すような平行な溝20−1を有するベースプレート1を容易に得ることができる。このようにして平行な複数の溝20−1を形成したベースプレート1に対し、鍛造加工によって、図3の破線で示すように上記の溝20−1とは異なる方向の複数の溝(符号20−2で表わす)を形成する。
このようにすれば、交互に逆V字形状、V字形状をなす複数の溝20−1、20−2を有する溝付ベースプレート1を得ることができる。またここで、図3から明らかなように、鍛造加工によって形成された複数の溝20−2の相互間は近接していないため、鍛造加工単独で近接する溝を形成する場合の問題の発生を回避することができる。
上述のようにして複数の溝が形成されたベースプレートを用いて図1に示すような熱交換器を製造するにあたっては、各ルーバー切起し放熱フィン10−1、10−2の縁部を、それぞれ対応する溝20−1、20−2に挿入し、ろう付け等により機械的、熱的に接合する。
ここで、図5、図6を参照して、各ルーバー切起し放熱フィン10−1、10−2の縁部をベースプレート1上の溝20−1、20−2に挿入して両者間を結合する状況の例を説明する。なお図5、図6において前述のルーバー切起し放熱フィン(10−1、10−2)は、これらを代表して符号10で示し、また前述の溝(20−1、20−2)は、これらを代表して符号20で示す。
図5に示すように、ルーバー切起し放熱フィン10には、金属板の板面から複数のルーバー切起し12が傾斜状に切起されており、各ルーバー切起し12の間の空隙が既に述べたように冷却用流体通路14となっている。そして各ルーバー切起し12の端部12Aは、ルーバー切起し放熱フィン10の縁部10Aの板面(元板板面)から突出した状態となっている。そして図6に示すように、ルーバー切起し放熱フィン10の縁部10Aをベースプレート1の溝20に挿入するにあたっては、ルーバー切起しの端部12Aがベースプレート1の板面(溝20の開口端の周辺部分の表面、すなわち溝肩部の上面)1Aに密着するまで、縁部10Aを差し入れる。このようにすることによって、ベースプレート1の側から熱が伝達されて来た際に、ルーバー切起し放熱フィン10の縁部10Aの表面と溝20の内壁面との間のみならず、ルーバー切起し12の端部12Aと溝肩部の表面1Aとの間の密着部分24でも充分に熱が伝達することにより、熱交換器としての熱交換効率も向上することになる。そしてこのような密着部分24をもロウ付けすれば、さらに熱的な接合が確実となり、より一層熱が伝わりやすくなる。
ここで、既に述べたように鍛造加工単独によって相互に近接する位置に複数の溝を形成して、その近接位置付近で材料のだれや凹状部分が発生してしまった場合には、ルーバー切起し12の端部12Aを溝肩部の表面1Aに充分に密着させ得なくなることがあり、その場合には前述のような熱伝達が充分に行なわれなくなってしまうおそれがある。しかしながら、既に述べたようにこの発明の方法の場合、鍛造によって形成する複数の溝は、相互に近接した配置とする必要はないから、上述のような問題の発生を回避することができる。
さらに、溝20を押出加工、鍛造加工によって形成するにあたっては、ルーバー切起し12の端部12Aがベースプレート1の溝肩部表面に密着する部分を含めて、凹状をなすように溝20を形成しても良い。すなわち、例えば鍛造加工によって溝20を形成するにあたり、鍛造用金型(パンチ)26として、図7中に示すように肩付き2段凸形状のものを用い、溝20の開口部付近も水平凹部20Aとなるように加圧することによって、その部分の水平度(平坦度)が高くなるとともに、溝20の両側の高さも均一化され、より確実にルーバー切起し端部の密着度を高めることができる。
以上のところにおいては、図1に示しているように、ベースプレート1上に複数のルーバー付き放熱フィンのみを立設する場合について説明したが、図2に示すように、放熱フィンだけではなく、それ以外の板状部材、例えばベースプレート上に冷却用流体の流れを誘導したり、遮断したりするための仕切板、邪魔板やあるいは隔壁板として板材が立設される場合にも、この発明の方法が適用可能であることはもちろんである。例えば図2に示す熱交換器においては、複数枚のルーバー切起し放熱フィン10が相互に平行となるように立設され、かつ各ルーバー切起し放熱フィン10に対してV字形状に斜行するように複数の板材16が立設されており、このような熱交換器に使用されるベースプレート1を製造するにあたって、ルーバー切起し放熱フィン10用の複数の溝と、それ以外の板材16用の溝とのうち、いずれか一方の溝を押出加工によって形成し、その後の鍛造加工によって他方の溝を形成すれば良い。
さらに以上の説明では、放熱フィンとして、金属板に複数のルーバー切起しを形成してなるルーバー切起し放熱フィンを用いた例について説明したが、放熱フィンは、要は1または2以上の冷却用流体通路が形成されているものであれば良く、その具体的形状は図1、図2に示されるものに限定されないことはもちろんである。すなわちこの発明の方法は、放熱フィンを含む種々の板状の部材の縁部を挿入するための溝をベースプレート表面に形成するための方法として、広く適用することができる。
なお、放熱フィンの縁部をベースプレート表面の溝に挿入して両者間を機械的、熱的に結合するための手段としては、前述のようにロウ付けが一般的であるが、熱を充分に伝達し得る手段であれば、半田付け、接着、圧入、カシメ、熱伝導グリス使用など、種々の手法を適用し得ることはもちろんである。
さらに、ベースプレートに形成する溝の深さ、幅などの寸法は特に限定されるものではなく、要は放熱フィン等の板状部材の縁部を挿入してこれらを確実に保持し得る寸法、あるいは充分に密着し得る寸法に定めれば良い。
さらに、形成する溝の断面形状は、押出加工による溝と鍛造加工による溝とで必ずしも同一である必要はなく、放熱フィン等の板状部材の縁部の形状、寸法に対応して定めれば良い。すなわち、放熱フィンのみをベースプレート上に立設する場合はその縁部の形状、寸法が同一であるのが通常であり、その場合には同一の寸法、形状で溝を形成すれば良いが、放熱フィンのほか、仕切板や邪魔板等として放熱フィン以外の板状部材をベースプレート上に立設する場合には、ベースプレート表面の複数の溝としても異なる寸法、形状が要求されることが多々あるのである。
そしてまたベースプレート表面に形成する溝の断面形状は、既に述べたようなルーバー付きフィンに適用する場合は、図6に示したような角形状あるいは図7に示したような2段形状とすることが好ましいが、それ以外の板状部材を挿入するための溝は、肩部にRを有する形状であっても良く、その場合、特に鍛造加工では金型の長寿命化を図ることができる。
さらに、押出加工によって溝が形成されたベースプレートに対して、鍛造によって別の溝を形成するにあたっては、押出加工によって形成された溝の形状を鍛造加工中も確実に保持するため、押出加工によって形成された溝を型等で押さえた状態で鍛造加工を行なうことが望ましい。
1 ベースプレート
10、10−1、10−2 ルーバー切起し放熱フィン
12 ルーバー切起し
14 冷却用流体通路
16 板材
20 溝

Claims (3)

  1. 発熱部品が熱的に接続されるベースプレート上に、冷却用流体への伝熱を行なうための放熱フィンを含む複数の板状部材が立設されてなる熱交換器に使用されるベースプレートの製造方法であって、かつ前記各板状部材の縁部を挿入するための複数の溝が形成された溝付きベースプレートを製造する方法において、
    押出加工によって表面に1または平行な2以上の溝を有するベースプレートを製造し、
    その後、その押出加工により形成された溝の方向とは異なる方向の1または2以上の溝を、鍛造加工によってベースプレート表面に形成することを特徴とする、熱交換器用溝付きベースプレートの製造方法。
  2. 請求項1に記載の熱交換器用溝付きベースプレートの製造方法において、
    前記複数の板状部材として、放熱フィンのほか、冷却用流体を放熱フィンに導くための1または2以上の板材を含むことを特徴とする、熱交換器用溝付きベースプレートの製造方法。
  3. 請求項1もしくは請求項2に記載の方法により製造された熱交換器用溝付きベースプレート。
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