JP5191649B2 - シリコーン洗浄用組成物および洗浄方法 - Google Patents

シリコーン洗浄用組成物および洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコーンおよびその混合物を洗浄するための洗浄用組成物、およびそれを用いた洗浄方法に関する。
衛生や美容に対する意識は年々高まる傾向にあり、清潔や美を追求するための多種多様なパーソナルケア製品が次々に開発され消費者に広く受け入れられている。
このように多種多様な製品を限られた設備で生産するには、1つの配合設備を用いて複数の製品を次々に生産できると効率が良い。そのためには、1つの生産品目を配合した後の配合設備の配合釜や配管内部などは洗浄して、次の生産品目を配合する際にその生産品目に必要な成分以外の混入を避ける必要がある。
しかしながら、リンス・コンディショナーなどのシリコーンを含有する製品の配合後には、その配合過程に用いた配合設備の配管内部や配合釜にシリコーンが残留し、前述と同じ配合設備を用いて次の生産品目を配合する際に、残留シリコーンが次の生産品目に混入するという現象が生じていた。
シリコーンは有機ケイ素化合物重合体の総称であり、リンス・コンディショナーなどに配合して、髪の指通りを良くしたり熱から髪を守ったりする成分である。シロキサン結合(−Si−O−Si−O−)を骨格とし、ケイ素原子にアルキル基などが結合していて、液状のもの(シリコーン油)、ゴム状のもの(シリコーン‐ゴム)、樹脂状のもの(ケイ素樹脂)などがある。いずれも耐熱性・耐薬品性・撥水性・電気絶縁性などに優れており、その疎水性および独特の摩擦特性によってパーソナルケア分野から塗料分野などに至るまで非常に重要な原料であるが、そうした製品の製造過程で装置などにシリコーンが付着した場合は、その化学的安定性ためにシリコーンを装置などから完全に除去するのは容易ではない。
シリコーンの溶剤としては、ベンゼン・トルエン・キシレン・ガソリン・石油エーテルなどが一般に知られているが、いずれも危険性を伴う化学薬品であり、洗浄した後の廃液をそのまま工場から排出すると環境にも害悪であるため廃液処理の問題も生ずる。
それゆえ従来は、シリコーン含有製品を配合した後の配合設備の洗浄方法として、タワシやスポンジなどの清掃具を用いて手作業で拭き取るか、洗浄力に課題がありながらも、中性の界面活性剤水溶液またはアルキルベンゼンスルホン酸塩などの一般的な界面活性剤が洗浄剤として使用されていた(特許文献1)。また、シリコーンの性状により洗浄しにくいシリコーン混入塗料の洗浄液および洗浄方法(特許文献2)や、すすぎ性を改善するためにアルキルグリコシドを界面活性剤としたシリコーン洗浄用組成物および洗浄方法が報告されている(特許文献3)。
特開平2−215897号公報 特開平6−346010号公報 特開2006−176592号公報
現行では生産品目を分類し、リンス・コンディショナー製品類は、例えばリンス専用配合槽にて製造しており、その配合設備の洗浄は次のように行っている。
製品を配合した後、80℃の温水を用いて配合釜の槽内を自動洗浄し、前記配合釜と連結している配管に前記温水をそのまま流出させ、10〜30分ほど前記配管内を循環させた後に水抜きを行い、この過程を複数回繰り返すことによって、前記配合設備における装置全体の内部を洗浄する。
ところが、このような温水による現行の自動洗浄方法では、洗浄後も前記配合釜や前記配管内にヌルツキやテカリが検出され、成分分析の結果からそうしたヌルツキやテカリを生じさせる付着物はシリコーン系残留物と判明した。
シリコーンは疎水性であるために、配合後の配合設備の洗浄には一般に長時間を要する。特に、顔料や染料などの色材とシリコーンを混合する場合、このような混合物の混合に使用した配合設備をある程度の洗浄度まで速やかに洗浄しなければ、次の生産品目に混入し品質面で問題となる。しかし、手作業でシリコーン系残留物を拭き取っていては生産性や作業性の面で問題があるので、効率良く洗浄するためには優れた洗浄力で安全性の高い洗浄剤を用いて自動洗浄を行う必要がある。
このような課題に対し、前記特許文献1に開示される洗浄剤では洗浄力が不足し、前記特許文献2に開示される洗浄液も、高温化で高濃度アルカリを使用するため安全性の面で課題がある。また、前記特許文献3に開示される洗浄用組成物も、アルキルグリコシドとグリセリルエーテルと炭化水素を使用しており、これらの化学物質を大量に使用して廃液を流出すると自然環境や生態系への影響が懸念される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被洗浄部に付着したシリコーンおよびその混合物に対して優れた洗浄力を示し、しかも人体や自然界への影響に対しても安全性の高い洗浄用組成物、および当該洗浄用組成物を用いて被洗浄部を洗浄することを特徴とする洗浄方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表される脂肪酸塩(A)を含有するシリコーン洗浄用組成物が、優れた洗浄力と高い安全性を持つことを見出した。
Figure 0005191649
前記一般式(1)中、R1は炭素数5〜21、好ましくは7〜17の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基であり、飽和又は不飽和であってもよいし、水酸基を含んでいてもよい。
Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アミン又は塩基性アミノ酸のいずれかを示し、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明は、(A)成分とともに、下記一般式(2)で表されるアクリル酸アルキル共重合体(B)を含有することで、より優れた洗浄力が得られることを特徴とする。
Figure 0005191649
前記一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基であり、RおよびRは同一であっても異なっていてもよく、炭素数が1〜30の炭化水素基である。また、l、m、nは各々0又は1以上の整数であり、そのうち2つが同時に0になることはない。
本発明は、(A)成分を含有する当該洗浄用組成物もしくは、(A)成分および(B)成分を含有する当該洗浄用組成物を用いて、被洗浄部を洗浄することを特徴とする洗浄方法を提供する。
本発明によれば、シリコーンおよびその混合物に対して優れた洗浄力を示し、しかも人体や自然界への影響に対しても安全性の高い洗浄用組成物が提供できる。また、本発明によれば、当該洗浄用組成物を用いてシリコーン含有製品の配合設備を効率良く安全に自動洗浄できる洗浄方法を提供することができる。さらに、当該洗浄用組成物を用いて、シリコーン処理具や機器類などの被洗浄部を洗浄することができる。
本発明のシリコーン洗浄用組成物は、下記一般式(1)で表される脂肪酸塩(A)を含有することを特徴とし、さらに(A)成分および下記一般式(2)で表されるアクリル酸アルキル共重合体(B)を含有することを特徴とする。
Figure 0005191649
前記一般式(1)中、R1は炭素数5〜21、好ましくは7〜17の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基であり、飽和又は不飽和であってもよいし、水酸基を含んでいてもよい。
Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、アミン又は塩基性アミノ酸のいずれかを示し、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
Figure 0005191649
前記一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基であり、RおよびRは同一であっても異なっていてもよく、炭素数が1〜30の炭化水素基である。また、l、m、nは各々0又は1以上の整数であり、そのうち2つが同時に0になることはない。
<(A)成分>
前記一般式(1)で表される脂肪酸塩の分子は、脂肪酸の部分が親油性で、アルカリ金属の部分が親水性であるため、油と水の両方と結合する界面活性剤となり油性の汚れを水で洗い流す事ができる。植物もしくは動物など、自然界の生物由来の脂肪を分解して得られる脂肪酸に、アルカリ金属を反応させて生成されたものは、石鹸の主成分として利用される。
特に、Mがカリウムの脂肪酸カリウム塩は、通称カリウム石鹸もしくはカリ石鹸と呼ばれ、太古の昔から人類が使って来たものであり、その安全性は長い歴史の中で証明されている。そのため、工業生産においてこのような成分を洗浄用に大量に使用しても、環境に対しての安全性は非常に高いと考えられる。
通常の石鹸と呼ばれる物は、前記一般式(1)で表さる脂肪酸において、Mにナトリウム塩を用いたナトリウム石鹸であるが、高濃度の溶液が作りにくい。水溶液では0.1〜1%の薄い溶液となるため、一般に固形または粉末の剤型となるが、ナトリウム塩も用いることができる。
水への溶解性やにおいの点で好ましい塩として、カリウム塩、トリエタノールアミン塩が挙げられるが、これらの塩に何ら限定されるものではない。
このように環境に対する観点からも、工業生産的に大量にシリコーン洗浄剤を使用することを考えて、本発明のような石鹸の主成分として利用されるような洗浄用組成物を用いることは、安全性が高く廃液処理の問題も少なくて好ましい。
<(A)成分の具体例>
(A)成分の具体例としては、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、ラウロレイン酸、2−エチルブタン酸、イソペンタン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、トリデカン酸、テトラメチルノナン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸、セラコレイン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、アラキドン酸、2−ヘキシルデカン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸の塩、および天然由来の脂肪酸であるヤシ油脂肪酸、硬化ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、硬化パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸の塩が挙げられる。
これらの中で、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸の塩が好ましく、より好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸の塩である。
天然由来の主な脂肪酸について、脂肪酸組成は下記の表1にて表される。
Figure 0005191649
<(A)成分の原料>
(A)成分の原料としては、特に限定されるものではなく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、油脂、脂肪酸、脂肪酸メチルエステルのいずれを用いてもよい。油脂としては、天然油脂である牛脂、豚脂に代表される動物性油脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、オリーブ油等に代表される植物性油脂等が挙げられる。脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸等の直鎖の脂肪酸、イソステアリン酸、2−エチルヘキシル酸、オクチルドデカン酸のような分岐鎖の脂肪酸、これらの混合物が挙げられる。また、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸のような天然の脂肪酸混合物、パーム油ステアリン酸やパーム油オレイン酸のような分離させたものが挙げられる。
なお、本発明の(A)成分は、組成物中に必ずしも脂肪酸塩として配合する必要はなく、脂肪酸部の原料、塩基をそれぞれ単独で配合して、組成物中で脂肪酸塩を形成させてもよい。
実際に製品として生産されているボディソープやハンドソープを製造する場合、配合槽にて水および溶解させた各種脂肪酸を配合し、その配合液にアルカリ剤を添加して中和したものを石鹸分として約10〜20質量%の石鹸水を生成している。
<(A)成分の製造方法1>
脂肪酸(ヤシ油脂肪酸25%/牛脂1号脂肪酸75%)をニーダー内で混合し、70〜100℃に加温して溶解させた後、20〜50質量%水酸化ナトリウムを加えながら攪拌し、脂肪酸を完全に中和し脂肪酸塩とする。これに必要に応じて脂肪酸、アクリル酸アルキル共重合体、キレート剤および精製水を添加し、均一に混合して水分約20〜40質量%の石鹸糊を得る。その後、熱交換器を通して120〜140℃まで温度を上昇させ、真空度を100〜140mmHgにコントロールした真空乾燥塔内噴霧して水分8〜20質量%まで乾燥し、粉末のシリコーン洗浄用組成物(粉末石鹸)を得た。
さらに2軸式単段プロッダーを通してペレット上に加工し、これを石鹸素地として必要に応じて着色剤および香料等を添加した後、温度を調節した2軸式2段プロッダーにて混練したものを型打ちし、固形のシリコーン洗浄用組成物(固形石鹸)を得る。
<(A)成分の製造方法2>
脂肪酸(パーム核油脂肪酸40%/パーム油脂肪酸60%)をニーダー内で混合し、70〜100℃に加温して溶解させた後、20〜50質量%水酸化ナトリウムを加えながら攪拌し、脂肪酸を完全に中和し脂肪酸塩とする。これに必要に応じて脂肪酸、キレート剤、ポリオール、油性成分、着色剤、香料、エタノールおよび精製水を添加、均一に混合し、エタノールおよび精製水を合計約20〜40質量%含む石鹸糊を得る。その後、石鹸糊を筒等の型に流し込み、一定温度で水分約8〜20質量%程度になるまで乾燥させた後、型打ちし、固形のシリコーン洗浄用組成物(固形石鹸)を得る。
<(A)成分の配合量>
当該洗浄剤組成物中の(A)成分の配合量は、水溶性のカリウム塩やトリエタノールアミン塩では5〜20%が好ましく、より好ましくは8〜15%である。ただし、理想的な配合量よりさらに希釈して使用しても洗浄効果は高い。
また、ナトリウム塩の場合は配合量90%近くまで増やすことができ、一般の固形石鹸の石鹸純分は90%近いもので、残りは水や各種添加剤である。
<(B)成分>
本発明において、(B)成分は前記一般式(2)で表されるアクリル酸アルキル共重合体であり、アクリル酸アルキルコポリマーとも表示される。
アクリル酸アルキル共重合体は高分子の一種であり、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、アクリル酸またはメタクリル酸の中の2種以上の成分からなる共重合体である。通常エマルジョンの状態で提供されることが多いが、粉末や水、エタノール、プロピレングリコールおよびこれらの混液に分散した状態で提供されることもある。
アルカリ剤で中和すると透明なジェルになり、このジェルを少量配合すると様々な粉体や乳化物などを安定して分散させることができるため、通常は水酸化ナトリウム、アンモニア、トリエタノールアミン等で中和してから使用され、乳化剤や増粘剤などとして用いられる。
接着性、耐水性に優れ、微生物への安定性、皮膚への安全性に高い皮膜形成成分であるため、化粧品分野において、パック用剤や乾燥肌対策用の乳液などに配合して保湿効果を高めたり、アイライナーやマスカラなどのメーキャップ用品に配合してウォータープルーフ効果を高めたりする。
<(B)成分の製造方法>
前記各種モノマーを乳化重合することによって製造することができるが、市販もされており、市販品としては、例えばPemulen TR−1、Pemulen TR−2(BF グッドリッチ社製)、ルビマー100P、ルビマー30E、ルビフレックスソフト(BASFジャパン株式会社製)、レオアールMS−200、レオアールMS−100(ライオン株式会社製)、ジュリマーAT−210、ジュリマーAT−510、ジュリマーET−410(日本純薬株式会社製)が挙げられる。
<その他の成分>
本発明の洗浄用組成物はさらに、本発明の効果を損なわない範囲で、洗浄用組成物に
通常用いられる、アルカリ剤、消泡剤、他の界面活性剤、防腐剤、防錆剤などを含有してもよい。
本発明における実施例および比較実験例では、(A)成分および(B)成分に、プロピレングリコール、EDTAおよび水を添加している。
本発明において前記水を添加する場合、水の種類について特に限定はなく、イオン交換水、純水、脱イオン水などが挙げられ、イオン交換水が好ましい。
<洗浄対象>
本発明の洗浄対象となるものは、シリコーンを混合する際に使用されるシリコーン配合設備、シリコーン取り扱いで使用される冶工具類などのシリコーン処理具、およびシリコーン含有製品を使用する空間に設置されている機器類などが挙げられる。
本発明においてシリコーン配合設備とは、シャンプー、リンス・コンディショナーなどの頭髪洗浄用化粧品;ファンデーションなどのメークアップ化粧品;日焼け止め化粧品;口唇化粧品;アイライナー化粧品;消泡剤;樹脂形成加工時に金型に塗布される離型剤;ポリウレタン、PVC、フェノールフォーム用整泡剤;シリコーン配合塗料などに用いられるシリコーンおよびその混合物を調整する際に使用される容器、充填ラインのポンプ、配管、中継槽のようなタンクなどをいう。
また、本発明において冶工具類とは、シリコーンを含有する製品を容器に充填し製品化する際に使用される、充填機ノズルなどのシリコーンと接触する可能性のある冶工具類一般をいう。
さらに、シリコーンを含有するスプレー式整髪剤などを使用する際、噴霧された製品が周囲に飛散し、付近に設置されているストーブの引火口がシリコーンおよびその混合物でコーティングされてしまい、正常に作動しない原因となる現象が報告されている。
本発明における機器類とは、このようにシリコーン含有製品が飛散したり、滴下したり、接触したりなどする可能性のある機器類一般をいう。
<除去対象>
本発明の洗浄用組成物の主な除去対象は、シリコーンおよびその混合物である。シリコーンの種類としては、ジメチルシリコーンや高重合ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、環状ジメチルシリコーン、およびアミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、カチオン変性シリコーン等の変性シリコーンのうち油溶性のものが対象となる。
水溶性の変性シリコーンの場合、容器や配管に残ったとしても容易に水で洗い流すことができるが、このような水溶性の変性シリコーンの洗浄に用いてもよい。
<調整方法>
以上の構成を有する本発明の洗浄用組成物は、前記成分およびその他の成分などを常法により混合することにより製造することができる。例えば、前記脂肪酸塩、前記アクリル酸アルキル共重合体(エマルジョン)、前記プロピレングリコールおよび前記EDTAを攪拌しながら混合し、さらに必要に応じてその他の成分を混合して、最後に水を添加することで、製造することができる。
<用途>
本発明の洗浄用組成物は、シリコーン処理具の洗浄に適用することができる。本発明の洗浄用組成物を適用することにより、環境に配慮しながら生産性の向上、洗浄時間の短縮、省エネルギーなどの効果が奏される。
本発明はまた、前記洗浄用組成物を用いるシリコーン処理具の洗浄方法に関する。
<洗浄方法>
本発明の洗浄方法は、前記洗浄用組成物を用いてシリコーン処理具を洗浄する工程(以下、単に洗浄工程という場合がある)を含み、さらにシリコーン処理具に残存している洗浄用組成物の成分に可溶化したシリコーンおよびその混合物、および/または洗浄用組成物成分を洗い流すためのすすぎ工程および乾燥工程を含むことが好ましい。
前記洗浄工程において、前記したように本発明の洗浄用組成物をそのままシリコーン処理具の洗浄に使用してもよいが、排水負荷の軽減の観点から、水などの希釈媒体、好ましくは水で本発明の洗浄用組成物を希釈してシリコーン処理具の洗浄に使用してもよい。
洗浄工程における洗浄温度は、シリコーン処理具に付着するシリコーンおよびその混合物に対して十分な溶解性および除去性を発揮する観点から、好ましくは40℃以上、シリコーンおよびその混合物の粘度低減によって溶解性および除去性を向上する観点から、より好ましくは60℃以上である。また、洗浄温度は、水分の蒸発を抑制する観点から、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
洗浄時間は、洗浄されるシリコーン処理具の種類および付着しているシリコーンおよびその混合物の量および種類によっても異なるので一概には言えないが、30〜60分の洗浄時間でシリコーン処理具からシリコーンおよびその混合物が十分除去される。
洗浄手段としては、浸漬法、超音波洗浄法、浸漬揺動法、スプレー法、電解洗浄、手拭き法等の各種の公知の洗浄手段が挙げられ、シリコーン処理具の種類に合わせて、これらの手段を単独でまたは適宣組み合わせてシリコーン処理具を洗浄することができる。
例えば、シリコーン処理具がシリコーン配合設備である場合、前記洗浄用組成物そのまま、または適当な倍率に水で希釈した洗浄用組成物シリコーン配合設備を満たし、シリコーン配合設備に付帯している攪拌機を作動させてシリコーン配合設備を洗浄する。なお、攪拌装置の攪拌速度は、洗浄効果を高める意味で、設備内に乱流が発生する速度以上であれば良い。
一方、シリコーン処理具が冶工具類である場合、前記洗浄用組成物をそのまま、または適当な倍率に水で希釈した洗浄用組成物を満たした洗浄槽に冶工具類を浸漬し、超音波洗浄法、浸漬揺動法、または液中、気中スプレー法等各種の公知の洗浄方法を単独または組み合わせて冶工具類を洗浄する。
シリコーン含有製品を使用する空間に設置されている機器類などの場合も、その材質や形状に応じて、前記洗浄用組成物をそのまま、または適当な倍率に水で希釈した洗浄用組成物を満たした洗浄槽に冶工具類を浸漬し、超音波洗浄法、浸漬揺動法、または液中、気中スプレー法等各種の公知の洗浄方法を単独または組み合わせて機器類を洗浄する。
すすぎ工程は、洗浄工程が終了した後、洗浄用組成物を廃棄し、シリコーン配合設備に残存している洗浄用組成物の成分に可溶化したシリコーンおよびその混合物、および/または洗浄用組成物の成分をシリコーン配合設備から除去するために行われる。乾燥工程は、すすぎ工程が終了した後、シリコーン処理具に残存している水分を乾燥するために行われる。
実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。後述の表中の各組成における「%」は、特に断りのない限り「質量%」を意味する。また、特に断りのない限り、数値は純分換算値を示す。
[実施例1〜4および比較例1〜5]
[実験方法]
直径3cm、長さ30cmのステンレス管の内側にメチルシリコーン(30mm/s)3gを流し込み、内壁に充分に接触させて、残留シリコーンモデルを作成した。このステンレス管に実施例1〜4、比較例1〜5の組成物の5倍水希釈物30gを加え、振とう機で15分間振とうさせ、(洗浄液を捨て)さらに30mlの水で同様の操作を2回行った後、内壁に残ったシリコーンの残留性を以下の評価基準に基づき評価した。
[評価基準]
2回目の洗浄液の濁り ◎:透明な液体 ○:透明な液体(シリコーンの小さな油滴が数個浮かぶ) △:若干濁りがある ×:白色の液体
目視 ○:付着物なし △:少し付着物あり ×:全体的に付着物あり
触手 ○:ぬるつきなし △:若干ぬるつきあり ×:全体的にぬるつきあり
実施例1〜4の結果を表2に示す。
Figure 0005191649
前記実施例1〜4の結果から、脂肪酸カリウムまたは脂肪酸トリエタノールアミンに、プロピレングリコール、EDTAおよび水を添加した洗浄用組成物はシリコーン洗浄効果が高いことが示され、さらに脂肪酸カリウムにアクリル酸アルキルコポリマー(1)もしくはアクリル酸アルキルコポリマー(2)を配合し、さらにプロピレングリコール、EDTAおよび水を添加した洗浄用組成物は、より洗浄効果が高いことが示された。
比較例1〜5の結果を表3に示す。
Figure 0005191649
前記比較例1〜2の結果から、脂肪酸塩を含有しない組成物は洗浄効果を持たず、アクリル酸アルキルコポリマーを配合しても洗浄効果を持たないことが示された。
前記比較例3〜4の結果から、脂肪酸カリウムの代わりにポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(2EO)もしくはテトラデセンスルホン酸ナトリウムにプロピングリコール、EDTAおよび水を添加した組成物は、触手法で洗浄効果が示されたものの十分ではなかった。
前記比較例4〜5の結果から、触手法でシリコーン残留性に効果を示すテトラデセンスルホン酸にアクリル酸アルキルコポリマーを配合すると、すすぎ水の濁り具合においても洗浄効果を持つことが示されたが十分ではなかった。
[実施例6]
<シリコーンを取り扱った器具の(洗浄)除去効果>
シリコーンと接触した実験器具(小型ビーカー、ピペット、ガラス棒など)を超音波洗浄機に入れ、実施例3の組成物を水で10倍に希釈した洗浄液を加えて、30分間超音波洗浄後、乾燥してシリコーンの残留性を目視と触手で確認した所、シリコーンの残留性はみとめられなかった。
[実施例7]
<シリコーンをこぼした机や床などに残ったシリコーンの除去効果>
実験室の机や床にこぼしたシリコーンを大略拭取った後、1)実施例1の組成物を滴下、2)粉末のシリコーン洗浄用組成物(粉末石鹸)をふりかけた後、水を滴下、3)固形のシリコーン洗浄用組成物(固形石鹸)を水で泡立てて、対象部位にこすりつける処理をした後、充分に拭取り、シリコーンの残留性を触手で確認した所、1)、2)、3)いずれの処理でもシリコーンの残留は認められなかった。
[実施例8]
<実機でのシリコーン除去効果>
リンス製造に用いた図1に示す製造ラインの配合釜(1t釜)や配管に付着した油溶性のシリコーンを洗浄するため、実施例4に示す組成物を100Kg投入し、さらに800Kgの温水を加えて30分間循環洗浄した。
図1において、1はタンク型の配合釜であり、この配合釜1の上部には温水の噴射ノズル2が設けられている。配合釜1の底部にはバルブ3を介して排水管5が接続され、排水管5の一端5aから、排水設備側に排水できるように構成されている。排水管5の途中にはバルブ6を介して戻り管7が接続され、戻り管7の他端が循環器8を介して配合釜1の側部に接続されている。更に、排水管5の途中にはバルブ9を介して戻り管10が接続され、戻り管10の他端が循環器11を介して配合釜1の上部に接続されている。
この設備を用いて、配合釜1、排水管5、戻り管7を介して循環洗浄し、その後、廃液を抜いた後に、800Kgの温水ですすぎ、配合釜1の内壁面や排水管5、戻り管7の途中部分のシリコーン残留性を目視、触手で調べた所、シリコーンの残留は認められなかった。また、すすぎ液の濁りはなく、上面にシリコーンが浮遊してくることもなかった。
この排水管5の内部には特にシリコーンが残留しやすく、残留シリコーンを手作業では除去できないため、本発明のシリコーン洗浄用組成物による洗浄が非常に効果を奏する。
[実施例9]
<シリコーン洗浄剤組成物>
以上の結果から、本発明における洗浄用組成物に含有する脂肪酸塩としては、脂肪酸カリウムもしくは脂肪酸トリエタノールが好ましく、更に当該洗浄用組成物にアクリル酸アルキルコポリマーを含有することが好ましい。
実際に当該洗浄用組成物を産業化するにあたり、配合する成分例を下記表4に示す。
Figure 0005191649
<実施例9の製造方法>
イオン交換水にプロピレングリコールとソルビットを溶解後80℃に加温し、各種脂肪酸を加えてさらに水酸化カリウムを滴下し中和する。その後アクリル酸共重合体とエチレンジアミン四酢酸ナトリウムを添加し、さらに攪拌して40℃以下まで冷却する。冷却後、水酸化カリウムにてpHを微調整し、イソプロピルメチルフェノールと香料を加えて充分に攪拌して、シリコーン洗浄剤組成物を得た。
本発明の洗浄用組成物は、洗浄困難なシリコーンと接触したシリコーン処理具や機器類の洗浄に使用することができる。
図1は、リンス専用配合設備の概略を示す構成図である。
符号の説明
1 配合釜 2 噴射ノズル 3バルブ 5 排水管 5a一端 6 バルブ 7 戻り管 8 循環器 9 バルブ 10 戻り管 11 循環器

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される脂肪酸塩と、下記一般式(2)で表されるアクリル酸アルキル共重合体とを含有し、60℃以上の洗浄温度で機器類を洗浄するのに用いられるシリコーン洗浄用組成物。
    Figure 0005191649
    [式中、Rは炭素数5〜21の一価炭化水素基を示す。Mはアルカリ金属原子、アンモニウム、アミン又は塩基性アミノ酸のうち、1種又は2種以上を示す。]
    Figure 0005191649
    [式中、Rは水素原子又はメチル基であり、RおよびRは同一であっても異なっていてもよく、炭素数が1〜30の炭化水素基である。また、l、m、nは各々0又は1以上の整数であり、そのうち2つが同時に0になることはない。]
  2. 請求項1に記載のシリコーン洗浄用組成物を用いて、60℃以上の洗浄温度で機器類を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
  3. 前記機器類は、シリコーン配合設備であることを特徴とする請求項2に記載の洗浄方法。



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