JP5191472B2 - 乾式多板クラッチ機構における摩耗粉対策構造 - Google Patents

乾式多板クラッチ機構における摩耗粉対策構造 Download PDF

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Description

本発明は、乾式多板クラッチ機構における摩耗粉対策構造に関する。
摩擦板を軸方向に複数並べた乾式多板クラッチ機構では、摩擦板の締結・解放の繰り返しにより摩耗粉が発生する。
そして、摩耗粉がクラッチ機構内に蓄積すると、例えば摩擦板の締結が邪魔されて、作動不良を起こすおそれがある。
特許文献1には、乾式多板クラッチ機構において、内部に空気の流れを形成し、摩耗粉を空気の流れに乗せて外部に排出させるようにしたものが開示されている。
特開2004−308758号公報
しかし、摩耗粉は質量があるものであり、空気の流れを利用して摩耗粉の総てを外部に排出させることは困難であり、また空気の流れに乗った摩耗粉が排出されずに、クラッチ機構内の他の部位に付着して、作動不良を起こすおそれもある。
そこで、摩耗粉をより確実に多板クラッチ機構の外部に排出させることが求められている。
本発明は、ドライブ側とドリブン側の摩擦板を軸方向で交互に重ねた乾式多板クラッチ機構を介して、エンジンの回転が入力される入力軸と、モータの回転子との間の回転の伝達/非伝達の切り換えが行われるハイブリッド構造の自動変速機において、ドリブン側の摩擦板を内周で支持する筒状支持部材を、回転子の径方向内側で、回転子の内周面との間に隙間をあけて回転子に固定的に配設し、筒状支持部材に、筒状支持部材の径方向の内側と外側とを連通させる連通部を設けると共に、回転子の内周面に、軸方向に所定角度で傾斜する傾斜帯を設けた構成の乾式多板クラッチ機構における摩耗粉対策構造とした。
本発明によれば、ドライブ側とドリブン側の摩擦板の締結・開放の繰り返しにより生じる摩耗粉は、回転による遠心力で、摩擦板から見て径方向外側に位置する筒状支持部材の内周面に向けて移動し、連通部を通って、回転子の内周面と筒状支持部材の外周面との間の隙間に排出される。よって、締結時に生じた摩耗粉を、他の部材などに付着させずに、ドライブ側とドリブン側の摩擦板が位置する筒状支持部材の内側から外側に排出できるので、摩耗粉の付着に起因する作動不良の発生を好適に防止できる。
また、回転子が回転している間は、隙間内に排出された摩耗粉を、傾斜帯により、回転子と筒状支持部材の軸方向に移動させて、隙間からも排出させることができる。よって、摩耗粉をクラッチ機構の外部に確実に排出させて、摩耗粉に起因する作動不良の発生をより好適に防止できる。
実施の形態にかかる摩耗粉対策構造を説明する断面図である。 実施の形態にかかる摩耗粉対策構造を説明する斜視図である。 実施の形態にかかる摩耗粉対策構造を説明する図である。 変形例にかかる摩耗粉対策構造を説明する図である。 変形例にかかる摩耗粉対策構造を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態にかかる摩耗粉対策構造を備える乾式の多板クラッチ機構が、モータとエンジンの二つの駆動源からの回転駆動力が入力されるハイブリッド構造の自動変速機に適用された場合の要部断面図である。
図1に示すように、エンジン(図示せず)の回転が入力されて回転軸X周りに回転する入力軸1と、モータの回転子2の内径側の軸部21とが同軸に設けられており、入力軸1と回転子2との間の回転の伝達/非伝達の切り換えが、乾式の多板クラッチ機構30を介して行われるようになっている。
多板クラッチ機構30は、入力軸1と一体に回転するドライブプレート31と、回転子2と一体に回転するドリブンプレート32と、ドライブプレート31およびドリブンプレート32を軸方向に圧縮するピストンピン34を備える。
実施の形態の自動変速機では、フロントカバー4と、変速機構部とモータ室とを仕切るリアカバー5の間の空間S内において、ドライブプレート31とドリブンプレート32とが、回転軸Xの軸方向(以下、軸方向と記載する)で交互に重ねて配置されており、ピストンピン34により軸方向に圧縮されて締結されると、入力軸1と回転子2との間で回転が伝達される状態となる。
固定側部材であるフロントカバー4の内径側には、回転軸Xに沿ってリアカバー5側の後方に延びる円筒支持部41が設けられており、この円筒支持部41では、入力軸1がベアリング61を介して回転可能に支持されている。
また、フロントカバー4の外径側には、円筒支持部41を所定間隔で囲むリング状の周壁部42が、リアカバー5側に延出して設けられている。この周壁部42は、先端側の内周面に後記する回転子2のダストシール26が当接する位置まで、回転軸Xに沿って直線状に延びている。
フロントカバー4において、円筒支持部41と周壁部42の間の外径側は、内径側よりも図示しないエンジン側(図中右側)に膨出しており、フロントカバー4のリアカバー5側の面に、軸方向から見てリング状の凹溝43が形成されている。
入力軸1は、フロントカバー4をエンジン(図示せず)側から貫通しており、入力軸1の先端の円筒部11は、軸部21の先端の縮径部21aに外挿されている。
円筒部11の先端11aと、回転子2の後記する円板部22との間には、スラストベアリング62が、円筒部11と縮径部21aとの間にはニードルベアリング63が、それぞれ設けられており、入力軸1と回転子2(軸部21)とは、フロントカバー4とリアカバー5の間で、相対回転可能に連結されている。
空間S内において円筒部11の径方向外側には、円筒状のドライブプレート支持部12が位置しており、ドライブプレート支持部12と円筒部11とは、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
ドライブプレート支持部12の外周面には、回転軸Xの軸方向に延びるスプライン121が設けられている。スプライン121は、回転軸X周りの周方向で、所定間隔をあけて複数設けられており、軸方向からみて、回転軸X周りに放射状に設けられている。
ドライブプレート31は、軸方向から見てリング形状を有しており、その内周に全周に亘って形成された歯部を、ドライブプレート支持部12のスプライン121に嵌合して、ドライブプレート支持部12(入力軸1)と一体に回転可能に設けられている。
ドライブプレート31のドリブンプレート32との対向面には、図示しない摩擦材が貼り付けられている。
回転子2は、回転軸Xの軸方向に沿って延びる軸部21と、軸部21の先端側から径方向外側に延びる円板部22と、円板部22の外周縁から、回転軸Xの軸方向に延びる磁石支持部25と、を備える
軸部21の先端には、入力軸1の円筒部11に内挿される縮径部21aが設けられており、軸部21内を軸方向に延びる油路21bは、縮径部21aを貫通して設けられている。
円板部22のフロントカバー4側の面には、縮径部21aを所定間隔で囲む周壁部23が、フロントカバー4側に延出して設けられており、周壁部23は、円筒部11の径方向外側に及ぶ延出長さを有している。
周壁部23と円筒部11との間には、リップシール64が設けられており、油路21bから供給されて、ニードルベアリング63とスラストベアリング62を潤滑した潤滑油が、フロントカバー4とリアカバー5の間の空間S内に侵入しないようにされている。
固定側部材であるリアカバー5の図示しない内径側では、回転子2の軸部21が回転可能に支持されている。
略円筒状の磁石支持部25は、回転軸Xに沿って設けられており、軸方向の略中間部分で円板部22に接続されている。この磁石支持部25では、円板部22よりもフロントカバー4側の径方向内側に、多板クラッチ機構30のドライブプレート31とドリブンプレート32が位置している。
磁石支持部25では、フロントカバー4側と、リアカバー5側の端部とに、それぞれ拡径部25a、25bが設けられており、拡径部25a、25bの間の外周面に、永久磁石68が固定されている。
磁石支持部25のフロントカバー4側の端部は、全周に亘って拡径部25aよりもフロントカバー4側に突出した突出部25cとされており、突出部25cは、フロントカバー4の凹溝43内に位置している。
拡径部25aには、軸方向から見てリング状のダストシール26が外嵌して取り付けられており、ダストシール26は、外周面を、フロントカバー4の周壁部42の内周に当接させた状態で設けられている。
ダストシール26は、磁石支持部25とドリブンプレート支持部27との間の後記する隙間28から排出された摩耗粉が、磁石支持部25よりも径方向外側に侵入しないようにするために設けられており、回転子2が回転軸X周りで回転すると、ダストシール26は回転子2と一体に回転して、周壁部42の内周面を摺動するようになっている。
実施の形態では、突出部25cの径方向外側に、拡径部25aと、ダストシール26と、周壁部42と、フロントカバー4と、で囲まれた空間S1が形成されており、この空間S1内に、隙間28から排出された摩耗粉が集まるようになっている。
回転子2において、円板部22よりもフロントカバー4側であって、磁石支持部25の径方向内側には、ドリブンプレート32を内径側に支持するドリブンプレート支持部27が設けられている。
円筒状のドリブンプレート支持部27は、磁石支持部25の内周面251との間に所定間隔の隙間28を確保した状態で、回転子2と一体に形成されている。磁石支持部25の内周面251と、ドリブンプレート支持部27の外周面27aは、それぞれ回転軸Xに対して平行であり、隙間28の径方向幅W1は、回転軸X周りの全周に亘って同じである。
回転軸Xの軸方向におけるドリブンプレート支持部27の一端は、回転子2の円板部22に全周に亘って連結しており、ドリブンプレート支持部27は、円板部22から、回転軸Xに沿ってエンジン(図示せず)側に延びている。そのため、回転子2の磁石支持部25の径方向内側には、ドリブンプレート支持部27と円板部22とから有底円筒形状の空間が形成されており、この空間内にドライブプレート31とドリブンプレート32とが収容されるようになっている。
ドリブンプレート支持部27の内周面には、回転軸Xに対して平行に延びるスプライン271が設けられている。スプライン271は、回転軸X周りの周方向で、所定間隔をあけて複数設けられており、軸方向からみて、回転軸X周りに放射状に設けられている。
ドリブンプレート32は、軸方向から見てリング形状を有しており、その外周に全周に亘って形成された歯部を、ドリブンプレート支持部27のスプライン271に嵌合して、ドリブンプレート支持部27(回転子2)と一体に回転可能に設けられている。
図2は、図1に示した摩耗粉対策構造の要部の斜視図を一部切り欠いて示す図であり、ドリブンプレート支持部27の連通部273と、磁石支持部25の内周面に形成された傾斜帯29を説明する図である。なお、この図において、円板部22のフロントカバー4側の面は、簡略的に表記されている。
図3の(a)は、実施の形態における摩耗粉対策構造において、ドリブンプレート支持部27における連通部273の部分の断面を示す拡大図であって、摩耗粉対策構造の要部を示す図である。図3の(b)は、磁石支持部25の内周面251を(a)におけるA−A矢視方向から回転軸X周りに見た場合を、模式的に示す図であって、磁石支持部25の内周面に形成された傾斜帯29を説明する図である。
図2に示すように、ドリブンプレート支持部27において、周方向で隣接するスプライン271の間のスプライン溝部272には、ドリブンプレート支持部27の内径側と外径側と連通させる連通部273が形成されている。
連通部273は、径方向から見て矩形形状を有しており、図3の(a)に示すように、ドリブンプレート支持部27における円板部22の近傍から、フロントカバー4側の端部の近傍までの範囲に形成されている。
連通部273は、回転軸X周りの総てのスプライン溝部272に形成されており、ドライブプレート31とドリブンプレート32の締結・開放の繰り返しにより生じる摩耗粉が、遠心力で径方向外側に移動した際に、連通部273を介して隙間28内に排出されるようになっている。
図2および図3の(b)に示すように、磁石支持部25のドリブンプレート支持部27との対向面には、径方向から見て回転軸Xの軸方向に所定角度θで交差する傾斜帯29が、回転軸X周りの全周に亘って所定間隔で設けられている。傾斜帯29は、対向面を切削して形成した溝、または対向面に取り付けた凸部により形成され、直線状に延びている。
実施の形態において回転子2は、フロントカバー4側から見て、回転軸X周りに時計回り方向に回転するようになっている。
そのため、傾斜帯29は、隙間28に排出された摩耗粉をフロントカバー4側に排出できるようにするために、傾斜帯29の円板部22側の一端29aは、フロントカバー4側の他端29bよりも、回転方向における下流側に位置している。
かかる構成のクラッチ機構によると、ドライブプレート31とドリブンプレート32との締結・開放の繰り返しにより摩耗粉が生じると、図3の(a)に示すように、摩耗粉は、回転による遠心力で、径方向外側のドリブンプレート支持部27側に移動する。
そうすると、スプライン溝部272には、ドリブンプレート支持部27の内径側と外径側とを連通する連通部273が設けられているので、摩耗粉は、連通部273を通って、ドリブンプレート支持部27と、磁石支持部25との間の隙間28内に排出される。
隙間28内に排出された摩耗粉は、遠心力により磁石支持部25の傾斜帯29が設けられた内周面に達するが、傾斜帯29は、径方向内側から見て、円板部22側の一端29aのほうが、フロントカバー4側の他端29bよりも回転方向における下流側に位置するように、回転軸Xに対して所定角度θ傾斜しているので、回転子2が回転すると、摩耗粉は、回転子2の回転力を受けて傾斜帯29に沿ってフロントカバー4側に移動して、隙間28の端部28aから排出される。
ここで、磁石支持部25の突出部25cは凹溝43内に位置し、凹溝43の内径側と外径側とはそれぞれリアカバー5側に膨出して、ラビリンス構造を形成しており、さらに摩耗粉には、径方向外側に向かう遠心力が作用しているので、隙間28から排出された摩耗粉は、径方向内側の空間S側よりも、径方向外側の空間S1側へ移動する。
ここで、空間S1では、ダストシール26により、回転子2と周壁部42との隙間がシールされているので、摩耗粉は、回転子2の径方向外側に侵入することなく、周壁部42とダストシール26と磁石支持部25とにより形成される空間S1内に捕捉される。
よって、発生した摩耗粉が、多板クラッチ機構30におけるドライブプレート31とドリブンプレート32が位置するドリブンプレート支持部27の内側に停滞して作動不良を起こすこと、隙間28からフロントカバー4側に排出された摩耗粉が、径方向内側のドライブプレート31とドリブンプレート32側に移動して多板クラッチ機構30が作動不良を起こすこと、などが好適に防止される。
以上の通り、実施の形態では、複数のドライブプレート31とドリブンプレート32とを回転軸Xの軸方向で交互に重ねた乾式の多板クラッチ機構30を介して、エンジンの回転が入力される入力軸1と、モータの回転子2との間の回転の伝達/非伝達の切り換えが行われるハイブリッド構造の自動変速機において、ドリブンプレート32を嵌合支持するスプライン271が内周に形成された円筒状のドリブンプレート支持部27を、回転子2の円筒状の磁石支持部25の径方向内側で、磁石支持部25の内周面251とドリブンプレート支持部27の外周面27aとの間に隙間28をあけて回転子2に固定的に配設し、ドリブンプレート支持部27に、ドリブンプレート支持部27の径方向の内側と外側とを連通させる連通部273を設けると共に、磁石支持部25の内周面251に、回転軸Xの軸方向に所定角度で傾斜する傾斜帯29を、周方向の全周に亘って所定間隔で設けた構成の乾式多板クラッチ機構における摩耗粉対策構造とした。
このように構成すると、ドライブプレート31とドリブンプレート32の締結・開放により生じた摩耗粉は、回転による遠心力で、ドライブプレート31とドリブンプレート32から見て径方向外側に位置するドリブンプレート支持部27の内周に向けて移動し、連通部273を通って、磁石支持部25の内周面251とドリブンプレート支持部27の外周面27aとの間の隙間28に排出される。よって、摩耗粉を、ドリブンプレート支持部27の内径側の部材などに付着させずに、ドライブプレート31とドリブンプレート32が位置するドリブンプレート支持部27の内側から排出できるので、摩耗粉の付着に起因する作動不良の発生を好適に防止できる。
ここで、傾斜帯29は回転軸Xの軸方向に対して所定角度θ傾斜して直線状に延びており、さらに、傾斜帯29の一端29aは他端29bよりも回転子2の回転方向における下流側に位置しているので、隙間28内に排出されて傾斜帯29に達した摩耗粉は、回転子2の回転力を受けて、傾斜帯29に沿って軸方向に移動して、傾斜帯29の他端29bから排出される。よって、回転子2が回転している間は、摩耗粉を、隙間28からも排出させることができ、乾式の多板クラッチ機構30内に摩耗粉を停滞させることがないので、摩耗粉の付着に起因する作動不良の発生をより好適に防止できる。
とくに、ドリブンプレート支持部27の内周には、回転軸Xの軸方向延びるスプライン271が、回転軸X周りの周方向で所定間隔で全周に亘って設けられており、連通部273は、周方向で隣接するスプライン271の間のスプライン溝部272の総てに設けられている構成とした。よって、ドリブンプレート支持部27の径方向外側の隙間28内に摩耗粉を確実に排出させて、ドリブンプレート32とドライブプレート31とが位置するドリブンプレート支持部27の径方向内側に摩耗粉が停滞することを確実に防止できる。
さらに、隙間28は、回転軸Xの軸方向でドリブンプレート支持部27に隣接するフロントカバー4側の端部28aが開口しており、端部28aはフロントカバー4のドリブンプレート支持部27との対向面の凹溝43内に位置し、凹溝43の内径側と外径側とはそれぞれリアカバー5側に膨出して、ラビリンス構造を形成している構成としたので、凹溝43内に排出された摩耗粉は、遠心力により、内径側よりも外径側の方に移動するようになる。よって、ドライブプレート31とドリブンプレート32とが設けられた内径側に、隙間28から排出された摩耗粉を移動させないようにすることができるので、摩耗粉の付着に起因する作動不良の発生をより好適に防止できる。
また、傾斜帯29は、回転子2の内周に形成した帯状の凹部または凸部である構成としたので、傾斜帯29が、摩耗粉を隙間28から排出させるための具体的な誘導路となり、摩耗粉の多板クラッチ機構30からの確実な排出を促すことができる。
図4は、傾斜帯29の変形例を説明する図であって、回転軸Xから見た磁石支持部25の内周面251を、展開して模式的に示した図である。
図4に示す傾斜帯29Aは、回転子2の磁石支持部25の内周面251で、回転軸X周りに螺旋状に形成されており、傾斜帯29は、回転子2の回転軸X周りの回転方向とは反対方向に、円板部22側から延びている。
このように構成すると、磁石支持部25の内周面に、円板部22側からフロントカバー4側の端部に向かう一条の傾斜帯29Aが形成される。よって、隙間28内に排出された摩耗粉は、回転子2の回転による回転力を受けて、傾斜帯29Aに沿って移動して、フロントカバー4側の端部から、凹溝43内に排出されることになる。
よって、前記した実施の形態の場合と同様の効果が奏されることになる。
図5は、ドリブンプレート支持部27と磁石支持部25との間の隙間の変形例を説明する断面図である。
なお、以下の説明において、前記した実施の形態と同一のものについては、同一の符号を付して示し、その説明を省略するものとする。
図5に示す摩耗粉対策構造では、隙間28Aの形状が、前記した実施の形態における隙間28と異なっている。
磁石支持部25の内周面251Aは、回転軸Xに平行な仮想線IM1に対して所定角度θ1だけ傾斜して、円板部22側からフロントカバー4側に向かうにつれて、仮想線IM1との離間距離が大きくなっている。
そのため、磁石支持部25の内周面251Aは、回転軸Xの軸方向においてドリブンプレート支持部27の円板部22側の一端からフロントカバー4側の他端に向かうにつれて、径方向外側に隙間28が広がるように傾斜しており、フロントカバー4側の軸方向から見た磁石支持部25の内周面251Aによる開口径が、フロントカバー4側に向かうにつれて大きくなっている。
このように、回転軸Xの軸方向におけるドリブンプレート支持部27の一端は、回転子2の磁石支持部25の内周面251から径方向内側に延びる円板部22に全周に亘って連結しており、内周面251は、回転軸Xの軸方向における円板部22側の一端からフロントカバー4側の他端に向かうにつれて、内径が広がる方向に傾斜している構成としたので、隙間28内に排出された摩耗粉は、回転子2の回転による回転力を受けて、内周面251Aに沿って径方向外側に移動して、フロントカバー4側の端部から、凹溝43内に排出されることになる。
よって、前記した実施の形態の場合と同様の効果が奏されることになる。
1 入力軸
2 回転子
4 フロントカバー
5 リアカバー
11 円筒部
12 ドライブプレート支持部
21 軸部
22 円板部
23 周壁部
24 円筒壁部
25 磁石支持部
25a、25b 拡径部
25c 突出部
25d 内周面
26 ダストシール
27 ドリブンプレート支持部
28、28A 隙間
29、29A 傾斜帯
30 多板クラッチ機構
31 ドライブプレート
32 ドリブンプレート
34 ピストンピン
41 円筒支持部
42 周壁部
43 凹溝
61 ベアリング
62 スラストベアリング
63 ニードルベアリング
64、66 リップシール
65 スラストベアリング
68 永久磁石
121 スプライン
251、251A 内周面
271 スプライン
272 スプライン溝部
273 連通部
S、S1 空間
X 回転軸

Claims (4)

  1. ドライブ側とドリブン側の摩擦板を軸方向で交互に重ねた乾式多板クラッチ機構を介して、エンジンの回転が入力される入力軸と、モータの回転子との間の回転の伝達/非伝達の切り換えが行われるハイブリッド構造の自動変速機において、
    前記ドリブン側の摩擦板を内周で支持する筒状支持部材を、前記回転子の径方向内側で、前記回転子の内周面との間に隙間をあけて前記回転子に固定的に配設し、
    前記筒状支持部材に、前記筒状支持部材の径方向の内側と外側とを連通させる連通部を設けると共に、
    前記回転子の内周面に、前記軸方向に所定角度で傾斜する傾斜帯を設けたことを特徴とする乾式多板クラッチ機構における摩耗粉対策構造。
  2. 前記傾斜帯は、前記回転子の内周面に形成した帯状の凹部または凸部であることを特徴とする請求項1に記載の乾式多板クラッチ機構における摩耗粉対策構造。
  3. 前記傾斜帯は、前記回転子の内周面で、前記回転子の回転軸周りに螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乾式多板クラッチ機構における摩耗粉対策構造。
  4. 前記軸方向における前記筒状支持部材の一端は、前記回転子の内周面から径方向内側に延びる壁部に全周に亘って連結しており、
    前記回転子の内周面は、前記軸方向における前記筒状支持部材の一端側から他端側に向かうにつれて内径が広がる方向に傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の乾式多板クラッチ機構における摩耗粉対策構造。
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